説明

ネットワークを利用したアミューズメントシステム

【課題】ネットワークを介したユーザの結び付きを利用してゲームのプレイに対するユーザのモチベーションの向上を図ることが可能なアミューズメントシステムを提供する。
【解決手段】サーバ装置と、ネットワークを介してサーバ装置に接続可能なゲーム機及びユーザの個人用の端末装置とを含み、所定の結び付きを有するユーザ群がネットワークを介して交流する場を端末装置のユーザに対して提供可能なアミューズメントシステムにおいて、所定の結び付きを有するユーザ群を参加対象者として、所定の条件に従ってゲーム機でゲームをプレイすることを内容に含むゲーム上のイベントを設定し(S23〜S26)、参加対象者のユーザ群の端末装置に対してイベントの情報を提供し(S27、S28)、参加対象者に含まれるユーザがイベントの内容に従ってゲームをプレイした場合、当該参加対象者に含まれる少なくとも一部のユーザに対して所定の特典を付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム機でプレイされるゲームに関連付けられた情報をサーバ装置からユーザの端末装置に提供するアミューズメントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
商業用のゲーム機とユーザの個人用の端末装置とがサーバ装置に接続可能とされ、ゲーム機のゲームに関連付けられた情報をWebコンテンツとしてユーザの端末装置に提供するアミューズメントシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、ネットワークを介したユーザ同士の交流の場を提供する仕組みとして、近年、SNS(ソーシャルネットワークサービスの略)に代表されるネットワークサービスが広く普及している。アミューズメントシステムの分野もその例外ではなく、例えばネットワークに接続された複数の家庭用ゲーム機間でメッセージ等を交換可能としたアミューズメントシステムが提案されている(例えば特許文献2参照)。ネットワークに接続された商業用のゲーム機間で、ゲーム状況に応じた適切な台詞を選択的に送受信して擬似的なコミュニケーションを実現するシステムも提案されている(例えば特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−175004号公報
【特許文献2】特開2011−005306号公報
【特許文献3】特開2010−131082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のシステムは、ゲーム機から離れているユーザにゲームの情報を提供することにより、ゲーム機でのプレイに対するモチベーションを高めることが期待されるものの、その効果はユーザ個人の範囲に止まる。SNSのコミュニティのようなユーザ同士の交流の場を活用してそれらのユーザのモチベーションを高めることは特許文献1のシステムでは想定されていない。一方、特許文献2、3のシステムでは、メッセージ等のやり取りを通じてユーザ間に仲間意識や連帯感を生じさせることが期待できる。しかし、その交流はゲーム機間の限られた範囲で行われるに過ぎず、ゲームのプレイに対するモチベーションの向上効果も限定的である。
【0006】
そこで、本発明は、ネットワークを介したユーザ同士の結び付きを利用して、ゲームのプレイに対するユーザのモチベーションの向上を図ることが可能なアミューズメントシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るアミューズメントシステムは、サーバ装置(3)と、ネットワーク(5)を介して前記サーバ装置に接続可能なゲーム機(2A、2B)及びユーザの個人用の端末装置(7)とを含み、前記ゲーム機のゲームに関連付けられた情報を前記サーバ装置から前記端末装置に対して提供可能とされたアミューズメントシステム(1)であって、所定の結び付きを有するユーザ群が前記ネットワークを介して交流する場を前記端末装置のユーザに対して提供する交流サービス提供手段(12)と、前記所定の結び付きを有するユーザ群を参加対象者として、所定の条件に従って前記ゲーム機でゲームをプレイすることを内容に含むゲーム上のイベントを設定するイベント設定手段(12)と、前記参加対象者のユーザ群の端末装置に対して、前記イベントの情報を、前記ゲームに関連付けられた情報として提供するイベント情報提供手段(12)と、前記参加対象者に含まれるユーザが前記イベントの内容に従ってゲームをプレイした場合、当該参加対象者に含まれる少なくとも一部のユーザに対して所定の特典を付与する特典付与手段(11)と、を前記サーバ装置が備えたものである。
【0008】
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、サーバ装置(3)と、ネットワーク(5)を介して前記サーバ装置に接続可能なゲーム機(2A、2B)及びユーザの個人用の端末装置(7)とを含み、前記ゲーム機のゲームに関連付けられた情報を前記サーバ装置から前記端末装置に対して提供可能とされたアミューズメントシステム(1)に適用され、前記サーバ装置のコンピュータを、所定の結び付きを有するユーザ群が前記ネットワークを介して交流する場を前記端末装置のユーザに対して提供する交流サービス提供手段(12)、前記所定の結び付きを有するユーザ群を参加対象者として、所定の条件に従って前記ゲーム機でゲームをプレイすることを内容に含むゲーム上のイベントを設定するイベント設定手段(12)、前記参加対象者のユーザ群の端末装置に対して、前記イベントの情報を、前記ゲームに関連付けられた情報として提供するイベント情報提供手段(12)、及び前記参加対象者に含まれるユーザが前記イベントの内容に従ってゲームをプレイした場合、当該参加対象者に含まれる少なくとも一部のユーザに対して所定の特典を付与する特典付与手段(11)として機能させるように構成されたものである。
【0009】
本発明によれば、端末装置を利用して交流を図る関係にある一群のユーザを参加対象者としてイベントが設定されると、そのイベントの情報がそれらのユーザの端末装置に提供される。それにより、ユーザは自らを参加対象者に含むイベントが存在することを知ることができる。イベントの情報を取得したユーザが、設定されたイベントの内容に従ってゲームをプレイすると、そのイベントの参加対象者に含まれる少なくとも一部のユーザに何らかの特典が付与される。所定の結び付きを有するユーザ同士がネットワークを介して交流を図る場合、それらのユーザ間には一種の仲間意識が形成されることが通例である。そのため、上記のようにイベントを設定し、かつ特典の付与を制御すれば、自らのゲームのプレイが仲間のユーザへの特典の付与に繋がるという協力関係を形成することができる。つまり、ゲームのプレイを通じて仲間のユーザに協力するという意識を各ユーザに生じさせることができる。それにより、ゲームのプレイに対する各ユーザのモチベーションの向上を図ることができる。
【0010】
本発明において、前記イベント設定手段は、前記端末装置からユーザがイベント設定を要求した場合、該イベント設定を要求したユーザを含むユーザ群を前記参加対象者として、前記イベントを設定するものとしてもよい。これによれば、ユーザの発意に基づいてイベントを設定することが可能であり、イベントの設定にユーザ又はそのユーザを含んだユーザ群の意思を反映させることができる。
【0011】
前記特典付与手段は、前記イベント設定を要求したユーザに対して前記所定の特典を付与するものとしてもよい。これによれば、イベントの設定者としてのユーザに特典を与えることを目的の一つとして、その設定者のユーザと結び付いている仲間のユーザが協力する関係を形成することができる。協力を受けたユーザが、他のユーザの設定したイベントに協力するといった相互的な協力関係を生じさせることも期待できる。それにより、ゲームのプレイに対するモチベーションのさらなる向上を図ることができる。
【0012】
本発明においては、ユーザからサービス提供の対価としての料金を徴収する料金徴収手段(13)を前記サーバ装置がさらに具備し、前記ゲーム機は、ユーザからのプレイ料金の徴収と引き換えに該ユーザにゲームのプレイを許可する商業用のゲーム機として構成され、前記イベント設定手段は前記イベントの設定料金が徴収されたことを条件として前記イベントを設定するものとしてもよい。この場合、イベント設定に際して料金を徴収することにより無制限なイベント設定を防ぐことができる。また、イベントの参加対象者とされたユーザ群に対して、商業用のゲーム機にて有償のゲームをプレイするモチベーションを与えることができるので、ゲーム機の収益性を高めることができる。
【0013】
前記料金徴収手段は、前記端末装置と前記サーバ装置との間での電子的情報の交換により前記設定料金を徴収する電子的課金手段(13)を含んでいてもよい。商業用のゲーム機における現金又は代替通貨を利用した課金では、機械的な制約等により小額の決済が比較的困難なことがある。これに対して電子的課金手段では課金単位の制約が相対的に小さく、一般的な有償ゲームのプレイ料金よりも設定料金を小額に設定するといった料金設定の自由度や柔軟性を確保し易い。これにより、イベント設定に対して合理的な料金を設定し、イベントの設定に対するユーザの納得感と、アミューズメントシステムに関わる事業者の収益性との両立を図ることができる。
【0014】
前記イベントに関する前記所定の条件は様々な観点から設定することができる。一例として、所定の条件には、イベントの適用期間が含まれていてもよい。これによれば期間を限ってイベントを適用させることができる。あるいは、前記所定の条件には、予め用意されたゲーム上の複数の選択項目から一部の特定項目が選択されることが含まれていてもよい。さらに、前記ゲーム機が、前記複数の選択項目として予め用意された複数の楽曲から一の楽曲をプレイヤに選択させ、当該楽曲に合わせた一連の操作をプレイヤに指示する音楽ゲーム機として構成され、前記所定の条件には、前記特定項目として特定の楽曲が選択されることが含まれていてもよい。この場合には、特定項目を選択してゲームをプレイしたときに特典が付与されるようになる。
【0015】
本発明において、「個人用の端末装置」とは、主として個人の使用を前提としてユーザに譲渡され、あるいは貸与される端末装置であって、譲渡又は貸与が有償か無償で行われるかは問わず、ネットワークを介してサーバ装置に接続可能であればその呼称は問わない。例えばパーソナルコンピュータ、家庭用ゲーム機、携帯電話(いわゆるスマートフォンも含む。)といった各種の個人向け情報通信端末装置を、本発明における個人用の端末装置として利用することが可能である。また、「商業用のゲーム機」とは、事業者がハードウエア及びソフトウエアの全部又は一部の譲渡又は貸与を受け、それらを有償でユーザに利用させることを前提として構成されたゲーム機を意味する。
【0016】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0017】
以上に説明したように、本発明によれば、交流サービス提供手段が提供する場を通じて交流を図っている一群のユーザを参加対象者としてイベントを設定し、そのイベントの情報をそれらのユーザの端末装置に提供し、参加対象者のユーザがイベントの内容に従ってゲームをプレイした場合に、そのイベントの参加対象者に含まれる少なくとも一部のユーザに何らかの特典を付与するものとしたので、ゲームのプレイを通じて仲間のユーザに協力するという意識を各ユーザに生じさせ、それにより、ゲームのプレイに対する各ユーザのモチベーションの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一形態に係るアミューズメントシステムの全体構成を示す図。
【図2】アミューズメントシステムの要部における機能ブロック図。
【図3】プレイデータのデータ構造の一例を示す図。
【図4】コミュニティデータのデータ構造の一例を示す図。
【図5】グループデータのデータ構造の一例を示す図。
【図6】イベントの一種としてのグループチャレンジを設定する際にユーザ端末とセンターサーバとが実行する処理の手順を示すフローチャート。
【図7】ユーザがゲーム機にてゲームを開始する際に実行されるログイン処理の手順を示すフローチャート。
【図8】プレイデータを更新するためにゲーム機とセンターサーバとが実行する処理の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るアミューズメントシステムの全体構成を説明する。アミューズメントシステム1は、複数のゲーム機2A、2Bと、サーバ装置としてのセンターサーバ3とを含む。各ゲーム機2A、2Bは、音楽に合わせた一連の操作をプレイヤに指示し、プレイヤの操作に応じた楽音を発生させるとともに、指示した操作とプレイヤが実際に行った操作との関係に基づいてプレイヤの操作を評価する音楽ゲーム機として構成されている。
【0020】
ゲーム機2Aは、楽器のドラムセットを模した操作部2aを有し、ゲーム機2Bは楽器のギターを模した二つの操作部2bを有している。ゲーム機2Aは一人のプレイヤが操作部2aを操作することを想定して構成されている。一方、ゲーム機2Bは、一人のプレイヤが一方の操作部2bを操作し、他の一人のプレイヤが他方の操作部2bを操作することを想定して構成されている。つまり、ゲーム機2Bは、二人のプレイヤが同時にゲームをプレイすることが可能な構成を備えている。もちろん、一人のプレイヤがゲーム機2Bにてゲームをプレイすることも可能である。以下では、ゲーム機2Aをドラムゲーム機2Aと、ゲーム機2Bをギターゲーム機2Bと呼ぶことがある。また、これらのゲーム機2A、2Bを区別する必要がないときは、ゲーム機2と表記することがある。
【0021】
各ゲーム機2は、店舗4等の商業施設に設置され、所定額のプレイ料金の徴収(支払い)と引き換えに、ユーザに対して所定範囲のゲームのプレイを許可する商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。なお、本明細書においては、アミューズメントシステム1によるサービスを享受する者をユーザと総称し、そのユーザが特にゲーム機2でゲームをプレイする場合に当該ユーザをプレイヤと呼ぶことがある。各店舗4には適宜数のゲーム機2が設置される。図1の例では、各店舗4に、ドラムゲーム機2Aとギターゲーム機2Bとが混在するように設置されている。ただし、ドラムゲーム機2A又はギターゲーム機2Bのいずれか一方のみが設置された店舗4が一部に存在していてもよい。
【0022】
センターサーバ3は、アミューズメントシステム1の運営者によって設置される。センターサーバ3は、複数のサーバユニット3A、3B…を組み合わせて一つの論理的なサーバ装置として機能するように構成されている。ただし、センターサーバ3は単一のサーバユニットによって構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングによりセンターサーバ3が構築されてもよい。
【0023】
ゲーム機2及びセンターサーバ3はネットワーク5を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク5は、WAN(ワイドエリアネットワーク)5Aと、店舗4毎に構築されてそれらのゲーム機2を収容するLAN(ローカルエリアネットワーク)5Bと、センターサーバ3を収容してそのサーバユニット3A、3Bを相互に接続するLAN5Cとを含んでいる。WAN5Aには、一例として、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するインターネットが用いられる。LAN5B、5CもTCP/IPプロトコルを利用するイントラネットによって構築される。LAN5B、5Cはルータ6を介してWAN5Aに接続される。なお、ゲーム機2と店舗4のルータ6との間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機2がセンターサーバ3と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ3はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aを利用して構築される場合もある。
【0024】
センターサーバ3は、ゲーム機2又はユーザ(プレイヤ)に対してネットワーク5を介した各種のサービスを提供する。例えば、センターサーバ3は、ゲーム機2又はそのプレイヤに対して各種のゲームサービスを提供する。ゲームサービスとしては、例えば、ゲーム機2を介したゲーム用のプログラムあるいはデータの更新サービス、ゲーム機2のプレイヤを認証し、そのプレイヤのプレイ履歴等を含んだプレイデータをゲーム機2から受け取って保存し、あるいはゲーム機2に提供するサービス、ネットワーク5を介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際のユーザ間のマッチングサービス等がある。また、ゲームサーバ3は、ネットワーク5を介してアクセスするユーザ端末7に各種のWebサービスを提供する。Webサービスとしては、例えば、Webサイトを通じてゲームに関する各種の情報をユーザに提供するゲーム情報サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービスといったサービスがある。ユーザ端末7は、例えばパーソナルコンピュータ(以下、PCと略称する。)7a、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)7bのように、ネットワーク接続が可能な個人用の端末装置として機能するコンピュータユニットであれば適宜にこれを利用してよい。
【0025】
さらに、センターサーバ3には、ゲーム機2又はユーザ端末7からアクセスしたユーザに対して、有償サービスを提供する対価としての料金を課金し、ユーザの操作に応じてその料金を徴収する課金サービス機能も設けられている。課金サービスでは、ゲーム機2又はユーザ端末7とセンターサーバ3との間の電子的情報の交換によって料金が徴収される。以下では、一例として、仮想通貨の引き落としによって料金が徴収されるものとする。ゲーム機2におけるプレイ料金もその課金サービスによって課金され、徴収される。なお、サービス料金は、仮想通貨に限らず、クレジットカード情報を利用してサービス料金が徴収されてもよい。
【0026】
ゲーム機2及びセンターサーバ3(より詳しくは各サーバユニット3A、3B…)には、ネットワーク5上でそれらを識別するためのユニークなIPアドレスが付されている。ゲーム機2同士あるいはゲーム機2とセンターサーバ3との間の通信では、そのIPアドレスを利用して通信相手が特定される。WAN5Aがインターネットのように公開性のあるネットワークの場合には、各ルータ6にWAN5A上でユニークな固定アドレスが設定される。ゲーム機2には、その固定アドレスとの組み合わせによってネットワーク5上でゲーム機2を一意に識別するためのプライベートアドレスがIPアドレスとして設定される。この場合、ゲーム機2とセンターサーバ3との間、あるいはゲーム機2同士の間には仮想プライベートネットワーク(VPN)が構築され、そのVPN上で各ゲーム機2がプライベートアドレスを用いて一意に特定される。ユーザ端末7にもネットワーク5上でユーザ端末7を一意に識別するためのユニークなIPアドレスが付与される。そのIPアドレスは、ネットワーク5への接続される毎に変化するいわゆる動的アドレスでもよいし、不変の固定アドレスであってもよい。以下では、ゲーム機2、センターサーバ3、ユーザ端末7をネットワーク5上で識別するための情報をアドレス情報と呼ぶ。ネットワーク5を介した通信では、特に断りのない限り、そのアドレス情報に基づいて通信すべき相手が特定されることを前提とする。
【0027】
図2は、アミューズメントシステム1の主要部の機能ブロック図である。なお、ゲーム機2に関しては、ドラムゲーム機2Aとギターゲーム機2Bとの間に存在する操作部2a、2b、及びそれらの操作部2a、2bに対応したゲームプログラム等の具体的相違は考慮せず、それらのゲーム機2A、2Bが基本的には共通の機能を有するものとして、単一のゲーム機2のみを示している。
【0028】
図2に示したように、センターサーバ3には、ゲーム機2又はそのプレイヤに対して各種のゲームサービスを提供するためのゲームサービス管理部11と、アミューズメントシステム1のユーザに対して各種のWebサービスを提供するためのWebサービス管理部12と、ユーザに対する課金サービス機能を実現するための口座管理部13とが設けられている。これらの管理部11、12、13は、いずれもセンターサーバ3を構成するコンピュータユニットとソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置である。また、ゲーム機2には、センターサーバ3のゲームサービス管理部11と協働してゲームサービスを実現するためのゲームサービス処理部21が設けられ、ユーザ端末7には、センターサーバ3のWebサービス管理部12と協働してWebサービスを実現するためのWebサービス処理部22が設けられている。これらの処理部21、22は、いずれもゲーム機2及びユーザ端末7を構成するコンピュータユニットとソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置である。なお、センターサーバ3のWebサービス管理部12は、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)等の公知のコミュニケーションサービスにて実現されるユーザの情報発信、交換、共有、ユーザ同士の仲間の形成といった交流の場をユーザに提供する交流サービス提供手段として機能する。その機能は、公知のコミュニケーションサービスにてWebサーバに実装されるソフトウエアを利用して実現することができる。なお、ユーザ端末7のWebサービス処理部22は、一例として、Webブラウザのような汎用的なWebクライアントソフトを利用して構成することができる。
【0029】
センターサーバ3にはサーバ用記憶装置31が接続されている。サーバ用記憶装置31には、ID管理データ32、プレイデータ33の群、コミュニティデータ34の群、グループ管理データ35の群、及び口座データ36の群が記録される。ID管理データ32は、ユーザを特定するために必要な情報として設定される各種のIDの対応関係を記述したデータである。IDの種類及びその管理方法は、ユーザが特定できる限りにおいて適宜に設定してよいが、一例を挙げれば以下の通りである。まず、ゲーム機2は、カード8を利用してユーザを特定する。カード8には、カード毎にユニークなカードIDが記録されている。ゲーム機2は、カード8に記録されたカードIDを読み取ってこれをセンターサーバ3に送信する機能を有している。一方、センターサーバ3は、ユーザ毎にユニークに付されたユーザIDを利用してユーザを特定する。ID管理データ32には、カードIDとユーザIDとの対応関係が記述されている。センターサーバ3は、ゲーム機2から送られたカードIDに対応するユーザIDをID管理データ32に基づいて特定する。なお、一台のギターゲーム機2Bを二人のユーザが同時にプレイする場合、ユーザ毎にカードIDが読み取られてセンターサーバ3に送られる。なお、カード8に代えて、
【0030】
また、センターサーバ3がユーザ端末7に対して提供するWebサービスでも上述したユーザIDによってユーザが特定されるが、特にWebサービスの一種として提供されるコミュニティサービスに関しては、ユーザIDとは別に発行されるコミュニティIDと対応付けてユーザが管理される。ID管理データ32には、そのユーザIDとコミュニティIDとの対応関係も記述されている。センターサーバ3は、ID管理データ32を参照することにより、カードIDに対応するユーザIDを特定し、あるいはコミュニティIDに対応するユーザIDを特定し、あるいはユーザIDに対応するカードIDあるいはコミュニティIDを特定することができる。このように、全てのIDは、ID管理データ32を適宜に参照することで相互に対応関係を特定することができる。なお、カードIDとユーザIDとの対応関係、ユーザIDとコミュニティIDとの対応関係は、ユーザ端末7からセンターサーバ3のユーザ管理サイトにアクセスすることにより新規に設定し、変更することが可能である。これらのID間にはさらに別のIDが介在してもよい。ユーザIDは一人のユーザに対して一つのみ発行されるが、カードID及びコミュニティIDは、一人のユーザに対してそれぞれ複数発行されてもよい。この場合、ユーザIDに対して有効な一つのカードID及び一つのコミュニティIDをユーザに指定させることにより、カードID、ユーザID及びコミュニティIDのいずれか一つが判別すれば、他のIDも一義的に定まる対応関係を維持することができる。以下の説明では、ユーザIDに対してそれぞれ単一のカードID及びコミュニティIDが対応付けられているものとする。なお、ユーザIDにはさらにユーザの名称、住所といった個人情報が対応付けて記録されている。ID管理データ32は、単一のデータテーブルとして構成されてもよいが、複数のデータテーブルを相互に参照することによりID相互の対応関係が特定できるように構成されてもよい。
【0031】
プレイデータ33は、ユーザがゲーム機2でゲームをプレイした結果を保存し、次回のゲーム等で利用するためのデータであって、ユーザID毎に作成される。例えば、図3に示したように、プレイデータ33には、ゲーム機2におけるプレイ履歴(プレイした楽曲やモードを特定する情報を含む。)、プレイ結果に応じて設定されるユーザのステータス(ランク、あるいはレベル)、ユーザが獲得したゲームポイントといった情報がユーザIDと対応付けてプレイデータ33に記録される。ゲームポイントは、ユーザがゲームをプレイした回数、ゲームで記録した成績等に応じて加算されるポイントであって、ユーザに対してゲームをプレイするモチベーションを与えることを意図してユーザに付与される特典の一種である。例えば、ゲームポイントのランキングが公表されることにより、より上位のランクを目指してゲームを繰り返しプレイするモチベーションをユーザに与えることができる。あるいは、獲得したゲームポイントに応じて特定の曲がプレイできるようになるといった特典をユーザに与える仕組みが導入されてもよい。
【0032】
コミュニティデータ34は、ユーザがコミュニティサービスを利用する際に参照されるべき各種の情報を記録したデータであって、コミュニティID毎に作成される。一例として、図4に示したように、コミュニティデータ34には、ユーザが仲間に対して発信し、あるいは仲間から受信したコメントを記録したコメントデータ、ユーザが参加する「グループ」を特定するグループID、ユーザが「フレンド」として登録した他のユーザのコミュニティID(フレンドID)等がユーザのコミュニティIDと対応付けて記録される。
【0033】
「仲間」は、ユーザ間に所定の結び付きが存在することを示す概念として使用される用語であって、その「仲間」には、上述した「グループ」及び「フレンド」の2種類の形態が存在する。グループIDは、グループ毎にユニークに設定されるもので、同一グループに所属するユーザのコミュニティデータ34には、そのグループに設定されたグループIDが記録される。フレンドIDは、上述したように、ユーザがフレンドとして設定した他のユーザのコミュニティIDである。なお、グループへの参加やフレンドの設定といった、仲間の設定あるいは登録の手順は、一般的なコミュニティサービスのそれと同様に、ユーザ端末7からセンターサーバ3にアクセスして他のユーザに仲間としての招待を送信し、又はセンターサーバ3に対してグループへの参加を申請する、といった処理を行えばよく、その詳細な説明は省略する。ただし、コミュニティデータ34への仲間の登録はネットワーク5を介したオンライン処理に限らず、オフラインで申請され、センターサーバ3の運営者が適当な時期にコミュニティデータ34にその申請内容を記述してもよい。
【0034】
図2のグループ管理データ35は、グループに共通の情報を、グループIDと対応付けて記録したデータである。例えば、図5に示したように、グループ管理データ35には、メンバー情報、及びイベント設定情報がグループIDと対応付けて記録される。メンバー情報には、そのグループに参加しているユーザのコミュニティIDが含まれる。イベント設定情報は、そのグループを対象としてゲーム上のイベントが設定された場合、そのイベントの期間、参加条件といったイベントの設定内容を特定するための情報がイベント設定情報として記録される。イベントの具体例は後述する。
【0035】
口座データ36は、ユーザが預け入れた仮想通貨の量をユーザIDと対応付けて記述したデータである。つまり、アミューズメントシステム1では、各ユーザが保持する仮想通貨の量がセンターサーバ3上で管理されている。センターサーバ3の口座管理部13は、ユーザが現金やクレジットカード等の決済手段を利用してチャージ料金を支払うと、そのチャージ料金に相当する量の仮想通貨をそのユーザのユーザIDに対応する口座データ36にチャージする。一方、口座管理部13は、ユーザが有償サービスを利用すると、そのユーザのユーザIDに対応する口座データ36から、利用料金に相当する量の仮想通貨を消費させる。これにより、口座管理部13は料金徴収手段及びその電子的課金手段として機能する。
【0036】
上述したデータ32〜36の他にも、アミューズメントシステム1には様々なデータが用意される。例えば、ゲーム機2の記憶装置には、音楽ゲームを実行するために必要なデータとして、楽曲を再生出力するための楽曲データ、楽曲に合わせて行うべき一連の操作をプレイヤに指示するためのシーケンスデータ、ゲーム画面を生成するための画像データ等が記録される。これらのデータは既存の音楽ゲーム機と同様に用意すれば足り、それらの詳細な説明は省略する。ゲーム機2では、予め複数の楽曲がゲーム上の選択項目として用意されている。プレイヤは、選択可能な範囲にある複数の楽曲から一つの楽曲を選択し、その楽曲に応じた内容のゲームをプレイすることができる。
【0037】
次に、アミューズメントシステム1におけるイベントの設定及びその参加に関する具体例を説明する。以下では、イベントとして「グループチャレンジ」が設定される場合について説明する。「グループチャレンジ」は、ユーザが所定の設定料金を支払うことにより設定され、かつ、そのユーザが所属するグループのユーザが所定の適用期間内にチャレンジ対象の曲(課題曲)を特定項目として選択してゲームをプレイすると、そのイベントを設定したユーザ(設定者)に特典としてゲームポイントが付与されることを主たる内容とするイベントである。この場合、イベントの適用期間及び課題曲がイベントの条件を構成する。また、イベント設定者と同一グループに所属するユーザが参加対象者のユーザ群である。なお、イベントの設定料金は、ゲーム機2で一回のゲームをプレイする際に徴収されるべきプレイ料金よりも小額に設定される。
【0038】
図6は、グループチャレンジを設定するために、ユーザ端末7のWebサービス処理部22とセンターサーバ3のWebサービス管理部12及び口座管理部13とが協働して実行する処理を示す。ただし、以下の説明では各処理の実行主体をユーザ端末7及びセンターサーバ3と表現することがある。また、図6の処理は、ユーザがそのユーザ端末7からセンターサーバ3にアクセスして所定の認証(つまり、ユーザIDを特定する処理)を済ませた後に行われる。
【0039】
ユーザがユーザ端末7を操作してグループチャレンジの設定を要求すると、ユーザ端末7は図6のグループチャレンジ設定処理を開始し、まずグループチャレンジ設定が要求されたことをセンターサーバ3に通知する(ステップS11)。グループチャレンジの設定を要求する操作は、例えばユーザ端末7の画面上に、Webサービスのメニューを表示し、その中からグループチャレンジの設定をユーザに選択させるといった内容で構成すればよい。また、グループチャレンジの設定要求の通知には、ユーザを特定する情報が含まれる。例えばユーザ端末7からセンターサーバ3にユーザIDを通知すればよい。あるいは、ユーザ端末7上にユーザのコミュニティIDを予め記憶させ、そのコミュニティIDをセンターサーバ3に送ってもよい。
【0040】
グループチャレンジの設定要求を受けたセンターサーバ3は、グループチャレンジ設定処理を開始し、まずユーザ端末7から送られた情報に基づいて、グループチャレンジを要求したユーザのユーザIDを判別する(ステップS21)。続いて、センターサーバ3は、ユーザからの所定の設定料金の徴収を試みる(ステップS22)。この処理は、Webサービス管理部12が、口座管理部13に対してユーザID及び設定料金に相当する仮想通貨の量を通知し、それを受けた口座管理部13が、ユーザIDに対応する口座データ36から設定料金相当量の仮想通貨の消費を試みる処理である。次に、センターサーバ3は、口座管理部13の処理結果に基づいて、設定料金の徴収に成功したか否かを判別する(ステップS23)。徴収に成功した場合、センターサーバ3は、グループチャレンジの課題曲を抽選する(ステップS24)。その抽選は、例えばグループチャレンジの設定を要求したユーザ(設定者と呼ぶことがある。)が選択可能な楽曲からいずれか一つの楽曲を乱数等で選択することにより行われる。ゲーム機2に予め用意された楽曲の一部が、ユーザのプレイ履歴やステータス等が所定の条件を満たしたときに選択が解禁されるいわゆる隠し楽曲であった場合には、その隠し楽曲を選択範囲に含めてもよいし、選択範囲から除外してもよい。隠し楽曲は、グループ内のメンバーの全員が選択可能であるとは限らないため、より多くのメンバーをグループチャレンジに参加させるためには、隠し楽曲が課題曲として選ばれる可能性を排除し、あるいはその可能性を低下させることが有利である。
【0041】
課題曲を抽選した後、センターサーバ3は、設定者が属するグループを判別する(ステップS25)。この場合、設定者のユーザIDを手掛かりとしてこれに対応するコミュニティIDを特定し、そのコミュニティIDに対応付けられたコミュニティデータ34からグループIDを判別すればよい。続いて、センターサーバ3は、判別したグループIDに対応付けられたグループ管理データ35に、グループチャレンジの適用期間及び課題曲をそれぞれ特定する情報をイベント設定情報として記録する(ステップS26)。適用期間は、一例としてグループチャレンジが設定された当日限りに設定される。なお、設定者が複数のグループに所属していた場合、その全てのグループIDに対応するグループ管理データ35に、グループチャレンジの設定情報が記録されてもよいし、グループチャレンジを設定する対象となるグループをユーザに選択させてもよい。あるいは、グループチャレンジを設定する対象となるグループをセンターサーバ3が自動的に選択してもよい。
【0042】
グループ管理データ35への記録が完了すると、センターサーバ3は設定者本人のユーザ端末7に対して、グループチャレンジの情報を通知する(ステップS27)。その情報には、適用期間及び課題曲、並びにグループチャレンジを設定したユーザを特定する情報(一例としてコミュニティサービスで通用するニックネーム等)が含まれる。その後、センターサーバ3は、ステップS25で判別したグループ管理データ35のメンバー情報に基づいて、グループチャレンジが設定されたグループのメンバーを特定し、それらのメンバーに対してグループチャレンジの情報を通知する(ステップS28)。その通知は、センターサーバ3がユーザ端末7からのアクセスに対して提示するWebサイトの画面上で行われてもよいし、メンバーに対して電子メールその他を利用して個別に通知されてもよい。メンバーへの通知が完了すると、センターサーバ3はグループチャレンジ設定処理を終える。なお、ステップS23で料金徴収に失敗したと判別された場合、センターサーバ3はステップS24〜S28の処理をスキップして、グループチャレンジの設定が不可であることを設定者のユーザ端末7に通知し(ステップS29)、その後、グループチャレンジ設定処理を終える。
【0043】
ユーザ端末7は、ステップS11でグループチャレンジの設定要求した後、センターサーバ3からの処理結果の通知を待ち、ステップS27又はS29の通知があればこれを受信する(ステップS12)。その後、ユーザ端末7は、受信した処理結果に応じた情報をユーザに対して表示する。グループチャレンジの情報が通知された場合(ステップS27)には、その適用期間、課題曲、及び設定者がユーザに表示される。一方、グループチャレンジの設定が不可であることが通知された場合(ステップS29)には、その旨がユーザに表示される、その後、ユーザ端末7もグループチャレンジ設定処理を終える。
【0044】
以上の処理により、ユーザが所定の設定料金を支払ったことと引き換えに、グループチャレンジの適用期間及び課題曲が設定され、設定者のユーザ及びそのユーザと同一グループに所属する他のユーザは、ユーザ端末7を介して、グループチャレンジが開催されること、並びにその適用期間及び課題曲を知ることができる。設定者以外のユーザは、グループチャレンジの設定者もさらに知ることができる。グループチャレンジへの参加をユーザに促すことにより、ゲーム機2でゲームをプレイするモチベーションをグループのメンバーに与えることができる。
【0045】
次に、ユーザが、プレイヤとしてゲーム機2でゲームをプレイする際にゲーム機2のゲームサービス処理部21とセンターサーバ3のゲームサービス管理部11とが協働して実行する処理を示す。ただし、以下の説明では各処理の実行主体をゲーム機2及びセンターサーバ3と表現することがある。ユーザがゲーム機2に対してログイン処理の開始を指示すると、ゲーム機2はそのログイン処理を開始し、まずプレイヤにカード8の読み取り操作を要求し、これに対応する読み取り操作を検出してログインに必要な情報(ログイン情報)をカード8から取得する(ステップS31)。ログインに必要な情報には少なくともカードIDが含まれる。続いて、ゲーム機2は、取得したログイン情報をセンターサーバ3に送信してプレイヤのログイン処理を要求する(ステップS32)。これを受けて、センターサーバ3もログイン処理を開始し、まずゲーム機2から送られたログイン情報を取得する(ステップS41)。続いて、センターサーバ3はID管理データ32を参照してログイン情報に含まれるカードIDに対応するユーザIDを判別する(ステップS42)。次に、センターサーバ3は、ユーザIDに対応するプレイデータ33を抽出する(ステップS43)。なお、ユーザIDに対応するコミュニティIDを特定し、そのコミュニティIDに対応するコミュニティデータ34に記録されたグループID及びフレンドID等の情報がさらに抽出されてもよい。その後、センターサーバ3は、抽出したプレイデータ33等を、ログイン要求を送信したゲーム機2に対して送信する(ステップS44)。ゲーム機2は、センターサーバ3から送られたプレイデータ33等を受信し、これをゲーム機2の内部記憶装置に記録する(ステップS34)。以上によりログイン処理が終了する。ログイン処理が行われることにより、プレイヤはゲーム機2上で前回の続きからゲームをプレイすることが可能となる。
【0046】
ログイン処理後は、プレイヤがプレイ料金の支払いと引き換えに楽曲を適宜に選択して音楽ゲームをプレイすることができる。そのプレイ形態としては一人のプレイヤが単独でゲームをプレイする形態の他に、同一店舗4内の複数人のプレイヤが同一の楽曲をプレイするローカルセッション、あるいは、センターサーバ3のマッチング機能を利用してマッチングされたプレイヤ同士が同一の楽曲をプレイするオンラインセッションといった形態を適宜に選択することができる。また、楽曲の選択範囲に関しては、プレイヤのプレイ履歴、あるいはマッチング形態等に応じて設定される。ただし、プレイヤが選択可能な楽曲の範囲(マッチング相手のプレイヤが選択可能な範囲も含まれることがある。)に自らが所属するグループに対して設定されたグループチャレンジの課題曲が含まれていれば、プレイヤはその課題曲をプレイすることによりグループチャレンジに参加することになる。ゲーム機2において実行されたゲームのプレイ履歴(プレイした楽曲等)、プレイ結果、プレイ結果に応じたステータスの変化やゲームポイントの獲得状況は、一曲のプレイが終了する毎に、ゲーム機2の内部記憶装置に逐次記録される。
【0047】
一定範囲のゲームのプレイ、例えばプレイヤがプレイ料金を支払った曲数の範囲内でのゲームのプレイが終了すると、ゲーム機2は図8のプレイデータ送信処理を実行し、これを受けてセンターサーバ3は同図のプレイデータ更新処理を実行する。なお、これらの処理も、ゲーム機2のゲームサービス処理部21とセンターサーバ3のゲームサービス管理部11とが協働して実行するものであるが、以下では、各処理の実行主体をゲーム機2及びセンターサーバ3と表現することがある。
【0048】
図8のプレイデータ送信処理を開始すると、ゲーム機2はまず自己の内部記憶装置に蓄積されているプレイ履歴等の情報を取得する(ステップS51)。次いで、ゲーム機2は、取得したプレイ履歴等の情報とプレイヤのカードID(ゲーム機2がユーザIDを取得している場合にはそのユーザIDでもよい。)をセンターサーバ3に送信して、当該プレイヤのユーザIDに対応するプレイデータ33の更新を要求する。その要求を受けてセンターサーバ3はプレイデータ更新処理を開始し、まず更新を要求したゲーム機2のプレイヤのユーザIDを特定してそのユーザIDに対応するプレイデータ33を抽出する(ステップS61)。続いて、センターサーバ3は、抽出されたプレイデータ33のプレイ履歴、ステータス、ゲームポイント等を、ゲーム機2から送られたプレイ履歴等の情報が反映されるようにして更新する(ステップS62)。
【0049】
続いて、センターサーバ3は、ゲーム機2のプレイヤが所属するグループに関して、グループチャレンジが設定されているか否かを判別する(ステップS63)。この場合、ID管理データ32及びコミュニティデータ34を参照してプレイヤのユーザIDに対応するグループIDを特定し、そのグループIDに対応するグループ管理データ35のイベント設定情報中に適用期間中のグループチャレンジが記録されているか否かを判別すればよい。なお、ゲーム機2が予めグループIDを取得している場合には、ステップS52でゲーム機2からそのグループIDを送信させ、そのグループIDに対応するグループ管理データ35を特定してイベント設定情報を参照してもよい。グループチャレンジ設定中と判断された場合、センターサーバ3は、ゲーム機2から送られたプレイ履歴を参照して、プレイヤがグループチャレンジの課題曲をプレイしたか否かを判別する(ステップS64)。課題曲をプレイしていた場合、センターサーバ3は、そのグループチャレンジの設定者をイベント設定情報に基づいて判別し、その設定者のユーザIDに対応するプレイデータ33に所定量のゲームポイントを加算する(ステップS65)。なお、プレイヤが設定者本人であった場合には、そのプレイヤ自身のプレイデータ33にゲームポイントが加算される。
【0050】
ステップS65でポイントを加算した後、センターサーバ3は、プレイデータ更新処理の結果をゲーム機2に通知し(ステップS66)、その後、プレイデータ更新処理を終える。この場合、プレイデータの更新が終了したこと、及びグループチャレンジの設定者にポイントが加算されたこと、がゲーム機2に通知される。ステップS63でグループチャレンジが設定されていないと判断された場合、又はステップS64で課題曲がプレイされていないと判断された場合、センターサーバ3はステップS65をスキップしてステップS66の処理を実行する。この場合、ステップS66ではプレイデータの更新が終了したことがゲーム機2に通知される。ゲーム機2は、センターサーバ3から処理結果が通知されると、その処理結果をプレイヤに対して通知する(ステップS53)。その後、ゲーム機2はプレイデータ送信処理を終える。
【0051】
以上の処理によれば、グループチャレンジの適用期間中にグループのメンバーが課題曲をプレイする毎に、そのグループチャレンジを設定したユーザに所定量のゲームポイントが加算される。これにより、コミュニティサービスを通じて結び付いたユーザ同士がゲームポイントの獲得に協力する関係が形成され、そのユーザ間の仲間意識を活用してゲームのプレイに対するユーザのモチベーションを高めることができる。
【0052】
上述したアミューズメントシステム1では、センターサーバ3のWebサービス管理部12が、図6のステップS23〜S26の処理を実行することにより本発明のイベント設定手段として機能し、ステップS26及びS27の処理を実行することにより本発明のイベント情報提供手段として機能する。また、センターサーバ3のゲームサービス管理部11が、図8のステップS63〜S65の処理を実行することにより本発明の特典付与手段として機能する。
【0053】
本発明は上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、上記の形態では、コミュニティサービスでユーザがグループに参加し、又はフレンドを登録することによりユーザ間の結び付きが設定されるが、その結び付きはユーザの発意に基づくものに限らない。例えば、ユーザの年齢層、居住地、趣味といった個人情報がユーザIDと対応付けて記録されている場合には、一定の共通性あるいは類似性があるユーザをセンターサーバ3によって抽出し、それらのユーザを所定の結び付きがあるユーザ群として設定して、そのユーザ群にコミュニティサービス等の交流の場が提供されてもよい。イベントは、所定の条件に従ってゲーム機でゲームをプレイすることを内容に含む限りにおいて、様々な観点から設定されてよい。例えば、一定期間内に仲間同士がゲームのスコアを競い合うようなイベントを設定し、あるいはゲーム上の特定のミッションを仲間のユーザが分担して達成することを要求するイベント等を設定する、といった変形が可能である。イベントの条件として選択される項目も、楽曲に限らず、ステージ、マップ、シナリオといった様々な観点で区切られた項目がイベントの条件に含まれてもよい。ゲーム上の選択項目に関してイベントの条件が設定されることは必ずしも必須ではない。イベントは必ずしも適用期間を有するものに限らない。無期限のイベントが設定されてもよい。イベントの設定は、ユーザからの要求に基づいて設定される例に限らない。サーバ装置が設定対象のユーザ群を適宜に選択して、任意のイベントを自動的に設定して通知してもよい。
【0054】
イベントの内容に従ってゲームがプレイされたときの特典は、ゲームポイントの付与に限らない。ユーザにとって何らかの利益を生じさせるものであれば特典は適宜に設定されてよく、かつその利益もゲームと関連付けられたものに限定されない。特典を付与する対象者も、イベントの設定者に限定されず、参加対象者としてのユーザ群の少なくとも一部であれば足りる。ユーザ群に含まれる全てのユーザに特典が付与されてもよいし、あるいはそのユーザ群から適宜に抽選されたユーザに特典が付与されてもよい。
【0055】
上記の形態ではゲーム機2が商業施設に設置される商業用のゲーム機として構成されている。しかし、ゲーム機は商業用ゲーム機に限らず、個人用のゲーム機であってもよい。ゲーム機が設置される施設も商業施設に限らず、公共的な施設、あるいは個人的な施設であってもよい。ゲーム機は音楽ゲーム機に限らず、各種のジャンルのゲームを提供するゲーム機を対象に含めてよい。
【符号の説明】
【0056】
1 アミューズメントシステム
2A、2B ゲーム機
3 センターサーバ(サーバ装置)
5 ネットワーク
7 ユーザ端末(個人用の端末装置)
8 カード
11 ゲームサービス管理部(特典付与手段)
12 Webサービス管理部(交流サービス提供手段、イベント設定手段、イベント情報提供手段)
13 口座管理部(料金徴収手段、電子的課金手段)
21 ゲームサービス処理部
22 Webサービス処理部
31 サーバ用記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と、ネットワークを介して前記サーバ装置に接続可能なゲーム機及びユーザの個人用の端末装置とを含み、前記ゲーム機のゲームに関連付けられた情報を前記サーバ装置から前記端末装置に対して提供可能とされたアミューズメントシステムにおいて、
所定の結び付きを有するユーザ群が前記ネットワークを介して交流する場を前記端末装置のユーザに対して提供する交流サービス提供手段と、
前記所定の結び付きを有するユーザ群を参加対象者として、所定の条件に従って前記ゲーム機でゲームをプレイすることを内容に含むゲーム上のイベントを設定するイベント設定手段と、
前記参加対象者のユーザ群の端末装置に対して、前記イベントの情報を、前記ゲームに関連付けられた情報として提供するイベント情報提供手段と、
前記参加対象者に含まれるユーザが前記イベントの内容に従ってゲームをプレイした場合、当該参加対象者に含まれる少なくとも一部のユーザに対して所定の特典を付与する特典付与手段と、
を前記サーバ装置が備えているアミューズメントシステム。
【請求項2】
前記イベント設定手段は、前記端末装置からユーザがイベント設定を要求した場合、該イベント設定を要求したユーザを含むユーザ群を前記参加対象者として、前記イベントを設定する請求項1に記載のアミューズメントシステム。
【請求項3】
前記特典付与手段は、前記イベント設定を要求したユーザに対して前記所定の特典を付与する請求項2に記載のアミューズメントシステム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、ユーザからサービス提供の対価としての料金を徴収する料金徴収手段をさらに具備し、
前記ゲーム機は、ユーザからのプレイ料金の徴収と引き換えに該ユーザにゲームのプレイを許可する商業用のゲーム機として構成され、
前記イベント設定手段は前記イベントの設定料金が徴収されたことを条件として前記イベントを設定する請求項3に記載のアミューズメントシステム。
【請求項5】
前記料金徴収手段は、前記端末装置と前記サーバ装置との間での電子的情報の交換により前記設定料金を徴収する電子的課金手段を含んでいる請求項4に記載のアミューズメントシステム。
【請求項6】
前記イベントに関する前記所定の条件には、当該イベントの適用期間が含まれている請求項1〜5のいずれか一項に記載のアミューズメントシステム。
【請求項7】
前記イベントに関する前記所定の条件には、予め用意されたゲーム上の複数の選択項目から一部の特定項目が選択されることが含まれている請求項1〜6のいずれか一項に記載のアミューズメントシステム。
【請求項8】
前記ゲーム機が、前記複数の選択項目として予め用意された複数の楽曲から一の楽曲をプレイヤに選択させ、当該楽曲に合わせた一連の操作をプレイヤに指示する音楽ゲーム機として構成され、前記所定の条件には、前記特定項目として特定の楽曲が選択されることが含まれている請求項7に記載のアミューズメントシステム。
【請求項9】
サーバ装置と、ネットワークを介して前記サーバ装置に接続可能なゲーム機及びユーザの個人用の端末装置とを含み、前記ゲーム機のゲームに関連付けられた情報を前記サーバ装置から前記端末装置に対して提供可能なアミューズメントシステムに適用され、前記サーバ装置のコンピュータを、
所定の結び付きを有するユーザ群が前記ネットワークを介して交流する場を前記端末装置のユーザに対して提供する交流サービス提供手段、
前記所定の結び付きを有するユーザ群を参加対象者として、所定の条件に従って前記ゲーム機でゲームをプレイすることを内容に含むゲーム上のイベントを設定するイベント設定手段、
前記参加対象者のユーザ群の端末装置に対して、前記イベントの情報を、前記ゲームに関連付けられた情報として提供するイベント情報提供手段、及び
前記参加対象者に含まれるユーザが前記イベントの内容に従ってゲームをプレイした場合、当該参加対象者に含まれる少なくとも一部のユーザに対して所定の特典を付与する特典付与手段、
として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate