説明

ネットワークシステム、接続装置、管理装置、管理方法

【課題】コンピュータネットワークにおける電力消費の状況を把握することができる技術を提供する。
【解決手段】管理装置800は、構内ネットワーク70におけるスイッチ200から、スイッチ200の消費電力を示す消費電力情報を収集する収集部810と、消費電力情報に基づいて構内ネットワーク70の消費電力を構内ネットワーク70の構成に基づく構成単位に区分して算出する算出部820と、算出された消費電力を表示する表示部830とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータネットワークを構築するネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータネットワーク上を流れるデータ量の増加に伴い、コンピュータネットワークを構成するネットワーク機器(例えば、スイッチ,ルータのような接続装置など)の消費電力が増大する傾向にある。このような消費電力の増大への対応には、コンピュータネットワークにおける電力消費の状況を把握した上で対策を取ることが求められる。
【0003】
特許文献1には、コンピュータネットワークにおける消費電力を監視する技術が記載されている。特許文献1の技術は、コンピュータネットワークにおけるネットワーク機器の各々に個々の消費電力量を予め記憶させておき、このようにネットワーク機器の各々に記憶された消費電力量に基づいてコンピュータネットワーク全体の消費電力量を監視する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−142385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来、消費電力の増大への対応を考慮して、コンピュータネットワークにおける電力消費の状況を把握することについて十分な検討がなされていなかった。例えば、ネットワーク機器を構成する構成要素の一部を更新することによる対策や、特定のユーザにトラフィックの抑制を要請することによる対策など、消費電力を抑制するための対策を取る上で有用な情報が得られるように、コンピュータネットワークにおける電力消費の状況を把握することが求められる。
【0006】
本発明は、上記した課題を踏まえ、コンピュータネットワークにおける電力消費の状況を把握することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1] 適用例1のネットワークシステムは、コンピュータネットワークを構築するネットワークシステムであって、前記コンピュータネットワークにおける複数の通信経路を相互に接続する接続装置から、前記接続装置において消費された消費電力を示す消費電力情報を収集する収集部と、前記収集部によって収集された消費電力情報に基づいて、前記コンピュータネットワークにおいて消費された消費電力を、前記コンピュータネットワークの構成に基づく構成単位に区分して算出する算出部と、前記算出部によって算出された消費電力を表示する表示部とを備えることを特徴とする。適用例1のネットワークシステムによれば、コンピュータネットワークにおける消費電力を、コンピュータネットワークの構成に基づく構成単位に区分して表示することができる。その結果、コンピュータネットワークにおける電力消費の状況を把握することができる。
【0009】
[適用例2] 適用例1のネットワークシステムにおいて、前記算出部は、前記収集部によって収集された消費電力情報に基づいて、前記コンピュータネットワークにおいて消費された消費電力を、前記コンピュータネットワークを構成するハードウェアに基づく構成単位に区分して算出する第1の算出部を含むとしても良い。適用例2のネットワークシステムによれば、コンピュータネットワークにおける消費電力を、ハードウェアに基づく構成単位に区分して表示することができる。その結果、コンピュータネットワークにおける電力消費の状況に応じて、ハードウェアの観点から消費電力を抑制するための対策を取ることができる。
【0010】
[適用例3] 適用例2のネットワークシステムにおいて、前記接続装置は、前記接続装置の機能の少なくとも一つを実現する電子機器と、前記電子機器を集約したモジュールボードと、前記モジュールボードを集約した機能ユニットとを含み、前記第1の算出部は、前記収集部によって収集された消費電力情報に基づいて、前記コンピュータネットワークにおいて消費された消費電力を、前記接続装置における前記電子機器、前記接続装置におけるモジュールボード、前記接続装置における前記機能ユニット、前記接続装置の全体、前記接続装置を格納する格納ラック、前記接続装置に電力を供給する電源系統、前記接続装置が設置されたネットワーク拠点、前記コンピュータネットワーク全体の少なくとも一つに基づく構成単位に区分して算出するとしても良い。適用例3のネットワークシステムによれば、コンピュータネットワークにおける消費電力を、ハードウェアに関する種々の構成単位に区分して表示することができる。
【0011】
[適用例4] 適用例1ないし適用例3のいずれかのネットワークシステムにおいて、前記算出部は、前記収集部によって収集された消費電力情報に基づいて、前記コンピュータネットワークにおいて消費された消費電力を、前記コンピュータネットワークに仮想的に構成された仮想ネットワークに基づく構成単位に区分して算出する第2の算出部を含むとしても良い。適用例4のネットワークシステムによれば、コンピュータネットワークにおける消費電力を、仮想ネットワークに基づく構成単位に区分して表示することができる。その結果、コンピュータネットワークにおける電力消費の状況に応じて、仮想ネットワークの観点から消費電力を抑制するための対策を取ることができる。
【0012】
[適用例5] 適用例4のネットワークシステムにおいて、前記第2の算出部は、前記収集部によって収集された消費電力情報に基づいて、前記コンピュータネットワークにおいて消費された消費電力を、前記コンピュータネットワークに構成されたバーチャルローカルエリアネットワークおよびバーチャルプライベートネットワークの少なくとも一方の仮想ネットワークに基づく構成単位に区分して検出しても良い。適用例5のネットワークシステムによれば、コンピュータネットワークにおける消費電力を、仮想ネットワークに関する種々の構成単位に区分して表示することができる。
【0013】
[適用例6] 適用例1ないし適用例5のいずれかのネットワークシステムにおいて、前記算出部は、前記収集部によって収集された消費電力情報に基づいて、前記コンピュータネットワークにおいて消費された消費電力を、前記コンピュータネットワークにおいて発生するアプリケーションフローに基づく構成単位に区分して算出する第3の算出部を含むとしても良い。適用例6のネットワークシステムによれば、コンピュータネットワークにおける消費電力を、アプリケーションフローに基づく構成単位に区分して表示することができる。その結果、コンピュータネットワークにおける電力消費の状況に応じて、アプリケーションフローの観点から消費電力を抑制するための対策を取ることができる。
【0014】
[適用例7] 適用例1ないし適用例6のいずれかのネットワークシステムにおいて、前記収集部は、前記接続装置の各部で実測された消費電力値を示す実測情報を、前記消費電力情報として前記接続装置から収集する第1の収集部を含むとしても良い。適用例7のネットワークシステムによれば、算出される消費電力の正確性を向上させることができる。
【0015】
[適用例8] 適用例1ないし適用例7のいずれかのネットワークシステムにおいて、前記収集部は、前記接続装置の各部が実行した動作を示す動作情報を、前記消費電力情報として前記接続装置から収集する第2の収集部を含むとしても良い。適用例8のネットワークシステムによれば、接続装置における負荷を軽減することができる。
【0016】
[適用例9] 適用例1ないし適用例8のいずれかのネットワークシステムにおいて、前記表示部は、前記コンピュータネットワークを管理する管理装置において、前記算出部によって算出された消費電力を表示しても良い。適用例9のネットワークシステムによれば、コンピュータネットワークの管理者が、コンピュータネットワークにおける電力消費の状況を容易に把握することができる。
【0017】
[適用例10] 適用例10の接続装置は、コンピュータネットワークにおける複数の通信経路を相互に接続する接続装置であって、前記接続装置において消費された消費電力を前記接続装置の構成に基づく構成単位に区分して示す消費電力情報を生成する電力情報生成部と、前記電力情報生成部によって生成された消費電力情報を、前記コンピュータネットワークを管理する管理装置に通知する通知部とを備えることを特徴とする。適用例10の接続装置によれば、接続装置の構成に基づく構成単位に区分した接続装置の消費電力情報を管理装置に集約することができる。その結果、接続装置によって構成されたコンピュータネットワークにおける電力消費の状況を管理装置で把握することができる。
【0018】
[適用例11] 適用例10の接続装置は、更に、前記接続装置の機能の少なくとも一つを実現する電子機器と、前記電子機器を集約したモジュールボードと、前記モジュールボードを集約した機能ユニットとを備え、前記電力情報生成部は、前記電子機器、前記モジュールボード、前記機能ユニットの少なくとも一つに基づく構成単位に区分して前記消費電力を示す消費電力情報を生成するとしても良い。適用例11の接続装置によれば、接続装置のハードウェア構成に関する種々の構成単位に区分した接続装置の消費電力情報を管理装置に集約することができる。
【0019】
[適用例12] 適用例10または適用例11の接続装置において、前記電力情報生成部は、前記接続装置の各部で実測された電力値に基づいて、前記消費電力情報を生成する第1の生成部を含むとしても良い。適用例12の接続装置によれば、算出される消費電力の正確性を向上させることができる。
【0020】
[適用例13] 適用例10ないし適用例12のいずれかの接続装置において、前記電力情報生成部は、前記接続装置の各部が実行した動作を示す動作情報に基づいて前記消費電力情報を生成する第2の生成部を含むとしても良い。適用例13の接続装置によれば、接続装置における処理負荷を軽減することができる。
【0021】
[適用例14] 適用例14の管理装置は、コンピュータネットワークを管理する管理装置であって、前記コンピュータネットワークにおける複数の通信経路を相互に接続する接続装置から、前記接続装置において消費された消費電力を示す消費電力情報を収集する収集部と、前記収集部によって収集された消費電力情報に基づいて、前記コンピュータネットワークにおいて消費された消費電力を、前記コンピュータネットワークの構成に基づく構成単位に区分して算出する算出部と、前記算出部によって算出された消費電力を表示する表示部とを備えることを特徴とする。適用例14の管理装置によれば、コンピュータネットワークにおける消費電力を、コンピュータネットワークの構成に基づく構成単位に区分して表示することができる。その結果、コンピュータネットワークにおける電力消費の状況を把握することができる。
【0022】
[適用例15] 適用例14の管理装置において、前記算出部は、前記収集部によって収集された消費電力情報に基づいて、前記コンピュータネットワークにおいて消費された消費電力を、前記コンピュータネットワークを構成するハードウェアに基づく構成単位に区分して算出する第1の算出部を含むとしても良い。適用例15の管理装置によれば、コンピュータネットワークにおける消費電力を、ハードウェアに基づく構成単位に区分して表示することができる。その結果、コンピュータネットワークにおける電力消費の状況に応じて、ハードウェアの観点から消費電力を抑制するための対策を取ることができる。
【0023】
[適用例16] 適用例14または適用例15の管理装置において、前記算出部は、前記収集部によって収集された消費電力情報に基づいて、前記コンピュータネットワークにおいて消費された消費電力を、前記コンピュータネットワークに仮想的に構成された仮想ネットワーク毎の構成単位に区分して算出する第2の算出部を含むとしても良い。適用例16の管理装置によれば、コンピュータネットワークにおける消費電力を、仮想ネットワークに基づく構成単位に区分して表示することができる。その結果、コンピュータネットワークにおける電力消費の状況に応じて、仮想ネットワークの観点から消費電力を抑制するための対策を取ることができる。
【0024】
[適用例17] 適用例14ないし適用例16のいずれかの管理装置において、前記算出部は、前記収集部によって収集された消費電力情報に基づいて、前記コンピュータネットワークにおいて消費された消費電力を、前記コンピュータネットワークにおいて発生するアプリケーションフロー毎の構成単位に区分して算出する第3の算出部を含むとしても良い。適用例17の管理装置によれば、コンピュータネットワークにおける消費電力を、アプリケーションフローに基づく構成単位に区分して表示することができる。その結果、コンピュータネットワークにおける電力消費の状況に応じて、アプリケーションフローの観点から消費電力を抑制するための対策を取ることができる。
【0025】
[適用例18] 適用例18の管理方法は、コンピュータネットワークを管理する管理方法であって、(a) コンピュータが、前記コンピュータネットワークにおける複数の通信経路を相互に接続する接続装置から、前記接続装置において消費された消費電力を示す消費電力情報を収集する工程と、(b) コンピュータが、前記工程(a)によって収集された消費電力情報に基づいて、前記コンピュータネットワークにおいて消費された消費電力を、前記コンピュータネットワークの構成に基づく構成単位に区分して算出する工程と、(c) コンピュータが、前記工程(b)によって算出された消費電力を表示する工程とを備えることを特徴とする。適用例18の管理方法によれば、コンピュータネットワークにおける消費電力を、コンピュータネットワークの構成に基づく構成単位に区分して表示することができる。その結果、コンピュータネットワークにおける電力消費の状況を把握することができる。
【0026】
本発明の形態は、ネットワークシステム、接続装置、管理装置、管理方法に限るものではなく、例えば、接続装置とは異なる他のネットワーク機器、接続装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム、管理装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムなどの他の形態に適用することもできる。また、本発明は、前述の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】コンピュータネットワークの構成を示す説明図である。
【図2】ユーザネットワークにおける構内ネットワークの構成を主に示す説明図である。
【図3】スイッチの詳細構成を示す組立斜視図である。
【図4】スイッチが設置されたネットワーク拠点を示す説明図である。
【図5】スイッチの機能構成を主に示す説明図である。
【図6】管理装置の機能構成を主に示す説明図である。
【図7】構内ネットワークのスイッチが実行する消費電力通知処理を示すフローチャートである。
【図8】構内ネットワークの管理装置が実行する消費電力表示処理を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施例におけるスイッチの機能構成を主に示す説明図である。
【図10】第2の実施例における管理装置の機能構成を主に示す説明図である。
【図11】第2の実施例におけるスイッチが実行する消費電力通知処理を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施例における管理装置が実行する消費電力表示処理を示すフローチャートである。
【図13】第3の実施例におけるスイッチの機能構成を主に示す説明図である。
【図14】第3の実施例におけるスイッチが実行する消費電力通知処理を示すフローチャートである。
【図15】第3の実施例におけるスイッチが実行する係数算出処理を示すフローチャートである。
【図16】第3の実施例における管理装置が実行する消費電力表示処理を示すフローチャートである。
【図17】第4の実施例におけるスイッチの機能構成を主に示す説明図である。
【図18】第4の実施例における管理装置の機能構成を主に示す説明図である。
【図19】第4の実施例におけるスイッチが実行する消費電力通知処理を示すフローチャートである。
【図20】第4の実施例における管理装置が実行する消費電力表示処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以上説明した本発明の構成および作用を一層明らかにするために、以下本発明を適用したコンピュータネットワークについて説明する。
【0029】
A.第1の実施例:
A1.コンピュータネットワークの構成:
図1は、コンピュータネットワーク10の構成を示す説明図である。コンピュータネットワーク10は、キャリアネットワーク20と、ユーザネットワーク60とを備えるネットワークシステムである。なお、図1には、一つのキャリアネットワーク20が図示され、四つのユーザネットワーク60が図示されているが、キャリアネットワーク20およびユーザネットワーク60の各々は、図1に図示した数量に限られるものではなく、一つであっても良いし、二つ以上であっても良い。
【0030】
コンピュータネットワーク10のキャリアネットワーク20は、電気通信事業者によって運営され、インターネット接続や拠点間接続などの通信サービスをユーザネットワーク60に対して提供するネットワークシステムである。キャリアネットワーク20は、バックボーンネットワーク30と、アクセスネットワーク40とを備える。バックボーンネットワーク30は、複数のアクセスネットワーク40の間を接続する基幹ネットワークである。アクセスネットワーク40は、バックボーンネットワーク30とユーザネットワーク60との間を中継する中継ネットワークである。なお、図1には、一つのバックボーンネットワーク30が図示され、三つのアクセスネットワーク40が図示されているが、バックボーンネットワーク30およびアクセスネットワーク40の各々は、図1に図示した数量に限られるものではなく、一つであっても良いし、二つ以上であっても良い。
【0031】
コンピュータネットワーク10のユーザネットワーク60は、キャリアネットワーク20の通信サービスを受ける企業や公共団体、個人などの顧客によって運営されるネットワークシステムであり、一纏まりの建物や敷地の中に整備された一つ以上の構内ネットワーク70を備える。ユーザネットワーク60は、キャリアネットワーク20を介して他のユーザネットワーク60との間でワイドエリアネットワーク(「WAN」、Wide Area Network)を構成しても良い。また、ユーザネットワーク60において、ローカルエリアネットワーク(「LAN」、Local Area Network)を構成しても良いし、更に、そのLANにおいて物理的な接続構成とは独立した仮想的なネットワークグループを設定した仮想ネットワークであるバーチャルLAN(「VLAN」、Virtual LAN)を構成しても良い。また、ユーザネットワーク60における複数の構内ネットワーク70をキャリアネットワーク20のバックボーンネットワーク30を通じて相互に接続した仮想的なネットワークであるバーチャルプライベートネットワーク(「VPN」、Virtual Private Network)を構成しても良い。
【0032】
図2は、ユーザネットワーク60における構内ネットワーク70の構成を主に示す説明図である。構内ネットワーク70は、ルータ100と、スイッチ200と、クライアントコンピュータ610と、サーバコンピュータ620と、管理装置800とを備えるネットワークシステムである。なお、図2には、一つのルータ100が図示され、複数のスイッチ200が図示されているが、ルータ100およびスイッチ200の各々は、図2に図示した数量に限られるものではなく、一つであっても良いし、二つ以上であっても良い。
【0033】
構内ネットワーク70のルータ100およびスイッチ200は、コンピュータネットワーク10における複数の通信経路を相互に接続する接続装置である。ルータ100は、構内ネットワーク70とアクセスネットワーク40との間を相互に接続する接続装置であり、スイッチ200は、構内ネットワーク70上を流れるパケットの転送先を判断してパケットを中継する接続装置である。
【0034】
スイッチ200には、クライアントコンピュータ610およびサーバコンピュータ620の少なくとも一方が直接的に接続されても良いし、クライアントコンピュータ610やサーバコンピュータ620との間に他のスイッチ200が階層状に接続されても良い。スイッチ200は、OSI(Open Source Initiative)参照モデルのデータリンク層(第2層)のデータに基づいてパケットの転送先を判断するレイヤ2スイッチ(「L2スイッチ」、Layer 2 Switch)であっても良いし、OSI参照モデルのネットワーク層(第3層)のデータに基づいてパケットの転送先を判断するレイヤ3スイッチ(「L3スイッチ」、Layer 3 Switch)であっても良い。
【0035】
図3は、スイッチ200の詳細構成を示す組立斜視図である。スイッチ200は、本体筐体210と、主制御ユニット220と、スイッチングユニット230と、ファンユニット240と、電源ユニット250とを備える。
【0036】
スイッチ200の本体筐体210は、主制御ユニット220、スイッチングユニット230、ファンユニット240、電源ユニット250など、種々の機能を実現する機能ユニットを搭載する。スイッチ200の主制御ユニット220は、操作パネルやメモリカードスロット、各種接続ポートなどの電子機器を集約したモジュールボードを備え、スイッチ200の各部を制御する。
【0037】
スイッチ200のスイッチングユニット230は、パケットのスイッチングを処理するインタフェースポート236を始めとする種々の電子機器を集約したモジュールボード231を備える。本実施例では、スイッチングユニット230は、二つのモジュールボード231を集約して備えるが、他の実施形態において、一つのモジュールボード231を備えても良いし、二つ以上のモジュールボード231を備えても良い。
【0038】
スイッチ200のファンユニット240は、ファンユニットを始めとする電子機器を集約したモジュールボードを備え、スイッチ200に搭載された種々の機能ユニットを冷却する。スイッチ200の電源ユニット250は、電源ユニットを始めとする電子機器を集約したモジュールボードを備え、スイッチ200に搭載された種々の機能ユニットに電源を供給する。
【0039】
図4は、スイッチ200が設置されたネットワーク拠点500を示す説明図である。ネットワーク拠点500は、構内ネットワーク70を構成する種々のネットワーク機器が設置された建物や領域である。ネットワーク拠点500には、複数のスイッチ200を格納可能な格納ラック300が設置されている。本実施例では、構内ネットワーク70を構成する種々のネットワーク機器の全ては、一つのネットワーク拠点500に設置されているが、他の実施形態において、構内ネットワーク70を構成する種々のネットワーク機器が、複数のネットワーク拠点500に分散して設置されても良い。本実施例では、ネットワーク拠点500には、接続装置に電力を供給する複数の電源系統400が整備されているが、他の実施形態において、単一の電源系統400であっても良い。
【0040】
図5は、スイッチ200の機能構成を主に示す説明図である。スイッチ200は、消費電力測定部260と、電力情報生成部270と、通知部280とを備える。本実施例では、スイッチ200の消費電力測定部260、電力情報生成部270、通知部280の各機能は、スイッチ200の電子回路がその物理的な回路構成に基づいて動作することによって実現されるが、他の実施形態において、プログラムに基づいてCPU(Central Processing Unit、セントラルプロセッシングユニット)が動作することによって、スイッチ200の機能の少なくとも一つが実現されても良い。
【0041】
スイッチ200の消費電力測定部260は、スイッチ200における種々の電子機器の消費電力を測定する。本実施例では、消費電力測定部260は、スイッチ200における種々の電子機器の各々に設けられ、その電子機器に供給される電圧値および電流値に基づいて消費電力を実測する。本実施例では、消費電力測定部260によって消費電力が測定される電子機器は、スイッチングユニット230のインタフェースポート236を始めとする電子機器の他、主制御ユニット220、ファンユニット240、電源ユニット250の各機能ユニットに搭載されている電子機器を含む。
【0042】
スイッチ200の電力情報生成部270は、消費電力測定部260によってスイッチ200の各部で測定された電力値に基づいて、スイッチ200において消費された消費電力をスイッチ200の構成に基づく構成単位に区分して示す消費電力情報を生成する。本実施例では、電力情報生成部270は、スイッチ200の各部で実測された電力値に基づいて消費電力情報を生成する第1の生成部として機能する。本実施例では、電力情報生成部270は、主制御ユニット220に構成されている。
【0043】
スイッチ200の通知部280は、電力情報生成部270によって生成された消費電力情報を、構内ネットワーク70を通じて管理装置800に通知する。本実施例では、通知部280は、主制御ユニット220に構成されている。
【0044】
構内ネットワーク70のルータ100の構成は、ネットワーク間の相互接続を処理する機能ユニットを備える点を除き、図3ないし図5で説明したスイッチ200の構成と同様である。ルータ100およびスイッチ200の動作についての詳細は後述する。
【0045】
図6は、管理装置800の機能構成を主に示す説明図である。構内ネットワーク70の管理装置800は、構内ネットワーク70を管理するコンピュータである。管理装置800は、収集部810と、算出部820と、表示部830とを備える。本実施例では、管理装置800の収集部810、算出部820、表示部830の各機能は、プログラムに基づいてCPUが動作することによって実現されるが、他の実施形態において、管理装置800の電子回路がその物理的な回路構成に基づいて動作することによって、管理装置800の機能の少なくとも一つが実現されても良い。
【0046】
管理装置800の収集部810は、ルータ100およびスイッチ200の各々で消費された消費電力を示す消費電力情報を、ルータ100およびスイッチ200から収集する。本実施例では、収集部810は、ルータ100およびスイッチ200の各部で実測された消費電力値を示す実測情報を消費電力情報として収集する第1の収集部として機能する。
【0047】
管理装置800の算出部820は、収集部810によって収集された消費電力情報に基づいて、構内ネットワーク70において消費された消費電力を、構内ネットワーク70の構成に基づく構成単位に区分して算出する。本実施例では、算出部820は、構内ネットワーク70において消費された消費電力を、構内ネットワーク70を構成するハードウェアに基づく構成単位に区分して算出する第1の算出部として機能する。
【0048】
管理装置800の表示部830は、算出部820によって算出された消費電力を表示する。管理装置800の動作についての詳細は後述する。
【0049】
A2.コンピュータネットワークの動作:
図7は、構内ネットワーク70のスイッチ200が実行する消費電力通知処理(ステップS20)を示すフローチャートである。消費電力通知処理(ステップS20)は、スイッチ200が管理装置800に消費電力を通知する処理である。本実施例では、スイッチ200は、電源が投入されると消費電力通知処理(ステップS20)を開始する。
【0050】
消費電力通知処理(ステップS20)が開始されると、スイッチ200の電力情報生成部270は、スイッチ200における種々の電子機器の各々に設けられた消費電力測定部260で測定された電力値を収集する(ステップS202)。
【0051】
その後、スイッチ200の電力情報生成部270は、スイッチ200において消費された消費電力をスイッチ200の構成に基づく構成単位に区分して示す消費電力情報を生成する(ステップS204)。本実施例では、電力情報生成部270は、消費電力測定部260によってスイッチ200の各部で実測された消費電力に基づいて、スイッチ200における種々の電子機器毎に区分してスイッチ200の消費電力を示す消費電力情報を生成する。本実施例では、電力情報生成部270によって生成される消費電力情報は、スイッチ200における電子機器を特定する機器特定情報と、スイッチ200の各部で実測された消費電力値を示す実測情報に基づく電力値情報とを含み、機器特定情報および電力値情報は相互に関連付けられている。
【0052】
消費電力情報が生成された後(ステップS204)、スイッチ200の通知部280は、電力情報生成部270によって生成された消費電力情報を保管する(ステップS205)。本実施例では、通知部280は、SNMP(Simple Network Management Protocol)に準拠したMIB(Management Information Base)として消費電力情報を管理する。
【0053】
管理装置800から消費電力情報の要求がある場合(ステップS207:「YES」)、スイッチ200の通知部280は、電力情報生成部270によって生成された消費電力情報を、構内ネットワーク70を通じて管理装置800に通知する(ステップS208)。本実施例では、通知部280は、管理装置800からのSNMPに準拠したMIB要求に基づいて、MIBとして保管されている消費電力情報を管理装置800に通知する。
【0054】
管理装置800から消費電力情報の要求がない場合(ステップS207:「NO」)や、管理装置800に消費電力情報を通知した後(ステップS208)、スイッチ200は、消費電力測定部260から電力値を収集する工程(ステップS202)からの処理を繰り返し実行する。
【0055】
構内ネットワーク70のルータ100は、スイッチ200と同様に、図7の消費電力通知処理(ステップS20)を実行する。
【0056】
図8は、構内ネットワーク70の管理装置800が実行する消費電力表示処理(ステップS80)を示すフローチャートである。消費電力表示処理(ステップS80)は、管理装置800が構内ネットワーク70における消費電力を表示する処理である。本実施例では、管理装置800は、消費電力表示処理(ステップS80)を定期的に実行する。
【0057】
消費電力表示処理(ステップS80)が開始されると、管理装置800の収集部810は、構内ネットワーク70におけるルータ100およびスイッチ200から、ルータ100およびスイッチ200の各々において消費された消費電力を示す消費電力情報を収集する(ステップS802)。本実施例では、収集部810は、SNMPに準拠したMIB要求をルータ100およびスイッチ200の各々に送信することによって、ルータ100およびスイッチ200の各々においてMIBとして管理されている消費電力情報を収集する。本実施例では、収集部810によって収集される消費電力情報は、ルータ100およびスイッチ200における電子機器を特定する機器特定情報と、その機器特定情報に関連付けられた消費電力を表す電力値情報と含む。
【0058】
消費電力情報が収集された後(ステップS802)、管理装置800の算出部820は、収集部810によって収集された消費電力情報に基づいて、構内ネットワーク70において消費された消費電力を、構内ネットワーク70を構成するハードウェアに基づく構成単位に区分して算出する(ステップS806)。
【0059】
本実施例では、算出部820は、構内ネットワーク70の消費電力を、次の構成単位(a)〜(h)の少なくとも一つで区分して算出する。
(a)ルータ100およびスイッチ200における種々の電子機器毎
(b)ルータ100およびスイッチ200における種々のモジュールボード毎
(c)ルータ100およびスイッチ200における種々の機能ユニット毎
(d)ルータ100およびスイッチ200を含む接続装置毎
(e)ルータ100およびスイッチ200を収納する格納ラック300毎
(f)ルータ100およびスイッチ200に電力を供給する電源系統400毎
(g)ルータ100およびスイッチ200が設置されたネットワーク拠点500毎
(h)構内ネットワーク70全体
【0060】
構成単位(b)の消費電力は、構成単位(a)の消費電力を積算することによって得られる。構成単位(c)の消費電力は、構成単位(b)の消費電力を積算することによって得られる。構成単位(d)の消費電力は、構成単位(c)の消費電力を積算することによって得られる。構成単位(e)の消費電力は、構成単位(d)の消費電力を積算することによって得られる。構成単位(f)の消費電力は、構成単位(e)の消費電力を積算することによって得られる。構成単位(g)の消費電力は、構成単位(f)の消費電力を積算することによって得られる。構成単位(h)の消費電力は、構成単位(g)の消費電力を積算することによって得られる。
【0061】
構内ネットワーク70の消費電力が算出された後(ステップS806)、管理装置800の表示部830は、算出部820によって算出された消費電力を表示する(ステップS808)。本実施例では、表示部830は、構内ネットワーク70の構成に基づく構成単位に区分された消費電力を、液晶ディスプレイなどの画像表示装置(図示しない)に映像として表示するが、他の実施形態において、印刷装置(図示しない)を通じて印刷媒体に出力しても良い。
【0062】
A3.効果:
以上説明した第1の実施例における構内ネットワーク70によれば、構内ネットワーク70における消費電力を、構内ネットワーク70の構成に基づく構成単位に区分して表示することができる。その結果、構内ネットワーク70における電力消費の状況を把握することができる。
【0063】
また、構内ネットワーク70では、構内ネットワーク70を構成するハードウェアに基づく構成単位に区分して消費電力を表示することから、構内ネットワーク70における電力消費の状況に応じて、ハードウェアの観点から消費電力を抑制するための対策を取ることができる。
【0064】
また、構内ネットワーク70では、ルータ100およびスイッチ200の各部で実測された消費電力値を示す実測情報に基づいて、構内ネットワーク70における消費電力を算出することから、算出される消費電力の正確性を向上させることができる。
【0065】
また、構内ネットワーク70では、管理装置800において消費電力を表示することから、構内ネットワーク70の管理者が、構内ネットワーク70における電力消費の状況を容易に把握することができる。
【0066】
また、第1の実施例におけるルータ100およびスイッチ200によれば、ルータ100およびスイッチ200の構成に基づく構成単位に区分した消費電力情報を管理装置800に集約することができる。その結果、ルータ100およびスイッチ200によって構成された構内ネットワーク70における電力消費の状況を管理装置800で把握することができる。
【0067】
また、ルータ100およびスイッチ200は、ルータ100およびスイッチ200を構成するハードウェアに基づく構成単位に区分した消費電力情報を生成することから、ルータ100およびスイッチ200のハードウェア構成に関する種々の構成単位に区分した消費電力情報を管理装置800に集約することができる。
【0068】
B.第2の実施例:
B1.コンピュータネットワークの構成:
第2の実施例におけるコンピュータネットワークの構成は、ルータ100、スイッチ200、管理装置800の各ネットワーク機器における機能構成が異なる点を除き、第1の実施例と同様である。
【0069】
図9は、第2の実施例におけるスイッチ200の機能構成を主に示す説明図である。第2の実施例におけるスイッチ200は、第1の実施例と同様に、消費電力測定部260と、電力情報生成部270と、通知部280とを備える。第2の実施例では、スイッチ200は、更に、スイッチ200において処理されるVLAN毎の入出力トラフィックをカウントするVLAN通信量計数部291を備える。第2の実施例では、スイッチ200の電力情報生成部270は、消費電力情報を管理装置800に通知すると共に、VLAN通信量計数部291によってカウントされたVLAN毎の入出力トラフィックに基づく情報をVLAN通信量情報として管理装置800に通知する。
【0070】
第2の実施例におけるルータ100の構成は、ネットワーク間の相互接続を処理する機能ユニットを備える点を除き、図9で説明した第2の実施例におけるスイッチ200と同様である。第2の実施例におけるルータ100およびスイッチ200の動作についての詳細は後述する。
【0071】
図10は、第2の実施例における管理装置800の機能構成を主に示す説明図である。第2の実施例における管理装置800の構成は、第1の実施例と同様に、収集部810と、算出部820と、表示部830とを備える。第2の実施例では、管理装置800の算出部820は、ルータ100およびスイッチ200から通知されるVLAN通信量情報に基づいてVLAN毎の通信量の比率を示す負荷比率を算出するVLAN比率算出部821を含む。第2の実施例では、管理装置800の算出部820は、構内ネットワーク70におけるVLAN構成に区分して構内ネットワーク70の消費電力を算出する第2の算出部として機能する。第2の実施例における管理装置800の動作についての詳細は後述する。
【0072】
B2.コンピュータネットワークの動作:
図11は、第2の実施例におけるスイッチ200が実行する消費電力通知処理(ステップS21)を示すフローチャートである。消費電力通知処理(ステップS21)は、スイッチ200が管理装置800に消費電力情報を通知する処理である。本実施例では、スイッチ200は、電源が投入されると消費電力通知処理(ステップS21)を開始する。
【0073】
消費電力通知処理(ステップS21)が開始されると、スイッチ200の電力情報生成部270は、スイッチ200のVLAN通信量計数部291でカウントされたVLAN毎の入出力トラフィックに基づいて、スイッチ200におけるVLAN毎の通信量を示すVLAN通信量情報を生成する(ステップS211)。本実施例では、VLAN通信量計数部291は、VLAN毎に入出力トラフィックのオクテット数およびパケット数をカウントしたカウントアップ数を電力情報生成部270に出力し、電力情報生成部270は、VLAN通信量計数部291から出力されたカウントアップ数に基づいて、VLAN毎の平均通信レート(例えば、bps(Bit Per Second)平均レート、pps(Packet Per Second)平均レート)をVLAN通信量情報として算出する。
【0074】
VLAN通信量情報が生成された後(ステップS211)、スイッチ200の電力情報生成部270は、スイッチ200の各部に設けられた消費電力測定部260で測定された電力値を収集する(ステップS212)。その後、電力情報生成部270は、スイッチ200において消費された消費電力をスイッチ200の構成に基づく構成単位に区分して示す消費電力情報を生成する(ステップS214)。第2の実施例では、電力情報生成部270は、スイッチ200において消費された消費電力を、前述の構成単位(a)〜(h)の少なくとも一つで区分して算出する。
【0075】
VLAN通信量情報および消費電力情報が生成された後(ステップS211,S214)、スイッチ200の通知部280は、電力情報生成部270によって生成されたVLAN通信量情報および消費電力情報を保管する(ステップS215)。
【0076】
管理装置800から消費電力情報の要求がある場合(ステップS217:「YES」)、スイッチ200の通知部280は、電力情報生成部270によって生成されたVLAN通信量情報および消費電力情報を、構内ネットワーク70を通じて管理装置800に通知する(ステップS218)。
【0077】
管理装置800から消費電力情報の要求がない場合(ステップS217:「NO」)や、管理装置800に消費電力情報を通知した後(ステップS218)、スイッチ200は、VLAN通信量情報を生成する工程(ステップS211)からの処理を繰り返し実行する。
【0078】
第2の実施例におけるルータ100は、スイッチ200と同様に、図11の消費電力通知処理(ステップS21)を実行する。
【0079】
図12は、第2の実施例における管理装置800が実行する消費電力表示処理(ステップS81)を示すフローチャートである。消費電力表示処理(ステップS81)は、管理装置800が構内ネットワーク70における消費電力を表示する処理である。本実施例では、管理装置800は、消費電力表示処理(ステップS81)を定期的に実行する。
【0080】
消費電力表示処理(ステップS81)が開始されると、管理装置800の収集部810は、構内ネットワーク70におけるルータ100およびスイッチ200から、ルータ100およびスイッチ200の各々において消費された消費電力を示す消費電力情報を収集すると共に、ルータ100およびスイッチ200の各々におけるVLAN毎の通信量を示すVLAN通信量情報を収集する(ステップS812)。第2の実施例では、VLAN通信量情報は、ルータ100およびスイッチ200の各々におけるVLAN毎の平均通信レートを示す。
【0081】
消費電力情報およびVLAN通信量情報が収集された後(ステップS812)、管理装置800の算出部820は、ルータ100およびスイッチ200の各々から収集されたVLAN通信量情報に基づいて、構内ネットワーク70におけるVLAN毎の通信量の比率を示す負荷比率を算出する(ステップS813)。本実施例では、算出部820は、ルータ100およびスイッチ200の各々から収集されたVLAN通信量情報に含まれる全ての平均通信レートを加算することによって、構内ネットワーク70全体の通信量を算出した後、この構内ネットワーク70全体の通信量に対するVLAN毎の通信量を負荷比率として算出する。
【0082】
VLAN毎の負荷比率が算出された後(ステップS813)、管理装置800の算出部820は、収集部810によって収集された消費電力情報に基づいて、構内ネットワーク70において消費された消費電力を、構内ネットワーク70に構成されたVLANに基づく構成単位に区分して算出する(ステップS816)。本実施例では、算出部820は、ルータ100およびスイッチ200から収集された消費電力情報に含まれる全ての消費電力値を加算することによって、構内ネットワーク70全体の消費電力値を算出した後、この構内ネットワーク70全体の消費電力値をVLAN毎の負荷比率で比例配分することによって、構内ネットワーク70におけるVLAN毎の消費電力を算出する。
【0083】
消費電力が算出された後(ステップS816)、管理装置800の表示部830は、算出部820によって算出された消費電力を表示する(ステップS818)。
【0084】
B3.効果:
以上説明した第2の実施例における構内ネットワーク70によれば、構内ネットワーク70における消費電力を、構内ネットワーク70に構成された仮想ネットワークであるVLANに基づく構成単位に区分して表示することができる。その結果、構内ネットワーク70における電力消費の状況に応じて、VLAN構成の観点から消費電力を抑制するための対策を取ることができる。
【0085】
C.第3の実施例:
C1.コンピュータネットワークの構成:
第3の実施例におけるコンピュータネットワークの構成は、ルータ100およびスイッチ200の各ネットワーク機器における機能構成が異なる点を除き、第1の実施例と同様である。
【0086】
図13は、第3の実施例におけるスイッチ200の機能構成を主に示す説明図である。第3の実施例におけるスイッチ200は、第1の実施例と同様に、消費電力測定部260と、電力情報生成部270と、通知部280とを備える。第3の実施例では、スイッチ200は、更に、動作情報取得部292と、多変量解析部293と、係数情報記憶部294と、VLAN比率算出部296とを備える。
【0087】
スイッチ200の動作情報取得部292は、スイッチ200における処理動作の履歴を示す動作情報を取得する。スイッチ200の多変量解析部293は、動作情報取得部292により取得される動作情報からスイッチ200における消費電力を推測する係数を示す係数情報を、多変量解析やニューラルネットワークを用いて算出する。スイッチ200の係数情報記憶部294は、多変量解析部293によって算出された係数情報を記憶する。スイッチ200のVLAN比率算出部296は、動作情報取得部292により取得された動作情報に基づいて、スイッチ200におけるVLAN毎の通信量の比率を示す負荷比率を算出する。第3の実施例では、スイッチ200の電力情報生成部270は、動作情報取得部292によって取得された動作情報に基づいて消費電力情報を生成する第2の生成部として機能する。
【0088】
第3の実施例におけるルータ100の構成は、ネットワーク間の相互接続を処理する機能ユニットを備える点を除き、図13で説明した第3の実施例におけるスイッチ200と同様である。第3の実施例におけるルータ100およびスイッチ200の動作についての詳細は後述する。
【0089】
第3の実施例における管理装置800の構成は、構内ネットワーク70におけるVLAN構成に区分して構内ネットワーク70の消費電力を算出する第2の算出部として算出部820が機能する点を除き、第1の実施例と同様である。
【0090】
C2.コンピュータネットワークの動作:
図14は、第3の実施例におけるスイッチ200が実行する消費電力通知処理(ステップS22)を示すフローチャートである。消費電力通知処理(ステップS22)は、スイッチ200が管理装置800に消費電力情報を通知する処理である。本実施例では、スイッチ200は、電源が投入されると消費電力通知処理(ステップS22)を開始する。
【0091】
消費電力通知処理(ステップS22)が開始されると、スイッチ200の動作情報取得部292は、スイッチ200における通信動作の履歴を示す動作情報を、スイッチ200の各部から取得する(ステップS221)。
【0092】
動作情報取得部292によって取得される動作情報は、次の動作情報(a)〜(i)の少なくとも一つを含む。
(a)スイッチ200全体における入出力トラフィックの平均フレーム長
(b)スイッチ200全体における入出力トラフィックのpps平均レート
(c)スイッチ200全体における入出力トラフィックのbps平均レート
(d)スイッチ200における各電子機器への平均アクセス数
(e)スイッチ200における経路エントリ数
(f)L2(Layer 2、レイヤ2)中継およびL3(Layer 3、レイヤ3)中継の平均処理回数
(g)IPv4(Internet Protocol version 4、インターネットプロトコルバージョン4)およびIPv6(Internet Protocol version 6、インターネットプロトコルバージョン6)の平均処理回数
(h)ユニキャストおよびマルチキャストの平均処理回数
(i)スイッチ200の動作モード(例えば、通常動作モード、省電力動作モード)
【0093】
動作情報が取得された後(ステップS221)、スイッチ200の電力情報生成部270は、動作情報取得部292によって取得された動作情報、および係数情報記憶部294に記憶されている係数情報に基づいて、スイッチ200における消費電力を推測する(ステップS222)。本実施例では、電力情報生成部270は、次の関係式(1)に基づいてスイッチ200における消費電力を算出する。
【0094】
Ps=(a0・X0)+(a1・X1)+(a2・X2)+・・・+(an・Xn) ・・・(1)
【0095】
「Ps」は、スイッチ200における消費電力を示し、「X1,X2,・・・,Xn」は、各種の動作情報の値を示し、「a0,a1,・・・,an」は、各種の動作情報に対応付けられた係数情報の値を示す。
【0096】
消費電力の算出(ステップS222)に合わせて、スイッチ200のVLAN比率算出部296は、動作情報取得部292により取得された動作情報に基づいて、スイッチ200におけるVLAN毎の通信量の比率を示す負荷比率を算出する(ステップS223)。第3の実施例では、比率算出部296は、動作情報に含まれるVLANの入出力トラフィックに関する情報に基づいて、スイッチ200全体の通信量に対するVLAN毎の通信量を負荷比率として算出する。
【0097】
消費電力および負荷比率が算出された後(ステップS222,S223)、スイッチ200の電力情報生成部270は、前述した関係式(1)に基づいて算出されたスイッチ200の消費電力を、VLAN比率算出部296によって算出されたVLAN毎の負荷比率で比例分配することによって、スイッチ200の消費電力をVLAN毎に区分して示す消費電力情報を生成する(ステップS224)。その後、スイッチ200の通知部280は、電力情報生成部270によって生成された消費電力情報を保管する(ステップS225)。
【0098】
管理装置800から消費電力情報の要求がある場合(ステップS227:「YES」)、スイッチ200の通知部280は、電力情報生成部270によって生成された消費電力情報を、構内ネットワーク70を通じて管理装置800に通知する(ステップS228)。
【0099】
管理装置800から消費電力情報の要求がない場合(ステップS227:「NO」)や、管理装置800に消費電力情報を通知した後(ステップS228)、スイッチ200は、動作情報を収集する工程(ステップS221)からの処理を繰り返し実行する。
【0100】
図15は、第3の実施例におけるスイッチ200が実行する係数算出処理(ステップS32)を示すフローチャートである。係数算出処理(ステップS32)は、動作情報取得部292によって取得された動作情報に基づいてスイッチ200の消費電力を推測する係数を算出する処理である。本実施例では、スイッチ200は、係数算出処理(ステップS32)を定期的に実行する。
【0101】
係数算出処理(ステップS32)が開始されると、スイッチ200の多変量解析部293は、スイッチ200における種々の電子機器の各々に設けられた消費電力測定部260で測定された電力値を加算した実測消費電力を算出する(ステップS321)。一方、スイッチ200の電力情報生成部270は、係数情報記憶部294に記憶されている係数情報を用いて、動作情報取得部292により取得された動作情報に基づく推測消費電力を、前述した関係式(1)に基づいて算出する(ステップS322)。
【0102】
実測消費電力および推測消費電力が算出された後(ステップS321,S322)、実測消費電力と推測消費電力との間の算出誤差が許容値より小さい場合(ステップS323:「YES」)、スイッチ200は、係数算出処理(ステップS32)を終了する。
【0103】
一方、実測消費電力と推測消費電力との間の算出誤差が許容値以上である場合(ステップS323:「NO」)、スイッチ200の多変量解析部293は、消費電力測定部260によって測定される実測電力値、および動作情報取得部292によって取得される動作情報を、規定回数を満たすサンプル数になるまで収集する(ステップS324,S325,S326)。規定回数を満たすサンプル数となった場合(ステップS326:「YES」)、多変量解析部293は、収集された実測電力値および動作情報を多変量解析やニューラルネットワークで処理することによって、関係式(1)における係数a0,a1,・・・,anを算出する(ステップS327)。その後、多変量解析部293は、新たに算出された係数a0,a1,・・・,anを含む係数情報を係数情報記憶部294に格納する(ステップS328)。
【0104】
第3の実施例におけるルータ100は、スイッチ200と同様に、図14の消費電力通知処理(ステップS22)および図15の係数算出処理(ステップS32)を実行する。
【0105】
図16は、第3の実施例における管理装置800が実行する消費電力表示処理(ステップS82)を示すフローチャートである。消費電力表示処理(ステップS82)は、管理装置800が構内ネットワーク70における消費電力を表示する処理である。本実施例では、管理装置800は、消費電力表示処理(ステップS82)を定期的に実行する。
【0106】
消費電力表示処理(ステップS82)が開始されると、管理装置800の収集部810は、構内ネットワーク70におけるルータ100およびスイッチ200から、ルータ100およびスイッチ200の各々において消費された消費電力を示す消費電力情報を収集する(ステップS822)。第3の実施例では、ルータ100およびスイッチ200の各々から管理装置800に収集される消費電力情報は、ルータ100およびスイッチ200の各々の消費電力をVLAN毎に区分して示す情報を含む。
【0107】
消費電力情報が収集された後(ステップS822)、管理装置800の算出部820は、収集部810によって収集された消費電力情報に基づいて、構内ネットワーク70において消費された消費電力を、構内ネットワーク70に構成されたVLANに基づく構成単位に区分して算出する(ステップS826)。本実施例では、算出部820は、ルータ100およびスイッチ200の各々から収集された消費電力情報を、構内ネットワーク70におけるVLAN毎に集計することによって、構内ネットワーク70におけるVLAN毎の消費電力を算出する。
【0108】
消費電力が算出された後(ステップS826)、管理装置800の表示部830は、算出部820によって算出された消費電力を表示する(ステップS828)。
【0109】
C3.効果:
以上説明した第3の実施例における構内ネットワーク70によれば、構内ネットワーク70における消費電力を、構内ネットワーク70に構成された仮想ネットワークであるVLANに基づく構成単位に区分して表示することができる。その結果、構内ネットワーク70における電力消費の状況に応じて、VLAN構成の観点から消費電力を抑制するための対策を取ることができる。
【0110】
D.第4の実施例:
D1.コンピュータネットワークの構成:
第4の実施例におけるコンピュータネットワークの構成は、ルータ100、スイッチ200、管理装置800の各ネットワーク機器における機能構成が異なる点を除き、第1の実施例と同様である。
【0111】
図17は、第4の実施例におけるスイッチ200の機能構成を主に示す説明図である。第4の実施例におけるスイッチ200は、第1の実施例と同様に、電力情報生成部270と、通知部280とを備える。第4の実施例では、スイッチ200は、更に、スイッチ200における処理動作の履歴を示す動作情報を取得する動作情報取得部292を備える。第4の実施例では、スイッチ200の電力情報生成部270は、動作情報取得部292によって取得された動作情報を含む消費電力情報を生成する第2の生成部として機能する。
【0112】
第4の実施例におけるルータ100の構成は、ネットワーク間の相互接続を処理する機能ユニットを備える点を除き、図17で説明した第4の実施例におけるスイッチ200と同様である。第4の実施例におけるルータ100およびスイッチ200の動作についての詳細は後述する。
【0113】
図18は、第4の実施例における管理装置800の機能構成を主に示す説明図である。第4の実施例における管理装置800は、第1の実施例と同様に、収集部810と、算出部820と、表示部830とを備える。第4の実施例では、管理装置800は、更に、ルータ100およびスイッチ200の動作情報に関連付けられた係数情報を予め記憶する係数情報記憶部840を備える。第4の実施例では、係数情報記憶部840に記憶される係数情報は、構内ネットワーク70の管理者によって予め準備される。
【0114】
第4の実施例では、管理装置800の算出部820は、ルータ100およびスイッチ200から通知される消費電力情報に含まれる動作情報に基づいて、VLAN毎の通信量の比率を示す負荷比率を算出するVLAN比率算出部821を含む。第4の実施例では、管理装置800の算出部820は、構内ネットワーク70におけるVLAN構成に区分して構内ネットワーク70の消費電力を算出する第2の算出部として機能する。第4の実施例における管理装置800の動作についての詳細は後述する。
【0115】
D2.コンピュータネットワークの動作:
図19は、第4の実施例におけるスイッチ200が実行する消費電力通知処理(ステップS23)を示すフローチャートである。消費電力通知処理(ステップS23)は、スイッチ200が管理装置800に消費電力情報を通知する処理である。本実施例では、スイッチ200は、電源が投入されると消費電力通知処理(ステップS23)を開始する。
【0116】
消費電力通知処理(ステップS23)が開始されると、スイッチ200の動作情報取得部292は、スイッチ200における通信動作の履歴を示す動作情報を、スイッチ200の各部から取得する(ステップS232)。本実施例では、動作情報取得部292によって取得される動作情報は、前述した動作情報(a)〜(i)の少なくとも一つを含む。
【0117】
動作情報が取得された後(ステップS232)、スイッチ200の電力情報生成部270は、動作情報取得部292により取得された動作情報を含む消費電力情報を生成する(ステップS234)。その後、スイッチ200の通知部280は、電力情報生成部270によって生成された消費電力情報を保管する(ステップS235)。
【0118】
管理装置800から消費電力情報の要求がある場合(ステップS237:「YES」)、スイッチ200の通知部280は、電力情報生成部270によって生成された消費電力情報を、構内ネットワーク70を通じて管理装置800に通知する(ステップS238)。
【0119】
管理装置800から消費電力情報の要求がない場合(ステップS237:「NO」)や、管理装置800に消費電力情報を通知した後(ステップS238)、スイッチ200は、動作情報を収集する工程(ステップS232)からの処理を繰り返し実行する。
【0120】
図20は、第4の実施例における管理装置800が実行する消費電力表示処理(ステップS83)を示すフローチャートである。消費電力表示処理(ステップS83)は、管理装置800が構内ネットワーク70における消費電力を表示する処理である。本実施例では、管理装置800は、消費電力表示処理(ステップS83)を定期的に実行する。
【0121】
消費電力表示処理(ステップS83)が開始されると、管理装置800の収集部810は、構内ネットワーク70におけるルータ100およびスイッチ200から、ルータ100およびスイッチ200の各々における通信動作の履歴を示す動作情報を含む消費電力情報を収集する(ステップS831)。
【0122】
その後、管理装置800の算出部820は、収集部810により収集された消費電力情報に含まれる動作情報、および係数情報記憶部840に記憶されている係数情報に基づいて、構内ネットワーク70全体の消費電力を推測する(ステップS832)。本実施例では、算出部820は、前述した関係式(1)に基づいてルータ100およびスイッチ200の消費電力を算出した後、これらの消費電力を積算することによって構内ネットワーク70全体の消費電力を算出する。
【0123】
構内ネットワーク70全体の消費電力の算出(ステップS832)に合わせて、算出部820の算出部820は、収集部810により収集された消費電力情報に含まれる動作情報に基づいて、構内ネットワーク70全体におけるVLAN毎の通信量の比率を示す負荷比率を算出する(ステップS835)。第4の実施例では、算出部820は、動作情報に含まれるVLANの入出力トラフィックに関する情報に基づいて、構内ネットワーク70全体の通信量に対するVLAN毎の通信量を負荷比率として算出する。
【0124】
構内ネットワーク70全体における消費電力および負荷比率が算出された後(ステップS832,S835)、管理装置800の算出部820は、構内ネットワーク70全体の消費電力を、構内ネットワーク70におけるVLAN毎の負荷比率で比例分配することによって、構内ネットワーク70において消費された消費電力を、構内ネットワーク70に構成されたVLANに基づく構成単位に区分して算出する(ステップS836)。
【0125】
消費電力が算出された後(ステップS836)、管理装置800の表示部830は、算出部820によって算出された消費電力を表示する(ステップS838)。
【0126】
D3.効果:
以上説明した第4の実施例における構内ネットワーク70によれば、構内ネットワーク70における消費電力を、構内ネットワーク70に構成された仮想ネットワークであるVLANに基づく構成単位に区分して表示することができる。その結果、構内ネットワーク70における電力消費の状況に応じて、VLAN構成の観点から消費電力を抑制するための対策を取ることができる。
【0127】
また、構内ネットワーク70では、動作情報を含む消費電力情報をルータ100およびスイッチ200から管理装置800に収集し、管理装置800に収集された動作情報に基づいて構内ネットワーク70の消費電力を算出することから、ルータ100およびスイッチ200における負荷を軽減することができる。
【0128】
E.その他の実施形態:
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。
【0129】
例えば、前述の実施例では、ルータ100およびスイッチ200は、管理装置800からの要求に基づいて消費電力情報を管理装置800に通知するとしたが、他の実施形態おいて、ルータ100およびスイッチ200は、定期的に消費電力情報を管理装置800に通知しても良い。これによって、管理装置800の負荷を軽減することができる。
【0130】
また、前述の実施例では、構内ネットワーク70における消費電力を取り扱う例を示したが、他の実施形態において、コンピュータネットワーク10、キャリアネットワーク20、バックボーンネットワーク30、アクセスネットワーク40、ユーザネットワーク60、VPNなどの他のコンピュータネットワークにおける消費電力の取り扱いに本発明を適用しても良い。これによって、他のコンピュータネットワークにおける消費電力を、そのコンピュータネットワークの構成に基づく構成単位に区分して表示することができる。
【0131】
また、前述の実施例では、コンピュータネットワークにおけるハードウェア構成やVLAN構成に基づく構成単位に区分して消費電力を取り扱う例を示したが、他の実施形態において、コンピュータネットワークにおいて発生するアプリケーションフローに基づく構成単位に区分して消費電力を取り扱っても良い。
【0132】
また、前述の実施例では、ルータ100およびスイッチ200から消費電力情報を通知する例を示したが、他の実施形態において、クライアントコンピュータ610やサーバコンピュータ620など他のネットワーク機器から消費電力情報を通知しても良い。
【0133】
また、前述の実施例では、VLAN毎の負荷比率で比例配分することによって、VLAN毎の消費電力を算出する例を示したが、他の実施形態において、係数情報、およびVLAN毎の動作情報に基づいて、VLAN毎の消費電力を推測しても良い。
【符号の説明】
【0134】
10…コンピュータネットワーク
20…キャリアネットワーク
30…バックボーンネットワーク
40…アクセスネットワーク
60…ユーザネットワーク
70…構内ネットワーク
100…ルータ
200…スイッチ
210…本体筐体
220…主制御ユニット
230…スイッチングユニット
231…モジュールボード
236…インタフェースポート
240…ファンユニット
250…電源ユニット
260…消費電力測定部
270…電力情報生成部
280…通知部
291…VLAN通信量計数部
292…動作情報取得部
293…多変量解析部
294…係数情報記憶部
296…VLAN比率算出部
300…格納ラック
400…電源系統
500…ネットワーク拠点
610…クライアントコンピュータ
620…サーバコンピュータ
800…管理装置
810…収集部
820…算出部
821…VLAN比率算出部
830…表示部
840…係数情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータネットワークを構築するネットワークシステムであって、
前記コンピュータネットワークにおける複数の通信経路を相互に接続する接続装置から、前記接続装置において消費された消費電力を示す消費電力情報を収集する収集部と、
前記収集部によって収集された消費電力情報に基づいて、前記コンピュータネットワークにおいて消費された消費電力を、前記コンピュータネットワークの構成に基づく構成単位に区分して算出する算出部と、
前記算出部によって算出された消費電力を表示する表示部と
を備えるネットワークシステム。
【請求項2】
前記算出部は、前記収集部によって収集された消費電力情報に基づいて、前記コンピュータネットワークにおいて消費された消費電力を、前記コンピュータネットワークを構成するハードウェアに基づく構成単位に区分して算出する第1の算出部を含む請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のネットワークシステムであって、
前記接続装置は、
前記接続装置の機能の少なくとも一つを実現する電子機器と、
前記電子機器を集約したモジュールボードと、
前記モジュールボードを集約した機能ユニットと
を含み、
前記第1の算出部は、前記収集部によって収集された消費電力情報に基づいて、前記コンピュータネットワークにおいて消費された消費電力を、
前記接続装置における前記電子機器、
前記接続装置における前記モジュールボード、
前記接続装置における前記機能ユニット、
前記接続装置の全体、
前記接続装置を格納する格納ラック、
前記接続装置に電力を供給する電源系統、
前記接続装置が設置されたネットワーク拠点、
前記コンピュータネットワーク全体
の少なくとも一つに基づく構成単位に区分して算出する、ネットワークシステム。
【請求項4】
前記算出部は、前記収集部によって収集された消費電力情報に基づいて、前記コンピュータネットワークにおいて消費された消費電力を、前記コンピュータネットワークに仮想的に構成された仮想ネットワークに基づく構成単位に区分して算出する第2の算出部を含む請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のネットワークシステム。
【請求項5】
前記第2の算出部は、前記収集部によって収集された消費電力情報に基づいて、前記コンピュータネットワークにおいて消費された消費電力を、前記コンピュータネットワークに構成されたバーチャルローカルエリアネットワークおよびバーチャルプライベートネットワークの少なくとも一方の仮想ネットワークに基づく構成単位に区分して検出する請求項4に記載のネットワークシステム。
【請求項6】
前記算出部は、前記収集部によって収集された消費電力情報に基づいて、前記コンピュータネットワークにおいて消費された消費電力を、前記コンピュータネットワークにおいて発生するアプリケーションフローに基づく構成単位に区分して算出する第3の算出部を含む請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のネットワークシステム。
【請求項7】
前記収集部は、前記接続装置の各部で実測された消費電力値を示す実測情報を、前記消費電力情報として前記接続装置から収集する第1の収集部を含む請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のネットワークシステム。
【請求項8】
前記収集部は、前記接続装置の各部が実行した動作を示す動作情報を、前記消費電力情報として前記接続装置から収集する第2の収集部を含む請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のネットワークシステム。
【請求項9】
前記表示部は、前記コンピュータネットワークを管理する管理装置において、前記算出部によって算出された消費電力を表示する請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のネットワークシステム。
【請求項10】
コンピュータネットワークにおける複数の通信経路を相互に接続する接続装置であって、
前記接続装置において消費された消費電力を前記接続装置の構成に基づく構成単位に区分して示す消費電力情報を生成する電力情報生成部と、
前記電力情報生成部によって生成された消費電力情報を、前記コンピュータネットワークを管理する管理装置に通知する通知部と
を備える接続装置。
【請求項11】
請求項10に記載の接続装置であって、更に、
前記接続装置の機能の少なくとも一つを実現する電子機器と、
前記電子機器を集約したモジュールボードと、
前記モジュールボードを集約した機能ユニットと
を備え、
前記電力情報生成部は、前記電子機器、前記モジュールボード、前記機能ユニットの少なくとも一つに基づく構成単位に区分して前記消費電力を示す消費電力情報を生成する、接続装置。
【請求項12】
前記電力情報生成部は、前記接続装置の各部で実測された電力値に基づいて前記消費電力情報を生成する第1の生成部を含む請求項10または請求項11に記載の接続装置。
【請求項13】
前記電力情報生成部は、前記接続装置の各部が実行した動作を示す動作情報に基づいて前記消費電力情報を生成する第2の生成部を含む請求項10ないし請求項12のいずれかに記載の接続装置。
【請求項14】
コンピュータネットワークを管理する管理装置であって、
前記コンピュータネットワークにおける複数の通信経路を相互に接続する接続装置から、前記接続装置において消費された消費電力を示す消費電力情報を収集する収集部と、
前記収集部によって収集された消費電力情報に基づいて、前記コンピュータネットワークにおいて消費された消費電力を、前記コンピュータネットワークの構成に基づく構成単位に区分して算出する算出部と、
前記算出部によって算出された消費電力を表示する表示部と
を備える管理装置。
【請求項15】
前記算出部は、前記収集部によって収集された消費電力情報に基づいて、前記コンピュータネットワークにおいて消費された消費電力を、前記コンピュータネットワークを構成するハードウェアに基づく構成単位に区分して算出する第1の算出部を含む請求項14に記載の管理装置。
【請求項16】
前記算出部は、前記収集部によって収集された消費電力情報に基づいて、前記コンピュータネットワークにおいて消費された消費電力を、前記コンピュータネットワークに仮想的に構成された仮想ネットワーク毎の構成単位に区分して算出する第2の算出部を含む請求項14または請求項15に記載の管理装置。
【請求項17】
前記算出部は、前記収集部によって収集された消費電力情報に基づいて、前記コンピュータネットワークにおいて消費された消費電力を、前記コンピュータネットワークにおいて発生するアプリケーションフロー毎の構成単位に区分して算出する第3の算出部を含む請求項14ないし請求項16のいずれかに記載の管理装置。
【請求項18】
コンピュータネットワークを管理する管理方法であって、
(a) コンピュータが、前記コンピュータネットワークにおける複数の通信経路を相互に接続する接続装置から、前記接続装置において消費された消費電力を示す消費電力情報を収集する工程と、
(b) コンピュータが、前記工程(a)によって収集された消費電力情報に基づいて、前記コンピュータネットワークにおいて消費された消費電力を、前記コンピュータネットワークの構成に基づく構成単位に区分して算出する工程と、
(c) コンピュータが、前記工程(b)によって算出された消費電力を表示する工程と
を備える管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−31221(P2013−31221A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−221846(P2012−221846)
【出願日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【分割の表示】特願2009−50710(P2009−50710)の分割
【原出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(504411166)アラクサラネットワークス株式会社 (315)
【Fターム(参考)】