ネットワークシステム評価支援方法及びネットワークシステム評価支援装置並びにプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
【課題】通信データのデータ構造の複雑さやデータ表現形式を考慮してネットワークシステムの定量的な評価を行う。
【解決手段】本発明の一態様は、受信装置8と少なくとも1台の送信装置6とが通信回線7を介して接続されているネットワークシステム9に対する評価を支援する方法に関する。本方法では、送信装置6の台数mと、送信装置6から送信される通信データの1件あたりのデータ量dsと、通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、通信回線7の通信容量cとを入力し、通信回線7の通信容量cとdc×m×ds/fとを比較する通信容量評価式を記憶し、入力された情報と通信容量評価式とに基づいて通信容量評価モデル10に関する演算を行い、結果を出力する。
【解決手段】本発明の一態様は、受信装置8と少なくとも1台の送信装置6とが通信回線7を介して接続されているネットワークシステム9に対する評価を支援する方法に関する。本方法では、送信装置6の台数mと、送信装置6から送信される通信データの1件あたりのデータ量dsと、通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、通信回線7の通信容量cとを入力し、通信回線7の通信容量cとdc×m×ds/fとを比較する通信容量評価式を記憶し、入力された情報と通信容量評価式とに基づいて通信容量評価モデル10に関する演算を行い、結果を出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばインターネットやイントラネット、専用LANなどのような通信回線を介して通信データを送受信するネットワークシステムに対する評価を支援するためのネットワークシステム評価支援方法、及び装置、並びにプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の送信装置から通信回線を介して受信装置に通信データを送信し、受信装置で通信データに関する処理を行うネットワークシステムが、プラント監視システム、金融システム、交通システムなどとして各種の産業分野で利用されている。
【0003】
図11は、このような従来のネットワークシステムの構成例を示すブロック図であり、金融システムの場合を示している。
【0004】
このネットワークシステム1では、ユーザが送信装置2であるATMを用いて預金の引き出し等の操作を行うと、このユーザの操作内容を示す通信データが送信装置から通信回線3を介して受信装置4であるホスト計算機に送信され、受信装置4で預金等の管理処理が実行される。
【0005】
ここで、このようなネットワークシステム1においては、送信装置2で通信データが発生してから受信装置4で計算、検索、登録などの処理が終了するまでの時間(以下、「実行時間」という)が、所定の制限時間内でなければならないというリアルタイム性が要求される場合がある。例えば、図11のネットワークシステム1では、送信装置2で預金の引き出しが行われてから受信装置4が預金についてのデータベースを更新するまでに所定の時間内で実行されなければならない。
【0006】
また、各種産業分野のネットワークシステムにおいて送信装置から送信される通信データは一般的に固定長のバイナリデータである。
【0007】
また、システム開発時には、予定されている通信データのデータ容量や通信データの送信発生頻度を推測し、例えば通信回線などのようなネットワークシステムにおけるインフラストラクチャ(以下、「インフラ」という)が選定される。
【特許文献1】特開平11−68750号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように、従来においては、予定されている通信データのデータ容量や推測される通信データの送信発生頻度に基づいてネットワークシステムが開発される。
【0009】
しかしながら、このような従来の手法でネットワークシステムを開発する場合、システム開発時の予測とシステム稼動後の状況が相違し、通信回線が実際の通信に耐えられない場合がある。
【0010】
そのため、システム稼動時と同様なテスト環境を用意し、通信データの送受信試験を行ってその結果を確認する必要があり時間及び労力がかかる。また、試験により通信回線が実際の通信に耐えられないという結果が得られた場合には、通信回線の交換などの処置が必要になり、開発に労力がかかる。
【0011】
また、上述したように、ネットワークシステムにおいては、リアルタイム性が要求される場合がある。
【0012】
しかしながら、ネットワークシステムにおける実行時間が制限時間内となるか否かを定量的に評価するための評価モデルはなかった。
【0013】
そのため、リアルタイム性を評価する場合にも、システム稼動時と同様なテスト環境を用意し、通信データの送受信試験を行ってリアルタイム性が確保されるか否かを確認する必要があり時間及び労力がかかる。また、この結果、ネットワークシステムの実行時間が制限時間内とならない場合、例えば送信装置や受信装置を処理速度の速い機器に交換するなどのようなネットワークシステムにおけるインフラの再選定、再構築が必要になり、システム開発に時間及び労力がかかる。
【0014】
上述したような問題は、ネットワークシステムの通信データが固定長のバイナリデータの場合には、システム開発者の経験的なノウハウを利用してある程度は予測し、対処可能である。
【0015】
一方、近年のインターネット、イントラネットの普及にともなって、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)やXML(eXtensible Markup Language)のようなテキスト形式の通信データが利用される場合が増加している。
【0016】
HTMLやXMLのようなテキスト形式の通信データが利用されると、通信データの構造や表現の自由度が増して通信データのデータ構造が複雑になり、さらにその通信データについて解析等の処理も必要になる場合がある。
【0017】
従来においては、通信データがバイナリ形式であるか、あるいはHTML形式やXML形式であるかなどのように、通信データのデータ表現形式を考慮した評価モデルはなく、またこのような場合にシステム開発者のノウハウを活用することは困難である。
【0018】
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたもので、通信回線を介して通信データを送受信する場合に、バイナリデータのみならず例えばHTMLやXMLのようなテキストデータを通信データとする場合であっても、通信データのデータ構造の複雑さやデータ表現形式を考慮してネットワークシステムに対する定量的な評価を行うためのネットワークシステム評価支援方法、及び装置、並びにプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明を実現するにあたって講じた具体的手段について以下に説明する。
【0020】
第1から第12までの発明は、ネットワークシステム評価支援装置により、受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援する方法に関する。
【0021】
第1の発明は、ネットワークシステム評価支援装置が、送信装置の台数mと、送信装置から送信される通信データの1件あたりのデータ量dsと、通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と通信回線の通信容量cとを比較するために利用される通信容量評価式を記憶し、ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、ネットワークに関するm、ds、f、dc、cの値を入力し、ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、入力手段によって入力されたm、ds、f、dc、cの値と、ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている通信容量評価式に基づいて、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と通信回線の通信容量cとを比較し、ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、演算処理手段においてdc、m、ds、fに基づいて算出される値と通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力するネットワークシステム評価支援方法である。
【0022】
第2の発明は、第1の発明のネットワークシステム評価支援方法における通信容量評価式を、通信回線の通信容量cとdc×m×ds/fとを比較するものとしている。
【0023】
なお、データ表現形式の例としては、バイナリ、CSV(Comma Separated Value)、HTML、XMLなどがある。通信データのデータ構造の複雑さは、例えば階層の数や、要素の数に基づいて判断することができる。また、データ複雑度を決定する他の例として、データの入れ子の状態、可変長データの割合(可変長データが多いか)なども利用できる。これらのいずれか、あるいは各種の組み合わせに基づいてデータ複雑度が決定される。
【0024】
この第1又は第2の発明を利用すると、通信データの複雑さやデータ表現形式を考慮して通信回線の通信容量を定量的に評価することができる。すなわち、評価対象のネットワークシステムにおける通信回線やデータ表現形式で、このネットワークシステムで要求される通信容量を満たすことができるか否かを判断できる。
【0025】
例えば、dc×m×ds/fの値が通信回線の通信容量cを超える場合、通信データのデータ記述形式やデータ構造の簡易化、あるいは通信容量の大きい通信回線を用いるなどの対策をとることができる。
【0026】
したがって、システム稼動時と同様なテスト環境を用意しなくてもネットワークシステムにおける通信回線の通信容量に関して十分に検討できる。
【0027】
第3の発明は、ネットワークシステム評価支援装置が、送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、送信装置毎の通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される送信装置毎のデータ複雑度dcと、通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と通信回線の通信容量cとを比較するために利用される通信容量評価式を記憶し、ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、ネットワークに関するdc、ds、f、cの値を入力し、ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、入力手段によって入力されたdc、ds、f、cの値と、ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている通信容量評価式とに基づいて、送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と前記通信回線の通信容量cとを比較し、ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、演算処理手段において送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力するネットワークシステム評価支援方法である。
【0028】
第4の発明は、第3の発明のネットワークシステム評価支援方法における通信容量評価式を、通信回線の通信容量cと送信装置毎のdc×ds/fの合計とを比較するものとしている。
【0029】
この第3又は第4の発明は、上記第1又は第2の発明と同様の作用効果を実現するが、送信装置毎に通信データのデータ量やその送信発生頻度、データ複雑度が異なる場合のネットワークシステム評価支援方法である。
【0030】
第5の発明は、ネットワークシステム評価支援装置が、送信装置の台数mと、送信装置1台あたりの送信発生件数sと、送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶し、ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値を入力し、ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値と、ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている実行時間評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較し、ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、演算処理手段においてm、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較した結果を出力するネットワークシステム評価支援方法である。
【0031】
第6の発明は、第5の発明のネットワークシステム評価支援方法における実行時間評価式を、制限時間tとm×s×ds(1/c+dc(1/pv+1/sv))とを比較するものとしている。
【0032】
この第5又は第6の発明を利用すると、通信データの複雑さやデータ表現形式を考慮しつつネットワークシステムの実行時間を定量的に評価できる。すなわち、評価対象のネットワークシステムにおけるインフラや通信データのデータ表現形式で、このネットワークシステムで要求されるリアルタイム性を満たすことができるか否か判断できる。
【0033】
例えば、m×s×ds(1/c+dc(1/pv+1/sv))の値がネットワークシステムの制限時間tを超える場合、通信データのデータ構造やデータ記述形式の簡易化、通信容量の大きい通信回線への交換、受信装置におけるデータ処理速度の向上などの対策をとることができる。
【0034】
したがって、システム稼動時と同様なテスト環境を用意しなくてもネットワークシステムのリアルタイム性に関して十分に検討できる。
【0035】
第7の発明は、ネットワークシステム評価支援装置が、送信装置の台数mと、送信装置1台あたりの送信発生件数sと、送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、送信装置におけるデータ変換速度edvaと、受信装置におけるデータ変換速度edvbと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶し、ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力し、ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている実行時間評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較し、ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、演算処理手段においてm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較した結果を出力するネットワークシステム評価支援方法である。
【0036】
第8の発明は、第7の発明のネットワークシステム評価支援方法における実行時間評価式を、制限時間tとm×s×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))とを比較するものとしている。
【0037】
この第7又は第8の発明を利用すると、上記第5又は第6の発明と同様の作用効果を実現するが、送信装置における通信データのデータ変換速度と受信装置における通信データのデータ変換速度をも考慮して評価できる点で異なる。
【0038】
第9の発明は、ネットワークシステム評価支援装置が、送信装置毎の送信発生件数sと、送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される送信装置毎のデータ複雑度dcと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶し、ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、ネットワークに関するs、ds、c、dc、pv、sv、tの値を入力し、ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、pv、sv、tの値と、ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている実行時間評価式とに基づいて、送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較し、ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、演算処理手段において送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較した結果を出力するネットワークシステム評価支援方法である。
【0039】
第10の発明は、第9の発明のネットワークシステム評価支援方法における実行時間評価式を、制限時間tと送信装置毎のs×ds(1/c+dc(1/pv+1/sv))の合計とを比較するものとしている。
【0040】
この第9又は第10の発明は、上記第5又は第6の発明と同様の作用効果を実現するが、送信装置毎に通信データのデータ量、データ複雑度、送信発生頻度が異なる場合のネットワークシステム評価支援方法である。
【0041】
第11の発明は、ネットワークシステム評価装置が、送信装置毎の送信発生件数sと、送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される送信装置毎のデータ複雑度dcと、送信装置毎のデータ変換速度edvaと、受信装置におけるデータ変換速度edvbと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶し、ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、ネットワークに関するs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力し、ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている実行時間評価式とに基づいて、送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較し、ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、演算処理手段において送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較した結果を出力するネットワークシステム評価支援方法である。
【0042】
第12の発明は、第11の発明のネットワークシステム評価支援方法における実行時間評価式を、制限時間tと送信装置毎のs×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))の合計とを比較するものとしている。
【0043】
この第11又は第12の発明は、上記第7又は第8の発明と同様の作用効果を実現するが、送信装置毎に通信データ、通信データのデータ量、データ複雑度、送信発生頻度が異なり、また送信装置毎にデータ変換速度が異なる場合のネットワークシステム評価支援方法である。
【0044】
第13から第18までの発明は、受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援する装置に関する。
【0045】
第13の発明は、送信装置の台数mと、送信装置から送信される通信データの1件あたりのデータ量dsと、通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と通信回線の通信容量cとを比較するために利用される通信容量評価式を記憶する機能と、ネットワークに関するm、ds、f、dc、cの値を入力する入力手段と、入力手段によって入力されたm、ds、f、dc、cの値と、記憶されている通信容量評価式とに基づいて、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と通信回線の通信容量cとを比較する演算処理手段と、演算処理手段においてdc、m、ds、fに基づいて算出される値と通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する出力手段とを具備したネットワークシステム評価支援装置である。
【0046】
第14の発明は、送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、送信装置毎の通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される送信装置毎のデータ複雑度dcと、通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と通信回線の通信容量cとを比較するために利用される通信容量評価式を記憶する機能と、ネットワークに関する送信装置毎のdc、ds、f、cの値を入力する入力手段と、入力手段によって入力されたdc、ds、f、cの値と、記憶されている通信容量評価式とに基づいて、送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と通信回線の通信容量cとを比較する演算処理手段と、演算処理手段において送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する出力手段とを具備したネットワークシステム評価支援装置である。
【0047】
第15の発明は、送信装置の台数mと、送信装置1台あたりの送信発生件数sと、送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶する機能と、ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値を入力する入力手段と、入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値と、記憶されている通信容量評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較する演算処理手段と、演算処理手段においてdc、m、ds、fに基づいて算出される値と通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する出力手段とを具備したネットワークシステム評価支援装置である。
【0048】
第16の発明は、送信装置の台数mと、送信装置1台あたりの送信発生件数sと、送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、送信装置におけるデータ変換速度edvaと、受信装置におけるデータ変換速度edvbと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶する機能と、ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力する入力手段と、入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、記憶されている実行時間評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較する演算処理手段と、演算処理手段においてm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較した結果を出力する出力手段とを具備したネットワークシステム評価支援装置である。
【0049】
第17の発明は、送信装置毎の送信発生件数sと、送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される送信装置毎のデータ複雑度dcと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶する機能と、ネットワークに関するs、ds、c、dc、pv、sv、tの値を入力する入力手段と、入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、pv、sv、tの値と、記憶されている実行時間評価式とに基づいて、送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較する演算処理手段と、演算処理手段において送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較した結果を出力する出力手段とを具備したネットワークシステム評価支援装置である。
【0050】
第18の発明は、送信装置毎の送信発生件数sと、送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される送信装置毎のデータ複雑度dcと、送信装置毎のデータ変換速度edvaと、受信装置におけるデータ変換速度edvbと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶する機能と、ネットワークに関するs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力する入力手段と、入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、記憶されている通信容量評価式とに基づいて、送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較する演算処理手段と、演算処理手段において送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較した結果を出力する出力手段とを具備したネットワークシステム評価支援装置である。
【0051】
上記第13から第18までの発明は、先に説明したネットワークシステム評価支援方法を実現するネットワークシステム評価支援装置である。この第13から第18の発明で説明したネットワークシステム評価支援装置を利用することで、上記第1から第12までの発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0052】
なお、上記第13から第18までの発明で説明した各構成要素は、自由に組み合わせ可能である。例えば、通信容量評価モデルと実行時間評価モデルの双方を用いてネットアークシステムに対する評価を支援してもよい。
【0053】
第19の発明は、入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置の台数mと、送信装置から送信される通信データの1件あたりのデータ量dsと、通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と通信回線の通信容量cとを比較するために利用される通信容量評価式を記憶する機能、入力手段により、ネットワークに関するm、ds、f、dc、cの値を入力する機能、演算処理手段により、入力手段によって入力されたm、ds、f、dc、cの値と、記憶する機能によって記憶された通信容量評価式とに基づいて、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と通信回線の通信容量cとを比較する機能、出力手段により、演算処理手段においてdc、m、ds、fに基づいて算出される値と通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する機能を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0054】
第20の発明は、入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、送信装置毎の通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される送信装置毎のデータ複雑度dcと、通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と通信回線の通信容量cとを比較するために利用される通信容量評価式を記憶する機能、入力手段により、ネットワークに関するdc、ds、f、cの値を入力する機能、演算処理手段により、入力手段によって入力されたdc、ds、f、cの値と、記憶する機能によって記憶された通信評価式とに基づいて、送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と通信回線の通信容量cとを比較する機能、出力手段により、演算処理手段において送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する機能を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0055】
第21の発明は、入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置の台数mと、送信装置1台あたりの送信発生件数sと、送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶する機能、入力手段により、ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値を入力する機能、演算処理手段により、入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値と、記憶する機能によって記憶された実行時間評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較する機能、出力手段により、演算処理手段においてm、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較した結果を出力する機能を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0056】
第22の発明は、入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置の台数mと、送信装置1台あたりの送信発生件数sと、送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、送信装置におけるデータ変換速度edvaと、受信装置におけるデータ変換速度edvbと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶する機能、入力手段により、ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力する機能、演算処理手段により、入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、記憶する機能によって記憶された実行時間評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較する機能、出力手段により、演算処理手段においてm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較した結果を出力する機能を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0057】
第23の発明は、入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置毎の送信発生件数sと、送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される送信装置毎のデータ複雑度dcと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶する機能、入力手段により、ネットワークに関するs、ds、c、dc、pv、sv、tの値を入力する機能、演算処理手段により、入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、pv、sv、tの値と、記憶する機能によって記憶された実行時間評価式とに基づいて、送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較する機能、出力手段により、演算処理手段において送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較した結果を出力する機能を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0058】
第24の発明は、入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置毎の送信発生件数sと、送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される送信装置毎のデータ複雑度dcと、送信装置毎のデータ変換速度edvaと、受信装置におけるデータ変換速度edvbと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶する機能、入力手段により、ネットワークに関するs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力する機能、演算処理手段により、入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、記憶する機能によって記憶された通信容量評価式とに基づいて、送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較する機能、出力手段により、演算処理手段において送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較した結果を出力する機能を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0059】
上記第19から第24までの発明は、上記第13から第18までの発明で説明したネットワークシステム評価支援装置をコンピュータにより実現するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0060】
このようなプログラムを記録した記録媒体を用いることによって、上述した機能を有していない計算機、計算機システムに対しても、簡単に上述した機能を付加することができる。
【0061】
なお、上記各発明において、各値s、ds、f、dc、pv、sv、edva、edvbは各装置における平均値などでもよい。
【発明の効果】
【0062】
本発明を利用すれば、通信容量評価式により、通信回線を介して送信装置から受信装置に通信データを送受信するネットワークシステムについて通信データのデータ構造の複雑さやデータ表現形式を考慮して評価することができる。
【0063】
また、データ送受信とデータ処理に関連する実行時間評価モデルにより、ネットワークシステムについて通信データのデータ構造の複雑さやデータ表現形式を考慮して評価することができる。
【0064】
すなわち、システム開発前にデータ構造の複雑さやデータ表現形式を考慮した評価を行うことができる。
【0065】
また、この通信容量評価モデルや実行時間評価モデルを利用することで、評価対象のネットワークシステムに応じてインフラの選定や、利用するデータ表現形式を選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0066】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0067】
ここでは、複数の送信装置が通信回線を介して受信装置に接続されているネットワークシステムで利用されるインフラやデータ表現形式がこのネットワークシステムで要求されるリアルタイム性を満たすか否かの判断に利用されるネットワークシステム評価支援装置について説明する。
【0068】
図1は、本発明の実施の形態に係るネットワークシステム評価支援装置の構成例を示すブロック図である。
【0069】
ネットワークシステム評価支援装置5は、m台(mは自然数)の送信装置6が通信回線7を介して受信装置8に接続されているネットワークシステム9の評価を支援するための装置である。
【0070】
このネットワークシステム評価支援装置5は、通信回線7の通信容量について評価するための通信容量評価モデル10と、ネットワークシステムの実行時間について評価するための実行時間評価モデル11とを記憶している。
【0071】
また、ネットワークシステム評価支援装置5は、この通信容量評価モデル10や実行時間評価モデル11においてパラメータとなる各種の値を入力する入力部12、この入力部12に入力された値に基づいて通信容量評価モデル10や実行時間評価モデル11による評価のための演算処理を行う演算処理部13、演算処理部1の処理結果を出力する出力部14とを備えている。
【0072】
図2は、上記ネットワークシステム評価支援装置5で利用される通信容量評価モデル10を説明する図である。
【0073】
通信容量評価モデル10では、送信装置の台数m、送信装置から受信装置に送信される通信データの1件あたりのデータ量ds(byte/データ)、送信装置における通信データの送信発生間隔である送信発生頻度f(秒/データ)、通信回線の通信容量c(byte/秒)、通信データのデータ複雑度dc(係数)をパラメータとして利用する。
【0074】
この通信容量評価モデル10では、以下に示す通信容量評価式(1)に基づいて評価を行う。すなわち、値dc×m×ds/fと通信容量cとを比較し、値dc×m×ds/fが通信容量c以下の場合を適切、値dc×m×ds/fが通信容量cよりも大きい場合を不適切と評価する。
【数1】
【0075】
通信容量評価式(1)では、送信装置1台あたり1秒間に送信される通信データのデータ量ds/f(byte)をm台分集め、データ複雑度で補正している。
【0076】
図3は、データ複雑度の決定方法を例示する図である。
【0077】
データ複雑度は、例えばデータ構造が入れ子になっているかなどのような通信データのデータ構造の複雑さ、可変長データが多いか、通信データのデータ記述形式などから決定される値である。このデータ複雑度は、予め実験や統計的な分析から、データ表現形式や階層構造の状態に応じて決定される。通常は係数1.0とする。
【0078】
例えば、データ表現形式がバイナリの場合よりHTMLやXMLの場合ほどデータ複雑度も増加するように定めてもよく、また通信データの階層数が多く、データの要素が多いほどデータ複雑度も増加するように定めてもよい。
【0079】
図4は、上記ネットワークシステム評価支援装置5で利用される実行時間評価モデル11を説明する図である。
【0080】
実行時間評価モデル11では、送信装置の台数m、送信装置から受信装置に送信される通信データの1件あたりのデータ量ds(byte/データ)、送信装置1台あたりの送信発生件数s(件/台)、データ複雑度dc(係数)、通信回線の通信容量c(byte/秒)、送信装置におけるデータ変換速度edva(byte/秒)と、受信装置におけるデータ変換速度edvb(byte/秒)と、受信装置におけるデータ解析速度pv(byte/秒)と、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度sv(byte/秒)と、送信装置で通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間t(秒)とをパラメータとして利用する。
【0081】
この実行時間評価モデル11では、以下に示す実行時間評価式(2)に基づいて評価を行う。すなわち、値m×s×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))と制限時間tとを比較し、値m×s×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))が制限時間t以下の場合を適切、値m×s×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))が制限時間tよりも大きい場合を不適切と判定する。
【数2】
【0082】
次に、m×s×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))の意味について説明する。
【0083】
送信装置から受信装置への通信データの送信時間は、m×s×ds×1/c(秒)となる。
【0084】
この送信時間と、データ複雑度に応じた送信装置における通信データの変換時間との和は、m×s×ds(1/c+dc×1/edva)となる。
【0085】
また、送信時間と、データ複雑度に応じた送信装置における通信データの変換時間と、データ複雑度に応じた受信装置における通信データの変換時間との和は、m×s×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb))となる。
【0086】
さらに、送信時間と、データ複雑度に応じた送信装置における通信データの変換時間と、データ複雑度に応じた受信装置における通信データの変換時間と、データ複雑度に応じた受信装置における通信データのデータ解析時間との和は、m×s×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv))となる。
【0087】
そして、送信時間と、データ複雑度に応じた送信装置における通信データの変換時間と、データ複雑度に応じた受信装置における通信データの変換時間と、データ複雑度に応じた受信装置における通信データのデータ解析時間、データ複雑度に応じた受信装置における通信データのデータ処理時間との和は、m×s×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))となる。
【0088】
図5は、上記ネットワークシステム評価支援装置5を利用したネットワークシステムの開発プロセスを例示するフロー図である。
【0089】
まず、システム開発者は、構築するネットワークシステムにおけるインフラとこのネットワークシステムにおいて利用する通信データのデータ表現形式とを選定する(s1)。
【0090】
次に、システム開発者は、ネットワークシステム評価支援装置5を利用し、通信容量評価モデル10に基づいて通信容量の評価を行う(s2)。
【0091】
通信容量評価モデル10における通信容量評価式(1)が満たされない場合には、再度、インフラとデータ表現形式との選定を行い、同様の評価を繰り返す。
【0092】
一方、通信容量評価モデル10における通信容量評価式(1)が満たされる場合には、通信データに対する送信装置におけるデータ変換、受信装置におけるデータ変換、データ解析、データ検索などの処理ロジックについて検討する(s3)。
【0093】
そして、ネットワークシステム評価支援装置5を利用し、実行時間評価モデル11に基づいて実行時間の評価を行う(s4)。
【0094】
実行時間評価モデル11における実行時間評価式(2)が満たされない場合には、再度、処理ロジックとデータ表現形式などの検討を行い、同様の評価を繰り返す。
【0095】
一方、実行時間評価モデル11における実行時間評価式(2)が満たされる場合には、開発プロセスを終了する。
【0096】
以上のような本発明の実施の形態に係るネットワークシステム評価支援装置5を利用することで、通信データのデータ構造やデータ表現形式をデータ複雑度として考慮して定量的にネットワークシステム9の通信回線の通信容量を評価できる
また、データ複雑度を考慮して定量的にネットワークシステムの実行時間を評価し、このネットワークシステム9において要求されるリアルタイム性が満たされるか否かを定量的に評価できる。
【0097】
したがって、ネットワークシステム9におけるインフラやデータ表現形式の選定を効率的に行うことができ、システム稼動時と同様なテスト環境を用意しなくてもこの選定したインフラやデータ表現形式について事前に評価できる。
【0098】
なお、本発明の実施の形態に係るネットワークシステム評価支援装置5においては、入力された通信データのデータ量dsと送信発生頻度fとから、送信装置1台あたり1秒間に送信される通信データのデータ量を求めている。しかしながら、これに代えて、送信装置1台あたり1秒間に送信される通信データのデータ量をそのまま通信容量の評価を支援するために利用してもよい。
【0099】
また、本発明の実施の形態に係るネットワークシステム評価支援装置5においてはデータ複雑度がユーザから入力されている。しかしながら、評価対象のネットワークシステム9における通信データをネットワークシステム評価支援装置5が監視し、このネットワークシステム評価支援装置5が自動的にデータ複雑度を認識するとしてもよい。これにより、ユーザがデータ複雑度を決定する作業を省略でき、さらに評価を簡易化できる。
【0100】
また、本発明の実施の形態に係るネットワークシステム評価支援装置5においてデータ量ds、送信発生頻度f、データ複雑度dc、送信発生件数s、データ変換速度edvaは送信装置6における平均の値であってもよい。また、データ変換速度edvb、データ解析速度pvと、データ処理速度svは受信装置8における平均の値であってもよい。
【0101】
また、本発明の実施の形態においては、送信装置6の特性が同一の場合、すなわちデータ量ds、送信発生頻度f、データ複雑度dc、送信発生件数s、データ変換速度edvaが各送信装置6で同じ場合を例として説明している。しかしながら、各送信装置6で特性が相違する場合であっても同様の手法を利用して評価を支援可能である。
【0102】
この場合、通信容量評価モデル10では、通信回線7の通信容量cと送信装置6毎のdc×ds/fの合計とを比較する。
【0103】
同様に、実行時間評価モデル11では、制限時間tと送信装置6毎のs×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))の合計とを比較する。
【0104】
なお、本発明の実施の形態に係るネットワークシステム評価支援装置5においては、同様の作用・機能を実現可能であれば各構成要素の配置を変更させてもよく、また各構成要素を自由に組み合わせてもよい。
【0105】
また、本発明の実施の形態に係るネットワークシステム評価支援装置5の各機能、各要素は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで適用してもよく、通信媒体により伝送して、計算機、計算機システムに適用することも可能である。
【0106】
上記各機能を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、プログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
【実施例】
【0107】
(実施例1)
図6は、この実施例1において評価する対象のネットワークシステムのシステム構成図である。この実施例1では、評価対象のネットワークシステム15において、バイナリデータ(データ量ds=144byte/データ)からXMLデータ(データ量ds=2.6Kbyte/データ)に通信データを切り替える場合の通信容量評価を行う。
【0108】
この評価対象のネットワークシステム15は、社会インフラとして利用される。受信装置である監視システム16は、送信装置である監視対象機器17と10Base-Tの専用LAN18(実行効率80%とし通信容量c=8Mbps)で接続されている。
【0109】
監視対象機器17(台数m=16)のそれぞれから、0.6秒に1回の送信発生頻度(f=0.6秒/データ)で、1データあたり2.6Kbyte程度(データ量ds=2.6Kbyte/データ)のデータ量となる通信データが送信される。また、通信データの構造は比較的簡易でありデータ複雑度dc=1.0とする。これらの値は、XMLデータについての値である。
【0110】
図7(a)に、データ表現形式を切り替える前の通信データのデータ構造を示し、図7(b)に、データ表現形式を切り替えた後の通信データのデータ構造を示す。
【0111】
この通信データは、時系列データの一種であり、ヘッダ部と少なくとも一つのデータ部とから構成されている。データ部を複数としてこの通信データを送信することで、複数のデータを送信可能である。各データ部は、共通部と種別部とから構成される。一般的には、通信データ1つに複数のデータ部が含まれ、その個数がヘッダ部に記述される(レングスとして表現される)。
【0112】
まず、通信容量を評価するために、上記ネットワークシステム評価支援装置5の入力部12に対して、通信容量評価モデル10で利用するパラメータを与える。具体的には、以下のような値が与えられる。
【0113】
台数m=16(台)
データ量ds=2.6K(byte/データ)
送信発生頻度f=0.6(秒/データ)
データ複雑度dc=1.0(比較的簡易)
通信容量c=1M(byte/秒)
このネットワークシステム15で要求される通信容量を通信評価式(1)に基づいて求めると、dc×m×ds/f=1.0×16×2.6K/0.6=約555(bps)=約70(byte/秒)となる。
【0114】
一方、このネットワークシステム15における専用LANの通信容量cは、実行効率(80%)を考慮すると8M(bps)=1M(byte/秒)である。
【0115】
ここで、このネットワークシステム15において要求される通信容量の約70(byte/秒)と、実行効率を考慮した専用LANの通信容量1M(byte/秒)とを比較すると、要求される通信容量が実行効率を考慮した専用LANの通信容量以下である。
【0116】
したがって、このネットワークシステム15においてデータ表現形式をバイナリ形式からXML形式に切り替えても、正常状態であれば通信容量は適切であると評価される。
【0117】
このように、通信容量評価モデル10を利用することで、システム開発前であっても通信容量を評価でき、選定した通信回線などのインフラが実用に耐えうるか、利用するデータ表現形式でも選定したインフラが実用に耐えうるか判断できる。
【0118】
(実施例2)
この実施例2では、上記実施例1において説明した図6に示すネットワークシステム15に障害が発生し、ネットワークシステム15がその障害から復帰した場合の通信容量評価を行う。
【0119】
上記図6に示すネットワークシステム15において、通信回線18の接続不良が発生し、各監視対象機器17で発生した通信データが監視システム16に送信されない場合がある。この場合、ネットワークシステム15は、通信回線18の接続不良の間も各監視対象機器17単体の動作を継続し、監視対象機器17毎に通信データを蓄積し、通信回線18の接続が復帰すると各監視対象機器17において蓄積された通信データの送信を試みるとする。
【0120】
上記実施例1で説明したように、実行効率を考慮した専用LANの通信容量は8M(bps)であるため、1秒間に通信可能な通信データの最大件数は以下のようにして求めることができる。
【0121】
最大件数=c/ds=8M(bps)/2.6K(byte/データ)=1M(byte/秒)/2.6K(byte/データ)=約390件
一方、1台の監視対象機器17に保存可能な通信データの最大件数は20000件であり、これらの通信データが通信回線18の接続復帰後に16台から一斉に送信されるとする。
【0122】
この場合、接続復帰後、保存されていた通信データの送信が終了するまでに、約820秒(=20000×16/390)かかる。この数値はすべての監視対象機器17が監視システム16と接続されていない場合における数値であり、実際に運用する場合には1、2台が接続不良になると考えられる。1、2台の監視対象機器17が接続不良になった場合には、約51秒〜103秒かかることになる。この数値と接続復帰後、保存されていた通信データの送信が終了するまでの制限時間とを比較すれば、接続不良復帰後における実行時間を評価できる。ここでは、約51秒〜103秒であればネットワークシステム15を実際に運用する上でそれほど問題にならないと評価できる。
【0123】
このように、システムを開発する前に通信の効率について評価を行い、システムに障害が発生した場合においてもインフラが実用に耐えうるか、あるいは利用するデータ表現形式で通信容量を越えないかを判断できる。
【0124】
(実施例3)
この実施例3では、上記実施例1において説明した図6に示すネットワークシステム15についての評価を行う。この実施例3では、通常、バイナリ形式で扱うような通信データ(データ量ds=144byte/データ)をXMLデータ(データ量ds=2.6Kbyte/データ)に切り替えた場合の実行時間評価を行う。
【0125】
上記実施例1で用いたパラメータの値に加え、監視対象機器1台あたり1回に送信されるデータ件数は、平均40件(s=40件)であるとする。
【0126】
その他のパラメータの値には、プロトタイプなどの計測値を利用することとし、既知の値ではなくてもよい。
【0127】
すなわち、監視対象機器17におけるデータ変換速度edva、監視システム16におけるデータ変換速度edvb、監視システム16におけるデータ解析速度pv、監視システム16におけるデータ検索速度svは既知ではない。
【0128】
なお、制限時間は、640件(40件×16台)の通信データを解析及び実行するのに2秒程度(t=2秒)であるとする。
【0129】
この実施例3では、XMLデータを一旦受け取ってからデータ処理する実行時間を評価するものとする。また、XMLデータはそのまま変換しないで扱い、データ解析時間とデータ検索時間との和を実行時間とする。
【0130】
この実施例3においては、上記の実行時間評価式(2)を簡略化した以下のような実行時間評価式(3)を利用し、この実行時間評価式(3)が成り立つか否かを判断する。
【数3】
【0131】
まず、制限時間tを満たすデータ解析速度pv及びデータ検索速度svをプロトタイプによる計測値により求める。
【0132】
図8は、実施例3において監視システム16で実行される処理を例示する図である。ここでは、予め保存されているXMLデータ19をXMLパーサを用いて明細データ20として取り出し、必要な項目をキーに集計処理を行って集計データ21を得ることを想定する
監視対象機器17から送信される通信データは1台あたり1分程度で約40件(s=40件/台)程度とする。ここでは監視対象機器17が16台で構成(m=16台)される場合を想定しているので、全ての監視対象機器17から1分間に640件の通信データが送信されることになる。
【0133】
そこで、図8に示すXMLデータ19には、上記実施例1で説明した図7(b)に示すような構造を持つ640件分のXMLデータが格納されているとする。
【0134】
XMLデータ19を解析・検索するためにはXMLパーサを利用するが、様々なパーサが存在する。
【0135】
(a)パーサAを用いた場合
パーサAを用いて通信データの解析・検索を行った場合(CPU 233MHz、メモリ 128MbyteのPCで測定)、全体で19秒かかったとする。この19秒という値は、制限時間t=2秒を大きく超えており、このままでは実行時間を制限時間内とする条件を満たすことができない。
【0136】
さらに、解析時間と検索時間とに分けて再計測を行ったところ、解析時間に15秒、検索時間に4秒かかっていることが分かった。パーサの性能は解析時間に大きく関連する。ゆえに、パーサAを別の高性能のパーサに交換することが望ましい。
【0137】
なお、この計測からパーサAを用いた場合のデータ解析速度pv、及びデータ検索速度svは、以下のような値となる。
【0138】
データ解析速度pv=m×s×ds×dc/パーサAを利用した解析時間=16(台)×40(件/台)×2.6K(byte)×1.0/15(秒)=約111K(byte/秒)
データ検索速度sv=m×s×ds×dc/パーサAを利用した検索時間=16(台)×40(件/台)×2.6K(byte)×1.0/4(秒)=416K(byte/秒)
これらのデータ解析速度pv及びデータ検索速度svは、他のネットワークシステムでパーサAを用いた場合に、制限時間を満たすか否かを判断するために利用可能である。このように、パーサAについてデータ解析速度pv及びデータ検索速度svを一旦求めておけば、他のネットワークシステムを評価する場合にも、この値が利用できる。
【0139】
(b)パーサBを用いた場合
上述したように、パーサAを用いた場合には、データ解析速度に問題があることが分かり、パーサAを他のパーサに交換することにより性能の向上を試みる。
【0140】
同様の環境において、パーサBを用いてデータの解析・検索を行った場合、全体で1.7秒かかった。これは、制限時間t=2秒以内であり、実行時間として許容される。
【0141】
さらに、解析時間と検索時間とに分けて再計測したところ、解析時間に1.0秒、検索時間に0.7秒かかっていることが分かった。
【0142】
この結果に基づいて、先と同様にパーサBを用いた場合のデータ解析速度pv、及びデータ検索速度svは、以下のような値となる。
【0143】
データ解析速度pv=m×s×ds×dc/パーサBを利用した解析時間=16(台)×40(件/台)×2.6K(byte)×1.0/1.0(秒)=約1664K(byte/秒)
データ検索速度sv=m×s×ds×dc/パーサBを利用した検索時間=16(台)×40(件/台)×2.6K(byte)×1.0/0.7(秒)=約2377K(byte/秒)
これらのデータ解析速度pv及びデータ検索速度svは、他のネットワークシステムでパーサBを用いた場合に、制限時間を満たすか否かを判断するために利用可能である。このように、パーサBについてデータ解析速度pv及びデータ検索速度svを一旦求めておけば、他のネットワークシステムを評価する場合にも、この値が利用できる。
【0144】
以上説明したように、システム開発前にネットワークシステムの実行時間を評価することができ、選定したインフラや利用するデータ表現形式を用いてシステム処理能力を評価できる。
【0145】
(実施例4)
図9は、この実施例4において評価するネットワークシステムのシステム構成図であり、さらに通信容量評価式(1)及び実行時間評価式(2)で利用する各パラメータの値を示している。
【0146】
この実施例4における評価対象のネットワークシステム22には、上記実施例1の場合と比べて非常に多くの監視対象機器23が備えられているが、通信データの送信発生頻度fはそれほど高くない。
【0147】
この実施例4では、通常、バイナリ形式で扱うような通信データ(データ量ds=100byte/データ)をXMLデータ(データ量ds=2.0Kbyte/データ)に切り替えた場合の通信容量評価を行う。
【0148】
この評価対象のネットワークシステム22は、社会インフラとして利用される。監視システム24は、各監視対象機器23と10Base-Tの専用LAN25(実行効率80%とし通信容量c=8Mbps)で接続されている。
【0149】
監視対象機器(台数m=20000)のそれぞれから、5分に1回の送信発生頻度(f=300秒/データ)で、1データあたり2Kbyte程度(データ量ds=2.0Kbyte/データ)のデータ量の通信データが送信される。また、通信データの構造は比較的簡易でありデータ複雑度dc=1.0とする。これらの値は、XMLデータについての値である。
【0150】
図10(a)に、データ表現形式を切り替える前の通信データのデータ構造を示し、図10(b)に、データ表現形式を切り替えた後の通信データのデータ構造を示す。
【0151】
この通信データは、時系列データの一種であり、この実施例4ではXMLデータにおける各パラメータの値を利用する。また、この実施例4では、一度に1件の通信データが送信される。
【0152】
通信容量の評価を行う手順は、上記実施例1の場合と同様であるが、この実施例4では、各パラメータの値が以下のようになる。
【0153】
台数m=20000(台)
データ量ds=2.0K(byte/データ)
送信発生頻度f=300(秒/データ)
データ複雑度dc=1.0(比較的簡易)
通信容量c=1M(byte/秒)=8M(bps)
このネットワークシステム22で要求される通信容量を通信評価式(1)に基づいて求めると、dc×m×ds/f=1.0×20000×2.0K/300=約1067(bps)=約133(byte/秒)となる。
【0154】
一方、このネットワークシステム22における専用LANの通信容量cは、実行効率(80%)を考慮すると8M(bps)=1M(byte/秒)である。
【0155】
ここで、このネットワークシステム22において要求される通信容量の約133(byte/秒)と、実行効率を考慮した専用LANの通信容量1M(byte/秒)とを比較すると、要求される通信容量が実行効率を考慮した専用LANの通信容量以下である。
【0156】
したがって、このネットワークシステム22においてデータ表現形式をバイナリ形式からXML形式に切り替えても、正常状態であれば通信容量が適切であると評価される。
【0157】
このように、通信容量評価モデル10を利用することで、システム開発前であっても通信容量を評価でき、選定した通信回線などのインフラが実用に耐えうるか、利用するデータ表現形式でも選定したインフラが実用に耐えうるか判断できる。
【0158】
(実施例5)
この実施例5では、上記実施例4において説明した図9に示すネットワークシステム22に障害が発生し、ネットワークシステム22がその障害から復帰した場合の通信容量評価を行う。
【0159】
上記図9に示すネットワークシステム22において、通信回線25の接続不良が発生し、各監視対象機器23で発生した通信データが監視システム24に送信されない場合がある。この場合、ネットワークシステム22は、通信回線25の接続不良の間も各監視対象機器23単体の動作を継続し、監視対象機器23毎に通信データを蓄積し、通信回線25の接続が復帰すると各監視対象機器23において蓄積された通信データの送信を試みるとする。
【0160】
上記実施例5で説明したように、実行効率を考慮した専用LANの通信容量は8M(bps)であるため、1秒間に通信可能な通信データの最大件数は以下のようにして求めることができる。
【0161】
最大件数=c/ds=8M(bps)/2.0K(byte/データ)=1M(byte/秒)/2.0K(byte/データ)=約500件
一方、この実施例5では、通信回線25が未接続の場合、1台の監視対象機器23毎に通信データが保存されるのではなく、10台程度の監視対象機器23を一つのグループとし、通信データをまとめて保存するとする。保存可能な最大件数は1000件であり、これらの通信データが通信回線25の接続復帰後に一斉に送信されたとする。
【0162】
この場合、接続復帰後、保存されていた通信データの送信が終了するまでに、約4000秒(=1000件×20000台/10台/500件)かかる。すなわち、約67分かかることになる。この数値はすべての監視対象機器23が監視システム24と接続されていない場合における数値であり、実際に運用する場合には1〜2グループ(10台〜20程度)が接続不良になると考えられる。1〜2グループが接続不良になった場合には、約20秒〜40秒かかることになる。この数値と接続復帰後、保存されていた通信データの送信が終了するまでの制限時間とを比較すれば、接続不良復帰後における実行時間を評価できる。ここでは、約20秒〜40秒であればネットワークシステム22を実際に運用する上でそれほど問題にならないと評価することができる。
【0163】
このように、システムを開発する前に通信の効率について事前評価を行い、システムに障害が発生した場合においてもインフラが実用に耐えうるか、あるいは利用するデータ表現形式で通信容量を越えないかを判断できる。
【0164】
(実施例6)
この実施例6では、上記実施例4において説明した図9に示すネットワークシステム22についての評価を行う。この実施例6では、通常、バイナリ形式で扱うような通信データ(データ量ds=100byte/データ)をXMLデータ(データ量ds=2.0Kbyte/データ)に切り替えた場合の実行時間評価を行う。
【0165】
上記実施例4で用いたパラメータの値に加え、監視対象機器1台あたり1回に送信されるデータ件数は、平均5件(s=5件)であるとする。さらに、その他のパラメータの値には、上記実施例3における計測値を利用する。
【0166】
すなわち、上記実施例3と本実施例6で扱うネットワークシステムは異なるが、例えば時系列データを取り扱うなどのように同様の特徴を持ち、同様の通信データを扱い、互いにデータ複雑度がそれほど複雑でないことから、本実施例6では監視対象機器23におけるデータ変換速度edva、監視システム24におけるデータ変換速度edvb、監視システム24におけるデータ解析速度pv、監視システム24におけるデータ検索速度svとして実施例3で求めた値を利用する。
【0167】
なお、制限時間は、10000件(5件×2000グループ)の通信データを解析及び実行するのに30秒程度(t=30秒)であるとする。
【0168】
さらに、この実施例6では、XMLデータを一旦受け取ってからデータ処理する実行時間を評価するものとする。また、XMLデータはそのまま変換しないで扱うものとし、データ解析時間とデータ検索時間との和を実行時間とする。
【0169】
この実施例6においては、上記の簡略化した実行時間評価式(3)を利用し、実行時間評価式(3)が成り立つか否かにより、実行時間が制限時間内となるか否かを評価する。
【0170】
ここでは、予め保存されているXMLデータをXMLパーサを用いて明細データとして取り出し、必要な項目をキーに集計処理を行って集計データを得ることを想定する。
【0171】
監視対象機器23から送信される通信データは1グループあたり5分程度で約5件(s=5件/台)程度である。ここでは2000グループの構成(m=2000グループ=20000台/10)を想定しているので、全てのグループから5分間に10000件の通信データが送信されることになる。
【0172】
そこで、上記実施例3と同様に、2つのパーサA、Bを用いて通信データを解析・検索する場合を考える。
【0173】
(a)パーサAを用いた場合
m×s×ds×dc(1/pv+1/sv)=2000(台)×5(件/台)×2.0K(byte)×1.0(1/111K(byte/秒)+1/416K(byte/秒))=約228秒
(b)パーサBを用いた場合
m×s×ds×dc(1/pv+1/sv)=2000(台)×5(件/台)×2.0K(byte)×1.0(1/1664K(byte/秒)+1/2377K(byte/秒))=約20秒
上記の結果から、パーサBを用いれば、制限時間30秒を満足することができると判断できる。
【0174】
以上説明したように、システム開発前にネットワークシステム22の実行時間を評価することができ、選定したインフラや利用するデータ表現形式を用いてシステム処理能力を判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0175】
【図1】本発明の実施の形態に係るネットワークシステム評価支援装置の構成例を示すブロック図。
【図2】本発明の実施の形態に係るネットワークシステム評価支援装置で利用される通信容量評価モデルを説明する図。
【図3】データ複雑度の決定方法を例示する図。
【図4】本発明の実施の形態に係るネットワークシステム評価支援装置で利用される実行時間評価モデルを説明する図。
【図5】本発明の実施の形態に係るネットワークシステム評価支援装置を利用したネットワークシステムの開発プロセスを例示するフロー図。
【図6】本発明の実施例1において評価する対象のネットワークシステムのシステム構成図。
【図7】本発明の実施例1における通信データのデータ構造を例示する図。
【図8】本発明の実施例3において監視システムで実行される処理を例示する図。
【図9】本発明の実施例4において評価する対象のネットワークシステムのシステム構成図。
【図10】本発明の実施例4における通信データのデータ構造を例示する図。
【図11】従来のネットワークシステムの構成例を示すブロック図。
【符号の説明】
【0176】
1、9、15、22…ネットワークシステム、2、6、17、23…送信装置、3、7、18、25…通信回線、4、8、16、24…受信装置、5…ネットワークシステム評価支援装置、10…通信容量評価モデル、11…実行時間評価モデル、12…入力部、13…演算処理部、14…出力部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばインターネットやイントラネット、専用LANなどのような通信回線を介して通信データを送受信するネットワークシステムに対する評価を支援するためのネットワークシステム評価支援方法、及び装置、並びにプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の送信装置から通信回線を介して受信装置に通信データを送信し、受信装置で通信データに関する処理を行うネットワークシステムが、プラント監視システム、金融システム、交通システムなどとして各種の産業分野で利用されている。
【0003】
図11は、このような従来のネットワークシステムの構成例を示すブロック図であり、金融システムの場合を示している。
【0004】
このネットワークシステム1では、ユーザが送信装置2であるATMを用いて預金の引き出し等の操作を行うと、このユーザの操作内容を示す通信データが送信装置から通信回線3を介して受信装置4であるホスト計算機に送信され、受信装置4で預金等の管理処理が実行される。
【0005】
ここで、このようなネットワークシステム1においては、送信装置2で通信データが発生してから受信装置4で計算、検索、登録などの処理が終了するまでの時間(以下、「実行時間」という)が、所定の制限時間内でなければならないというリアルタイム性が要求される場合がある。例えば、図11のネットワークシステム1では、送信装置2で預金の引き出しが行われてから受信装置4が預金についてのデータベースを更新するまでに所定の時間内で実行されなければならない。
【0006】
また、各種産業分野のネットワークシステムにおいて送信装置から送信される通信データは一般的に固定長のバイナリデータである。
【0007】
また、システム開発時には、予定されている通信データのデータ容量や通信データの送信発生頻度を推測し、例えば通信回線などのようなネットワークシステムにおけるインフラストラクチャ(以下、「インフラ」という)が選定される。
【特許文献1】特開平11−68750号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように、従来においては、予定されている通信データのデータ容量や推測される通信データの送信発生頻度に基づいてネットワークシステムが開発される。
【0009】
しかしながら、このような従来の手法でネットワークシステムを開発する場合、システム開発時の予測とシステム稼動後の状況が相違し、通信回線が実際の通信に耐えられない場合がある。
【0010】
そのため、システム稼動時と同様なテスト環境を用意し、通信データの送受信試験を行ってその結果を確認する必要があり時間及び労力がかかる。また、試験により通信回線が実際の通信に耐えられないという結果が得られた場合には、通信回線の交換などの処置が必要になり、開発に労力がかかる。
【0011】
また、上述したように、ネットワークシステムにおいては、リアルタイム性が要求される場合がある。
【0012】
しかしながら、ネットワークシステムにおける実行時間が制限時間内となるか否かを定量的に評価するための評価モデルはなかった。
【0013】
そのため、リアルタイム性を評価する場合にも、システム稼動時と同様なテスト環境を用意し、通信データの送受信試験を行ってリアルタイム性が確保されるか否かを確認する必要があり時間及び労力がかかる。また、この結果、ネットワークシステムの実行時間が制限時間内とならない場合、例えば送信装置や受信装置を処理速度の速い機器に交換するなどのようなネットワークシステムにおけるインフラの再選定、再構築が必要になり、システム開発に時間及び労力がかかる。
【0014】
上述したような問題は、ネットワークシステムの通信データが固定長のバイナリデータの場合には、システム開発者の経験的なノウハウを利用してある程度は予測し、対処可能である。
【0015】
一方、近年のインターネット、イントラネットの普及にともなって、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)やXML(eXtensible Markup Language)のようなテキスト形式の通信データが利用される場合が増加している。
【0016】
HTMLやXMLのようなテキスト形式の通信データが利用されると、通信データの構造や表現の自由度が増して通信データのデータ構造が複雑になり、さらにその通信データについて解析等の処理も必要になる場合がある。
【0017】
従来においては、通信データがバイナリ形式であるか、あるいはHTML形式やXML形式であるかなどのように、通信データのデータ表現形式を考慮した評価モデルはなく、またこのような場合にシステム開発者のノウハウを活用することは困難である。
【0018】
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたもので、通信回線を介して通信データを送受信する場合に、バイナリデータのみならず例えばHTMLやXMLのようなテキストデータを通信データとする場合であっても、通信データのデータ構造の複雑さやデータ表現形式を考慮してネットワークシステムに対する定量的な評価を行うためのネットワークシステム評価支援方法、及び装置、並びにプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明を実現するにあたって講じた具体的手段について以下に説明する。
【0020】
第1から第12までの発明は、ネットワークシステム評価支援装置により、受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援する方法に関する。
【0021】
第1の発明は、ネットワークシステム評価支援装置が、送信装置の台数mと、送信装置から送信される通信データの1件あたりのデータ量dsと、通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と通信回線の通信容量cとを比較するために利用される通信容量評価式を記憶し、ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、ネットワークに関するm、ds、f、dc、cの値を入力し、ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、入力手段によって入力されたm、ds、f、dc、cの値と、ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている通信容量評価式に基づいて、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と通信回線の通信容量cとを比較し、ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、演算処理手段においてdc、m、ds、fに基づいて算出される値と通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力するネットワークシステム評価支援方法である。
【0022】
第2の発明は、第1の発明のネットワークシステム評価支援方法における通信容量評価式を、通信回線の通信容量cとdc×m×ds/fとを比較するものとしている。
【0023】
なお、データ表現形式の例としては、バイナリ、CSV(Comma Separated Value)、HTML、XMLなどがある。通信データのデータ構造の複雑さは、例えば階層の数や、要素の数に基づいて判断することができる。また、データ複雑度を決定する他の例として、データの入れ子の状態、可変長データの割合(可変長データが多いか)なども利用できる。これらのいずれか、あるいは各種の組み合わせに基づいてデータ複雑度が決定される。
【0024】
この第1又は第2の発明を利用すると、通信データの複雑さやデータ表現形式を考慮して通信回線の通信容量を定量的に評価することができる。すなわち、評価対象のネットワークシステムにおける通信回線やデータ表現形式で、このネットワークシステムで要求される通信容量を満たすことができるか否かを判断できる。
【0025】
例えば、dc×m×ds/fの値が通信回線の通信容量cを超える場合、通信データのデータ記述形式やデータ構造の簡易化、あるいは通信容量の大きい通信回線を用いるなどの対策をとることができる。
【0026】
したがって、システム稼動時と同様なテスト環境を用意しなくてもネットワークシステムにおける通信回線の通信容量に関して十分に検討できる。
【0027】
第3の発明は、ネットワークシステム評価支援装置が、送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、送信装置毎の通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される送信装置毎のデータ複雑度dcと、通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と通信回線の通信容量cとを比較するために利用される通信容量評価式を記憶し、ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、ネットワークに関するdc、ds、f、cの値を入力し、ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、入力手段によって入力されたdc、ds、f、cの値と、ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている通信容量評価式とに基づいて、送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と前記通信回線の通信容量cとを比較し、ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、演算処理手段において送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力するネットワークシステム評価支援方法である。
【0028】
第4の発明は、第3の発明のネットワークシステム評価支援方法における通信容量評価式を、通信回線の通信容量cと送信装置毎のdc×ds/fの合計とを比較するものとしている。
【0029】
この第3又は第4の発明は、上記第1又は第2の発明と同様の作用効果を実現するが、送信装置毎に通信データのデータ量やその送信発生頻度、データ複雑度が異なる場合のネットワークシステム評価支援方法である。
【0030】
第5の発明は、ネットワークシステム評価支援装置が、送信装置の台数mと、送信装置1台あたりの送信発生件数sと、送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶し、ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値を入力し、ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値と、ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている実行時間評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較し、ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、演算処理手段においてm、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較した結果を出力するネットワークシステム評価支援方法である。
【0031】
第6の発明は、第5の発明のネットワークシステム評価支援方法における実行時間評価式を、制限時間tとm×s×ds(1/c+dc(1/pv+1/sv))とを比較するものとしている。
【0032】
この第5又は第6の発明を利用すると、通信データの複雑さやデータ表現形式を考慮しつつネットワークシステムの実行時間を定量的に評価できる。すなわち、評価対象のネットワークシステムにおけるインフラや通信データのデータ表現形式で、このネットワークシステムで要求されるリアルタイム性を満たすことができるか否か判断できる。
【0033】
例えば、m×s×ds(1/c+dc(1/pv+1/sv))の値がネットワークシステムの制限時間tを超える場合、通信データのデータ構造やデータ記述形式の簡易化、通信容量の大きい通信回線への交換、受信装置におけるデータ処理速度の向上などの対策をとることができる。
【0034】
したがって、システム稼動時と同様なテスト環境を用意しなくてもネットワークシステムのリアルタイム性に関して十分に検討できる。
【0035】
第7の発明は、ネットワークシステム評価支援装置が、送信装置の台数mと、送信装置1台あたりの送信発生件数sと、送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、送信装置におけるデータ変換速度edvaと、受信装置におけるデータ変換速度edvbと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶し、ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力し、ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている実行時間評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較し、ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、演算処理手段においてm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較した結果を出力するネットワークシステム評価支援方法である。
【0036】
第8の発明は、第7の発明のネットワークシステム評価支援方法における実行時間評価式を、制限時間tとm×s×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))とを比較するものとしている。
【0037】
この第7又は第8の発明を利用すると、上記第5又は第6の発明と同様の作用効果を実現するが、送信装置における通信データのデータ変換速度と受信装置における通信データのデータ変換速度をも考慮して評価できる点で異なる。
【0038】
第9の発明は、ネットワークシステム評価支援装置が、送信装置毎の送信発生件数sと、送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される送信装置毎のデータ複雑度dcと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶し、ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、ネットワークに関するs、ds、c、dc、pv、sv、tの値を入力し、ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、pv、sv、tの値と、ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている実行時間評価式とに基づいて、送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較し、ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、演算処理手段において送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較した結果を出力するネットワークシステム評価支援方法である。
【0039】
第10の発明は、第9の発明のネットワークシステム評価支援方法における実行時間評価式を、制限時間tと送信装置毎のs×ds(1/c+dc(1/pv+1/sv))の合計とを比較するものとしている。
【0040】
この第9又は第10の発明は、上記第5又は第6の発明と同様の作用効果を実現するが、送信装置毎に通信データのデータ量、データ複雑度、送信発生頻度が異なる場合のネットワークシステム評価支援方法である。
【0041】
第11の発明は、ネットワークシステム評価装置が、送信装置毎の送信発生件数sと、送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される送信装置毎のデータ複雑度dcと、送信装置毎のデータ変換速度edvaと、受信装置におけるデータ変換速度edvbと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶し、ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、ネットワークに関するs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力し、ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている実行時間評価式とに基づいて、送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較し、ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、演算処理手段において送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較した結果を出力するネットワークシステム評価支援方法である。
【0042】
第12の発明は、第11の発明のネットワークシステム評価支援方法における実行時間評価式を、制限時間tと送信装置毎のs×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))の合計とを比較するものとしている。
【0043】
この第11又は第12の発明は、上記第7又は第8の発明と同様の作用効果を実現するが、送信装置毎に通信データ、通信データのデータ量、データ複雑度、送信発生頻度が異なり、また送信装置毎にデータ変換速度が異なる場合のネットワークシステム評価支援方法である。
【0044】
第13から第18までの発明は、受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援する装置に関する。
【0045】
第13の発明は、送信装置の台数mと、送信装置から送信される通信データの1件あたりのデータ量dsと、通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と通信回線の通信容量cとを比較するために利用される通信容量評価式を記憶する機能と、ネットワークに関するm、ds、f、dc、cの値を入力する入力手段と、入力手段によって入力されたm、ds、f、dc、cの値と、記憶されている通信容量評価式とに基づいて、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と通信回線の通信容量cとを比較する演算処理手段と、演算処理手段においてdc、m、ds、fに基づいて算出される値と通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する出力手段とを具備したネットワークシステム評価支援装置である。
【0046】
第14の発明は、送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、送信装置毎の通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される送信装置毎のデータ複雑度dcと、通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と通信回線の通信容量cとを比較するために利用される通信容量評価式を記憶する機能と、ネットワークに関する送信装置毎のdc、ds、f、cの値を入力する入力手段と、入力手段によって入力されたdc、ds、f、cの値と、記憶されている通信容量評価式とに基づいて、送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と通信回線の通信容量cとを比較する演算処理手段と、演算処理手段において送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する出力手段とを具備したネットワークシステム評価支援装置である。
【0047】
第15の発明は、送信装置の台数mと、送信装置1台あたりの送信発生件数sと、送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶する機能と、ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値を入力する入力手段と、入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値と、記憶されている通信容量評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較する演算処理手段と、演算処理手段においてdc、m、ds、fに基づいて算出される値と通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する出力手段とを具備したネットワークシステム評価支援装置である。
【0048】
第16の発明は、送信装置の台数mと、送信装置1台あたりの送信発生件数sと、送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、送信装置におけるデータ変換速度edvaと、受信装置におけるデータ変換速度edvbと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶する機能と、ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力する入力手段と、入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、記憶されている実行時間評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較する演算処理手段と、演算処理手段においてm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較した結果を出力する出力手段とを具備したネットワークシステム評価支援装置である。
【0049】
第17の発明は、送信装置毎の送信発生件数sと、送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される送信装置毎のデータ複雑度dcと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶する機能と、ネットワークに関するs、ds、c、dc、pv、sv、tの値を入力する入力手段と、入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、pv、sv、tの値と、記憶されている実行時間評価式とに基づいて、送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較する演算処理手段と、演算処理手段において送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較した結果を出力する出力手段とを具備したネットワークシステム評価支援装置である。
【0050】
第18の発明は、送信装置毎の送信発生件数sと、送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される送信装置毎のデータ複雑度dcと、送信装置毎のデータ変換速度edvaと、受信装置におけるデータ変換速度edvbと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶する機能と、ネットワークに関するs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力する入力手段と、入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、記憶されている通信容量評価式とに基づいて、送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較する演算処理手段と、演算処理手段において送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較した結果を出力する出力手段とを具備したネットワークシステム評価支援装置である。
【0051】
上記第13から第18までの発明は、先に説明したネットワークシステム評価支援方法を実現するネットワークシステム評価支援装置である。この第13から第18の発明で説明したネットワークシステム評価支援装置を利用することで、上記第1から第12までの発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0052】
なお、上記第13から第18までの発明で説明した各構成要素は、自由に組み合わせ可能である。例えば、通信容量評価モデルと実行時間評価モデルの双方を用いてネットアークシステムに対する評価を支援してもよい。
【0053】
第19の発明は、入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置の台数mと、送信装置から送信される通信データの1件あたりのデータ量dsと、通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と通信回線の通信容量cとを比較するために利用される通信容量評価式を記憶する機能、入力手段により、ネットワークに関するm、ds、f、dc、cの値を入力する機能、演算処理手段により、入力手段によって入力されたm、ds、f、dc、cの値と、記憶する機能によって記憶された通信容量評価式とに基づいて、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と通信回線の通信容量cとを比較する機能、出力手段により、演算処理手段においてdc、m、ds、fに基づいて算出される値と通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する機能を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0054】
第20の発明は、入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、送信装置毎の通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される送信装置毎のデータ複雑度dcと、通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と通信回線の通信容量cとを比較するために利用される通信容量評価式を記憶する機能、入力手段により、ネットワークに関するdc、ds、f、cの値を入力する機能、演算処理手段により、入力手段によって入力されたdc、ds、f、cの値と、記憶する機能によって記憶された通信評価式とに基づいて、送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と通信回線の通信容量cとを比較する機能、出力手段により、演算処理手段において送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する機能を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0055】
第21の発明は、入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置の台数mと、送信装置1台あたりの送信発生件数sと、送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶する機能、入力手段により、ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値を入力する機能、演算処理手段により、入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値と、記憶する機能によって記憶された実行時間評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較する機能、出力手段により、演算処理手段においてm、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較した結果を出力する機能を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0056】
第22の発明は、入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置の台数mと、送信装置1台あたりの送信発生件数sと、送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、送信装置におけるデータ変換速度edvaと、受信装置におけるデータ変換速度edvbと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶する機能、入力手段により、ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力する機能、演算処理手段により、入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、記憶する機能によって記憶された実行時間評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較する機能、出力手段により、演算処理手段においてm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と制限時間tとを比較した結果を出力する機能を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0057】
第23の発明は、入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置毎の送信発生件数sと、送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される送信装置毎のデータ複雑度dcと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶する機能、入力手段により、ネットワークに関するs、ds、c、dc、pv、sv、tの値を入力する機能、演算処理手段により、入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、pv、sv、tの値と、記憶する機能によって記憶された実行時間評価式とに基づいて、送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較する機能、出力手段により、演算処理手段において送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較した結果を出力する機能を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0058】
第24の発明は、入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置毎の送信発生件数sと、送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される送信装置毎のデータ複雑度dcと、送信装置毎のデータ変換速度edvaと、受信装置におけるデータ変換速度edvbと、受信装置におけるデータ解析速度pvと、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較するために利用される実行時間評価式を記憶する機能、入力手段により、ネットワークに関するs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力する機能、演算処理手段により、入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、記憶する機能によって記憶された通信容量評価式とに基づいて、送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較する機能、出力手段により、演算処理手段において送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と制限時間tとを比較した結果を出力する機能を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0059】
上記第19から第24までの発明は、上記第13から第18までの発明で説明したネットワークシステム評価支援装置をコンピュータにより実現するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0060】
このようなプログラムを記録した記録媒体を用いることによって、上述した機能を有していない計算機、計算機システムに対しても、簡単に上述した機能を付加することができる。
【0061】
なお、上記各発明において、各値s、ds、f、dc、pv、sv、edva、edvbは各装置における平均値などでもよい。
【発明の効果】
【0062】
本発明を利用すれば、通信容量評価式により、通信回線を介して送信装置から受信装置に通信データを送受信するネットワークシステムについて通信データのデータ構造の複雑さやデータ表現形式を考慮して評価することができる。
【0063】
また、データ送受信とデータ処理に関連する実行時間評価モデルにより、ネットワークシステムについて通信データのデータ構造の複雑さやデータ表現形式を考慮して評価することができる。
【0064】
すなわち、システム開発前にデータ構造の複雑さやデータ表現形式を考慮した評価を行うことができる。
【0065】
また、この通信容量評価モデルや実行時間評価モデルを利用することで、評価対象のネットワークシステムに応じてインフラの選定や、利用するデータ表現形式を選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0066】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0067】
ここでは、複数の送信装置が通信回線を介して受信装置に接続されているネットワークシステムで利用されるインフラやデータ表現形式がこのネットワークシステムで要求されるリアルタイム性を満たすか否かの判断に利用されるネットワークシステム評価支援装置について説明する。
【0068】
図1は、本発明の実施の形態に係るネットワークシステム評価支援装置の構成例を示すブロック図である。
【0069】
ネットワークシステム評価支援装置5は、m台(mは自然数)の送信装置6が通信回線7を介して受信装置8に接続されているネットワークシステム9の評価を支援するための装置である。
【0070】
このネットワークシステム評価支援装置5は、通信回線7の通信容量について評価するための通信容量評価モデル10と、ネットワークシステムの実行時間について評価するための実行時間評価モデル11とを記憶している。
【0071】
また、ネットワークシステム評価支援装置5は、この通信容量評価モデル10や実行時間評価モデル11においてパラメータとなる各種の値を入力する入力部12、この入力部12に入力された値に基づいて通信容量評価モデル10や実行時間評価モデル11による評価のための演算処理を行う演算処理部13、演算処理部1の処理結果を出力する出力部14とを備えている。
【0072】
図2は、上記ネットワークシステム評価支援装置5で利用される通信容量評価モデル10を説明する図である。
【0073】
通信容量評価モデル10では、送信装置の台数m、送信装置から受信装置に送信される通信データの1件あたりのデータ量ds(byte/データ)、送信装置における通信データの送信発生間隔である送信発生頻度f(秒/データ)、通信回線の通信容量c(byte/秒)、通信データのデータ複雑度dc(係数)をパラメータとして利用する。
【0074】
この通信容量評価モデル10では、以下に示す通信容量評価式(1)に基づいて評価を行う。すなわち、値dc×m×ds/fと通信容量cとを比較し、値dc×m×ds/fが通信容量c以下の場合を適切、値dc×m×ds/fが通信容量cよりも大きい場合を不適切と評価する。
【数1】
【0075】
通信容量評価式(1)では、送信装置1台あたり1秒間に送信される通信データのデータ量ds/f(byte)をm台分集め、データ複雑度で補正している。
【0076】
図3は、データ複雑度の決定方法を例示する図である。
【0077】
データ複雑度は、例えばデータ構造が入れ子になっているかなどのような通信データのデータ構造の複雑さ、可変長データが多いか、通信データのデータ記述形式などから決定される値である。このデータ複雑度は、予め実験や統計的な分析から、データ表現形式や階層構造の状態に応じて決定される。通常は係数1.0とする。
【0078】
例えば、データ表現形式がバイナリの場合よりHTMLやXMLの場合ほどデータ複雑度も増加するように定めてもよく、また通信データの階層数が多く、データの要素が多いほどデータ複雑度も増加するように定めてもよい。
【0079】
図4は、上記ネットワークシステム評価支援装置5で利用される実行時間評価モデル11を説明する図である。
【0080】
実行時間評価モデル11では、送信装置の台数m、送信装置から受信装置に送信される通信データの1件あたりのデータ量ds(byte/データ)、送信装置1台あたりの送信発生件数s(件/台)、データ複雑度dc(係数)、通信回線の通信容量c(byte/秒)、送信装置におけるデータ変換速度edva(byte/秒)と、受信装置におけるデータ変換速度edvb(byte/秒)と、受信装置におけるデータ解析速度pv(byte/秒)と、受信装置が通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度sv(byte/秒)と、送信装置で通信データが発生してから受信装置で通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間t(秒)とをパラメータとして利用する。
【0081】
この実行時間評価モデル11では、以下に示す実行時間評価式(2)に基づいて評価を行う。すなわち、値m×s×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))と制限時間tとを比較し、値m×s×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))が制限時間t以下の場合を適切、値m×s×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))が制限時間tよりも大きい場合を不適切と判定する。
【数2】
【0082】
次に、m×s×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))の意味について説明する。
【0083】
送信装置から受信装置への通信データの送信時間は、m×s×ds×1/c(秒)となる。
【0084】
この送信時間と、データ複雑度に応じた送信装置における通信データの変換時間との和は、m×s×ds(1/c+dc×1/edva)となる。
【0085】
また、送信時間と、データ複雑度に応じた送信装置における通信データの変換時間と、データ複雑度に応じた受信装置における通信データの変換時間との和は、m×s×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb))となる。
【0086】
さらに、送信時間と、データ複雑度に応じた送信装置における通信データの変換時間と、データ複雑度に応じた受信装置における通信データの変換時間と、データ複雑度に応じた受信装置における通信データのデータ解析時間との和は、m×s×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv))となる。
【0087】
そして、送信時間と、データ複雑度に応じた送信装置における通信データの変換時間と、データ複雑度に応じた受信装置における通信データの変換時間と、データ複雑度に応じた受信装置における通信データのデータ解析時間、データ複雑度に応じた受信装置における通信データのデータ処理時間との和は、m×s×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))となる。
【0088】
図5は、上記ネットワークシステム評価支援装置5を利用したネットワークシステムの開発プロセスを例示するフロー図である。
【0089】
まず、システム開発者は、構築するネットワークシステムにおけるインフラとこのネットワークシステムにおいて利用する通信データのデータ表現形式とを選定する(s1)。
【0090】
次に、システム開発者は、ネットワークシステム評価支援装置5を利用し、通信容量評価モデル10に基づいて通信容量の評価を行う(s2)。
【0091】
通信容量評価モデル10における通信容量評価式(1)が満たされない場合には、再度、インフラとデータ表現形式との選定を行い、同様の評価を繰り返す。
【0092】
一方、通信容量評価モデル10における通信容量評価式(1)が満たされる場合には、通信データに対する送信装置におけるデータ変換、受信装置におけるデータ変換、データ解析、データ検索などの処理ロジックについて検討する(s3)。
【0093】
そして、ネットワークシステム評価支援装置5を利用し、実行時間評価モデル11に基づいて実行時間の評価を行う(s4)。
【0094】
実行時間評価モデル11における実行時間評価式(2)が満たされない場合には、再度、処理ロジックとデータ表現形式などの検討を行い、同様の評価を繰り返す。
【0095】
一方、実行時間評価モデル11における実行時間評価式(2)が満たされる場合には、開発プロセスを終了する。
【0096】
以上のような本発明の実施の形態に係るネットワークシステム評価支援装置5を利用することで、通信データのデータ構造やデータ表現形式をデータ複雑度として考慮して定量的にネットワークシステム9の通信回線の通信容量を評価できる
また、データ複雑度を考慮して定量的にネットワークシステムの実行時間を評価し、このネットワークシステム9において要求されるリアルタイム性が満たされるか否かを定量的に評価できる。
【0097】
したがって、ネットワークシステム9におけるインフラやデータ表現形式の選定を効率的に行うことができ、システム稼動時と同様なテスト環境を用意しなくてもこの選定したインフラやデータ表現形式について事前に評価できる。
【0098】
なお、本発明の実施の形態に係るネットワークシステム評価支援装置5においては、入力された通信データのデータ量dsと送信発生頻度fとから、送信装置1台あたり1秒間に送信される通信データのデータ量を求めている。しかしながら、これに代えて、送信装置1台あたり1秒間に送信される通信データのデータ量をそのまま通信容量の評価を支援するために利用してもよい。
【0099】
また、本発明の実施の形態に係るネットワークシステム評価支援装置5においてはデータ複雑度がユーザから入力されている。しかしながら、評価対象のネットワークシステム9における通信データをネットワークシステム評価支援装置5が監視し、このネットワークシステム評価支援装置5が自動的にデータ複雑度を認識するとしてもよい。これにより、ユーザがデータ複雑度を決定する作業を省略でき、さらに評価を簡易化できる。
【0100】
また、本発明の実施の形態に係るネットワークシステム評価支援装置5においてデータ量ds、送信発生頻度f、データ複雑度dc、送信発生件数s、データ変換速度edvaは送信装置6における平均の値であってもよい。また、データ変換速度edvb、データ解析速度pvと、データ処理速度svは受信装置8における平均の値であってもよい。
【0101】
また、本発明の実施の形態においては、送信装置6の特性が同一の場合、すなわちデータ量ds、送信発生頻度f、データ複雑度dc、送信発生件数s、データ変換速度edvaが各送信装置6で同じ場合を例として説明している。しかしながら、各送信装置6で特性が相違する場合であっても同様の手法を利用して評価を支援可能である。
【0102】
この場合、通信容量評価モデル10では、通信回線7の通信容量cと送信装置6毎のdc×ds/fの合計とを比較する。
【0103】
同様に、実行時間評価モデル11では、制限時間tと送信装置6毎のs×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))の合計とを比較する。
【0104】
なお、本発明の実施の形態に係るネットワークシステム評価支援装置5においては、同様の作用・機能を実現可能であれば各構成要素の配置を変更させてもよく、また各構成要素を自由に組み合わせてもよい。
【0105】
また、本発明の実施の形態に係るネットワークシステム評価支援装置5の各機能、各要素は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで適用してもよく、通信媒体により伝送して、計算機、計算機システムに適用することも可能である。
【0106】
上記各機能を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、プログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
【実施例】
【0107】
(実施例1)
図6は、この実施例1において評価する対象のネットワークシステムのシステム構成図である。この実施例1では、評価対象のネットワークシステム15において、バイナリデータ(データ量ds=144byte/データ)からXMLデータ(データ量ds=2.6Kbyte/データ)に通信データを切り替える場合の通信容量評価を行う。
【0108】
この評価対象のネットワークシステム15は、社会インフラとして利用される。受信装置である監視システム16は、送信装置である監視対象機器17と10Base-Tの専用LAN18(実行効率80%とし通信容量c=8Mbps)で接続されている。
【0109】
監視対象機器17(台数m=16)のそれぞれから、0.6秒に1回の送信発生頻度(f=0.6秒/データ)で、1データあたり2.6Kbyte程度(データ量ds=2.6Kbyte/データ)のデータ量となる通信データが送信される。また、通信データの構造は比較的簡易でありデータ複雑度dc=1.0とする。これらの値は、XMLデータについての値である。
【0110】
図7(a)に、データ表現形式を切り替える前の通信データのデータ構造を示し、図7(b)に、データ表現形式を切り替えた後の通信データのデータ構造を示す。
【0111】
この通信データは、時系列データの一種であり、ヘッダ部と少なくとも一つのデータ部とから構成されている。データ部を複数としてこの通信データを送信することで、複数のデータを送信可能である。各データ部は、共通部と種別部とから構成される。一般的には、通信データ1つに複数のデータ部が含まれ、その個数がヘッダ部に記述される(レングスとして表現される)。
【0112】
まず、通信容量を評価するために、上記ネットワークシステム評価支援装置5の入力部12に対して、通信容量評価モデル10で利用するパラメータを与える。具体的には、以下のような値が与えられる。
【0113】
台数m=16(台)
データ量ds=2.6K(byte/データ)
送信発生頻度f=0.6(秒/データ)
データ複雑度dc=1.0(比較的簡易)
通信容量c=1M(byte/秒)
このネットワークシステム15で要求される通信容量を通信評価式(1)に基づいて求めると、dc×m×ds/f=1.0×16×2.6K/0.6=約555(bps)=約70(byte/秒)となる。
【0114】
一方、このネットワークシステム15における専用LANの通信容量cは、実行効率(80%)を考慮すると8M(bps)=1M(byte/秒)である。
【0115】
ここで、このネットワークシステム15において要求される通信容量の約70(byte/秒)と、実行効率を考慮した専用LANの通信容量1M(byte/秒)とを比較すると、要求される通信容量が実行効率を考慮した専用LANの通信容量以下である。
【0116】
したがって、このネットワークシステム15においてデータ表現形式をバイナリ形式からXML形式に切り替えても、正常状態であれば通信容量は適切であると評価される。
【0117】
このように、通信容量評価モデル10を利用することで、システム開発前であっても通信容量を評価でき、選定した通信回線などのインフラが実用に耐えうるか、利用するデータ表現形式でも選定したインフラが実用に耐えうるか判断できる。
【0118】
(実施例2)
この実施例2では、上記実施例1において説明した図6に示すネットワークシステム15に障害が発生し、ネットワークシステム15がその障害から復帰した場合の通信容量評価を行う。
【0119】
上記図6に示すネットワークシステム15において、通信回線18の接続不良が発生し、各監視対象機器17で発生した通信データが監視システム16に送信されない場合がある。この場合、ネットワークシステム15は、通信回線18の接続不良の間も各監視対象機器17単体の動作を継続し、監視対象機器17毎に通信データを蓄積し、通信回線18の接続が復帰すると各監視対象機器17において蓄積された通信データの送信を試みるとする。
【0120】
上記実施例1で説明したように、実行効率を考慮した専用LANの通信容量は8M(bps)であるため、1秒間に通信可能な通信データの最大件数は以下のようにして求めることができる。
【0121】
最大件数=c/ds=8M(bps)/2.6K(byte/データ)=1M(byte/秒)/2.6K(byte/データ)=約390件
一方、1台の監視対象機器17に保存可能な通信データの最大件数は20000件であり、これらの通信データが通信回線18の接続復帰後に16台から一斉に送信されるとする。
【0122】
この場合、接続復帰後、保存されていた通信データの送信が終了するまでに、約820秒(=20000×16/390)かかる。この数値はすべての監視対象機器17が監視システム16と接続されていない場合における数値であり、実際に運用する場合には1、2台が接続不良になると考えられる。1、2台の監視対象機器17が接続不良になった場合には、約51秒〜103秒かかることになる。この数値と接続復帰後、保存されていた通信データの送信が終了するまでの制限時間とを比較すれば、接続不良復帰後における実行時間を評価できる。ここでは、約51秒〜103秒であればネットワークシステム15を実際に運用する上でそれほど問題にならないと評価できる。
【0123】
このように、システムを開発する前に通信の効率について評価を行い、システムに障害が発生した場合においてもインフラが実用に耐えうるか、あるいは利用するデータ表現形式で通信容量を越えないかを判断できる。
【0124】
(実施例3)
この実施例3では、上記実施例1において説明した図6に示すネットワークシステム15についての評価を行う。この実施例3では、通常、バイナリ形式で扱うような通信データ(データ量ds=144byte/データ)をXMLデータ(データ量ds=2.6Kbyte/データ)に切り替えた場合の実行時間評価を行う。
【0125】
上記実施例1で用いたパラメータの値に加え、監視対象機器1台あたり1回に送信されるデータ件数は、平均40件(s=40件)であるとする。
【0126】
その他のパラメータの値には、プロトタイプなどの計測値を利用することとし、既知の値ではなくてもよい。
【0127】
すなわち、監視対象機器17におけるデータ変換速度edva、監視システム16におけるデータ変換速度edvb、監視システム16におけるデータ解析速度pv、監視システム16におけるデータ検索速度svは既知ではない。
【0128】
なお、制限時間は、640件(40件×16台)の通信データを解析及び実行するのに2秒程度(t=2秒)であるとする。
【0129】
この実施例3では、XMLデータを一旦受け取ってからデータ処理する実行時間を評価するものとする。また、XMLデータはそのまま変換しないで扱い、データ解析時間とデータ検索時間との和を実行時間とする。
【0130】
この実施例3においては、上記の実行時間評価式(2)を簡略化した以下のような実行時間評価式(3)を利用し、この実行時間評価式(3)が成り立つか否かを判断する。
【数3】
【0131】
まず、制限時間tを満たすデータ解析速度pv及びデータ検索速度svをプロトタイプによる計測値により求める。
【0132】
図8は、実施例3において監視システム16で実行される処理を例示する図である。ここでは、予め保存されているXMLデータ19をXMLパーサを用いて明細データ20として取り出し、必要な項目をキーに集計処理を行って集計データ21を得ることを想定する
監視対象機器17から送信される通信データは1台あたり1分程度で約40件(s=40件/台)程度とする。ここでは監視対象機器17が16台で構成(m=16台)される場合を想定しているので、全ての監視対象機器17から1分間に640件の通信データが送信されることになる。
【0133】
そこで、図8に示すXMLデータ19には、上記実施例1で説明した図7(b)に示すような構造を持つ640件分のXMLデータが格納されているとする。
【0134】
XMLデータ19を解析・検索するためにはXMLパーサを利用するが、様々なパーサが存在する。
【0135】
(a)パーサAを用いた場合
パーサAを用いて通信データの解析・検索を行った場合(CPU 233MHz、メモリ 128MbyteのPCで測定)、全体で19秒かかったとする。この19秒という値は、制限時間t=2秒を大きく超えており、このままでは実行時間を制限時間内とする条件を満たすことができない。
【0136】
さらに、解析時間と検索時間とに分けて再計測を行ったところ、解析時間に15秒、検索時間に4秒かかっていることが分かった。パーサの性能は解析時間に大きく関連する。ゆえに、パーサAを別の高性能のパーサに交換することが望ましい。
【0137】
なお、この計測からパーサAを用いた場合のデータ解析速度pv、及びデータ検索速度svは、以下のような値となる。
【0138】
データ解析速度pv=m×s×ds×dc/パーサAを利用した解析時間=16(台)×40(件/台)×2.6K(byte)×1.0/15(秒)=約111K(byte/秒)
データ検索速度sv=m×s×ds×dc/パーサAを利用した検索時間=16(台)×40(件/台)×2.6K(byte)×1.0/4(秒)=416K(byte/秒)
これらのデータ解析速度pv及びデータ検索速度svは、他のネットワークシステムでパーサAを用いた場合に、制限時間を満たすか否かを判断するために利用可能である。このように、パーサAについてデータ解析速度pv及びデータ検索速度svを一旦求めておけば、他のネットワークシステムを評価する場合にも、この値が利用できる。
【0139】
(b)パーサBを用いた場合
上述したように、パーサAを用いた場合には、データ解析速度に問題があることが分かり、パーサAを他のパーサに交換することにより性能の向上を試みる。
【0140】
同様の環境において、パーサBを用いてデータの解析・検索を行った場合、全体で1.7秒かかった。これは、制限時間t=2秒以内であり、実行時間として許容される。
【0141】
さらに、解析時間と検索時間とに分けて再計測したところ、解析時間に1.0秒、検索時間に0.7秒かかっていることが分かった。
【0142】
この結果に基づいて、先と同様にパーサBを用いた場合のデータ解析速度pv、及びデータ検索速度svは、以下のような値となる。
【0143】
データ解析速度pv=m×s×ds×dc/パーサBを利用した解析時間=16(台)×40(件/台)×2.6K(byte)×1.0/1.0(秒)=約1664K(byte/秒)
データ検索速度sv=m×s×ds×dc/パーサBを利用した検索時間=16(台)×40(件/台)×2.6K(byte)×1.0/0.7(秒)=約2377K(byte/秒)
これらのデータ解析速度pv及びデータ検索速度svは、他のネットワークシステムでパーサBを用いた場合に、制限時間を満たすか否かを判断するために利用可能である。このように、パーサBについてデータ解析速度pv及びデータ検索速度svを一旦求めておけば、他のネットワークシステムを評価する場合にも、この値が利用できる。
【0144】
以上説明したように、システム開発前にネットワークシステムの実行時間を評価することができ、選定したインフラや利用するデータ表現形式を用いてシステム処理能力を評価できる。
【0145】
(実施例4)
図9は、この実施例4において評価するネットワークシステムのシステム構成図であり、さらに通信容量評価式(1)及び実行時間評価式(2)で利用する各パラメータの値を示している。
【0146】
この実施例4における評価対象のネットワークシステム22には、上記実施例1の場合と比べて非常に多くの監視対象機器23が備えられているが、通信データの送信発生頻度fはそれほど高くない。
【0147】
この実施例4では、通常、バイナリ形式で扱うような通信データ(データ量ds=100byte/データ)をXMLデータ(データ量ds=2.0Kbyte/データ)に切り替えた場合の通信容量評価を行う。
【0148】
この評価対象のネットワークシステム22は、社会インフラとして利用される。監視システム24は、各監視対象機器23と10Base-Tの専用LAN25(実行効率80%とし通信容量c=8Mbps)で接続されている。
【0149】
監視対象機器(台数m=20000)のそれぞれから、5分に1回の送信発生頻度(f=300秒/データ)で、1データあたり2Kbyte程度(データ量ds=2.0Kbyte/データ)のデータ量の通信データが送信される。また、通信データの構造は比較的簡易でありデータ複雑度dc=1.0とする。これらの値は、XMLデータについての値である。
【0150】
図10(a)に、データ表現形式を切り替える前の通信データのデータ構造を示し、図10(b)に、データ表現形式を切り替えた後の通信データのデータ構造を示す。
【0151】
この通信データは、時系列データの一種であり、この実施例4ではXMLデータにおける各パラメータの値を利用する。また、この実施例4では、一度に1件の通信データが送信される。
【0152】
通信容量の評価を行う手順は、上記実施例1の場合と同様であるが、この実施例4では、各パラメータの値が以下のようになる。
【0153】
台数m=20000(台)
データ量ds=2.0K(byte/データ)
送信発生頻度f=300(秒/データ)
データ複雑度dc=1.0(比較的簡易)
通信容量c=1M(byte/秒)=8M(bps)
このネットワークシステム22で要求される通信容量を通信評価式(1)に基づいて求めると、dc×m×ds/f=1.0×20000×2.0K/300=約1067(bps)=約133(byte/秒)となる。
【0154】
一方、このネットワークシステム22における専用LANの通信容量cは、実行効率(80%)を考慮すると8M(bps)=1M(byte/秒)である。
【0155】
ここで、このネットワークシステム22において要求される通信容量の約133(byte/秒)と、実行効率を考慮した専用LANの通信容量1M(byte/秒)とを比較すると、要求される通信容量が実行効率を考慮した専用LANの通信容量以下である。
【0156】
したがって、このネットワークシステム22においてデータ表現形式をバイナリ形式からXML形式に切り替えても、正常状態であれば通信容量が適切であると評価される。
【0157】
このように、通信容量評価モデル10を利用することで、システム開発前であっても通信容量を評価でき、選定した通信回線などのインフラが実用に耐えうるか、利用するデータ表現形式でも選定したインフラが実用に耐えうるか判断できる。
【0158】
(実施例5)
この実施例5では、上記実施例4において説明した図9に示すネットワークシステム22に障害が発生し、ネットワークシステム22がその障害から復帰した場合の通信容量評価を行う。
【0159】
上記図9に示すネットワークシステム22において、通信回線25の接続不良が発生し、各監視対象機器23で発生した通信データが監視システム24に送信されない場合がある。この場合、ネットワークシステム22は、通信回線25の接続不良の間も各監視対象機器23単体の動作を継続し、監視対象機器23毎に通信データを蓄積し、通信回線25の接続が復帰すると各監視対象機器23において蓄積された通信データの送信を試みるとする。
【0160】
上記実施例5で説明したように、実行効率を考慮した専用LANの通信容量は8M(bps)であるため、1秒間に通信可能な通信データの最大件数は以下のようにして求めることができる。
【0161】
最大件数=c/ds=8M(bps)/2.0K(byte/データ)=1M(byte/秒)/2.0K(byte/データ)=約500件
一方、この実施例5では、通信回線25が未接続の場合、1台の監視対象機器23毎に通信データが保存されるのではなく、10台程度の監視対象機器23を一つのグループとし、通信データをまとめて保存するとする。保存可能な最大件数は1000件であり、これらの通信データが通信回線25の接続復帰後に一斉に送信されたとする。
【0162】
この場合、接続復帰後、保存されていた通信データの送信が終了するまでに、約4000秒(=1000件×20000台/10台/500件)かかる。すなわち、約67分かかることになる。この数値はすべての監視対象機器23が監視システム24と接続されていない場合における数値であり、実際に運用する場合には1〜2グループ(10台〜20程度)が接続不良になると考えられる。1〜2グループが接続不良になった場合には、約20秒〜40秒かかることになる。この数値と接続復帰後、保存されていた通信データの送信が終了するまでの制限時間とを比較すれば、接続不良復帰後における実行時間を評価できる。ここでは、約20秒〜40秒であればネットワークシステム22を実際に運用する上でそれほど問題にならないと評価することができる。
【0163】
このように、システムを開発する前に通信の効率について事前評価を行い、システムに障害が発生した場合においてもインフラが実用に耐えうるか、あるいは利用するデータ表現形式で通信容量を越えないかを判断できる。
【0164】
(実施例6)
この実施例6では、上記実施例4において説明した図9に示すネットワークシステム22についての評価を行う。この実施例6では、通常、バイナリ形式で扱うような通信データ(データ量ds=100byte/データ)をXMLデータ(データ量ds=2.0Kbyte/データ)に切り替えた場合の実行時間評価を行う。
【0165】
上記実施例4で用いたパラメータの値に加え、監視対象機器1台あたり1回に送信されるデータ件数は、平均5件(s=5件)であるとする。さらに、その他のパラメータの値には、上記実施例3における計測値を利用する。
【0166】
すなわち、上記実施例3と本実施例6で扱うネットワークシステムは異なるが、例えば時系列データを取り扱うなどのように同様の特徴を持ち、同様の通信データを扱い、互いにデータ複雑度がそれほど複雑でないことから、本実施例6では監視対象機器23におけるデータ変換速度edva、監視システム24におけるデータ変換速度edvb、監視システム24におけるデータ解析速度pv、監視システム24におけるデータ検索速度svとして実施例3で求めた値を利用する。
【0167】
なお、制限時間は、10000件(5件×2000グループ)の通信データを解析及び実行するのに30秒程度(t=30秒)であるとする。
【0168】
さらに、この実施例6では、XMLデータを一旦受け取ってからデータ処理する実行時間を評価するものとする。また、XMLデータはそのまま変換しないで扱うものとし、データ解析時間とデータ検索時間との和を実行時間とする。
【0169】
この実施例6においては、上記の簡略化した実行時間評価式(3)を利用し、実行時間評価式(3)が成り立つか否かにより、実行時間が制限時間内となるか否かを評価する。
【0170】
ここでは、予め保存されているXMLデータをXMLパーサを用いて明細データとして取り出し、必要な項目をキーに集計処理を行って集計データを得ることを想定する。
【0171】
監視対象機器23から送信される通信データは1グループあたり5分程度で約5件(s=5件/台)程度である。ここでは2000グループの構成(m=2000グループ=20000台/10)を想定しているので、全てのグループから5分間に10000件の通信データが送信されることになる。
【0172】
そこで、上記実施例3と同様に、2つのパーサA、Bを用いて通信データを解析・検索する場合を考える。
【0173】
(a)パーサAを用いた場合
m×s×ds×dc(1/pv+1/sv)=2000(台)×5(件/台)×2.0K(byte)×1.0(1/111K(byte/秒)+1/416K(byte/秒))=約228秒
(b)パーサBを用いた場合
m×s×ds×dc(1/pv+1/sv)=2000(台)×5(件/台)×2.0K(byte)×1.0(1/1664K(byte/秒)+1/2377K(byte/秒))=約20秒
上記の結果から、パーサBを用いれば、制限時間30秒を満足することができると判断できる。
【0174】
以上説明したように、システム開発前にネットワークシステム22の実行時間を評価することができ、選定したインフラや利用するデータ表現形式を用いてシステム処理能力を判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0175】
【図1】本発明の実施の形態に係るネットワークシステム評価支援装置の構成例を示すブロック図。
【図2】本発明の実施の形態に係るネットワークシステム評価支援装置で利用される通信容量評価モデルを説明する図。
【図3】データ複雑度の決定方法を例示する図。
【図4】本発明の実施の形態に係るネットワークシステム評価支援装置で利用される実行時間評価モデルを説明する図。
【図5】本発明の実施の形態に係るネットワークシステム評価支援装置を利用したネットワークシステムの開発プロセスを例示するフロー図。
【図6】本発明の実施例1において評価する対象のネットワークシステムのシステム構成図。
【図7】本発明の実施例1における通信データのデータ構造を例示する図。
【図8】本発明の実施例3において監視システムで実行される処理を例示する図。
【図9】本発明の実施例4において評価する対象のネットワークシステムのシステム構成図。
【図10】本発明の実施例4における通信データのデータ構造を例示する図。
【図11】従来のネットワークシステムの構成例を示すブロック図。
【符号の説明】
【0176】
1、9、15、22…ネットワークシステム、2、6、17、23…送信装置、3、7、18、25…通信回線、4、8、16、24…受信装置、5…ネットワークシステム評価支援装置、10…通信容量評価モデル、11…実行時間評価モデル、12…入力部、13…演算処理部、14…出力部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークシステム評価支援装置により、受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援方法において、
前記ネットワークシステム評価支援装置が、前記送信装置の台数mと、前記送信装置から送信される通信データの1件あたりのデータ量dsと、前記通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、前記通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、前記通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と前記通信回線の通信容量cとを比較するために利用される前記通信容量評価式を記憶し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、前記ネットワークに関するm、ds、f、dc、cの値を入力し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、前記入力手段によって入力されたm、ds、f、dc、cの値と、前記ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている前記通信容量評価式に基づいて、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と前記通信回線の通信容量cとを比較し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、前記演算処理手段においてdc、m、ds、fに基づいて算出される値と前記通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する
ことを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項2】
請求項1記載のネットワークシステム評価支援方法において、
前記通信容量評価式では、前記通信回線の通信容量cとdc×m×ds/fとを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項3】
ネットワークシステム評価支援装置により、受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援方法において、
前記ネットワークシステム評価支援装置が、前記送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記送信装置毎の通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される前記送信装置毎のデータ複雑度dcと、前記通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、前記送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と前記通信回線の通信容量cとを比較するために利用される前記通信容量評価式を記憶し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、前記ネットワークに関するdc、ds、f、cの値を入力し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、前記入力手段によって入力されたdc、ds、f、cの値と、前記ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている前記通信容量評価式とに基づいて、前記送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と前記通信回線の通信容量cとを比較し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、前記演算処理手段において前記送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と前記通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する
ことを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項4】
請求項3記載のネットワークシステム評価支援方法において、
前記通信容量評価式では、前記通信回線の通信容量cと前記送信装置毎のdc×ds/fの合計とを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項5】
ネットワークシステム評価支援装置により、受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援方法において、
前記ネットワークシステム評価支援装置が、前記送信装置の台数mと、前記送信装置1台あたりの送信発生件数sと、前記送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、前記通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、前記ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値を入力し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、前記入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値と、前記ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている前記実行時間評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、前記演算処理手段においてm、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較した結果を出力する
ことを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項6】
請求項5記載のネットワークシステム評価支援方法において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tとm×s×ds(1/c+dc(1/pv+1/sv))とを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項7】
ネットワークシステム評価支援装置により、受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援方法において、
前記ネットワークシステム評価支援装置が、前記送信装置の台数mと、前記送信装置1台あたりの送信発生件数sと、前記送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、前記通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、前記送信装置におけるデータ変換速度edvaと、前記受信装置におけるデータ変換速度edvbと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、前記ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、前記入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、前記ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている前記実行時間評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、前記演算処理手段においてm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較した結果を出力する
ことを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項8】
請求項7記載のネットワークシステム評価支援方法において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tとm×s×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))とを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項9】
ネットワークシステム評価支援装置により、受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援方法において、
前記ネットワークシステム評価支援装置が、前記送信装置毎の送信発生件数sと、前記送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される前記送信装置毎のデータ複雑度dcと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、前記ネットワークに関するs、ds、c、dc、pv、sv、tの値を入力し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、前記入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、pv、sv、tの値と、前記ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている前記実行時間評価式とに基づいて、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、前記演算処理手段において前記送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較した結果を出力する
ことを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項10】
請求項9記載のネットワークシステム評価支援方法において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tと前記送信装置毎のs×ds(1/c+dc(1/pv+1/sv))の合計とを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項11】
ネットワークシステム評価支援装置により、受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援方法において、
前記ネットワークシステム評価装置が、前記送信装置毎の送信発生件数sと、前記送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される前記送信装置毎のデータ複雑度dcと、前記送信装置毎のデータ変換速度edvaと、前記受信装置におけるデータ変換速度edvbと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、前記ネットワークに関するs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、前記入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、前記ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている前記実行時間評価式とに基づいて、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、前記演算処理手段において前記送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較した結果を出力する
ことを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項12】
請求項11記載のネットワークシステム評価支援方法において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tと前記送信装置毎のs×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))の合計とを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項13】
受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援装置において、
前記送信装置の台数mと、前記送信装置から送信される通信データの1件あたりのデータ量dsと、前記通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、前記通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、前記通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と前記通信回線の通信容量cとを比較するために利用される前記通信容量評価式を記憶する機能と、
前記ネットワークに関するm、ds、f、dc、cの値を入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力されたm、ds、f、dc、cの値と、記憶されている前記通信容量評価式とに基づいて、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と前記通信回線の通信容量cとを比較する演算処理手段と、
前記演算処理手段においてdc、m、ds、fに基づいて算出される値と前記通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する出力手段と
を具備したことを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項14】
受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援装置において、
前記送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記送信装置毎の通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される前記送信装置毎のデータ複雑度dcと、前記通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、前記送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と前記通信回線の通信容量cとを比較するために利用される前記通信容量評価式を記憶する機能と、
前記ネットワークに関する前記送信装置毎のdc、ds、f、cの値を入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力されたdc、ds、f、cの値と、記憶されている前記通信容量評価式とに基づいて、前記送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と前記通信回線の通信容量cとを比較する演算処理手段と、
前記演算処理手段において前記送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と前記通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する出力手段と
を具備したことを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項15】
受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援装置において、
前記送信装置の台数mと、前記送信装置1台あたりの送信発生件数sと、前記送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、前記通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶する機能と、
前記ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値を入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値と、記憶されている前記通信容量評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較する演算処理手段と、
前記演算処理手段においてdc、m、ds、fに基づいて算出される値と前記通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する出力手段と
を具備したことを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項16】
受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援装置において、
前記送信装置の台数mと、前記送信装置1台あたりの送信発生件数sと、前記送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、前記通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、前記送信装置におけるデータ変換速度edvaと、前記受信装置におけるデータ変換速度edvbと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶する機能と、
前記ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、記憶されている前記実行時間評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較する演算処理手段と、
前記演算処理手段においてm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較した結果を出力する出力手段と
を具備したことを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項17】
受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援装置において、
前記送信装置毎の送信発生件数sと、前記送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される前記送信装置毎のデータ複雑度dcと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶する機能と、
前記ネットワークに関するs、ds、c、dc、pv、sv、tの値を入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、pv、sv、tの値と、記憶されている前記実行時間評価式とに基づいて、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較する演算処理手段と、
前記演算処理手段において前記送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較した結果を出力する出力手段と
を具備したことを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項18】
受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援装置において、
前記送信装置毎の送信発生件数sと、前記送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される前記送信装置毎のデータ複雑度dcと、前記送信装置毎のデータ変換速度edvaと、前記受信装置におけるデータ変換速度edvbと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶する機能と、
前記ネットワークに関するs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、記憶されている前記通信容量評価式とに基づいて、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較する演算処理手段と、
前記演算処理手段において前記送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較した結果を出力する出力手段と
を具備したことを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項19】
入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、
受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置の台数mと、前記送信装置から送信される通信データの1件あたりのデータ量dsと、前記通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、前記通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、前記通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と前記通信回線の通信容量cとを比較するために利用される前記通信容量評価式を記憶する機能、
前記入力手段により、前記ネットワークに関するm、ds、f、dc、cの値を入力する機能、
前記演算処理手段により、前記入力手段によって入力されたm、ds、f、dc、cの値と、前記記憶する機能によって記憶された前記通信容量評価式とに基づいて、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と前記通信回線の通信容量cとを比較する機能、
前記出力手段により、前記演算処理手段においてdc、m、ds、fに基づいて算出される値と前記通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する機能
を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項20】
入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、
受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記送信装置毎の通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される前記送信装置毎のデータ複雑度dcと、前記通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、前記送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と前記通信回線の通信容量cとを比較するために利用される前記通信容量評価式を記憶する機能、
前記入力手段により、前記ネットワークに関するdc、ds、f、cの値を入力する機能、
前記演算処理手段により、前記入力手段によって入力されたdc、ds、f、cの値と、前記記憶する機能によって記憶された前記通信評価式とに基づいて、前記送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と前記通信回線の通信容量cとを比較する機能、
前記出力手段により、前記演算処理手段において前記送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と前記通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する機能
を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項21】
入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、
受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置の台数mと、前記送信装置1台あたりの送信発生件数sと、前記送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、前記通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶する機能、
前記入力手段により、前記ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値を入力する機能、
前記演算処理手段により、前記入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値と、前記記憶する機能によって記憶された前記実行時間評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較する機能、
前記出力手段により、前記演算処理手段においてm、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較した結果を出力する機能
を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項22】
入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、
受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置の台数mと、前記送信装置1台あたりの送信発生件数sと、前記送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、前記通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、前記送信装置におけるデータ変換速度edvaと、前記受信装置におけるデータ変換速度edvbと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶する機能、
前記入力手段により、前記ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力する機能、
前記演算処理手段により、前記入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、前記記憶する機能によって記憶された前記実行時間評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較する機能、
前記出力手段により、前記演算処理手段においてm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較した結果を出力する機能
を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項23】
入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、
受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置毎の送信発生件数sと、前記送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される前記送信装置毎のデータ複雑度dcと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶する機能、
前記入力手段により、前記ネットワークに関するs、ds、c、dc、pv、sv、tの値を入力する機能、
前記演算処理手段により、前記入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、pv、sv、tの値と、前記記憶する機能によって記憶された前記実行時間評価式とに基づいて、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較する機能、
前記出力手段により、前記演算処理手段において前記送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較した結果を出力する機能
を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項24】
入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、
受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置毎の送信発生件数sと、前記送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される前記送信装置毎のデータ複雑度dcと、前記送信装置毎のデータ変換速度edvaと、前記受信装置におけるデータ変換速度edvbと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶する機能、
前記入力手段により、前記ネットワークに関するs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力する機能、
前記演算処理手段により、前記入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、前記記憶する機能によって記憶された前記通信容量評価式とに基づいて、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較する機能、
前記出力手段により、前記演算処理手段において前記送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較した結果を出力する機能
を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項25】
請求項13記載のネットワークシステム評価支援装置において、
前記通信容量評価式では、前記通信回線の通信容量cとdc×m×ds/fとを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項26】
請求項14記載のネットワークシステム評価支援装置において、
前記通信容量評価式では、前記通信回線の通信容量cと前記送信装置毎のdc×ds/fの合計とを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項27】
請求項15記載のネットワークシステム評価支援装置において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tとm×s×ds(1/c+dc(1/pv+1/sv))とを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項28】
請求項16記載のネットワークシステム評価支援装置において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tとm×s×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))とを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項29】
請求項17記載のネットワークシステム評価支援装置において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tと前記送信装置毎のs×ds(1/c+dc(1/pv+1/sv))の合計とを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項30】
請求項18記載のネットワークシステム評価支援装置において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tと前記送信装置毎のs×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))の合計とを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項31】
請求項19記載の記録媒体において、
前記通信容量評価式では、前記通信回線の通信容量cとdc×m×ds/fとを比較することを特徴とする記録媒体。
【請求項32】
請求項20記載の記録媒体において、
前記通信容量評価式では、前記通信回線の通信容量cと前記送信装置毎のdc×ds/fの合計とを比較することを特徴とする記録媒体。
【請求項33】
請求項21記載の記録媒体において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tとm×s×ds(1/c+dc(1/pv+1/sv))とを比較することを特徴とする記録媒体。
【請求項34】
請求項22記載の記録媒体において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tとm×s×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))とを比較することを特徴とする記録媒体。
【請求項35】
請求項23記載の記録媒体において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tと前記送信装置毎のs×ds(1/c+dc(1/pv+1/sv))の合計とを比較することを特徴とする記録媒体。
【請求項36】
請求項24記載の記録媒体において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tと前記送信装置毎のs×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))の合計とを比較することを特徴とする記録媒体。
【請求項1】
ネットワークシステム評価支援装置により、受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援方法において、
前記ネットワークシステム評価支援装置が、前記送信装置の台数mと、前記送信装置から送信される通信データの1件あたりのデータ量dsと、前記通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、前記通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、前記通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と前記通信回線の通信容量cとを比較するために利用される前記通信容量評価式を記憶し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、前記ネットワークに関するm、ds、f、dc、cの値を入力し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、前記入力手段によって入力されたm、ds、f、dc、cの値と、前記ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている前記通信容量評価式に基づいて、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と前記通信回線の通信容量cとを比較し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、前記演算処理手段においてdc、m、ds、fに基づいて算出される値と前記通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する
ことを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項2】
請求項1記載のネットワークシステム評価支援方法において、
前記通信容量評価式では、前記通信回線の通信容量cとdc×m×ds/fとを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項3】
ネットワークシステム評価支援装置により、受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援方法において、
前記ネットワークシステム評価支援装置が、前記送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記送信装置毎の通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される前記送信装置毎のデータ複雑度dcと、前記通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、前記送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と前記通信回線の通信容量cとを比較するために利用される前記通信容量評価式を記憶し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、前記ネットワークに関するdc、ds、f、cの値を入力し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、前記入力手段によって入力されたdc、ds、f、cの値と、前記ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている前記通信容量評価式とに基づいて、前記送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と前記通信回線の通信容量cとを比較し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、前記演算処理手段において前記送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と前記通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する
ことを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項4】
請求項3記載のネットワークシステム評価支援方法において、
前記通信容量評価式では、前記通信回線の通信容量cと前記送信装置毎のdc×ds/fの合計とを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項5】
ネットワークシステム評価支援装置により、受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援方法において、
前記ネットワークシステム評価支援装置が、前記送信装置の台数mと、前記送信装置1台あたりの送信発生件数sと、前記送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、前記通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、前記ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値を入力し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、前記入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値と、前記ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている前記実行時間評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、前記演算処理手段においてm、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較した結果を出力する
ことを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項6】
請求項5記載のネットワークシステム評価支援方法において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tとm×s×ds(1/c+dc(1/pv+1/sv))とを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項7】
ネットワークシステム評価支援装置により、受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援方法において、
前記ネットワークシステム評価支援装置が、前記送信装置の台数mと、前記送信装置1台あたりの送信発生件数sと、前記送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、前記通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、前記送信装置におけるデータ変換速度edvaと、前記受信装置におけるデータ変換速度edvbと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、前記ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、前記入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、前記ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている前記実行時間評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、前記演算処理手段においてm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較した結果を出力する
ことを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項8】
請求項7記載のネットワークシステム評価支援方法において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tとm×s×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))とを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項9】
ネットワークシステム評価支援装置により、受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援方法において、
前記ネットワークシステム評価支援装置が、前記送信装置毎の送信発生件数sと、前記送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される前記送信装置毎のデータ複雑度dcと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、前記ネットワークに関するs、ds、c、dc、pv、sv、tの値を入力し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、前記入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、pv、sv、tの値と、前記ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている前記実行時間評価式とに基づいて、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、前記演算処理手段において前記送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較した結果を出力する
ことを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項10】
請求項9記載のネットワークシステム評価支援方法において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tと前記送信装置毎のs×ds(1/c+dc(1/pv+1/sv))の合計とを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項11】
ネットワークシステム評価支援装置により、受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援方法において、
前記ネットワークシステム評価装置が、前記送信装置毎の送信発生件数sと、前記送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される前記送信装置毎のデータ複雑度dcと、前記送信装置毎のデータ変換速度edvaと、前記受信装置におけるデータ変換速度edvbと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の入力手段が、前記ネットワークに関するs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の演算処理手段が、前記入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、前記ネットワークシステム評価支援装置に記憶されている前記実行時間評価式とに基づいて、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較し、
前記ネットワークシステム評価支援装置の出力手段が、前記演算処理手段において前記送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較した結果を出力する
ことを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項12】
請求項11記載のネットワークシステム評価支援方法において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tと前記送信装置毎のs×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))の合計とを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援方法。
【請求項13】
受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援装置において、
前記送信装置の台数mと、前記送信装置から送信される通信データの1件あたりのデータ量dsと、前記通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、前記通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、前記通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と前記通信回線の通信容量cとを比較するために利用される前記通信容量評価式を記憶する機能と、
前記ネットワークに関するm、ds、f、dc、cの値を入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力されたm、ds、f、dc、cの値と、記憶されている前記通信容量評価式とに基づいて、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と前記通信回線の通信容量cとを比較する演算処理手段と、
前記演算処理手段においてdc、m、ds、fに基づいて算出される値と前記通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する出力手段と
を具備したことを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項14】
受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援装置において、
前記送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記送信装置毎の通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される前記送信装置毎のデータ複雑度dcと、前記通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、前記送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と前記通信回線の通信容量cとを比較するために利用される前記通信容量評価式を記憶する機能と、
前記ネットワークに関する前記送信装置毎のdc、ds、f、cの値を入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力されたdc、ds、f、cの値と、記憶されている前記通信容量評価式とに基づいて、前記送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と前記通信回線の通信容量cとを比較する演算処理手段と、
前記演算処理手段において前記送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と前記通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する出力手段と
を具備したことを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項15】
受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援装置において、
前記送信装置の台数mと、前記送信装置1台あたりの送信発生件数sと、前記送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、前記通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶する機能と、
前記ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値を入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値と、記憶されている前記通信容量評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較する演算処理手段と、
前記演算処理手段においてdc、m、ds、fに基づいて算出される値と前記通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する出力手段と
を具備したことを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項16】
受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援装置において、
前記送信装置の台数mと、前記送信装置1台あたりの送信発生件数sと、前記送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、前記通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、前記送信装置におけるデータ変換速度edvaと、前記受信装置におけるデータ変換速度edvbと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶する機能と、
前記ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、記憶されている前記実行時間評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較する演算処理手段と、
前記演算処理手段においてm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較した結果を出力する出力手段と
を具備したことを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項17】
受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援装置において、
前記送信装置毎の送信発生件数sと、前記送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される前記送信装置毎のデータ複雑度dcと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶する機能と、
前記ネットワークに関するs、ds、c、dc、pv、sv、tの値を入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、pv、sv、tの値と、記憶されている前記実行時間評価式とに基づいて、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較する演算処理手段と、
前記演算処理手段において前記送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較した結果を出力する出力手段と
を具備したことを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項18】
受信装置と少なくとも1台の送信装置とが通信回線を介して接続されているネットワークシステムに対する評価を支援するネットワークシステム評価支援装置において、
前記送信装置毎の送信発生件数sと、前記送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される前記送信装置毎のデータ複雑度dcと、前記送信装置毎のデータ変換速度edvaと、前記受信装置におけるデータ変換速度edvbと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶する機能と、
前記ネットワークに関するs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、記憶されている前記通信容量評価式とに基づいて、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較する演算処理手段と、
前記演算処理手段において前記送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較した結果を出力する出力手段と
を具備したことを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項19】
入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、
受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置の台数mと、前記送信装置から送信される通信データの1件あたりのデータ量dsと、前記通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、前記通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、前記通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と前記通信回線の通信容量cとを比較するために利用される前記通信容量評価式を記憶する機能、
前記入力手段により、前記ネットワークに関するm、ds、f、dc、cの値を入力する機能、
前記演算処理手段により、前記入力手段によって入力されたm、ds、f、dc、cの値と、前記記憶する機能によって記憶された前記通信容量評価式とに基づいて、dc、m、ds、fに基づいて算出される値と前記通信回線の通信容量cとを比較する機能、
前記出力手段により、前記演算処理手段においてdc、m、ds、fに基づいて算出される値と前記通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する機能
を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項20】
入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、
受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記送信装置毎の通信データの送信発生間隔である送信発生頻度fと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される前記送信装置毎のデータ複雑度dcと、前記通信回線の通信容量cとをパラメータとする通信容量評価式であって、前記送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と前記通信回線の通信容量cとを比較するために利用される前記通信容量評価式を記憶する機能、
前記入力手段により、前記ネットワークに関するdc、ds、f、cの値を入力する機能、
前記演算処理手段により、前記入力手段によって入力されたdc、ds、f、cの値と、前記記憶する機能によって記憶された前記通信評価式とに基づいて、前記送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と前記通信回線の通信容量cとを比較する機能、
前記出力手段により、前記演算処理手段において前記送信装置毎のdc、ds、fに基づいて算出される値の合計と前記通信回線の通信容量cとを比較した結果を出力する機能
を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項21】
入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、
受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置の台数mと、前記送信装置1台あたりの送信発生件数sと、前記送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、前記通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶する機能、
前記入力手段により、前記ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値を入力する機能、
前記演算処理手段により、前記入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、pv、sv 、tの値と、前記記憶する機能によって記憶された前記実行時間評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較する機能、
前記出力手段により、前記演算処理手段においてm、s、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較した結果を出力する機能
を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項22】
入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、
受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置の台数mと、前記送信装置1台あたりの送信発生件数sと、前記送信装置から送信される通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、前記通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定されるデータ複雑度dcと、前記送信装置におけるデータ変換速度edvaと、前記受信装置におけるデータ変換速度edvbと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶する機能、
前記入力手段により、前記ネットワークに関するm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力する機能、
前記演算処理手段により、前記入力手段によって入力されたm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、前記記憶する機能によって記憶された前記実行時間評価式とに基づいて、m、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較する機能、
前記出力手段により、前記演算処理手段においてm、s、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値と前記制限時間tとを比較した結果を出力する機能
を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項23】
入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、
受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置毎の送信発生件数sと、前記送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される前記送信装置毎のデータ複雑度dcと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶する機能、
前記入力手段により、前記ネットワークに関するs、ds、c、dc、pv、sv、tの値を入力する機能、
前記演算処理手段により、前記入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、pv、sv、tの値と、前記記憶する機能によって記憶された前記実行時間評価式とに基づいて、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較する機能、
前記出力手段により、前記演算処理手段において前記送信装置毎のs、ds、c、dc、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較した結果を出力する機能
を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項24】
入力手段と演算処理手段と出力手段とを具備するネットワークシステム評価支援装置に、
受信装置と通信回線を介して接続されている送信装置毎の送信発生件数sと、前記送信装置毎の通信データ1件あたりのデータ量dsと、前記通信回線の通信容量cと、通信データのデータ構造の複雑さとデータ表現形式とのうち少なくとも一方に基づいて決定される前記送信装置毎のデータ複雑度dcと、前記送信装置毎のデータ変換速度edvaと、前記受信装置におけるデータ変換速度edvbと、前記受信装置におけるデータ解析速度pvと、前記受信装置が前記通信データを解析した後に実行する処理のデータ処理速度svと、前記通信データが発生してから前記受信装置で前記通信データが解析された後に実行される処理が終了するまでの制限時間tとをパラメータとする実行時間評価式であって、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較するために利用される前記実行時間評価式を記憶する機能、
前記入力手段により、前記ネットワークに関するs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tの値を入力する機能、
前記演算処理手段により、前記入力手段によって入力されたs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、sv、tと、前記記憶する機能によって記憶された前記通信容量評価式とに基づいて、前記送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較する機能、
前記出力手段により、前記演算処理手段において前記送信装置毎のs、ds、c、dc、edva、edvb、pv、svに基づいて算出される値の合計と前記制限時間tとを比較した結果を出力する機能
を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項25】
請求項13記載のネットワークシステム評価支援装置において、
前記通信容量評価式では、前記通信回線の通信容量cとdc×m×ds/fとを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項26】
請求項14記載のネットワークシステム評価支援装置において、
前記通信容量評価式では、前記通信回線の通信容量cと前記送信装置毎のdc×ds/fの合計とを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項27】
請求項15記載のネットワークシステム評価支援装置において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tとm×s×ds(1/c+dc(1/pv+1/sv))とを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項28】
請求項16記載のネットワークシステム評価支援装置において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tとm×s×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))とを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項29】
請求項17記載のネットワークシステム評価支援装置において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tと前記送信装置毎のs×ds(1/c+dc(1/pv+1/sv))の合計とを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項30】
請求項18記載のネットワークシステム評価支援装置において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tと前記送信装置毎のs×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))の合計とを比較することを特徴とするネットワークシステム評価支援装置。
【請求項31】
請求項19記載の記録媒体において、
前記通信容量評価式では、前記通信回線の通信容量cとdc×m×ds/fとを比較することを特徴とする記録媒体。
【請求項32】
請求項20記載の記録媒体において、
前記通信容量評価式では、前記通信回線の通信容量cと前記送信装置毎のdc×ds/fの合計とを比較することを特徴とする記録媒体。
【請求項33】
請求項21記載の記録媒体において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tとm×s×ds(1/c+dc(1/pv+1/sv))とを比較することを特徴とする記録媒体。
【請求項34】
請求項22記載の記録媒体において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tとm×s×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))とを比較することを特徴とする記録媒体。
【請求項35】
請求項23記載の記録媒体において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tと前記送信装置毎のs×ds(1/c+dc(1/pv+1/sv))の合計とを比較することを特徴とする記録媒体。
【請求項36】
請求項24記載の記録媒体において、
前記実行時間評価式では、前記制限時間tと前記送信装置毎のs×ds(1/c+dc(1/edva+1/edvb+1/pv+1/sv))の合計とを比較することを特徴とする記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−87137(P2006−87137A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−305901(P2005−305901)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【分割の表示】特願2000−259110(P2000−259110)の分割
【原出願日】平成12年8月29日(2000.8.29)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【分割の表示】特願2000−259110(P2000−259110)の分割
【原出願日】平成12年8月29日(2000.8.29)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】
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