説明

ネットワークシステム

【課題】勝ち抜き方式を採用した対戦ゲームシステムをオンライン化した場合に、店舗間においてプレーヤの操作技量の差によって生じる受領額の影響度を簡易に知ることが可能なネットワークシステムを提供する。
【解決手段】ネットワークグループ毎に、異なるネットワークグループ間で行われた対戦ゲームの回数を第1のカウント値としてカウントすると共に、異なるネットワークグループ間で行われた対戦ゲームの対価の受け付け回数を第2のカウント値としてカウントし、第1、第2のカウント値に基づきネットワークグループそれぞれに分配する金額の割合である分配率を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プレーヤが、オブジェクト空間のプレーヤキャラクタを操作して、相手プレーヤが操作する相手プレーヤキャラクタと対戦する対戦ゲームを行うゲームシステムが存在する。特に、格闘ゲームシステムは、現実世界の格闘技をリアルに仮想体験できるために人気が高い(例えば、特許文献1)。
【0003】
このような、格闘ゲームシステムでは、対価を受け付けて対戦ゲームを行わせ、対戦ゲームに勝利したプレーヤは継続して対戦ゲームを行わせる勝ち抜き方式を採用している。勝ち抜き方式は、操作技量の高いプレーヤは対戦相手さえいれば初回のプレイ料金で長く遊ぶことができるメリットがあるので、プレーヤに満足感を与えることができた。さらに、連勝しているプレーヤに対して、挑戦するプレーヤが参加することも多く店の稼働率を上げ、その結果、店の利益にも繋がっていた。
【0004】
また、従来の格闘ゲームシステムは図1に示すように、各プレーヤ用のコントローラから出力される入力情報(入力信号)に基づいて1つのゲーム基板がゲーム演算を行い、ゲーム演算によって生成される同一の画像を各プレーヤ用のモニタに出力させる処理を行うオフライン方式によるゲームシステムを採用していた。
【特許文献1】特開2001−046742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では、各店舗の複数のゲーム装置を通信回線により接続してゲームを行わせるオンラインゲームが人気があり、勝ち抜き方式を採用する対戦ゲームシステムにおいても、オンライン化を図ることが期待されている。しかし、対戦ゲームシステムにおいても、オンライン化を図ると、操作技量の高いプレーヤが多くいる店舗では、売り上げが低下する恐れがあるという問題を発見した。
【0006】
より詳しく説明するために、まず、図2を用いて従来のオフラインの対戦ゲームシステムにおける店舗Aの売上げについて説明する。
【0007】
図2に示す例では、対戦ゲームの対価(ゲームプレイ料金)を100円に設定したと仮定した場合に、店舗Aにおいて、プレーヤAとプレーヤBとが10回の対戦ゲームプレイを行われ、プレーヤAが10連勝した場合には、プレーヤAは初回の対戦ゲームの対価である100円を店舗Aに支払うことになり、10連敗しているプレーヤBは、10回分の対戦ゲームの対価合計1000円を店舗Aに支払うことになる。つまり、A、Bの支払った合計額1100円が、店舗Aの受領した合計額となる。
【0008】
しかし、オンラインの勝ち抜き方式を採用する場合には、店舗間において受領する額に差が生じることになる。図3を用いて説明すると、例えば、対戦ゲームの対価(ゲームプレイ料金)を100円に設定したと仮定した場合に、店舗Aにおいて、プレーヤAとプレーヤBとが10回の対戦ゲームプレイを行われると、プレーヤAは、10連勝しているので初回の対戦ゲームの対価である100円を店舗Aに支払うことになり、10連敗しているプレーヤBは、10回分の対戦ゲームの対価合計1000円を店舗Bに支払うことになる。つまり、A、Bの支払った合計額1100円であるが、店舗Aの受領額は100円、店舗Bの受領額は1000円となり、受領額に差が生じてしまう。
【0009】
このように、勝ち抜き方式を採用するオンライン対戦ゲームシステムでは、同じゲーム環境を提供しているにもかかわらず、プレーヤの操作技量の差によって、店舗間において売り上げに差が生じてしまう。
【0010】
仮に、オンライン化を図るにあたって、勝ち抜き方式の対戦ゲームシステムを採用せずに、勝者も敗者もゲームが終了するとゲームオーバーにする方式に変更することも考えられる。しかし、これまでの勝ち抜き方式でゲームに満足していたプレーヤのゲーム意欲が大きく減退する恐れがある。
【0011】
本発明は、以上の課題に鑑みたものであり、勝ち抜き方式を採用した対戦ゲームシステムをオンライン化した場合に、店舗の損害を補填するための指標となる分配率を簡易に算出可能なネットワークシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明は、
プレーヤから対価を受け付けて対戦ゲームを行わせる1又は複数のゲーム装置によって構成されるネットワークグループが複数存在し、各ネットワークグループを構成する前記1又は複数のゲーム装置とサーバとが通信回線で接続されるネットワークシステムであって、
対戦ゲームに勝利したプレーヤから対価を受け付けることなく継続して対戦ゲームを行わせるゲーム処理部と、
ネットワークグループ毎に、異なるネットワークグループ間で行われた対戦ゲームの回数を第1のカウント値としてカウントすると共に、異なるネットワークグループ間で行われた対戦ゲームの対価の受け付け回数を第2のカウント値としてカウントする処理を行うカウント処理部と、
ネットワークグループそれぞれから徴収する徴収額を記憶する記憶部と、
ネットワークグループ毎に第1のカウント値から第2のカウント値を減算した値を算出し、ネットワークグループ毎に算出された値に基づいて、ネットワークグループそれぞれの徴収額の合計額に対するネットワークグループそれぞれに分配する金額の割合である分配率を算出する算出部とを含むことを特徴とするネットワークシステムに関する。
【0013】
勝ち抜き方式のオンラインゲームを採用した場合に、各ネットワークグループの損額を補填するための指標となる分配率を簡易に算出できる。
【0014】
(2)また、本発明のネットワークシステムは、
前記算出部が、
ネットワークグループ毎に算出された値の合計値を求め、ネットワークグループにおいて算出された値を当該合計値で割ることによって、当該ネットワークグループの前記分配率を算出するようにしてもよい。
【0015】
(3)また、本発明のネットワークシステムは、
前記算出部が、
所定期間においてカウントされた第1のカウント値から当該所定期間においてカウントされた第2のカウント値を減算した算出値に基づいて、前記分配率を算出するようにしてもよい。
【0016】
(4)また、本発明のネットワークシステムは、
前記記憶部が、
ネットワークグループのゲーム装置が受け付けた対価の一部又は全額を、当該ネットワークグループから徴収する徴収額として記憶するようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0018】
1.ネットワークシステム
図4に本実施形態のネットワークシステムが備えるゲーム装置と、店サーバ、管理サーバの構成例を示す。
【0019】
本実施形態では、複数の店舗それぞれに、対戦ゲームを行わせる1又は複数のゲーム装置が設定され、店舗毎に店サーバを設置し、店舗内の店サーバと1又は複数のゲーム装置それぞれとが接続されている。また、店舗毎に設置された店サーバは、ネットワークを介して管理サーバと接続される。
【0020】
2.構成
(1)ゲーム装置の構成
図5に本実施形態のネットワークシステムが備えるゲーム装置の機能ブロック図を示す。なお本実施形態のゲーム装置は図5の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0021】
入力部150は、操作部160と、コイン投入部161、電子マネー制御部162とを備える。
【0022】
操作部(コントローラ)160は、プレーヤがオブジェクト(キャラクタ、移動体等)の操作データを入力するためのものであり、その機能は、レバー、ボタン、ステアリング、マイク、タッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。
【0023】
また、操作部160は、加速度センサや撮像部、或いは角速度を検出するジャイロセンサを備えた入力機器によってプレーヤからの入力情報(操作情報)を入力できるものでもよい。例えば、入力機器は、プレーヤが把持して動かすものであってもよいし、プレーヤが身につけて動かすものであってもよい。また、入力機器には、プレーヤが把持する刀型コントローラや銃型コントローラ、あるいはプレーヤが身につける(プレーヤが手に装着する)グローブ型コントローラなど実際の道具を模して作られたコントローラも含まれる。また入力機器には、入力機器と一体化されているゲーム装置、携帯型ゲーム装置、携帯電話なども含まれる。
【0024】
例えば、入力機器に加速度センサが備えられている場合には、3軸(X軸、Y軸、Z軸)の加速度を検出する。すなわち、加速度センサは、上下方向、左右方向、及び、前後方向の加速度を検出することができる。なお、加速度センサは、5msec毎に加速度を検出している。また、加速度センサは、1軸、2軸、6軸の加速度を検出するものであってもよい。また、入力機器に備えられた加速度センサによって検出された加速度(例えば、重力加速度)に基づいて、入力機器の傾き(傾きの方向、大きさ)を求めてもよい。なお、加速度センサから検出された加速度は、入力機器の通信部によってゲーム装置(本体装置)に送信される。
【0025】
また、入力機器に撮像部、赤外線フィルタ、レンズ、撮像素子(イメージセンサ)、画像処理回路を含む場合には次のように処理を行う。例えば、赤外線フィルタは、入力装置の前方に配置され、表示部190に関連付けられて配置されている光源から入射する光から赤外線のみを通過させる。レンズは、赤外線フィルタを透過した赤外線を集光して撮像素子へ出射する。撮像素子は、例えば、CMOSセンサやCCDのような固体撮像素子であり、レンズが集光した赤外線を撮像して撮像画像を生成する。撮像素子で生成された撮像画像は、画像処理回路で処理される。例えば、撮像素子から得られた撮像画像を処理して高輝度部分を検知し、撮像画像における光源の位置情報(特定位置)を検出する。なお、光源が複数存在する場合には、撮像画像上の位置情報を複数検出する。また、複数の光源を利用して撮像画像上の位置情報を複数検出し、検出された位置情報の基準軸からの回転角度(傾き)を求め、光源に対する入力機器自体の傾きを求めてもよい。なお、検出した撮像画像上の位置情報は、通信部によって、本体装置に送信される。
【0026】
コイン投入部161は、操作部160に対応づけて設置されたコイン投入口からコイン(お金、メダル)の投入を検出する処理を行う(検出信号を発生させる処理を行う)。また、プレーヤからのコイン返還の要求を受け付けると、コインを返還する処理を行う。
【0027】
電子マネー制御部162は、操作部160に対応づけて設置された、カード読み取り装置が、プリペイド方式のカード、クレジット方式のカードに記録されている情報を読み取り、現金を使用せずに、ゲームの対価を受け付ける処理を行うものである。また、プレーヤからの返還の要求を受け付けると、受け付けた対価を無効にする処理を行う。
【0028】
モニタ(表示部)190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などにより実現できる。
【0029】
音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0030】
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などにより実現できる。なお、本実施形態の記憶部170は、プレーヤの識別情報に対応づけてプレーヤの技量情報を記憶する処理を行う。
【0031】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶することができる。
【0032】
通信部196は外部(例えば他のゲーム装置)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0033】
なお、サーバが有する情報記憶媒体や記憶部に記憶されている本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムやデータを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを情報記憶媒体180や記憶部170に記憶してもよい。このようにプログラムやデータを受信してゲーム装置を機能させる場合も本発明の範囲内に含む。
【0034】
処理部100(プロセッサ)は、入力部150からの入力情報(操作データ)やプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などの処理を行う。
【0035】
この処理部100は記憶部170内の主記憶部172をワーク領域として各種処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0036】
処理部100は、ゲーム処理部111、通信制御部112、ネットワーク設定部113、エントリー受け付け部114、表示制御部115、描画部120、音生成部130を含む。なおこれらの一部を省略する構成としてもよい。
【0037】
ゲーム処理部111は、種々のゲーム演算処理を行う。例えば、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始させる処理、ゲームを進行させる処理、ゲームの勝敗判定を行う処理、ゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などを行う。
【0038】
また、ゲーム処理部111は、対戦ゲームに勝利したプレーヤから対価を受け付けることなく継続して対戦ゲームを行わせる処理を行う。
【0039】
ゲーム処理部111は、オブジェクト空間配置部、移動・動作処理部、仮想カメラ制御部を含む。
【0040】
オブジェクト空間配置部は、キャラクタ、建物、球場、車、樹木、柱、壁、マップ(地形)などの表示物を表す各種オブジェクト(ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェスなどのプリミティブで構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間に配置設定する処理を行う。例えば、ワールド座標系でのオブジェクトの位置や回転角度(向き、方向と同義であり、例えば、ワールド座標系でのX、Y、Z軸の各軸の正方向からみて時計回りに回る場合における回転角度)を決定し、その位置(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でオブジェクトを配置する。
【0041】
移動・動作処理部は、オブジェクトの移動・動作演算を行う。すなわち操作部160によりプレーヤが入力した入力情報(操作データ)や、プログラム(移動・動作アルゴリズム)や、各種データ(モーションデータ)などに基づいて、オブジェクトをオブジェクト空間内で移動させたり、オブジェクトを動作(モーション、アニメーション)させたりする処理を行う。具体的には、オブジェクトの移動情報(位置、回転角度、速度、或いは加速度)や動作情報(オブジェクトを構成する各パーツの位置、或いは回転角度)を、1フレーム(1/60秒)毎に順次求める処理を行う。なおフレームは、オブジェクトの移動・動作処理や画像生成処理を行う時間の単位である。
【0042】
仮想カメラ制御部は、オブジェクト空間内の所与(任意)の視点から見える画像を生成するための仮想カメラ(視点)の制御処理を行う。具体的には、ワールド座標系における仮想カメラの位置(X、Y、Z)又は回転角度(例えば、X、Y、Z軸の各軸の正方向からみて時計回りに回る場合における回転角度)を制御する処理を行う。要するに、視点位置、視線方向、画角を制御する処理を行う。
【0043】
つまり、本実施形態の仮想カメラ制御部は、プレーヤからの入力情報に基づき、軸回りに仮想カメラを移動させると共に、仮想カメラの向きを制御するようにしてもよい。
【0044】
また、仮想カメラ制御部は、仮想カメラを、予め決められた回転角度で回転させてもよい。この場合には、仮想カメラの位置又は回転角度を特定するための仮想カメラデータに基づいて仮想カメラを制御する。なお、仮想カメラ(視点)が複数存在する場合には、それぞれの仮想カメラについて上記の制御処理が行われる。
【0045】
通信制御部112は、他のゲーム装置、店サーバ、管理サーバに送信するパケットを生成する処理、パケット送信先のゲーム装置のIPアドレスやポート番号を指定する処理、受信したパケットに含まれるデータを記憶部170に保存する処理、受信したパケットを解析する処理、その他のパケットの送受信に関する制御処理等を行う。
【0046】
パケットとは、ネットワークを介して通信する固まりであり、送信元IPアドレス、送信先IPアドレスを含むネットワークに必要なヘッダーと、送信元において書き込まれたデータがペイロードとからなるデータのことをいう。
【0047】
本実施形態の通信制御部112は、画像を描画するフレームレートに応じてパケットを生成し、他のゲーム装置に生成したパケットを送信する処理を行う。具体的に説明すると、例えば、フレームレートが60fpsである場合には、1/60秒毎に、パケットのヘッダーの送信先IPアドレスと送信先ポート番号に、他のゲーム装置のIPアドレスと使用するポート番号指定し、ヘッダーの送信元のIPアドレスと送信元ポート番号に、自ゲーム装置のIPアドレスと使用するポート番号を指定して、ゲームデータを含むデータをパケットのペイロードに入力し、生成したパケットを他のゲーム装置に送信する処理を行う。
【0048】
ここで、ゲームデータとは、プレーヤからの入力情報、プレーヤキャラクタの移動情報などである。
【0049】
また、本実施形態の通信制御部112は、他のゲーム装置から送信されたパケットを受信する処理を行う。そして、受信したパケットを解析し、パケットのペイロードに含まれるゲームデータを取得する。
【0050】
また本実施形態の通信制御部112は、複数のゲーム装置間のゲームプレイが終了するまで、ゲームデータを互いに送受信する処理を行うことができる。
【0051】
ネットワーク設定部113は、ネットワークシステムで必要となるネットワーク情報を取得し、管理する処理等を行う。特に、本実施形態のネットワーク設定部113は、各ゲーム装置に個別に付与されるゲーム装置識別情報(オンラインゲームに参加できるゲーム装置を識別するために個別に付与されたデータ)と、ゲーム装置識別情報に対応付けられたパケットの送信先を指定する宛先情報とを取得し、管理する処理を行う。
【0052】
また、宛先情報とは、ネットワークシステムを構成する各ゲーム装置のIPアドレス、ポート番号とすることができる。IPアドレスは、インターネット上もしくはWANで特定のゲーム装置を特定するためのグローバルIPアドレスとしてもよいし、LANで特定のゲーム装置を特定するためのプライベートIPアドレスとしてもよい。
【0053】
エントリー受け付け部114は、入力部の入力情報に基づいて、プレーヤのエントリーを受け付ける処理を行う。
【0054】
具体的には、エントリー受け付け部114は、コイン投入部161によって所定枚数のコインの投入が検出された場合に、プレーヤからのスタートボタンの入力情報に基づいて、プレーヤからのエントリーを受け付ける処理を行う。なお、コイン投入部161によって所定枚数のコインの投入が検出された場合にプレーヤのエントリーを受け付ける処理を行ってもよい。
【0055】
また、エントリー受け付け部114は、電子マネー制御部162において、対価を受け付けた場合に、プレーヤからのスタートボタンの入力情報に基づいて、プレーヤからのエントリーを受け付ける処理を行う。なお、電子マネー制御部162によって対価を受け付けた場合に、プレーヤのエントリーを受け付ける処理を行ってもよい。
【0056】
エントリー受け付け部114は、エントリーを受け付ける際にマッチング要求を受け付け、マッチング要求を受け付けた場合に、第1のプレーヤと第2のプレーヤとをマッチングさせる処理を行う。かかる場合には、エントリーを受け付ける際にプレーヤの識別情報を受け付け、マッチング要求を受け付けた場合に、プレーヤの識別情報に対応する技量情報に基づいて、第1のプレーヤと第2のプレーヤとをマッチングさせる処理を行う。
【0057】
表示制御部115は、種々のデータ、例えばゲーム演算結果(勝敗結果)を表示させる制御を行う。また、モードの選択画面を表示させる処理や、マッチング要求可能なプレーヤの情報(プレーヤ名、レベル、ゲーム成績など)を表示させる処理などを行う。
【0058】
描画部120は、処理部100で行われる種々の処理(ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部190に出力する。いわゆる3次元ゲーム画像を生成する場合には、まずオブジェクト(モデル)の各頂点の頂点データ(頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)を含むオブジェクトデータ(モデルデータ)が入力され、入力されたオブジェクトデータに含まれる頂点データに基づいて、頂点処理(頂点シェーダによるシェーディング)が行われる。なお頂点処理を行うに際して、必要に応じてポリゴンを再分割するための頂点生成処理(テッセレーション、曲面分割、ポリゴン分割)を行うようにしてもよい。
【0059】
頂点処理では、頂点処理プログラム(頂点シェーダプログラム、第1のシェーダプログラム)に従って、頂点の移動処理や、座標変換、例えばワールド座標変換、視野変換(カメラ座標変換)、クリッピング処理、透視変換(投影変換)、ビューポート変換等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、オブジェクトを構成する頂点群について与えられた頂点データを変更(更新、調整)する。
【0060】
そして、頂点処理後の頂点データに基づいてラスタライズ(走査変換)が行われ、ポリゴン(プリミティブ)の面とピクセルとが対応づけられる。そしてラスタライズに続いて、画像を構成するピクセル(表示画面を構成するフラグメント)を描画するピクセル処理(ピクセルシェーダによるシェーディング、フラグメント処理)が行われる。ピクセル処理では、ピクセル処理プログラム(ピクセルシェーダプログラム、第2のシェーダプログラム)に従って、テクスチャの読出し(テクスチャマッピング)、色データの設定/変更、半透明合成、アンチエイリアス等の各種処理を行って、画像を構成するピクセルの最終的な描画色を決定し、透視変換されたオブジェクトの描画色を描画バッファ174(ピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ。VRAM、レンダリングターゲット)に出力(描画)する。すなわち、ピクセル処理では、画像情報(色、法線、輝度、α値等)をピクセル単位で設定あるいは変更するパーピクセル処理を行う。これにより、オブジェクト空間内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成される。なお、仮想カメラ(視点)が複数存在する場合には、それぞれの仮想カメラから見える画像を分割画像として1画面に表示できるように画像を生成することができる。
【0061】
なお頂点処理やピクセル処理は、シェーディング言語によって記述されたシェーダプログラムによって、ポリゴン(プリミティブ)の描画処理をプログラム可能にするハードウェア、いわゆるプログラマブルシェーダ(頂点シェーダやピクセルシェーダ)により実現される。プログラマブルシェーダでは、頂点単位の処理やピクセル単位の処理がプログラム可能になることで描画処理内容の自由度が高く、従来のハードウェアによる固定的な描画処理に比べて表現力を大幅に向上させることができる。
【0062】
そして描画部120は、オブジェクトを描画する際に、ジオメトリ処理、テクスチャマッピング、隠面消去処理、αブレンディング等を行う。
【0063】
ジオメトリ処理では、オブジェクトに対して、座標変換、クリッピング処理、透視投影変換、或いは光源計算等の処理が行われる。そして、ジオメトリ処理後(透視投影変換後)のオブジェクトデータ(オブジェクトの頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ(輝度データ)、法線ベクトル、或いはα値等)は、オブジェクトデータ記憶部176に保存される。
【0064】
テクスチャマッピングは、記憶部170のテクスチャ記憶部178に記憶されるテクスチャ(テクセル値)をオブジェクトにマッピングするための処理である。具体的には、オブジェクトの頂点に設定(付与)されるテクスチャ座標等を用いて記憶部170のテクスチャ記憶部178からテクスチャ(色(RGB)、α値などの表面プロパティ)を読み出す。そして、2次元の画像であるテクスチャをオブジェクトにマッピングする。この場合に、ピクセルとテクセルとを対応づける処理や、テクセルの補間としてバイリニア補間などを行う。
【0065】
隠面消去処理としては、描画ピクセルのZ値(奥行き情報)が格納されるZバッファ179(奥行きバッファ)を用いたZバッファ法(奥行き比較法、Zテスト)による隠面消去処理を行うことができる。すなわちオブジェクトのプリミティブに対応する描画ピクセルを描画する際に、Zバッファ179に格納されるZ値を参照する。そして参照されたZバッファ179のZ値と、プリミティブの描画ピクセルでのZ値とを比較し、描画ピクセルでのZ値が、仮想カメラから見て手前側となるZ値(例えば小さなZ値)である場合には、その描画ピクセルの描画処理を行うとともにZバッファ179のZ値を新たなZ値に更新する。
【0066】
αブレンディング(α合成)は、α値(A値)に基づく半透明合成処理(通常αブレンディング、加算αブレンディング又は減算αブレンディング等)のことである。
【0067】
なお、α値は、各ピクセル(テクセル、ドット)に関連づけて記憶できる情報であり、例えば色情報以外のプラスアルファの情報である。α値は、マスク情報、半透明度(透明度、不透明度と等価)、バンプ情報などとして使用できる。
【0068】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192(192A、192B)に出力する。
【0069】
(2)店サーバの構成
図6に本実施形態の店サーバの機能ブロック図を示す。なお本実施形態の店サーバは図6の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0070】
記憶部270は、処理部200や通信部296などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などにより実現できる。
【0071】
情報記憶媒体280(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。
【0072】
処理部200は、情報記憶媒体280に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。情報記憶媒体280には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶することができる。
【0073】
通信部296は外部(例えば他のゲーム装置、管理サーバ)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0074】
処理部200(プロセッサ)は、記憶部270内の主記憶部272をワーク領域として各種処理を行う。処理部200の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0075】
処理部200は、通信制御部210、ネットワーク設定部212、マッチング処理部214、算出部215を含む。なおこれらの一部を省略する構成としてもよい。
【0076】
通信制御部210は、ゲーム装置、管理サーバに送信するパケットを生成する処理、パケット送信先のIPアドレスやポート番号を指定する処理、受信したパケットに含まれるデータを記憶部270に保存する処理、受信したパケットを解析する処理、その他のパケットの送受信に関する制御処理等を行う。
【0077】
本実施形態の通信制御部210は、ゲーム装置が受け付けた対価情報を受信する処理を行う。また、管理サーバに店サーバが管理する店舗の徴収額データを送信する処理を行う。また、管理サーバが算出した分配率データ、分配額データ等を受信する処理を行う。
【0078】
ネットワーク設定部212、ネットワーク情報を取得し、管理する処理等を行う。特に、本実施形態のネットワーク設定部212は、店舗内のゲーム装置毎に付与されるゲーム装置識別情報(ゲーム装置を識別するために個別に付与されたデータ)と、ゲーム装置識別情報に対応付けられたパケットの送信先を指定する宛先情報とを取得し、管理する処理を行う。
【0079】
マッチング処理部214は、店舗内において、エントリーしたプレーヤの中から対戦するプレーヤ同士をマッチングさせる処理を行う。
【0080】
算出部215は、店舗内のゲーム装置から受信した対価情報に基づいて、店舗内での対価の総額を算出する処理を行う。また、店サーバが、管理サーバに送信する徴収額を算出する処理を行う。
【0081】
(3)管理サーバの構成
図7に本実施形態の管理サーバの機能ブロック図を示す。なお本実施形態の管理サーバは図7の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0082】
記憶部370は、処理部300や通信部396などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などにより実現できる。また、記憶部370に、カウントデータ374、各店舗(各ネットワークグループ)の店サーバから受信した徴収額データ376を記憶する。店舗(ネットワークグループ)のゲーム装置が受け付けた対価の一部又は全額のデータを、店舗から徴収する徴収額データ376として記憶してもよい。また算出部が算出した分配率378を記憶してもよい。
【0083】
情報記憶媒体380(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。
【0084】
処理部300は、情報記憶媒体380に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。情報記憶媒体380には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶することができる。
【0085】
通信部396は外部(例えば他のゲーム装置、各店舗の店サーバ)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0086】
処理部300(プロセッサ)は、記憶部370内の主記憶部372をワーク領域として各種処理を行う。処理部300の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0087】
処理部300は、通信制御部310、ネットワーク設定部312を含む。なおこれらの一部を省略する構成としてもよい。
【0088】
通信制御部310は、各店舗の1又は複数のゲーム装置、各店舗の店サーバに送信するパケットを生成する処理、パケット送信先のIPアドレスやポート番号を指定する処理、受信したパケットに含まれるデータを記憶部370に保存する処理、受信したパケットを解析する処理、その他のパケットの送受信に関する制御処理等を行う。
【0089】
ネットワーク設定部312、ネットワークシステムで必要となるネットワーク情報を取得し、送信する処理等を行う。特に、本実施形態のネットワーク設定部312は、店舗内のゲーム装置毎に付与されるゲーム装置識別情報と、ゲーム装置識別情報に対応付けられたパケットの送信先を指定する宛先情報とを取得する処理を行う。また、ネットワーク設定部312は、店舗識別情報(店舗を識別する店舗ID)と、店舗識別情報に対応付けられたパケットの送信先を指定する宛先情報とを取得する処理等を行う。
【0090】
カウント処理部314は、ネットワークグループ毎に、異なるネットワークグループ間で行われた対戦ゲームの回数を第1のカウント値としてカウントすると共に、異なるネットワークグループ間で行われた対戦ゲームの対価の受け付け回数を第2のカウント値としてカウントする処理を行う。
【0091】
算出部316は、ネットワークグループ毎に第1のカウント値から第2のカウント値を減算した値を算出し、ネットワークグループ毎に算出された値に基づいて、ネットワークグループそれぞれの徴収額の合計額に対するネットワークグループそれぞれに分配する金額の割合である分配率を算出する。
【0092】
算出部316は、ネットワークグループ毎に算出された値の合計値を求め、ネットワークグループにおいて算出された値を当該合計値で割ることによって、当該ネットワークグループの前記分配率を算出する。
【0093】
算出部316は、所定期間においてカウントされた第1のカウント値から当該所定期間においてカウントされた第2のカウント値を減算した算出値に基づいて、前記分配率を算出する。
【0094】
3.本実施形態の手法
(1)概要
本実施形態のネットワークシステムは、プレーヤから対価を受け付けて対戦ゲームを行わせる1又は複数のゲーム装置によって構成される店舗(ネットワークグループ)が複数存在し、各店舗に設定された1又は複数のゲーム装置と管理サーバとが通信回線で接続されるネットワークシステムである。
【0095】
つまり、本実施形態のネットワークシステムは、図4に示すように、異なる店舗間において、プレーヤ同士がオンライン対戦ゲームを行わせることが可能な対戦ゲームシステムを構成する1又は複数のゲーム装置と、各店舗の店サーバと、管理サーバとによって構成されるネットワークシステムである。
【0096】
また、本実施形態の対戦ゲームシステムは、勝利したプレーヤから対価を受け付けることなく継続して対戦ゲームを行わせる勝ち抜き方式を採用している。
【0097】
そして、本実施形態では、管理サーバが、各店舗から徴収する徴収額の合計額を、各店舗に分配するための分配率を算出するものである。つまり、本実施形態のネットワークシステムは、勝ち抜き方式を採用するオンラインの対戦ゲームシステムにおいて、店舗に与える損害を、徴収したお金で補填するための指標となる分配率を求めるものである。以下、具体的に説明する。
【0098】
(2)分配率を算出する手法
本実施形態では、管理サーバが、図8に示すように、店舗を識別する店舗IDに対応づけて、異なる店舗間で行われた対戦ゲームの回数を第1のカウント値c1としてカウントする。また、店舗IDに対応づけて、異なる店舗間で行われた対戦ゲームの対価の受け付け回数を第2のカウント値c2としてカウントする処理を行う。
【0099】
そして、店舗毎に第1のカウント値c1から第2のカウント値c2を減算した値Kを算出し、店舗毎に算出された値Kの合計値を求め、店舗において算出された値を合計値で割ることによって、店舗の分配率Pを算出する処理を行う。
【0100】
本実施形態では、日単位、月単位、年単位などの、所定期間単位で分配率Pを算出してもよい。つまり所定期間においてカウントされた第1のカウント値c1、第2のカウント値c2を取得し、K=(c1−c2)に基づいて、各店舗(1〜n)の分配率Pnを算出する処理を行う。
【0101】
(ア)2つの店舗間において対戦ゲームを行わせるゲームシステムにおいて、各店舗の分配率を算出する手法
まず、店舗1と店舗2との2店舗間における対戦ゲームを行わせるゲームシステムにおいて、各店舗の分配率を算出する手法について説明する。
【0102】
図9は、店舗1のプレーヤAと、店舗2のプレーヤBとが対戦ゲームを行った際のカウント値c1、c2に基づき、分配率Pを求める手法の説明図である。
【0103】
店舗1、店舗2は対戦ゲームを10回行っているので、店舗1、2それぞれの第1のカウント値c1は10に設定される。
【0104】
また、店舗1の対価の受け付け回数は、初回時のみであるので店舗1の第2のカウント値c2は1が設定される。一方、店舗2は、10連敗し、対価の受け付け回数が10回であるので、店舗2の第2のカウント値c2は10が設定される。
【0105】
つまり、店舗1の第1、第2のカウント値は、(c1,c2)=(10,1)、店舗2の第1、第2のカウント値は、(c1,c2)=(10,10)である。
【0106】
そして、店舗1、2それぞれにおいて、第1のカウント値c1から第2のカウント値c2を減算した値K1、K2を求める。つまり、店舗1のK1は、(c1−c2)=9であり、店舗2のK2は、(c1−c2)=10−10=0となる。
【0107】
つまり、店舗1、2それぞれに算出された値の合計値は、(K1+K2)=(9+0)=9となり、ゆえに、店舗1の分配率P1は、K1/(K1+K2)=9/9=1、店舗2の分配率P2は、K2/(K1+K2)=0/9=0が算出される。
【0108】
例えば、図10(A)に示すように、管理サーバが、店舗1、2それぞれから、100円の徴収額を徴収したデータを記憶している場合、店舗1、2から徴収した徴収額の合計額は200円になる。したがって、図10(B)に示すように、店舗1に対して、徴収額の合計額200円に、店舗1の分配率P1を乗じた額である200円を、店舗1の分配額として算出している。また、店舗2の分配額は、徴収額の合計額200円に0を乗じた額である0円となる。
【0109】
このように、本実施形態によれば、操作技量の高いプレーヤがいる店舗1のように、勝ち抜き方式を採用するオンライン対戦ゲームシステムにおいて損害が生じやすい店舗の損害の影響度を、分配率を指標として知ることができる。また、徴収額の合計額を各店舗に分配するための各店舗の分配率を簡易に求めることができる。
【0110】
(イ)3つ以上の店舗間において対戦ゲームを行わせるゲームシステムにおいて、各店舗の分配率を算出する手法
本実施形態では、3つ以上の各店舗における対戦ゲームを行わせるゲームシステムにおいても、各店舗の分配率も簡易に算出することができる。
【0111】
図11は、店舗1のプレーヤAと店舗2のプレーヤBとが対戦ゲームを行い、その後、プレーヤAと、新たにマッチング要求を行った店舗3のプレーヤCとが対戦ゲームを行う場合における、分配率を求める手法の説明図である。
【0112】
まず、店舗1では、対戦ゲームを6回行っているので、店舗1の第1のカウント値c1に6が設定される。また、店舗1の対価の受け付け回数は3回であるので、店舗1の第2のカウント値c2に3が設定される。
【0113】
また、同様に、店舗2の対戦ゲーム数は3回であり、対価の受け付け回数は3回、店舗3の対戦ゲーム数は3回であり、対価の受け付け回数は1回である。つまり、店舗1の第1、第2のカウント値は、(c1,c2)=(6,3)、店舗2の第1、第2のカウント値は、(c1,c2)=(3,3)、店舗1の第1、第2のカウント値は、(c1,c2)=(3,1)となる。
【0114】
そして、店舗1〜3の第1のカウント値c1から第2のカウント値c2を減算した値K1〜K3は、K1=3、K2=0、K3=2である。ゆえに、店舗1の分配率P1は、K1/(K1+K2+K3)=3/5=0.6、店舗2の分配率P2は、K2/(K1+K2+K3)=0/5=0、店舗3の分配率P3は、K3/(K1+K2+K3)=2/5=0.4となる。
【0115】
例えば、図12(A)に示すように、管理サーバが、店舗1、2、3それぞれから、100円の徴収額を徴収したデータを記憶している場合、店舗1、2、3から徴収した徴収額の合計額は300円になる。したがって、図10(B)に示すように、店舗1に対して、徴収額の合計額300円に店舗1の分配率P1=0.6を乗じた額である180円を、店舗1の分配額として算出している。また、店舗2の分配額は、徴収額の合計額300円に分配率P2=0を乗じた額である0円であり、店舗3の分配額は、徴収額の合計額300円に分配率P3=0.4を乗じた額である120円である。
【0116】
このように、本実施形態によれば、勝ち抜き方式により各店舗の損害の影響の度合いを考慮した分配率を簡易に求めることができる。つまり、分配率が高いほど、損害を被っている店舗であることを容易に認識することができる。
【0117】
(ウ)異なる店舗間における対戦ゲームが、複数並列に進行している場合
図13に示すように、店舗1のプレーヤAと店舗2のプレーヤBとがオンライン対戦ゲームを行い、店舗3のプレーヤCと店舗4のプレーヤDとがオンライン対戦ゲームを行っている場合にも、各店舗の分配率を求めることができる。
【0118】
上述した手法で、各店舗の第1、第2のカウント値を求めると、店舗1の第1、第2のカウント値は(c1,c2)=(3,1)、店舗2の第1、第2のカウント値は(c1,c2)=(3,3)、店舗3の第1、第2のカウント値は(c1,c2)=(4,1)、店舗4の第1、第2のカウント値は(c1,c2)=(4,4)となる。
【0119】
そして、各店舗の第1のカウント値c1から第2のカウント値c2を減算した値K1〜K4は、K1=2、K2=0、K3=3、K4=0である。ゆえに、店舗1の分配率P1=K1/(K1+K2+K3+K4)=2/5=0.4、店舗2の分配率P2=K2/(K1+K2+K3+K4)=0/5=0、店舗3の分配率P3=K3/(K1+K2+K3+K4)=3/5=0.6、店舗4の分配率P4=K4/(K1+K2+K3+K4)=0/5=0となる。
【0120】
このように、本実施形態によれば、勝ち抜き方式によるオンラインの対戦ゲームにおいて、複数の対戦ゲームが同時進行していても、各店舗の損害の影響の度合いを考慮した分配率を簡易に求めることができる。
【0121】
(エ)所定期間における分配率
本実施形態では、1分、1時間、1日(24時間)、1ヶ月、1年等の所定期間単位で、各店舗の分配率Pを算出している。そして所定期間を経過する度に、第1、第2のカウント値をリセットする処理を行う。
【0122】
例えば、1日単位で各店舗の分配率を算出している場合には、毎日午前0時に各店舗の第1のカウント値c1、第2のカウント値c2を0(零)にリセットする。そして、日単位での各店舗の第1のカウント値c1、第2カウント値c2に基づいて分配率Pを算出する。
【0123】
(3)徴収額データ
本実施形態では、管理サーバが、各店舗から徴収する徴収額は次のように決定する。なお、管理サーバが備える記憶部に、店舗IDに対応づけて、店舗に対して徴収する徴収額データを記憶させる。徴収額は、1時間、1日(24時間)、1ヶ月、1年等の所定期間単位で記憶させるようにしてもよい。
【0124】
(ア)異なる店舗間における対戦ゲームの回数
各店舗から徴収する徴収額は、各店舗において、異なる店舗間における対戦ゲームの回数(例えば、第1のカウント値c1)に応じて決定してもよい。例えば、異なる店舗間における対戦ゲームの回数に50円を乗じた額を徴収額としてもよい。
【0125】
(イ)異なる店舗間における対戦ゲームの対価の受け付け回数
各店舗から徴収する徴収額は、各店舗において、異なる店舗間における対戦ゲームの対価の受け付け回数(例えば、第2のカウント値c2)に応じて決定してもよい。例えば、異なる店舗間における対戦ゲームの対価の受け付け回数に50円を乗じた額を徴収額としてもよい。
【0126】
(ウ)異なる店舗間における対戦ゲームの対価
各店舗から徴収する徴収額は、各店舗において、異なる店舗間における対戦ゲームの対価に対する所定の割合の額を、徴収額としてもよい。例えば、店舗1において、1回の対戦ゲームの対価が100円の場合は、その1割である10円を徴収額として決定し、店舗2において、1回の対戦ゲームの対価が、200円の場合は、その1割である20円を徴収額として決定する。所定の割合は、全ての店舗において同一でもよいし、店舗の売り上げに応じて異ならせてもよい。
【0127】
(エ)異なる店舗間における対戦ゲームを実行した時間
また、各店舗から徴収する徴収額は、異なる店舗間における対戦ゲームを実行したネットワークの使用時間に応じて、徴収額を決定してもよい。
【0128】
(オ)その他
また、各店舗から徴収する徴収額は、プレーヤが購入したアイテムに対する対価に応じて、徴収額を決定してもよい。
【0129】
4.決算に関する説明
図14は、本実施形態のネットワークシステムと、クレジットカード会社が利用する決済サーバ、銀行が利用する口座管理サーバとの関係を示すネットワーク図を示す。なお、本実施形態の管理サーバは、オンラインゲーム運営会社が管理するサーバである。
【0130】
(A)現金(日本銀行券)によって対価を受け付ける場合
本実施形態では、ゲーム装置が、現金によってオンライン対戦ゲームに対する対価を受け付ける場合には、ゲーム装置が対価の受け付ける度に、対価受け付け回数をカウントし、カウント値をゲーム装置から、店舗の店サーバへ送信する処理を行う。そして、店サーバは、店舗の1又は複数のゲーム装置それぞれから受信したカウント値を集計して、第1のカウント値を求める。
【0131】
なお、ゲーム装置がオンライン対戦ゲームに対する対価を受け付ける度に、対価を受け付けたことを示す情報を店サーバに送信し、店サーバが、店舗の1又は複数のゲーム装置それぞれから、対価を受け付けたことを示す情報を受信する度に、第1のカウント値をカウントするようにしてもよい。
【0132】
店サーバは、対価の額(例えば、100円)と、第1のカウント値に基づいて、店舗における受領した対価合計額を算出することができる。
【0133】
なお、オンライン対戦ゲームに対する対価、対価受け付け回数に応じて、徴収額を決定する場合には、店舗において受領した対価合計額や、対価受け付け回数を店サーバから管理サーバに送信してもよい。
【0134】
(B)電子マネーによって対価を受け付ける場合
本実施形態では、プリペイド式のカード、クレジットカード、携帯電話を用いて、電子マネー(決済の段階で、日本銀行券の対価が支払われることができる電子的手法で決算する対価)によって、対戦ゲームに対する対価を受け付けてもよい。
【0135】
電子マネーによって対価を受け付ける場合には、例えば、クレジットカード会社の決済サーバによる決済処理によって、銀行の口座管理サーバが、決済日に、プレーヤの銀行口座におけるから対戦ゲームに対する対価の利用金額を引き落とす処理が行われる。
【0136】
そして、口座管理サーバが、引き落とされた利用金額を、オンラインゲーム運営会社の銀行口座に入金されるように処理を行う。
【0137】
(C)徴収額の引き落とし、及び、振込み処理
また、本実施形態では、銀行の口座管理サーバが、所定期日(月末)に、各店舗の銀行口座からオンラインゲーム運営会社の銀行口座に店舗に応じた徴収額を振り込む処理を行う。
【0138】
(D)分配額の引き落とし、及び、振込み処理
また、本実施形態では、銀行の口座管理サーバが、所定期日(月末)に、オンラインゲーム運営会社の銀行口座から、各店舗の銀行口座に、店舗に応じた分配額を振り込む処理を行う。
【0139】
5.本実施形態の処理の手法
図15は、本実施形態における分配率を算出するフローチャート図である。
【0140】
まず、店舗1〜nにおいて、所定期間においてカウントされた第1のカウント値c1、第2のカウント値c2を取得する(ステップS10)。次に、店舗毎にKn=c1−c2を算出する処理を行う(ステップS20)。そして、店舗の分配率を下式(1)によって求める(ステップS30)。
【0141】
分配率Pn=Kn/(K1+・・・+Kn) (nは店舗の識別ID)・・・(1)
以上で処理が終了する。
【0142】
6.消費税額について
本実施形態では、対価、各店舗から徴収する徴収額は、消費税額を含む金額(税込み)とし、消費税額を含む分配額を算出してもよい。また、対価、各店舗から徴収する徴収額は、消費税額を含まない金額(税抜き)とし、消費税額を含まない分配額を算出してもよい。
【0143】
例えば、店舗1のプレーヤAと、店舗2のプレーヤBとが対戦ゲームを行った場合に、受け付けた対価の2割を徴収額とする場合について具体的に説明する。なお、店舗1、店舗2において、1回の対戦ゲームを行わせる対価が、定価100円について5%の消費税額5円を含む総額105円であるとする。
【0144】
例えば、店舗1のプレーヤAと店舗2のプレーヤBが対戦ゲームを2回行い、店舗1は、対価の受け付け回数が1回であり、合計105円の対価を受け付けたとする。一方、店舗2は、対価の受け付け回数が2回であり、合計210円の対価を受け付けたとする。すると、店舗1から徴収する徴収額は105円の2割である21円(21円のうち消費税額は1円)であり、店舗2から徴収する徴収額は210円の2割である42円(42円のうち消費税額は2円)であるとする。つまり、徴収額の合計額は(21+42)=63円(63円のうち消費税額は3円)となる。
【0145】
ここで、管理サーバの算出結果により、店舗1の分配率P1=1であり、店舗2の分配率P2=0であると算出されるので、徴収額の合計額63円(63円のうち消費税額3円)が、店舗1に分配する分配額として決定される。なお店舗2は分配率が0であるので店舗2の分配額は0円となる。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】従来のゲームシステムの説明図。
【図2】本発明の課題を説明するための図。
【図3】本発明の課題を説明するための図。
【図4】本実施形態のネットワークシステムのネットワーク図。
【図5】本実施形態のゲーム装置の機能ブロック図。
【図6】本実施形態の店サーバの機能ブロック図。
【図7】本実施形態の管理サーバの機能ブロック図。
【図8】本実施形態の分配率を算出する説明図。
【図9】本実施形態の分配率を算出する説明図。
【図10】図10(A)(B)は、各店舗から徴収する徴収額と、各店舗に分配する分配額の説明図。
【図11】本実施形態の分配率を算出する説明図。
【図12】図12(A)(B)は、各店舗から徴収する徴収額と、各店舗に分配する分配額の説明図。
【図13】本実施形態の分配率を算出する説明図。
【図14】ネットワーク図。
【図15】フローチャート図。
【符号の説明】
【0147】
100 処理部、
111 ゲーム処理部、112 通信制御部、
113 ネットワーク設定部、114 エントリー受け付け部、
115 表示制御部、120 描画部、130 音制御部、
150 入力部、160 操作部、161 コイン投入部、162 電子マネー制御部、
170 記憶部、172 主記憶部、174 描画バッファ、
176 オブジェクトデータ記憶部、178 テクスチャ記憶部、179 zバッファ、
180 情報記憶媒体、190 モニタ、192 音出力部、196 通信部
200 処理部、
210 通信制御部、212 ネットワーク設定部、214 マッチング処理部、
215 算出部、270 記憶部、
272 主記憶部、280 情報記憶媒体、196 通信部
300 処理部、310 通信制御部、312 ネットワーク設定部、
314 カウント処理部、315 算出部、
370 記憶部、372 主記憶部、374 カウントデータ、376 徴収額データ、
378 分配率、380 情報記憶媒体、396 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤから対価を受け付けて対戦ゲームを行わせる1又は複数のゲーム装置によって構成されるネットワークグループが複数存在し、各ネットワークグループを構成する前記1又は複数のゲーム装置とサーバとが通信回線で接続されるネットワークシステムであって、
対戦ゲームに勝利したプレーヤから対価を受け付けることなく継続して対戦ゲームを行わせるゲーム処理部と、
ネットワークグループ毎に、異なるネットワークグループ間で行われた対戦ゲームの回数を第1のカウント値としてカウントすると共に、異なるネットワークグループ間で行われた対戦ゲームの対価の受け付け回数を第2のカウント値としてカウントする処理を行うカウント処理部と、
ネットワークグループそれぞれから徴収する徴収額を記憶する記憶部と、
ネットワークグループ毎に第1のカウント値から第2のカウント値を減算した値を算出し、ネットワークグループ毎に算出された値に基づいて、ネットワークグループそれぞれの徴収額の合計額に対するネットワークグループそれぞれに分配する金額の割合である分配率を算出する算出部とを含むことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項2】
請求項1において、
前記算出部が、
ネットワークグループ毎に算出された値の合計値を求め、ネットワークグループにおいて算出された値を当該合計値で割ることによって、当該ネットワークグループの前記分配率を算出することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記算出部が、
所定期間においてカウントされた第1のカウント値から当該所定期間においてカウントされた第2のカウント値を減算した算出値に基づいて、前記分配率を算出することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記記憶部が、
ネットワークグループのゲーム装置が受け付けた対価の一部又は全額を、当該ネットワークグループから徴収する徴収額として記憶することを特徴とするネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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