説明

ネットワーク変換伝送制御装置

【課題】HDMI映像音声信号とネットワーク伝送映像音声信号との相互変換伝送、HDMI映像音声機器側の「HDMI CEC」の機器制御用プロトコル信号と通信ネットワーク側の通信制御プロトコル信号との相互変換伝送を実現できるネットワーク変換伝送制御装置を提供する。
【解決手段】ネットワーク機能非対応レコーダ202側から供給される、HDMI映像音声信号と機器制御用プロトコル信号である「HDMI CEC」信号とをそれぞれ、ネットワーク伝送映像音声信号と遠隔制御に係る通信制御プロトコル信号とに変換して通信ネットワークNW側へ出力し、一方、通信ネットワークNWに接続する機器から供給される、ネットワーク伝送映像音声信号と通信制御プロトコル信号とをそれぞれ、HDMI映像音声信号と「HDMI CEC」信号とに変換しネットワーク機能非対応テレビ201側へ出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HDMI(High−Difinition Multimedia Interface)映像音声信号とネットワーク伝送映像音声信号との相互変換伝送を実現すると共に、HDMI映像音声機器側の機器制御用プロトコル信号である「HDMI CEC(Consumer Electronics Control)」と通信ネットワーク側の通信制御プロトコル信号との相互変換伝送も実現する、ネットワーク変換伝送制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報通信技術の発展により、情報家電の相互通信接続を実現する「ホーム・ネットワーク」環境が普及し始めている。例えば、DNLA(Digital Network Living Alliance)を用いることで、ホーム・ネットワーク対応のデジタルAV機器同士やパーソナルコンピュータを相互に通信接続し、動画像、静止画像、音楽などの各種のAVコンテンツを相互利用する環境を実現している(例えば、非特許文献1)。
【0003】
また、通信ネットワーク環境に接続されたデジタル機器の遠隔制御を実現するための技術としては、TCP/IPを代表とする通信制御プロトコルを制御対象の機器の赤外線通信コードに変換し、通信ネットワークを経由したデジタル機器の遠隔制御を可能にする、いわゆるIPリモコン機能が実用化されている(例えば、特許文献1,2)。
【0004】
これにより、通信ネットワークを経由した通信制御プロトコルによるダイレクト遠隔制御、もしくは赤外線通信コードへの変換による遠隔制御によって、家庭内のあらゆる場所で、どんな家電製品からでも、通信ネットワーク環境を介して、遠隔機器の遠隔制御を実現することができる。
【特許文献1】特開2006−203831号公報
【特許文献2】特開2006−345479号公報
【非特許文献1】http:dina.org/home
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記したホーム・ネットワークを活用したマルチメディア環境では、デジタルコンテンツをオーディオ・ビジュアル(以下「AV」と記す)機器やパーソナルコンピュータ、情報家電の間で相互通信を行う代表的なものとして、DNLAガイドラインが策定されている。このフォーマットによって著作権保護されたテジタルコンテンツの相互通信が可能になっている。
【0006】
これらデジタルAV機器、パーソナルコンピュータ、情報家電の間における通信プロトコルには、TCP/IPが用いられており、また制御メッセージの交換やファイル転送には、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)が用いられ、さらにメッセージの送受信には、XML(Extensible Markup Language)が使用されており、デジタルコンテンツの相互通信に必要となる各機器間の相互制御には問題はない。
【0007】
しかし、これらの各機器はそれぞれネットワーク接続部を備えており、かつDLNAガイドラインに対応した機器であることが上記した相互通信の前提条件である。このために、こうしたネットワーク接続部を備えていない各機器間では、上記した通信プロトコルによる相互通信ができないという課題があった。
【0008】
さらに、こうした通信プロトコルを利用する場合であっても、遠隔操作しようとする機器の電源がオフの場合は、手動で電源をオンにするか、あるいは、ネットワーク通信のプロトコル制御方法のひとつであるWOL(Wakeup ON LAN)という通信ネットワークで、「Magic Packet」という特殊な通信パケットを当該機器へ送信して、電源をオンする必要がある。またWOLを用いる場合には、遠隔操作する機器のLAN制御回路がWOLに対応していることが必要であり、さらに当該機器が待機状態でも、LANインターフェースコントローラの回路ブロックに常時通電しておくことが必要であり、機器の省電力化ができないという課題があった。
【0009】
さて、デジタル映像信号をリアルタイムで、MPEG−4、MPEG−2、またはH.264/AVCの通信ネットワークに対応したフォーマットに変換してIP(Internet Protocol)バケット伝送することで、インターネットを介して、デジタル映像信号をリアルタイムで視聴可能とする技術、いわゆる「ロケーションフリー」が実用化されている。このロケーションフリーの信号を扱うデジタルAV機器の遠隔操作は、赤外線通信制御によって行うことが実用化されている。
【0010】
この「ロケーションフリー」は、デジタルAV機器にネットワーク接続部を備えていなくても、インターネットを介して外部信号変換器を用いることで、デジタルAV機器のネットワーク接続によりデジタル映像音声信号のリアルタイム伝送が可能になる。しかし、受信側から送信側への一方制御のみ可能であるから、送受信間の相互制御ができない課題があった。
【0011】
そこで本発明は、かかる課題に鑑みて創案されたものであり、HDMI映像音声信号とネットワーク伝送映像音声信号との相互変換伝送(即ち、HDMI映像音声機器側から出力するHDMI入力映像音声信号をネットワーク伝送映像音声信号に変換して通信ネットワーク側へ出力し、又、通信ネットワーク側から出力するネットワーク伝送映像音声信号をHDMI出力映像音声信号に変換してHDMI映像音声機器側へ出力する、相互変換伝送)を実現すると共に、HDMI映像音声機器側の「HDMI CEC」の機器制御用プロトコル信号と通信ネットワーク側の通信制御プロトコル信号との相互変換伝送(即ち、HDMI映像音声機器から伝送する機器制御用プロトコル信号を通信ネットワーク側の通信制御プロトコル信号による遠隔機器の制御信号に変換して通信ネットワーク側へ伝送し、又、通信ネットワーク側から伝送する通信制御プロトコル信号による遠隔機器の制御信号を前記機器制御用プロトコル信号に変換してHDMI映像音声機器側へ伝送する、機器制御用プロトコル信号と通信制御プロトコル信号との相互変換伝送)を実現するために、本発明装置は、前記した通信ネットワーク機能非対応AV機器と通信ネットワークとを接続することによって、通信ネットワーク機能非対応AV機器を通信ネットワークに直接接続したのと同一の相互変換伝送を確保することができるから、この結果、通信ネットワークに接続しているパーソナルコンピュータなどの制御機器の遠隔制御によって前記ネットワーク機能非対応AV機器の記録再生などの各種操作を行うことができるネットワーク変換伝送制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明は、次の(1)〜(3)の構成を有するネットワーク変換伝送制御装置を提供する。
【0013】
(1)図1、図2に示すように、HDMI映像音声機器(ネットワーク機能非対応レコーダ)202側から供給される、HDMI映像音声信号(HDMI入力映像音声信号)と前記HDMI映像音声機器に係る機器制御用プロトコル信号(「HDMI CEC」信号)とをそれぞれ、ネットワーク伝送映像音声信号(MPEG−4、MPEG−2、H.264/AVCのいずれかのフォーマットに準拠した映像音声信号)と遠隔制御に係る通信制御プロトコル信号とに変換して通信ネットワークNW側へ出力し、一方、前記通信ネットワークNWに接続する機器(PC 203、ネットワーク機能対応テレビ204、ネットワーク機能対応レコーダ205)から供給される、前記ネットワーク伝送映像音声信号と前記通信制御プロトコル信号とをそれぞれ、前記HDMI映像音声信号(HDMI出力映像音声信号)と前記機器制御用プロトコル信号とに変換し前記HDMI映像音声機器(ネットワーク機能非対応テレビ)201側へ出力するネットワーク変換伝送制御装置1であって、
前記HDMI映像音声機器202側から供給される前記HDMI映像音声信号を、前記通信ネットワークNWにおける通信速度に応じた前記ネットワーク伝送映像音声信号にエンコードして前記通信ネットワークNW側へ出力するエンコーダ106と、
前記HDMI映像音声機器202側から供給される前記機器制御用プロトコル信号(「HDMI CEC」信号)を前記通信制御プロトコル信号に変換して前記通信ネットワークNW側へ出力する信号変換部(CPU)101とを、
有することを特徴とするネットワーク変換伝送制御装置。
【0014】
(2)図1、図2に示すように、HDMI映像音声機器202側から供給される、HDMI映像音声信号と前記HDMI映像音声機器に係る機器制御用プロトコル信号とをそれぞれ、ネットワーク伝送映像音声信号と遠隔制御に係る通信制御プロトコル信号とに変換して通信ネットワークNW側へ出力し、一方、前記通信ネットワークNWに接続する機器から供給される、前記ネットワーク伝送映像音声信号と前記通信制御プロトコル信号とをそれぞれ、前記HDMI映像音声信号と前記機器制御用プロトコル信号とに変換し前記HDMI映像音声機器201側へ出力するネットワーク変換伝送制御装置1であって、
前記通信ネットワークNW側から供給される前記ネットワーク伝送映像音声信号を、前記HDMI映像音声信号にデコードして前記HDMI映像音声機器201側へ出力するデコーダ108と、
前記通信ネットワークNW側から供給される前記通信制御プロトコル信号を前記機器制御用プロトコル信号に変換して前記HDMI映像音声機器201側へ出力する信号変換部(CPU)101とを、
有することを特徴とするネットワーク変換伝送制御装置。
【0015】
(3)図2、図3、図4に示すように、HDMI映像音声機器202側から供給される、HDMI映像音声信号と前記HDMI映像音声機器に係る機器制御用プロトコル信号とをそれぞれ、ネットワーク伝送映像音声信号と遠隔制御に係る通信制御プロトコル信号とに変換して通信ネットワークNW側へ出力し、一方、前記通信ネットワークNWに接続する機器から供給される、前記ネットワーク伝送映像音声信号と前記通信制御プロトコル信号とをそれぞれ、前記HDMI映像音声信号と前記機器制御用プロトコル信号とに変換し前記HDMI映像音声機器201側へ出力するネットワーク変換伝送制御装置2であって、
前記HDMI映像音声機器202側から供給される前記HDMI映像音声信号を、前記通信ネットワークNWにおける通信速度に応じた前記ネットワーク伝送映像音声信号にエンコードして前記通信ネットワークNW側へ出力するエンコーダ106と、
前記通信ネットワークNW側から供給される前記ネットワーク伝送映像音声信号を、前記HDMI映像音声信号にデコードして前記HDMI映像音声機器側へ出力するデコーダ108と、
前記HDMI映像音声機器202側から供給される前記機器制御用プロトコル信号を前記通信制御プロトコル信号に変換して前記通信ネットワークNW側へ出力し、一方、前記通信ネットワークNW側から供給される前記通信制御プロトコル信号を前記機器制御用プロトコル信号に変換して前記HDMI映像音声機器201側へ出力する信号変換部(CPU)101と、
前記HDMI映像音声機器202側から供給される前記HDMI映像音声信号を切換自在に前記エンコーダ106側へ出力する第1スイッチ部SW1と、前記デコーダ108側から供給される前記HDMI映像音声信号を切換自在に前記HDMI映像音声機器201側へ出力する第2スイッチ部SW3と、前記第1スイッチ部SW1と前記第2スイッチ部SW3との間に介挿される第3スイッチ部SW2とを備えたスイッチ回路(SW)112とを有し、
前記第2スイッチ部SW3がオフ状態でかつ前記第3スイッチ部SW2がオン状態のときには、前記HDMI映像音声機器202側から入力する前記HDMI映像音声信号は前記第3スイッチ部SW2を介して前記HDMI映像音声機器201側へスルー(直接)出力することを特徴とするネットワーク変換伝送制御装置。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る本発明は、HDMI映像音声機器に係る機器制御用プロトコル信号には対応しているが通信ネットワークの通信制御プロトコルには対応していないネットワーク機能非対応映像音声機器から供給されるHDMI映像音声信号を、通信ネットワークの通信速度に応じてエンコードして得たネットワーク伝送映像音声信号として通信ネットワーク上へ出力でき、また前記ネットワーク機能非対応映像音声機器に係る機器制御用プロトコル信号を通信ネットワークの通信制御プロトコルに変換して通信ネットワーク上へ出力することができるので、通信ネットワークに接続しているパーソナルコンピュータや通信ネットワーク機能対応映像音声機器などのネットワーク機能対応機器を用いて、通信ネットワークを経由して、通信ネットワーク機能非対応映像音声機器から出力するHDMI映像音声信号に応じたネットワーク伝送映像音声信号を遠隔制御可能状態で閲覧あるいは記録することができるネットワーク変換伝送制御装置を提供することができる。
【0017】
また、請求項2に係る本発明は、通信ネットワークに接続しているパーソナルコンピュータや通信ネットワーク機能対応映像音声機器などのネットワーク機能対応機器から供給されるネットワーク伝送映像音声信号を取り込みこれをデコードして得たHDMI映像音声信号をネットワーク機能非対応映像音声機器へ出力し、また通信ネットワークから機器の遠隔制御のための通信制御プロトコルを取り込みHDMI映像音声機器に係る機器制御用プロトコル信号に変換してネットワーク機能非対応映像音声機器へ出力することができるので、通信ネットワークに接続しているパーソナルコンピュータや通信ネットワーク機能対応映像音声機器などのネットワーク機能対応機器から出力する映像音声信号を遠隔制御可能状態で、通信ネットワークを経由して、ネットワーク機能非対応機器にて閲覧あるいは記録することができるネットワーク変換伝送制御装置を提供することができる。
【0018】
さらに、請求項3に係る本発明によれば、請求項1、2に係る本発明によって得られる発明の効果を有し、さらにこれに加えて、一方の通信ネットワーク機能非対応映像音声機器から本装置に供給し通信ネットワーク側へ送出するHDMI映像音声信号を、通信ネットワークを経由せずに、他の通信ネットワーク機能非対応映像音声機器にて、同時モニタすることができるネットワーク変換伝送制御装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明のネットワーク変換伝送制御装置の第1実施の形態〜第3実施の形態を、図1〜図7を用いて、説明する。
【0020】
即ち、
[第1実施の形態]:本発明装置(図1)、図2
[第2実施の形態]:本発明装置(図3)、図2、図4、図5
[第3実施の形態]:本発明装置(図6)、図7
の順序で、説明する。
【0021】
[第1実施の形態]
図1は本発明のネットワーク変換伝送制御装置の第1実施の形態を示すブロック図、図2は本発明のネットワーク変換伝送制御装置(図1、図3)を接続した通信ネットワークを説明する図である。
【0022】
図1に示すように、ネットワーク変換伝送制御装置1は、CPU101、RAM102、ROM103、入力手段104、表示手段105、エンコーダ106、HDMIレシーバ107、デコーダ108、HDMIトランスミッタ109、バッファメモリ110、ネットワークインターフェース111を有している。NWは通信ネットワークである。
【0023】
CPU101は、RAM102、ROM103と共に、ネットワーク変換伝送制御装置1全体の動作を制御する制御部を形成する。入力手段104は、スイッチ等の操作による使用者からの指示を入力し、これをデジタル信号に変換してCPU101へ出力する。表示手段105は、ネットワーク変換伝送制御装置1全体の状態表示を行う。
【0024】
HDMIレシーバ107は、HDMI映像音声機器であるネットワーク機能非対応レコーダ202(図2)から、HDMI入力映像音声信号と、HDMI映像音声機器の機器制御用プロトコル信号である「HDMI CEC」信号とが供給される。HDMIレシーバ107は、受信したHDMI入力映像音声信号をエンコーダ106へ出力し、また「HDMI CEC」信号をCPU101へ直接出力する。
【0025】
エンコーダ106は、HDMIレシーバ107から供給されるHDMI入力映像音声信号を、通信ネットワークNWの通信速度に応じたネットワーク伝送映像音声信号にエンコードし、バッファメモリ110を介して、ネットワークインターフェース111へ出力する。
【0026】
デコーダ108は、エンコーダ106と相補的な動作を行い、ネットワークインターフェース111、バッファメモリ110を経由して供給されるネットワーク伝送映像音声信号をHDMI出力映像音声信号にデコードし、HDMIトランスミッタ109へ出力する。
【0027】
HDMIトランスミッタ109は、デコーダ108から供給されるHDMI出力映像音声信号と、CPU101から直接供給される「HDMI CEC」信号とを中継し、HDMI映像音声機器であるネットワーク機能非対応テレビ201(図2)へ出力する。
【0028】
CPU101は、HDMIレシーバ107を介してネットワーク機能非対応レコーダ202から伝送する機器制御用プロトコル信号を通信ネットワークNW側の通信制御プロトコル信号による遠隔機器の制御信号に変換して、ネットワークインターフェース111へ伝送し、又、ネットワークインターフェース111から伝送する通信制御プロトコル信号による遠隔機器の制御信号を機器制御用プロトコル信号に変換し、HDMIトランスミッタ109を介してネットワーク機能非対応テレビ201側へ伝送する、機器制御用プロトコル信号と通信制御プロトコル信号との相互変換伝送を行う。
【0029】
具体的には、HDMIレシーバ107から直接入力する「HDMI CEC」信号を、当該「HDMI CEC」信号に対応したネットワークNW通信制御プロトコル信号に変換し、通信ネットワークNW側へ伝送する。一方、通信ネットワークNW側から伝送するネットワークNW通信制御プロトコル信号を、当該通信制御プロトコル信号に対応した「HDMI CEC」信号に変換してHDMIトランスミッタ109へ出力する。
【0030】
ネットワークインターフェース111は、前記したネットワーク伝送映像音声信号と通信制御プロトコル信号とを、通信ネットワークNWに対して、送受信(伝送)を行う。
【0031】
ここで、上記した構成を有するネットワーク変換伝送制御装置1の変換伝送について、まとめて説明する。
【0032】
(1)HDMI入力映像音声信号を、ネットワーク伝送映像音声信号に変換して、伝送する場合
HDMI入力映像音声信号をHDMIレシーバ107で受信し、エンコーダ106でネットワーク伝送映像音声信号にエンコード処理を行ない、バッファメモリ110に一時的に蓄え、通信ネットワークNWに接続してある図示せぬ遠隔機器からの要求に合わせて、ネットワークインターフェース111を介して、ネットワーク伝送映像音声信号を通信ネットワークNW経由で当該遠隔機器に伝送する。
【0033】
なお、ネットワークインターフェース111、ならびにCPU101は、通信ネットワークNWの伝送速度を常にモニタし、通信ネットワークNWの通信環境(例えば通信速度)に合わせて、HDMI入力映像音声信号をネットワーク伝送映像音声信号へ変換する変換フォーマットや伝送ビットレートの自動調整を行なうことで、前記した遠隔機器側でのシームレス再生を実現することができる。
【0034】
例えば、前述したDLNAガイドラインに準じて映像音声信号を伝送する場合には、HDMI入力映像音声信号をHDMIレシーバ107で受信し、エンコーダ107でMPEG−2信号にエンコードする。その際の映像の解像度ならびにエンコードの際の変換ビットレートは、通信ネットワークNWの伝送速度に依存し、CPU101にて決められ、エンコーダ107のエンコード条件の設定に反映する。
【0035】
同様に、H.264/AVC、VC1、JPEG2000などのフォーマットに変換した映像音声信号のネットワーク伝送においても、その際の解像度ならびに変換ビットレートは、通信ネットワークNWの伝送速度に依存しCPU101にて決められ、エンコーダ107のエンコード条件の設定に反映される。
【0036】
(2)ネットワーク伝送映像音声信号を、HDMI出力映像音声信号に変換して、伝送する場合
この場合は、前記した(1)と相補的に行われる。即ち、通信ネットワークNW経由で遠隔機器から伝送されてくるネットワーク伝送映像音声信号をネットワークインターフェース111を介して取り込み、バッファメモリ110に一時的に蓄え、シームレス再生を実現するようにバッファメモリ110から読み出すネットワーク伝送映像音声信号をデコーダ108でデコード処理を行ない、HDMIトランスミッタ109からHDMI出力映像音声信号を伝送する。
【0037】
(3)HDMI映像音声機器の機器制御プロトコルを、通信ネットワークNWにおける遠隔制御に関する通信制御プロトコルに変換して伝送する場合
ネットワーク機能非対応レコーダ202などのHDMI映像音声機器と、通信ネットワークNWに接続するパーソナルコンピュータPC 203、ネットワーク機能対応レコーダ205などの遠隔機器間における相互制御については、HDMI映像音声機器側から送信される「HDMI CEC」信号による機器制御用プロトコル信号は、HDMIレシーバ107を介してCPU101に送られ、CPU101にて「HDMI CEC」信号による機器制御用プロトコルに対応する通信ネットワークNWにおける通信制御プロトコルに変換し、ネットワークインターフェース111を介して、通信ネットワークNW経由で遠隔機器に送信される。
【0038】
(4)通信ネットワークNWにおける遠隔制御に関する通信制御プロトコルを、HDMI映像音声機器の機器制御プロトコルに変換して伝送する場合
遠隔機器側から通信ネットワークNW経由で送られてきた通信制御プロトコル信号は、ネットワークインターフェース111を介してCPU101に送られ、CPU101にてネットワーク上での通信制御プロトコルを対応する「HDMI CEC」信号の機器制御用プロトコルに変換し、HDMIレシーバ107を介してHDMI映像音声機器側に送信することで相互制御を可能とする。
【0039】
次に、上述したネットワーク変換伝送制御装置1を用いた伝送システムについて説明する。同図中、201はネットワーク機能非対応テレビ、201aはネットワーク機能非対応テレビ用リモコン、202はネットワーク機能非対応レコーダ、203はPC(パーソナルコンピュータ)、204はネットワーク機能対応テレビ、204aはネットワーク機能対応テレビ用リモコン、205はネットワーク機能対応レコーダである。
【0040】
図2に示すように、ネットワーク変換伝送制御装置1にHDMI接続されたネットワーク機能非対応レコーダ202を、通信ネットワークNW経由で遠隔機器であるPC 203やネットワーク機能対応テレビ204側から遠隔操作を行ない、ネットワーク機能非対応レコーダ202に録画されている映像コンテンツを通信ネットワークNW経由で視聴したり、ネットワーク機能非対応レコーダ202内蔵のチューナ(図示せず)を使用して、通信ネットワークNW経由で放送番組のTV視聴を行ったり、録画予約を実現することができる。
【0041】
一方、ネットワーク変換伝送制御装置1にHDMI接続されたネットワーク機能非対応テレビ201側から、通信ネットワークNW経由でPC 203の遠隔操作を行ない、PC 203の図示せぬハードディスクドライブ(HDD)に保存されている映像コンテンツを通信ネットワークNW経由でネットワーク機能非対応テレビ201にて視聴することができる。
【0042】
また同様に、ネットワーク変換伝送制御装置1にHDMI接続されたネットワーク機能非対応テレビ201側から、通信ネットワークNW接続されている遠隔機器であるネットワーク機能対応レコーダ205の遠隔操作を行ない、ネットワーク機能対応レコーダ205に録画されている映像コンテンツを通信ネットワークNW経由でネットワーク機能非対応テレビ201にて視聴したり、ネットワーク機能対応レコーダ205内蔵のチューナ(図示せず)を使用して、通信ネットワークNW経由で放送番組のTV視聴を行ったり、録画予約を実現することができる。
【0043】
[第2実施の形態]
図3は本発明のネットワーク変換伝送制御装置の第2実施の形態を示すブロック図、図4は本発明のネットワーク変換伝送制御装置(図3)を構成するスイッチ回路SWの構成を示す図、図5はスイッチ回路SW(図4)の切換え動作を説明するためのフローチャートである。既述したように、図2は本発明のネットワーク変換伝送制御装置(図3)を接続した通信ネットワークを説明する図である。
【0044】
ネットワーク変換伝送制御装置2は、図3に示すように、上述したネットワーク変換伝送制御装置1(図1)の構成に、スイッチ回路112を追加した構成と同一であり、CPU101、RAM102、ROM103、入力手段104、表示手段105、エンコーダ106、HDMIレシーバ107、デコーダ108、HDMIトランスミッタ109、バッファメモリ110、ネットワークインターフェース111、スイッチ回路112を有する。
【0045】
スイッチSW回路112は、端子a〜dを有しており、HDMIレシーバ107から出力するHDMI入力映像音声を端子a,b経由でエンコーダ106でエンコードせずに、通信ネットワークNWを経由しないで、端子a,d経由でHDMIトランスミッタ109へ直接、スルー出力できる切換動作を行うことができる。スイッチSW回路112は、図4に示すように、スイッチSW1,SW2, SW3を備えている。
【0046】
スイッチSW1は、オン(導通・接続)状態のときに、HDMIレシーバ107から出力するHDMI入力映像音声信号を、端子a,b経由で切換自在にエンコーダ106へ出力する。
【0047】
スイッチSW3は、オン状態のときに、デコーダ108から出力するHDMI出力映像音声信号を、端子c,d経由で切換自在にHDMIトランスミッタ109へ出力する。
【0048】
スイッチSW2は、スイッチSW1とスイッチSW3との間に介挿されており、スイッチSW3がオフ状態(非導通・非接続)でかつスイッチSW2がオン状態のときには、HDMI映像音声機器(HDMIレシーバ107)側から出力するHDMI入力映像音声を、エンコーダ106でエンコードせずに、通信ネットワークNWを経由しないで、端子a,d経由でHDMIトランスミッタ109へ、スルー出力できる、
スイッチSW1は接点aa,ab,acを備え、スイッチSW2は接点ba,bb,bcを備え、そしてスイッチSW3は接点cc,cb,ccを備えている。また接点ab,bb,cbはいずれも切換接点であり、これら切換接点ab,bb,cbの切換制御はCPU301の制御によって行われる。
【0049】
さて、上記したスイッチ回路112を備えたネットワーク変換伝送制御装置2は、HDMI入力映像音声信号をネットワーク伝送映像音声信号に変換伝送を行なう場合には、HDMI入力映像音声信号をHDMIレシーバ107で受信し、スイッチSW1を経由して、エンコーダ106でネットワーク伝送映像音声信号にエンコード処理を行ない、バッファメモリ110に一時的に蓄え、通信ネットワークNW接続された遠隔機器からの要求に合わせて、ネットワークインターフェース111を介して通信ネットワークNW経由で映像音声信号が遠隔機器に伝送される。
【0050】
一方、ネットワーク伝送映像音声信号をHDMI出力映像音声信号に変換伝送を行う場合には、通信ネットワークNW経由で遠隔機器から伝送されてくるネットワーク伝送映像音声信号を、ネットワークインターフェース111を介して取り込み、バッファメモリ110に一時的に蓄え、シームレス再生を実現するようバッファメモリ110からのネットワーク伝送映像音声信号をデコーダ108でデコード処理を行ない、スイッチSW3を経由して、HDMIトランスミッタ109からHDMI出力映像音声信号を送信することができる。
【0051】
詳しくは、図5に示すように、スイッチ回路112の各種の切換状態を示すフローチャートのように、各種切換動作を行う。
【0052】
即ち、ステップS51において、『映像音声信号をスルー出力する』がNOの場合は、スイッチSW1はオン(ON)状態、スイッチSW2はオフ(OFF)状態、スイッチSW3はオン状態とする。このときのスイッチSW1〜SW3の各切換状態(ステップs55)は前述したネットワーク変換伝送制御装置1の接続状態に等しいものであり、HDMI入力機器であるHDMI映像音声機器からHDMIレシーバ107へ供給されるHDMI入力映像音声信号をエンコーダ106へ供給すると共に、デコーダ108から出力するHDMI出力映像音声信号をHDMIトランスミッタ109側へ出力することができるものである。これによって、HDMI伝送された映像音声信号をスルー出力すると共に、その映像をネットワーク経由で遠隔機器でもモニタすることが実現できる。
【0053】
次に、ステップS51において『映像音声信号をスルー出力する』がYESの場合で、かつステップS52において『ネットワーク経由で同時モニタする』がNOの場合は、スイッチSW1はオフ状態、スイッチSW2はオン状態、スイッチSW3はオフ状態とする。このスイッチSW1〜SW3の各切換状態(ステップS54)は、HDMI映像音声機器からHDMIレシーバ107へ供給されるHDMI入力映像音声信号をエンコーダ106へ供給することなく、HDMIトランスミッタ109へ直接出力することができるものである。これによって、HDMI伝送された映像音声信号をスルー出力すると共に、その映像を通信ネットワークNWを経由することなくHDMI出力機器であるHDMI映像音声機器でモニタすることが実現できる。
【0054】
次に、ステップS51において『映像音声信号をスルー出力する』がYESの場合で、かつステップS52において『ネットワーク経由で同時モニタする』がYESの場合には、スイッチSW1はオン状態、スイッチSW2はオン状態、スイッチSW3はオフ状態とする(ステップS53)。このスイッチSW1〜SW3の各切換状態は、HDMI映像音声機器からHDMIレシーバ107へ供給されるHDMI入力映像音声信号をエンコーダ106とHDMIトランスミッタ109とにそれぞれ直接出力することができるものである。
【0055】
この他にも、HDMI入力映像音声信号の解像度や音声フォーマット、音声チャンネル数を変更し、HDMI出力映像音声信号として出力することを、前記したスイッチSW回路112の内部スイッチSW1〜SW3の切換設定をステップs53の設定にし、エンコーダ106、デコーダ108を経由する中で映像信号の解像度変換や音声フォーマット、音声チャンネル数の変更を行なうことができる。
【0056】
なお、上述した実施例1と同様に、ネットワークインターフェース111、ならびにCPU101にて通信ネットワークNWの伝送速度を常にモニタし、通信ネットワークNWの通信環境に合わせて、HDMI入力映像音声信号をネットワーク伝送映像音声信号への変換フォーマットや伝送ビットレートの自動調整を行なうことで、遠隔機器側でのシームレス再生を実現することができる。
【0057】
HDMI入力機器であるHDMI映像音声機器と、遠隔機器間との相互制御に関しては、HDMI映像音声機器側から送信される「HDMI CEC」信号による機器制御用プロトコル信号は、HDMIレシーバ107を介してCPU101に送られ、CPU101にて「HDMI CEC」信号による機器制御用プロトコルを対応するネットワーク上での通信制御プロトコルに変換し、ネットワークインターフェース111を介して通信ネットワークNW経由で遠隔機器に送信され、逆に、遠隔機器側から通信ネットワークNW経由で送られてきた通信制御プロトコル信号は、ネットワークインターフェース111を介してCPU101に送られ、CPU101にて通信ネットワークNW上での通信制御プロトコルを対応する「HDMI CEC」信号の機器制御用プロトコルに変換し、HDMIレシーバ107を介してHDMI映像音声機器側に送信することで相互制御を可能にすることができる。
【0058】
また、HDMI出力機器であるHDMI映像音声機器と、遠隔機器間との相互制御に関しても同様に、HDMI映像音声機器側から送信される「HDMI CEC」信号による機器制御用プロトコル信号は、HDMIトランスミッタ109を介してCPU101に送られ、CPU101にて「HDMI CEC」信号による機器制御用プロトコルを対応する通信ネットワークNW上での通信制御プロトコルに変換し、ネットワークインターフェース111を介して通信ネットワークNW経由で遠隔機器に送信され、逆に、遠隔機器側から通信ネットワークNW経由で送られてきた通信制御プロトコル信号は、ネットワークインターフェース111を介してCPU101に送られ、CPU101にて通信ネットワークNW上での通信制御プロトコルを対応する{HDMI CEC}信号の機器制御用プロトコルに変換し、HDMIトランスミッタ109を介してHDMI映像音声機器側に送信することで相互制御を可能にすることができる。
【0059】
さらに、スイッチSW回路112があることによって、HDMI伝送された映像音声信号の伝送経路に影響を受けることなく、「HDMI CEC」信号によるHDMI接続された機器の制御が可能になる。例えば、スイッチSW回路112の内部スイッチ設定がステップs55で示される設定になっていることで、スルー出力モードになっていた場合でも、遠隔機器から通信ネットワークNW経由でHDMI接続された機器の制御が可能になる。また、HDMI映像音声入力機器、HDMI映像音声出力機器間で{HDMI CEC}信号による機器制御用プロトコルに互換性がない場合、CPU101にて相互の機器制御用プロトコルに変換し制御を行なうことも可能となる。
【0060】
これにより、図2をもとに実施例1で示したような、HDMIとLANとの相互変換、遠隔制御を実現すると共に、ネットワーク変換伝送制御装置1にスイッチSW回路112の機能が追加されることによって、遠隔機器側でのモニタ機能、遠隔機器からの遠隔操作機能を実現する環境が実現可能である。
【0061】
[第3実施の形態]
図6は本発明のネットワーク変換伝送制御装置の第3実施の形態を示すブロック図、図7は本発明のネットワーク変換伝送制御装置(図6)を接続した通信ネットワークを説明する図である。
【0062】
ネットワーク変換伝送制御装置3は、図6に示すように、上述したネットワーク変換伝送制御装置1(図1)の構成からデコーダ108、HDMIトランスミッタ109を除去し、かつ赤外線送光部113を追加した構成と同一であり、CPU101、RAM102、ROM103、入力手段104、表示手段105、エンコーダ106、HDMIレシーバ107、バッファメモリ110、ネットワークインターフェース111、赤外線送光部113を有する。
【0063】
上述したネットワーク変換伝送制御装置1(図1)と同様に、ネットワークインターフェース110、ならびにCPU101にて通信ネットワークNWの伝送速度を常にモニタし、通信ネットワークNWの通信環境に合わせて、HDMI入力映像音声信号をネットワーク伝送映像音声信号への変換フォーマットや伝送ビットレートの自動調整を行なうことで、遠隔機器側でのシームレス再生を実現することができる。
【0064】
HDMI入力機器であるHDMI映像音声機器と遠隔機器間との相互制御に関しては、HDMI映像音声機器側から送信される「HDMI CEC」信号による機器制御用プロトコル信号は、HDMIレシーバ108を介してCPU101に送られ、CPU101にて「HDMI CEC」信号による機器制御用プロトコルを対応する通信ネットワークNW上での通信制御プロトコルに変換し、ネットワークインターフェース110を介して通信ネットワークNW経由で遠隔機器に送信され、逆に遠隔機器側から通信ネットワークNW経由で送られてきた通信制御プロトコル信号は、ネットワークインターフェース110を介してCPU101に送られ、CPU101にて通信ネットワークNW上での通信制御プロトコルを対応する「HDMI CEC」信号の機器制御用プロトコルに変換し、HDMIレシーバ108を介してであるHDMI映像音声機器側に送信することで相互制御を可能にすることができる。
【0065】
これに加え、「HDMI CEC」信号を介した機器制御には制約があり、複雑な制御を行なうことが難しいことから、「HDMI CEC」信号とは別に、例えば、赤外線送光部113を設けて赤外線通信制御信号の両方を併用した機器制御方法をおこなうことができる。
【0066】
さらにこの場合、これまでの赤外線通信制御信号による制御環境だけでは、赤外線通信制御信号を受信機器側で受信したこと、受信機器側で要求動作処理が終了したことは、赤外線信号送信機側では把握できなかったが、「HDMI CEC」信号での通信仕様に対し、例えば、赤外線通信コード受理コマンド、要求動作終了コマンドなどの機器制御用プロトコルを設けることによって、赤外線送信機側では赤外線コード送信時の受理確認、再送信の必要性の判断ができ、動作終了まで次の赤外線コードの送信を止めておくなど、赤外線通信制御信号による制御を確実に行なうことも可能になる。
【0067】
これにより、図7に示すように、ネットワーク変換伝送制御装置3にHDMI接続されたネットワーク機能非対応レコーダ202を、通信ネットワークNW経由で遠隔機器であるPC 203やネットワーク機能対応テレビ204側から、「HDMI CEC」信号と赤外線通信を介して遠隔操作を行ない、ネットワーク機能非対応レコーダ202に録画されている映像コンテンツを視聴したり、ネットワーク機能非対応レコーダ202のチューナを使用してTV視聴を行ったり、録画もしくは再生実行、録画予約を実現することができる。
【0068】
本第3実施の形態では、HDMIレシーバ107機能とネットワークインターフェース111とを備えた、ネットワーク変換伝送制御装置3を例に挙げて説明しているが、その他にも、HDMIトランスミッタ109機能とネットワークインターフェース111とを備えた、ネットワーク変換伝送制御装置や、HDMIレシーバ機能とHDMIトランスミッタ機能の双方と、ネットワークインターフェースを備えたネットワーク変換伝送制御装置に、赤外線送光部を備え、HDMI接続された外部機器の遠隔操作を実現することができる。
【0069】
ところで、上述したネットワーク変換伝送制御装置1〜3では、映像音声信号をHDMI接続経由で伝送することとしているが、例えば、DLNAに対応した機器では映像音声信号の伝送はLAN接続にて遠隔伝送を実現し、遠隔機器の機器制御を「HDMI CEC」信号経由で実現することが考えられる。
【0070】
図8は、本発明のネットワーク変換伝送制御装置1〜3が接続した通信ネットワークにDLNA機能対応テレビを接続した状態を示す図である。図8に示すように、DLNA機能対応レコーダ206において、通常はPC 204やDLNA機能対応テレビ207のような遠隔機器と、通信ネットワークNW上での通信制御プロトコル信号のやり取りによって、電源制御を含む機器制御を実現することが出来る。しかし、これでは上記したレコーダ206のLAN接続用ネットワークインターフェース111の回路ブロックを常に起動しておく必要があり、機器のスタンバイ時における待機時消費電力を十分に下げることが出来ない。
【0071】
そこで、ネットワーク変換伝送制御装置1〜3を介して変換される「HDMI CEC」信号による機器制御用プロトコルによって、代わりに機器の電源オン/オフが出来れば、スタンバイ中にLAN接続用のネットワークインターフェース111の回路ブロックの電源を切ることが出来、その分、待機時消費電力を下げることが可能となる。
【0072】
また、これに加えて、通信ネットワークNW環境における通信制御プロトコル信号、「HDMI CEC」信号の機器制御用プロトコル信号と、赤外線通信制御信号の3つの信号によって、相互補完して外部機器の制御を実現することが可能となる。
【0073】
さらに、上述したネットワーク変換伝送制御装置1〜3の機能は、AVレシーバやテレビ、レコーダなどのAV機器自体に組み込むことができ、その他にも、ネットワークハブ、またはネットワークルータの機能を有するネットワーク変換伝送制御装置を提供することができる。
【0074】
さらにまた、HDMIとLAN相互との変換と同様な機能を、IEEE1394とLANとの相互の変換にて実現するネットワーク変換伝送制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明のネットワーク変換伝送制御装置の第1実施の形態を示すブロック図
【図2】本発明のネットワーク変換伝送制御装置(図1、図3)を接続した通信ネットワークを説明する図
【図3】本発明のネットワーク変換伝送制御装置の第2実施の形態を示すブロック図
【図4】本発明のネットワーク変換伝送制御装置(図3)を構成するスイッチSWの構成を示す図
【図5】スイッチ回路SW(図4)の切換え動作を説明するためのフローチャート
【図6】本発明のネットワーク変換伝送制御装置の第3実施の形態を示すブロック図
【図7】本発明のネットワーク変換伝送制御装置(図6)を接続した通信ネットワークを説明する図
【図8】本発明のネットワーク変換伝送制御装置1〜3が接続した通信ネットワークにDLNA機能対応テレビを接続した状態を示す図
【符号の説明】
【0076】
1〜3:ネットワーク変換伝送制御装置
101:CPU(信号変換部)
102:RAM
103:ROM
104:入力手段
105:表示手段
106:エンコーダ
107:HDMIレシーバ
108:デコーダ
109:HDMIトランスミッタ
110:バッファメモリ
111:ネットワーク・インターフェース
112:スイッチ回路
201:ネットワーク機能非対応テレビ(HDMI映像音声機器)
202:ネットワーク機能非対応レコーダ(HDMI映像音声機器)
NW:通信ネットワーク
SW1〜SW3:スイッチ(第1スイッチ部〜第3スイッチ部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
HDMI映像音声機器側から供給される、HDMI映像音声信号と前記HDMI映像音声機器に係る機器制御用プロトコル信号とをそれぞれ、ネットワーク伝送映像音声信号と遠隔制御に係る通信制御プロトコル信号とに変換して通信ネットワーク側へ出力し、一方、前記通信ネットワークに接続する機器から供給される、前記ネットワーク伝送映像音声信号と前記通信制御プロトコル信号とをそれぞれ、前記HDMI映像音声信号と前記機器制御用プロトコル信号とに変換し前記HDMI映像音声機器側へ出力するネットワーク変換伝送制御装置であって、
前記HDMI映像音声機器側から供給される前記HDMI映像音声信号を、前記通信ネットワークにおける通信速度に応じた前記ネットワーク伝送映像音声信号にエンコードして前記通信ネットワーク側へ出力するエンコーダと、
前記HDMI映像音声機器側から供給される前記機器制御用プロトコル信号を前記通信制御プロトコル信号に変換して前記通信ネットワーク側へ出力する信号変換部とを、
有することを特徴とするネットワーク変換伝送制御装置。
【請求項2】
HDMI映像音声機器側から供給される、HDMI映像音声信号と前記HDMI映像音声機器に係る機器制御用プロトコル信号とをそれぞれ、ネットワーク伝送映像音声信号と遠隔制御に係る通信制御プロトコル信号とに変換して通信ネットワーク側へ出力し、一方、前記通信ネットワークに接続する機器から供給される、前記ネットワーク伝送映像音声信号と前記通信制御プロトコル信号とをそれぞれ、前記HDMI映像音声信号と前記機器制御用プロトコル信号とに変換し前記HDMI映像音声機器側へ出力するネットワーク変換伝送制御装置であって、
前記通信ネットワーク側から供給される前記ネットワーク伝送映像音声信号を、前記HDMI映像音声信号にデコードして前記HDMI映像音声機器側へ出力するデコーダと、
前記通信ネットワーク側から供給される前記通信制御プロトコル信号を前記機器制御用プロトコル信号に変換して前記HDMI映像音声機器側へ出力する信号変換部とを、
有することを特徴とするネットワーク変換伝送制御装置。
【請求項3】
HDMI映像音声機器側から供給される、HDMI映像音声信号と前記HDMI映像音声機器に係る機器制御用プロトコル信号とをそれぞれ、ネットワーク伝送映像音声信号と遠隔制御に係る通信制御プロトコル信号とに変換して通信ネットワーク側へ出力し、一方、前記通信ネットワークに接続する機器から供給される、前記ネットワーク伝送映像音声信号と前記通信制御プロトコル信号とをそれぞれ、前記HDMI映像音声信号と前記機器制御用プロトコル信号とに変換し前記HDMI映像音声機器側へ出力するネットワーク変換伝送制御装置であって、
前記HDMI映像音声機器側から供給される前記HDMI映像音声信号を、前記通信ネットワークにおける通信速度に応じた前記ネットワーク伝送映像音声信号にエンコードして前記通信ネットワーク側へ出力するエンコーダと、
前記通信ネットワーク側から供給される前記ネットワーク伝送映像音声信号を、前記HDMI映像音声信号にデコードして前記HDMI映像音声機器側へ出力するデコーダと、
前記HDMI映像音声機器側から供給される前記機器制御用プロトコル信号を前記通信制御プロトコル信号に変換して前記通信ネットワーク側へ出力し、一方、前記通信ネットワーク側から供給される前記通信制御プロトコル信号を前記機器制御用プロトコル信号に変換して前記HDMI映像音声機器側へ出力する信号変換部と、
前記HDMI映像音声機器側から供給される前記HDMI映像音声信号を切換自在に前記エンコーダ側へ出力する第1スイッチ部と、前記デコーダ側から供給される前記HDMI映像音声信号を切換自在に前記HDMI映像音声機器側へ出力する第2スイッチ部と、前記第1スイッチ部と前記第2スイッチ部との間に介挿される第3スイッチ部とを備えたスイッチ回路とを有し、
前記第2スイッチ部がオフ状態でかつ前記第3スイッチ部がオン状態のときには、前記HDMI映像音声機器側から入力する前記HDMI映像音声信号は前記第3スイッチ部を介して前記HDMI映像音声機器側へスルー出力することを特徴とするネットワーク変換伝送制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−111738(P2009−111738A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−282105(P2007−282105)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】