説明

ネットワーク対応型の集合住宅用インターホンシステム

【課題】住戸毎の表示規則に従って生活情報一覧を表示することにより、重要な生活情報が配信されてきたことが一目で判るようにする。
【解決手段】ネットワーク20を通じて受信した、属性情報が付加された生活情報を蓄積して住戸インターホン11に配信する生活情報配信部21aと、複数の生活情報から生活情報一覧を生成する一覧表生成11g部と、生活情報に付加された属性情報に基づいて、前記生活情報一覧に、全住戸に共通な表示ルールを適用して編集加工を施す一覧表加工部11hとを備え、住戸インターホン11は、編集加工後の生活情報一覧モニタ画面11bに表示して、選択操作された生活情報の記事Aを個別表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを通じて投稿されてきた生活情報を住戸インターホンに表示させる機能を有した集合住宅用インターホンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マンションなどの集合住宅では、居住者に迅速、確実に連絡事項を通知することが求められるが、そのような場合に効果的な技術として、特許文献1には、電子回覧板情報を映像として、映像蓄積手段に蓄積させ、更にその映像信号を、各住戸のインターホンに対して送信させることを教示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3657847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の構成では、電子回覧板などの到着をまずLEDなどによって報知してから、住戸人が選択操作をすることにより、詳細な記事情報を表示するようになっているので操作が煩わしいという問題があった。そのため住戸人の中には、選択操作をせずにそのまま放置する者もあって、重要な情報を見逃してしまうこともあった。
【0005】
そのような問題に対して、本発明は、全住戸に共通な表示規則に従って生活情報一覧表を表示することにより、重要な生活情報が配信されてきたことが一目で判るようにした集合住宅用インターホンシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による集合住宅用インターホンシステムは、モニタ画面を備えた住戸インターホンとロビーインターホンとを備え、ネットワークに接続された集合住宅用インターホンシステムにおいて、ネットワークを通じて受信した、属性情報が付加された生活情報を蓄積して住戸インターホンに配信する生活情報配信部と、複数の生活情報から生活情報一覧を生成する一覧表生成部と、生活情報に付加された属性情報に基づいて、前記生活情報一覧に、全住戸に共通な表示ルールを適用して編集加工を施す一覧表加工部とを備え、住戸インターホンは、編集加工後の生活情報一覧表をモニタ画面に表示して、選択操作された生活情報の記事を個別表示することを特徴とする。
【0007】
前記集合住宅用インターホンシステムは、住戸インターホンとロビーインターホンとの呼出、通話を制御する一方、住戸インターホンを特定のサーバ装置に接続させる制御装置を更に備え、前記生活情報配信部は、前記サーバ装置側に設けられ、前記一覧表生成部、前記一覧表加工部は、住戸インターホン側に設けられてもよい。
【0008】
前記集合住宅用インターホンシステムは、住戸インターホンとロビーインターホンとの呼出、通話を制御する一方、住戸インターホンを特定のサーバ装置に接続させる制御装置を更に備え、前記生活情報配信部、前記一覧表生成部は、前記サーバ装置側に設けられ、前記一覧表加工部は、住戸インターホン側に設けられてもよい。
【0009】
前記集合住宅用インターホンシステムは、住戸インターホンとロビーインターホンとの呼出、通話を制御する一方、住戸インターホンを特定のサーバ装置に接続させる制御装置を更に備え、前記生活情報配信部、前記一覧表生成部、前記一覧表加工部は、前記サーバ装置側に設けられてもよい。
【0010】
住戸インターホンは、新たな生活情報が配信されたことを報知する新着情報通知灯を更に備えてもよい。また生活情報の記事は、画像ファイルとして構成するとよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明による集合住宅用インターホンシステムでは、住戸インターホンに生活情報が配信されてくると、生活情報一覧を表示するが、その生活情報一覧は、全住戸に共通な表示ルールに従って編集加工されたものなので、生活情報の作成者が重要と判断した情報が目立つように表示できる。そのため、住戸人はその情報を見逃してしまうことがなく、確実な情報伝達ができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を適用したインターホンシステムのブロック図である。
【図2】表示ルールの選択画面の例を示す図である。
【図3】生活情報一覧表の表示例の説明図である。
【図4】生活情報の個別表示の例を示す図である。
【図5】生活情報作成画面の例を示す図である。
【図6】本発明に係る基本動作を示したフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のインターホンシステム1は、図1に示すように、モニタ画面11bを備えた複数の住戸インターホン11とロビーインターホン12とからなり、ネットワーク20に接続された基本構成を有する。ネットワーク20は、インターネットに代表される広域ネットワークを想定しているが、住棟及びその近隣施設のみに敷設されたLANであって構わない。
【0014】
ここに住戸インターホン11は、住宅情報盤として構成されており、ドアホン子器11aやセキュリティセンサ(図示なし)などが接続されている。そして基本的な構成要素として、図3に示しているように、タッチパネルで構成されたモニタ画面11b、メッセージランプ11c、通話キー11d、通話部を形成するスピーカ11e、マイク11fなどを備えている。
【0015】
ロビーインターホン12は、呼出先の部屋番号を指定するための操作部や、通話部を構成するスピーカ、マイク(いずれも図示なし)などを備えている。なお、ロビーインターホン12は、カードキーなどによって住戸人を認証するための認証端末としての機能を備えてもよい。その場合、図示しない認証装置による認証が成功すれば、ロビー扉の電気錠が自動的に解錠する。
【0016】
管理人室機(警報監視盤)13は、選択した住戸インターホン11あるいはロビーインターホン12との通話ができ、また住戸インターホン11から発信された異常発生信号を受け付けて所定の対応処理をなす装置である。そして基本的な構成要素として、モニタ画面、通話部を構成するハンドセット、異常報知手段を構成する警報ランプ、スピーカ(いずれも図示なし)などを備えている。
【0017】
制御装置14は、住戸インターホン11と、ロビーインターホン12あるいは管理人室機13との信号伝送を制御する装置であって、住戸インターホン11、ロビーインターホン12、管理人室機13は、この装置に接続されている。更に制御装置14は、住戸インターホン11を、ネットワーク20上の特定のサーバ装置21に接続するゲートウェイ14aとしても機能する。
【0018】
通信端末22は、ネットワーク20に接続可能なパソコンなどであって、管理人室や近隣の店舗などに設置される。そしてソフトウェアなどによって構成された生活情報作成部22aを備えており、操作によって所望の生活情報を作成してサーバ装置21に投稿できる。
【0019】
次いで、インターホンシステム1の基本動作を説明する。住戸インターホン11と制御装置14はインターホン回線によって接続されており、そこでは送信先、送信元のアドレスを指定した信号伝送が行われる。プロトコルは特に制限はないが、例えばTCP/IPを用いてもよい。この場合、住戸インターホン11のそれぞれには、固有のグローバルIPあるいはローカルIPが割り当てられる。また、制御装置14とロビーインターホン12あるいは管理人室機13との信号伝送も、同様である。なおインターホン回線用16の信号線には、一般的なツイストペアケーブルを用いればよいが、専用ケーブルを用いてもよい。
【0020】
インターホンシステム1における来客呼出、通話制御の基本機能、動作は従来システムと同様である。すなわちロビーインターホン12で住戸番号を指定した呼出操作がなされると、制御装置14によって、指定された住戸の住戸インターホン11が呼び出される。呼び出された住戸インターホン11で通話キー11dが操作されると、制御装置14は、ロビーインターホン12とその住戸インターホン11との間に排他的な通話チャンネルを構成して、訪問者と住戸人との通話を許可する。その後、通話キー11dが再操作されたとき、あるいは所定時間が経過したときに、その通話チャンネルは開放される。なお、ロビーインターホン12は複数であってもよく、その場合でも、通話チャンネルは排他的に制御される。
【0021】
更にインターホンシステム1がテレビ式であれば、ロビーインターホン12で呼出操作がなされてから通話チャンネルが解放されるまでの間、ロビーインターホン12側に設けられたビデオカメラ12aと、呼出先の住戸インターホン11との間に排他的な映像チャンネルを構成する。このようにすれば、訪問者の映像を住戸インターホン11でモニタしながら対応できる。
【0022】
またインターホンシステム1は、集合住宅の警報監視システムとしても機能しており、その動作も従来と同様である。すなわち住戸インターホン11は、セキュリティセンサが異常発生を検知すると、モニタ画面11bに警報画面を表示すると共に、スピーカ11eから警報メッセージを出力する。また、住戸インターホン11は、異常発生を管理人室機13に通知する。管理人室機13はその通知を受信すると、警報を出力する。その後、管理人の操作に応じて、異常発生を通知してきた住戸インターホン11や、その近隣の住戸インターホン11から、避難メッセージなどを出力させることもできる。また、防災センターなどに異常発生を移報することもできる。
【0023】
本発明の特徴的な構成として、インターホンシステム1は、いわゆる生活情報、例えば住戸人を対象とした掲示板や住棟内あるいはその近隣にある商店などからの連絡、通知事項を、住戸インターホン11を通じて住戸人に知らせることができるようになっている。
【0024】
具体的には、通信端末22からサーバ装置21に投稿されてきた生活情報から生活情報一覧表Lを作成し、サーバ装置側で予め設定された全住戸に共通な表示ルールに基づいて、その生活情報一覧表Lに編集加工を施し、住戸インターホン11では、その編集加工後の生活情報一覧表Lをモニタ画面11bに表示して、選択操作された生活情報の記事Aを個別表示する。なおここでは、文字列によるリスト形式の生活情報一覧表Lを想定しているが、これに限定されず、アイコンによるグラフィカルな一覧表示であってもよい。表示ルールは、属性情報を判別する基準となる条件ないし規則などで、全住戸に共通である。このように共通の表示ルールに従った生活情報一覧表Lが表示されるようにすれば、生活情報の作成者などが重要と判断した情報が目立つように表示できるため、住戸人がその情報を見逃してしまうことがなく、確実な情報伝達が可能になる。
【0025】
そのためインターホンシステム1は、図1に示しているように、ネットワーク20を通じて投稿されてきた生活情報を蓄積して住戸インターホン11に配信する生活情報配信部21aと、複数の生活情報から生活情報一覧表Lを生成する一覧表生成部11gと、共通の表示ルールに基づいて、生活情報一覧表Lに編集加工を施す一覧表加工部11hとを備えている。
【0026】
つまり図1の構成では、サーバ装置21に、通信端末22から投稿されてきた生活情報を蓄積して住戸インターホン11に配信する生活情報配信部21aを設け、住戸インターホン11には、生活情報の一覧表生成部11gと、一覧表加工部11hとを設けている。
【0027】
このような構成では、表示ルールは固定的なものであってもよく、その場合は、住戸インターホン11の製造時に、その表示ルールを一覧表加工部11hに組み込んでおけばよい。また表示ルールは変更設定できてもよい。その場合は、サーバ装置21から住戸インターホン11に表示ルールを伝送して、一覧表加工部11hの記憶部に記憶させるとよい。
【0028】
またこのような構成での基本動作は次のようになる。すなわちサーバ装置21は、通信端末22から属性情報が付加された生活情報が投稿されてくると蓄積して、その属性情報を住戸インターホン11に配信する。住戸インターホン11は、それまでに配信されてきた属性情報自体、あるいはそれらの属性情報から生成した生活情報一覧表Lを保持しており、新たな属性情報が配信されてくると、それまで保持していた属性情報と、配信されてきた属性情報とから生活情報一覧表Lを作成し直す。あるいは配信されてきた属性情報を、保持していた生活情報一覧表Lに追記して更新する。そして更に、その生活情報一覧表Lに、共通な表示ルールに基づいた編集加工を施してから表示して、選択操作された生活情報の記事Aを個別表示する。そのため編集加工が施された生活情報一覧表Lは、全住戸で共通のものとなる。
【0029】
しかしながら別構成として、サーバ装置21に、生活情報配信部21a、一覧表生成部11gを設け、住戸インターホン11には、一覧表加工部11hを設けてもよい。このような構成では、サーバ装置21は、通信端末22から生活情報が投稿されてくると、その生活情報を蓄積すると共に、生活情報一覧表Lを生成して、その生活情報一覧表Lを住戸インターホン11に配信する。住戸インターホン11は、その生活情報一覧表Lが配信されてくると、共通な表示ルールに基づいた編集加工を施してから表示して、選択操作された生活情報の記事Aを個別表示する。
なお住戸インターホン11には、新たな生活情報が配信されたことを報知する新着情報通知灯を更に備えていてもよく、その新着情報通知灯として、図2におけるメッセージランプ11cを利用してもよい。このようにすれば、生活情報一覧表Lの表示を所定時間経過後に中断した後でも、その新着情報通知灯によって、新たな新着情報が配信されたことが判るので便利である。
【0030】
更に別構成として、サーバ装置21に、生活情報配信部21a、一覧表生成部11g、一覧表加工部11hを全て設けてもよい。このような構成では、サーバ装置21は、通信端末22から生活情報が投稿されてくると、その生活情報を蓄積すると共に、生活情報一覧表Lを作成し、更に、その生活情報一覧表Lに、共通な表示ルールに基づいた編集加工を施す。つまりサーバ装置21によって、編集加工後の生活情報一覧表Lが準備され、住戸インターホン11に配信される。そのため、住戸インターホン11は、編集加工が施された生活情報一覧表Lを直ちに表示して、個別表示すべき生活情報の選択を受け付けることができる。このようにすれば、一覧表生成部11g、一覧表加工部11hが複数の住戸インターホン11によって共用されることになるので、コストが抑えられる。
【0031】
また制御装置14とサーバ装置21とを一体として構成してもよいが、このような変形は、いずれも本発明の範囲に含まれる。
【0032】
生活情報一覧表Lの表示ルールは、サーバ装置21の操作によって選択するのが望ましく、そのためには、表示ルール選択部21bをサーバ装置21に設けておくとよい。具体的には、配信日時によるソートをデフォルトのルールとし、そのデフォルトのルール以外に何通りかを予め用意しておき、表示ルール選択部21bによって所望のルールを選択できるようにするとよい。
【0033】
図2は、表示ルール選択部21bによって表示された表示ルールの選択画面の例である。この画面は、サーバ装置21で所定の操作をすることによって呼び出すことができる。画面には、予め用意された表示ルールの一部のみが表示されているが、右側の上、下矢印キーを操作すれば、隠れている他の表示ルールがスクロール表示される。それぞれの表示ルールの左側には選択用のラジオスイッチが配置されており、その操作によって表示ルールが排他的に選択できる。なお、画面下部の設定キーは、ラジオスイッチによる選択を有効化させるためのキー、キャンセルキーはこの画面を閉じるためのキーである。ここで設定された表示ルールは、全住戸の住戸インターホン11に送信される。
【0034】
次いで本発明のインターホンシステム1における住戸インターホン11の基本的な動作、機能について更に詳細に説明する。
【0035】
住戸インターホン11の一覧表加工部11hは、上記のようにしてサーバ装置21から送信されてきた表示ルールを一覧表加工部11hに自動的に登録する。また一覧表生成部11gは、サーバ装置21から生活情報が配信されてくると、生活情報毎に属性情報を配信日時順に並べた生活情報一覧表Lを生成する。そして一覧表加工部11hは、その時点で登録されている表示ルールを適用して生活情報一覧表Lを編集加工する。
【0036】
図3は、生活情報一覧表Lを表示した住戸インターホン11の正面図である。上記のように住戸インターホン11は、モニタ画面11b、メッセージランプ11c、通話キー11dや、スピーカ11e、マイク11fなどを備えており、モニタ画面11bには、生活情報一覧表Lが表示されている。
【0037】
ここに新着情報キーは、所望時に操作によって生活情報一覧表Lを呼び出すためのキー、掲示板キーは生活情報の中から掲示板カテゴリのものを抽出して一覧表示させるためのキー、地域キーは生活情報の中から地域カテゴリのものを抽出して一覧表示させるためのキーである。また再生キーはロビーインターホン12に対する来客対応の際に録画した映像、録音した音声を再生させるためのキー、設定キーは各種設定する設定画面を呼び出すためのキーである。
【0038】
生活情報一覧表Lは、複数の生活情報が、それぞれの属性情報に基づいてソートされ、リスト表示されたもので、画面上部には生活情報全体の受信件数が表示され、その下に、1件毎に、その着信日時、種別、表題がリスト表示されている。その下にある詳細キーは、生活情報の記事Aを個別表示させるためのキーで、リスト表示から所望の生活情報を選択操作してから詳細キーを操作すれば、生活情報の記事Aが個別に切替え表示される。削除キーは、生活情報を生活情報一覧表Lから削除するためのキーで、リスト表示から所望の生活情報を選択操作してから削除キーを操作すれば、その生活情報が生活情報一覧表Lから削除される。また閉じるキーは生活情報一覧表Lを閉じるためのキーである。
【0039】
本発明は特に、全住戸に共通な表示ルールに基づいて、生活情報一覧表Lに編集加工を施し、その編集加工後の生活一覧表を表示することを特徴としている。生活情報に付加される属性情報を共通な表示ルールに従って判別して、一部の生活情報の欄のみを、他の生活情報の欄とは異なる態様で表示するように編集加工し、編集加工後の生活情報一覧表Lを表示している。例えば生活情報一覧表Lの中で、種別が掲示板カテゴリとなっている生活情報の欄だけを、表示色を異ならせて、あるいは異なるフォントで表示するようにしてもよい。あるいは投稿者が管理人である生活情報が生活情報一覧表Lの最上部から並ぶようにソートしてもよい。
【0040】
図4は生活情報一覧表Lから詳細キーの操作によって切替え表示された生活情報の個別表示例である。この例では、記事Aとして「2011.1.31(月)は資源ゴミの収集日です。11:00に収集します。 管理人」というメッセージと、ゴミ箱を表した図案が表示されている。生活情報として所望のメッセージや図案を表示させるには、種々の方法があるが、例えば記事Aの全体を1つの画像データに予め変換しておくとよい。画像の大きさはモニタ画面11bの表示枠の画素数が予め定められているならば、それに合わせた画像サイズとすることで、拡大縮小が不要になって、表示の仕組みも簡単になる。なお、記事Aは、画像及び文字からなるホームページで構成してもよい。その場合は、住戸インターホン11に内蔵されたブラウザによって記事Aを表示すればよい。
【0041】
図5は、生活情報の作成画面の例であり、通信端末22ではこのような画面を表示して生活情報を作成する。作成画面には、タイトル、投稿者名称、有効期限、重要度の入力欄と、記事作成欄とが設けられている。タイトル、投稿者名称入力欄には所望の文字列が入力できる。有効期限、重要度の入力欄はプルダウン式になっており、複数の選択肢からいずれかを選択するようになっている。このタイトル、投稿者名称、有効期限、重要度が属性情報として生活情報に付加される。なお、共通な表示ルールの一例として、属性情報中の重要度を判別して、その度合いに応じて表示色を選択するというルールにすれば、生活情報作成者が生活情報一覧表Lの表示態様をコントロールできる。
【0042】
属性情報は、表題、投稿者、種別に限られず、それ以外に任意の項目を含めてもよいが、項目名、項目数、フォーマットなどは、基本的に全ての生活情報の属性情報で共通となる。属性情報として、生活情報毎に固有の識別情報を付加してもよい。固有な識別情報は、属性情報の他の部分と、記事Aとからハッシュ値を計算して算出した値を用いれば、他の生活情報のものと重複する可能性が格段に低くなる。この識別情報は、住戸インターホン11がサーバ装置21に生活情報の記事Aを要求する際に利用できる。
【0043】
記事作成欄は、自由に選択したフォントで文字列を配置し、更にイラストなども加えられるようになっているが、記事作成用のツールボックスなどは図からは省略している。なお、記事作成欄に併設して、所望の画像ファイルを記事Aとして入力するためのファイル名入力欄が設けられ、記事作成とファイル入力のいずれかを選択するためのラジオスイッチも配置されている。ファイル入力の場合は、指定されたファイルがそのまま記事Aになる。また画面の下部には、この画面を閉じるためのキャンセルキーと、生活情報を投稿するための投稿キーとが設けられている。記事作成欄によって記事Aを作成した場合は、投稿キーを操作すると、記事Aの全体が1つの画像ファイルに変換され、変換後の生活情報がサーバ装置21に送信される。
【0044】
図6は本発明によるインターホンシステム1の基本動作を示したフロー図である。
【0045】
この図によれば、時刻T1では、通信端末22で生活情報が作成され、それに属性情報が付加されて、サーバ装置21に送信されている。時刻T2では、その生活情報がサーバ装置21に蓄積され、通知信号として、その生活情報中の属性情報が制御装置14を介して住戸インターホン11に配信されている。
【0046】
そして時刻T3では、住戸インターホン11は一覧表生成部11gによって、配信されてきた生活情報の属性情報から生活情報一覧表Lを作成して、一覧表加工部11hによって、共通な表示ルールを参照して、生活情報一覧表Lに編集加工を施している。時刻T4では、その編集加工後の生活情報一覧表Lをモニタ画面11bに表示して、個別表示すべき生活情報の選択を受け付けている。そして要求信号として、サーバ装置21にその生活情報の記事Aを要求し、時刻T5では返信されてきた生活情報の記事Aを個別表示している。
【符号の説明】
【0047】
1 インターホンシステム
11 住戸インターホン
11b モニタ画面
11g 一覧表生成部
11h 一覧表加工部
12 ロビーインターホン
14 制御装置
20 ネットワーク
21 サーバ装置
21a 生活情報配信部
A 生活情報の記事
L 生活情報一覧表

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モニタ画面を備えた住戸インターホンとロビーインターホンとを備え、ネットワークに接続された集合住宅用インターホンシステムにおいて、
ネットワークを通じて受信した、属性情報が付加された生活情報を蓄積して住戸インターホンに配信する生活情報配信部と、
複数の生活情報から生活情報一覧を生成する一覧表生成部と、
生活情報に付加された属性情報に基づいて、前記生活情報一覧表に、全住戸に共通な表示ルールを適用して編集加工を施す一覧表加工部とを備え、
住戸インターホンは、編集加工後の生活情報一覧をモニタ画面に表示して、選択操作された生活情報の記事を個別表示することを特徴としたネットワーク対応型の集合住宅用インターホンシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の集合住宅用インターホンシステムにおいて、
住戸インターホンとロビーインターホンとの呼出、通話を制御する一方、住戸インターホンを特定のサーバ装置に接続させる制御装置を更に備え、
前記生活情報配信部は、前記サーバ装置側に設けられ、
前記一覧表生成部、前記一覧表加工部は、住戸インターホン側に設けられていることを特徴としたネットワーク対応型の集合住宅用インターホンシステム。
【請求項3】
請求項1に記載の集合住宅用インターホンシステムにおいて、
住戸インターホンとロビーインターホンとの呼出、通話を制御する一方、住戸インターホンを特定のサーバ装置に接続させる制御装置を更に備え、
前記生活情報配信部、前記一覧表生成部は、前記サーバ装置側に設けられ、
前記一覧表加工部は、住戸インターホン側に設けられていることを特徴としたネットワーク対応型の集合住宅用インターホンシステム。
【請求項4】
請求項1に記載の集合住宅用インターホンシステムにおいて、
住戸インターホンとロビーインターホンとの呼出、通話を制御する一方、住戸インターホンを特定のサーバ装置に接続させる制御装置を更に備え、
前記生活情報配信部、前記一覧表生成部、前記一覧表加工部は、前記サーバ装置側に設けられていることを特徴としたネットワーク対応型の集合住宅用インターホンシステム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の集合住宅用インターホンシステムにおいて、
生活情報の記事は、画像ファイルとして構成されていることを特徴としたネットワーク対応型の集合住宅用インターホンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−134765(P2012−134765A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285029(P2010−285029)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】