説明

ネットワーク接続装置、通信システム及び通信方法

【課題】通信ネットワークにおいて、ネットワーク接続装置は、グランドマスタのタイミング情報を受け入れて、スレーブノードとタイミング同期するように要求することにより、安全なタイミング同期を提供する。
【解決手段】グランドマスタ110及びネットワーク接続装置121は、グランドマスタ110とネットワーク接続装置121との間のマスタ−スレーブ関係を決定するためのベスト・マスタ・クロック(BMC)アルゴリズムをサポートし、少なくとも1つのスレーブノード122がBMCアルゴリズムを支持しないときは、ネットワーク接続装置121は前記少なくとも1つのスレーブノード122を、BMCアルゴリズムを用いないで強制的にスレーブとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ネットワーク接続装置、通信システムおよびそれを応用した通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ファクトリ自動化制御およびイントラネット測定(LXI;LAN eXtension Instrument)においては、精密タイミング同期が重要である。
精密タイミング同期を重視するファクトリ自動化制御(例えば、製造装置自動化制御またはロボットアーム自動化制御)において、ロボットアーム制御などの動き制御、モータ回転速度制御などは、最も精度の高い通信タイミング同期を要求する。タイミング同期は、グランドマスタとロボットアームおよびモータなどのノードとの間で達成されなければならない。タイミング同期が精密でなければ、製品は故障することがあり、それによって利益に直接影響を及ぼしかつ多額の損失を引き起こす。
【0003】
イントラネット測定を、車両自動化試験製品ライン、飛行機電子装置試験、およびロケット発射基地などのさまざまな環境に適応させてもよい。これらの環境の中で、タイミング同期は、多数のコンピュータと、多数の機械と、多数の検知部材との間で到達されなければならず、その結果多数の検知部材によって復帰される信号は、特定の時間期間に測定されてもよく、かつその信号はその後分析されてもよい。
【0004】
先行ネットワークタイミング同期では、プロバイダーエッジ(PE)ルータ、カスタマエッジ(CE)ルータ、加入者宅内機器(CPE)またはゲートウェイは、高精度時間プロトコル(PTP)およびベスト・マスタ・クロック(BMC)アルゴリズムを支持する必要がある。
図1A(先行技術)は、「カスタマエッジルータまたはそれと関連する加入者宅内機器を同期する方法」という題の米国特許公開第2007/0064851号明細書に開示されている先行技術のタイミング同期を示す。図1Aに示すように、CPE10およびCPE16は、BMCアルゴリズムを実行して、マスタおよびスレーブを決定する(CPE10はマスタであり、かつCPE16はスレーブであると仮定する)。その後、CPE10は、CPE16がCPE10とタイミング同期しているように、PEルータ12およびCEルータ14を通して、タイミング同期リクエストパケットをCPE16に送信する。この関連技術では、機構は、「透過形タイミング同期機構」と呼ばれる。すなわち、CPE10およびCPE16は、それぞれ異なるサブネットワークに関連し、かつタイミング同期リクエストパケットは、CPE10とPEルータ12との間のサブネットワーク、PEルータ12とCEルータ14との間のサブネットワーク、およびCEルータ14とCPE16との間のサブネットワークなどの多数のサブネットワークを通して送信する必要がある。したがって、タイミング同期リクエストパケットは、送信遅延を有する。
【0005】
さらに、元来グランドマスタであるCPE10が除去されまたはクラッシュされるならば、ノード12〜16は、CPE10から出力されるタイミング同期リクエストを受信することができない。このように、ノード12〜16は、BMCアルゴリズムを実行し始めて、どのノードが新たなグランドマスタになるべきであるかを決定する。したがって、タイミング同期全体が乱される。ファクトリ自動化環境を一例とすると、元来のグランドマスタが除去されまたはクラッシュされるならば、ノード(製造ライン)のタイミング情報がリセットされ、その結果故障した製品が得られることがある。
【0006】
図1Bは、どのようにして先行技術が新たなノードまたはハックノードを追加するかを示す模式図である。図1Bに示すように、新たなCPE18が追加される場合には、新たなCPE18はベストタイミング同期リクエストパケットEbestを全てのノード10〜16に出力して、他のノードがそれ自身とタイミング同期しているようにかつマスタスレーブ関係を再び決定するように要求する。すべてのノードは、BMCを再び実行して、新たなマスタスレーブ関係を決定する必要があるので、すべてのノード間のタイミング同期が乱される。そこで、タイミング同期全体には負影響が及ぼされる。より特定的には、タイミング同期の乱れのため故障した製品が得られることがあるので、ファクトリ自動化環境において他のタイミング同期化ノードのタイミング情報を乱してはいけない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許公開第2007/0064851号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
より特定的には、新たなCPE18がハックノードであれば、そのハックノードは、ベストタイミング同期リクエストパケットEbestをノード10〜16に出力して、ノード10〜16を強制的にスレーブノードになるようにしかつそれ自身をマスタノードにし、それによってセキュリティの問題が生じる。
本発明は、ネットワーク接続装置、ならびに通信システムおよびそれを応用する通信方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態に従って、通信システムが提供される。通信システムは、グランドマスタおよび少なくとも1つのサブネットワークを含む。サブネットワークは、グランドマスタに結合され、かつ少なくとも1つの第1ノードと、グランドマスタおよび第1ノードにかつその間に結合されるネットワーク接続装置とを含む。ネットワーク接続装置は、グランドマスタからのタイミング情報を受け入れて、ネットワーク接続装置とグランドマスタとの間でタイミング同期を達成する。ネットワーク接続装置は、ネットワーク接続装置のタイミング情報に基づいて第1タイミング同期リクエストパケットを第1ノードに出力して、第1ノードがネットワーク接続装置とタイミング同期しているように要求する。
【0010】
また本発明の実施形態に従って、通信システムで応用されるネットワーク接続装置が提供される。通信システムは、グランドマスタおよび第1ノードを含む。ネットワーク接続装置は、複数の接続ポートと、タイミング同期モジュールと、ネットワーク接続モジュールとを含む。接続ポートのうち第1接続ポートは、グランドマスタに接続され、かつ接続ポートのうち第2接続ポートは、第1ノードに接続される。タイミング同期モジュールは、接続ポートに結合される。グランドマスタから送信される第1タイミング同期リクエストパケットは、第1接続ポートを通してタイミング同期モジュールに送信されて、グランドマスタとネットワーク接続装置との間でタイミング同期を達成する。タイミング同期モジュールは、第2タイミング同期リクエストパケットを第2接続ポートを通して第1ノードにさらに出力して、ネットワーク接続装置と第1ノードとの間でタイミング同期を達成する。接続ポートに結合されるネットワーク接続モジュールは、パケット関連機能を行うためのものである。
【0011】
さらに、本発明の実施形態に従って、通信システムにおいて適合される通信方法が提供される。通信システムは、グランドマスタ、少なくとも1つの第1ノードと、ネットワーク接続装置を含む。通信方法は、ネットワーク接続装置によって、グランドマスタからのタイミング情報を受け入れて、ネットワーク接続装置とグランドマスタとの間でタイミング同期を達成するステップと、ネットワーク接続装置によって、ネットワーク接続装置のタイミング情報に基づいて第1タイミングリクエストパケットを第1ノードに出力するステップとを含む。
【0012】
上記の一般的な説明および次の詳細な説明は、例示的かつ説明的であるだけであり、本発明から制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】図1A(先行技術)は、先行技術に従ってタイミング同期を達成する動作を示す模式図である。
【図1B】図1B(先行技術)は、先行技術に従って新たなノードを追加する動作を示す模式図である。
【図2A】図2Aは、本発明の実施形態による通信システムを示す模式図である。
【図2B】図2Bは、本発明の実施形態によるネットワーク接続装置を示す模式図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態によるタイミング同期機構を示す模式図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態による新たなノードの追加を示す模式図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態においてグランドマスタノードの除去またはクラッシュを示す模式図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態においてハックノードが追加される場合の条件を示す模式図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態による動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明によれば、グランドマスタとノード(たとえば、製造ライン、ロボットアーム、モータなど)との間のタイミング同期が達成されるように精密タイミング同期を達成することができる装置およびシステムが提供される。
本発明の実施形態において、ネットワーク接続装置およびそれを応用する通信システムが提供される。ネットワーク接続装置は、グランドマスタとタイミング同期している。 ネットワーク接続装置は、スレーブノードにそれ自身とスレーブノードとの間でタイミング同期を達成するように要求する。したがって、グランドマスタと、ネットワーク接続装置と、スレーブノードとの間のタイミング同期が達成される。
【0015】
本発明の実施形態において、ネットワーク接続装置およびそれを応用する通信システムが提供される。新たなノードが追加される場合には、その新たなノードを強制的にスレーブノードになるようにし、かつ新たなノードから出力されるタイミング同期リクエストパケットは、ネットワーク接続装置によってブロックされて、他のノード間のタイミング同期の乱れまたは影響を防ぐ。
【0016】
本発明の実施形態において、ネットワーク接続装置およびそれを応用する通信システムが提供される。グランドマスタが除去されまたはクラッシュされる場合には、ネットワーク通信装置は、スレーブノードとのタイミング同期を連続して行って、すべての他のスレーブノード間のタイミング同期が影響されるのを防止する。
本発明の実施形態において、ネットワーク接続装置およびそれを応用する通信システムが提供される。ハックノードが追加される場合には、ハックノードから出力されるベストタイミング同期リクエストパケットがネットワーク接続装置によってブロックされて、すべてのノード間のタイミング同期が影響されるのを防止する。さらに、ハックノードに接続されるネットワーク接続装置の接続ポートが遮断されて、ハックノードから出力されるすべてのパケットをブロックする。
【0017】
本発明の実施形態において、通信ネットワークにおけるスレーブノードは、ベスト・マスタ・クロック(BMC)アルゴリズムを選択的に支持することができる。
図2Aは、本発明の実施形態による通信システム100を示す模式図である。図2Aを参照して、通信システム100は、グランドマスタ110および多数のサブネットワーク120および130を含む。サブネットワーク120は、ネットワーク接続装置121および多数のスレーブノード122を含む。サブネットワーク130は、ネットワーク接続装置131および多数のスレーブノード132を含む。本実施形態において、サブネットワークは、インターネットプロトコル(IP)ネットワークなどパケットネットワークを含むがこれに限定されない。2つのサブネットワークのみを図2Aに図示するが、当業者は、本発明がサブネットワークの数および種類によって制限されないことを理解することができる。
【0018】
ファクトリ自動化環境を一例とすると、2つのサブネットワークは、ファクトリ自動化についての2つのゾーンとみなされてもよい。2つのゾーンは、半導体ウェハファクトリにおけるイエローゾーンおよびエッチングゾーン、または車両鋳造工場における自動化ロボットアームおよび製造ラインであってもよい。
グランドマスタ110ならびにネットワーク接続装置121および131は、ベスト・マスタ・クロック(BMC)アルゴリズムおよび高精度時間プロトコル(PTP)を支持する。
【0019】
本実施形態において、グランドマスタ110は、常にマスタノードであり、かつグランドマスタ110のタイミング情報は、通信システム100の標準時間である。通信システム100内部のネットワーク接続装置121および131は、グランドマスタ110とタイミング同期していなければならない。グランドマスタ110は、周期的に(例えば、2秒ごとに)タイミング同期リクエストをネットワーク接続装置121および131に出力し、かつネットワーク接続装置121および131はまた、タイミング同期リクエストをスレーブノード122および132に周期的に出力する。したがって、通信システム100内部のすべてのノード間のタイミング同期が保持されるように保証することが可能である。
【0020】
ネットワーク接続装置121,131とグランドマスタ110との間では、ネットワーク接続装置121および131は、スレーブノードである。しかしながら、ネットワーク接続装置121,131とスレーブノード122、132との間では、ネットワーク接続装置121および131はマスタノードである。言い換えると、サブネットワーク120および130では、ネットワーク接続装置121および131は、マスタノードであり、かつ他のノードは、スレーブノードである。
【0021】
本実施形態において、ネットワーク接続装置121および131の各々は、ゲートウェイ、ルータ、スイッチ、ブリッジなどを含むがこれに限定されない。本実施形態において、ネットワーク接続装置121および131は、パケットをディスパッチングする、転送する、または切り換えることができる。ネットワーク接続装置121および131は、多数のネットワークに接続される。サブネットワーク120および130は、同じ通信プロトコルまたは異なる通信プロトコルを採用してもよい。本実施形態において、ネットワーク接続装置は、グランドマスタと、ネットワーク接続装置と、スレーブノードとの間のタイミング同期が達成されるように境界タイミング同期機構(boundary timing synchronization mechanism)を有し、その詳細を以下で説明する。
【0022】
本発明の実施形態において、任意の1つのスレーブノードは、BMCアルゴリズムを支持してもよいし、支持しなくてもよい。スレーブノードは、BMCアルゴリズムを選択的に支持してもよい。本発明の実施形態において、ネットワーク接続装置は、スレーブノードがBMCアルゴリズムを支持するかどうかにかかわらず、自らをマスタノードとして設定し、かつ他のノードを同じサブネットワークのスレーブノードとして設定する。すなわち、たとえBMCアルゴリズムを支持するノードがBMCアルゴリズムを完全に実行しても、ノードは、なおスレーブノードであり、かつマスタノードとなることができない。さらに、すべてのスレーブノードは、本発明の実施形態におけるPTPを支持しなければならない。
【0023】
図2Bは、本発明の実施形態によるネットワーク接続装置121を示す模式図である。図2Bを参照して、ネットワーク接続装置121は、ネットワーク接続モジュール210、タイミング同期モジュール220、接続ポート230A、および多数の接続ポート203Bを含む。一般的には、1つの接続ポート230Aしかない。
ネットワーク接続モジュール210は、パケット関連機能と呼ばれることもある、パケットディスパッチ、パケット転送、およびパケット切換機能を実行する。
【0024】
グランドマスタ110から送信されるタイミング情報は、接続ポート230Aを通してタイミング同期モジュール220に送信されてもよい。タイミング同期モジュール220は、タイマー機能を実行してもよい。すなわち、タイミング同期モジュール220のタイミング情報は、ネットワーク接続装置のタイミング情報である。さらに、タイミング同期モジュール220はまた、PTPアルゴリズムおよびBMCアルゴリズムを支持する。
【0025】
ネットワーク接続装置(すなわち、タイミング同期モジュール220)がグランドマスタ110とタイミング同期される場合には、タイミング同期モジュール220は、スレーブノード122についての送信遅延との同期時間を計算し、かつその同期時間と、スレーブノード122が後に同期される。タイミング同期モジュール220は、タイミング同期をするための接続ポート230Bを通して、パケットによる同期時間情報をスレーブノード122に送信する。したがって、ネットワーク接続装置121とスレーブノード122との間のタイミング同期が達成される。
【0026】
ネットワーク接続装置121の接続ポート230Aおよび230Bは、PTPアルゴリズムおよびBMCアルゴリズムを支持する。BMCアルゴリズムは、(グランドマスタ110に接続される)接続ポート230Aとグランドマスタ110との間で実行されて、グランドマスタ110をマスタノードとしてかつ接続ポート230Aおよび230Bをスレーブノードとして決定する。さらに、接続ポート230Aおよび230Bのどちらか一方が、外的にまたは動的にグランドマスタ110に接続されなければならないかを決定することが可能である。BMCアルゴリズムが完全に実行された後、PTPアルゴリズムは、ネットワーク接続装置121の接続ポート230Aとグランドマスタ110との間で実行され、その結果接続ポート230Aは、グランドマスタ110から送信されるタイミング情報を受信することができ、かつそのタイミング情報をタイミング同期モジュール220に送信することができる。
【0027】
その後、タイミング同期モジュール220は、それ自身のタイミング情報を他の接続ポート230Bに出力する。通信システム100の内部には1つだけグランドマスタ110があり、そこでスレーブノード122は、いったん接続ポート230Aがグランドマスタ110に接続されるように決定されると、他の接続ポート230Bに接続される。
スレーブノードがBMCアルゴリズムを支持するならば、ネットワーク接続装置121の接続ポート230Bおよびスレーブノード122がBMCアルゴリズムを完全に実行した後、接続ポート230Bは、ネットワーク接続装置121を強制的にマスタノードになるようにする(これは、「マスタオンリ」機構と呼ばれる)。他方、スレーブノードがBMCアルゴリズムを支持しなければ、BMCアルゴリズムは接続ポート230Bとスレーブノード122との間で実行されないが、接続ポート230Bはまた、ネットワーク接続装置121を強制的にマスタノードになるようにしてもよい。
【0028】
さらに、新たなノードがサブネットワークに追加されても(すなわち、新たに追加されたノードが接続ポート230Bに接続されても)、接続ポート230Bはまた、ネットワーク接続装置121を強制的にマスタノードになりかつ新たなノードを強制的にスレーブノードになるようにしてもよい。
しかしながら、新たなノードを強制的にスレーブノードになるようにすることができなければ、新たなノードは、本発明の実施形態のハックノードとみなされ、かつ新たなノードに接続される接続ポート230Bが遮断される。したがって、ネットワーク接続装置121は、ハックノードがタイミング同期リクエストを不適切に出力してサブネットワーク(および通信システム全体)のタイミング同期を乱すのを防止してもよい。
【0029】
接続ポート230Bは、タイミング同期モジュール220から送信されるタイミング情報を受信した後、タイミング同期リクエストパケットをスレーブノード122に出力して、ネットワーク接続装置121とスレーブノード122との間でタイミング同期を達成する。
以上で説明したように、BMCアルゴリズムを支持しないスレーブノードが、本発明の実施形態に従ってさらに提供される。BMCアルゴリズムを支持しないスレーブノードのソフトウェア/ハードウェアは、PTPをなお支持する。したがって、スレーブノードのソフトウェア/ハードウェアを簡略化し、ひいてはスレーブノードのコストを下げることが可能である。スレーブノードのソフトウェア/ハードウェアがBMCアルゴリズムを動作させる必要がないので、スレーブノードのソフトウェア/ハードウェアの動作負荷は、さらに低下されてもよい。より特定的には、スレーブノードとグランドマスタとの間のタイミング同期は、BMCアルゴリズムを完了する際にかかる時間が節約されるので、さらに加速されてもよい。
【0030】
<境界タイミング同期機構>
本発明の実施形態は、境界タイミング同期機構を提供する。図3は、本発明の実施形態によるタイミング同期機構を示す模式図である。
本発明の実施形態において、タイミング同期リクエストパケットは、多数のサブネットワークを通して送信する必要がない。図3に示されるように、グランドマスタ110およびスレーブノード122は、それぞれ異なるサブネットワークに関連する。最初に、グランドマスタ110およびネットワーク接続装置121は、BMCアルゴリズムを実行して、マスタスレーブ関係を決定する(すなわち、どちらがマスタでありかつどちらがスレーブであるかを決定する)。グランドマスタは常にマスタであるので、BMCアルゴリズムが実行された後、グランドマスタ110がマスタとなりかつネットワーク接続装置121がスレーブとなる。
【0031】
マスタとスレーブとの間の関係が決定された後、グランドマスタ110は、タイミング同期リクエストパケットをネットワーク接続装置121に出力する。パケットを受信した後、ネットワーク接続装置121は、そのタイミング情報が、グランドマスタ110のタイミング情報と同期するように調整する。ここで、この動作は、「ネットワーク接続装置121が、グランドマスタ110のタイミング情報を受け入れる」と呼ばれる。その後、ネットワーク接続装置121は、スレーブノード122が後に同期される同期タイミングを計算することを担当しており、かつネットワーク接続装置121は、同期時間情報パケットをスレーブノード122に送信して、ネットワーク接続装置121とノード122との間でタイミング同期を達成する。すなわち、ノード122は、グランドマスタ110と直接タイミング同期していない。
【0032】
図3の実施形態によれば、グランドマスタ110とネットワーク接続装置121との間の送信遅延は、グランドマスタ110とネットワーク接続装置121との間の追跡によって生じる送信遅延を表す追跡遅延350である。さらに。スレーブノード122は、ネットワーク接続装置121のタイミング情報を受け入れる。したがって、送信遅延は、ネットワーク接続装置121とスレーブノード122との間の追跡によって生じ、かつ追跡遅延352と呼ばれる。
【0033】
本実施形態において、グランドマスタ110からネットワーク接続装置121に送信されるタイミング同期リクエストパケットは、グランドマスタ110とネットワーク接続装置121との間にわたる上方境界を越えて送信される。ネットワーク接続装置121からスレーブノード122に送信されるタイミング同期リクエストパケットは、ネットワーク接続装置121とスレーブノード122との間にわたる下方境界を越えて送信される。それにもかかわらず、タイミング同期リクエストパケットは、異なるサブネットワークを通して伝送しない。本実施形態においては、このような理由で、この機構が境界タイミング同期機構と呼ばれる。
【0034】
本実施形態において、タイミング同期リクエストパケットの送信遅延は、ネットワーク接続装置121とスレーブノード122との間で生じる。そこで、タイミング同期は、より高精度である。
<追加される新たなノード>
図4は、本発明の実施形態に従って新たなノードを追加する動作を示す模式図である。図4に示すように、本実施形態におけるネットワーク接続装置121の接続ポート230Bは、「マスタオンリ」機構を有する。新たなノード420が追加される場合には、新たなノード420は、ベストタイミング同期リクエストパケットEbestをネットワーク接続装置121に出力しようとする。しかしながら、ネットワーク接続装置121の関連接続ポート230Bは、マスタであるように設定されていて、そこで新たなノード420がスレーブであるように設定される。さらに、新たなノード420から出力されるベストタイミング同期リクエストパケットEbestは、ネットワーク接続装置121によってブロックされる。すなわち、新たなノード420から出力されるベストタイミング同期リエクストパケットEbestを、他のスレーブノードに送信することができない。
【0035】
したがって、新たなノードが追加されても、既存のスレーブノード122は、再びBMCアルゴリズムを実行せず、かつネットワーク接続装置は、本実施形態においてタイミング同期をなお制御する。そこで、既存のノード間のタイミング同期は乱されない。ファクトリ自動化環境を一例とすると、他のノードは、なお正常に働くことができ、かつ製造工程全体は、新たに追加されるノードによって妨害されない。
【0036】
<グランドマスタノードの除去またはクラッシュ>
図5は、本発明の実施形態におけるグランドマスタノードの除去またはクラッシュを示す模式図である。図5に示すように、グランドマスタ110が、本実施形態においてクラッシュされまたは除去されるならば、ネットワーク接続装置121は、ネットワーク接続装置121のタイミング情報に基づいて、スレーブノード122とのタイミング同期を連続して行う。したがって、すべてのスレーブノード122は、なお同期してかつ正常に動作する。したがって、グランドマスタが除去されまたはクラッシュされても、製造工程全体は、本実施形態において妨害されない。
【0037】
<安全保護>
図6は、ハックノードが本発明の実施形態において追加される場合の条件を示す模式図である。図6に示すように、本実施形態におけるネットワーク接続装置121の接続ポート230Bは、「マスタオンリ」機構を有し、かつ新たに追加されたハックノード620によって出力されるベストタイミング同期リクエストパケットEbestをブロックする/フィルタすることができ、パケットが通信ネットワーク100内部の他のノードに導入されるのを防止する。
【0038】
新たなノードが追加される場合には、「マスタオンリ」機構を有する接続ポート230Bは、ベストタイミング同期リクエストパケットEbestを出力して、新たなノードがスレーブノードになるように要求する。ネットワーク接続装置121が、新たに追加されたノードがスレーブノードであるように設定されることを受入れないことがわかるならば、またはネットワーク接続装置121が、新たに追加されたノードがまたベストタイミング同期リクエストパケットEbestを出力することがわかるならば、ネットワーク接続装置121は、そのノードをハックノードとみなし、かつハックノードに接続される接続ポートを自動的に遮断する。
【0039】
通常の応用では、スレーブノード(製造ライン)のタイミング情報は、校正されなければならず、かつスレーブノードは、ベストタイミング同期リクエストパケットEbestを出力しない。ハックノードのみが、ベストタイミング同期リクエストパケットEbestを出力しようとする。
<フローチャート>
図7は、本発明の実施形態による動作を示すフローチャートである。図7に示すように、ステップ710では、ガードマスタおよびネットワーク接続装置は、BMCアルゴリズムを実行して、グランドマスタがマスタでありかつネットワーク接続装置がスレーブであると決定する。次に、ステップ720では、ネットワーク接続装置は、連続してガードマスタとタイミング同期している。
【0040】
次に、ステップ730では、ノードがネットワーク接続装置に接続される場合には、ネットワーク接続装置に接続されるノードが、BMCアルゴリズムを支持するかどうか判断される。もしYESであれば、740に進むか、さもなければステップ760に進む。
ステップ740では、BMCアルゴリズムは、ネットワーク接続装置とBMCアルゴリズムを支持するノードとの間で実行されて、どちらがマスタでありかつどちらがスレーブであるかを決定する。
【0041】
ステップ750では、ノードがスレーブノードに設定されることを受け入れるかどうか判断される。もしYESであれば、ステップ760に進み、さもなければステップ770に進む。
ステップ760では、ネットワーク接続装置は、マスタとして設定され、かつこのノードがスレーブとして設定される。ネットワーク接続装置は、タイミング同期リクエストをスレーブノードにアクティブに出力して、タイミング同期を行う。したがって、グランドマスタと、ネットワーク接続装置と、スレーブノードとの間でタイミング同期を完了することが可能である。
【0042】
ステップ770では、ネットワーク接続装置は、ノードをハックノードとみなし、かつハックノードに接続される接続ポートを遮断する。
要約すると、本発明の実施形態において、ネットワーク接続装置は、同じサブネットワーク上のすべてのスレーブノードがそれ自身とタイミング同期しているように要求する。ガードマスタは、スレーブノードがそれ自身とタイミング同期しているように要求しない。さらに、ガードマスタは、各サブネットワーク上のネットワーク接続装置がそれ自身とタイミング同期しているように要求する。したがって、通信システム全体におけるすべてのノード間でタイミング同期が達成されてもよい。ガードマスタが除去されまたはクラッシュされる場合、新たなスレーブが追加される場合、またはハックノードがハックしたい場合でも、通信システム内部のすべてのノード間のタイミング同期をなお保持することができ、かつそれには負影響が及ぼされる。
【0043】
本発明を一例としてかつ好ましい実施形態について説明してきたが、本発明はそれに制限されないと理解されたい。それどころか、さまざまな修正および類似の範囲および手順を扱うよう意図されており、よって後掲の特許請求の範囲は、すべてのそのような修正および類似の配置および手順を包含するように最も広い解釈が与えられるべきである。
本出願は、2008年10月21日に出願された台湾特許出願第97140355号明細書の優先権を主張し、その全ての開示内容を本明細書中に援用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グランドマスタと、前記グランドマスタに結合された少なくとも1つのサブネットワークとを有し、前記サブネットワークは、
(a)少なくとも1つの第1ノードと、
(b)前記グランドマスタおよび前記少なくとも1つの第1ノードにかつその間に結合されるネットワーク接続装置であって、前記ネットワーク接続装置は、前記グランドマスタからのタイミング情報を受け入れて、前記ネットワーク接続装置と前記グランドマスタとの間でタイミング同期を達成し、かつ前記ネットワーク接続装置は、前記少なくとも1つの第1ノードとの関係ではマスタとして振る舞い、前記少なくとも1つの第1ノードとの伝送遅延を含む同期時間を計算し、前記少なくとも1つの第1ノードにその同期時間を供給することにより前記少なくとも1つの第1ノードをその同期時間に基づいて同期するスレーブとするものであり、前記ネットワーク接続装置のタイミング情報に基づいて第1タイミング同期リクエストパケットを前記少なくとも1つの第1ノードに出力して、前記少なくとも1つの第1ノードが前記ネットワーク接続装置とタイミング同期しているように要求する、ネットワーク接続装置とを備えるものであり、
前記グランドマスタ及び前記ネットワーク接続装置は、前記グランドマスタと前記ネットワーク接続装置との間のマスタ−スレーブ関係を決定するためのベスト・マスタ・クロック(BMC)アルゴリズムを支持し、前記少なくとも1つの第1ノードが前記BMCアルゴリズムを支持しないときは、前記ネットワーク接続装置は前記少なくとも1つの第1ノードを、前記BMCアルゴリズムを用いないで強制的にスレーブとするものである、通信システム。
【請求項2】
前記グランドマスタと、前記ネットワーク接続装置とは、マスタとスレーブの関係があり、前記ネットワーク接続装置と、前記少なくとも1つの第1ノードとは、マスタとスレーブの関係がある、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ネットワーク接続装置が、前記グランドマスタからの前記タイミング情報を受け入れる場合には、前記グランドマスタは、第2タイミング同期リクエストパケットを前記ネットワーク接続装置に出力して、その間で前記タイミング同期を達成し、かつ前記第2タイミング同期リクエストパケットは、前記グランドマスタと前記ネットワーク接続装置との間の境界を越えて送信される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ネットワーク接続装置から出力される前記第1タイミング同期リクエストパケットは、前記ネットワーク接続装置と前記少なくとも1つの第1ノードとの間の境界を越えて送信される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
第2ノードが前記サブネットワークに新たに追加される場合には、前記ネットワーク接続装置は、前記第2ノードを強制的にスレーブであるようにし、かつ前記 ネットワーク接続装置は、前記第2ノードから出力される第3タイミング同期リクエストパケットを停止させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記グランドマスタが除去されまたはクラッシュされる場合には、前記ネットワーク接続装置は、なお適時に前記少なくとも1つの第1ノードが前記ネットワー ク接続装置とタイミング同期しているように要求して、その間で前記タイミング同期を達成し続ける、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
ハックノードは、前記サブネットワークに新たに追加され、前記ネットワーク接続装置は、前記ハックノードを強制的にスレーブであるようにしようとし、かつ前記ネットワーク接続装置が、前記ハックノードを強制的に前記スレーブであるようにすることができなくても、前記ハックノードに接続される前記ネットワーク接続装置の接続ポートが遮断され、かつ前記ネットワーク接続装置は、前記ハックノードから出力される第4タイミング同期リクエストパケットを停止させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記グランドマスタおよび前記ネットワーク接続装置は、高精度時間プロトコル(PTP)を支持する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1ノードは、高精度時間プロトコル(PTP)を支持し、かつ前記少なくとも1つの第1ノードは、前記BMCアルゴリズムを支持するまたは支持しない、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記ネットワーク接続装置は、
複数の接続ポートであって、前記接続ポートのうち第1接続ポートは、前記グランドマスタに接続され、かつ前記接続ポートのうち第2接続ポートは、前記少なくとも1つの第1ノードに接続される、複数の接続ポートと、
前記接続ポートに結合されるタイミング同期モジュールであって、前記グランドマスタから送信される前記第2タイミング同期リクエストパケットは、前記第1接続ポートを通して前記タイミング同期モジュールに送信されて、前記グランドマスタと前記ネットワーク接続装置との間で前記タイミング同期を達成し、かつ前記タイミング同期モジュールは、前記第1タイミング同期リクエストパケットを、前記第2接続ポートを通して前記少なくとも1つの第1ノードにさらに出力して、前記ネットワーク接続装置と前記少なくとも1つの第1ノードとの間で前記タイミング同期を達成する、タイミング同期モジュールと、
前記接続ポートに結合され、パケット送信、パケット切換、パケットディスパッチング、またはパケット転送を含むパケット関連機能を行う、ネットワーク接続モジュールとを備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項11】
グランドマスタと第1ノードとを備える、通信システムにおいて応用されるネットワーク接続装置であって、前記ネットワーク接続装置は、
複数の接続ポートであって、前記接続ポートのうちの第1接続ポートは、前記グランドマスタに接続され、かつ前記接続ポートのうちの第2接続ポートは、前記第1ノードに接続される、複数の接続ポートと、
前記接続ポートに結合されるタイミング同期モジュールであって、前記グランドマスタから送信される第1タイミング同期リクエストパケットは、前記第1接続ポートを通して前記タイミング同期モジュールに送信されて、前記グランドマスタと前記ネットワーク接続装置との間でタイミング同期を達成し、前記タイミング同期モジュールは、前記第1ノードとの関係ではマスタとして振る舞い、前記第1ノードとの伝送遅延を含む同期時間を計算し、前記第1ノードにその同期時間を供給することにより前記第1ノードをその同期時間に基づいて同期するスレーブとし、第2タイミング同期リクエストパケットを、前記第2接続ポートを通して前記第1ノードに出力して、前記ネットワーク接続装置と前記第1ノードとの間でタイミング同期を達成する、タイミング同期モジュールと、
前記接続ポートに結合され、パケット関連機能を行う、ネットワーク接続モジュールとを備え、
前記グランドマスタ及び前記ネットワーク接続装置は、前記グランドマスタと前記ネットワーク接続装置との間のマスタ−スレーブ関係を決定するためのベスト・マスタ・クロック(BMC)アルゴリズムを支持し、前記少なくとも1つの第1ノードが前記BMCアルゴリズムを支持しないときは、前記ネットワーク接続装置は前記少なくとも1つの第1ノードを、前記BMCアルゴリズムを用いないで強制的にスレーブとするものである、ネットワーク接続装置。
【請求項12】
グランドマスタと前記ネットワーク接続装置とは、マスタとスレーブの関係があり、かつ前記ネットワーク接続装置と前記第1ノードは、マスタとスレーブの関係がある、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1タイミング同期リクエストパケットは、前記グランドマスタと前記ネットワーク接続装置との間の境界を越えて送信される、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記第2タイミング同期リクエストパケットは、前記ネットワーク接続装置と前記第1ノードとの間の境界を越えて送信される、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
第2ノードは、前記ネットワーク接続装置の前記接続ポートのうちの第3接続ポートに新たに接続され、前記ネットワーク接続装置は、前記第2ノードを強制的にスレーブであるようにし、かつ前記ネットワーク接続装置は、前記第2ノードから出力される第3タイミング同期リクエストパケットを停止させる、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記グランドマスタが除去されまたはクラッシュされる場合には、前記ネットワーク接続装置は、なお適時に前記第1ノードが前記ネットワーク接続装置とタイミング同期しているように要求して、その間で前記タイミング同期を達成し続ける、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
ハックノードは、前記ネットワーク接続装置の前記接続ポートのうちの第4接続ポートに新たに接続され、前記ネットワーク接続装置は、前記ハックノードを強制的にスレーブにしようとし、かつ
前記ネットワーク接続装置が、前記ハックノードを強制的に前記スレーブであるようにすることができないなら、前記第4接続ポートが遮断され、かつ前記ネットワーク接続装置は、前記ハックノードから出力される第4タイミング同期リクエストパケットを停止させる、請求項11に記載の装置。
【請求項18】
前記グランドマスタおよび前記ネットワーク接続装置は、高精度時間プロトコル(PTP)を支持し、前記第1ノードは、前記高精度時間プロトコル(PTP)を支持し、かつ前記第1ノードは、前記BMCアルゴリズムを選択的に支持する、請求項11に記載の装置。
【請求項19】
前記ネットワーク接続モジュールによって行われる前記パケット関連機能は、パケット送信、パケット切換、パケットディスパッチング、またはパケット転送を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項20】
前記タイミング同期モジュールは、前記第1ノードについての送信遅延との同期時間を計算することを担当し、かつ第2タイミング同期リクエストパケットとの同期時間を、前記第2接続ポートを通して前記第1ノードに出力し、次に第1ノードは、前記タイミング同期モジュールまで前記同期時間と同期される、請求項11に記載の装置。
【請求項21】
グランドマスタと、少なくとも1つの第1ノードと、ネットワーク接続装置とを有する通信システムにおける通信方法であって、
前記ネットワーク接続装置によって、前記グランドマスタからのタイミング情報を受け入れて、前記ネットワーク接続装置と前記グランドマスタとの間でタイミング同期を達成するステップと、
前記ネットワーク接続装置は、前記少なくとも1つの第1ノードとの関係ではマスタとして振る舞い、前記少なくとも1つの第1ノードとの伝送遅延を含む同期時間を計算し、前記少なくとも1つの第1ノードにその同期時間を供給することにより前記少なくとも1つの第1ノードをその同期時間に基づいて同期することによって、前記ネットワーク接続装置のタイミング情報に基づいて第1タイミング同期リクエストパケットを前記少なくとも1つの第1ノードに出力し、かつ前記第1ノードが前記ネットワーク接続装置と前記少なくとも1つの第1ノードとの間でタイミング同期を達成するように要求するステップとを含み、
前記グランドマスタ及び前記ネットワーク接続装置は、前記グランドマスタと前記ネットワーク接続装置との間のマスタ−スレーブ関係を決定するためのベスト・マスタ・クロック(BMC)アルゴリズムを支持し、前記少なくとも1つの第1ノードが前記BMCアルゴリズムを支持しないときは、前記ネットワーク接続装置は前記少なくとも1つの第1ノードを、前記BMCアルゴリズムを用いないで強制的にスレーブとする、方法。
【請求項22】
前記グランドマスタがマスタでありかつ前記ネットワーク接続装置が前記グランドマスタと前記ネットワーク接続装置との間のスレーブであるように設定するステップと、
前記ネットワーク接続装置がマスタでありかつ前記少なくとも1つの第1ノードが前記ネットワーク接続装置と前記少なくとも1つの第1ノードとの間のスレーブであるように設定するステップとをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記グランドマスタによって、第2タイミング同期リクエストパケットを前記ネットワーク接続装置に出力して、その間で前記タイミング同期を達成するステップであって、前記第2タイミング同期リクエストパケットは、前記グランドマスタと前記ネットワーク接続装置との間の境界を越えて送信されるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記ネットワーク接続装置から出力される前記第1タイミング同期リクエストパケットは、前記ネットワーク接続装置と前記少なくとも1つの第1ノードとの間の境界を越えて送信される、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
第2ノードが新たに追加される場合には、前記ネットワーク接続装置によって、前記第2ノードがスレーブであるように設定し、かつ前記ネットワーク接続装置によって、前記第2ノードから出力される第3タイミング同期リクエストパケットを停止させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記グランドマスタが除去されまたはクラッシュされる場合には、前記ネットワーク接続装置によって、適時に前記少なくとも1つの第1ノードが前記ネットワーク接続装置とタイミング同期しているように要求して、その間で前記タイミング同期を達成し続けるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
ハックノードが新たに追加される場合には、前記ネットワーク接続装置によって、前記ハックノードがスレーブであるように設定しようとするステップをさらに含み、
前記ネットワーク接続装置が、前記ハックノードが前記スレーブであるように設定することができなければ、前記ハックノードに接続される前記ネットワーク接続装置の接続ポートが遮断され、かつ前記ネットワーク接続装置は、前記ハックノードから出力される第4タイミング同期リクエストパケットを停止させる、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記グランドマスタおよび前記ネットワーク接続装置は、高精度時間プロトコル(PTP)を支持する、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記少なくとも1つの第1ノードは、高精度時間プロトコル(PTP)を支持し、かつ前記少なくとも1つの第1ノードは、前記BMCアルゴリズムを選択的に支持する、請求項21に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−85278(P2013−85278A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−272554(P2012−272554)
【出願日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【分割の表示】特願2009−149956(P2009−149956)の分割
【原出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(390023582)財團法人工業技術研究院 (524)
【住所又は居所原語表記】195 Chung Hsing Rd.,Sec.4,Chutung,Hsin−Chu,Taiwan R.O.C
【Fターム(参考)】