説明

ネットワーク管理のための装置及び方法

本発明はネットワーク管理のための装置に関し、管理されるネットワークノード内に備えられ又は関係づけられるように構成される。本発明は、推論エンジン(3)による推論能力を備える形式オントロジーを用い、実質的に非形式的な記述を用いてネットワーク領域及び振る舞いをモデリングするように構成され、領域及び振る舞いを記述する形式オントロジーモデルを与えるモデリング手段(1,2)を備えるか、又はこれらと通信する。本発明はまた、前記領域及び振る舞いの形式オントロジーモデルに対して意味情報を加えるように構成された注釈手段(4)と、前記形式オントロジーモデル及び前記推論エンジン(3)を用いて、前記領域及びその振る舞いを示す確率因果ネットワークグラフ構造を生成し更新するように構成されたアルゴリズムを作り出すように構成された生成手段(6)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理されるネットワークノードに備えられるように構成され、又は管理されるネットワークノードと関係するように構成された、ネットワーク管理のための装置に関する。
【0002】
本発明はまた、ネットワーク管理のための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ネットワーク管理はますます複雑になってきている。同様に、ネットワーク管理者はユーザ中心のエンド・トゥ・エンドの常に最良の接続を提供することが可能であるべきであるという、ネットワーク管理者に対する要求又は期待もまた、ますます複雑になってきている。複雑にしている要素が、ネットワークがますます異なる要素から構成され、かつ複雑になってきていることである。未来のネットワークは、基本的にはサービス主導となり、ユーザがアクセスを有するどんなネットワークについても、ユーザは一定のサービス可用性を期待するだろう。これらのネットワークは広い種類の異なるアクセス及びコアネットワークからなり、同時に多くのサービスを提供することが要求されるだろう。それらはまた、エンドユーザの最高のエクスペリエンスの質(QoE)に対する要求に、同様に合理的な管理者経費(OPEX)での最適なリソース管理に対する管理者の要求に、迅速にかつほぼリアルタイムに適合することができるように現在のネットワークがするのと比べてより相当にダイナミックな振る舞いを示すだろう。
【0004】
この通信ネットワークの複雑さは引き続いて、複雑で分散され、好適には大部分が自己適応性のネットワーク管理システムを要求する。このように、分散自律自己管理ネットワークをサポートするネットワーク管理技術に対する要求が存在するだろう。従って、ダイナミックで異なる要素から構成された多サービス環境においてネットワークがこれらのサービスをどのように管理するかを決定することを可能にするために、サービス、サービス間の対話、ユーザの好み、及びビジネスの戦略的ビューに関する専門家の知識をネットワークにおいて採用しようと試みる、ポリシに基づいたネットワーク管理が提案される。
【0005】
例えばポリシ主導の分散された自己管理ネットワークにおいて、ネットワークのデバイスはサービス要求とユーザ要求との少なくとも一方を満たすために、個別の振る舞いを示す。このような個別の振る舞いは、ネットワークに全体として影響を与えるだろう。それゆえ、ネットワークの振る舞いを観察することができることは、望まれない振る舞い、故障等の予知及び検出のような目的のためには、不可欠となっている。
【0006】
ネットワークとネットワークデバイスとの少なくとも一方の振る舞いを監視することができるためには、管理システムはネットワークデバイスに関連するイベント、すなわちネットワークデバイスが何をしているか、及びネットワークデバイスの状態、すなわちネットワークデバイスがどのようにしているか、を監視しなければならない。振る舞いの概念的な監視のために、例えば監視されるサービス及びその特徴のようなエンティティを記述すること、及びそのエンティティを観察するモデルを構築することが可能であるべきである。"Tutorial ontological engineering Part 1: Introductions to Ontological Engineering", 2003 by R. Mizoguchiは、オントロジカル工学に基づいた知識を表す方法を説明する。オントロジカル工学は、所与の領域についての共通理解を共有する目的で、そしてこうして共同作業及び知識の再使用を可能とするために、この領域において概念がどのように捉えられうるかに注目する。オントロジーは、所与の領域と領域仮定の形式表現内での、概念及びその属性の分類法である。形式的であるとは、ここでは意味的に豊かであり、例えば記述論理又はフレーム論理のようなよく知られた論理的パラダイムに基づいていることを意味する。記述論理については、"Description Logics", Handbook on Ontologies, Springer, Ed., 2004 by F. Baader et al.を参照せよ。フレーム論理については、"Ontologies in F-logic", in Handbook on Ontologies: Springer, 2004, by J. Angele and G. Lausan.を参照せよ。形式オントロジーはこのように、機械による可読性及びサポートされる様々な推論(inference, reasoning)能力を介した情報に関する推論を可能とするよく定義された意味に基づいている。"d20.2v02: OWL - Lite reasoning with rules", 2004 by A. Harth and S. Decker.を参照せよ。
【0007】
確率グラフモデルは、システムの態様の間にある依存性(及び非依存性)を特定することによって、振る舞いを監視する手段を与える。"Bayesian Networks and Decision graphs", New York: Springer-Verlag, 2001, by F.V. Jensenにおいて例えば議論される、いわゆるベイジアンネットワーク(BN)は、非循環有向グラフに基づいた確率モデルグラフのサブセットである。BNは、例えば電力消費又は誤り伝搬のような、異なる形式の振る舞いを監視するために現在用いられている。BNはグラフ構造からなり、ここでノードはアプリケーション領域からの静的変数を表し、アークはそれらの間の影響関係を示し、関係する数値部はこれらの変数についての条件付確率分布をエンコードする。条件付確率分布は、BN内の他の変数の値が与えられた時に、変数が様々な値をとる確率をエンコードする。
【0008】
オントロジカル表現を採用することの目的は、所与の領域の共有共通理解を与え、共同動作及び知識の再利用だけでなく、機械による可読性及び推論を介した情報に関する推論を可能とするために、その所与の領域内の概念を捉えることにある。オントロジカル表現は決定論的であり、領域に関する概念と事実、及びそれらの間の関係からなる。
【0009】
ベイジアンネットワークの目的は、領域のグラフモデルに基づいて状態の複合確率を推定するための手段を与えることである。これらは知識の構造化された表現を与え、領域の概念(又は変数)の間の関係を特定する。BNは確率論的であって、BN構造中の親変数の値が与えられた時に、変数が特定の値をとる確率をエンコードする。
【0010】
オントロジー及びベイジアンネットワークは、機械による推論及び判断を容易にするために、独立に用いられてきた。
【0011】
BNは圧倒的に、障害管理の目的で適用されてきた。
【0012】
ベイジアンネットワークを構築する仕事は、非常に複雑であり知識集約的である。このことは、アプリケーション領域における関連する静的変数の特定と、これらの変数の間での因果関係の特定と、BNの数部分についての初期確率の割り当てとを必要とする。BN構造は手によって定義されてもよく、データに由来してもよい。手によるBNの構築は、アプリケーション領域における人間の熟練者の知識を多く必要とし、非常に困難であって自動化することができない。一方、データからBNを導出するには莫大な量のデータが必要であり、次にBN構造が人間の評価者によって、又は人間が注釈を付けたデータを参照して、確認されなければならない。
【0013】
US2004/0153429号明細書は、因果ネットワーク(ベイジアンネットワーク)の自動生成のためのアプローチを説明する。しかしながらこのアプローチは、ユーザが書き込むことができ、BN生成と直接に関係するよく定義されたデータ構造に頼り、そしてBNの生成が何らかのソフトウェアによって自動的に行われる。データ構造は一般的ではなく、他の目的のために再利用されることはできない。
【0014】
このように、このアプローチは融通の利くものではなく、その応用は非常に限られる。このように、ネットワーク管理において例えばベイジアンネットワークのような確率、因果ネットワークを用いることができることは魅力的であろうことが認識されているにもかかわらず、ベイジアンネットワークを構築する仕事が非常に複雑で知識集約的であるために、これらの使用は実質的には障害管理に限定されている。さらに、BNだけでなく領域の知識をも必要として非常に複雑である、BNを手で構築することすなわちグラフ構造を手で得ることも、硬直した柔軟性のないシステムとなるであろうよく定義されたデータ構造に頼ることも、どちらも現実的ではない。
【発明の概要】
【0015】
本発明の目的は、複雑で異なる要素から構成されたネットワークを扱うことが特に可能であり多数の異なるサービスを提供するネットワークノード内に備えられ、又はネットワークノードと関係づけられる、ネットワーク管理のための改良された装置を提供することである。分散され、自己適合的であるネットワークの管理に対する装置であって、妥当な管理者支出での最適なネットワーク管理に対する管理者の要求と、最高品質のエクスペリエンスに対するエンドユーザの要求とを満足させることを、ネットワーク管理について特に提供する装置を提案することが、本発明の特別な目的である。ネットワーク管理の目的のために関連する振る舞いの観察を可能とする、自己管理された分散ネットワークの管理装置を提供すること、望ましくない振る舞いを検知し予測することが可能であるための知識を表現することが、本発明の特別な目的である。自己管理についての最適な判断を行うことを可能とする装置を提供することが、本発明の特別な目的である。高度に自動化されかつ柔軟な方法で、観察の目的のための表現モデルを導出することが可能であるネットワーク管理装置を提供することが、本発明の特別な目的である。
【0016】
ネットワーク又は個別のネットワークデバイスが管理業務を提供する、例えばウェブサービス又はセマンティック・ウェブサービスのようなサービスの振る舞いの観察を可能とするネットワーク管理装置を与えることが、本発明の特別な目的である。
【0017】
例えばBNのような確率因果ネットワークの生成を容易とする手段を提供することが、本発明の最も特別な目的である。
【0018】
上述の目的の1以上が達成されうるネットワーク管理方法を提案することもまた、本発明の目的である。
【0019】
上述の目的の1以上が満足されるために、実質的に非形式的な記述を用い、形式オントロジーを用いてネットワーク領域及び振る舞いをモデリングし、形式オントロジーモデル、領域及び振る舞い記述モデル、及び推論能力を与えることを含むモデリング手段と、領域及び振る舞い形式オントロジーモデルに意味情報を加えるように構成された注釈手段と、及び形式オントロジーモデル及び推論能力を用いて確率因果ネットワークグラフ構造を生成し更新するように構成されたアルゴリズムを作り出すように構成された生成手段と、を含むか又は通信する(接続された)装置が提供される。形式オントロジーは、知識の構造化された表現を提供する。オントロジーは決定論的であり、領域に関する概念と事実、及びそれらの間の関係からなる。確率因果ネットワークグラフ構造は、領域のグラフモデルに基づいて状態の複合確率を推定するための手段を備える。確率グラフ構造はまた、知識の構造化された表現であり、領域の概念(又は変数)の間の関係を特定する。これらの関係は、概念又は変数の間にある依存性及び非依存性を示し、確率論的である。
【0020】
本発明はまた、ネットワークノードに実装される、ネットワーク管理方法を提供する。本方法は、推論能力を備える形式オントロジーを用いて、実質的に非形式的な記述からネットワーク領域及び振る舞いモデルをモデリングし、形式オントロジーの領域及び振る舞いの記述又はモデルを与える工程と、注釈工程において、前記領域及び振る舞いの形式オントロジーモデルに対して意味情報を加える工程と、前記形式オントロジーモデル及び前記推論能力を用いて、確率因果ネットワークグラフ構造を生成し、好ましくはさらに更新するように構成されたアルゴリズムを作り出す工程と、を含む。
【0021】
効率的に、柔軟に、かつ許容できる管理者支出で、同時にユーザの要求を満たすように、ネットワークノードを管理することが可能であるネットワーク管理のための優れた手段が提供されることが、本発明の利点である。ネットワーク又はネットワークデバイスの振る舞いを効率的にかつ確実に観察することを可能とする、分散ネットワーク管理をサポートする装置及び対応する方法が、本発明の特別の利点である。これらはまた、例えば過負荷、輻輳に関する望ましくない振る舞いを検出し又は予測すること、自己管理について適切な決定を行うこと、を可能とする。自己管理のための最適な決定を行う装置を提供する管理装置が提供されることもまた利点である。例えばベイジアンネットワークのような、観察の目的のための整合性のある確率グラフモデルを導出するための、高度に自動化され、また柔軟でもある方法を可能とする装置の方法とのそれぞれが提供されることもまた利点である。
【0022】
領域及び領域内のエンティティ間の相互関係を深く知るための専門家を必要とすることなく、確率グラフモデル又はグラフ構造が、ノード間の因果関係と同じように与えられうることが、本発明のさらなる利点である。専門家の仕事が容易になり、専門家の介在の量を減らすことができることもまた利点である。提供される領域及びサービスの合意された概念に近く、非専門家にとってもまた解釈が容易である確率グラフモデルが生成されうることもまた、本発明の利点である。
【0023】
機械による判断処理をサポートして容易にし、適応的な機能を与え、さらに振る舞いの監視及び予測を可能として、やがては続いて適切な手段をとることを可能とする自己設定ネットワーク管理装置が提供されることが、本発明の特別な利点である。
【0024】
以下で本発明が、非限定的な方法で、添付の図面を参照してより徹底的に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に従う装置の概略ブロック図である。
【図2】本発明に従う装置の1つの特定の実施形態のブロック図である。
【図3】確率グラフモデルを生成/更新するための、本発明に従う装置のエンティティ間の相互作用を説明するブロック図である。
【図4】形式ネットワーク管理サービス(NMS)領域オントロジーを含む第1の形式モデルの1つの例を図示する。
【図5】BNノードを含む確率グラフモデルのノード概念である。
【図6】第2の形式モデルの例、ここではBNモデルを図示する。
【図7】注釈された形式モデルの例を図示する。
【図8】生成工程によって与えられる、生成された領域及び振る舞い形式オントロジーモデルを示す。
【図9】本発明の1つの実施形態に従う、最終的なBNグラフ構造の例を示す。
【図10】本創造的概念に従う手順を説明する、概略的流れ図である。
【図11】特定のサービスを記述するオントロジーのアプリケーションを示す。
【図12】導出されたBNグラフの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本願は特に、例えば記述論理とフレーム論理との少なくとも一方に頼る形式オントロジーによって提供される推論(inference or reasoning)能力を用いて、例えばベイジアンネットワークのような確率因果グラフ構造が導出される装置及び方法をシサする。このことは、確率因果ネットワークの生成が高度に自動化されうることを意味する。専門家の知識は形式オントロジーに表現されることが仮定され、創作的概念は、確率グラフモデルの構造を生成し、グラフノード間の因果関係を導出し、可能ならば初期遷移確率を提案するための形式オントロジーの多様な推論能力にさらに頼る。
【0027】
前に説明したように、ベイジアンネットワークのような確率グラフ構造は、移動遠距離電気通信ネットワークのようなモデリングされたシステムについての、監視及び操作の原因及び結果に適用される、領域の表現である。オントロジーはまた、所与の領域に関する知識、エンコーディングする事実及び規則の構造化された表現である。本発明に従うと、知識及びオントロジーモデル生来の推論能力が、所望の領域を正確に表現するベイジアンネットワーク(又はより一般的には確率因果グラフ構造)の構築を自動化するために用いられる。本発明の一般的な態様に従うと、適応的で自己設定的なネットワーク管理システムが提案される。ここでオントロジーモデルは、知識レポジトリと自動化されたワークフローを促進するものとの2つの機能を有する。生成されたBNは管理活動の効果を監視するために働き、特に自己設定的判断及び仕事のためのフィードバックループの一部を形成する。
【0028】
オントロジーは、一般的な現実世界から厳密に領域が特定された知識へと、構造化された知識の表現を提供する手段である。オントロジカル表現を用いることにより、所与の領域における概念は、この領域の共有された共通理解を与えるために捉えられることができる。このことは、機械による可読性及び推論を介した情報に関する推論に加えて、共同動作及び知識の再利用を可能とする。オントロジーは決定論的であり、領域に関する概念と事実、及びそれらの間の関係からなる。確率グラフ構造、特にベイジアンネットワークは、領域のグラフモデルに基づいて状態の複合確率を推定するための手段を備える。これらは知識のさらに構造化された表現であり、領域の概念(又は変数)の間の関係を特定する。これらの関係は、概念又は変数の間にある依存性及び非依存性を示す。これらは、上でまた議論されたように、確率論的である。
【0029】
このことは、知識表現のための2つのツールが存在することを意味する。本発明に従うと、オントロジーの知識表現及び推論能力が、所与の領域を正確に表現し、そして特に機械による意志決定処理をサポートするために用いられうる、例えばベイジアンネットワークのような確率因果グラフモデルを自動的に構築するために用いられる。
【0030】
自己管理されたネットワークにおいては、設定ワークフローの自動化を容易にする自己設定機能を提供するように、オントロジーモデルは設計される。また、オントロジーモデルは、機械学習ベイジアンネットワークのコンポーネントを構築するための知識のレポジトリとしても働く。ベイジアンネットワークのコンポーネントはすると、適合的機能、設定動作の効果を監視し学習すること、及び管理活動におけるフィードバックループを閉じること、を与えるように設計される。
【0031】
BNの概念が簡潔に説明されるだろう。BNは、非循環有向グラフ(DAG)構造で構成される。このグラフのノードは、例えば遠距離電気通信ネットワークにおける性能カウンタのような、アプリケーション領域からの変数を表す。オントロジーは、概念及び関係に関する知識を表す。ベイジアンネットワークの用語におけるオントロジカル概念は、ある値をとることができ、BNグラフにおけるノードとして表される関連する確率分布を有する、領域変数である。本明細書において、概念、変数及びノードとの用語は、BN DAGにおける変数とオントロジーモデルにおける概念とを示すために相互に交換して用いられうる。
【0032】
グラフにおけるアークは、変数間にある依存性を示す。例として、(例えば図12のように)パラメータXの低下がサービスYを引き起こす。さらに、BNグラフ構造中の親変数の値が与えられた時に、変数が様々な値をとる可能性をエンコードする、変数についての関連する条件付き確率分布が存在する。例えば、パラメータXが所定の閾値よりも大きい時に、サービスYが引き起こされる可能性はp=1である。
【0033】
しかしながら、BNのアークは2つの変数の間の因果関係を示す必要はなく、ただ子変数値の分布がその親値に依存するのみであることに留意すべきである。いくつかの場合には、これは因果関係であるかもしれないが、常にそうであるわけではない。
【0034】
本発明に従って、確率因果グラフ構造(例えばBN)、グラフ中のノード間の因果関係、並びに前に説明したように例えばDL又はFLに頼る形式オントロジーに表現される領域及び振る舞い情報からの追加の条件付分布確率、を導出するための装置及び方法が提案される。
【0035】
それゆえ、有利な実施例において、装置のモデリング手段は、実質的に非形式的なネットワーク管理サービスの記述を受け取り、形式オントロジーを含むネットワーク管理サービスの第1の形式モデルを生成するように構成された計算手段を備える第1のモデリング手段を備える。モデリング手段はさらに、書き込まれた確率ネットワークモデルの記述から、第2の形式モデルを与えるために、形式オントロジーを含む形式確率ネットワーク記述を生成するように構成された第2のモデリング手段を備える。モデリングは通常ノードの外部で、手動で、例えばオントロジーエディタを用いて行われるが、モデリング手段はそれにもかかわらず、少なくとも概念的に、装置の一部を構成するものとして理解される。このことは、注釈手段又は注釈工程についてもまた適用される又は関連する。
前記注釈手段は、観察されるネットワークの特徴に関する、前に言及した前記意味情報を含む情報を受け取り又は用い、第1の形式モデルに注釈して、前記特徴を記述する形式注釈モデルを与えるように構成されていることが有利である。前に言及したように、このことは手動でなされることができる。前記装置は特に、前記第1の形式モデル、前記第2の形式モデル、及び前記形式注釈モデルを保持するように構成されたオントロジー保持手段を備える。前記装置は、前記形式オントロジーに(生来的に)含まれる推論又は導出の規則を実装する推論エンジンを備え、さらに推論エンジンと通信するように又は前記推論エンジンを備えるように構成された生成手段を備える。前記生成手段は、形式確率グラフモデルを構築し又は生成するために、前記形式注釈モデルにおける前記推論エンジンの前記規則による判定を実装するように構成されている。
【0036】
特別の実施形態においては、前記第1及び第2の形式モデルは、観察される特徴を特定する前記形式注釈モデルに一致して更新されるように構成され、前記生成手段は、前記推論エンジンと通信して、前記形式確率グラフモデルの更新を与えるように構成されている。
【0037】
好適な実施例においては確率因果ネットワークモデルはベイジアンネットワークを含み、確率グラフモデルはベイジアンネットワークグラフ構造を含む。
【0038】
好適な実施形態においては、装置は例えばベイジアンネットワークデータベースのような確率グラフ構造を保持するための格納手段を備える。
【0039】
本発明に従うと、前記第1の形式モデルは特に領域及び振る舞いの形式モデルを含み、一方で前記第2の形式モデルは(例えば形式のみを記述する)確率グラフ領域モデルを含む。
【0040】
好適には、前記生成手段は、ベイジアンネットワーク構造を自動的に生成するように構成され、前記構造は、BNノード、BN因果関係、及び推移確率を含む。好適な実施例においては、前記第1及び第2のモデリング手段は、前記形式オントロジーを与えるために、例えばOWL(オントロジー・ウェブ・ランゲージ)若しくはSWRL(セマンティック・ウェブ・ルール・ランゲージ)のような記述論理(DL)と、例えばF−logicのようなフレーム論理(FL)との少なくとも一方に基づく、又はDL及びFLについてのWSML(ウェブ・サービス・モデリング・ランゲージ)に基づく、前記形式オントロジーを与えるモデリング言語を用いるように構成されている。
【0041】
好適な実施例においては、前記注釈手段は、例えば1以上のサブクラス、サブ属性及び推論(導出)規則を含む、前記実装されたオントロジーモデリング言語の前記形式オントロジーによって与えられる意味を用いて、注釈を実行するように構成され、前記注釈のうちの少なくともいくつかは一般的である。
【0042】
1つのアプリケーションにおいて、前記装置は特に、観察される現在のネットワークデータを受け取り、ノードの失敗及びノードの故障を確証又は予測し、自己管理判断を補助する情報を提供するために、予知能力を備える前記確率グラフ構造を用いるように構成されている。装置は特に、管理される必要があるノードに配置され、又はそのようなノードに接続される。原理的にはこのノードは、例えばRBS(無線基地局)若しくはRNC(無線ネットワーク制御装置)のような無線アクセスネットワークノード、又はより一般的に無線であってもなくてもよいルータ、例えばPDA(携帯情報端末)のような移動端末等、管理されることを要求する、又は管理されることが有利であるどんなノードであってもよい。
【0043】
異なる実施形態においては、装置は一部分が又は全体がノードに備えられ、又は全体が管理されるノードの外部に備えられる。モデリング手段は、概していつも外部に備えられ、モデリングは通常手動で、例えばオントロジーエディタによって行われる。
【0044】
いくつかの実施形態においては、特にノードがかなりのCPU(中央処理装置)能力、又は例えばRNCのように高い処理能力、大きな格納能力を備えるノードであるならば、装置の全体(モデリング手段及び例えば注釈手段を除く)がそのノードに位置する。もちろん、可能であるのなら、全ての形式のノードについて装置の全体がそのノード自身に備えられることもできる。他の実施形態では、例えば生成されたグラフ構造(BNデータベース)を保持するデータベースのみが、ノードに備えられる。さらに他の実施形態においては、1以上の生成手段と推論エンジンとオントロジー保持手段とのうちの少なくとも1つもまた、ノードに備えられる。例えばMS:esのような複数のノード、又は一般的に様々な種類の複数のノードについて普通でありうるように、例えば低い処理能力又は低い格納能力等を備える、移動機のようなさらに他のノードにおいては、装置の全ての手段又はほとんどの手段が外部に、例えばスーパーノード又は1以上の情報配布ノードに備えられる。
【0045】
合わせて本発明はまた、装置を参照して議論された、好適な又は任意の特徴に対応する特徴を含んでもよい、前に説明したような方法を提案する。
【0046】
図1のブロック図では、本発明の一実施形態に従う装置100は、(どんな種類でもよい)ネットワークノードに備えられている。この装置は、実質的に形式的ではない(例えば知識、マニュアル等に基づく)ネットワーク管理サービス(NMS)記述を用いるように構成された、(外部の、手動で動作する)第1のモデリング手段1(例えば概念)を備える。モデリング手段1は、以下でより徹底的に論じられるように、オントロジーを用いて(手動で)形式的な領域の振る舞いモデルを生成するように構成されている。図5,6を参照して以下でより徹底的に説明されるように、この装置はまた、オントロジーを用いて形式確率領域グラフモデルを生成するために、非形式的ベイジアンネットワーク記述を受け取り又は用いるように構成された、(外部の、手動の)第2のモデリング手段2を備える。形式オントロジーによって生来的に与えられる推論能力を備える推論エンジン3を、この装置はまた備える。このノードはさらに、注釈情報、特に観察されるネットワークの特徴に関する外部からの情報を準備する工程を含む通常は外部的に実行される手動注釈工程を表す、注釈手段4を備える。これらの特徴は、形式NMSモデル、すなわち第1の形式モデルにおけるオントロジー概念に表現される。注釈手段4は、これもまた以下でより徹底的に議論されるように、例えば”isa”関係及びオントロジー規則を用いて、これらの概念を第2の形式モデルと結びつけるように構成される。注釈処理は、図7に図示される。
【0047】
この装置はさらに、第1の形式モデル、第2の形式モデル、及び注釈手段4によって取得された形式注釈NMSモデルを保持するように構成された、オントロジー保持手段5を備える。以下でより徹底的に説明されるように、(ここでは)ベイジアンネットワーク構造を自動的に生成するために、生成手段6は前に作られた形式モデル(第1の形式モデル、第2の形式モデル及び注釈モデル)について推論エンジン3を用いる。ここでは構造とはBNノード、BN因果関係及び遷移確率を意味する。下の図8は生成手段6によって実行される処理の結果を示し、一方で図9は最終的なBNグラフ構造の例を示す。生成手段6によって生成されたBNグラフ構造は、(ネットワークインタフェース8を通してネットワークと通信するが、本発明の一般的概念の一部を構成しない)ベイジアンネットワーク・データベース7に格納される。
【0048】
上で言及したように、1以上の推論エンジン3、オントロジー保持手段5、生成手段6、及びBN DB7は、管理されるノード(不図示)内に、またその外部に備えられる。特定の実施形態においては、BN DBのみがノード内に配置されることが仮定される。
【0049】
図2は、本創作的概念に従う装置100’が実装されるネットワークノード200’を示す。ここでは従ってノード内に備えられることが仮定される。
【0050】
装置100’は、前に議論した第1及び第2のモデリング手段(不図示)を備え又はこれらと通信し、形式NMSモデルのための第1の格納装置5’と、形式BNモデルのための第2の格納装置5’と、注釈NMSモデルのための第3の格納装置5’とを含むオントロジーデータベース5’を備える。格納装置は、隔離されたデータベースとして実装されることもできるし、図2のように通常のオントロジーデータベースに含まれることもできる。また一般的には、形式モデルがネットワークノード200’のオントロジーデータベース5’に任意の適切な方法によって読み込まれることもできる。この装置は、推論エンジン3’を用いるように構成された制御手段6A’を備える生成手段6’と、BNデータベース7’に格納されるBNグラフ構造を生成するためのオントロジーデータベース情報5’とを備える。1つの応用例においては、ネットワークイベントはネットワークノードのネットワークインタフェース8’上で受け取られ、BNデータベース7’が更新される。しかしながらこれは単に、本発明に従って生成されたBNモデルがネットワークノードにおいてどのように用いられうるかを説明するにすぎないことが、明白であるべきである。これは、イベントの形でやってくる生のネットワークデータを格納するために用いられ、BNモデルの予測能力はノードの故障、ノードの失敗等を発見するために用いられうる。しかしながら、これは一実施形態に関連するにすぎず、本発明の一般的な広い範囲の部分を構成しないことが、明白であるべきである。
【0051】
図3は、本発明に従う装置100”を組み入れたネットワークノード200”を説明し、BNを導出するためのアルゴリズムを作り出すことの説明を意図している。図3において、形式オントロジーDB5”、推論エンジン3”、及びBN導出のためのアルゴリズム6B”を備える制御手段6A”が示され、結果として生じる確率グラフモデルはBNデータベース7”に格納される。基本的にはアルゴリズム6B”を作り出すことは、前に議論した(そして形式オントロジーDB5”に格納された)第1及び第2のオントロジー並びに注釈された形式オントロジー又は注釈を、BNデータベース7”に格納される確率グラフモデルを導出するための推論能力エンジン3”によって与えられる分類及び推論能力とともに用いることにある。推論エンジン3”は、知識によって推論するためのオントロジー及びオントロジーインスタンスを用いる、一般的な制御機構である。このアルゴリズムは、形式オントロジーDB5”との通信を提供する、推論エンジン・アプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)を介して、形式オントロジー知識を用いる。このアルゴリズムは、推論エンジンインタフェースを介して形式オントロジー及びそのインスタンスに対して問い合わせ、そして確率グラフネットワークモデルを構築(及び更新)する。注釈手段によって作られた注釈概念によって、異なるアルゴリズムが作り出されうることが、明白であるべきである。ある形式の関連するBN概念を、一般的なアルゴリズムにおいて提案される方法とは異なった他方法で扱うことに対する、開発者にとっての必要性によって、このアルゴリズムは非常に一般的である、又はより一般的ではないことができる。このアルゴリズムを作り出す手順は、限定的なアルゴリズムを与えることを意図しておらず、むしろ領域の知識に関連し矛盾がないBNグラフを、形式オントロジー及びその組み込まれた分類及び推論能力を用いて、どのように自動的に構築するのかを示すことを意図している。
【0052】
この創作的概念は、本質的には3つの主要な特徴又は工程を含む。第1の主要な特徴は、第1及び第2のモデリング手段によって与えられ、形式的オントロジーによってネットワーク領域及びネットワークノード内での振る舞いをモデリングすることからなる。第2の基本的な特徴は注釈手段であり、領域及び振る舞いの記述にBNのために必要とされる追加の意味情報を追加することを含む。第3の特徴は、関連する振る舞い情報を理知的に抽出しBNグラフ構造を導出する形式オントロジー推論能力を用いて、アルゴリズムを作り出すように構成された生成手段に関する。可能な場合には、条件付分布確率もまたオントロジカルモデルから示唆される。
【0053】
第1及び第2のモデリング手段によって、領域及び振る舞い情報を捉えることが意図されている。サービスの領域及びその振る舞いの特徴に関する情報が、先に議論されたように、記述論理(DL)とフレーム論理(FL)との少なくとも一方に基づく、形式オントロジーをサポートするモデリング言語を用いることによって捉えられる。このモデリングの結果、サービスの特徴及びその領域を一般的なやり方で示すいくつかの形式オントロジーが生じる。これらの形式的オントロジーは、知識の共有、知識の再利用等のような様々な目的のために使われうる。このような目的の1つが、確率因果ネットワークの生成である。
【0054】
単一のネットワークデバイスについての領域オントロジーモデルは、デバイスの現在の設定、ネットワーク内の他のオブジェクトとの関係、及びネットワーク要素に採用されたハードウェア及びソフトウェアによって課される可能な設定への制約、を格納する。このオントロジーモデルはまた、設定の仕事と関連するワークフロー、すなわち所定の仕事を果たすために完了することが必要とされる、ネットワーク要素に影響を与える動作の順序も格納する。これに加えて、これはノードに関連する性能及び障害の指標(例えば、警報形式、性能カウンタ及びKPI)、及びこれらの間のあらゆる関係、例えばKPI式及び警報トリガ、のモデルを作る。このようなOWLにモデリングされたオントロジー1のサブセクションが、図4に示される。このオントロジーのサブセクションは、一般的なサービス概念及びそれに接続された他の概念に焦点を当てている。概念間の関係は、概念のオブジェクト属性を示す有向リンク(矢を有するアーク)によって表される。リンクは、属性領域から属性範囲概念へと向かう。モデルは、サービス領域の正確なBN表現を生成するために用いられ、例えば実行される管理タスクの効果を監視するために、またその自動化を容易にするために、用いられうる。これは、単に形式NMSモデルの1つの例にすぎない。
【0055】
図5及び6を参照して、形式BNモデルを生成するための第2のモデル手段又は工程が、より徹底的に議論され例示される。本発明に従って、所望の領域についての概念のオントロジーが構築されることが仮定される。これらの概念のいくつかは、その領域において因果関係をモデリングするBNに含まれる所望のものであるかもしれないし、いくつかはそうでないかもしれない。これらを区別するために、BN概念の新しいオントロジーが与えられ、元の領域オントロジーに結合される。すると、ベイジアンネットワークについての全ての所望の概念は、新しいBNオントロジーのノードを継承する。BNオントロジーの根概念は、BNノードである。BNを生成するために、BNノードクラスを継承するそれぞれの葉クラスのインスタンスが生成される。一般的なBNノード概念の記述、その属性及び関係が、図5に示される。この概念は、2つの関係形式を有する。すなわち:hasParentNode:BNノードは、自分自身から少なくとも1つの親ノードへの有向リンクを有する。hasDelayParentNode:これは、動的なBN、すなわち時間次元を含むBNを生成するために用いられうる、有向時間遅延リンクである。
【0056】
BNノードインスタンスが生成されると、以上で言及した関係が、このBNノードインスタンスと他のBNノードインスタンスとの間の影響リンクを定義する。振る舞いモデルオントロジーからBNを構築する際、ネットワークにノードを生成し、これらのノードの属性を所属させるために、ヒエラルキー及びその制限についてオントロジー推論器が用いられる。領域モデルにおいて、それぞれのBehaviourModelNodeサブクラスについて、インスタンスが生成される。アルゴリズムはまた、適切な属性値を有するノードをBN表現に生成する。これらのノードの間のアークを生成するために、アルゴリズムはアプリケーション領域に特有であって、概念間のどのオントロジー属性又は関係がBN内のアークに相当するかを定義する規則に頼る。こうして、オントロジークラスについての規則に基づいたアプローチが、一般的なBN関係を特定する手段を与え、この一般的BN関係はすると、ノードが初期化されると自動的に生成される。最後に推論器は、全てのBNノードインスタンス及び領域オントロジーを整合性について確認することによって、生成されたベイジアンネットワークを確認するために用いられる。
【0057】
図5に列挙されたBN概念属性は、BNノードが含むことができる可能な属性の組を構成する。これらは、名前、条件確率テーブル(CPT)、状態名(離散変数について、ノードが表す変数が取ることができる値の一覧)、及びレベル(連続変数について、変数がとることができる値の範囲)を含む。領域概念のBNノードインスタンスが生成されると、これらの属性が領域オントロジーにおけるこの概念の属性から導出される。BNノードの属性の特定のために、前の工程で生成されたBNノードのBNノード概念に特定される属性は、BNノードと領域オントロジーとの組み合わせから導出されなければならない。これらの属性は、名前、状態名、BNノード形式等を含む。このことは、オントロジー制約によって提供される制約を用いてなされる。領域概念は、その属性に対する制約を特定し、これらは新しく生成されたBNノードのBNノード属性を所属させるために用いられる。例えば、制約hasValueは、属性がとることができる値を特定する。BNノードの全てのサブ概念が継承するhasStateNamesBNノード属性は、サブ概念クラスにおいて、hasValue制約を用いる領域オントロジー概念属性の特定の値に制限されることができる。他の制約もまた、正しいノード記法を制御するために用いられうる。例として、ノードが正確に1つの名前を持たなければならないという要求は、hasName属性=1という基数制約によって表現されうる。オントロジーが一般化されうる程度を最大化するために、オントロジー継承構造は、例えば記法制約のようないくつかの制約が非常に一般的なレベルで特定され、例えば値の特定のような他の制約がオントロジーにおいてより低いレベルで特定されることを可能にする。生成されたBNノードインスタンスのそれぞれについて、オントロジー推論器は全ての制約を得る。そして、BNノード属性がそこから生成される。
【0058】
以下でより徹底的に説明されるように、領域オントロジー及びBNノード概念における所望の概念の間の継承関係を定義することによって、BNノード、その属性及びそれらを結合するアークの生成を自動化することが可能となる。BNnodeとの継承関係は、領域モデルのクラスが振る舞いモデルにおいてノードとして含まれるだろうことを表現する。この組み合わせられたオントロジーは、領域がどのようにベイジアンネットワークとして表現されうるかを記述する事実で豊かにされる。この組み合わせされた領域及びBNオントロジーは、BN生成を制約するようにさらに豊かにされることができる。基本BNノード概念に加えてBNオントロジーは、BNアプリケーション又は領域オントロジーの特徴にさらに特有な、追加BN概念を含んでもよい。図6は、特定の遠距離電気通信ネットワーク管理アプリケーションについての単純なオントロジーを図示する。BNオントロジーの根概念は、BNノードのままである。図6の領域オントロジーは、概念domain:SubConceptOfNoInterest及びdomain:SubConceptOfInterest、及びこれらの親概念domain:Concept1からなる。domain:SubConceptOfInterest概念は、領域オントロジーとBNオントロジーの双方から継承し、この概念ノードのみがこの領域についての出力BNに含まれるだろう。図6においては、しかしながら、根ノード及びconceptOfInterestノードの間には、2つの追加の中間概念、BehaviourModelNode及びbmConcept1Nodeが存在する。前者は特定のアプリケーション、この場合はNMSアプリケーション、について要求されるBNノードの特徴を表す。純粋なBNとアプリケーションについてのBNとの間の分離は、オリジナルの一般的なBNノードオントロジーが、異なるApplicationNode概念を定義することによって、BNコンポーネントを要求する他のアプリケーションのために再使用されることを可能にする。Concept1Node概念は、特定の方法で扱われているConcept1インスタンスの特徴を定義する。オントロジーは、出力BNに含まれるべきであるどんな領域概念についても、これらの概念が追加の処理によって利益を得るであろうなら、より詳細なBNノードクラスのヒエラルキーを定義することができる。追加のレベルは任意のものであって、本創作的概念の機能のために要求されるものではないことが明白であるべきである。しかしながらこの構造は、BNの生成において、領域オントロジー概念の処理を条件に合うように仕立てる、例えば連続変数についての範囲又は規定の確率値を設定することを可能にする。
【0059】
一度第一の形式モデル及び第2の形式モデルが与えられると、形式オントロジーにおける観察に関連する概念を注釈するために、注釈手段によって第1及び第2の形式オントロジーに対して追加の意味が与えられる。対応するオントロジーモデリング言語によって形式オントロジーが与える様々な意味を用いて、注釈はなされる。もっとも関連するものは、サブクラス、サブ属性、及び導出規則である。サブクラス関係(すなわち、is-a関係)は、観察する所望のものとして、概念をマークするために用いられることができる(例えば、概念ConfigurationService is a InterestingForObservation Concept)。サブ属性関係は、観察する所望のものとして、概念の属性(例えばパラメータ)をマークするために用いられることができる(例えば、概念RouterのParameter trafficRate is a subPropertyOf ObservationProperty)。推論又は導出規則は、複雑な注釈をモデリングするために用いられることができる(例えば、if 概念がCondition概念として分類される then その概念は is a InterestingForObservationConcept)。推論規則はまた、一般的な方法で、特定の因果関係をモデリングするために用いられることもできる(例えば、サービス記述におけるどんな入力及び出力イベントも、それらの間での因果関係を持つ)。
【0060】
要約すると、注釈の目的は、”エンティティ”及び観察を所望するそれらの因果関係をを発見し、理知的な方法で形式オントロジーによって与えられる推論及び分類能力を用いるために、形式オントロジー(第1及び第2の形式モデル)を注釈することである。これらの注釈は一般的なものであることができ、すなわち上で説明した具体的な概念及び属性(”is a subPropertyOf”)に関連する、上で参照した導出ルール又はより詳細な導出ルールのような、多くの数の概念をカバーすることができる。
【0061】
このことはまた、図7を参照して説明され例示される。BehaviourModelNodeは、このBNに含まれるあらゆるノードにとっての根クラスである。顧客が様々なノード形式を処理することを可能とするために、このノードの下に、含まれるそれぞれのノード形式(例えば、KPI、性能パラメータ、サービス及びイベント)についてのより詳細なノードクラスのヒエラルキーが存在する。アプリケーション領域についての組み合わせられたBN及び領域オントロジーの一部が、is-aリンクが継承ヒエラルキーを表している図7に示されている。オントロジーは、BN表現に特有のサービス及びイベント領域概念の属性を記述するために、BehaviourModelNodeのサブクラスとして、ServiceNode及びEventNodeという2つのクラスを定義する。例えば、BN内のすべてのサービスノードは同じ状態名を共有する。このデータ及び他の共有属性値は、hasValue制約を用いて対応するServiceNode属性に記録される。同様にすべてのイベントノードは、サービスノード状態名とは異なる同じ状態名を共有する。EventNodeサブクラスは、hasValue制約の形でこの情報を含む。BNネットワークに対するすべての所望のサービス及びイベントは、それぞれServiceNodeサブクラス及びEventNodeサブクラスを継承する。
【0062】
領域オントロジーから自動的にアークを生成するために、例えばJenaルール言語において規則を用いることが可能である。(これは、もちろん言語の特定の1つの例にすぎないことに留意すべきである。)規則は、領域概念の間の関係からどのようにアークを生成するかを特定する。推論器は、概念間関係からhasParentNode及びhasDelayParentNode関係を推論する。図7のアークを参照せよ。規則アプリケーションのあとの領域及び振る舞いモデルオントロジーを示す図8に示されるように、規則推論の後にhasParent関係が振る舞いモデルオントロジーに現れる。
【0063】
[Service-Event_arc_rule :
(?s type Service) //if サービスが存在する(if there is a service)
(?e type Event //及びイベント(and an event)
(?s ?p ?e) //このサービスと関連する(that is in relation with this service)
-> //then
(?e hasParent ?s) /そのイベントはそのサービスを親として持つ(the event has the service as a parent)
【0064】
同様に例えば、それぞれのKPIは、オントロジーにおいてKPI概念の属性として定義された、関連する性能パラメータを持つ。すべてのKPIについての一般規則は、関連する性能パラメータから、それぞれのKPIに対してベイジアンネットワーク・アークを生成する。もし領域オントロジーにおいてクラス間に定義された関係が存在しないならば、アーク生成を明示的に特定する規則を定義することもまた可能である。そして、整合性について確認されベイジアンネットワークとして再生成された、例えば図9に示されるBNのような最終的なモデルが取得されうる。Netica API(アプリケーション・プログラム・インタフェース)が、例えば用いられてもよい。
【0065】
図に示されるモデル及びグラフ構造は、もっぱら例示及び説明の目的のために含まれており、本発明はもちろんこれらの特定の図に示され又は表されるどんな詳細にも限定されず、どんな特定の言語の使用等にも限定されないことが、明白であるべきである。
【0066】
図9は、遠距離電気通信ネットワーク領域からの、8つの変数のセットについてのベイジアンネットワークの一例を示す。これは、遠距離電気通信ネットワークデバイスについてのキー・パフォーマンス・インジケータ(KPI)、このKPIに寄与する性能カウンタ、KPIのレベルの低下によって引き起こされるサービスワークフロー、及び曜日及びピーク時刻という2つの時間変数からなる。これは、遠距離電気通信ネットワーク領域のオントロジーモデルに基づいて構築されることができる構造の1つの例にすぎないことが、明白であるべきである。
【0067】
以下に続くのは、上で議論したように、第1及び第2のモデリング手段によって与えられる形式オントロジーに基づいてベイジアンネットワークを構築するための、制御手段によって用いられることができる一般的なアルゴリズムの例である。図2及び3、又はより一般的には、例えば図1又は図2の生成手段6;6’を参照せよ。
【0068】
kb - すべての形式オントロジーとそのインスタンスとを含む知識ベース。3つのメソッドを提供する。
- classify(in concept) - 特定の形式に関する入力パラメータの概念を分類する。
- infer(in concept, out name, out values) - 知識ベースからこの特定の概念について用いられる名前を推論し、またこの概念がとることができる可能な値の範囲を推論する。
- inferCausalNodes(in concept, out causalities) - 知識ベースから、所与の概念の因果関係を推論する。
【0069】
bn - ノード、ノード間のアーク、及び確率を含むベイジアンネットワーク・レポジトリである。
- constructNode(in name, in values) - ベイジアンネットワークにおいて所与の名前及び値のノードを構築する。
- createArcs(in fromNodes, in toNodes) - fromNodesからtoNodesへの因果アークを構築する。
【0070】
foreach concept c in the knowledge base kb
kb.classify(c)
if c classified as InterestingForObservation then
foreach i related to c through relationship
kb.classify(i).
if i is InterestingForObservation then
kb.infer(in i, out name, values)
bn.constructNode(name, values)
kb.inferCausalNodes(in, i, out nodes)
if nodes not in bn then
bn.create(nodes)
bn.createArcs(from i, to nodes)
endif
endif
endforeach
endif
endforeach
【0071】
図10は、流れ図の形で、本創造的概念の1つの実施例を示す。実質的に非形式的なNMS記述が、DLとFLとの少なくとも一方に基づくモデリング言語によって、第1の領域及び振る舞い形式オントロジーモデルを生成するために、(例えば手動で)用いられる(100A)。さらに、これもまたDLとFLとの少なくとも一方に基づくモデリング言語を用いることによって(例えば形式を記述する)第2の形式領域オントロジー又は確率グラフ領域モデルを生成する(101B)ために、実質的に非形式的なBN記述が、第2のモデリング手段において(通常は手動で)用いられる(100B)。第1の形式モデル(102B)によって表現される、観察されるネットワークの特徴に関する外部の情報(102A)によって、こうして表現された特徴に関連する情報が第2の形式モデルに結合され、形式注釈モデルを与える(103)。第1、第2及び形式注釈オントロジーモデルは、オントロジーDBに格納される(104)。(実現された)BNグラフ構造を生成するために(生来の)推論エンジンが、形式モデルについて用いられる(105)。そして、これは(管理されるノードに、又はそのようなノードの外部の)BN DBに格納される(限られた格納能力と限られた処理能力との少なくとも一方を備える”小さい”ノードであるならば、特に後者である)。
【0072】
以下に、このアルゴリズムを用いて導出されたベイジアンネットワークの例が、簡単に議論される。
【0073】
特に標準的な言語が、例えばOWLのようなオントロジカル知識を表現するために用いられてもよく、標準的サービス指向技術(Webサービス)及び特に標準的なW3C(ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム)の標準化されそうなサブミッション(セマンティック・ウェブ・サービス)に適用されることができる。以下で、ネットワークデバイスにおける特定の設定管理タスクについてのセマンティック・ウェブ・サービスが説明される。これは、サービスの機能と、サービスの領域及び振る舞いの特徴をモデリングするために必要とされるオントロジーの形式とを説明する(図11)。図12は、導出されたベイジアンネットワークグラフ構造を示す。
【0074】
AtmCrossConnectionサービスは、ATM接続を相互接続する能力を提供するサービスである。これは、例えばWCDMA RXIノードにおいて実装されうる。セマンティック・ウェブ・サービスの観点から、AtmCrossConnectionサービスは、例えばATM相互接続を構築するワークフローのような、コレオグラフィーと呼ばれる外部インタフェース及びインターナルを有する。このコレオグラフィーは生来的に、サービスがその状態のそれぞれにおいて受け及び送ることのできるイベントの形式、及びある状態から他の状態へと移動する遷移条件を記述する、有限なステートマシンである。AtmCrossConnectionサービスのインターナルは、管理されるオブジェクト(MO)を生成するワークフローである。これらのワークフローは、いくつかの動作タスク(OpTask)を含む。AtmCrossConnectionサービス・コレオグラフィー及びインターナルをモデリングするために、オントロジーは以下のように用いられることができる。
【0075】
オントロジー:イベントオントロジー
記述:サービスが受け及び送ることができるイベント(例えば要求イベント、確認応答(acknowledgement)イベント)に関する概念をモデリングする。
オントロジー:NE MOMオントロジー
記述:ネットワーク要素(RXI)の管理されるオブジェクトモデルをオントロジーとしてモデリングする。
オントロジー:サービスオントロジー
記述:サービスコレオグラフィー、すなわち状態、状態遷移、及びコレオグラフィーワークフローをモデリングする。
オントロジー:KPIオントロジー
記述:キー・パフォーマンス・インジケータ、及びこれがどのように様々な性能カウンタに関係するかをモデリングする。
オントロジー:設定タスク及びワークフローオントロジー
記述:ATM CrossConnectionを構築することに関連する設定タスクをモデリング化する。
【0076】
図12は、前に説明されたアルゴリズムを用いて導出されたベイジアンネットワーク、及び前に説明されたAtmCrossCnnectionServiceのコレオグラフィー及びインターナルを記述する形式オントロジーを示す。これは特に、サービスを低下させることと、サービスが受けることと送ることとの少なくとも一方をできるイベントとの間の因果関係を示す。さらにこれは、pmSetupFailuresカウンタを用いる、AtmCrossCnnectionServiceのKPI SuccessfulSetupRateとの因果関係を示す。
【0077】
もちろん図11及び12は、本創造的概念の特定のアプリケーションに関するにすぎない。
【0078】
全体的に、本発明は以上に説明された特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の請求の範囲内で多くの方法で変形されることができることが、明白であるべきである。実際本発明はまた、遠距離電気通信ネットワーク管理の領域内とは他の領域、例えばより一般的なデータ通信管理領域又は他の領域においてもまた、実施されることができるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理されるネットワークノード(200;200”)内に備えられ、管理されるネットワークノード(200;200”)と関係づけられ、又は管理されるネットワークノード(200;200”)と通信するように構成されたネットワーク管理のための装置(100;100’;100”)であって、
推論エンジン(3;3’;3”)による推論能力を備える形式オントロジーを用い、非形式的記述を用いてネットワーク領域及び振る舞いをモデリングするように構成され、領域及び振る舞いを記述する形式オントロジーモデルを与えるモデリング手段(1,2)と、
前記領域及び振る舞いの形式オントロジーモデルに対して意味情報を加えるように構成された注釈手段(4;4’;4”)と、
前記形式オントロジーモデル及び前記推論エンジンを用いて、前記領域及びその振る舞いを示す確率因果ネットワークグラフ構造を生成し更新するように構成されたアルゴリズムを作り出すように構成された生成手段(6;6’;6”)と、
を備えるか、又はこれらと通信することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記モデリング手段は、
入力された実質的に非形式的なネットワーク管理サービスの記述から、ネットワーク管理サービスの形式オントロジーを含む第1の形式モデルを生成するように構成された計算手段を備える第1のモデリング手段(1)と、
入力された書き込まれた確率ネットワークモデルの記述から、第2の形式モデルを与えるために、形式オントロジーを含む形式確率ネットワーク記述を生成するように構成された第2のモデリング手段(2)と、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記注釈手段(4;4’;4”)は、観察されるネットワークの特徴に関する、前記意味情報を含む情報を受け取り、
前記第2の形式モデルの前記形式オントロジーを用いて前記第1の形式モデルに注釈し、前記特徴を記述する形式注釈モデルを与えるように構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の形式モデル、前記第2の形式モデル、及び前記形式注釈モデルを保持するように構成されたオントロジー保持手段(5;5’;5”)を備えることを特徴とする、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記推論エンジン(3;3’;3”)は前記形式オントロジーに含まれる推論又は導出の規則を実装するように構成され、
前記生成手段(6;6’;6”)は前記推論エンジン(3;3’;3”)と通信するように、又は前記推論エンジン(3;3’;3”)を備えるように構成され、
前記生成手段は、形式確率グラフモデルを構築し又は生成するために、前記形式注釈モデルにおける前記推論エンジンの前記規則による判定を実装するようにさらに構成されていることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1及び第2の形式モデルは、観察される特徴を特定する前記形式注釈モデルに一致して更新されるように構成され、
前記生成手段(6;6’;”)は、前記推論エンジン(3;3’;3”)と通信して、前記形式確率グラフモデルを更新するように構成されていることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記確率グラフモデルはベイジアンネットワークグラフ構造を含むことを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記確率ネットワークモデルはベイジアンネットワークを含むことを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
ベイジアンネットワークデータベース(7;7’;7”)のような確率グラフ構造を保持するための格納手段を備えることを特徴とする、請求項6乃至8の何れか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の形式モデルは領域及び振る舞いの形式モデルを含むことを特徴とする、請求項2乃至9の何れか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記第2の形式モデルは確率グラフ領域モデルを含むことを特徴とする、請求項2乃至10の何れか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記生成手段(6;6’;6”)は、ベイジアンネットワーク(BN)構造を自動的に生成するように構成され、
前記構造は、BNノード、BN因果関係、及び推移確率を含むことを特徴とする、請求項7又は8に記載の装置。
【請求項13】
前記第1及び第2のモデリング手段(1,2)は、前記形式オントロジーを与えるために、記述論理(DL)とフレーム論理(FL)との少なくとも一方に基づく、又はWSMLを用いるDL及びFLに基づく、前記形式オントロジーをサポートするモデリング言語を用いるように構成されていることを特徴とする、請求項2乃至12の何れか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記注釈手段(4;4’;4”)は、1以上のサブクラス、サブ属性及び推論(導出)規則を含む前記実装されたオントロジーモデリング言語の前記形式オントロジーによって与えられる意味を用いて、注釈を実行するように構成されており、
前記注釈のうちの少なくともいくつかは一般的であることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
ネットワークノード(200’;200”)内に少なくとも一部分が配置され、又はネットワークノードに接続された装置であって、
前記ネットワークノードは、RBS(無線基地局)若しくはRNC(無線ネットワーク制御装置)のような無線アクセスネットワークノード、ルータ、無線ルータ、移動端末、又はPDA(携帯情報端末)であることを特徴とする、請求項1乃至14の何れか1項に記載の装置。
【請求項16】
少なくとも、BNデータベースのような前記確率ネットワークモデル又はグラフ構造を保持する前記格納手段(7;7’;7”)が、前記ネットワークノードに備えられることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項17】
前記生成手段、前記推論エンジン、前記オントロジーデータベースのうちの少なくとも1つが、前記ネットワークノードに備えられることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記生成手段、前記推論エンジン、前記オントロジーデータベースのうちの少なくとも1つが、管理されるネットワークノードの外部の、スーパーノード又は1以上の情報配布ノードに備えられることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記生成手段、前記推論エンジン、前記オントロジーデータベース、及び前記BNデータベースのような前記確率グラフ構造を保持する前記格納手段が、管理されるネットワークノードの外部の、スーパーノード又は1以上の情報配布ノードに備えられることを特徴とする、請求項9又は15に記載の装置。
【請求項20】
観察される現在のネットワークデータを受け取り、
ノードの失敗及びノードの故障を検知又は予測し、自己管理判断を補助する情報を提供するために、予知能力を備える前記確率グラフ構造を用いるように構成されていることを特徴とする、請求項1乃至19の何れか1項に記載の装置。
【請求項21】
ネットワークノードにおいて、又はネットワークノードに関連して実行されるネットワーク管理方法であって、
領域及び振る舞いの記述をモデリングした形式オントロジーを与える推論能力を備える形式オントロジーを用いて、ネットワーク領域及び振る舞いモデルをモデリングする工程と、
注釈工程において、前記領域及び振る舞いの形式オントロジーモデルに対して意味情報を加える工程と、
前記形式オントロジーモデル及び前記推論能力を用いて、確率因果ネットワークグラフ構造を生成し更新するように構成されたアルゴリズムを作り出す工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記モデリングする工程は、
実質的に非形式的なネットワーク管理サービスの記述を受け取る工程と、
前記実質的に非形式的なネットワーク管理サービスの記述から、ネットワーク管理サービスの形式オントロジーを含む第1の形式モデルを生成する工程と、
書き込まれた確率ネットワークモデルの記述を受け取る工程と、
前記書き込まれた確率ネットワークモデルの記述から、形式オントロジーを含む前記確率ネットワークモデルの第2の形式モデルを生成する工程と、
を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記注釈工程は、
観察されるネットワークの特徴に関する、前記意味情報を含む情報を得る工程と、
前記特徴を記述する形式注釈モデルを与えるために、前記第2の形式モデルの前記形式オントロジーを用いて前記第1の形式モデルに注釈する工程と、
を備えることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の形式モデル、前記第2の形式モデル、及び前記形式注釈モデルをオントロジー保持手段に格納する工程を含むことを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記アルゴリズムを作り出す工程は、
形式確率グラフ構造モデルを構築し又は生成するためのアルゴリズムを作り出すために、前記形式注釈モデルに対して推論エンジンの推論又は導出の規則を適用する工程を含むことを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
観察された特徴に依存して、形式確率因果グラフ構造モデルを自動的に更新する工程を含むことを特徴とする、請求項21乃至25の何れか1項に記載の方法。
【請求項27】
ベイジアンネットワークデータベースのような確率グラフ構造を、データベースに、前記ネットワークノードに、又は外部の情報配布ノードに格納する工程を含むことを特徴とする、請求項21乃至26の何れか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記モデリング工程は、前記形式オントロジーを与えるために、記述論理(OWL、SWRL言語を含む)、フレーム論理(F−logic言語を含む)、若しくは記述論理及びフレーム論理(WSML言語)に基づく、前記形式オントロジーをサポートするモデリング言語を用いる工程を含むことを特徴とする、請求項21乃至27の何れか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記注釈工程は、1以上のサブクラス、サブ属性及び推論(導出)規則を含む前記実装されたオントロジーモデリング言語の前記形式オントロジーによって与えられる意味を用いる工程を含み、
前記注釈のうちの少なくともいくつかは一般的であることを特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
RBS、RNC、ルータ、又は移動端末のようなネットワークノードを管理するために用いられることを特徴とする、請求項21乃至29の何れか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記ネットワークノードのネットワークインタフェース上で、前記確率グラフ構造を保持するデータベース内にネットワークイベントを受け取る工程と、
ノードの失敗及び故障のような振る舞いを予測し、前記更新されたグラフ構造に基づいて自己管理判断を行うために、前記確率因果グラフ構造を用いる工程とを含むことを特徴とする、請求項21乃至30の何れか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2010−512079(P2010−512079A)
【公表日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−539611(P2009−539611)
【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際出願番号】PCT/EP2006/069436
【国際公開番号】WO2008/067852
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】