説明

ネットワーク管理システムおよび監視サーバ

【課題】ネットワークの規模にかかわらず、ネットワークの状態を充分に把握することが可能なネットワーク管理システムを得ること。
【解決手段】ネットワーク内の監視対象機器4を分担して監視可能とし、監視結果として、それぞれが担当する監視対象機器4の状態情報を取得する複数の監視サーバ3と、前記複数の監視サーバ3からそれぞれが担当する監視対象機器4の状態情報を受信し、自サーバ内に記録された過去の状態情報を並列処理にて最新の状態情報に更新し、最新の状態情報に基づいてネットワーク内の監視対象機器の制御を行う統合サーバ2と、前記複数の監視サーバ3からそれぞれが担当する監視対象機器4の状態情報を受信し、当該状態情報を表示するための制御を行う表示サーバ1と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大規模なネットワークの全体を監視することが可能なネットワーク管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のネットワーク管理装置は、管理対象となるネットワーク機器との間をSNMP(Simple Network Management Protocol)によって接続し、SNMPのTRAPやGETを用いて、ネットワーク機器の状態を取得する。このように、1台のネットワーク管理装置が複数のネットワーク機器の状態を把握し、管理する技術が下記特許文献1において開示されている。
【0003】
一方で、規模が大きなネットワークでは、対象となるすべてのネットワーク機器の状態を1台のネットワーク管理装置で取得することが困難な状況となっている。このような困難な状況を解消することが可能な技術として、たとえば、下記特許文献2には、ネットワーク管理装置が、ネットワーク機器に対してTRAPを用いてネットワーク管理装置に送信する項目を制限し、限定した項目で大規模なネットワークを管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−241518号公報
【特許文献2】特開2003−152720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術によれば、ネットワークの規模が大きくなるほど、ネットワーク管理装置の負荷が高くなるため、対象となるネットワークの規模に限界がある、という問題があった。
【0006】
また、上記TRAPの項目を制限する従来の方法では、監視項目が限定されるため、ネットワークの状態を充分に把握することが困難である、という問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ネットワークの規模にかかわらず、ネットワークの状態を充分に把握することが可能なネットワーク管理システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ネットワーク内の監視対象機器を分担して監視可能とし、監視結果として、それぞれが担当する監視対象機器の状態情報を取得する複数の監視サーバと、前記複数の監視サーバからそれぞれが担当する監視対象機器の状態情報を受信し、自サーバ内に記録された過去の状態情報を並列処理にて最新の状態情報に更新し、最新の状態情報に基づいてネットワーク内の監視対象機器の制御を行う統合サーバと、前記複数の監視サーバからそれぞれが担当する監視対象機器の状態情報を受信し、当該状態情報を表示するための制御を行う表示サーバと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ネットワークの規模にかかわらず、ネットワークの状態を充分に把握することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、ネットワーク管理システムの物理構成を示す図である。
【図2】図2は、実施の形態1のネットワーク管理システムの論理構成を示す図である。
【図3】図3は、実施の形態2のネットワーク管理システムの論理構成を示す図である。
【図4】図4は、実施の形態3のネットワーク管理システムの論理構成を示す図である。
【図5】図5は、実施の形態4のネットワーク管理システムの論理構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明にかかるネットワーク管理システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態のネットワーク管理システムの構成例を示す物理構成図である。図1において、表示サーバ1は、ネットワーク全体の状態を表示する機能を有するサーバである。統合サーバ2は、ネットワーク全体の状態情報を保持するサーバである。監視サーバ3は、監視対象機器4の状態情報を収集するサーバである。表示サーバ1および統合サーバ2は、ネットワーク管理システムに各1台設置し、それぞれ、ネットワーク全体の状態情報の表示、およびネットワーク全体の状態情報の保持を行う。監視サーバ3は、システムに複数台存在し、監視対象機器4を分担して監視し、状態情報を収集する。各サーバおよび監視対象機器4との間は、HUB5を介して接続する。
【0013】
つぎに、各サーバの構成について説明する。図2は、本実施の形態のネットワーク管理システムを示す論理構成図である。表示サーバ1は、状態表示制御部11と、SNMP(Simple Network Management Protocol)マネージャ部12と、RDA(Remote Database Access)クライアント部13と、を備える。状態表示制御部11は、ネットワーク全体の状態情報の表示を行う制御部である。SNMPマネージャ部12は、SNMPによって監視サーバ3から状態の変化をTRAPとして受け、これにともなう画面の更新のタイミングを状態表示制御部11に伝える。RDAクライアント部13は、状態表示制御部11の要求に従って、RDAを使って統合サーバ2のデータベースを検索する。
【0014】
統合サーバ2は、統制管理制御部21と、DBMS(Database Management System)部22と、RDAサーバ部23と、SNMPマネージャ部24と、を備える。統制管理制御部21は、データベースの検索結果に基づいて、監視対象機器4のパラメータの変更や、状態情報の取得要求を行う。DBMS部22は、システム全体の把握に必要な監視対象機器の状態情報を保管するためのデータベースである。RDAサーバ部23は、RDAによる表示サーバ1や監視サーバ3からの更新を受けてデータベースの検索を行う。SNMPマネージャ部24は、統制管理制御部21の要求を受けてSNMPによって監視サーバ3を経由して監視対象機器4の操作を行う。
【0015】
監視サーバ3は、管理制御部31と、SNMPマネージャ部32と、SNMPエージェント部33と、RDAクライアント部34と、を備える。管理制御部31は、監視対象機器4からの情報収集や設定と表示サーバ1、統合サーバ2との連携を行う。SNMPマネージャ部32は、管理制御部31の要求に沿って監視対象機器4に対するSNMPのGETおよびSETを行い、また、監視対象機器4からのTRAPを受信する。SNMPエージェント部33は、管理制御部31からの指示に従って、表示サーバ1へSNMPのTRAPを送信し、また、統合サーバ2からのSNMPのSETおよびGETの要求を受け付ける。RDAクライアント部34は、RDAによって統合サーバ2のデータベースの更新を行う。
【0016】
監視対象機器4は、機器制御部41と、SNMPMIB部42と、SNMPエージェント部43と、を備える。機器制御部41は、ネットワークの制御を行うソフトウエアである。ネットワークや機器の状態の変化については、SNMPMIB部42を更新することで外部から参照可能とする。また、動作パラメータは、SNMPMIB部42を参照することによって決定する。SNMPMIB部42は、機器の動作パラメータや状態を保持するためのデータベースである。SNMPエージェント部43は、管理サーバ3からのSNMPのGETおよびSETを受け、SNMPMIB部42へアクセスし、また、登録されたMIBの変化について、TRAPを管理サーバ3へ送信する。
【0017】
つづいて、ネットワーク管理システムにおける監視動作について説明する。最初に、監視対象機器4からTRAPを送信する場合について説明する。監視対象機器4において、機器制御部41が、ネットワークの状態の変化や機器自身の故障などを検知すると、SNMPMIB部42の更新を行う(図2の101に相当。以下、図2:101のように表記する)。この更新がTRAPの通知対象となっている場合、SNMPMIB部42の更新(変化)がSNMPエージェント部43に伝わり(図2:102)、SNMPエージェント部43は、TRAPを監視サーバ3へ送信する(図2:103)。
【0018】
監視サーバ3のSNMPマネージャ部32は、TRAP(図2:103)を受信し、管理制御部31にこれを通知する(図2:104)。管理制御部31は、TRAP(図2:103)だけでは情報が不足していると判断した場合、情報の取得要求をSNMPマネージャ部32に対して行う(図2:105)。SNMPマネージャ部32は、情報の取得要求に応じて、監視対象機器4に対してSNMP GETを送信する(図2:106)。SNMPエージェント部43は、これを受けてSNMPMIB部42をアクセスし(図2:107)、アクセスした結果として取得した状態情報を監視サーバ3へ送信する(図2:108)。SNMPマネージャ部32は、取得した状態情報を管理制御部31へ通知する(図2:109)。
【0019】
管理制御部31は、取得した状態情報に基づいて、RDAクライアント部34に対して更新の要求(UPDATE)を行い(図2:110)、RDAクライアント部34は、統合サーバ2に対して、データベースの更新要求(UPDATE)を送信する(図2:111)。統合サーバ2では、RDAサーバ部23が、これを受け、DBMS部22に対して更新を行う(図2:112)。なお、この時点ではデータベースの更新はDBMS部22上では確定しておらず、監視サーバ3の管理制御部31が、更新要求と同様に、更新の確定(COMMIT)を行うことで確定する。この場合、UPDATEと同様に、管理制御部31は、RDAクライアント部34に対して更新の確定(COMMIT)を行い(図2:113)、RDAクライアント部34は、統合サーバ2に対して、データベースの更新確定(COMMIT)を送信する(図2:114)。統合サーバ2では、RDAサーバ部23が、これを受け、DBMS部22に対して更新を確定する(図2:115)。
【0020】
つぎに、管理制御部31は、変化の通知をSNMPエージェント部33に対して行い(図2:116)、SNMPエージェント部33は、SNMPのTRAPとして表示サーバ1へ通知する(図2:117)。表示サーバ1の状態表示制御部11は、SNMPマネージャ部12からの通知を受け(図2:118)、表示変更のための情報が不足していると判断した場合は、RDAクライアント部13に対して検索の要求を行う(図2:119)。RDAクライアント部13は、統合サーバ2に対してRDAを使った検索要求(SELECT)を行う(図2:120)。統合サーバ2では、RDAサーバ部23が、DBMS部22に対して検索を行い(図2:121)、検索結果として表示変更のための情報を表示サーバ1へ送信する(図2:122)。RDAクライアント部13は、統合サーバ2から取得した情報を状態表示制御部11に対して送信し(図2:123)、状態表示制御部11は、監視サーバ3、および統合サーバ2から取得した情報に基づいて表示の更新を行う。
【0021】
つづいて、ネットワーク管理システムにおける監視動作として、統合サーバ2からSETを送信する場合について説明する。統合サーバ2の統合管理制御部21において、DBMS部22の検索に沿って(図2:201)、監視対象機器4の設定の変更を行う場合、統合管理制御部21は、SNMPマネージャ部24に対し変更の要求を行う(図2:202)。SNMPマネージャ部24は、当該監視対象機器4を管理する管理サーバ3のSNMPエージェント部33に対して変更情報をSNMPのSETとして送信する(図2:203)。監視サーバ3では、SNMPエージェント部33が、管理制御部31およびSNMPマネージャ部32を経由して(図2:204、205)、監視対象機器4に対してSNMPのSETを送信する(図2:206)。監視対象機器4では、SNMPエージェント部43が、このSET(図2:206)によってSNMPMIB部42を更新する(図2:207)。また、機器制御部41が、この更新を検知する(図2:208)。
【0022】
つづいて、ネットワーク管理システムにおける監視動作として、統合サーバ2からGETを送信する場合について説明する。統合サーバ2の統合管理制御部21において、任意のタイミングで監視対象機器4の状態情報を取得する場合、同様に、SNMPマネージャ部24を介して(図2:301)、監視サーバ3に対してSNMPのGETを送信する(図2:302)。監視サーバ3では、SNMPエージェント部33が、管理制御部31に対し状態情報の取得を要求する(図2:303)。管理制御部31は、TRAPの説明の際と同様に、監視対象機器4に対してGETを同様に行い(図2:105、106、107)、その結果として状態情報を得る(図2:108、109)。管理制御部31は、取得した状態情報を、SNMPエージェント部33を介して(図2:304)、統合サーバ2へ送信する(図2:305、306)。
【0023】
このように、ネットワーク管理システム内には監視サーバ3が複数存在しており、それぞれの監視サーバ3が、複数の監視対象機器4を監視している。監視サーバ3で取得した監視対象機器4の状態情報については、統合サーバ2でシステム全体としての情報を記録し、表示サーバ1がシステムの状態表示を行う。監視対象機器が増えた場合でも、監視サーバ3を増やすことでシステムとして容易に対応可能である。また、各サーバが、システムを監視する際の機能を分担しているため、各サーバにおいて負荷を低減することができる。
【0024】
以上説明したように、本実施の形態では、ネットワーク管理システムにおいて、監視対象機器を複数の監視サーバで分割して管理し、この監視サーバを介して状態情報の保管を統合サーバが行い、システム全体の表示を表示サーバで行うこととした。これにより、システムとして、監視対象機器が多くなった場合であっても、監視項目を限定することなくシステム全体の状態を把握することができる。
【0025】
また、監視対象機器と監視サーバ間はネットワーク機器で多く採用されているSNMPを想定しているが、監視サーバと統合サーバ間はRDAを併用し状態情報の記録はRDAで行うこととした。これにより、監視サーバの台数が多くなってもDBMSの多重処理によりスループットを確保することができる。
【0026】
実施の形態2.
実施の形態1では、TRAP毎にデータベースの更新を確定していた。本実施の形態では、複数のTRAPが発生する場合に、処理効率を向上する方法について説明する。実施の形態1と異なる部分について説明する。
【0027】
図3は、本実施の形態のネットワーク管理システムを示す論理構成図である。監視サーバ3に代えて、管理制御部31aを備える監視サーバ3aを構成とする点が実施の形態1と異なる。なお、説明に必要な処理の部分のみを記載し、その他の部分については、実施の形態1(図2)と同様とする。
【0028】
つづいて、本実施の形態の監視動作について説明する。監視対象機器4において、機器制御部41が、ネットワークの状態変化等を検知すると、SNMPMIB部42の更新を行ない(図3:101a)、この更新がTRAPの通知対象となっている場合、この変化がSNMPエージェント部43に伝わり(図3:102a)、SNMPエージェント部43は、TRAPを監視サーバ3へ送信する(図3:103a)。さらに、監視対象機器4において、機器制御部41がネットワークの状態変化等を検知して、SNMPMIB部42を更新し(図3:101b、101c)、この変化がSNMPエージェント部43に伝わり(図3:102b、102c)、SNMPエージェント部43が、TRAPを監視サーバ3へ送信する(図3:103b、103c)。
【0029】
監視サーバ3の管理制御部31aは、SNMPマネージャ部32が受けた一連のTRAP(図3:103a、103b、103c)に対して、データベースの更新の都度、更新の確定を行うのではなく、複数回の更新(図3:110a、110b、110c)に対して、確定の要求を1度だけ行う(図3:113)。この確定を行うタイミングは、管理制御部31aが表示サーバ1に変化の通知(図3:116)を送信する直前であればよい。表示サーバ1の状態表示制御部11は、変化を操作員に示すことが目的であるため、TRAP(図3:117)が繰り返しあがっても、すべてのタイミングで画面の更新を行わなくてもよい。そのため、更新を確定するタイミングは、この粒度に従う。または、更新を確定する最小時間間隔を規定し、このタイミングで更新を確定してもよい。
【0030】
以上説明したように、本実施の形態では、更新の確定のタイミングを調整することにより、複数回の更新の要求に対して、確定の要求を1回のみ行うこととした。これにより、監視対象機器からTRAPが多発する場合であっても、統合サーバや表示サーバの負荷を軽減することができる。
【0031】
実施の形態3.
実施の形態1では、監視対象機器から状態情報を取得した都度、データベースの更新を行うこととしたが、本実施の形態では、管理制御部が記憶する状態と差異がある場合のみ更新を行う。実施の形態1とことなる部分について説明する。
【0032】
図4は、本実施の形態のネットワーク管理システムを示す論理構成図である。監視サーバ3に代えて、管理制御部31bを備える監視サーバ3bを構成とする点が実施の形態1と異なる。なお、説明に必要な処理の部分のみを記載し、その他の部分については、実施の形態1(図2)と同様とする。
【0033】
つづいて、本実施の形態の監視動作について説明する。例えば、管理制御部31bでは、GETにより監視対象機器4から状態情報を取得した場合(図4:105〜109)、管理制御部31bは、取得した状態情報の値が、自身が記憶している値と変化があるかどうかを確認する(図4:401)。変化がない場合(図4:401:No)、更新等を行うことなく処置を終了する。変化がある場合(図4:401:Yes)、自身が記憶している値を更新する(図4:402)。その後、管理制御部31bは、統合サーバ2に対して、更新要求(UPDATE)および更新確定(COMMIT)を行う(図4:110〜115)。
【0034】
このように、管理制御部31bは、取得した状態情報の値が、自身が記憶している値と同じ場合には値の更新をせず、また、既に統合サーバ2に対して更新要求している値と同じであるとして、統合サーバ2に対する更新要求等を行わない。統合サーバ2においても、同じ値の内容で更新する必要が無いことから、負荷を軽減することができる。
【0035】
以上説明したように、本実施の形態では、管理制御部が、記憶する状態情報の値と差異がある場合のみ更新処理を行うこととした。これにより、統合サーバの負荷を軽減することができる。
【0036】
実施の形態4.
実施の形態1では、監視対象機器から状態を取得した状態情報を全て統合サーバのデータベースの更新を行うこととしたが、本実施の形態では、統合サーバが管理する項目についてのみデータベースの更新を行う。実施の形態1とことなる部分について説明する。
【0037】
図5は、本実施の形態のネットワーク管理システムを示す論理構成図である。監視サーバ3に代えて、管理制御部31cを備える監視サーバ3cを構成とする点が実施の形態1と異なる。なお、説明に必要な処理の部分のみを記載し、その他の部分については、実施の形態1(図2)と同様とする。
【0038】
つづいて、本実施の形態の監視動作について説明する。例えば、管理制御部31cでは、TRAPやGETにより監視対象機器4から情報を取得した場合(図5:101〜109)、管理制御部31cは、取得した状態情報の項目が、統合サーバ2で管理している項目かどうかを確認する(図5:501)。管理項目でない場合、(図5:501:No)、更新等を行うことなく処理を終了する。管理項目の場合(図5:501:Yes)、管理制御部31cは、統合サーバ2に対して、更新要求(UPDATE)および更新確定(COMMIT)を行う(図5:110〜115)。
【0039】
このように、管理制御部31cは、取得した状態情報の項目が、統合サーバ2で管理している管理項目以外の場合は更新をせず、統合サーバ2に対して更新処理を行わない。統合サーバ2においても、管理していない項目について受信処理を行う必要が無いことから、負荷を軽減することができる。
【0040】
以上説明したように、本実施の形態では、管理制御部が、監視対象機器から取得した情報のうち、統合サーバのデータベースの更新に必要な項目のみ更新処理を行うこととして。これにより、統合サーバの負荷を軽減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上のように、本発明にかかるネットワーク管理システムは、SNMPを用いたネットワークの管理に有用であり、特に、大規模なネットワークの管理に適している。
【符号の説明】
【0042】
1 表示サーバ
2 統合サーバ
3、3a、3b、3c 監視サーバ
4 監視対象機器
5 HUB
11 状態表示制御部
12 SNMPマネージャ部
13 RDAクライアント部
21 統制管理制御部
22 DBMS部
23 RDAサーバ部
24 SNMPマネージャ部
31、31a、31b、31c 管理制御部
32 SNMPマネージャ部
33 SNMPエージェント部
34 RDAクライアント部
41 機器制御部
42 SNMPMIB部
43 SNMPエージェント部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク内の監視対象機器を分担して監視可能とし、監視結果として、それぞれが担当する監視対象機器の状態情報を取得する複数の監視サーバと、
前記複数の監視サーバからそれぞれが担当する監視対象機器の状態情報を受信し、自サーバ内に記録された過去の状態情報を並列処理にて最新の状態情報に更新し、最新の状態情報に基づいてネットワーク内の監視対象機器の制御を行う統合サーバと、
前記複数の監視サーバからそれぞれが担当する監視対象機器の状態情報を受信し、当該状態情報を表示するための制御を行う表示サーバと、
を備えることを特徴とするネットワーク管理システム。
【請求項2】
前記監視サーバが、
担当する監視対象機器の状態情報を送受信するための制御を行う管理制御手段と、
SNMP(Simple Network Management Protocol)により担当する監視対象機器から送られてくる状態情報を受信し、さらに、前記管理制御手段の制御に基づいて、SNMPにより担当する監視対象機器に対して状態情報を要求し、その応答としてSNMPにより送られてくる状態情報を受信する監視SNMPマネージャ手段と、
前記管理制御手段の制御に基づいて、SNMPにより前記表示サーバへ状態情報を送信し、また、前記統合サーバからの要求に応じてSNMPにより当該統合サーバへ状態情報を送信する監視SNMPエージェント手段と、
前記管理制御手段の制御に基づいて、RDA(Remote Database Access)により前記統合サーバへ状態情報を送信する監視RDAクライアント手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のネットワーク管理システム。
【請求項3】
前記統合サーバが、
前記監視サーバから受信した状態情報を記録するためのDBMS(Database Management System)手段と、
RDAにより各監視サーバからそれぞれが担当する監視対象機器の状態情報を受信し、前記DBMS手段に記録された過去の状態情報を並列処理にて最新の状態情報に更新し、さらに、前記表示サーバからの検索要求に応じて前記DBMS手段を検索し、検索結果として得られた状態情報を返信する統合RDAサーバ手段と、
前記DBMS手段に記録された状態情報および前記監視サーバへ要求して取得した状態情報に基づいて、システム内の監視対象機器の制御を行う統制管理制御手段と、
前記統制管理制御手段の制御に基づいて、SNMPにより前記監視サーバに対して状態情報を要求し、その応答としてSNMPにより送られてくる状態情報を受信する統合SNMPマネージャ手段と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載のネットワーク管理システム。
【請求項4】
前記表示サーバが、
前記監視サーバおよび前記統合サーバから受信した状態情報を表示するための制御を行う状態表示制御手段と、
SNMPにより前記監視サーバから状態情報を受信する表示SNMPマネージャ手段と、
前記状態表示制御手段の制御に基づいて、RDAにより前記統合サーバに対して検索を要求し、その応答としてRDAにより送られてくる状態情報を受信する表示RDAクライアント手段と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載のネットワーク管理システム。
【請求項5】
前記監視サーバは、
前記監視RDAクライアント手段から前記統合サーバへ状態情報を送信する場合、
前記管理制御手段が、前記監視RDAクライント手段へ、更新要求により前記状態情報を送信し、その後、更新すべき状態情報を確定するための確定要求を送信し、
前記監視RDAクライアント手段が、前記管理制御手段から受信した更新要求および確定要求を前記統合サーバへ送信する、
ことを特徴とする請求項2、3または4に記載のネットワーク管理システム。
【請求項6】
前記管理制御手段は、複数の状態情報を送信する制御を行う場合に、更新要求を所定回数送信するごとに確定要求を1回送信する、
ことを特徴とする請求項5に記載のネットワーク管理システム。
【請求項7】
前記管理制御手段は、複数の状態情報を送信する制御を行う場合に、所定の期間内に送信した複数の更新要求に対して確定要求を1回送信する、
ことを特徴とする請求項5に記載のネットワーク管理システム。
【請求項8】
前記管理制御手段は、取得した状態情報のうち、前回取得した状態情報と比較して変更のあった項目について更新要求を行う、
ことを特徴とする請求項5、6または7に記載のネットワーク管理システム。
【請求項9】
前記管理制御手段は、取得した状態情報のうち、前記統合サーバのDBMS手段に記録された項目について更新要求を行う、
ことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1つに記載のネットワーク管理システム。
【請求項10】
ネットワーク内の監視対象機器を分担して監視可能とし、監視結果として、それぞれが担当する監視対象機器の状態情報を取得する複数の監視サーバと、統合サーバおよび表示サーバとで構成されるネットワーク管理システム、における前記監視サーバであって、
監視対象機器の状態情報を送受信するための制御を行う管理制御手段と、
SNMP(Simple Network Management Protocol)により担当する監視対象機器から送られてくる状態情報を受信し、さらに、前記管理制御手段の制御に基づいて、SNMPにより担当する監視対象機器に対して状態情報を要求し、その応答としてSNMPにより送られてくる状態情報を受信する監視SNMPマネージャ手段と、
前記管理制御手段の制御に基づいて、SNMPにより前記表示サーバへ状態情報を送信し、また、前記統合サーバからの要求に応じてSNMPにより当該統合サーバへ状態情報を送信する監視SNMPエージェント手段と、
前記管理制御手段の制御に基づいて、RDA(Remote Database Access)により前記統合サーバへ状態情報を送信する監視RDAクライアント手段と、
を備えることを特徴とする監視サーバ。
【請求項11】
前記監視RDAクライアント手段から前記統合サーバへ状態情報を送信する場合、
前記管理制御手段が、前記監視RDAクライント手段へ、更新要求により前記状態情報を送信し、その後、更新すべき状態情報を確定するための確定要求を送信し、
前記監視RDAクライアント手段が、前記管理制御手段から受信した更新要求および確定要求を前記統合サーバへ送信する、
ことを特徴とする請求項10に記載の監視サーバ。
【請求項12】
前記管理制御手段は、複数の状態情報を送信する制御を行う場合に、更新要求を所定回数送信するごとに確定要求を1回送信する、
ことを特徴とする請求項11に記載の監視サーバ。
【請求項13】
前記管理制御手段は、複数の状態情報を送信する制御を行う場合に、所定の期間内に送信した複数の更新要求に対して確定要求を1回送信する、
ことを特徴とする請求項11に記載の監視サーバ。
【請求項14】
前記管理制御手段は、取得した状態情報のうち、前回取得した状態情報と比較して変更のあった項目について更新要求を行う、
ことを特徴とする請求項11、12または13に記載の監視サーバ。
【請求項15】
前記管理制御手段は、取得した状態情報のうち、前記統合サーバのDBMS手段に記録された項目について更新要求を行う、
ことを特徴とする請求項11〜14のいずれか1つに記載の監視サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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