説明

ネットワーク装置、アプリケーション取得方法

【課題】アプリケーションのインストールについて柔軟性のあるライセンス管理を行うことができるネットワーク装置およびアプリケーション取得方法を提供する。
【解決手段】アプリケーションを提供するアプリケーション提供システムからネットワークを介してアプリケーションを取得するネットワーク装置において、ネットワーク装置は自装置で既に取得済みのアプリケーションの情報を示すインストール済みリスト情報を記憶する記憶部と、アプリケーション提供システムから受信したアプリケーションリスト情報と自装置で既に取得済みのアプリケーションの情報を示すインストール済みリスト情報に基づき、アプリケーションが既に取得済みであるか否かを判断する第1の判断部と、第1の判断部でアプリケーションを取得していないと判断した場合、該アプリケーションのライセンスを取得する必要があるか否か判断する第2の判断部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アプリケーションを提供するアプリケーション提供システムからネットワークを介して前記アプリケーションを取得するネットワーク装置およびアプリケーション取得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ装置、デジタル複写機、スキャナ装置、デジタル複合機、デジタルカメラ等の画像処理装置を被管理装置とし、サービスセンターの管理装置(外部装置)が公衆回線又はインターネット等のネットワークでこれらの被管理装置を遠隔管理する遠隔管理システムが既に知られている。
【0003】
また、この遠隔管理システムを用いて被管理装置のアプリケーションのバージョンアップを行う技術も既に知られている(例えば、特許文献1)。また、アプリケーションをインストールするには、新規にインストールする場合と、既にインストールされているアプリケーションを新しいバージョンに更新する場合の2種類がある。しかし従来ではこの2種類のソフトウェアをインストールする際、ライセンスの取得の仕方として全て受け取るか、受け取らないかの選択でしかなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、全てのライセンスを取得するというのはユーザにとって手間がかかり、それとは別に全てのライセンスを取得させないでアプリケーションをインストールさせてしまうと、ユーザへのアプリケーションの提供の管理を実施しているセンター側で、提供するアプリケーションの管理が出来ないという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、上記問題に鑑みてなされたものであって、アプリケーションのインストールについて柔軟性のあるライセンス管理を行うことができるネットワーク装置、アプリケーション取得方法を提供させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上記の目的を達成するため、次のネットワーク装置、アプリケーション取得方法を提供する。
【0007】
本発明は、アプリケーションを提供するアプリケーション提供システムからネットワークを介してアプリケーションを取得するネットワーク装置において、ネットワーク装置は自装置で既に取得済みのアプリケーションの情報を示すインストール済みリスト情報を記憶する記憶部と、アプリケーション提供システムから受信したアプリケーションリスト情報と自装置で既に取得済みのアプリケーションの情報を示すインストール済みリスト情報に基づき、アプリケーションが既に取得済みであるか否かを判断する第1の判断部と、第1の判断部でアプリケーションを取得していないと判断した場合、該アプリケーションのライセンスを取得する必要があるか否か判断する第2の判断部と、を備えたことを特徴とするネットワーク装置を要旨としている。
【0008】
また、本発明は上記ネットワーク装置において、第1の判断部および第2の判断部の判断結果に基づき、アプリケーションを取得するリストを表示する表示手段とを備えたこと特徴とすることができる。
【0009】
また、本発明は上記ネットワーク装置において、アプリケーションリスト情報は、ライセンスが必要か否かを示すライセンス必要性情報を含み、第2の判断部は、第1の判断部で取得されていないと判断した場合、ライセンス必要性情報に基づいてライセンスを取得する必要があるか否か判断することを特徴とすることができる。
【0010】
また、本発明は、アプリケーションを提供するアプリケーション提供システムからネットワークを介してアプリケーションを取得するネットワーク装置を用いてアプリケーションを取得する方法において、ネットワーク装置が自装置で既に取得済みのアプリケーションの情報を示すインストール済みリスト情報を記憶する記憶ステップと、アプリケーション提供システムから受信したアプリケーションリスト情報と自装置で既に取得済みのアプリケーションの情報を示すインストール済みリスト情報に基づき、アプリケーションが既に取得済みであるか否かを判断する第1の判断ステップと、第1の判断ステップでアプリケーションを取得していないと判断した場合、該アプリケーションのライセンスを取得する必要があるか否か判断する第2の判断ステップと、を有することを特徴とするアプリケーション取得方法を要旨としている。
【0011】
また、本発明は、上記アプリケーション取得方法において、第1の判断ステップおよび第2の判断ステップの判断結果に基づき、表示手段に取得するアプリケーションを表示する表示ステップを有することを特徴とすることができる。
【0012】
また、本発明は、上記アプリケーション取得方法において、アプリケーションリスト情報は、ライセンスが必要か否かを示すライセンス必要性情報を含み、第2の判断ステップは、第1の判断ステップで取得されていないと判断した場合、ライセンス必要性情報に基づいてライセンスを取得する必要があるか否か判断することを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のネットワーク装置およびアプリケーション取得方法によれば、新たに追加するアプリケーションか既に取得しているアプリケーションか否かを判断し、ライセンスを取得するか否かの判断を行えるため、管理装置側からのアプリケーションの提供について柔軟性のあるライセンス管理を行うことができるネットワーク装置およびアプリケーション取得方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に係るネットワーク装置を適用した画像形成装置管理システムの構成例を示す概念図である。
【図2】本実施形態に係るネットワーク装置のハードウェアの概略構成例を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係るネットワーク装置のソフトウェアの概略構成例を示すブロック図である。
【図4】本実施形態に係るネットワーク装置のプラグイン管理モジュールの概略機能構成例を示すブロック図である。
【図5】管理装置の概略機能構成例を示すブロック図である。
【図6】アクティベートサーバの概略機能構成例を示す図である。
【図7】アプリケーション配信サーバの概略機能構成例を示す図である。
【図8】アクティベート処理の流れの例を示すシーケンス図である。
【図9】インストール済みリスト情報の例を示す図である。
【図10】アプリケーションリスト情報の例を示す図である。
【図11】比較リストの例を示す図である。
【図12】本実施形態に係るネットワーク装置を適用した画像形成装置管理システムにおける制御の動作例を示すシーケンス図である。
【図13】本実施形態に係るネットワーク装置を適用した画像形成装置管理システムにおける制御の動作例を示すシーケンス図である。
【図14】本実施形態に係るネットワーク装置のアプリケーション情報比較部の制御動作例を示すフローチャートである。
【図15】本実施形態に係るネットワーク装置において、アプリケーションがアクティベートをする必要があるか否かを判断する動作例を示すフローチャートである。
【図16】本実施形態に係るネットワーク装置において、表示部からアプリケーションが選択された場合の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の実施形態の例について、図面を用いて詳細に説明する。
【0016】
〔画像形成装置管理システムの構成例〕
まず、この発明のネットワーク装置およびアプリケーション取得方法を適用した一実施形態である画像形成装置管理システムの構成について、図1を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態である画像形成装置管理システムの構成例を示す概念図である。
【0017】
この管理システムはそれぞれが被管理装置であるネットワーク装置としての複数の各複合機100(101,102,103)と、管理装置300と、アプリケーション配信サーバ500と、アクティベートサーバ400と、共有データベース600と、を備えた管理システムである。また、アプリケーション提供システム700は、管理装置300と、アクティベートサーバ400と、アプリケーション配信サーバ500と、共有データベース600と、を備えている。
【0018】
この実施形態では、顧客先のネットワーク環境に応じ、複合機100がネットワーク(例えば、公衆回線網やインターネット等のネットワークを含む)200を介して管理装置300およびアプリケーション配信サーバ500およびアクティベートサーバ400に通信可能に接続する。なお、複合機100の代わりに、複写装置やプリンタ、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置など、各種の電子機器を使用することができる。
【0019】
〔複合機のハードウェア構成例〕
次に、図1の複合機100のハードウェア構成について、図2を用いて具体的に説明する。図2は、図1の複合機100のハードウェア構成例を示すブロック図である。この複合機100は、複写機、プリンタ、FAX(ファックス)装置、スキャナ装置としての機能(サービス)、つまりコピー機能、プリンタ機能、FAX機能、スキャナ機能を含む各種機能を実現できる画像形成装置である。複合機100は、図2に示すように、コントローラボード110、操作パネル120、FCU(ファックスコントロールユニット)121、USB(Universal Serial Bus)・I/F122、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394・I/F123、プロッタ/スキャナエンジン124、および周辺機125から構成されている。これらの構成が、原稿の画像読み取り、印刷(画像形成)、画像情報送信等の画像処理を行うためのハードウェア資源である。
【0020】
コントローラボード110は、複合機100の各部を統括的に制御するものである。その制御により、各種機能を実現することができる。操作パネル120は、複合機100に対して操作を行うオペレータのためのインタフェースであり、データ入力やジョブ実行指示を行うための各種の操作キー(操作スイッチ又は操作ボタンともいう)と、各種情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)又はCRT(Cathode-ray Tube)等の文字表示器とを備えている。
【0021】
FCU121は、外部機器、例えばFAX装置又はモデム機能(FAX通信機能)を有するデジタル複写機や他の複合機等の画像形成装置との通信を通信網200中の公衆回線経由で制御するものである。USB・I/F122およびIEEE1394・I/F123はそれぞれ、外部機器と直接接続して通信を行うための、USB規格、IEEE1394規格のインタフェース(直接インタフェース)である。
【0022】
プロッタ/スキャナエンジン124は、原稿の画像を読み取るスキャナ(画像読取部)、およびスキャナによって読み取った画像情報あるいは外部機器から受信した印刷情報を可視画像として用紙(他の記録媒体でもよい)上に印刷するプロッタ(画像形成部)に相当するものである。なお、図示しないPC等の外部機器から受信した印刷情報が印刷用の画像情報でなく、文字コードや描画情報であれば、それらをコントローラボード110によって印刷用の画像情報に変換される。
【0023】
周辺機125は、原稿をスキャナの画像読取位置へ自動給送する自動原稿給送装置(ADF)や、プロッタ/スキャナエンジン124によって印刷がなされた用紙に対してソート(仕分け)、パンチ(穴開け)、ステープル処理等の後処理を行う後処理装置などに相当するものである。コントローラボード110は、CPU(Central Processing Unit)111、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)112、SDRAM(Synchronous DRAM)113、フラッシュメモリ114、HDD(Hard Disk Drive)115、遠隔管理システム用メモリ116、NIC(Network Interface Card)117、およびモデム118等によって構成されている。
【0024】
CPU111は、ASIC112を介してデータ処理(各機能の制御)を行う演算処理部である。このCPU111は、ASIC112経由でフラッシュメモリ114内のブートプログラムを起動(実行)させてOSイメージを読み出し、SDRAM113にロードしてOSに展開し、その展開したOSを起動させる。その後、必要に応じてフラッシュメモリ114(又はHDD115)内の各アプリケーションやサービスなどのプログラムを読み出し、SDRAM113にロードして展開し、起動させ、装置の制御を行うことにより、各種の機能を実現することができる。
【0025】
ASIC112は、CPU111の制御対象となるデバイスの共有化を図り、アーキテクチャの面からアプリケーション等の開発の高効率化を支援するものである。SDRAM113は、各種プログラムを記憶するプログラムメモリや、CPU111がデータ処理時に使用するワークメモリ等として使用するメモリである。フラッシュメモリ114は、ブートプログラムやOSイメージの他に、各種不揮発性を求めるデータ(例えば、機種機番、IPアドレス等の管理情報)を記憶する不揮発性メモリ(NV−RAM)である。
【0026】
HDD115は、不揮発性記憶媒体であるハードディスク装置(記憶部)であり、アプリケーションを含む各種プログラムを記憶することができる。遠隔管理システム用メモリ116は、遠隔管理システムにおける各機能(遠隔管理機能)を実現するための各種情報を記憶する不揮発性メモリである。その遠隔管理機能を実現するための情報には、例えば、管理装置300やアプリケーション配信サーバ500やアクティベートサーバ400の宛先情報を含むアプリケーション提供システム700との通信経路を示す情報(通信経路情報)が含まれる。
【0027】
NIC117は、図1のネットワーク200中のインターネットを介して管理装置300やアプリケーション配信サーバ500やアクティベートサーバ400と通信するために接続するインタフェースである。モデム118は、ネットワーク200中の公衆回線を介して管理装置300と通信可能に接続するものである。
【0028】
〔複合機のソフトウェア構成例〕
次に、図1の複合機100のソフトウェア構成について、図3を用いて具体的に説明する。なお、以下に示す各プログラムによる処理は、実際にはCPU111がそれらのプログラムに従って動作することによって実行するが、説明の都合上、それらのプログラムが処理を実行するものとする。以後も、プログラムが何らかの処理を行うものとして説明を行う場合には、同様とする。
【0029】
図3は、図1の複合機100のソフトウェア構成例を示すブロック図である。複合機100は、図2のプロッタ/スキャナエンジン124、フラッシュメモリ114又はHDD115に相当する記憶部181、およびそれら以外のハードウェアリソースである他のハードウェアリソース182(例えば、NIC117、モデム118、FCU121、USB・I/F122、IEEE1394・I/F123等)を備えると共に、プラットホーム190およびアプリケーション191から構成されるソフトウェア群を備えている。
【0030】
プラットホーム190は、アプリケーション191からの処理要求を解釈してハードウェア資源の獲得要求を発生させるコントロールサービスと、一または複数のハードウェア資源の管理を行い、コントロールサービスからの獲得要求を調停するシステムリソースマネージャ(SRM)170と、汎用OS171とを有する。これらのソフトウェアを構成するプログラムは、記憶部181に記憶されている。
【0031】
コントロールサービスは、複数のサービスモジュールから形成され、OCS(オペレーションパネルコントロールサービス)160と、ECS(エンジンコントロールサービス)161と、MCS(メモリコントロールサービス)162と、NCS(ネットワークコントロールサービス)163と、FCS(ファックスコントロールサービス)164と、SCS(システムコントロールサービス)165と、プラグイン管理モジュール166とから構成される。なお、プラットホーム190は、予め定義された関数によりアプリケーション191から処理要求を受信可能とするアプリケーションプログラムインタフェース(API)を有する。
【0032】
汎用OS171は、UNIX(登録商標)等の汎用オペレーティングシステムであり、プラットホーム190並びにアプリケーション191の各ソフトウェアをそれぞれプロセスとして並列実行する。SRM170のプロセスは、SCS165と共にシステムの制御およびリソースの管理を行うものである。SRM170のプロセスは、プロッタ/スキャナエンジン124、記憶部181、他のハードウェアリソース182等のハードウェア資源を利用する上位層からの要求に従って調停を行い、実行制御する。
【0033】
具体的には、このSRM170は、要求されたハードウェア資源が利用可能であるかどうか(他の要求により利用されていないかどうか)を判断し、利用可能であれば要求されたハードウェア資源が利用可能である旨を上位層に伝える。また、SRM170は、上位層からの要求に対してハードウェア資源の利用スケジューリングを行い、要求内容(例えば、プロッタによる紙搬送や作像動作、メモリ確保、ファイル生成など)を直接実施している。
【0034】
OCS160のプロセスは、オペレータ(ユーザ)と本体制御間の情報伝達部となる操作パネル(オペレーションパネル)120の制御を行う。OCS160は、操作パネル120からキー押下を入力イベントとして取得し、取得したキーに対応した入力イベント関数をSCS165に送信するOCSプロセスの部分と、アプリケーション191またはコントロールサービスからの要求により操作パネル120に各種画面を描画出力する描画関数やその他操作パネル120に対する制御を行う関数などが予め登録されたOCSライブラリの部分とから構成される。このOCSライブラリは、アプリケーション191およびコントロールサービスの各モジュールにリンクされて実装されている。なお、OCS160の全てをプロセスとして動作させるように構成しても良く、あるいはOCS160の全てをOCSライブラリとして構成しても良い。
【0035】
ECS161のプロセスは、プロッタ/スキャナエンジン124および他のハードウェアリソース182の制御を行う。MCS162のプロセスは、画像メモリの取得および解放、ハードディスク装置(HDD)の利用、画像データの圧縮および伸張などを行う。NCS163のプロセスは、ネットワークI/Oを必要とするアプリケーションに対して共通に利用できるサービスを提供するためのプロセスであり、ネットワーク側から各プロトコルによって受信したデータを各アプリケーション191に振り分けたり、アプリケーション191からデータをネットワーク側に送信する際の仲介を行う。具体的には、ftpd、httpd、lpd、snmpd、telnetd、smtpdなどのサーバデーモンや、同プロトコルのクライアント機能などを有している。
【0036】
FCS164のプロセスは、システムコントローラの各アプリ層からPSTN/ISDN網を利用したファクシミリ送受信、BKM(バックアップSRAM)で管理されている各種ファクシミリデータの登録/引用、ファクシミリ読み取り、ファクシミリ受信印刷、融合送受信を行うためのAPI(Application Program Interface)を提供する。SCS165のプロセスは、アプリ管理、操作部制御、システム画面表示、LED表示、リソース管理、割り込みアプリ制御などを行う。
【0037】
アプリケーション191は、コピー用アプリケーションであるコピーアプリ151と、ファクシミリ用アプリケーションであるファックスアプリ152と、ページ記述言語(PDL)、PCL、およびポストスクリプト(PS)を有するプリンタ(プロッタ)用のアプリケーションであるプリンタアプリ153と、スキャナ用アプリケーションであるスキャナアプリ154と、ネットワークファイル用アプリケーションであるネットファイルアプリ155と、ウェブ用アプリケーションであるウェブアプリ156と、後述する外部アプリ157、158、・・・とを等を有している。アプリケーション191の各プロセス、コントロールサービスの各プロセスは、関数呼び出しとその戻り値送信およびメッセージの送受信によってプロセス間通信を行いながら、コピー、プリンタ、スキャナ、ファクシミリなどの画像形成処理に関するユーザサービスを実現している。
【0038】
このように、この複合機100には、複数のアプリケーション191および複数のコントロールサービスが存在し、いずれもプロセスとして動作している。そして、これらの各プロセス内部には、一または複数のスレッドが生成されて、スレッド単位の並列実行が行われる。そして、コントロールサービスがアプリケーション191に対して共通サービスを提供しており、このため、これらの多数のプロセスが並列動作、およびスレッドの並列動作を行って互いにプロセス間通信を行って協調動作をしながら、コピー、プリンタ、スキャナ、ファクシミリなどの画像形成処理に関するユーザサービスを提供するようになっている。また、複合機100には、複合機100の顧客、サードベンダなどの第三者がコントロールサービス層の上のアプリケーション層に外部アプリを開発して搭載することが可能となっている。図2では、外部アプリ157、158、・・・を搭載した例を示している。
【0039】
なお、この複合機100では、複数のアプリケーション191のプロセスと複数のコントロールサービスのプロセスとが動作しているが、アプリケーション191とコントロールサービスのプロセスがそれぞれ単一の構成とすることも可能である。
【0040】
〔プラグイン管理モジュールの機能的構成例〕
次に、図3のプラグイン管理モジュール166の機能的構成について、図4を用いて説明する。図4は、図3のプラグイン管理モジュール166の機能的構成例を示すブロック図である。このプラグイン管理モジュール166は、表示処理部201、インストール処理部202、アプリダウンロード部203、アプリケーション情報比較部204、比較リスト作成部205、遠隔管理部206およびインストール済みリスト記憶部207によって構成される。また、記憶部207は、アプリ記憶部208、バージョン記憶部209、ライセンス有無情報記憶部210、ライセンス必要性情報記憶部211の情報から構成されている。
【0041】
記憶部207は、図4に示すように既に装置内でインストール済みのアプリケーションの情報を示すテーブルであるインストール済みリストを記憶している。インストール処理部202は、アプリケーションソフトウェアを不揮発性メモリに書き込み起動するインストールサービスや、不揮発性メモリから除去する(アンインストール)サービスを提供している。また、インストールしようとしたアプリケーションにライセンスファイルが存在しなかった場合は、アクティベート処理をおこない、アクティベートサーバ400からライセンスファイルを取得し、インストールをおこなうサービスも提供している。
【0042】
遠隔管理部206は、外部機器との通信等により取得してきた情報などを管理している。例えば、図8に示すような管理装置300側で提供しているアプリケーションの情報を示すアプリケーションリスト情報301を取得した場合など、遠隔管理部206により情報を取得し、アプリケーション情報比較部204へ受け渡しをおこなっている。アプリケーション情報比較部204は、遠隔管理部206によって取得したアプリケーションリスト情報301に基づいて記憶部207で記憶されているインストール済みリスト情報250の検索をおこない、アプリケーションリスト情報301とインストール済みリスト情報250の比較をおこなう。アプリケーションリスト比較処理についての詳細は後述する。比較リスト作成部205は、アプリケーション情報比較部204によって比較された情報に基づき比較リスト情報350を作成している。表示処理部201は、比較リスト作成部205などで作成された比較リスト350を操作パネル等の表示部に表示できるように処理を実行する部である。
【0043】
〔管理装置の機能構成例〕
次に図5の管理装置300の機能構成例を示すブロック図を示す。管理装置300は、通信部401、機器情報収集部402、判断部403、プロダクトID生成部405、登録部406、機器管理情報記憶部407によって構成される。通信部401は、外部機器と直接接続して通信を行うための、USB規格、IEEE1394規格のインタフェース(直接インタフェース)である。機器情報収集部402は、管理対象となっている複合機100の機番情報等、被管理装置をユニークに特定するための機器情報を収集するための手段である。
【0044】
判断部403は、機器情報を取得し、機器情報から相互に正しい相手であるか判断をおこなうための部である。プロダクトID生成部405は、複合機100から取得した機器情報と、複合機100が取得しようとするアプリケーションの情報を示すアプリケーションIDとで取得しようとするアプリケーションの取得許可をするために必要なプロダクトIDを生成する生成部である。登録部406は、被管理装置である複合機100のインストール済みリスト情報の記憶部407への登録や、共有DB600にアプリケーションの取得許可を示すプロダクトIDを登録するための手段である。
【0045】
〔アクティベートサーバの機能構成例〕
次に図6のアクティベートサーバ400の機能構成例を示すブロック図を示す。アクティベートサーバ400は、通信部421、検索部422、判断部423、ライセンスファイル作成部424によって構成される。通信部421は、外部機器と直接接続して通信を行うための、USB規格、IEEE1394規格のインタフェース(直接インタフェース)である。判断部423は、複合機100から送信される管理装置300から取得したプロダクトIDが共有DB600に登録されているか否か検索部422で検索をおこないライセンスファイルを複合機100へ送信してよいか否かの判断をおこなっている。判断の結果ライセンスファイル送信の許可がされた場合、ライセンスファイル作成部424で作成されたライセンスファイルを複写機100へ送信する。
【0046】
〔アプリケーション配信サーバの機能構成例〕
次に図7のアプリケーション配信サーバ500の機能構成例を示すブロック図を示す。アプリケーション配信サーバ500は、通信部501、判断部502、アプリケーション記憶部503、検索部504によって構成される。通信部501は、外部機器と直接接続して通信を行うための、USB規格、IEEE1394規格のインタフェース(直接インタフェース)である。判断部502は、複合機100から送信されるアクティベートサーバ400から取得したライセンスファイルに基づいてアプリケーションを配信してよいか否かを判断している。判断の結果、アプリケーションの配信の許可がされた場合、アプリケーション記憶部503に記憶されているアプリケーションからライセンスファイルに基づき検索をおこないアプリケーションを複写機100へ配信する。
【0047】
〔アクティベート処理〕
次に、アクティベート処理について図8のシーケンス図を用いて説明する。管理装置300は複合機100からアプリケーションの取得要求があった場合(st451)、アプリケーションの取得要求に付加されて送信された複合機100の機器情報を示す機器IDと取得しようとするアプリケーションのアプリケーション情報を示すアプリケーションIDからプロダクトIDを生成する(st452)。プロダクトIDが生成されると管理装置300は共有データベース600へプロダクトIDの登録をおこなう(st453)。
【0048】
管理装置300は、生成したプロダクトIDを複合機100へ送信する(st454)。ここでの例では、アクティベートの許可をするには、まず、プロダクトIDがアクティベートサーバ400に送られる(st455)。データを受け取ったアクティベートサーバ400側では、送られたプロダクトIDで共有データベース600を検索し、すでに情報が登録されていないかを調査する(st456)。共有データベース600に登録されていなければ、アプリケーション取得が許可されていないと判断され、既に登録されている場合は、アクティベートの許可としてアクティベートサーバ400はライセンスファイルを複写機100へ送信する(st457)。
【0049】
以後、各複合機100側ではアクティベートが許可されればインストール処理が続行され、エラーならエラーを通知して処理を中断する。ライセンスファイルを受信した複合機100は、アプリケーション配信サーバ500にライセンスファイルを送信する(st458)。ライセンスファイルを受信したアプリケーション配信サーバ500はライセンスファイルの認証をおこないアプリケーションを配信する(st459)。
【0050】
〔インストール済みリスト情報の構成例〕
図9は、図3のアプリケーション191の情報を示すインストール済みリスト情報250の構成例を示す管理テーブルである。この管理テーブルであるインストール済みリスト情報250は、アプリケーション識別子251、バージョン識別子252、ライセンス必要性情報識別子253、ライセンス有無情報識別子254からなり、記憶部181内のインストール済みリスト情報記憶部132に記憶される。
【0051】
アプリケーション識別子251は、コピーアプリ、FAXアプリなどのアプリケーション名を示す情報である。バージョン識別子252は、V1.0、V1.1などのバージョン名を示す情報である。
【0052】
ライセンス必要性情報識別子253は、各アプリケーションをインストールするためにライセンスファイルを取得する必要があるか否かを識別するための情報である。また、ライセンス必要性情報識別子253は、ライセンスファイルを取得するか否かの情報の他にライセンス番号(例として各ライセンスファイル番号002314,230018等)を記憶しており、ライセンスファイルが同一か否かを識別する情報を所持している。ライセンス有無情報識別子254は、複合機100に既に取得しているアプリケーションがライセンスを持っているか否かを識別するための識別情報や仮ライセンスであるか否かの情報を含んでいる。ここでいう仮ライセンスとは、例えば図9の255に示すような期限付きのライセンス、カウント制限のあるライセンス等、ライセンスに何らかの制限が付加されているものをさす。このようにインストール済みリスト情報250では、既に複合機100に存在するアプリケーション191の情報を示している。
【0053】
〔アプリケーションリスト情報の構成例〕
次に、複合機100が管理装置から受信するアプリケーションリスト情報301について図10を用いて説明する。このアプリケーションリスト情報301は、アプリケーション識別子302、バージョン識別子303、ライセンス必要性情報識別子304からなる。アプリケーション識別子302は、コピーアプリ、FAXアプリなどのアプリケーション名を示す情報である。バージョン識別子303は、V1.0、V1.1などのバージョン名を示す情報である。ライセンス必要性情報識別子304は、各アプリケーションをインストールするためにライセンスファイルを取得する必要があるか否かを識別するための情報である。また、ライセンス必要性情報識別子304はライセンスファイルを取得するか否かの情報の他にライセンス番号(例として各ライセンスファイル番号002314,230018等)を記憶しておりライセンスファイルが同一か否かを識別する情報を所持している。
【0054】
〔比較リスト情報の構成例〕
次に、比較リスト作成部205で作成される比較リスト350について図11を用いて説明する。この比較リスト350は、チェック項目351、アプリケーション識別子352、バージョン識別子353、ライセンス必要性情報識別子354、ライセンス有無情報識別子355、アクティベート必要性識別子356から構成されている。チェック項目351は、比較リスト350のアプリケーション項目の中からユーザが取得しようとするアプリケーションを選択するためのチェック欄である。アプリケーション識別子352は、コピーアプリ、FAXアプリなどのアプリケーション名を示す情報である。
【0055】
この比較リスト作成部は、アプリケーション情報比較部の判断の基に比較リストを作成している。アプリケーション情報比較部の判断に関しては後で詳細に説明する。バージョン識別子353は、V1.0、V1.1などのバージョン名を示す情報である。ライセンス必要性情報識別子354は、各アプリケーションをインストールするためにライセンスファイルを取得する必要があるか否かを識別するための情報である。また、ライセンス必要性情報識別子354はライセンスファイルを取得するか否かの情報の他にライセンス番号(例として各ライセンスファイル番号002314,230018等)を記憶しておりライセンスファイルが同一か否かを識別する情報を所持している。
【0056】
アクティベート必要性識別子356は、インストール済みリスト情報250に含まれるライセンス有無情報識別子254とアプリケーションリスト情報301に含まれるライセンス必要性情報識別子304に基づいて、アクティベートをする必要があるか否かを示す情報を示す識別子である。例えば、図10に示すようにアプリケーションリスト情報301に含まれるライセンス必要性情報識別子304が要のアプリケーション(実施例ではコピーアプリV1.1の305を参照)に対し図9に示すようにインストール済みリスト情報250に含まれるライセンス有無情報識別子254が有であった場合(実施例ではコピーアプリV1.0の255を参照)、図11に示すように比較リスト情報350に含まれるアクティベート必要性識別子356は(実施例ではコピーアプリV1.1の357を参照)、既にライセンスを取得済みであるとみなしアクティベート必要性識別子356は×と表示され、アクティベートをする必要がないものとしている。
【0057】
このように、同じライセンスをもつアプリケーションを取得する場合はアクティベートする必要がないのでアクティベート必要性識別子356は×となる。
【0058】
反対に図10に示すようにアプリケーションリスト情報301に含まれるライセンス必要性情報識別子304が要のアプリケーション(実施例ではコピーアプリV2.0の306を参照)に対し図9に示すようにインストール済みリスト情報250に含まれるライセンス有無情報識別子254が有であった場合(実施例ではコピーアプリV1.0の255を参照)、図11に示すように比較リスト情報350に含まれるアクティベート必要性識別子356は(実施例ではコピーアプリV2.0の358を参照)ライセンスを取得していないと判断しアクティベート必要性識別子356は○と表示される。これは同じアプリケーションであってもバージョンアップの際に別のライセンスが必要なことがある。ライセンス必要性情報はライセンス番号でライセンスファイルが同一か否かの情報を管理するため、ここではアクティベートが必要であると識別している。
【0059】
以下、このように構成された画像形成装置管理システムにおける制御の各実施例について、図12、図13を参照して具体的に説明する。
【0060】
まず、複合機100は管理装置300からアプリケーションリスト要求を行う(st501)。複合機100からアプリケーションリスト要求を受信した、管理装置300は、複合機100へアプリケーションリストを送信する(st502)。管理装置300から送信されたアプリケーションリストを複合機100は受信する。
【0061】
次に(st503)の処理について説明する。複合機100は、記憶部207で記憶しているインストール済みリスト情報テーブルの読み出しを実行し、アプリケーション情報比較部204により比較を行い、比較された情報を基に比較リスト作成部205は図11に示すような比較リスト350を作成する。また、比較リスト作成部205により作成された比較リスト350は、表示処理部201を介し表示部に表示される。ここで制御するアプリケーション情報比較部204については後の記載で詳細に説明する。比較リスト350で選定されたアプリケーション項目の中からユーザが選択したアプリケーションが、アクティベート処理を行う必要がある場合アクティベート処理を実行する。また、アクティベート処理を実行するか否かの判断は比較リスト350の情報に含まれるアクティベート必要性識別子356から判断される。
【0062】
アクティベートが実行される場合、複合機100は管理装置300に複合機100を特定するユニークな情報である機器IDと比較リストから選定したアプリケーション項目のアプリケーションに関する情報を示すアプリIDを管理装置300に送信し、プロダクトIDの取得要求をおこなう(st504)。ここでの例では、管理装置300は複合機100と相互認証を行いお互いに正しい相手であることを確認でき、暗号化通信(SSL通信)を行うことを前提として管理装置300にプロダクトIDを要求することにより、プロダクトIDが渡される仕組みになっている。そこで複合機100からプロダクトIDの取得要求を受信した場合、ユーザが選択したアプリケーションのアプリケーションIDと要求を受けた複合機100の機器IDからプロダクトIDを生成し(st505)、管理装置300は共有データベース600に登録をおこなう(st506)。
【0063】
登録をおこなった管理装置300はプロダクトIDを複合機100へ送信する(st507)。その後、プロダクトIDをプラグイン管理モジュール166に渡しプラグイン要求を行う。するとプラグイン管理モジュール166は、アクティベートサーバ400にライセンスファイル要求を行うためにプロダクトIDを含む必要な情報を集め、アクティベートサーバ400にプロダクトIDを送信してライセンスファイルを要求し、取得を試みる(st508)。
【0064】
ライセンスファイル要求を受けたアクティベートサーバ400は、受信したプロダクトIDを基に共有データベース600にプロダクトIDの認証をおこない(st509)、この結果が許可された場合は、アクティベートサーバ400は複合機100へライセンスファイルを送信する(st510)。また、ライセンス取得処理の結果、ライセンスファイルが正しく取得できなかった場合は、その旨を伝える処理を行う。この実施例では、プロダクトIDを提供したのは、管理装置300なので、管理装置300に対しアクティベートが失敗したことを通信プロトコルにより通知することにする。
【0065】
ライセンスファイルを取得した複合機100は、ライセンスファイルをアプリケーション配信サーバ500に送信し(st511)、アプリケーション配信サーバ500からアプリケーションをダウンロード(st512)し、インストールの実行、アプリケーションを追加し、インストール済みリスト250に登録をおこなう。複合機100は新たに登録したインストール済みリスト250を管理装置300に送信する(st513)。インストール済みリスト250を受信した管理装置300は共有DB600にインストール済みリストを登録する(st514)。
【0066】
次に、アクティベート処理が不必要と判断された場合について説明する。まず、複合機100は管理装置300からアプリケーションリスト要求を行う(st551)。複合機100からアプリケーションリスト要求を受信した管理装置300は、複合機100へアプリケーションリストを送信する(st552)。管理装置300から送信されたアプリケーションリストを複合機100は受信する。次に(st553)の処理について説明する。複合機100は、記憶部207で記憶しているインストール済みリスト情報テーブルの読み出しを実行し、アプリケーション情報比較部204により比較を行い、比較された情報を基に比較リスト作成部205は図11に示すような比較リスト350を作成する。
【0067】
また、比較リスト作成部205により作成された比較リスト350は表示処理部201を介し表示部に表示される。比較リスト350で選定されたアプリケーション項目の中からユーザが選択したアプリケーションが、アクティベート処理を行う必要がある場合アクティベート処理を実行する。また、アクティベート処理を実行するか否かの判断は比較リスト350の情報に含まれるアクティベート必要性識別子356から判断される。
【0068】
判断の結果、選定されたアプリケーション項目の中からユーザが選択したアプリケーションが既にライセンスファイルを取得している場合、アクティベート処理を行う必要がないのでアクティベート処理を省く。複合機100は記憶部207で既に取得しているライセンスファイルをアプリケーション配信サーバ500に送信し(st554)、アプリケーション配信サーバ500からアプリケーションをダウンロード(st555)し、インストールの実行、アプリケーションを追加しインストール済みリスト250に登録をおこなう。複合機100は新たに登録したインストール済みリスト250を管理装置300に送信する(st556)。インストール済みリスト250を受信した管理装置300は共有DB600にインストール済みリストを登録する(st557)。
【0069】
このように、複合機100は、アプリケーションのダウンロードをする際に、管理装置300から送信されるアプリケーションリスト情報301に基づいて、インストール済みリスト情報250管理テーブルを参照する。アプリケーションをアクティベートする必要がある場合と必要のない場合とで、ライセンスファイルが必要か否かアプリケーションリスト情報301に含まれるライセンス必要性情報識別子304と複合機100で記憶されるライセンス有無情報識別子254とを比較しライセンスが必要か否かを判断することができる。そのため、プログラムの使用について柔軟性のあるライセンス管理を行うことができる。
【0070】
以下、アプリケーション情報比較部204の制御に関する実施例について、図14を参照して具体的に説明する。まず、管理装置300からアプリケーションリスト情報301を受信した時に、複合機100の表示部で取得しようとするアプリケーションリスト情報301を表示するために制御を行うフローについて説明する。
【0071】
まず、複合機100は管理装置300からアプリケーションリスト要求を行う(st601)。次に、複合機100は、アプリケーションリスト要求を受信した管理装置300からアプリケーションリスト情報301を受信する(st602)。そこで複合機100は、記憶部207で記憶しているインストール済みリスト情報テーブルの読み出しを行い(st603)、アプリケーション情報比較部204はインストール済みリスト情報250とアプリケーションリスト情報301とを比較し(st604)、以下の処理を実行する。実際の処理として、図4で参照するようにプラグイン管理モジュール166は記憶部181に記憶されているインストール済みリスト情報テーブルを参照する。まず、アプリケーションリストの情報内に含まれるアプリケーション識別子251に基づいて検索が行なわれ、複合機100に既存のアプリケーション識別子と同じアプリケーション識別子が一致しているものがあるか否かを判断する。
【0072】
一致していないと判断された場合(st605)は表示部に表示する対象となり(st609)、一致していると判断された場合(st606)は、アプリケーションリストの情報内に含まれるバージョン情報識別子252に基づいて検索をおこない、複合機100に既存のバージョン識別子と同じアプリケーション識別子が一致しているものがあるか否かを判断する。一致していないと判断された場合(st607)は表示部に表示する対象となり(st609)、一致していると判断された場合(st608)は、既に取得済みのアプリケーションであるため複合機100のインストール済みリスト情報250に含まれるライセンス有無情報識別子254を検索し、ライセンスファイルを取得しているか否かを判断する。
【0073】
ライセンスファイルを取得していない場合は表示部に表示する対象となり(st609)、ライセンスファイルを取得している場合(st610)は、各複合機100の表示部に表示するアプリケーション項目から削除する(st611)。また、アプリケーション情報比較部204はライセンスファイルを取得しているか否かの判断基準としてライセンスファイルが仮ライセンスである場合について仮ライセンスを保有するアプリケーションに関してはライセンスファイルとして判断しないものとしている。よって、仮ライセンスを取得している場合は、表示部に表示する対象となる。
【0074】
以上のような制御をおこないアプリケーション情報比較部204は比較リスト作成部205で作成されるアプリケーション項目を制御している。また、比較リスト作成部205は比較された情報を基に比較リストを作成し、表示処理部201を介し表示部に比較リストを表示する。
【0075】
次に、表示するアプリケーション項目の各アプリケーションに関してアクティベートをする必要があるか否かの判断処理(アクティベート必要性識別子356)のフローについて、図15を参照して説明する。
【0076】
まず、選定されたアプリケーション項目(st650)の各アプリケーションに対してアプリケーションリスト情報301に含まれるライセンス必要性情報識別子304からライセンスを取得する必要があるか否かを判断する。ライセンス必要性情報識別子304に基づきライセンスを取得する必要があると判断された場合(st651)、アプリケーションは既にライセンスを取得済みであるか否かを判断する。既に取得済みであるかの判断はインストール済みリスト情報250に含まれるライセンス有無情報識別子254に基づき判断される。ライセンスが取得済みであると判断される場合(st652)、アクティベート処理をおこなう必要がないので表示部にアクティベート処理×と表示させる(st655)。ライセンスが未取得であった場合は(st653)、アクティベート処理をおこなう必要があると判断され表示部にアクティベート処理○と表示する(st656)。また、ライセンス必要性情報識別子304に基づきライセンスを取得する必要がないと判断された場合(st654)、アクティベート処理をおこなう必要がないと判断され表示部にアクティベート処理×と表示する(st657)。
【0077】
以上のような制御をおこない表示部に表示するアプリケーション項目の各アプリケーションに関してアクティベートをする必要があるか否かの判断結果を制御している。
【0078】
次に、表示部に表示されたアプリケーション項目の中でユーザが取得したいアプリケーションを選択した場合についてのフローについて図16を参照して説明する。まず、ユーザがアプリケーション項目の中から取得したいアプリケーションを選択する(st700)。次にアプリケーションが既にインストール済みであるかの判断をおこなう。この判断は、アプリケーション情報比較部204でインストール済みリスト情報250とアプリケーションリスト情報301に含まれるアプリケーション識別子とバージョン情報識別子を比較し、一致しているか否かを判断する。アプリケーションが既にインストール済みである場合(st701)、アプリケーションが既にインストールされていると判断され、アクティベート処理(st703)を実行して終了する。
【0079】
一致していない場合(st702)、選択されたアプリケーションはアクティベート処理をする必要があるか否か判断する。これはアクティベート処理○又はアクティベート処理×かどうかで判断され、アクティベート処理○となっている場合は(st704)、アクティベート処理を実行した(st705)後、アプリケーションのインストール(st706)がおこなわれ終了する。アクティベート処理×となっている場合は(st707)、アプリケーションのインストール(st708)がおこなわれ終了する。
【0080】
以上のような制御をおこなうことで、新たに追加するアプリケーションか既に取得しているアプリケーションか否かを判断し、ライセンスを取得するか否かの判断を行えるため、管理装置側からのアプリケーションの提供について柔軟性のあるライセンス管理を行うことができる。
【0081】
以上の実施形態では、この発明による電子機器の例として通信機能を持つ複合機を遠隔管理(課金)する画像形成装置管理装置システムについて説明したが、この発明はこれに限られるものではなく、通信機能を持つ複合機以外の画像形成装置を遠隔管理する画像形成装置管理装置システムには勿論、通信機能を持つネットワーク家電、自動販売機、医療機器、電源装置、空調システム、ガス・水道・電気等の計量システム等、AV機器、遊戯機器などや、ネットワークに接続可能なコンピュータ等も含め、通信機能を持つ各種電子機器を遠隔管理する遠隔管理システムに適用可能である。
【0082】
〔この発明に関わるプログラム〕
このプログラムは、電子機器を制御するコンピュータ(CPU)に、この発明に関わるインストール実行部、通知情報受信部、プロダクトID送信部、ライセンス必要性情報受信部、ライセンス要求送信部、ライセンス取得部、アプリケーション取得部、および初期値設定部としての機能を実現させるためのプログラムであり、このようなプログラムをコンピュータに実行させることにより、上述したような効果を得ることができる。
【0083】
このようなプログラムは、はじめから電子機器に備えるROM、あるいは不揮発性メモリ(フラッシュROM,EEPROM等)、あるいはHDD(ハードディスク装置)などの記憶部に格納しておいてもよいが、記録媒体であるCD−ROM、あるいはメモリカード、フレキシブルディスク、MO、CD−R、CD−RW、DVD+R、DVD+RW、DVD−R、DVD−RW、又はDVD−RAM等の不揮発性記録媒体(メモリ)に記録して提供することもできる。それらの記録媒体に記録されたプログラムを電子機器にインストールしてCPUに実行させるか、CPUにそれらの記録媒体からこのプログラムを読み出して実行させることにより、上述した各手順を実行させることができる。さらに、ネットワークに接続され、プログラムを記録した記録媒体を備える外部機器あるいはプログラムを記憶部に記憶した外部機器からダウンロードして実行させることも可能である。
【0084】
以上の説明から明らかなように、この発明によれば、プログラムの使用について柔軟性のあるライセンス管理を行うことができる画像形成装置、ライセンス管理方法及びライセンス管理プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0085】
100 複合機
101 複合機
102 複合機
103 複合機
110 コントローラボード
111 CPU
112 ASIC
113 SDRAM
114 フラッシュメモリ
115 HDD
116 遠隔管理システム用メモリ
117 NIC
118 モデム
120 操作パネル
121 FCU
122 USB・I/F
123 IEEE1394・I/F
124 プロッタ/スキャナエンジン
125 周辺機
151 コピーアプリ
152 ファックスアプリ
153 プリンタアプリ
154 スキャナアプリ
155 ネットファイルアプリ
156 ウェブアプリ
157、158 外部アプリ
160 OCS
161 ECS
162 MCS
163 NCS
164 FCS
165 SCS
166 プラグイン管理モジュール
170 SRM
171 汎用OS
181 記憶部
182 他ハードウェアリソース
190 プラットホーム
191 アプリケーション
200 ネットワーク
201 表示処理部
202 インストール処理部
203 アプリダウンロード部
204 アプリケーション情報比較部
205 比較リスト作成部
206 遠隔管理部
207 記憶部
208 アプリ記憶部
209 バーション記憶部
210 ライセンス有無情報記憶部
211 ライセンス必要性情報記憶部
250 インストール済みリスト情報
251 アプリケーション識別子
252 バージョン識別子
253 ライセンス必要性情報識別子
254 ライセンス有無情報識別子
300 管理装置
301 アプリケーションリスト情報
302 アプリケーション識別子
303 バージョン識別子
304 ライセンス必要性情報識別子
350 比較リスト
351 チェック項目
352 アプリケーション識別子
353 バージョン識別子
354 ライセンス必要性情報識別子
355 ライセンス有無情報識別子
356 アクティベート必要性識別子
400 アクティベートサーバ
401 通信部
402 機器情報収集部
403 判断部
405 プロダクトID生成部
406 登録部
407 記憶部
421 通信部
422 検索部
423 判断部
424 ライセンスファイル作成部
500 アプリケーション配信サーバ
501 通信部
502 判断部
503 アプリケーション記憶部
504 検索部
600 共有データベース
700 アプリケーション提供システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0086】
【特許文献1】特開2004−139572号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションを提供するアプリケーション提供システムからネットワークを介して前記アプリケーションを取得するネットワーク装置において、
前記ネットワーク装置は自装置で既に取得済みのアプリケーションの情報を示すインストール済みリスト情報を記憶する記憶部と、
前記アプリケーション提供システムから受信したアプリケーションリスト情報と自装置で既に取得済みのアプリケーションの情報を示すインストール済みリスト情報に基づき、アプリケーションが既に取得済みであるか否かを判断する第1の判断部と、
前記第1の判断部でアプリケーションを取得していないと判断した場合、該アプリケーションのライセンスを取得する必要があるか否か判断する第2の判断部と、
を備えたことを特徴とするネットワーク装置。
【請求項2】
前記第1の判断部および第2の判断部の判断結果に基づき、アプリケーションを取得するリストを表示する表示手段を備えること特徴とする請求項1記載のネットワーク装置。
【請求項3】
前記アプリケーションリスト情報は、ライセンスが必要か否かを示すライセンス必要性情報を含み、
前記第2の判断部は、前記第1の判断部で取得されていないと判断した場合、前記ライセンス必要性情報に基づいてライセンスを取得する必要があるか否か判断することを特徴とする請求項1又は2に記載のネットワーク装置。
【請求項4】
アプリケーションを提供するアプリケーション提供システムからネットワークを介して前記アプリケーションを取得するネットワーク装置を用いて前記アプリケーションを取得する方法において、
前記ネットワーク装置が自装置で既に取得済みのアプリケーションの情報を示すインストール済みリスト情報を記憶する記憶ステップと、
前記アプリケーション提供システムから受信した前記アプリケーションリスト情報と自装置で既に取得済みのアプリケーションの情報を示すインストール済みリスト情報に基づき、アプリケーションが既に取得済みであるか否かを判断する第1の判断ステップと、
前記第1の判断ステップでアプリケーションを取得していないと判断した場合、該アプリケーションのライセンスを取得する必要があるか否か判断する第2の判断ステップと、
を有することを特徴とするアプリケーション取得方法。
【請求項5】
前記第1の判断ステップおよび第2の判断ステップの判断結果に基づき、表示手段に取得するアプリケーションを表示する表示ステップを有することを特徴とする請求項4記載のアプリケーション取得方法。
【請求項6】
前記アプリケーションリスト情報は、ライセンスが必要か否かを示すライセンス必要性情報を含み、
前記第2の判断ステップは、前記第1の判断ステップで取得されていないと判断した場合、前記ライセンス必要性情報に基づいてライセンスを取得する必要があるか否か判断することを特徴とする請求項4又は5に記載のアプリケーション取得方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2010−165101(P2010−165101A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−5606(P2009−5606)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】