説明

ネットワーク負荷調整方法、料金所サーバ及びETCシステム

【課題】料金所サーバと車線サーバ及び料金機械とを接続しているネットワーク(以下、NW)の使用率を、ピーク時にも40%未満となるように調整可能とする。
【解決手段】料金所サーバRと車線サーバS1及び料金機械K1とがNWにより接続されており、料金所サーバは、HUB(H2)との間のNWの使用率を収集するNW負荷収集手段2と、車両の通過制御、道路の利用料金の算出を行う前記車線サーバ及び料金機械のそれぞれに対応した複数のアプリケーションプログラムA1と、前記NWの負荷を調整する負荷調整手段3とを備える。負荷調整手段3は、アプリケーションプログラムから呼び出されると、NW負荷収集手段が収集したNW負荷と予め設定されている負荷閾値とを比較し、NW負荷収集手段3が収集したNW負荷が予め設定されている負荷閾値より高い場合に、呼出しを行ったアプリケーションでの処理を、予め定められた時間だけ待機させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク負荷調整方法、料金所サーバ及びETCシステムに係り、特に、ETCシステムの料金所サーバにおけるネットワーク負荷調整方法、該負荷調整を行う料金所サーバ及びETCシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ETCシステムは、通過する車両の車載器との間で通信を行って、車両の通過の制御処理、道路の利用料金の算出を行う複数の料金所の車線毎に設けられた車線サーバと、料金所毎に設けられて利用料金の管理を行う料金機械と、全料金所に共通に設けられ、各料金所における車線サーバでの処理動作をログとして収集する識別中央装置と、料金所と識別中央装置との間を接続している料金所サーバとを備えて構成されている。
【0003】
そして、従来技術による小規模なETCシステムは、1台の料金所サーバが、8台の車線サーバ、1台の料金機械、1台の識別中央装置との間で通信を行うように構成されている。また、前述の小規模なETCシステムを発展させた第2世代のETCシステムは、1台の料金所サーバが、40台の車線サーバ、5台の料金機械、1台の識別中央装置との間で通信を行うように構成されている。そして、この第2世代のETCシステムは、料金機械及び料金所サーバの相互間を接続する料金機械側のネットワークが、車線サーバ及び料金所サーバの相互間を接続する路側システム側のネットワークに統合されて同一のネットワークとされている。
【0004】
このため、前述の第2世代のETCシステムは、路側システム側のネットワーク負荷が高くなることが懸念され、ネットワーク負荷が高くならないように、ネットワーク負荷を調整することが求められている。
【0005】
なお、負荷調整に関する従来技術として、ネットワーク負荷の調整ではないが、サーバのCPU負荷を元にサーバの負荷調整を行うものが、例えば、特許文献1等に記載されて知られている。また、料金所サーバ及びETCシステムに関する従来技術として、例えば、特許文献2等に記載された技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−302242号公報
【特許文献2】特開2006−309597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した従来技術である第2世代のETCシステムにおける路側システム側のネットワークを構成しているイーサネット(登録商標)HUBの処理能力は、1Gbpsである。そして、ETCシステムに対する要求仕様である1日2万台/車線の情報を処理し、路側システム側のネットワークを介して送受信した場合、前述のHUBにかかる負荷は、ピーク時で0.45Gbpsに達する。
【0008】
一般に、ネットワークに輻輳が発生する可能性が生じる条件として、ネットワーク使用率が40%を超えている場合であることが知られており、前述のHUBにかかる負荷がピーク時で0.45Gbpsとなるという状況は、ネットワーク使用率が40%を超えており、ネットワークに輻輳が発生する可能性がある。このため、路側システム側のネットワークのピーク負荷時のネットワークの使用率を40%未満に抑える必要がある。
【0009】
一方、ETCシステムは、その特徴として発生したトランザクション(明細データの送受信、料金データやカードIDの有効/無効に関する各種テーブルの配信等)をキャンセルすることができず、時間がかかったとしても処理を完了させなければならない。但し、通信相手となる装置との間ではタイムアウトさせる時間が予め決められており、タイムアウト時間以上の遅延が発生した場合には回線異常とされる。
【0010】
また、ETCシステムにおける料金所に配置されている収受員が行う操作(勤務の開始・終了等によるトランザクション)に対しては、人間工学的な観点から、数秒以内に応答する必要がある。
【0011】
本発明の目的は、前述したしたような点に鑑み、ETCシステムにおける料金所サーバと車線サーバ及び料金機械とを接続しているネットワークのネットワーク使用率を、ピーク時においても40%未満となるように調整可能として回線異常を発生させることのないネットワーク負荷調整方法、料金所サーバ及びETCシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば前記目的は、料金所サーバと車線サーバ及び料金機械とがネットワークにより接続されて構成されたETCシステムにおける前記ネットワークの負荷を調整するネットワーク負荷調整方法において、前記料金所サーバは、前記ネットワークの使用率を収集するネットワーク負荷収集手段と、前記車線サーバ及び料金機械のそれぞれとの間で前記ネットワークを介して通信を行い、車両の通過制御、道路の利用料金の算出を行う前記車線サーバ及び料金機械のそれぞれに対応した複数のアプリケーションプログラムと、前記ネットワークの負荷を調整する負荷調整手段とを備え、前記負荷調整手段は、前記アプリケーションプログラムから呼び出されると、前記ネットワーク負荷収集手段が収集した前記ネットワークの負荷と予め設定されている負荷閾値とを比較し、前記ネットワーク負荷収集手段が収集したネットワーク負荷が予め設定されている負荷閾値より高い場合に、前記呼出しを行ったアプリケーションでの処理を、予め定められた時間だけ待機させることにより達成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、料金所サーバと車線サーバ及び料金機械とを接続しているネットワークのネットワーク負荷を平均化することができ、ピーク時の負荷においてもネットワークに輻輳を発生させることがないという効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態によるETCシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】料金所サーバ内部のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図3】負荷情報テーブルT1、動作設定テーブルT2、優先度管理テーブルT3の構成を示す図である。
【図4】負荷調整ライブラリの判定部での処理動作の詳細を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明によるネットワーク負荷調整方法、料金所サーバ及びETCシステムの実施形態を図面により詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施形態によるETCシステムの構成を示すブロック図である。
【0017】
本発明の実施形態によるETCシステムは、全料金所共通の識別中央装置C1を含む上位システムネットワークN1と、複数の料金所、説明している実施形態では最大5個所の料金所を含む路側システムネットワークN2と、これらのシステムネットワークN1、N2相互間を接続するように設けられた二重化された料金所サーバR1、R2とにより構成されている。そして、上位システムネットワークN1には、識別中央装置C1と料金所サーバR1、R2とを接続するHUB(H1)が設けられており、また、路側システムネットワークN2には、料金所サーバR1、R2と5つの料金所1〜料金所5とを接続するHUB(H2)が設けられている。
【0018】
前述において、5つの料金所1〜料金所5は、例えば、高速道路等のインターチェンジにおける料金所であり、各料金所には、車両用のゲートを有する車線毎に備えられる最大8台の車線サーバS1と1台の料金機械K1とが備えられると共に、8台の車線サーバS1と1台の料金機械K1とを前述したHUB(H2)に接続するHUB(H3)が備えられている。
【0019】
そして、料金所サーバR1またはR2は、車線サーバS1から呼び出されて、要求されたトランザクションの処理を行って、料金収受に必要な各種の業務処理を行うと共に、それらの処理の情報を処理ログとして、識別中央装置C1に送信する等の処理を行うと共に、料金の改正時等に、料金機械K1から送信されてくる料金情報を受け取って、その料金情報を車線サーバS1に送信して、車線サーバS1の料金表の更新を行わせる。
【0020】
また、車線サーバS1は、通過しようとする車両の車載器との間で通信を行うと共に、料金所サーバR1またはR2との間で通信を行って料金収受のための処理を行う。すなわち、車線サーバS1は、料金所の出口車線に設けられている場合、自サーバが持つ料金表と、通過する車両の車載器から受け取った入場した料金所の情報とから徴収すべき料金を算出し、その料金と車載器にセットされているカードの情報とを料金所サーバR1またはR2に送信すると共に、ゲートの制御等を行わせる。
【0021】
また、料金機械K1は、図示しないネットワークを介して上位の中央料金機械と接続されており、料金所サーバR1またはR2との間で通信を行って、車線サーバS1と料金所サーバR1またはR2との間で行われた料金収受の処理結果を、料金所サーバR1またはR2から受信して、料金所の売り上げ伝票等を出力したり、中央料金機械を介してクレジット会社に対する請求書発行のための処理を行い、また、料金の変更等が行われた際等に中央料金機械からの入力を受けて料金所サーバR1またはR2に料金変更等の情報を送信する処理を行う。
【0022】
また、識別中央装置C1は、全ての車線サーバS1と料金所サーバR1またはR2との間で行われた料金収受の処理動作を処理ログとして収集し管理しており、これらの処理ログは、後日の利用者からの問い合わせ等に利用される。
【0023】
前述した本発明の実施形態によるETCシステムを構成している識別中央装置C1、料金所サーバR1、R2、車線サーバS1、料金機械K1は、CPU、主メモリ、HDD等による記憶装置、表示装置を含む出力装置、キーボード、マウス等の入力装置を備えて構成されたよく知られた情報処理装置の中に構築されており、記憶装置に格納したプログラムを主メモリにロードし、CPUが実行することにより、料金収受のための各種の機能と、本発明の実施形態で必要とする各機能とが果たされる。そして、識別中央装置C1、料金所サーバR1、R2、車線サーバS1、料金機械K1が実行する前述で説明したような処理機能は、従来技術の場合と同様である。
【0024】
前述したように構成される本発明の実施形態によるETCシステムにおける料金所サーバR1、R2は、すでに説明したように、2重系で構成されており、片方の料金所サーバだけが業務を行うことになる。以下に説明する本発明の実施形態では、仮に、料金所サーバR1が業務を行うものとする。この場合、料金所サーバR2は、料金所サーバR1が処理したデータをHUB(H1)または、HUB(H2)経由で受け取って一致化する。また、図1に示す例では、料金所サーバR1とHUB(H2)との間を使用して通信する装置は、車線サーバS1の合計40台、料金機械K1の合計5台、料金所サーバR2の1台の総計46台となる。
【0025】
図2は料金所サーバ内部のソフトウェア構成を示すブロック図である。ここでは、料金所サーバR1を例としているが、料金所サーバR2も同様である。
【0026】
料金所サーバR1は、ネットワークインタフェース1、ネットワーク負荷モニタ2、負荷調整ライブラリ3、負荷調整設定ファイル4、及び、複数のアプリケーションプログラムA1により構成されている。ネットワーク負荷モニタ2、負荷調整ライブラリ3、及び、複数のアプリケーションプログラムA1は、料金所サーバの記憶装置内に格納されているプログラムであり、主メモリにロードされてCPUにより実行されるものである。そして、料金所サーバR1内では、ネットワークを使用するアプリケーションプログラムA1及びネットワーク負荷モニタ2が常時動作可能とされている。
【0027】
前述のアプリケーションプログラムA1は、図1に示す車線サーバS1及び料金機械K1との間で通信を行うプログラムであり、通信を行う装置の台数分のプログラム、図1に示すシステムの構成例では、45本のプログラムが用意され並列に動作する。
【0028】
ネットワーク負荷モニタ2は、ネットワークインタフェース1を介してHUB(H2)接続しているネットワークの状況を監視し、定期的にネットワーク使用率を算出収集し、負荷調整ライブラリ3の負荷情報テーブルT1に格納する。
【0029】
負荷調整ライブラリ3は、本発明の実施形態を特徴付ける管理プログラムであり、アプリケーションプログラムA1がネットワークへ情報を送信する直前に呼び出されるようにされている。このため、アプリケーションプログラムA1には、予め、負荷調整ライブラリ3の呼び出しが記述されている。そして、アプリケーションプログラムA1は、負荷調整ライブラリ3の呼び出し時に、動作設定テーブルT2に予め定義されているトランザクションIDを負荷調整ライブラリ3に渡す。
【0030】
負荷調整ライブラリ3は、情報抽出部31、設定抽出部32、判定部33の各機能部を備えると共に、これらの機能部が参照する負荷情報テーブルT1、動作設定テーブルT2、優先度管理テーブルT3を備えて構成されている。動作設定テーブルT2及び優先度管理テーブルT3には、料金所サーバR1の起動時に負荷調整設定ファイル4から読み込んだ情報が設定される。
【0031】
図3は負荷情報テーブルT1、動作設定テーブルT2、優先度管理テーブルT3の構成を示す図であり、次に、これについて説明する。
【0032】
負荷情報テーブルT1は、すでに説明したように、ネットワーク負荷モニタ2が、料金所サーバとHUB2とを接続しているネットワークの状況をネットワークインタフェース1を介して監視し、定期的に算出収集したネットワーク負荷としてのネットワーク使用率を格納している。
【0033】
動作設定テーブルT2は、負荷調整設定ファイル4から設定された(a)として示す待機時間を格納したテーブルと、(b)として示すトランザクションIDと、そのトランザクションIDに対応する優先度と、そのトランザクションIDに対応して決められた待機時間最大値との組を1つのレコードとした複数のレコードを格納したテーブルとにより構成されている。なお、ここで注意すべきことは、優先度とトランザクションIDとが対応付けられ、待機時間最大値とトランザクションIDとが対応付けられているのであって、優先度と待機時間最大値とは、必ずしも対応付けられている必要はない。
【0034】
また、優先度管理テーブルT3は、負荷調整設定ファイル4から設定された優先度と、その優先度に対応するネットワークの負荷閾値との組を1つのレコードとした複数のレコードを格納している。
【0035】
次に、負荷調整ライブラリ3での処理動作について説明する。負荷調整ライブラリ3は、アプリケーションプログラムA1の1つから呼び出されると、最初に情報抽出部31が処理の実行を開始する。
【0036】
そして、情報抽出部31は、処理を開始すると、まず、負荷情報テーブルT1からネットワーク負荷としてのネットワーク使用率を取得する。その後、処理は、設定抽出部32での処理に移される。
【0037】
設定抽出部32は、負荷調整ライブラリ3の呼び出し時に負荷調整ライブラリ3を呼び出したアプリケーションプログラムA1から渡されたトランザクションIDを用いて、動作設定テーブルT2の(b)に示すテーブルから優先度と待機時間最大値とを取得する。また、設定抽出部32は、前述で取得した優先度に該当する負荷閾値を優先度管理テーブルT3から取得する。その後、処理は、判定部33での処理に移される。
【0038】
判定部33は、情報抽出部31が負荷情報テーブルT1から取得した情報と、設定抽出部32が動作設定テーブルT2、優先度管理テーブルT3から取得した情報とを使用して、負荷調整ライブラリ3の呼び出し時に負荷調整ライブラリ3を呼び出したアプリケーションプログラムA1から渡されたトランザクションIDを持つトランザクションの処理をしばらく待機させるか、アプリケーションプログラムA1に処理を移して、そのトランザクションの処理を行わせるかの判定を行う。
【0039】
図4は判定部33での処理動作の詳細を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。
【0040】
(1)判定部33は、設定抽出部32から処理を渡されて処理を開始すると、まず、情報抽出部31が負荷情報テーブルT1から取得したネットワーク負荷としてのネットワーク使用率と、設定抽出部32が優先度管理テーブルT3から取得したトランザクションの優先度に該当する負荷閾値とを比較し、ネットワーク負荷が負荷閾値より小さいか否かを判定する(ステップ101)。
【0041】
(2)ステップ101の判定の処理で、ネットワーク負荷が負荷閾値より大きかった場合、判定部33は、負荷調整ライブラリ3が呼び出されてからの経過時間が、設定抽出部32が動作設定テーブルT2の(b)に示すテーブルから取得した待機時間最大値以上か否かを判定する(ステップ102)。
【0042】
(3)ステップ101の判定の処理で、ネットワーク負荷が負荷閾値未満であった場合、あるいは、ステップ102の判定の処理で、経過時間が待機時間最大値以上であった場合、負荷調整ライブラリ3の呼び出し元のアプリケーションプログラムA1に実行権を戻し、そのアプリケーションプログラムA1にトランザクションの処理を行わせ、負荷調整ライブラリ3での処理を終了する(ステップ104)。
【0043】
(4)ステップ102の判定の処理で、経過時間が待機時間最大値未満であった場合、判定部33は、処理を待機部34へ移行させる(ステップ103)。
【0044】
判定部33から処理を渡された待機部34は、設定抽出部32が動作設定テーブルT2の(a)に示すテーブルから取得した待機時間だけ処理を待ち、待機時間後に、処理を情報抽出部に移行させる。その後、負荷調整ライブラリ3は、前述で説明した処理を繰り返すことになる。
【0045】
前述した本発明の実施形態は、料金所サーバR1、R2と5つの料金所1〜料金所5とを含むETCシステムとして説明したが、本発明は、料金所サーバR1、R2と5つの料金所1〜料金所5とを1つのグループとして、このようなグループの複数を、1つの識別中央装置に接続することにより、システム拡張を行うことが可能である。また、1つの料金所に含まれる車線サーバの数は、8台である必要はなく任意である。
【0046】
前述した本発明の実施形態によれば、料金所サーバと車線サーバ及び料金機械とを接続しているネットワークのネットワーク負荷を平均化することができ、ピーク時の負荷においてもネットワークに輻輳を発生させることがない。また、本発明の実施形態によれば、ネットワーク負荷がピークとなった場合においても、タイムアウト値(待機時間最大値)を超える前に処理を行うため、通信相手となる装置との間に回線異常を発生させるようなことを防止することができる。さらに、本発明の実施形態によれば、トランザクション毎に優先順位を管理することにより、優先度の高い処理の応答性を良くすることができる。
【符号の説明】
【0047】
N1 上位システムネットワーク
C1 識別中央装置
H1、H2、H3 HUB
R1、R2 料金所サーバ
N2 路側システムネットワーク
S1 車線サーバ
K1 料金機械
1 ネットワークインタフェース
2 ネットワーク負荷モニタ
3 負荷調整ライブラリ
4 負荷調整設定ファイル
A1 アプリケーションプログラム
31 情報抽出部
32 設定抽出部
33 判定部
34 待機部
T1 負荷情報テーブル
T2 動作設定テーブル
T3 優先度管理テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
料金所サーバと車線サーバ及び料金機械とがネットワークにより接続されて構成されたETCシステムにおける前記ネットワークの負荷を調整するネットワーク負荷調整方法において、
前記料金所サーバは、前記ネットワークの使用率を収集するネットワーク負荷収集手段と、前記車線サーバ及び料金機械のそれぞれとの間で前記ネットワークを介して通信を行い、車両の通過制御、道路の利用料金の算出を行う前記車線サーバ及び料金機械のそれぞれに対応した複数のアプリケーションプログラムと、前記ネットワークの負荷を調整する負荷調整手段とを備え、
前記負荷調整手段は、前記アプリケーションプログラムから呼び出されると、前記ネットワーク負荷収集手段が収集した前記ネットワークの負荷と予め設定されている負荷閾値とを比較し、前記ネットワーク負荷収集手段が収集したネットワーク負荷が予め設定されている負荷閾値より高い場合に、前記呼出しを行ったアプリケーションでの処理を、予め定められた時間だけ待機させることを特徴とするネットワーク負荷調整方法。
【請求項2】
前記アプリケーションプログラムには、予め前記負荷調整手段の呼び出しが記述されていることを特徴とする請求項1記載のネットワーク負荷調整方法。
【請求項3】
前記負荷閾値は、前記アプリケーションプログラムが処理するトランザクションのトランザクションID毎に定義された優先度により予め定められた値であることを特徴とする請求項1または2記載のネットワーク負荷調整方法。
【請求項4】
前記待機させる時間は、前記アプリケーションプログラムが処理するトランザクションのトランザクションID毎に待機時間最大値として定義されている時間であることを特徴とする請求項1、2または3記載のネットワーク負荷調整方法。
【請求項5】
料金所サーバと車線サーバ及び料金機械とがネットワークにより接続されて構成されたETCシステムにおける料金所サーバにおいて、
前記料金所サーバは、前記ネットワークの使用率を収集するネットワーク負荷収集手段と、前記車線サーバ及び料金機械のそれぞれとの間で前記ネットワークを介して通信を行い、車両の通過制御、道路の利用料金の算出を行う前記車線サーバ及び料金機械のそれぞれに対応した複数のアプリケーションプログラムと、前記ネットワークの負荷を調整する負荷調整手段とを備え、
前記負荷調整手段は、前記アプリケーションプログラムから呼び出されると、前記ネットワーク負荷収集手段が収集した前記ネットワークの負荷と予め設定されている負荷閾値とを比較し、前記ネットワーク負荷収集手段が収集したネットワーク負荷が予め設定されている負荷閾値より高い場合に、前記呼出しを行ったアプリケーションでの処理を、予め定められた時間だけ待機させることを特徴とする料金所サーバ。
【請求項6】
前記アプリケーションプログラムには、予め前記負荷調整手段の呼び出しが記述されていることを特徴とする請求項5記載の料金所サーバ。
【請求項7】
前記負荷閾値は、前記アプリケーションプログラムが処理するトランザクションのトランザクションID毎に定義された優先度により予め定められた値であることを特徴とする請求項5または6記載の料金所サーバ。
【請求項8】
前記待機させる時間は、前記アプリケーションプログラムが処理するトランザクションのトランザクションID毎に待機時間最大値として定義されている時間であることを特徴とする請求項5、6または7記載の料金所サーバ。
【請求項9】
料金所サーバと車線サーバ及び料金機械とがネットワークにより接続されて構成されたETCシステムにおいて、
前記料金所サーバは、前記ネットワークの使用率を収集するネットワーク負荷収集手段と、前記車線サーバ及び料金機械のそれぞれとの間で前記ネットワークを介して通信を行い、車両の通過制御、道路の利用料金の算出を行う前記車線サーバ及び料金機械のそれぞれに対応した複数のアプリケーションプログラムと、前記ネットワークの負荷を調整する負荷調整手段とを備え、
前記負荷調整手段は、前記アプリケーションプログラムから呼び出されると、前記ネットワーク負荷収集手段が収集した前記ネットワークの負荷と予め設定されている負荷閾値とを比較し、前記ネットワーク負荷収集手段が収集したネットワーク負荷が予め設定されている負荷閾値より高い場合に、前記呼出しを行ったアプリケーションでの処理を、予め定められた時間だけ待機させることを特徴とするETCシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−249927(P2011−249927A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118597(P2010−118597)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000153443)株式会社日立情報制御ソリューションズ (359)
【Fターム(参考)】