説明

ネームサーバデータベースのリソースレコードを更新する方法および装置

本発明の実施形態は、ネームサーバデータベースのリソースレコードを更新するシステムにある。システムの動作時に、ネットワークノードは、リソースレコード更新の集合と、ネームサーバがそれらのリソースレコード更新を記憶するよう要求される時間の長さを指定する要求リースとが入っている更新要求メッセージを生成する。次に、ネットワークノードは、更新要求メッセージを、グローバルネーミングサービスを提供する分散システムの一部であるネームサーバへ送る。ネットワークノードは、次いで、ネームサーバデータベースがリソースレコード更新を記憶する時間の長さを指定する許可リースが入っている応答メッセージをネームサーバから受け取る。

【発明の詳細な説明】
【技術の分野】
【0001】
本発明は、ネームサーバデータベースを更新するプロセスに関する。より詳しくは、本発明は、ネームサーバに更新要求メッセージを送ることによってネームサーバデータベース中のリソースレコードを更新する方法および装置であって、その更新要求メッセージが、ネームサーバがリソースレコード更新を記憶するよう要求される時間の長さを指定する要求リースを含む方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ドメインネームシステム(DNS)は、グローバルネーミングサービスを提供する分散システムである。他の多くのサービスと同様、DNSは、基本的にグローバルネーム空間がまれにしか変化しないと予期される静的ネットワーク用に設計されたものである。変化の頻度がかなり低いと思われたため、DNSは動的更新を処理するようには設計されなかった。
【0003】
その後、DNSは動的更新をサポートするよう拡張された。IETF(インターネット技術標準化委員会)のRFC(リクエスト・フォア・コメント)2136には、DNSが動的更新を処理できるようにするDNSへの拡張が規定されている。この拡張規定では、ラップトップコンピュータのようなネットワークノードはDNSネームサーバに明示的更新情報を提供する必要がある旨規定されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
不都合なことには、この拡張により、DNSネームサーバに古くなった情報が入っている状態が起こり得る。例えば、モバイルユーザのラップトップコンピュータがDNSネームサーバを動的更新によって更新する場合を考えてみる。この場合、それらの更新は明示的に削除されるまでDNSネームサーバに残存し続けるということに注意すべきである。例えば、ユーザが明示的に更新を削除することなくラップトップコンピュータをネットワークから切り離したとすると、それらの更新は、DNSネームサーバ上にいつまでも残り続けることになる。このことは、DNSネームサーバデータベースに古くなった情報が入っている状態を引き起こし、その結果DNSネームサーバデータベースの正確さと有効性が減じられるため、重大な問題になり得る。
【0005】
「DNS清掃」法は、上記の問題を解決しようとする一つの試みである。「DNS清掃」法では、ラップトップコンピュータのようなクライアントネットワークノードとDNSネームサーバを、プリセットされたリフレッシュ間隔でコンフィギュレーションする。不都合なことに、この方法は、ラップトップコンピュータとDNSネームサーバの両方を互換性のあるリフレッシュ間隔でコンフィギュレーションする場合に限って有効であり、それは両方が同一管理下にある場合にしか確実に達成することはできない。多くの状況において、ラップトップコンピュータとDNSネームサーバは異なる管理下にある。それ故、「DNS清掃」法はその利用が極めて限定される。
【0006】
したがって、上記のような欠点を解消したネームサーバデータベースを動的に更新する方法および装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施態様では、ネームサーバデータベースのリソースレコードを更新するシステムを提供する。システムの動作時に、ネットワークノードは、リソースレコード更新の集合と、ネームサーバがそれらのリソースレコード更新を記憶するよう要求される時間の長さを指定する要求リースとが入っている更新要求メッセージを生成する。次に、ネットワークノードは、この更新要求メッセージを、グローバルネーミングサービスを提供する分散システムの一部であるネームサーバへ送る。その後、ネットワークノードはネームサーバからネームサーバデータベースがリソースレコード更新を記憶する時間の長さを指定する許可リースが入っている応答メッセージを受け取る。
【0008】
この実施態様の変形例においては、ネームサーバは、リソースレコード更新の集合と、ネームサーバがそれらのリソースレコード更新を記憶するよう要求される時間の長さを指定する要求リースとが入っているネットワークノードからの更新要求メッセージを受け取る。次に、ネームサーバは、その更新要求メッセージに入っている情報を用いてネームサーバデータベース中のリソースレコードを更新する。その後、ネームサーバは、ネームサーバデータベースがリソースレコード更新を記憶する時間の長さを指定する許可リースが入っている応答メッセージをネットワークノードへ送る。
【0009】
この実施態様のもう一つの変形例においては、許可リースが期限切れになると、ネームサーバは更新済みリソースレコードをネームサーバデータベースから削除することによって、古くなった情報を取り除くことによりグローバルネーム空間を常に最新の状態に保つ。
【0010】
この実施態様のもう一つの変形例においては、リソースレコード更新の集合は、DNS(ドメインネームシステム)リソースレコードを含まないかあるいは1以上のDNSリソースレコードを含むことが可能である。
【0011】
この実施態様のもう一つの変形例においては、更新要求メッセージは、更新済みリソースレコードについてのカレントリースを延長する要求をなす更新リフレッシュメッセージとすることができる。
【0012】
この実施態様のもう一つの変形例においては、更新リフレッシュメッセージは、ネームサーバをして更新済みリソースレコードについてのカレントリースを許可させた先行の更新要求メッセージと同じである。
【0013】
この実施態様のもう一つの変形例においては、ネットワークノードがネームサーバから指定時間内に応答メッセージを受け取らなかった場合、更新要求メッセージをネームサーバへ再送する。
【0014】
この実施態様のもう一つの変形例においては、ネットワークノードとネームサーバはUDP(ユーザデータグラムプロトコル)を用いて相互に通信する。
【0015】
この実施態様のもう一つの変形例においては、ネットワークノードとネームサーバはTCP(伝送制御プロトコル)を用いて相互に通信する。
【0016】
この実施態様のもう一つの変形例においては、ネームサーバはドメインネームシステム(DNS)に属する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を当業者が実施することができるよう詳細に説明するが、説明は特定の利用形態とその要求事項との関連において行う。当業者にとっては、本願開示の実施形態について様々な修正・変更態様が自明であり、本願中に明確に記載する基本原理は、本発明の精神と範囲を逸脱することなく他の実施や利用の形態に適用することが可能である。したがって、本発明は、本願で説明する実施形態に限定されず、本願に開示する原理や特徴に合致する最大の範囲を許可されるべきものである。
【0018】
この詳細な説明に記載するデータ構造とコードは、通常、コンピュータ可読記憶媒体に記憶される。この記憶媒体としては、コンピュータシステムで使用するコードおよび/またはデータを記憶することができる任意のデバイスあるいは媒体を用いることが可能である。このような記憶媒体としては、ディスクドライブ、磁気テープ、CD(コンパクトディスク)とDVD(デジタル多目的ディスクまたはデジタルビデオディスク)のような磁気記憶装置や光記憶装置、さらには伝送媒体の形で実施されるコンピュータ命令信号(これらの信号を上に重ねることにより変調する搬送波の有無を問わない)があるが、これらに限定されるものではない。この伝送媒体としては、例えば、インターネットのような通信ネットワークがある。
ネットワーク
【0019】
図1は、本発明の一実施形態において、多様なネットワークノード、すなわちコンピュータ102、DNS(ドメインネームシステム)ネームサーバ106、ラップトップコンピュータ108に接続されたネットワーク104を図解して示す概略図である。
【0020】
ネットワーク104は、全般的に、ネットワークノードを互いに結合することができる任意の種類の有線または無線の通信チャンネルを含む。このような通信チャンネルとしては、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、あるいはネットワークを組合せた形のものがあるが、これらに限定されるものではない。本発明の一実施形態においては、ネットワーク104はインターネットを含む。
【0021】
コンピュータ102のようなネットワークノードは、全般的に、ネットワークを介して他のネットワークノードと通信することができる任意の種類の通信デバイスを含む。このような通信デバイスとしては、マイクロプロセッサに基づくコンピュータシステム、メインフレームコンピュータ、サーバ、プリンタ、ビデオカメラ、外部ディスクドライブ、ルータ、交換機、電子手帳、携帯電話があるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
ネットワーク104は、コンピュータ102のようなソースネットワークノードがラップトップコンピュータ108のようなターゲットネットワークノードと通信することを可能にする。しかし、通信が行われるには、まずその前にソースネットワークノード、すなわちコンピュータ102がターゲットネットワークノード、すなわちラップトップコンピュータ108のIPアドレスを知ることが必要である。通常、コンピュータ102は、DNSネームサーバ106に問い合わせることによりラップトップコンピュータ108の名前を対応するIPアドレスに変換する。
DNS更新パケットの構造
【0023】
図2は、本発明の一実施形態において、コンピュータ102のようなネットワークノードがそれを使ってDNSネームサーバ106と情報を交換することができる多様な情報片が入ったDNS更新パケット200を示す説明図である。
【0024】
更新要求メッセージと応答メッセージは共に同じDNS更新パケット200のフォーマットを使用する。具体的に言うと、DNS更新パケット200中には、コンピュータ102のようなネットワークノードが更新要求を対応する応答と合致させることを可能にする識別フィールド202が入っている。また、DNS更新パケット200中には、とりわけDNS更新パケットが更新要求であるか応答であるかを指示するフラグフィールド204も入っている。
【0025】
さらに、DNS更新パケット200中には、4つの可変長フィールド、すなわちゾーンフィールド214、先要リソースレコードフィールド216、更新リソースレコードフィールド218、追加データリソースレコードフィールド220が入っている。これらの可変長フィールドは、ネットワークノード、すなわちコンピュータ102とDNSネームサーバ106との間で情報を交換するために使用される。
【0026】
上記の他、DNS更新パケット200中には、さらに4つのフィールド、すなわち上記4つの可変長フィールドのエントリの番号をそれぞれ指定するゾーン番号フィールド206、先要リソースレコード番号フィールド208、更新リソースレコード番号フィールド210、追加データリソースレコード番号フィールド212が入っている。
ゾーンフィールドの構造
【0027】
図3は、本発明の一実施形態において、ゾーンフィールド214に入っているゾーン300の構造を示す説明図である。ゾーン300には、リソースレコード更新のゾーン名を指定するゾーン名フィールド302が入っている。さらに、ゾーン300には、ゾーン300のタイプとクラスをそれぞれ指定するゾーンタイプフィールド304とゾーンクラスフィールド306が入っている。
リソースレコードの構造
【0028】
図4は、本発明の一実施形態にしたがって、DNSネームサーバ106と情報を交換するために、コンピュータ102のようなネットワークノードによって用いられるリソースレコード400の構造を示す説明図である。
【0029】
具体的に言うと、リソースレコード400には、考えているドメイン名を指定するドメイン名フィールド402が入っている。また、リソースレコード400には、リソースレコードのタイプとクラスをそれぞれ指定するリソースレコードタイプフィールド404とリソースレコードクラスフィールド406も入っている。
【0030】
上記の他、リソースレコード400には、さらに、リソースレコードをコンピュータ102のようなネットワークノードによりキャッシュすることができる時間の長さ(秒)を指定する有効時間(TTL)フィールド408が入っている。
【0031】
さらに、リソースレコード400は、DNSネームサーバ106と情報を交換するために、コンピュータ102のようなネットワークノードによって使用される可変長フィールドであるリソースデータフィールド412を含む。また、リソースレコード400は、可変長リソースデータフィールド412中のデータ量を指定するリソースデータ長フィールド410も含む。
リースを指定するリソースデータフィールドの構造
【0032】
図5は、本発明の一実施形態において、リースを指定するリソースデータフィールド412の構造を示す説明図である。
【0033】
具体的に言うと、リソースデータフィールド412には、リソースデータのタイプを指定するオプションコードフィールド502が入っている。また、リソースデータフィールド412には、リースフィールド506も入っている。ここで留意しなければならないのは、リースフィールド506は、ネットワークノード102がこれを用いてリースを要求し、かつDNSネームサーバ106がこれを使ってリースを許可するということである。さらに、リソースデータフィールド412には、リースフィールド506の長さを指定するオプションコードフィールド504が入っている。
【0034】
さらに、リソースデータフィールド412は、IETF RFC2671に規定されたOPT疑似RR(疑似リソースレコード)の中に入っている。ここで留意しなければならないのは、IETF RFC2671は、新しいリソースレコードのデータタイプを定義するメカニズムについて規定しているということである。さらに、OPT疑似RRは、DNS更新パケット200中の追加データリソースレコードフィールド220中に入っている。
リソースレコードを更新するプロセス
【0035】
図6は、本発明の一実施形態において、リソースレコードを更新するプロセスを図解したフローチャートである。
【0036】
このプロセスは、例えば、ラップトップコンピュータ108のようなネットワークノードがネットワーク104に参加するとき開始される。まず、ラップトップコンピュータ108が、リソースレコード更新の集合および要求リースが入っている更新要求メッセージを生成する(ステップ602)。
【0037】
ここで留意しなければならないのは、更新要求メッセージにはDNS更新パケット200が入っているということである。さらに、リソースレコード更新は、DNS更新パケット200の更新リソースレコードフィールド218で指定されている。かつ、要求リースは、リソースデータフィールド412に入っているリースフィールド506で指定されている。なおまた、リソースデータフィールド412は、DNS更新パケット200の追加データリソースレコードフィールド220中に入っている。
【0038】
次に、ラップトップコンピュータ108は更新要求メッセージをDNSネームサーバ106へ送る(ステップ604)。ここで留意しなければならないのは、ラップトップコンピュータ108はUDP(ユーザデータグラムプロトコル)またはTCP(伝送制御プロトコル)使用して更新要求メッセージと応答メッセージをDNSネームサーバ106と交換することができるということである。
【0039】
次に、DNSネームサーバ106は更新要求メッセージを受け取る(ステップ606)。次いで、DNSネームサーバ106は更新要求メッセージに入っている情報を用いてリソースレコードを更新する(ステップ608)。次に、DNSネームサーバ106はリースを許可し、リースタイマーを起動する(ステップ610)。
【0040】
ここで留意しなければならないのは、許可リースは要求リースと等しいこともあれば、これより小さいことも、あるいはこれより大きいこともあるということである。さらに、ネットワークとサーバの負荷を小さくするために、DNSサーバネーム106は、例えば120分というように、許可リースの最小値を設定することができる。
【0041】
DNSネームサーバは、次に、許可リースが入った応答メッセージを送り出す(ステップ612)。ここで留意しなければならないのは、応答メッセージにはDNS更新パケット200が入っているということである。そして、許可リースはリソースデータフィールド412に入っているリースフィールド506で指定されている。さらに、リソースデータフィールド412はDNS更新パケット200の追加データリソースレコードフィールド中に入っている。
【0042】
次に、ラップトップコンピュータ108は許可リースが入った応答メッセージを受け取る(ステップ614)。本発明の一実施形態においては、応答メッセージには、更新要求メッセージを受け取ったことを確認すると共に、その状態、すなわち更新要求の成功・不成功を示す受領確認応答しか入れないことも可能である。さらに、ラップトップコンピュータ108は、DNSネームサーバ106から応答を指定時間内に受け取らなかった場合、更新要求メッセージを1回または2回以上再送することができる。
【0043】
このようにして、ラップトップコンピュータ108のようなネットワークノードはDNSネームサーバ106中のリソースレコードを更新することができ、これによってコンピュータ102のような別のネットワークノードが、DNSネームサーバ106に問い合わせることによりラップトップコンピュータ108の名前を対応するIPアドレスに変換するというような目的のためにそれらのリソースレコードにアクセスすることを可能にする。
古くなったリソースレコードを削除するプロセス
【0044】
図7は、本発明の一実施形態において、古くなったリソースレコードを削除するプロセスを図解したフローチャートである。
【0045】
ラップトップコンピュータ108のようなネットワークノードから更新要求を受け取ると、DNSネームサーバ106は、リースを許可し、リースタイマーを起動する(ステップ610)。次に、DNSネームサーバ106は許可リースが期限切れになったかどうかをチェックする(ステップ702)。そして、許可リースが期限切れになると、DNSネームサーバ106は更新済みリソースレコードを削除する(ステップ704)。
【0046】
ここで留意しなければならないのは、許可リースはユーザがラップトップコンピュータ108をネットワーク104から切り離したというような種々の理由で期間切れになることである。本発明が実施されていない場合、DNSネームサーバ106は、その切り離されたラップトップコンピュータ108に対応する古くなったリソースレコードを記憶し続けることになる。これは、DNSネームサーバ106中の情報の正確さと有効性を低減する要因である。
【0047】
これに対して、本発明は、許可リースの期限切れと同時に古くなったリソースレコードを削除することによって、DNSネームサーバ106上の情報を最新に保ち、これによってDNSネームサーバ106上の情報の正確さと有効性を維持する。
リソースレコードをリフレッシュするプロセス
【0048】
図8は、本発明の一実施形態において、リソースレコードをリフレッシュするプロセスを図解したフローチャートである。
【0049】
許可リースが入った応答メッセージを受け取ると同時に(ステップ614)、ラップトップコンピュータ108はリースタイマーを起動する(ステップ802)。次に、ラップトップコンピュータ108は許可リースが期限切れになりかかっているかどうかをチェックする(ステップ804)。そして、許可リースが期限切れになりかかっているならば、ラップトップコンピュータ108は更新リフレッシュメッセージをDNSネームサーバ106へ送る(ステップ806)。
【0050】
ラップトップコンピュータ108は、次に、DNSネームサーバ106から指定時間内に応答メッセージを受け取ったかどうかをチェックする(ステップ808)。応答メッセージを指定時間に受け取らなかった場合、ラップトップコンピュータ108は更新リフレッシュメッセージをDNSネームサーバ106へ送る(ステップ810)。他方、応答メッセージを指定時間内に受け取ったならば、ラップトップコンピュータ108はリースタイマーを再起動する(ステップ802)。
【0051】
ここで留意しなければならないのは、ラップトップコンピュータ108は、応答メッセージを受け取らなければ、DNSネームサーバ106へ何回でも更新リフレッシュメッセージ送ることができるということである。さらに、ラップトップコンピュータ108は、更新リフレッシュメッセージを何度も再送するとき、毎回異なる時間だけ待ってから再送するようにすることができる。
【0052】
スを許可させた最初の更新要求メッセージと同じであってもよい。なおまた、DNSネームサーバ106は、リフレッシュ要求メッセージに応答して新しい許可リースが入った応答メッセージを送り出すことができる。
【0053】
さらに、ラップトップコンピュータ108のようなネットワークノードがいくつもの更新要求メッセージをDNSネームサーバ106へ送った場合、そのネットワークノードは、先行のすべてのリソースレコード更新についてのリフレッシュ要求を単一の更新リフレッシュメッセージに入れることができる。
【0054】
本発明の実施形態についての上記説明は、もっぱら発明の例示説明を目的としたものである。これらの説明は、包括的であることを意図したものでも、本発明を本願開示の形態に限定することを意図したものでもない。したがって、当業者にとっては多くの修正・変更態様が自明であろう。また、上記の開示内容は本発明を制限することを意図したものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲に明確に記載されているところにより定まる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態において、多様なネットワークノード、すなわちコンピュータ、DNS(ドメインネームシステム)ネームサーバ、およびラップトップコンピュータに接続されたネットワークを図解して示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態において、コンピュータのようなネットワークノードがそれを使ってDNSネームサーバと情報を交換することができる多様な情報片が入ったDNS更新パケットを示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態において、ゾーンフィールドに入っているゾーンの構造を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態において、コンピュータのようなネットワークノードがそれを使ってDNSネームサーバと情報を交換することができるリソースレコードの構造を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施形態において、リースを指定するリソースデータフィールドの構造を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態において、リソースレコードを更新するプロセスを図解したフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態において、古くなったリソースレコードを削除するプロセスを図解したフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態において、リソースレコードをリフレッシュするプロセスを図解したフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネームサーバデータベース中のリソースレコードを更新する方法であって:
リソースレコード更新の集合と、
ネームサーバがそれらのリソースレコード更新を記憶するよう要求される時間の長さを指定する要求リースと、
が入っている更新要求メッセージを生成するステップと;
前記更新要求メッセージを、グローバルネーミングサービスを提供する分散システムの一部であるネームサーバへ送るステップと;
前記更新要求メッセージを受け取ったことを通知する応答メッセージを前記ネームサーバから受け取るステップと;
からなる方法。
【請求項2】
前記応答メッセージに、さらに、ネームサーバデータベースが前記リソースレコード更新を記憶する時間の長さを指定する許可リースが入っている請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リソースレコード更新の集合に、1つ以上のDNS(ドメインネームシステム)リソースレコードを入っている請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記更新要求メッセージが、前記リソースレコード更新のいずれかについてのカレントリースを延長する要求を構成する更新リフレッシュメッセージである請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記更新リフレッシュメッセージは、ネームサーバが前記リソースレコード更新についてのカレントリースを許可できるようになる先行の更新要求メッセージと同じである請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記要求リースが、追加データリソースレコードフィールドに属するOPT疑似リソースレコードに入っている請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ネットワークノードが、ネームサーバから指定時間内に応答メッセージを受け取らなかった場合に、更新要求メッセージをネームサーバへ再送する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ネットワークノードとネームサーバとがユーザデータグラムプロトコル(UDP)を用いて相互に通信する請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ネットワークノードとネームサーバとが伝送制御プロトコル(TCP)を用いて相互に通信する請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ネームサーバデータベース中のリソースレコードを更新する方法であって:
リソースレコード更新の集合を含む更新要求メッセージを生成するステップと;
前記更新要求メッセージを、グローバルネーミングサービスを提供する分散システムの一部であるネームサーバへ送るステップと;
前記リソースレコード更新をネームサーバデータベースが記憶する時間の長さを指定する許可リースが入っている応答メッセージを前記ネームサーバから受け取るステップと;
からなる方法。
【請求項11】
ネームサーバデータベース中のリソースレコードを更新する方法であって:
リソースレコード更新の集合と、
ネームサーバがそれらのリソースレコード更新を記憶するよう要求される時間の長さを指定する要求リースと、
が入っているネットワークノードからの更新要求メッセージを受け取るステップと;
前記更新要求メッセージに入っている情報を用いてネームサーバデータベースを更新するステップと;
前記更新要求メッセージを受け取ったことを通知する応答メッセージをネットワークノードへ送るステップと;
からなる方法。
【請求項12】
前記応答メッセージに、さらに、ネームサーバデータベースが前記リソースレコード更新を記憶する時間の長さを指定する許可リースで、前記要求リースとは異なる許可リースが入っている請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記許可リースが期限切れになると、さらに:
更新済みリソースレコードをネームサーバデータベースから削除することによって、古くなった情報を除去することによりグローバルネーム空間を常に最新に保つステップを含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ネームサーバデータベースを更新する前記ステップが、前記更新済みリソースレコードを記憶するステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記更新要求メッセージが、前記更新要求メッセージ中に入っている前記リソースレコード更新のいずれかについてカレントリースを延長する要求である請求項11に記載の方法。
【請求項16】
コンピュータにより実行されるときネームサーバデータベース中のリソースレコードを更新する方法を前記コンピュータに遂行させる命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法が:
リソースレコード更新の集合と、
ネームサーバがそれらのリソースレコード更新を記憶するよう要求される時間の長さを指定する要求リースと、
が入った更新要求メッセージを生成するステップと;
前記更新要求メッセージを、グローバルネーミングサービスを提供する分散システムの一部であるネームサーバへ送るステップと;
前記更新要求メッセージを受け取ったことを通知する応答メッセージを前記ネームサーバから受け取るステップと;
からなるコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
前記応答メッセージが、さらに、ネームサーバデータベースが前記リソースレコード更新を記憶する時間の長さを指定する許可リースを含む請求項16に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記リソースレコード更新の集合が1つ以上のDNS(ドメインネームシステム)リソースレコードを含む請求項16に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記更新要求メッセージが、更新済みリソースレコードについてのカレントリースを延長する要求を構成する更新リフレッシュメッセージである請求項16に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
前記更新リフレッシュメッセージは、ネームサーバが前記更新済みリソースレコードについてのカレントリースを許可できるようにする先行の更新要求メッセージと同じである請求項19に記載のコンピュータ記憶媒体。
【請求項21】
前記要求リースを、追加データリソースレコードフィールドに属するOPT疑似リソースレコードに入っている請求項16に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項22】
ネットワークノードが、ネームサーバから指定時間内に応答メッセージを受け取らなかった場合に、更新要求メッセージをネームサーバへ再送する請求項16に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項23】
ネットワークノードとネームサーバとがユーザデータグラムプロトコル(UDP)を用いて相互に通信する請求項16に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項24】
ネットワークノードとネームサーバとが伝送制御プロトコル(TCP)を用いて相互に通信する請求項16に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項25】
コンピュータにより実行されるときネームサーバデータベース中のリソースレコードを更新する方法を前記コンピュータに遂行させる命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法が:
リソースレコード更新の集合が入っている更新要求メッセージを生成するステップと;
前記更新要求メッセージを、グローバルネーミングサービスを提供する分散システムの一部であるネームサーバへ送るステップと;
前記リソースレコード更新をネームサーバデータベースが記憶する時間の長さを指定する許可リースが入っている応答メッセージをネームサーバから受け取るステップと;
からなるコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項26】
コンピュータにより実行されるときネームサーバデータベース中のリソースレコードを更新する方法を前記コンピュータに遂行させる命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法が:
リソースレコード更新の集合と、
ネームサーバがそれらのリソースレコード更新を記憶するよう要求される時間の長さを指定する要求リースと、
が入っているネットワークノードからの更新要求メッセージを受け取るステップと;
前記更新要求メッセージに入っている情報を用いてネームサーバデータベースを更新するステップと;
前記更新要求メッセージを受け取ったことを通知する応答メッセージをネットワークノードへ送るステップと;
からなるコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項27】
前記応答メッセージに、さらに、ネームサーバデータベースが前記リソースレコード更新を記憶する時間の長さを指定する許可リースで、前記要求リースとは異なる許可リースが入っている請求項26に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項28】
前記許可リースが期限切れになると、前記方法が、さらに
更新済みリソースレコードをネームサーバデータベースから削除することによって、古くなった情報を除去することによりグローバルネーム空間を常に最新に保つステップを含む請求項27に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項29】
ネームサーバデータベースを更新する前記ステップが、前記更新済みリソースレコードを記憶するステップを含む請求項26に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項30】
前記更新要求メッセージが、前記更新要求メッセージ中に入っている前記リソースレコード更新のいずれかについてカレントリースを延長する要求である請求項26に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項31】
ネームサーバデータベース中のリソースレコードを更新する装置であって:
リソースレコード更新の集合と、
ネームサーバがそれらのリソースレコード更新を記憶するよう要求される時間の長さを指定する要求リースと、
が入った更新要求メッセージを生成する生成機構と;
前記更新要求メッセージを、グローバルネーミングサービスを提供する分散システムの一部であるネームサーバへ送るよう構成された送信機構と;
ネームサーバデータベースが前記リソースレコード更新を記憶する時間の長さを指定する許可リースが入っている応答メッセージをネームサーバから受け取るよう構成された受信機構と;
を備える装置。
【請求項32】
リソースレコード更新の集合と、
ネームサーバがそれらのリソースレコード更新を記憶するよう要求される時間の長さを指定する要求リースと、
が入っているネットワークノードからの更新要求メッセージを受け取るよう構成された受信機構と;
前記更新要求メッセージに入っている情報を用いてネームサーバデータベース中のリソースレコードを更新するよう構成された更新機構と;
ネームサーバデータベースがリソースレコード更新を記憶する時間の長さを指定する許可リースが入っている応答メッセージをネットワークノードへ送る送信機構と;
をさらに含む請求項31に記載の装置。
【請求項33】
許可リースが期限切れになると、更新リソースレコードをネームサーバデータベースから削除することによって、古くなった情報を取り除くことによりグローバルネーム空間を常に最新の状態に保つよう構成された削除機構をさらに含む請求項31に記載の装置。
【請求項34】
前記リソースレコード更新の集合がドメインネームシステム(DNS)リソースレコードを含まないかあるいは1以上のDNSリソースレコードを含む請求項31に記載の装置。
【請求項35】
前記更新要求メッセージが、更新済みリソースレコードについてのカレントリースを延長する要求を構成する更新リフレッシュメッセージである請求項31に記載の装置。
【請求項36】
前記更新リフレッシュメッセージは、ネームサーバが前記更新済みリソースレコードについてのカレントリースを許可できるようにする先行の更新要求メッセージと同じである請求項35に記載の装置。
【請求項37】
ネットワークノードが、ネームサーバから指定時間内に応答メッセージを受け取らなかった場合に、更新要求メッセージをネームサーバへ再送する請求項31に記載の装置。
【請求項38】
ネットワークノードとネームサーバとがユーザデータグラムプロトコル(UDP)を用いて相互に通信する請求項31に記載の装置。
【請求項39】
ネットワークノードとネームサーバとが伝送制御プロトコル(TCP)を用いて相互に通信する請求項31に記載の装置。
【請求項40】
ネームサーバがドメインネームシステム(DNS)に属する請求項31に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−533024(P2007−533024A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508332(P2007−508332)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【国際出願番号】PCT/US2005/004303
【国際公開番号】WO2006/011907
【国際公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(500027770)アプル・コンピュータ・インコーポレーテッド (16)
【Fターム(参考)】