ノート評価装置またはノート評価プログラム
【課題】テキストデータを客観的に評価する。
【解決手段】模範キーワード記憶手段5は、模範のテキストデータから抽出したキーワードについて、その出現順序とともに記憶する。ノートキーワード抽出手段7は、ノートデータ記憶手段3に記憶されたテキストデータから、模範キーワード記憶手段5に記憶されたキーワードを抽出する。ノートキーワード記憶手段8は、ノートキーワード抽出手段7が抽出したキーワードを、その出現順序と対応づけて記憶する。評価手段9は、ノートキーワード記憶手段8に記憶されたキーワードについて、模範キーワード記憶手段5に記憶されたキーワードの出現順序に沿ったキーワードの個数を求め、これに基づき両者の類似度を評価する。
【解決手段】模範キーワード記憶手段5は、模範のテキストデータから抽出したキーワードについて、その出現順序とともに記憶する。ノートキーワード抽出手段7は、ノートデータ記憶手段3に記憶されたテキストデータから、模範キーワード記憶手段5に記憶されたキーワードを抽出する。ノートキーワード記憶手段8は、ノートキーワード抽出手段7が抽出したキーワードを、その出現順序と対応づけて記憶する。評価手段9は、ノートキーワード記憶手段8に記憶されたキーワードについて、模範キーワード記憶手段5に記憶されたキーワードの出現順序に沿ったキーワードの個数を求め、これに基づき両者の類似度を評価する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ノート評価装置に関し、特に、記載内容評価に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、学校ではコンピュータにおいて授業支援が行われている。例えば、テストの成績管理等である。
【0003】
一方、授業中に作成した生徒のノートを提出させて、これを先生がチェックして、その生徒の平常点を決定する際の参考とすることも知られている。上記提出されたノートを先生が見て、主観的に評価をするものであり、コンピュータが自動的に評価をするというものではなかった。
【0004】
特許文献1には、小学校の作文等について、キーワードの存在からこれをコンピュータにより評価するものが開示されている。
【0005】
【特許文献1】再表2005-057524
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、キーワードの存在だけで評価をすると、キーワードを乱雑に記載した場合でも、高評価となるという問題があった。かかる問題は、ノート以外のテキストデータについても同様である。
【0007】
この発明は、上記の問題点を解決して、テキストデータの客観的な評価が可能な技術を提供することを目的とする。より詳しくは、生徒が授業中に作成したノートの客観的な判断が可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明にかかるノート評価装置は、1) キーワードと、その出現順序とを関連付けて記憶する模範キーワード記憶手段、2)生徒のノートのテキストデータを記憶するノートデータ記憶手段、3)前記ノートデータ記憶手段に記憶されたテキストデータから、前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードを抽出するノートキーワード抽出手段、4)前記ノートキーワード抽出手段が抽出したキーワードをノートデータ記憶手段に記憶されたテキストデータにおける出現順序と対応づけて記憶するノートキーワード記憶手段、5)前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードについて、前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序と、ノートキーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序を比較して、その比較結果に基づき両者の類似度を評価する評価手段を備えている。
【0009】
このように、模範キーワードの出現順序とノートキーワードの出現順序とを比較し、その並びの連続性や傾向を、両者の類似度として評価する。これにより、例えば、類似度が高いノートを、模範に沿って記載されているとして高い評価とすることができるため、授業の流れの理解度を客観的に評価することができる。
【0010】
(2)本発明にかかるノート評価装置においては、前記評価手段は、前記板書キーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序に沿ったキーワードの個数を求め、これに基づき両者の類似度を評価する。このように、キーワードの出現順序に沿ったキーワードの個数から両者の類似度を評価することにより、キーワードの出現順序に沿ったノートを高い評価とすることができる。
【0011】
(3)本発明にかかるノート評価装置においては、前記評価手段は、前記模範キーワード記憶手段に記憶された出現順序から決定される基準直線を基礎直線とし、前記ノートデータ記憶手段のキーワードの数および出現順序から決定される近似直線を比較対象傾向直線とし、両者のずれの大きさから両者の類似度を決定する。この基礎直線は模範キーワード出現順序、つまり正解を表し、比較対象傾向直線はノートキーワードの出現順序の傾向を表す。このため、両直線のずれの大きさで、ノートキーワードの出現順序の傾向と正解との差を、模範とノートの類似度として判定することができる。よって、ノートキーワードの出現順序が模範キーワードの出現順序と完全に一致していない場合でも、客観的に評価することができる。
【0012】
(4)本発明にかかるノート評価装置においては、前記評価手段は、模範キーワード記憶手段のキーワードを所定のブロックに分けて、各ブロックの評価値を演算し、これを総計して評価する。したがって、ブロック内にキーワードが出現するノートであれば、模範キーワードの出現順序とノートキーワードの出現順序とが完全に一致しなくても高い評価がなされる。
【0013】
(5)本発明にかかるノート評価プログラムは、コンピュータを、以下の手段として機能させるためのプログラムである。1)模範のテキストデータから抽出したキーワードについて、その出現順序とともに記憶する模範キーワード記憶手段、2)生徒のノートのテキストデータを記憶するノートデータ記憶手段、3)前記ノートデータ記憶手段に記憶されたテキストデータから、前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードを抽出するノートキーワード抽出手段、4)前記ノートキーワード抽出手段が抽出したキーワードを前記ノートデータ記憶手段に記憶されたテキストデータにおける出現順序と対応づけて記憶するノートキーワード記憶手段、5)前記ノートキーワード記憶手段に記憶されたキーワードについて、前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序と、前記ノートキーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序を比較して、その比較結果に基づき、両者の類似度を評価する評価手段。このように、模範キーワードの出現順序とノートキーワードの出現順序とを比較し、その並びの連続性や傾向を、両者の類似度として評価する。
【0014】
これにより、例えば、類似度が高いノートを、模範に沿って記載されているとして高い評価とすることができるため、授業の流れの理解度を客観的に評価することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
A.第1実施形態
1.全体構成の概略
図1に、この発明の一実施形態によるノート評価装置1の機能ブロック図を示す。ノート評価装置1は、模範データ記憶手段3、模範キーワード抽出手段4、模範キーワード記憶手段5、ノートデータ記憶手段6、ノートキーワード抽出手段7、ノートキーワード記憶手段8、評価手段9、ノートデータ入力手段11、文字認識手段12を備えている。
【0016】
模範データ記憶手段3は、模範のテキストデータを記憶する。模範キーワード抽出手段4は、模範データ記憶手段3に記憶されたテキストデータから抽出した所定のキーワードについて、その出現順序とともに模範キーワード記憶手段5に記憶させる。なお、出現順序順にキーワードをテーブル形式で記憶する場合はもちろん、それ以外の形式も含む。
【0017】
ここでいう「模範のテキストデータ」とは、先生が授業を行うにあたって参考にするデータのことで、先生が予め作製したメモデータ、板書の元データ、板書に記載した内容そのもの、又は教科書や指導要領の内容をデータ化したもの等を総称して指す。ノートデータ入力手段11は、スキャナ等のデータ取得装置によって取り込まれた、生徒のノートに記載された内容をデータ化した情報(ノートデータ)を入力する。文字認識手段12は、入力されたノートデータを文字認識し、テキストデータに変換する。ノートデータ記憶手段6は変換されたテキストデータを記憶する。ノートキーワード抽出手段7は、ノートデータ記憶手段6に記憶されたテキストデータから、模範キーワード記憶手段5に記憶されたキーワードを抽出する。ノートキーワード記憶手段8は、ノートキーワード抽出手段7が抽出したキーワードをその出現順序と対応づけて記憶する。なお、出現順序の順にキーワードをテーブル形式で記憶する場合はもちろん、データベース化するなど、それ以外の形式も含む。
【0018】
評価手段9は、ノートキーワード記憶手段8に記憶されたキーワードについて、模範キーワード記憶手段5に記憶されたキーワードの出現順序に基づき両者の類似度を評価する。
【0019】
キーワードの出現順序に基づき両者の類似度を評価する方法としては、たとえば、模範キーワードの出現順序とノートキーワードの出現順序とが連続して一致している連続一致数で演算する方法、出現順序の並びと出現順序の並びとが一致している場合の一致する並びの数から演算する方法等があるが、一致する出現順序の連続の度合いを判定する手段であれば、これに限定されるものではない。
【0020】
このように、板書キーワード記憶手段5に記憶されたキーワードの出現順序に基づき両者の類似度を評価することにより、キーワードの存在数のみから判断する場合と比べて、より、全体の流れが合致しているかを評価することができる。
【0021】
2.ハードウェア構成
ノート評価装置1のハードウェア構成について説明する。図2は、CPUを用いて構成したノート評価装置1のハードウェア構成の一例である。
【0022】
ノート評価装置1は、CPU23、メモリ27、ハードディスク26、モニタ30、光学式ドライブ25、マウス28、キーボード31およびスキャナ32を備えており、それぞれが通信可能な形式で接続されている。CPU23は、ハードディスク26に記憶されたプログラムにしたがい、各部を制御する。
【0023】
ハードディスク26は、オペレーティングシステムプログラム(以下OSと略す)26o、評価プログラム26pが記憶されている。
【0024】
評価プログラム26pによる処理の詳細については後述する。ハードディスク26の記憶部26kには図3に示すような模範のテキストデータが記憶されている。上記において、OS、評価プログラムがハードディスク上に記憶されているとしたが、記憶する手段や装置であれば、いかなるもの、たとえば、USBメモリ、フラッシュメモリなどを用いても構わない。
【0025】
3.評価プログラムにおける処理
評価プログラム26pの処理について、図4を用いて説明する。
【0026】
3.1 模範キーワード決定処理
CPU23は模範キーワード決定処理を行う(図4ステップS1)。具体的には、CPU23は、ハードディスク26の記憶部26kに記憶された模範のテキストデータから、所定または任意のキーワードを抽出し、このキーワードを模範キーワードとして模範テキストデータ内の出現順序と対応づけて記憶する。抽出したキーワードについて対応づけた模範キーワードテーブルを図5に示す。図5に示すように、模範キーワードテーブルには、各キーワードについて出現順序が対応づけられている。また、模範キーワードテーブルには、装飾の有無が記憶されているが、装飾の有無を記載しなくてもよい。
【0027】
なお、図4ステップS1の処理については、種々のものが適用可能である。たとえば、以下のものが考えられる。
【0028】
i)模範テキストデータから予め登録しているキーワードを抽出する。具体的には、キーワードのみを記載したキーワード集からキーワードを上から順に抽出し、抽出した順を出現順序とし、抽出したキーワードを模範キーワードとしてこれらを対応付けて模範キーワードテーブルに記憶する。また、別の例として、キーワードのみを記載したキーワード集を予め登録しておく。そして、教科書の内容データなどの模範テキストデータからキーワード集のキーワードに一致するキーワードを抽出し、抽出した順に、抽出したキーワードを模範キーワードとして、出現順序と模範キーワードを対応付けて模範キーワードテーブルに記憶するとしてもよい。
【0029】
ii)模範テキストデータを上から構文解析し、名称などの名詞や年号など判定できる単語を模範キーワードとして抽出し、抽出した順に出現順序を付け、出現順序と模範キーワードを対応付けて模範キーワードテーブルに記憶する。また、名詞と判定できる単語をモニタに表示し、キーワードとするか否かを操作者に選択させるという形式でもよい。
【0030】
iii)テキストデータを画面上に表示して、操作者にキーワードの選択を促し、選択させ、これを抽出し、抽出したキーワードを模範キーワードとしてこの出現順序と対応付けて模範キーワードテーブルに記憶する。この場合、出現順序は、模範テキストデータ中でキーワードが記載されている順であってもよいし、選択された順であってもよいし、選択した際に操作者により指定された順であってもよい。
【0031】
iv)模範テキストデータにおいて各キーワードに色づけがされている場合には、これを模範キーワードとして抽出し、抽出したキーワードが模範テキストデータの中で記載されている順番に出現順序を付け、出現順序と模範キーワードを対応付けて模範キーワードテーブルに記憶する。
【0032】
v)また、模範テキストデータからキーワードを抽出しない形式として、予め模範キーワード自体を操作者に直接入力させることにより登録するという方法も考えられる。
【0033】
なお、記憶部26kに記憶するテキストデータについては、授業するにあたってのメモ元データや教科書をスキャナで読み取ってOCR処理を行うようにしてもよいし、デジタルボード等に板書した場合であれば、記載したデータをそのまま採用することもできる。
【0034】
また、本実施形態においては、各キーワードについて、色づけがされている場合には、色づけがなされているか否かは、カラースキャナで読み取って、判断するようにすればよい。また、飾り付け(アンダーラインなど)が存在するか否かを判断するようすればよい。なお、電子データの場合は、データのフォーマットを解析することで同様の判断を行うことができる。
【0035】
3.2 ノートキーワード決定処理
つぎに、CPU23は、ノートキーワード決定処理を行う(図4ステップS3)。ステップS3の処理について、説明する。まず、対象となるノートをスキャナ32で読み取り、OCR処理を行う。本実施形態においては、評価プログラム26p内のOCRプログラムにより、実行した。これにより、図6に示すようなノートデータが得られたとする。なお、図6において、黒丸(●)となっているのは、識別不能文字である。
【0036】
CPU23は、かかるノートデータを抽出し、ハードディスク26の記憶部26kに記憶した模範キーワードを読み出して、当該模範キーワードと同じキーワードがノートデータ内に存在するか否かを判断する。次に、模範キーワードと同一であると判断したキーワードについて、そのキーワードのノートデータ内における出現順序を対応づけて記憶する。図7に、これらの記憶形式としてテーブル形式を採用した場合のノートキーワードテーブルを示す。図7に示すように、ノートキーワードテーブルには、図6に示すノートデータから抽出されたキーワードが、その出現順序と対応づけられて記憶されている。また、各キーワードについて、色づけがされている場合には、かかる情報も抽出されている。
【0037】
3.3 評価処理
つぎに、CPU23は、評価処理を行う(図4ステップS5)。評価処理の詳細フローチャートについて図8、図9を用いて説明する。
【0038】
CPU23は、図10に示すノートキーワード出現順序テーブルを作成する(図8ステップS11)。具体的には、模範キーワードテーブルを1つコピーし、さらに、ノート出現順序を項目として追加し、追加した項目に、ノートキーワードテーブルの出現順序を記載すればよい。なお、模範キーワードのうち、ノートキーワードには存在しないものもある。したがって、項目「ノート出現順序」については、不存在を表すデータを記憶しておけばよい。
【0039】
本実施形態においては、不存在を表すデータとして値「50」を採用した。かかる不存在を表すデータとしては、数字を採用する場合には、ノートキーワード出現順序テーブルのキーワード数よりも大きな値とすればよい。また、不存在を表すデータは、数字以外の特定の記号であってもよい。さらに、なんらデータが書き込まれていない場合を、不存在を表すデータと扱ってもよい。
【0040】
CPU23は、キーワード並び一致ポイントpを初期化(p=0)する(図8ステップS13)。
【0041】
キーワード並び一致ポイントとは、後述するように、模範キーワードの出現順序の連続する並びとノートキーワードの出現順序の連続する並びとが一致した場合に、その並びのキーワード数、つまり、出現順序が連続一致した数から計算されるポイントである。
【0042】
CPU23は、連続正解カウンタxを初期化するとともに(x=0)(ステップS15)、キーワードカウンタcを初期化する(c=1)(ステップS17)。
【0043】
CPU23は、模範キーワードテーブルにおける出現順序がc番目のキーワードについて、ノートキーワードテーブル上における出現順序を取得し、変数Naに代入する(ステップS19)。この場合であれば、c=1であるので、1番目のキーワード「源頼朝」のノート出現順序「1」が取得され、Na=1となる。
【0044】
CPU23は、(c+1)番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS21)。この場合であれば、2番目のキーワード「源義仲」のノートキーワード出現順序「50」が取得され、Nb=50となる。
【0045】
CPU23は、Nb−Na=1であるかを判断する(図9ステップS23)。この場合、50−1=49であり、Nb−Na=1ではないので、ステップS25に進み、連続正解カウンタxからポイントを計算し、キーワード並び一致ポイントpに加算する。この場合、連続正解カウンタxはx=0であるので、加算するポイントも「0」である。したがって、キーワード並び一致ポイントpはp=0である。
【0046】
CPU23は、連続正解カウンタxを初期化する(x=0)(ステップS27)。CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS31)。これにより、c=2となる。CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてのキーワードについて、処理終了したかを判断する(ステップS33)。具体的には、キーワードカウンタcが、図10に示す総キーワード数「21」を越えたか否か判断すればよい。この場合c=2で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS19に戻る。
【0047】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(ステップS19)。この場合であれば、c=2であるので、2番目のキーワード「源義仲」のノート出現順序「50」が取得され、Na=50となる。
【0048】
CPU23は、(c+1)番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS21)。この場合であれば、3番目のキーワード「源義経」のノート出現順序「2」が取得され、Nb=2となる。
【0049】
CPU23は、Nb−Na=1であるかを判断する(図9ステップS23)。この場合、50−2=48であるので、ステップS25に進み、連続正解カウンタxからポイントを計算し、キーワード並び一致ポイントpに加算する。この場合、連続正解カウンタxはx=0であるので、加算するポイントも「0」である。
【0050】
CPU23は、連続正解カウンタxを初期化する(x=0)(ステップS27)。CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS31)。これにより、c=3となる。
【0051】
CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS33)。具体的には、キーワードカウンタcが、図10に示す総キーワード数「21」を越えたか否か判断すればよい。この場合c=3で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS19に戻る。図10の場合であれば、c=6までは、上記ステップS19〜ステップS27の処理が繰り返される。
【0052】
ステップS31にて、CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントし、c=7となった場合以降の処理について説明する。
【0053】
この場合c=7で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS19に戻る。CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(ステップS19)。この場合であれば、c=7であるので、7番目のキーワード「守護」のノート出現順序「5」が取得され、Na=5となる。
【0054】
CPU23は、(c+1)番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS21)。この場合であれば、8番目のキーワード「地頭」のノート出現順序「6」が取得され、Nb=6となる。
【0055】
CPU23は、Nb−Na=1であるかを判断する(図9ステップS23)。この場合、6−5=1であるので、ステップS29に進み、連続正解カウンタxをインクリメントする。これによりx=1となる。
【0056】
CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS31)。この場合c=8となる。CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS33)。この場合、c=8で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS19に戻る。
【0057】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(ステップS19)。この場合であれば、c=8であるので、8番目のキーワード「地頭」のノート出現順序「6」が取得され、Na=6となる。
【0058】
CPU23は、(c+1)番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS21)。この場合であれば、9番目のキーワード「奥州藤原氏」のノート出現順序「4」が取得され、Nb=4となる。
【0059】
CPU23は、Nb−Na=1であるかを判断する(図9ステップS23)。この場合、4−6=−2であるので、ステップS25に進み、連続正解カウンタxからポイントを計算し、キーワード並び一致ポイントpに加算する。この場合、連続正解カウンタxは「1」であるので、加算するポイントは「2 =2」である。CPU23は、連続正解カウンタxを初期化する(x=0)(ステップS27)。
【0060】
以下同様にして、図10の場合には、c=9の場合についても、キーワード並び一致ポイントpはp=2のままである。
【0061】
ステップS31にて、CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントし、c=10となった場合以降の処理について説明する。CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS33)。この場合、c=10で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS19に戻る。
【0062】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(ステップS19)。この場合であれば、c=10であるので、10番目のキーワード「1192年」のノート出現順序「7」が取得され、Na=7となる。
【0063】
CPU23は、(c+1)番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS21)。この場合であれば、11番目のキーワード「征夷大将軍」のノート出現順序「8」が取得され、Nb=8となる。
【0064】
CPU23は、Nb−Na=1であるかを判断する(図9ステップS23)。この場合、8−7=1であるので、ステップS29に進み、連続正解カウンタxをインクリメントする。これによりx=2となる。
【0065】
CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS31)。これにより、c=11となる。CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS33)。この場合、c=11で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS19に戻る。
【0066】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(ステップS19)。この場合であれば、c=11であるので、11番目のキーワード「征夷大将軍」のノート出現順序「8」が取得され、Na=8となる。
【0067】
CPU23は、(c+1)番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS21)。この場合であれば、12番目のキーワード「鎌倉幕府」のノート出現順序「9」が取得され、Nb=9となる。
【0068】
CPU23は、Nb−Na=1であるかを判断する(図9ステップS23)。この場合、9−8=1であるので、ステップS29に進み、連続正解カウンタxをインクリメントする。これによりx=3となる。
【0069】
CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS31)。この場合c=12となる。CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS33)。この場合、c=12で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS19に戻る。
【0070】
以下、キーワードカウンタcがc=13となるまで、同様の処理がなされ、これにより、連続正解カウンタxは、x=4となる。
【0071】
ステップS31にて、キーワードカウンタcがc=14になると、ステップS33からステップS19に戻り、CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(ステップS19)。この場合であれば、c=14であるので、14番目のキーワード「執権」のノート出現順序「11」が取得され、Na=11となる。
【0072】
CPU23は、(c+1)番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS21)。この場合であれば、15番目のキーワード「後鳥羽上皇」のノート出現順序「50」が取得され、Nb=50となる。
【0073】
CPU23は、Nb−Na=1であるかを判断する(図9ステップS23)。この場合、50−11=39であるので、ステップS25に進み、連続正解カウンタxからポイントを計算し、キーワード並び一致ポイントpに加算する。この場合、連続正解カウンタxはx=4であるので、加算するポイントは「24 =1 6」とした。これにより、すでに記憶されているポイントと加えて「18」が記憶される。CPU23は、連続正解カウンタxを初期化する(x=0)(ステップS27)。
【0074】
以下、c=21まで、同様の処理がなされる。ステップS33にて、すべて終了した場合には、ステップS35にて、連続カウンタxが「0」であるか判断し、連続カウンタxが「0」でなければ、連続正解カウンタxからポイントを計算し、キーワード並び一致ポイントpに加算する(ステップS37)。
【0075】
このようにして、キーワードの出現順序が連続する個数から決定される値を総計することにより、最終的なキーワード並び一致ポイントpが得られ、これを類似度とする。つまり、本実施形態においては、単に模範キーワードとノートキーワードが一致した数ではなく、その出現順序と出現順序の並びがどれだけ連続して一致しているかにより類似度を求めている。つまり、出現順序に沿ったキーワードの個数が多いほど類似度を高くし、少ないほど類似度を低くすることで、評価をすることができる。したがって、授業の体系的な流れに沿ってキーワードが記載されたノートに対して、高い評価をすることができる。
【0076】
なお、本実施形態において、各キーワードについて、色づけがされている場合には、これをより重要キーワードとして設定し、この重要キーワードの出現順序(並び)がノートキーワードの出現順序(並び)と一致している場合に、前記一致ポイントの値を通常よりも高く(たとえば2倍など)設定するようにしてもよい。これにより、重要なキーワードの並びが一致している場合に、類似度の評価を高めることができる。
【0077】
また、模範キーワードについて、色づけされているか否か判断し、色づけされている場合にはこれを記憶しておき、対応するノートキーワードについても色づけされているか否か判断し、色づけされている場合には、ポイントを加算するようにしてもよい。これにより、類似度の評価を高くすることができる。
【0078】
このように、本実施形態によれば、従来のやり方と比べて、生徒のノートを客観的に評価することができる。従来は、先生が生徒のノートを見て評価するというやり方であったため、評価が主観的になっていた。また、従来の技術では、コンピュータを用いてキーワードの存在の有無を判定し評価するというやり方もあった。しかし、そのやり方では、実際の授業における体系的な流れを把握しているか否かを評価することはできなかった。本実施例では、キーワードが順序よくノートに記載されていれば高評価となるので、生徒が授業の流れを正確に理解しているか否かを適切に判定することができる。
【0079】
B.第2実施形態
上記実施形態においては、途中に一つでも欠落していたら連続していると評価されない評価方法について説明したが、「欠落しているキーワードを無視して考えた場合には連続する」と判断するようにしてもよい。かかる場合の図4ステップS5の処理について、図11、図12を用いて説明する。
【0080】
CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルを作成する(図11ステップS41)。具体的には、図8ステップS11と同様であるので、説明は省略する。
【0081】
CPU23は、キーワード並び一致ポイントp、連続正解カウンタx、キーワードカウンタc、および次キーワードカウンタdを初期化する(ステップS43,ステップS45、ステップS47、ステップS49)。
【0082】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(ステップS51)。この場合であれば、c=1であるので、1番目のキーワード「源頼朝」のノート出現順序「1」が取得され、Na=1となる。
【0083】
CPU23は、Na=50であるか否か判断する(図11ステップS53)。この場合、Na=1であるので、図12ステップS57に進み、次キーワードカウンタdを、模範キーワード出現順序カウンタcの値に「1」を加えた値を設定する。この場合であれば、c=1であるので、次キーワードカウンタdはd=2に設定される。
【0084】
CPU23は、d番目のキーワードのノート出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS59)。この場合、d=2であるので、2番目のキーワードのノート出現順序「50」が取得され、Nb=50となる。
【0085】
CPU23は、Nb=50であるか否か判断する(図12ステップS61)。この場合、Nb=50であるので、次キーワードカウンタdをインクリメントする(ステップS63)。これによって次キーワードカウンタdはd=3に設定される。
【0086】
CPU23は、d番目のキーワードのノート出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS59)。この場合、d=3であるので、3番目のキーワードのノート出現順序「2」が取得され、Nb=2となる。
【0087】
CPU23は、Nb=50であるか否か判断する(ステップS61)。この場合、Nb=50でないので、Nb−Na>0であるかを判断する(ステップS65)。この場合、2−1=1であるので、連続正解カウンタxをインクリメントする(ステップS71)。これにより、連続正解カウンタxはx=1となる。
【0088】
CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS73)。これにより、キーワードカウンタcはc=2となる。CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS75)。具体的にはステップS33と同様である。この場合c=2で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS51に戻る。
【0089】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(図11ステップS51)。この場合であれば、c=2であるので、2番目のキーワード「源義仲」のノート出現順序「50」が取得される(Na=50)。
【0090】
CPU23は、Na=50であるか否か判断する(図11ステップS53)。この場合、Na=50であるので、ステップS55に進み、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS73)。これにより、キーワードカウンタcはc=3となる。
【0091】
CPU23は、模範キーワードテーブルの出現順序(c)番目と、同一のキーワードが出現するノートキーワードテーブルの出現順序(Na)を取得する(図11ステップS51)。この場合であれば、c=3であるので、3番目のキーワード「源義経」のノート出現順序「2」が取得される(Na=2)。
【0092】
CPU23は、Na=50であるか否か判断する(図11ステップS53)。この場合、Na=2であるので、図12ステップS57に進み、次キーワードカウンタdを,模範キーワード出現順序カウンタcの値に「1」を加えた値を設定する。この場合であれば、c=3であるので、次キーワードカウンタdはd=4に設定される。
【0093】
CPU23は、ノートキーワードテーブルから、模範キーワードテーブルの出現順序d番目と、同一のキーワードのノート出現順序(Nb)を取得する(ステップS59)。この場合、d=4であるので、4番目のキーワードのノート出現順序「50」が取得される。
【0094】
CPU23は、Nb=50であるか否か判断する(ステップS61)。この場合、Nb=50であるので、次キーワードカウンタdをインクリメントする(ステップS63)。これによって次キーワードカウンタdはd=5に設定される。
【0095】
CPU23は、ノートキーワードテーブルから、模範キーワードテーブルの出現順序d番目と、同一のキーワードのノート出現順序(Nb)を取得する(ステップS59)。この場合、d=5であるので、5番目のキーワードのノート出現順序「3」が取得される。
【0096】
CPU23は、Nb=50であるか否か判断する(ステップS61)。この場合、Nb=50でないので、Nb−Na>0であるかを判断する(ステップS65)。この場合、3−2=1であるので、連続正解カウンタxをインクリメントする(ステップS71)。これにより、連続正解カウンタxはx=2となる。
【0097】
CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS73)。これにより、キーワードカウンタcはc=4となる。CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS75)。具体的にはステップS33と同様である。この場合c=4で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS51に戻る。
【0098】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(図11ステップS51)。この場合であれば、c=4であるので、4番目のキーワードのノート出現順序「50」が取得され、Na=50となる。
【0099】
CPU23は、Na=50であるか否か判断する(図11ステップS53)。この場合、Na=50であるので、ステップS55に進み、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS55)。これにより、キーワードカウンタcは、c=5となる。
【0100】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(図11ステップS51)。この場合であれば、c=5であるので、5番目のキーワードのノート出現順序「3」が取得され、Na=3となる。
【0101】
CPU23は、Na=50であるか否か判断する(図11ステップS53)。この場合、Na=3であるので、図12ステップS57に進み、次キーワードカウンタdを、模範キーワード出現順序カウンタcの値に「1」を加えた値を設定する。この場合であれば、c=5であるので、次キーワードカウンタdはd=6に設定される。
【0102】
CPU23は、d番目のキーワードのノート出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS59)。この場合、d=6であるので、6番目のキーワードのノート出現順序「50」が取得され、Nb=50となる。
【0103】
CPU23は、Nb=50であるか否か判断する(ステップS61)。この場合、Nb=50であるので、次キーワードカウンタdをインクリメントする(ステップS63)。これによって次キーワードカウンタdはd=7に設定される。
【0104】
CPU23は、d番目のキーワードのノート出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS59)。この場合、d=7であるので、7番目のキーワードのノート出現順序「5」が取得され、Nb=5となる。
【0105】
CPU23は、Nb=50であるか否か判断する(ステップS61)。この場合、Nb=50でないので、Nb−Na>0であるかを判断する(ステップS65)。この場合、5−3=2であるので、連続正解カウンタxをインクリメントする(ステップS71)。これにより、連続正解カウンタxはx=3となる。
【0106】
CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS73)。これにより、キーワードカウンタcはc=6となる。CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS75)。具体的にはステップS33と同様である。この場合c=6で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS51に戻る。
【0107】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(図11ステップS51)。この場合であれば、c=6であるので、6番目のキーワードのノート出現順序「50」が取得され、Na=50となる。CPU23は、Na=50であるか否か判断する(図11ステップS53)。この場合、Na=50であるので、ステップS55に進み、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS55)。これにより、キーワードカウンタcは、c=7となる。
【0108】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(図11ステップS51)。この場合であれば、c=7であるので、7番目のキーワードのノート出現順序「5」が取得され、Na=5となる。
【0109】
CPU23は、Na=50であるか否か判断する(図11ステップS53)。この場合、Na=50でないので、図12ステップS57に進み、次キーワードカウンタdを、模範キーワード出現順序カウンタcの値に「1」を加えた値を設定する。この場合であれば、c=7であるので、次キーワードカウンタdはd=8に設定される。
【0110】
CPU23は、d番目のキーワードのノート出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS59)。この場合、d=8であるので、8番目のキーワードのノート出現順序「6」が取得され、Nb=50となる。
【0111】
CPU23は、Nb=50であるか否か判断する(ステップS61)。この場合、Nb=50でないので、Nb−Na>0であるかを判断する(ステップS65)。この場合、6−5=1であるので、連続正解カウンタxをインクリメントする(ステップS71)。これにより、連続正解カウンタxはx=4となる。
【0112】
CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS73)。これにより、キーワードカウンタcはc=8となる。CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS75)。具体的にはステップS33と同様である。この場合c=8であり、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS51に戻る。CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(図11ステップS51)。この場合であれば、c=8であるので、8番目のキーワードのノート出現順序「6」が取得され、Na=6となる。
【0113】
CPU23は、Na=50であるか否か判断する(図11ステップS53)。この場合、Na=50でないので、図12ステップS57に進み、次キーワードカウンタdを、模範キーワード出現順序カウンタcの値に「1」を加えた値を設定する。この場合であれば、c=8であるので、次キーワードカウンタdはd=9に設定される。
【0114】
CPU23は、d番目のキーワードのノート出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS59)。この場合、d=9であるので、9番目のキーワードのノート出現順序「4」が取得され、Nb=50となる。
【0115】
CPU23は、Nb=50であるか否か判断する(ステップS61)。この場合、Nb=50でないので、Nb−Na>0であるかを判断する(ステップS65)。この場合、4−6=−2であるので、ステップS67に進み、連続正解カウンタxからポイントを計算し、キーワード並び一致ポイントpに加算する(ステップS67)。この場合、連続正解カウンタxはx=4であるので、加算するポイントは「2 =16」とした。これにより、すでに記憶されているポイント4p「0」と加えてp=16が記憶される。CPU23は、連続正解カウンタxを初期化する(x=0)(ステップS69)。
【0116】
CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS73)。これにより、キーワードカウンタcはc=9となる。CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS75)。具体的にはステップS33と同様である。この場合c=9で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS51に戻る。
【0117】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(図11ステップS51)。この場合であれば、c=9であるので、9番目のキーワードのノート出現順序「4」が取得され、Na=4となる。
【0118】
CPU23は、Na=50であるか否か判断する(図11ステップS53)。この場合、Na=4であるので、図12ステップS57に進み、次キーワードカウンタdを、模範キーワード出現順序カウンタcの値に「1」を加えた値を設定する。この場合であれば、c=9であるので、次キーワードカウンタdはd=10に設定される。
【0119】
CPU23は、d番目のキーワードのノート出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS59)。この場合、d=10であるので、10番目のキーワードのノート出現順序「7」が取得され、Nb=7となる。
【0120】
CPU23は、Nb=50であるか否か判断する(ステップS61)。この場合、Nb=50でないので、Nb−Na>0であるかを判断する(ステップS65)。この場合、7−4=3であるので、連続正解カウンタxをインクリメントする(ステップS71)。これにより、連続正解カウンタxはx=1となる。
【0121】
CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS73)。これにより、キーワードカウンタcはc=10となる。
【0122】
CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS75)。この場合c=10で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS51に戻る。
【0123】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(図11ステップS51)。この場合であれば、c=10であるので、10番目のキーワードのノート出現順序「7」が取得され、Na=7となる。
【0124】
CPU23は、Na=50であるか否か判断する(図11ステップS53)。この場合、Na=50でないので、図12ステップS57に進み、次キーワードカウンタdを、模範キーワード出現順序カウンタcの値に「1」を加えた値を設定する。この場合であれば、c=10であるので、次キーワードカウンタdはd=11に設定される。
【0125】
CPU23は、d番目のキーワードのノート出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS59)。この場合、d=11であるので、11番目のキーワードのノート出現順序「8」が取得され、Nb=8となる。
【0126】
CPU23は、Nb=50であるか否か判断する(ステップS61)。この場合、Nb=50でないので、Nb−Na>0であるかを判断する(ステップS65)。この場合、8−7=1であるので、連続正解カウンタxをインクリメントする(ステップS71)。これにより、連続正解カウンタxはx=2となる。
【0127】
CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS73)。これにより、キーワードカウンタcはc=11となる。
【0128】
CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS75)。この場合c=11で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS51に戻る。
【0129】
以下同様に、c=21まで、上記処理が繰り返され、c=22となると、ステップS75にて終了であると判断され、ステップS77に進む。ステップS77,ステップS79の処理については、図9ステップS35,37と同様であるので説明は省略する。以上の処理によって得られた最終的なキーワード並び一致ポイントpを、類似度とする。
【0130】
このようにすると、模範キーワードとノートキーワードの出現順序の連続性が完全に一致しない場合であっても、その連続性の一致が所定範囲内のものであれば、連続性が保たれていると判定して、その部分の並びについては授業の流れに沿っていると高く評価することが可能となる。たとえば、図10の場合であれば、模範キーワード出現順序1,3,5,7,8までの4つについては、連続性が保たれていると判定され、また、模範キーワード出現順序9,10,11,12,13,14,16,17,18,21までの9つについても、連続性が保たれていると判定される。したがって、かかる連続数に応じたポイントが得られる。ポイント換算手法については、第1実施形態と同様である。
【0131】
C.第3実施形態
上記第1実施形態においては、連続している評価としてNb−Na=1である場合に、連続正解カウンタを1つインクリメントするようにした。したがって、1つ飛びにキーワードが記載されているノートの評価は低いものとなる。また、上記第2実施形態においては、連続している評価としてNb−Na>0である場合に、連続正解カウンタを1つインクリメントするようにした。したがって、欠落なく連続している場合も、欠落して連続している場合も、順番が入れ替わっていない限り同じ評価となってしまう。そこで、かかる問題を解決するため、以下のように評価するようにしてもよい。
【0132】
かかる場合の判断フローについて図8、図13を用いて説明する。なお、第3実施形態においては、図8のステップS15の処理は不要である。ステップS11〜ステップS21の処理については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。ステップS91にて、Nb−Naが正の数である場合には、(Na−Nb)の値に応じたポイントをキーワード並び一致ポイント(p)に加算すればよい。たとえば、(Na−Nb)=1であれば、欠落なく連続しているため評価を高くし、5ポイント加算する。欠落がある場合には、その欠落数に応じた評価を行うようなポイントを設定し、(Na−Nb)=2であれば4ポイント加算、(Na−Nb)=3であれば3ポイント加算、(Na−Nb)=6以上の場合には、0ポイント加算とすればよい。
【0133】
また、ステップS91にて、Nb−Naが正の数でない場合には、模範キーワードテーブルにおける出現順序が守られていないので、0ポイントを加算する(ステップS93)。図13におけるステップS97、ステップS99については、第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。以上の処理によって得られた最終的なキーワード並び一致ポイントpを、類似度とする。
【0134】
このようにすると、ノートキーワードにおける出現順序の並びの間の欠落の度合いに応じて、ポイント数を変化させることにより、欠落している模範キーワードの有無やその数に応じた評価ができる。
【0135】
D.第4実施形態
上記実施形態においては、全範囲でキーワードの連続度を判断するようにしているが、これをブロックに分けて判断するようにしてもよい。図15を用いて説明する。CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルを作成する(図15ステップS101)。具体的には、図8ステップS11と同様であるので、説明は省略する。
【0136】
CPU23は、任意にまたは予め設定された分割数、あるいは任意にまたは予め設定された分割領域となるよう、板書キーワード情報を区切る。たとえば、図14は、分割数を「3」とした場合である。かかる分割数は、各ブロックに所定数の個数のキーワードとなるようにしてもよく、また、所定の数のブロックとなるようにしてもよい。所定の分割領域は、ページや段落ごとになるようにしてもよい。
【0137】
つぎに、CPU23は、キーワードの不存在を表すデータ値「50」は除いて、ブロックごとに区切った板書キーワードテーブルのノートキーワード出現順序の平均値を求める(ステップS105)。たとえば、図14Aの場合には、第1ブロックの平均値は、「(1+2+3+5)/7=1.6となる。第2,第3ブロックについても同様にして、それぞれ、「7.8」、「7.7」を求める。
【0138】
CPU23は、図14の換算テーブルを用いて、各ブロックの評価値を求める。図14の換算テーブルでは、模範テキストにおける出現順序の平均値と、ノートにおける出現順序の平均値との差に対する評価値が示され、この差がない「0」、つまりノートの出現順序の平均値が模範の出現順序の平均値と一致すると、評価値が最も高くなる。そして、模範テキストにおける出現順序の平均値と、ノートにおける出現順序の平均値との差が大きくなる、つまりノートの出現順序の平均値が模範の出現順序の平均値からずれるほど、評価値が低く設定される。各ブロックの平均値を評価値に換算すると、第1ブロックは、評価値「7」、第2ブロックは評価値「5」、第3ブロックは評価値「3」となり、これらの平均評価値は「5」となる。この全ブロックの評価値を平均した総評価値を類似度として取得される(図13ステップS109)。
【0139】
このようにして、本実施形態においては、複数のブロックに分け、各ブロックについて個別ブロック評価値を演算している。したがって、当該ブロック内にさえ、存在すれば多少出現順序が入れ替わっていても、そのブロック内の評価は変わらないという効果がある。
【0140】
さらに、ノート全体でキーワードの出現順序と出現順序を比較した場合、出現順序が大きくなるほどノートキーワードの抜けによる影響は大きくなる。このため、複数のブロックに分割し、分割したブロックごとに評価を行うことにより、ノートキーワードの抜けによる影響を小さくすることができ、精度を向上させることができるという効果もある。
【0141】
また、模範の出現順序の平均値およびノートの出現順序の平均値により類似度を簡単に求めることができる。
【0142】
なお、図14Aでは、ブロックに分けても、模範の出現順序およびノートの出現順序は通し番号を用いたが、ブロックごとに模範の出現順序およびノートの出現順序の番号を振り直してもよい。
【0143】
また、図14Bでは、予めブロックにおける出現順序の平均値および出現順序の平均値の差と評価値とを対応づけて記憶させたテーブルを用いて評価値を求めたが、これに限定されず、出現順序の平均値および出現順序の平均値の差に係数を掛けた数式で評価値を求めるなど、模範の出現順序、ノートの出現順序の平均値および評価値の関係を示す所定の基準により、ブロックごとのノートにおけるキーワードの出現順序の平均値から各ブロックの評価値を取得することができる。
【0144】
そして、この出現順序の平均値および出現順序の平均値の差を評価値に換算したが、換算せずに、この差をそのままブロックごとの評価値とし、各ブロックの評価値を総計してブロック全体の類似度を求めるようにしてもよい。
【0145】
さらに、出現順序の平均値および出現順序の平均値の差から評価値や類似度を求めたが、出現順序および出現順序の差を合計した合計値などから評価値や類似度を求めることもできる。この場合も、平均値を求めた場合と同様に、出現順序の差の合計値が小さいほど、一致している割合が多く、評価値が高く設定される。
【0146】
また、この実施形態では、各ブロックの出現順序の平均値により、評価値を各ブロックにおける模範およびノートの類似度として求め、各ブロックの類似度を平均した平均値を全体の類似度とした。しかし、これに限定されず、各ブロックの類似度を合計した合計値などを全体の類似度とするようにしてもよい。
【0147】
さらに、この実施形態では、各ブロックの出現順序の平均値により評価値を各ブロックにおける類似度を求め、これを総計して全体の類似度とした。しかし、これに限定されず、上記全ての実施形態と同様の方法で各ブロックにおける類似度を求めた上、各ブロックの類似度を総計して全体の類似度を評価するようにしてもよい。
【0148】
さらに、隣接するブロック間の平均値の差を用いて評価値を算出してもよい。つまり、隣り合ったブロック間の平均値の差は、模範の出現順序であればブロック間のデータ数と一致する。この値を基準値とすることにより、基準値からの差が小さい場合は評価値を高くし、大きい場合には評価値を低くするとしてもよい。
【0149】
なお、分割した各ブロックについて、その重要度に応じて評価値に差が付くような形式の演算方法を用いることとしてもよい。授業において重要度の高い箇所の流れを理解している生徒に対して評価を高くすることにより、各生徒の評価に細かい差をつけることができ、評価精度を向上させることができる。
【0150】
E.第5実施形態
図16を用いて、近似直線を用いた評価方法について説明する。
【0151】
CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルを作成する(図16ステップS111)。具体的には、図8ステップS11と同様であるので、説明は省略する。つぎに、CPU23は、ノートの出現順序を取得する(ステップS113)。本実施形態においては、図17に示すように、横軸:xにノートキーワード出現順序テーブルにおいて上からキーワードが並ぶ順、つまり1からの自然数を昇順に配置し、縦軸:yにキーワードの並び順に従ったノートの出現順序および模範の出現順序を配置したグラフとした。
【0152】
なお、ノートの出現順序についてはキーワードの不存在を表すデータ値「50」は除く。たとえば、図10の場合、1個目のキーワード「源頼朝」は、ノートの出現順序「1」である。したがって、座標(1,1)となるので、地点Po1に配置される。板書キーワードテーブル2個目のキーワード「源義仲」は、ノート出現順序「50」であるので、このグラフに配置されない。以下、同様にして、板書キーワードテーブルの21個目のキーワード「御成敗式目」は、ノートの出現順序「15」である。したがって、座標(21,15)となるので、地点Po21に配置される。
【0153】
CPU23は、かかるノート座標を示す散布図から、近似直線を求める(ステップS115)。たとえば、最小二乗法を用いて近似直線を求めると、y=0.77x−0.5が比較対象傾向直線L1として得られる。なお、散布図から近似直線L1を求めたが、近似直線の求め方については、これに限定されない。
【0154】
つぎに、CPU23は、y=xである基礎傾向直線Lbを生成し、基礎傾向直線Lbと既に求めた近似直線L1を比較し、比較結果から両者の類似度を求める(ステップS117)。基礎傾向直線Lbは、(1,1),(2,2)・・・・と、模範キーワード出現順序とノート出現順序が一致しており、模範の出現順序を表すものであり、本実施形態においては、この基礎傾向直線Lbおよび近似直線L1の傾きの差や比率などを求め、両方の値を図18に示す換算テーブルを用いて評価値に換算するようにした。
【0155】
この換算テーブルでは、直線Lb、L1の傾きの差およびy切片の差がない「0」、つまりノートの出現順序が模範の出現順序と一致していると、評価値が最も高く設定され、直線Lb、L1の傾きの差およびy切片の差が大きくなる、つまりノートの出現順序が間違っているほど、評価値が低く設定される。
【0156】
図17の例では、傾きの差が0.23で、y切片の差が−0.5である。したがってこの換算テーブルにて評価値を求めると、傾きの評価値「50」およびy切片の評価値「80」となり 、これらの評価値を平均した平均値「65」が類似度として得られる。
【0157】
なお、図18では、直線Lb、L1の傾きの差およびy切片の差と評価値とを対応づけて記憶させた換算テーブルを用いて評価値を求めたが、これに限定されず、傾きの差およびy切片の差に係数を掛けた数式で評価値を求めるなど、傾きの差、y切片の差および評価値の関係を示す所定の基準により直線Lb、L1の傾きおよびy切片の評価値をそれぞれ取得することができる。
【0158】
そして、この直線LbおよびL1の傾きの評価値またはy切片の評価値の一方だけを用いて、これを類似度とすることもできる。
【0159】
また、直線LbおよびL1の傾きの評価値とy切片の評価値との平均値により類似度を求めたが、これに限定されず、たとえば傾きの評価値とy切片の評価値との合計値を類似度とすることもできる。
【0160】
さらに、直線Lb、L1の傾きの差およびy切片の差を評価値に換算したが、換算せずに、この傾きやy切片の差をそのまま類似度として求めることもできる。
【0161】
また、直線Lb、L1の傾きやy切片で評価値や類似度を求めたが、相関係数や標準偏差などで評価値や類似度を求めることもできる。
【0162】
このように、板書キーワードテーブルに記憶されたキーワード出現順序から決定され、正解を表する直線を基礎直線L1と、ノートキーワードテーブルのキーワード出現順序から決定され、ノートの出現順序の分布傾向を表す近似直線を比較対象傾向直線として比較し、両者のずれの大きさから両者の類似度を決定することにより、キーワードの出現順序が正しいか否かを客観的に判定することができる。
【0163】
全体的な傾向としては、直線Lb、L1の傾きおよびy切片の差が小さいほど、ノートの出現順序は模範の出現順序と近く、正解に近いため、出現順序の間違いの程度が小さいと評価できる。また、隣接のキーワード(近い値)が入れ替わっている場合には、偏差量が小さいため直線L1に与える影響が小さいことにより、入れ替わったキーワードの出現順序の差が小さいと、出現順序の間違いの程度が小さいと評価できる。
【0164】
F.第6実施形態
上記各実施形態においては、図5に示す模範キーワードテーブルに、図7に示すノートキーワードテーブルにおける出現順序を追加することにより、図10に示すノートキーワード出現順序テーブルを作成するようにした。
【0165】
しかし、これに限定されず、ノートキーワードについて、模範キーワードテーブルに記憶されている同一のキーワードの出現順序を関連付けてノートキーワードテーブルに記憶したテーブルを別途作成し、当該ノートキーワードテーブルに記憶された各キーワードの模範キーワードテーブルにおける出現順序の差分に基づき、連続するキーワードか否かを判断するというようにしてもよい。
【0166】
たとえば、図7に示すノートキーワードテーブルのノートキーワードと一致する模範キーワードの出現順序を、そのノートキーワード及び出現順序と対応付けて、ノートキーワードテーブルに保存する。そして、連続する出現順序のノートキーワードの、模範キーワード出現順序の差を求め、図19に示すようなノートキーワード出現順序テーブルを作成するようにしてもよい。
【0167】
そして、上記出現順序の差が「1」であれば、これらのキーワードの並びが一致し連続しているということがわかる。このため、出現順序の差が「1」であるキーワードの個数に基づいて評価を決定すればよい。たとえば、出現差の値が「1」の個数に所定ポイントを乗算し、総計することにより、ノートの点数を採点することができる。
【0168】
さらに、出現差が「1」でなく、「2」の場合も乗算する上記所定ポイントを少なくして、さらにこれを考慮して総計できるようにしてもよい。たとえば、(〔差が「1」の個数〕×ポイント30)+(〔差が「2」の個数〕×ポイント10)のように計算すればよい。さらに、差が「3」の個数なども考慮してもよい。
【0169】
G.第7実施形態
上記各実施形態においては、キーワードの出現順序の一致度に基づいて評価を求めているが、さらに、キーワード間の文字数を考慮して評価することもできる。
【0170】
この実施形態は、ノートキーワード抽出手段が、キーワードを抽出すると伴に各キーワード間の文字数も抽出し、キーワードに関連付けるキーワード間の文字数もノートキーワードテーブルに記憶することにより、出現順序が連続するキーワードであっても、文字数が所定数以上離れている場合には、連続していないキーワードであるとして取り扱うというものである。
【0171】
たとえば、図20に示すように、各キーワードの出現位置およびキーワード間文字数を抽出した文字数付き模範キーワードテーブルと、各キーワードの出現位置およびキーワード間文字数を抽出した文字数付きノートキーワードテーブルを作成しておく。
【0172】
そして、前者における出現順序7番目および8番目のキーワード「守護」「地頭」におけるキーワード間文字数は、「10」であり、後者における出現順序5番目および6番目のキーワード「守護」「地頭」におけるキーワード間文字数は、「64」であり、差が64−10=54である。キーワード間の標準文字数を予め設定しておき、これを越える場合には、連続していないと判断するようにしてもよい。
【0173】
このように、文字数付き模範キーワードテーブルと文字数付きノートキーワードテーブルにおけるキーワード間文字数の値を考慮して評価することにより、キーワード間における内容上の連続性を判定することができる。
【0174】
つまり、キーワード間の文字数が標準文字数より大きいということは、たまたまノート上でキーワードの出現順序が隣り合ったというだけで、連続するキーワードの間に、内容の関連性がないことを検出することができる。これにより、ノートにおけるキーワードの出現順序の連続性のみではなく、その内容の連続性も加味することで、生徒が授業の流れを把握しているかどうかの評価について、精度を高めることができる。
【0175】
また、図20に示すテーブルは、別途作るのではなく、ノートキーワード出現テーブル(図10参照)に、キーワード間文字数を項目として、追加するようにしてもよい。
【0176】
H.その他の実施形態
上記各実施形態においては、1名の生徒のノート評価について説明したが、複数の生徒のノートについて予め図4ステップS3の処理をしておき、ステップS5にて、これを人数分、繰り返すようにしてもよい。
【0177】
なお、評価手法としては、係数kを予め記憶しておき、模範キーワード記憶手段のキーワードとの一致数をS1、連続するキーワードの個数をS2として、y=S1+k*S2から、両者の類似度を決定するようにしてもよい。
【0178】
また、模範キーワードテーブルに装飾があるキーワードについて、同様の処理(アンダーラインや色分けなど)をしている場合には、これをさらに加点とするようにしてもよい。
【0179】
また、OCR処理で解読不可能な文字がある場合には、文字数分だけ減点対象としてもよい。
【0180】
また、模範のテキストデータまたはノートデータ上で同じキーワードが複数回検出された場合には、最初に抽出した出現順序とすればよい。
【0181】
さらに、出現順序の一致判定を行い、一致数が多いほど高く評価することもできる。
【0182】
また、上記実施形態においては、生徒のノートを評価する場合を例として説明したが、生徒のノート以外のテキストデータであっても、本件発明を適用することができる。
【0183】
また、生徒ノートが紙媒体などに記録されている場合について説明したが、電子データとして記憶できる形式であれば、データ形式は問われない。
【0184】
上記実施形態においては、各機能を実現する為に、CPUを用い、ソフトウェアによってこれを実現している。しかし、その一部若しくは全てを、ロジック回路等のハードウェアによって実現してもよい。
【0185】
なお、上記プログラムの一部の処理をオペレーティングシステム(OS)にさせるようにしてもよい。
【0186】
本明細書に記載した発明は以下のように把握することもできる。
【0187】
本発明にかかるノート評価装置においては、前記評価手段は、前記ノートキーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現数および連続するキーワードの一致数を演算し、この出現数および一致数を、前記出現順序に沿ったキーワードの個数として前記類似度を評価する。したがって、前記出現数および一致数を前記出現順序に沿ったキーワードの個数として前記類似度を評価することができる。
【0188】
本発明にかかるノート評価装置においては、前記評価手段は、前記ノートキーワード記憶手段に記憶されたキーワードについて、連続するキーワードの個数を演算し、この総計を、前記出現順序に沿ったキーワードの個数として前記類似度を評価する。したがって、欠落なく連続するキーワードの個数に基づいて前記類似度を評価することができる。
【0189】
本発明にかかるノート評価装置においては、前記評価手段は、非連続のものであっても所定数範囲内の非連続であれば、連続するキーワードとして決定し、これを前記出現順序に沿ったキーワードの個数と判断する。したがって、多少出現順が離散している場合でも、評価が可能となる。
【0190】
本発明にかかるノート評価装置においては、前記ノートキーワード抽出手段は、抽出する各キーワード間の文字数も併せて抽出し、前記ノートキーワード記憶手段は、抽出された文字数を対応づけて記憶し、前記評価手段は、連続するキーワードであっても文字数が所定数以上離れている場合には、連続していないキーワードとして取り扱う。したがって、キーワード間文字数をも考慮した評価が可能となる。
【0191】
本発明にかかるノート評価装置においては、前記ノートキーワード記憶手段は、前記板書キーワード記憶手段には存在し、かつノートキーワード抽出手段が抽出できなったキーワードについては、不存在を表す不存在ワードとして記憶することにより、前記板書キーワード記憶手段と同じ数のキーワードを記憶しており、前記評価手段は、同じキーワードについて、キーワード間の不存在ワードに基づき前記連続するキーワードか否かを決定する。したがって、不存在である場合に、これを不存在であると認識して、前記類似度を判断することができる。
【0192】
本発明にかかるノート評価装置においては、前記ノートキーワード記憶手段は、ノートキーワード抽出手段が抽出したキーワードについて、前記板書キーワード記憶手段に記憶されている出現順序を記憶し、前記評価手段は、ノートキーワード記憶手段に記憶された各キーワードの出現順序の差分に基づき前記連続するキーワードか否かを決定する。
【0193】
本発明にかかるノート評価装置においては、前記評価手段は、係数kを予め記憶しており、板書キーワード記憶手段のキーワードとの一致数をS1、連続するキーワードの個数をS2として、y=S1+k*S2から、両者の類似度を決定する。したがって、キーワードとの一致数および連続するキーワードの個数に基づいて、評価演算が可能となる。
【0194】
本発明にかかるノート評価装置は、1)板書のテキストデータから抽出したキーワードについて、その出現順序とともに記憶する板書キーワード記憶手段、2)生徒のノートのテキストデータを記憶するノートデータ記憶手段、3)前記ノートデータ記憶手段に記憶されたテキストデータから、前記板書キーワード記憶手段に記憶されたキーワードを抽出するノートキーワード抽出手段、4)前記ノートキーワード抽出手段が抽出したキーワードをその出現順序と対応づけて記憶するノートキーワード記憶手段、5)前記ノートキーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現数および連続するキーワードの一致数を演算し、この出現数および一致数に基づき両者の類似度を評価する評価手段を備えている。
【0195】
したがって、前記出現数および一致数を前記出現順序に沿ったキーワードの個数として両者の類似度を評価することができる。
【0196】
本発明にかかるノート評価装置においては、さらに、1)板書テキストデータを記憶する板書データ記憶手段、2)前記板書データ記憶手段に記憶されたテキストデータから、所定のキーワードを抽出し、前記板書キーワード記憶手段に記憶させる板書キーワード抽出手段を備えている。したがって、板書テキストデータから板書キーワード抽出することができる。
【0197】
本発明にかかるノート評価方法は、コンピュータに、板書のテキストデータから抽出した板書データキーワードについて、その出現順序とともに記憶しておき、前記板書データキーワードおよび出現順序を用いて、生徒のノートテキストデータを評価させるノート評価方法であって、以下の処理を前記コンピュータが実行する。1)生徒のノートのテキストデータが与えられると、このテキストデータから、前記板書データキーワードを抽出し、2)前記抽出したキーワードをその出現順序と対応づけてノートキーワードとして記憶部に記憶させ、3)前記ノートキーワードについて、前記板書キーワードの出現順序に沿ったキーワードの個数を求め、これに基づき、両者の類似度を評価する。
【0198】
このように、キーワードの出現順序に沿ったキーワードの個数から両者の類似度を評価することにより、キーワードの出現順序に沿ったノートを高い評価とすることができる。
【0199】
本発明にかかるテキストデータ評価装置は、1)模範のテキストデータから抽出したキーワードについて、その出現順序とともに記憶する模範データキーワード記憶手段、2)比較対象のテキストデータを記憶する比較対象テキストデータ記憶手段、3)前記比較対象テキストデータ記憶手段に記憶されたテキストデータから、前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードを抽出する比較対象テキストキーワード抽出手段、4)前記比較対象テキストキーワード抽出手段が抽出したキーワードをその出現順序と対応づけて記憶する比較対象キーワード記憶手段、5)前記比較対象キーワード記憶手段に記憶されたキーワードについて、前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序に沿ったキーワードの個数に基づき、両者の類似度を評価する評価手段を備えている。
【0200】
このように、キーワードの出現順序に沿ったキーワードの個数から両者の類似度を評価することにより、キーワードの出現順序に沿ったテキストデータを高い評価とすることができる。
【0201】
また、「キーワードをその出現順序と対応づけて記憶する」とは、実施形態に示すように、出現順序順にキーワードをテーブル形式で記憶する場合はもちろん、それ以外の形式も含む。「板書キーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序に沿ったキーワードの個数」とは、実施形態では、板書キーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現数および連続するキーワードの一致数で演算する場合と、連続するキーワードの個数を演算し、この総計で演算する場合について説明したが、これに限定されるものではない。「連続する」とは、欠落なく連続する場合はもちろん、非連続であっても所定数範囲内の非連続である場合も含む。「不存在ワード」とは、記号であってもよく、また、連続番号で表す場合にかなり大きな値などとすればよい。「テキストデータ」とは、テキストデータを含んでいれば十分であり、たとえばタグが付与されたXMLデータ等も含む概念である。
【0202】
また、「出現順序に沿ったキーワードの個数」とは、ノートキーワードテーブルにおけるキーワードの出現順序が欠落せず連続している個数、欠落しているキーワードを無視して考えた場合には連続する個数も含む。このように「出現順序に沿う」とは、あるキーワードについてその直前または直後のキーワードとの相対関係で決定される場合と、あるキーワードについてその直前または直後のキーワード以外のキーワードとの相対関係で決定される場合とを含む。また、ノートキーワードテーブルに存在するキーワードをベースに考える場合と、模範キーワードテーブルに存在するキーワードをベースに考える場合といずれも含む。
【図面の簡単な説明】
【0203】
【図1】この発明の一実施形態によるノート評価装置1の機能ブロック図である。
【図2】ノート評価装置1を、CPUを用いて実現した場合のハードウエア構成である。
【図3】模範のテキストデータの一例である。
【図4】全体のフローチャートである。
【図5】模範キーワードテーブルのデータ構造を示す図である。
【図6】ノートデータの一例である。
【図7】ノートキーワードテーブルのデータ構造を示す図である。
【図8】評価処理の詳細フローチャートである。
【図9】評価処理の詳細フローチャートである。
【図10】ノートキーワード出現順テーブルのデータ構造を示す図である。
【図11】第2実施形態における評価処理の詳細フローチャートである。
【図12】第2実施形態における評価処理の詳細フローチャートである。
【図13】第3実施形態における評価処理の詳細フローチャート(後半)である。
【図14】ブロック化した場合の処理を説明するための図である。
【図15】ブロック化した場合の評価処理の詳細フローチャートである。
【図16】近似直線を求める場合の評価処理の詳細フローチャートである。
【図17】近似直線の一例である。
【図18】近似直線の勾配と対応するポイントの一例を示す図である。
【図19】ノートキーワード出現順テーブルの他のデータ構造を示す図である。
【図20】模範キーワードテーブルおよび、ノートキーワードテーブルに、出現位置およびキーワード間文字列数を追加した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0204】
1・・・・ノート評価装置
23・・・CPU
27・・・メモリ
【技術分野】
【0001】
この発明は、ノート評価装置に関し、特に、記載内容評価に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、学校ではコンピュータにおいて授業支援が行われている。例えば、テストの成績管理等である。
【0003】
一方、授業中に作成した生徒のノートを提出させて、これを先生がチェックして、その生徒の平常点を決定する際の参考とすることも知られている。上記提出されたノートを先生が見て、主観的に評価をするものであり、コンピュータが自動的に評価をするというものではなかった。
【0004】
特許文献1には、小学校の作文等について、キーワードの存在からこれをコンピュータにより評価するものが開示されている。
【0005】
【特許文献1】再表2005-057524
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、キーワードの存在だけで評価をすると、キーワードを乱雑に記載した場合でも、高評価となるという問題があった。かかる問題は、ノート以外のテキストデータについても同様である。
【0007】
この発明は、上記の問題点を解決して、テキストデータの客観的な評価が可能な技術を提供することを目的とする。より詳しくは、生徒が授業中に作成したノートの客観的な判断が可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明にかかるノート評価装置は、1) キーワードと、その出現順序とを関連付けて記憶する模範キーワード記憶手段、2)生徒のノートのテキストデータを記憶するノートデータ記憶手段、3)前記ノートデータ記憶手段に記憶されたテキストデータから、前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードを抽出するノートキーワード抽出手段、4)前記ノートキーワード抽出手段が抽出したキーワードをノートデータ記憶手段に記憶されたテキストデータにおける出現順序と対応づけて記憶するノートキーワード記憶手段、5)前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードについて、前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序と、ノートキーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序を比較して、その比較結果に基づき両者の類似度を評価する評価手段を備えている。
【0009】
このように、模範キーワードの出現順序とノートキーワードの出現順序とを比較し、その並びの連続性や傾向を、両者の類似度として評価する。これにより、例えば、類似度が高いノートを、模範に沿って記載されているとして高い評価とすることができるため、授業の流れの理解度を客観的に評価することができる。
【0010】
(2)本発明にかかるノート評価装置においては、前記評価手段は、前記板書キーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序に沿ったキーワードの個数を求め、これに基づき両者の類似度を評価する。このように、キーワードの出現順序に沿ったキーワードの個数から両者の類似度を評価することにより、キーワードの出現順序に沿ったノートを高い評価とすることができる。
【0011】
(3)本発明にかかるノート評価装置においては、前記評価手段は、前記模範キーワード記憶手段に記憶された出現順序から決定される基準直線を基礎直線とし、前記ノートデータ記憶手段のキーワードの数および出現順序から決定される近似直線を比較対象傾向直線とし、両者のずれの大きさから両者の類似度を決定する。この基礎直線は模範キーワード出現順序、つまり正解を表し、比較対象傾向直線はノートキーワードの出現順序の傾向を表す。このため、両直線のずれの大きさで、ノートキーワードの出現順序の傾向と正解との差を、模範とノートの類似度として判定することができる。よって、ノートキーワードの出現順序が模範キーワードの出現順序と完全に一致していない場合でも、客観的に評価することができる。
【0012】
(4)本発明にかかるノート評価装置においては、前記評価手段は、模範キーワード記憶手段のキーワードを所定のブロックに分けて、各ブロックの評価値を演算し、これを総計して評価する。したがって、ブロック内にキーワードが出現するノートであれば、模範キーワードの出現順序とノートキーワードの出現順序とが完全に一致しなくても高い評価がなされる。
【0013】
(5)本発明にかかるノート評価プログラムは、コンピュータを、以下の手段として機能させるためのプログラムである。1)模範のテキストデータから抽出したキーワードについて、その出現順序とともに記憶する模範キーワード記憶手段、2)生徒のノートのテキストデータを記憶するノートデータ記憶手段、3)前記ノートデータ記憶手段に記憶されたテキストデータから、前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードを抽出するノートキーワード抽出手段、4)前記ノートキーワード抽出手段が抽出したキーワードを前記ノートデータ記憶手段に記憶されたテキストデータにおける出現順序と対応づけて記憶するノートキーワード記憶手段、5)前記ノートキーワード記憶手段に記憶されたキーワードについて、前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序と、前記ノートキーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序を比較して、その比較結果に基づき、両者の類似度を評価する評価手段。このように、模範キーワードの出現順序とノートキーワードの出現順序とを比較し、その並びの連続性や傾向を、両者の類似度として評価する。
【0014】
これにより、例えば、類似度が高いノートを、模範に沿って記載されているとして高い評価とすることができるため、授業の流れの理解度を客観的に評価することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
A.第1実施形態
1.全体構成の概略
図1に、この発明の一実施形態によるノート評価装置1の機能ブロック図を示す。ノート評価装置1は、模範データ記憶手段3、模範キーワード抽出手段4、模範キーワード記憶手段5、ノートデータ記憶手段6、ノートキーワード抽出手段7、ノートキーワード記憶手段8、評価手段9、ノートデータ入力手段11、文字認識手段12を備えている。
【0016】
模範データ記憶手段3は、模範のテキストデータを記憶する。模範キーワード抽出手段4は、模範データ記憶手段3に記憶されたテキストデータから抽出した所定のキーワードについて、その出現順序とともに模範キーワード記憶手段5に記憶させる。なお、出現順序順にキーワードをテーブル形式で記憶する場合はもちろん、それ以外の形式も含む。
【0017】
ここでいう「模範のテキストデータ」とは、先生が授業を行うにあたって参考にするデータのことで、先生が予め作製したメモデータ、板書の元データ、板書に記載した内容そのもの、又は教科書や指導要領の内容をデータ化したもの等を総称して指す。ノートデータ入力手段11は、スキャナ等のデータ取得装置によって取り込まれた、生徒のノートに記載された内容をデータ化した情報(ノートデータ)を入力する。文字認識手段12は、入力されたノートデータを文字認識し、テキストデータに変換する。ノートデータ記憶手段6は変換されたテキストデータを記憶する。ノートキーワード抽出手段7は、ノートデータ記憶手段6に記憶されたテキストデータから、模範キーワード記憶手段5に記憶されたキーワードを抽出する。ノートキーワード記憶手段8は、ノートキーワード抽出手段7が抽出したキーワードをその出現順序と対応づけて記憶する。なお、出現順序の順にキーワードをテーブル形式で記憶する場合はもちろん、データベース化するなど、それ以外の形式も含む。
【0018】
評価手段9は、ノートキーワード記憶手段8に記憶されたキーワードについて、模範キーワード記憶手段5に記憶されたキーワードの出現順序に基づき両者の類似度を評価する。
【0019】
キーワードの出現順序に基づき両者の類似度を評価する方法としては、たとえば、模範キーワードの出現順序とノートキーワードの出現順序とが連続して一致している連続一致数で演算する方法、出現順序の並びと出現順序の並びとが一致している場合の一致する並びの数から演算する方法等があるが、一致する出現順序の連続の度合いを判定する手段であれば、これに限定されるものではない。
【0020】
このように、板書キーワード記憶手段5に記憶されたキーワードの出現順序に基づき両者の類似度を評価することにより、キーワードの存在数のみから判断する場合と比べて、より、全体の流れが合致しているかを評価することができる。
【0021】
2.ハードウェア構成
ノート評価装置1のハードウェア構成について説明する。図2は、CPUを用いて構成したノート評価装置1のハードウェア構成の一例である。
【0022】
ノート評価装置1は、CPU23、メモリ27、ハードディスク26、モニタ30、光学式ドライブ25、マウス28、キーボード31およびスキャナ32を備えており、それぞれが通信可能な形式で接続されている。CPU23は、ハードディスク26に記憶されたプログラムにしたがい、各部を制御する。
【0023】
ハードディスク26は、オペレーティングシステムプログラム(以下OSと略す)26o、評価プログラム26pが記憶されている。
【0024】
評価プログラム26pによる処理の詳細については後述する。ハードディスク26の記憶部26kには図3に示すような模範のテキストデータが記憶されている。上記において、OS、評価プログラムがハードディスク上に記憶されているとしたが、記憶する手段や装置であれば、いかなるもの、たとえば、USBメモリ、フラッシュメモリなどを用いても構わない。
【0025】
3.評価プログラムにおける処理
評価プログラム26pの処理について、図4を用いて説明する。
【0026】
3.1 模範キーワード決定処理
CPU23は模範キーワード決定処理を行う(図4ステップS1)。具体的には、CPU23は、ハードディスク26の記憶部26kに記憶された模範のテキストデータから、所定または任意のキーワードを抽出し、このキーワードを模範キーワードとして模範テキストデータ内の出現順序と対応づけて記憶する。抽出したキーワードについて対応づけた模範キーワードテーブルを図5に示す。図5に示すように、模範キーワードテーブルには、各キーワードについて出現順序が対応づけられている。また、模範キーワードテーブルには、装飾の有無が記憶されているが、装飾の有無を記載しなくてもよい。
【0027】
なお、図4ステップS1の処理については、種々のものが適用可能である。たとえば、以下のものが考えられる。
【0028】
i)模範テキストデータから予め登録しているキーワードを抽出する。具体的には、キーワードのみを記載したキーワード集からキーワードを上から順に抽出し、抽出した順を出現順序とし、抽出したキーワードを模範キーワードとしてこれらを対応付けて模範キーワードテーブルに記憶する。また、別の例として、キーワードのみを記載したキーワード集を予め登録しておく。そして、教科書の内容データなどの模範テキストデータからキーワード集のキーワードに一致するキーワードを抽出し、抽出した順に、抽出したキーワードを模範キーワードとして、出現順序と模範キーワードを対応付けて模範キーワードテーブルに記憶するとしてもよい。
【0029】
ii)模範テキストデータを上から構文解析し、名称などの名詞や年号など判定できる単語を模範キーワードとして抽出し、抽出した順に出現順序を付け、出現順序と模範キーワードを対応付けて模範キーワードテーブルに記憶する。また、名詞と判定できる単語をモニタに表示し、キーワードとするか否かを操作者に選択させるという形式でもよい。
【0030】
iii)テキストデータを画面上に表示して、操作者にキーワードの選択を促し、選択させ、これを抽出し、抽出したキーワードを模範キーワードとしてこの出現順序と対応付けて模範キーワードテーブルに記憶する。この場合、出現順序は、模範テキストデータ中でキーワードが記載されている順であってもよいし、選択された順であってもよいし、選択した際に操作者により指定された順であってもよい。
【0031】
iv)模範テキストデータにおいて各キーワードに色づけがされている場合には、これを模範キーワードとして抽出し、抽出したキーワードが模範テキストデータの中で記載されている順番に出現順序を付け、出現順序と模範キーワードを対応付けて模範キーワードテーブルに記憶する。
【0032】
v)また、模範テキストデータからキーワードを抽出しない形式として、予め模範キーワード自体を操作者に直接入力させることにより登録するという方法も考えられる。
【0033】
なお、記憶部26kに記憶するテキストデータについては、授業するにあたってのメモ元データや教科書をスキャナで読み取ってOCR処理を行うようにしてもよいし、デジタルボード等に板書した場合であれば、記載したデータをそのまま採用することもできる。
【0034】
また、本実施形態においては、各キーワードについて、色づけがされている場合には、色づけがなされているか否かは、カラースキャナで読み取って、判断するようにすればよい。また、飾り付け(アンダーラインなど)が存在するか否かを判断するようすればよい。なお、電子データの場合は、データのフォーマットを解析することで同様の判断を行うことができる。
【0035】
3.2 ノートキーワード決定処理
つぎに、CPU23は、ノートキーワード決定処理を行う(図4ステップS3)。ステップS3の処理について、説明する。まず、対象となるノートをスキャナ32で読み取り、OCR処理を行う。本実施形態においては、評価プログラム26p内のOCRプログラムにより、実行した。これにより、図6に示すようなノートデータが得られたとする。なお、図6において、黒丸(●)となっているのは、識別不能文字である。
【0036】
CPU23は、かかるノートデータを抽出し、ハードディスク26の記憶部26kに記憶した模範キーワードを読み出して、当該模範キーワードと同じキーワードがノートデータ内に存在するか否かを判断する。次に、模範キーワードと同一であると判断したキーワードについて、そのキーワードのノートデータ内における出現順序を対応づけて記憶する。図7に、これらの記憶形式としてテーブル形式を採用した場合のノートキーワードテーブルを示す。図7に示すように、ノートキーワードテーブルには、図6に示すノートデータから抽出されたキーワードが、その出現順序と対応づけられて記憶されている。また、各キーワードについて、色づけがされている場合には、かかる情報も抽出されている。
【0037】
3.3 評価処理
つぎに、CPU23は、評価処理を行う(図4ステップS5)。評価処理の詳細フローチャートについて図8、図9を用いて説明する。
【0038】
CPU23は、図10に示すノートキーワード出現順序テーブルを作成する(図8ステップS11)。具体的には、模範キーワードテーブルを1つコピーし、さらに、ノート出現順序を項目として追加し、追加した項目に、ノートキーワードテーブルの出現順序を記載すればよい。なお、模範キーワードのうち、ノートキーワードには存在しないものもある。したがって、項目「ノート出現順序」については、不存在を表すデータを記憶しておけばよい。
【0039】
本実施形態においては、不存在を表すデータとして値「50」を採用した。かかる不存在を表すデータとしては、数字を採用する場合には、ノートキーワード出現順序テーブルのキーワード数よりも大きな値とすればよい。また、不存在を表すデータは、数字以外の特定の記号であってもよい。さらに、なんらデータが書き込まれていない場合を、不存在を表すデータと扱ってもよい。
【0040】
CPU23は、キーワード並び一致ポイントpを初期化(p=0)する(図8ステップS13)。
【0041】
キーワード並び一致ポイントとは、後述するように、模範キーワードの出現順序の連続する並びとノートキーワードの出現順序の連続する並びとが一致した場合に、その並びのキーワード数、つまり、出現順序が連続一致した数から計算されるポイントである。
【0042】
CPU23は、連続正解カウンタxを初期化するとともに(x=0)(ステップS15)、キーワードカウンタcを初期化する(c=1)(ステップS17)。
【0043】
CPU23は、模範キーワードテーブルにおける出現順序がc番目のキーワードについて、ノートキーワードテーブル上における出現順序を取得し、変数Naに代入する(ステップS19)。この場合であれば、c=1であるので、1番目のキーワード「源頼朝」のノート出現順序「1」が取得され、Na=1となる。
【0044】
CPU23は、(c+1)番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS21)。この場合であれば、2番目のキーワード「源義仲」のノートキーワード出現順序「50」が取得され、Nb=50となる。
【0045】
CPU23は、Nb−Na=1であるかを判断する(図9ステップS23)。この場合、50−1=49であり、Nb−Na=1ではないので、ステップS25に進み、連続正解カウンタxからポイントを計算し、キーワード並び一致ポイントpに加算する。この場合、連続正解カウンタxはx=0であるので、加算するポイントも「0」である。したがって、キーワード並び一致ポイントpはp=0である。
【0046】
CPU23は、連続正解カウンタxを初期化する(x=0)(ステップS27)。CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS31)。これにより、c=2となる。CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてのキーワードについて、処理終了したかを判断する(ステップS33)。具体的には、キーワードカウンタcが、図10に示す総キーワード数「21」を越えたか否か判断すればよい。この場合c=2で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS19に戻る。
【0047】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(ステップS19)。この場合であれば、c=2であるので、2番目のキーワード「源義仲」のノート出現順序「50」が取得され、Na=50となる。
【0048】
CPU23は、(c+1)番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS21)。この場合であれば、3番目のキーワード「源義経」のノート出現順序「2」が取得され、Nb=2となる。
【0049】
CPU23は、Nb−Na=1であるかを判断する(図9ステップS23)。この場合、50−2=48であるので、ステップS25に進み、連続正解カウンタxからポイントを計算し、キーワード並び一致ポイントpに加算する。この場合、連続正解カウンタxはx=0であるので、加算するポイントも「0」である。
【0050】
CPU23は、連続正解カウンタxを初期化する(x=0)(ステップS27)。CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS31)。これにより、c=3となる。
【0051】
CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS33)。具体的には、キーワードカウンタcが、図10に示す総キーワード数「21」を越えたか否か判断すればよい。この場合c=3で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS19に戻る。図10の場合であれば、c=6までは、上記ステップS19〜ステップS27の処理が繰り返される。
【0052】
ステップS31にて、CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントし、c=7となった場合以降の処理について説明する。
【0053】
この場合c=7で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS19に戻る。CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(ステップS19)。この場合であれば、c=7であるので、7番目のキーワード「守護」のノート出現順序「5」が取得され、Na=5となる。
【0054】
CPU23は、(c+1)番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS21)。この場合であれば、8番目のキーワード「地頭」のノート出現順序「6」が取得され、Nb=6となる。
【0055】
CPU23は、Nb−Na=1であるかを判断する(図9ステップS23)。この場合、6−5=1であるので、ステップS29に進み、連続正解カウンタxをインクリメントする。これによりx=1となる。
【0056】
CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS31)。この場合c=8となる。CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS33)。この場合、c=8で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS19に戻る。
【0057】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(ステップS19)。この場合であれば、c=8であるので、8番目のキーワード「地頭」のノート出現順序「6」が取得され、Na=6となる。
【0058】
CPU23は、(c+1)番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS21)。この場合であれば、9番目のキーワード「奥州藤原氏」のノート出現順序「4」が取得され、Nb=4となる。
【0059】
CPU23は、Nb−Na=1であるかを判断する(図9ステップS23)。この場合、4−6=−2であるので、ステップS25に進み、連続正解カウンタxからポイントを計算し、キーワード並び一致ポイントpに加算する。この場合、連続正解カウンタxは「1」であるので、加算するポイントは「2 =2」である。CPU23は、連続正解カウンタxを初期化する(x=0)(ステップS27)。
【0060】
以下同様にして、図10の場合には、c=9の場合についても、キーワード並び一致ポイントpはp=2のままである。
【0061】
ステップS31にて、CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントし、c=10となった場合以降の処理について説明する。CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS33)。この場合、c=10で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS19に戻る。
【0062】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(ステップS19)。この場合であれば、c=10であるので、10番目のキーワード「1192年」のノート出現順序「7」が取得され、Na=7となる。
【0063】
CPU23は、(c+1)番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS21)。この場合であれば、11番目のキーワード「征夷大将軍」のノート出現順序「8」が取得され、Nb=8となる。
【0064】
CPU23は、Nb−Na=1であるかを判断する(図9ステップS23)。この場合、8−7=1であるので、ステップS29に進み、連続正解カウンタxをインクリメントする。これによりx=2となる。
【0065】
CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS31)。これにより、c=11となる。CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS33)。この場合、c=11で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS19に戻る。
【0066】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(ステップS19)。この場合であれば、c=11であるので、11番目のキーワード「征夷大将軍」のノート出現順序「8」が取得され、Na=8となる。
【0067】
CPU23は、(c+1)番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS21)。この場合であれば、12番目のキーワード「鎌倉幕府」のノート出現順序「9」が取得され、Nb=9となる。
【0068】
CPU23は、Nb−Na=1であるかを判断する(図9ステップS23)。この場合、9−8=1であるので、ステップS29に進み、連続正解カウンタxをインクリメントする。これによりx=3となる。
【0069】
CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS31)。この場合c=12となる。CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS33)。この場合、c=12で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS19に戻る。
【0070】
以下、キーワードカウンタcがc=13となるまで、同様の処理がなされ、これにより、連続正解カウンタxは、x=4となる。
【0071】
ステップS31にて、キーワードカウンタcがc=14になると、ステップS33からステップS19に戻り、CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(ステップS19)。この場合であれば、c=14であるので、14番目のキーワード「執権」のノート出現順序「11」が取得され、Na=11となる。
【0072】
CPU23は、(c+1)番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS21)。この場合であれば、15番目のキーワード「後鳥羽上皇」のノート出現順序「50」が取得され、Nb=50となる。
【0073】
CPU23は、Nb−Na=1であるかを判断する(図9ステップS23)。この場合、50−11=39であるので、ステップS25に進み、連続正解カウンタxからポイントを計算し、キーワード並び一致ポイントpに加算する。この場合、連続正解カウンタxはx=4であるので、加算するポイントは「24 =1 6」とした。これにより、すでに記憶されているポイントと加えて「18」が記憶される。CPU23は、連続正解カウンタxを初期化する(x=0)(ステップS27)。
【0074】
以下、c=21まで、同様の処理がなされる。ステップS33にて、すべて終了した場合には、ステップS35にて、連続カウンタxが「0」であるか判断し、連続カウンタxが「0」でなければ、連続正解カウンタxからポイントを計算し、キーワード並び一致ポイントpに加算する(ステップS37)。
【0075】
このようにして、キーワードの出現順序が連続する個数から決定される値を総計することにより、最終的なキーワード並び一致ポイントpが得られ、これを類似度とする。つまり、本実施形態においては、単に模範キーワードとノートキーワードが一致した数ではなく、その出現順序と出現順序の並びがどれだけ連続して一致しているかにより類似度を求めている。つまり、出現順序に沿ったキーワードの個数が多いほど類似度を高くし、少ないほど類似度を低くすることで、評価をすることができる。したがって、授業の体系的な流れに沿ってキーワードが記載されたノートに対して、高い評価をすることができる。
【0076】
なお、本実施形態において、各キーワードについて、色づけがされている場合には、これをより重要キーワードとして設定し、この重要キーワードの出現順序(並び)がノートキーワードの出現順序(並び)と一致している場合に、前記一致ポイントの値を通常よりも高く(たとえば2倍など)設定するようにしてもよい。これにより、重要なキーワードの並びが一致している場合に、類似度の評価を高めることができる。
【0077】
また、模範キーワードについて、色づけされているか否か判断し、色づけされている場合にはこれを記憶しておき、対応するノートキーワードについても色づけされているか否か判断し、色づけされている場合には、ポイントを加算するようにしてもよい。これにより、類似度の評価を高くすることができる。
【0078】
このように、本実施形態によれば、従来のやり方と比べて、生徒のノートを客観的に評価することができる。従来は、先生が生徒のノートを見て評価するというやり方であったため、評価が主観的になっていた。また、従来の技術では、コンピュータを用いてキーワードの存在の有無を判定し評価するというやり方もあった。しかし、そのやり方では、実際の授業における体系的な流れを把握しているか否かを評価することはできなかった。本実施例では、キーワードが順序よくノートに記載されていれば高評価となるので、生徒が授業の流れを正確に理解しているか否かを適切に判定することができる。
【0079】
B.第2実施形態
上記実施形態においては、途中に一つでも欠落していたら連続していると評価されない評価方法について説明したが、「欠落しているキーワードを無視して考えた場合には連続する」と判断するようにしてもよい。かかる場合の図4ステップS5の処理について、図11、図12を用いて説明する。
【0080】
CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルを作成する(図11ステップS41)。具体的には、図8ステップS11と同様であるので、説明は省略する。
【0081】
CPU23は、キーワード並び一致ポイントp、連続正解カウンタx、キーワードカウンタc、および次キーワードカウンタdを初期化する(ステップS43,ステップS45、ステップS47、ステップS49)。
【0082】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(ステップS51)。この場合であれば、c=1であるので、1番目のキーワード「源頼朝」のノート出現順序「1」が取得され、Na=1となる。
【0083】
CPU23は、Na=50であるか否か判断する(図11ステップS53)。この場合、Na=1であるので、図12ステップS57に進み、次キーワードカウンタdを、模範キーワード出現順序カウンタcの値に「1」を加えた値を設定する。この場合であれば、c=1であるので、次キーワードカウンタdはd=2に設定される。
【0084】
CPU23は、d番目のキーワードのノート出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS59)。この場合、d=2であるので、2番目のキーワードのノート出現順序「50」が取得され、Nb=50となる。
【0085】
CPU23は、Nb=50であるか否か判断する(図12ステップS61)。この場合、Nb=50であるので、次キーワードカウンタdをインクリメントする(ステップS63)。これによって次キーワードカウンタdはd=3に設定される。
【0086】
CPU23は、d番目のキーワードのノート出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS59)。この場合、d=3であるので、3番目のキーワードのノート出現順序「2」が取得され、Nb=2となる。
【0087】
CPU23は、Nb=50であるか否か判断する(ステップS61)。この場合、Nb=50でないので、Nb−Na>0であるかを判断する(ステップS65)。この場合、2−1=1であるので、連続正解カウンタxをインクリメントする(ステップS71)。これにより、連続正解カウンタxはx=1となる。
【0088】
CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS73)。これにより、キーワードカウンタcはc=2となる。CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS75)。具体的にはステップS33と同様である。この場合c=2で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS51に戻る。
【0089】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(図11ステップS51)。この場合であれば、c=2であるので、2番目のキーワード「源義仲」のノート出現順序「50」が取得される(Na=50)。
【0090】
CPU23は、Na=50であるか否か判断する(図11ステップS53)。この場合、Na=50であるので、ステップS55に進み、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS73)。これにより、キーワードカウンタcはc=3となる。
【0091】
CPU23は、模範キーワードテーブルの出現順序(c)番目と、同一のキーワードが出現するノートキーワードテーブルの出現順序(Na)を取得する(図11ステップS51)。この場合であれば、c=3であるので、3番目のキーワード「源義経」のノート出現順序「2」が取得される(Na=2)。
【0092】
CPU23は、Na=50であるか否か判断する(図11ステップS53)。この場合、Na=2であるので、図12ステップS57に進み、次キーワードカウンタdを,模範キーワード出現順序カウンタcの値に「1」を加えた値を設定する。この場合であれば、c=3であるので、次キーワードカウンタdはd=4に設定される。
【0093】
CPU23は、ノートキーワードテーブルから、模範キーワードテーブルの出現順序d番目と、同一のキーワードのノート出現順序(Nb)を取得する(ステップS59)。この場合、d=4であるので、4番目のキーワードのノート出現順序「50」が取得される。
【0094】
CPU23は、Nb=50であるか否か判断する(ステップS61)。この場合、Nb=50であるので、次キーワードカウンタdをインクリメントする(ステップS63)。これによって次キーワードカウンタdはd=5に設定される。
【0095】
CPU23は、ノートキーワードテーブルから、模範キーワードテーブルの出現順序d番目と、同一のキーワードのノート出現順序(Nb)を取得する(ステップS59)。この場合、d=5であるので、5番目のキーワードのノート出現順序「3」が取得される。
【0096】
CPU23は、Nb=50であるか否か判断する(ステップS61)。この場合、Nb=50でないので、Nb−Na>0であるかを判断する(ステップS65)。この場合、3−2=1であるので、連続正解カウンタxをインクリメントする(ステップS71)。これにより、連続正解カウンタxはx=2となる。
【0097】
CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS73)。これにより、キーワードカウンタcはc=4となる。CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS75)。具体的にはステップS33と同様である。この場合c=4で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS51に戻る。
【0098】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(図11ステップS51)。この場合であれば、c=4であるので、4番目のキーワードのノート出現順序「50」が取得され、Na=50となる。
【0099】
CPU23は、Na=50であるか否か判断する(図11ステップS53)。この場合、Na=50であるので、ステップS55に進み、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS55)。これにより、キーワードカウンタcは、c=5となる。
【0100】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(図11ステップS51)。この場合であれば、c=5であるので、5番目のキーワードのノート出現順序「3」が取得され、Na=3となる。
【0101】
CPU23は、Na=50であるか否か判断する(図11ステップS53)。この場合、Na=3であるので、図12ステップS57に進み、次キーワードカウンタdを、模範キーワード出現順序カウンタcの値に「1」を加えた値を設定する。この場合であれば、c=5であるので、次キーワードカウンタdはd=6に設定される。
【0102】
CPU23は、d番目のキーワードのノート出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS59)。この場合、d=6であるので、6番目のキーワードのノート出現順序「50」が取得され、Nb=50となる。
【0103】
CPU23は、Nb=50であるか否か判断する(ステップS61)。この場合、Nb=50であるので、次キーワードカウンタdをインクリメントする(ステップS63)。これによって次キーワードカウンタdはd=7に設定される。
【0104】
CPU23は、d番目のキーワードのノート出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS59)。この場合、d=7であるので、7番目のキーワードのノート出現順序「5」が取得され、Nb=5となる。
【0105】
CPU23は、Nb=50であるか否か判断する(ステップS61)。この場合、Nb=50でないので、Nb−Na>0であるかを判断する(ステップS65)。この場合、5−3=2であるので、連続正解カウンタxをインクリメントする(ステップS71)。これにより、連続正解カウンタxはx=3となる。
【0106】
CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS73)。これにより、キーワードカウンタcはc=6となる。CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS75)。具体的にはステップS33と同様である。この場合c=6で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS51に戻る。
【0107】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(図11ステップS51)。この場合であれば、c=6であるので、6番目のキーワードのノート出現順序「50」が取得され、Na=50となる。CPU23は、Na=50であるか否か判断する(図11ステップS53)。この場合、Na=50であるので、ステップS55に進み、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS55)。これにより、キーワードカウンタcは、c=7となる。
【0108】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(図11ステップS51)。この場合であれば、c=7であるので、7番目のキーワードのノート出現順序「5」が取得され、Na=5となる。
【0109】
CPU23は、Na=50であるか否か判断する(図11ステップS53)。この場合、Na=50でないので、図12ステップS57に進み、次キーワードカウンタdを、模範キーワード出現順序カウンタcの値に「1」を加えた値を設定する。この場合であれば、c=7であるので、次キーワードカウンタdはd=8に設定される。
【0110】
CPU23は、d番目のキーワードのノート出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS59)。この場合、d=8であるので、8番目のキーワードのノート出現順序「6」が取得され、Nb=50となる。
【0111】
CPU23は、Nb=50であるか否か判断する(ステップS61)。この場合、Nb=50でないので、Nb−Na>0であるかを判断する(ステップS65)。この場合、6−5=1であるので、連続正解カウンタxをインクリメントする(ステップS71)。これにより、連続正解カウンタxはx=4となる。
【0112】
CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS73)。これにより、キーワードカウンタcはc=8となる。CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS75)。具体的にはステップS33と同様である。この場合c=8であり、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS51に戻る。CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(図11ステップS51)。この場合であれば、c=8であるので、8番目のキーワードのノート出現順序「6」が取得され、Na=6となる。
【0113】
CPU23は、Na=50であるか否か判断する(図11ステップS53)。この場合、Na=50でないので、図12ステップS57に進み、次キーワードカウンタdを、模範キーワード出現順序カウンタcの値に「1」を加えた値を設定する。この場合であれば、c=8であるので、次キーワードカウンタdはd=9に設定される。
【0114】
CPU23は、d番目のキーワードのノート出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS59)。この場合、d=9であるので、9番目のキーワードのノート出現順序「4」が取得され、Nb=50となる。
【0115】
CPU23は、Nb=50であるか否か判断する(ステップS61)。この場合、Nb=50でないので、Nb−Na>0であるかを判断する(ステップS65)。この場合、4−6=−2であるので、ステップS67に進み、連続正解カウンタxからポイントを計算し、キーワード並び一致ポイントpに加算する(ステップS67)。この場合、連続正解カウンタxはx=4であるので、加算するポイントは「2 =16」とした。これにより、すでに記憶されているポイント4p「0」と加えてp=16が記憶される。CPU23は、連続正解カウンタxを初期化する(x=0)(ステップS69)。
【0116】
CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS73)。これにより、キーワードカウンタcはc=9となる。CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS75)。具体的にはステップS33と同様である。この場合c=9で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS51に戻る。
【0117】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(図11ステップS51)。この場合であれば、c=9であるので、9番目のキーワードのノート出現順序「4」が取得され、Na=4となる。
【0118】
CPU23は、Na=50であるか否か判断する(図11ステップS53)。この場合、Na=4であるので、図12ステップS57に進み、次キーワードカウンタdを、模範キーワード出現順序カウンタcの値に「1」を加えた値を設定する。この場合であれば、c=9であるので、次キーワードカウンタdはd=10に設定される。
【0119】
CPU23は、d番目のキーワードのノート出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS59)。この場合、d=10であるので、10番目のキーワードのノート出現順序「7」が取得され、Nb=7となる。
【0120】
CPU23は、Nb=50であるか否か判断する(ステップS61)。この場合、Nb=50でないので、Nb−Na>0であるかを判断する(ステップS65)。この場合、7−4=3であるので、連続正解カウンタxをインクリメントする(ステップS71)。これにより、連続正解カウンタxはx=1となる。
【0121】
CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS73)。これにより、キーワードカウンタcはc=10となる。
【0122】
CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS75)。この場合c=10で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS51に戻る。
【0123】
CPU23は、c番目のキーワードの出現順序を取得し、変数Naに代入する(図11ステップS51)。この場合であれば、c=10であるので、10番目のキーワードのノート出現順序「7」が取得され、Na=7となる。
【0124】
CPU23は、Na=50であるか否か判断する(図11ステップS53)。この場合、Na=50でないので、図12ステップS57に進み、次キーワードカウンタdを、模範キーワード出現順序カウンタcの値に「1」を加えた値を設定する。この場合であれば、c=10であるので、次キーワードカウンタdはd=11に設定される。
【0125】
CPU23は、d番目のキーワードのノート出現順序を取得し、変数Nbに代入する(ステップS59)。この場合、d=11であるので、11番目のキーワードのノート出現順序「8」が取得され、Nb=8となる。
【0126】
CPU23は、Nb=50であるか否か判断する(ステップS61)。この場合、Nb=50でないので、Nb−Na>0であるかを判断する(ステップS65)。この場合、8−7=1であるので、連続正解カウンタxをインクリメントする(ステップS71)。これにより、連続正解カウンタxはx=2となる。
【0127】
CPU23は、キーワードカウンタcをインクリメントする(ステップS73)。これにより、キーワードカウンタcはc=11となる。
【0128】
CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルのすべてについて、処理終了したかを判断する(ステップS75)。この場合c=11で、総キーワード数「21」を越えていないので、ステップS51に戻る。
【0129】
以下同様に、c=21まで、上記処理が繰り返され、c=22となると、ステップS75にて終了であると判断され、ステップS77に進む。ステップS77,ステップS79の処理については、図9ステップS35,37と同様であるので説明は省略する。以上の処理によって得られた最終的なキーワード並び一致ポイントpを、類似度とする。
【0130】
このようにすると、模範キーワードとノートキーワードの出現順序の連続性が完全に一致しない場合であっても、その連続性の一致が所定範囲内のものであれば、連続性が保たれていると判定して、その部分の並びについては授業の流れに沿っていると高く評価することが可能となる。たとえば、図10の場合であれば、模範キーワード出現順序1,3,5,7,8までの4つについては、連続性が保たれていると判定され、また、模範キーワード出現順序9,10,11,12,13,14,16,17,18,21までの9つについても、連続性が保たれていると判定される。したがって、かかる連続数に応じたポイントが得られる。ポイント換算手法については、第1実施形態と同様である。
【0131】
C.第3実施形態
上記第1実施形態においては、連続している評価としてNb−Na=1である場合に、連続正解カウンタを1つインクリメントするようにした。したがって、1つ飛びにキーワードが記載されているノートの評価は低いものとなる。また、上記第2実施形態においては、連続している評価としてNb−Na>0である場合に、連続正解カウンタを1つインクリメントするようにした。したがって、欠落なく連続している場合も、欠落して連続している場合も、順番が入れ替わっていない限り同じ評価となってしまう。そこで、かかる問題を解決するため、以下のように評価するようにしてもよい。
【0132】
かかる場合の判断フローについて図8、図13を用いて説明する。なお、第3実施形態においては、図8のステップS15の処理は不要である。ステップS11〜ステップS21の処理については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。ステップS91にて、Nb−Naが正の数である場合には、(Na−Nb)の値に応じたポイントをキーワード並び一致ポイント(p)に加算すればよい。たとえば、(Na−Nb)=1であれば、欠落なく連続しているため評価を高くし、5ポイント加算する。欠落がある場合には、その欠落数に応じた評価を行うようなポイントを設定し、(Na−Nb)=2であれば4ポイント加算、(Na−Nb)=3であれば3ポイント加算、(Na−Nb)=6以上の場合には、0ポイント加算とすればよい。
【0133】
また、ステップS91にて、Nb−Naが正の数でない場合には、模範キーワードテーブルにおける出現順序が守られていないので、0ポイントを加算する(ステップS93)。図13におけるステップS97、ステップS99については、第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。以上の処理によって得られた最終的なキーワード並び一致ポイントpを、類似度とする。
【0134】
このようにすると、ノートキーワードにおける出現順序の並びの間の欠落の度合いに応じて、ポイント数を変化させることにより、欠落している模範キーワードの有無やその数に応じた評価ができる。
【0135】
D.第4実施形態
上記実施形態においては、全範囲でキーワードの連続度を判断するようにしているが、これをブロックに分けて判断するようにしてもよい。図15を用いて説明する。CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルを作成する(図15ステップS101)。具体的には、図8ステップS11と同様であるので、説明は省略する。
【0136】
CPU23は、任意にまたは予め設定された分割数、あるいは任意にまたは予め設定された分割領域となるよう、板書キーワード情報を区切る。たとえば、図14は、分割数を「3」とした場合である。かかる分割数は、各ブロックに所定数の個数のキーワードとなるようにしてもよく、また、所定の数のブロックとなるようにしてもよい。所定の分割領域は、ページや段落ごとになるようにしてもよい。
【0137】
つぎに、CPU23は、キーワードの不存在を表すデータ値「50」は除いて、ブロックごとに区切った板書キーワードテーブルのノートキーワード出現順序の平均値を求める(ステップS105)。たとえば、図14Aの場合には、第1ブロックの平均値は、「(1+2+3+5)/7=1.6となる。第2,第3ブロックについても同様にして、それぞれ、「7.8」、「7.7」を求める。
【0138】
CPU23は、図14の換算テーブルを用いて、各ブロックの評価値を求める。図14の換算テーブルでは、模範テキストにおける出現順序の平均値と、ノートにおける出現順序の平均値との差に対する評価値が示され、この差がない「0」、つまりノートの出現順序の平均値が模範の出現順序の平均値と一致すると、評価値が最も高くなる。そして、模範テキストにおける出現順序の平均値と、ノートにおける出現順序の平均値との差が大きくなる、つまりノートの出現順序の平均値が模範の出現順序の平均値からずれるほど、評価値が低く設定される。各ブロックの平均値を評価値に換算すると、第1ブロックは、評価値「7」、第2ブロックは評価値「5」、第3ブロックは評価値「3」となり、これらの平均評価値は「5」となる。この全ブロックの評価値を平均した総評価値を類似度として取得される(図13ステップS109)。
【0139】
このようにして、本実施形態においては、複数のブロックに分け、各ブロックについて個別ブロック評価値を演算している。したがって、当該ブロック内にさえ、存在すれば多少出現順序が入れ替わっていても、そのブロック内の評価は変わらないという効果がある。
【0140】
さらに、ノート全体でキーワードの出現順序と出現順序を比較した場合、出現順序が大きくなるほどノートキーワードの抜けによる影響は大きくなる。このため、複数のブロックに分割し、分割したブロックごとに評価を行うことにより、ノートキーワードの抜けによる影響を小さくすることができ、精度を向上させることができるという効果もある。
【0141】
また、模範の出現順序の平均値およびノートの出現順序の平均値により類似度を簡単に求めることができる。
【0142】
なお、図14Aでは、ブロックに分けても、模範の出現順序およびノートの出現順序は通し番号を用いたが、ブロックごとに模範の出現順序およびノートの出現順序の番号を振り直してもよい。
【0143】
また、図14Bでは、予めブロックにおける出現順序の平均値および出現順序の平均値の差と評価値とを対応づけて記憶させたテーブルを用いて評価値を求めたが、これに限定されず、出現順序の平均値および出現順序の平均値の差に係数を掛けた数式で評価値を求めるなど、模範の出現順序、ノートの出現順序の平均値および評価値の関係を示す所定の基準により、ブロックごとのノートにおけるキーワードの出現順序の平均値から各ブロックの評価値を取得することができる。
【0144】
そして、この出現順序の平均値および出現順序の平均値の差を評価値に換算したが、換算せずに、この差をそのままブロックごとの評価値とし、各ブロックの評価値を総計してブロック全体の類似度を求めるようにしてもよい。
【0145】
さらに、出現順序の平均値および出現順序の平均値の差から評価値や類似度を求めたが、出現順序および出現順序の差を合計した合計値などから評価値や類似度を求めることもできる。この場合も、平均値を求めた場合と同様に、出現順序の差の合計値が小さいほど、一致している割合が多く、評価値が高く設定される。
【0146】
また、この実施形態では、各ブロックの出現順序の平均値により、評価値を各ブロックにおける模範およびノートの類似度として求め、各ブロックの類似度を平均した平均値を全体の類似度とした。しかし、これに限定されず、各ブロックの類似度を合計した合計値などを全体の類似度とするようにしてもよい。
【0147】
さらに、この実施形態では、各ブロックの出現順序の平均値により評価値を各ブロックにおける類似度を求め、これを総計して全体の類似度とした。しかし、これに限定されず、上記全ての実施形態と同様の方法で各ブロックにおける類似度を求めた上、各ブロックの類似度を総計して全体の類似度を評価するようにしてもよい。
【0148】
さらに、隣接するブロック間の平均値の差を用いて評価値を算出してもよい。つまり、隣り合ったブロック間の平均値の差は、模範の出現順序であればブロック間のデータ数と一致する。この値を基準値とすることにより、基準値からの差が小さい場合は評価値を高くし、大きい場合には評価値を低くするとしてもよい。
【0149】
なお、分割した各ブロックについて、その重要度に応じて評価値に差が付くような形式の演算方法を用いることとしてもよい。授業において重要度の高い箇所の流れを理解している生徒に対して評価を高くすることにより、各生徒の評価に細かい差をつけることができ、評価精度を向上させることができる。
【0150】
E.第5実施形態
図16を用いて、近似直線を用いた評価方法について説明する。
【0151】
CPU23は、ノートキーワード出現順序テーブルを作成する(図16ステップS111)。具体的には、図8ステップS11と同様であるので、説明は省略する。つぎに、CPU23は、ノートの出現順序を取得する(ステップS113)。本実施形態においては、図17に示すように、横軸:xにノートキーワード出現順序テーブルにおいて上からキーワードが並ぶ順、つまり1からの自然数を昇順に配置し、縦軸:yにキーワードの並び順に従ったノートの出現順序および模範の出現順序を配置したグラフとした。
【0152】
なお、ノートの出現順序についてはキーワードの不存在を表すデータ値「50」は除く。たとえば、図10の場合、1個目のキーワード「源頼朝」は、ノートの出現順序「1」である。したがって、座標(1,1)となるので、地点Po1に配置される。板書キーワードテーブル2個目のキーワード「源義仲」は、ノート出現順序「50」であるので、このグラフに配置されない。以下、同様にして、板書キーワードテーブルの21個目のキーワード「御成敗式目」は、ノートの出現順序「15」である。したがって、座標(21,15)となるので、地点Po21に配置される。
【0153】
CPU23は、かかるノート座標を示す散布図から、近似直線を求める(ステップS115)。たとえば、最小二乗法を用いて近似直線を求めると、y=0.77x−0.5が比較対象傾向直線L1として得られる。なお、散布図から近似直線L1を求めたが、近似直線の求め方については、これに限定されない。
【0154】
つぎに、CPU23は、y=xである基礎傾向直線Lbを生成し、基礎傾向直線Lbと既に求めた近似直線L1を比較し、比較結果から両者の類似度を求める(ステップS117)。基礎傾向直線Lbは、(1,1),(2,2)・・・・と、模範キーワード出現順序とノート出現順序が一致しており、模範の出現順序を表すものであり、本実施形態においては、この基礎傾向直線Lbおよび近似直線L1の傾きの差や比率などを求め、両方の値を図18に示す換算テーブルを用いて評価値に換算するようにした。
【0155】
この換算テーブルでは、直線Lb、L1の傾きの差およびy切片の差がない「0」、つまりノートの出現順序が模範の出現順序と一致していると、評価値が最も高く設定され、直線Lb、L1の傾きの差およびy切片の差が大きくなる、つまりノートの出現順序が間違っているほど、評価値が低く設定される。
【0156】
図17の例では、傾きの差が0.23で、y切片の差が−0.5である。したがってこの換算テーブルにて評価値を求めると、傾きの評価値「50」およびy切片の評価値「80」となり 、これらの評価値を平均した平均値「65」が類似度として得られる。
【0157】
なお、図18では、直線Lb、L1の傾きの差およびy切片の差と評価値とを対応づけて記憶させた換算テーブルを用いて評価値を求めたが、これに限定されず、傾きの差およびy切片の差に係数を掛けた数式で評価値を求めるなど、傾きの差、y切片の差および評価値の関係を示す所定の基準により直線Lb、L1の傾きおよびy切片の評価値をそれぞれ取得することができる。
【0158】
そして、この直線LbおよびL1の傾きの評価値またはy切片の評価値の一方だけを用いて、これを類似度とすることもできる。
【0159】
また、直線LbおよびL1の傾きの評価値とy切片の評価値との平均値により類似度を求めたが、これに限定されず、たとえば傾きの評価値とy切片の評価値との合計値を類似度とすることもできる。
【0160】
さらに、直線Lb、L1の傾きの差およびy切片の差を評価値に換算したが、換算せずに、この傾きやy切片の差をそのまま類似度として求めることもできる。
【0161】
また、直線Lb、L1の傾きやy切片で評価値や類似度を求めたが、相関係数や標準偏差などで評価値や類似度を求めることもできる。
【0162】
このように、板書キーワードテーブルに記憶されたキーワード出現順序から決定され、正解を表する直線を基礎直線L1と、ノートキーワードテーブルのキーワード出現順序から決定され、ノートの出現順序の分布傾向を表す近似直線を比較対象傾向直線として比較し、両者のずれの大きさから両者の類似度を決定することにより、キーワードの出現順序が正しいか否かを客観的に判定することができる。
【0163】
全体的な傾向としては、直線Lb、L1の傾きおよびy切片の差が小さいほど、ノートの出現順序は模範の出現順序と近く、正解に近いため、出現順序の間違いの程度が小さいと評価できる。また、隣接のキーワード(近い値)が入れ替わっている場合には、偏差量が小さいため直線L1に与える影響が小さいことにより、入れ替わったキーワードの出現順序の差が小さいと、出現順序の間違いの程度が小さいと評価できる。
【0164】
F.第6実施形態
上記各実施形態においては、図5に示す模範キーワードテーブルに、図7に示すノートキーワードテーブルにおける出現順序を追加することにより、図10に示すノートキーワード出現順序テーブルを作成するようにした。
【0165】
しかし、これに限定されず、ノートキーワードについて、模範キーワードテーブルに記憶されている同一のキーワードの出現順序を関連付けてノートキーワードテーブルに記憶したテーブルを別途作成し、当該ノートキーワードテーブルに記憶された各キーワードの模範キーワードテーブルにおける出現順序の差分に基づき、連続するキーワードか否かを判断するというようにしてもよい。
【0166】
たとえば、図7に示すノートキーワードテーブルのノートキーワードと一致する模範キーワードの出現順序を、そのノートキーワード及び出現順序と対応付けて、ノートキーワードテーブルに保存する。そして、連続する出現順序のノートキーワードの、模範キーワード出現順序の差を求め、図19に示すようなノートキーワード出現順序テーブルを作成するようにしてもよい。
【0167】
そして、上記出現順序の差が「1」であれば、これらのキーワードの並びが一致し連続しているということがわかる。このため、出現順序の差が「1」であるキーワードの個数に基づいて評価を決定すればよい。たとえば、出現差の値が「1」の個数に所定ポイントを乗算し、総計することにより、ノートの点数を採点することができる。
【0168】
さらに、出現差が「1」でなく、「2」の場合も乗算する上記所定ポイントを少なくして、さらにこれを考慮して総計できるようにしてもよい。たとえば、(〔差が「1」の個数〕×ポイント30)+(〔差が「2」の個数〕×ポイント10)のように計算すればよい。さらに、差が「3」の個数なども考慮してもよい。
【0169】
G.第7実施形態
上記各実施形態においては、キーワードの出現順序の一致度に基づいて評価を求めているが、さらに、キーワード間の文字数を考慮して評価することもできる。
【0170】
この実施形態は、ノートキーワード抽出手段が、キーワードを抽出すると伴に各キーワード間の文字数も抽出し、キーワードに関連付けるキーワード間の文字数もノートキーワードテーブルに記憶することにより、出現順序が連続するキーワードであっても、文字数が所定数以上離れている場合には、連続していないキーワードであるとして取り扱うというものである。
【0171】
たとえば、図20に示すように、各キーワードの出現位置およびキーワード間文字数を抽出した文字数付き模範キーワードテーブルと、各キーワードの出現位置およびキーワード間文字数を抽出した文字数付きノートキーワードテーブルを作成しておく。
【0172】
そして、前者における出現順序7番目および8番目のキーワード「守護」「地頭」におけるキーワード間文字数は、「10」であり、後者における出現順序5番目および6番目のキーワード「守護」「地頭」におけるキーワード間文字数は、「64」であり、差が64−10=54である。キーワード間の標準文字数を予め設定しておき、これを越える場合には、連続していないと判断するようにしてもよい。
【0173】
このように、文字数付き模範キーワードテーブルと文字数付きノートキーワードテーブルにおけるキーワード間文字数の値を考慮して評価することにより、キーワード間における内容上の連続性を判定することができる。
【0174】
つまり、キーワード間の文字数が標準文字数より大きいということは、たまたまノート上でキーワードの出現順序が隣り合ったというだけで、連続するキーワードの間に、内容の関連性がないことを検出することができる。これにより、ノートにおけるキーワードの出現順序の連続性のみではなく、その内容の連続性も加味することで、生徒が授業の流れを把握しているかどうかの評価について、精度を高めることができる。
【0175】
また、図20に示すテーブルは、別途作るのではなく、ノートキーワード出現テーブル(図10参照)に、キーワード間文字数を項目として、追加するようにしてもよい。
【0176】
H.その他の実施形態
上記各実施形態においては、1名の生徒のノート評価について説明したが、複数の生徒のノートについて予め図4ステップS3の処理をしておき、ステップS5にて、これを人数分、繰り返すようにしてもよい。
【0177】
なお、評価手法としては、係数kを予め記憶しておき、模範キーワード記憶手段のキーワードとの一致数をS1、連続するキーワードの個数をS2として、y=S1+k*S2から、両者の類似度を決定するようにしてもよい。
【0178】
また、模範キーワードテーブルに装飾があるキーワードについて、同様の処理(アンダーラインや色分けなど)をしている場合には、これをさらに加点とするようにしてもよい。
【0179】
また、OCR処理で解読不可能な文字がある場合には、文字数分だけ減点対象としてもよい。
【0180】
また、模範のテキストデータまたはノートデータ上で同じキーワードが複数回検出された場合には、最初に抽出した出現順序とすればよい。
【0181】
さらに、出現順序の一致判定を行い、一致数が多いほど高く評価することもできる。
【0182】
また、上記実施形態においては、生徒のノートを評価する場合を例として説明したが、生徒のノート以外のテキストデータであっても、本件発明を適用することができる。
【0183】
また、生徒ノートが紙媒体などに記録されている場合について説明したが、電子データとして記憶できる形式であれば、データ形式は問われない。
【0184】
上記実施形態においては、各機能を実現する為に、CPUを用い、ソフトウェアによってこれを実現している。しかし、その一部若しくは全てを、ロジック回路等のハードウェアによって実現してもよい。
【0185】
なお、上記プログラムの一部の処理をオペレーティングシステム(OS)にさせるようにしてもよい。
【0186】
本明細書に記載した発明は以下のように把握することもできる。
【0187】
本発明にかかるノート評価装置においては、前記評価手段は、前記ノートキーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現数および連続するキーワードの一致数を演算し、この出現数および一致数を、前記出現順序に沿ったキーワードの個数として前記類似度を評価する。したがって、前記出現数および一致数を前記出現順序に沿ったキーワードの個数として前記類似度を評価することができる。
【0188】
本発明にかかるノート評価装置においては、前記評価手段は、前記ノートキーワード記憶手段に記憶されたキーワードについて、連続するキーワードの個数を演算し、この総計を、前記出現順序に沿ったキーワードの個数として前記類似度を評価する。したがって、欠落なく連続するキーワードの個数に基づいて前記類似度を評価することができる。
【0189】
本発明にかかるノート評価装置においては、前記評価手段は、非連続のものであっても所定数範囲内の非連続であれば、連続するキーワードとして決定し、これを前記出現順序に沿ったキーワードの個数と判断する。したがって、多少出現順が離散している場合でも、評価が可能となる。
【0190】
本発明にかかるノート評価装置においては、前記ノートキーワード抽出手段は、抽出する各キーワード間の文字数も併せて抽出し、前記ノートキーワード記憶手段は、抽出された文字数を対応づけて記憶し、前記評価手段は、連続するキーワードであっても文字数が所定数以上離れている場合には、連続していないキーワードとして取り扱う。したがって、キーワード間文字数をも考慮した評価が可能となる。
【0191】
本発明にかかるノート評価装置においては、前記ノートキーワード記憶手段は、前記板書キーワード記憶手段には存在し、かつノートキーワード抽出手段が抽出できなったキーワードについては、不存在を表す不存在ワードとして記憶することにより、前記板書キーワード記憶手段と同じ数のキーワードを記憶しており、前記評価手段は、同じキーワードについて、キーワード間の不存在ワードに基づき前記連続するキーワードか否かを決定する。したがって、不存在である場合に、これを不存在であると認識して、前記類似度を判断することができる。
【0192】
本発明にかかるノート評価装置においては、前記ノートキーワード記憶手段は、ノートキーワード抽出手段が抽出したキーワードについて、前記板書キーワード記憶手段に記憶されている出現順序を記憶し、前記評価手段は、ノートキーワード記憶手段に記憶された各キーワードの出現順序の差分に基づき前記連続するキーワードか否かを決定する。
【0193】
本発明にかかるノート評価装置においては、前記評価手段は、係数kを予め記憶しており、板書キーワード記憶手段のキーワードとの一致数をS1、連続するキーワードの個数をS2として、y=S1+k*S2から、両者の類似度を決定する。したがって、キーワードとの一致数および連続するキーワードの個数に基づいて、評価演算が可能となる。
【0194】
本発明にかかるノート評価装置は、1)板書のテキストデータから抽出したキーワードについて、その出現順序とともに記憶する板書キーワード記憶手段、2)生徒のノートのテキストデータを記憶するノートデータ記憶手段、3)前記ノートデータ記憶手段に記憶されたテキストデータから、前記板書キーワード記憶手段に記憶されたキーワードを抽出するノートキーワード抽出手段、4)前記ノートキーワード抽出手段が抽出したキーワードをその出現順序と対応づけて記憶するノートキーワード記憶手段、5)前記ノートキーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現数および連続するキーワードの一致数を演算し、この出現数および一致数に基づき両者の類似度を評価する評価手段を備えている。
【0195】
したがって、前記出現数および一致数を前記出現順序に沿ったキーワードの個数として両者の類似度を評価することができる。
【0196】
本発明にかかるノート評価装置においては、さらに、1)板書テキストデータを記憶する板書データ記憶手段、2)前記板書データ記憶手段に記憶されたテキストデータから、所定のキーワードを抽出し、前記板書キーワード記憶手段に記憶させる板書キーワード抽出手段を備えている。したがって、板書テキストデータから板書キーワード抽出することができる。
【0197】
本発明にかかるノート評価方法は、コンピュータに、板書のテキストデータから抽出した板書データキーワードについて、その出現順序とともに記憶しておき、前記板書データキーワードおよび出現順序を用いて、生徒のノートテキストデータを評価させるノート評価方法であって、以下の処理を前記コンピュータが実行する。1)生徒のノートのテキストデータが与えられると、このテキストデータから、前記板書データキーワードを抽出し、2)前記抽出したキーワードをその出現順序と対応づけてノートキーワードとして記憶部に記憶させ、3)前記ノートキーワードについて、前記板書キーワードの出現順序に沿ったキーワードの個数を求め、これに基づき、両者の類似度を評価する。
【0198】
このように、キーワードの出現順序に沿ったキーワードの個数から両者の類似度を評価することにより、キーワードの出現順序に沿ったノートを高い評価とすることができる。
【0199】
本発明にかかるテキストデータ評価装置は、1)模範のテキストデータから抽出したキーワードについて、その出現順序とともに記憶する模範データキーワード記憶手段、2)比較対象のテキストデータを記憶する比較対象テキストデータ記憶手段、3)前記比較対象テキストデータ記憶手段に記憶されたテキストデータから、前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードを抽出する比較対象テキストキーワード抽出手段、4)前記比較対象テキストキーワード抽出手段が抽出したキーワードをその出現順序と対応づけて記憶する比較対象キーワード記憶手段、5)前記比較対象キーワード記憶手段に記憶されたキーワードについて、前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序に沿ったキーワードの個数に基づき、両者の類似度を評価する評価手段を備えている。
【0200】
このように、キーワードの出現順序に沿ったキーワードの個数から両者の類似度を評価することにより、キーワードの出現順序に沿ったテキストデータを高い評価とすることができる。
【0201】
また、「キーワードをその出現順序と対応づけて記憶する」とは、実施形態に示すように、出現順序順にキーワードをテーブル形式で記憶する場合はもちろん、それ以外の形式も含む。「板書キーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序に沿ったキーワードの個数」とは、実施形態では、板書キーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現数および連続するキーワードの一致数で演算する場合と、連続するキーワードの個数を演算し、この総計で演算する場合について説明したが、これに限定されるものではない。「連続する」とは、欠落なく連続する場合はもちろん、非連続であっても所定数範囲内の非連続である場合も含む。「不存在ワード」とは、記号であってもよく、また、連続番号で表す場合にかなり大きな値などとすればよい。「テキストデータ」とは、テキストデータを含んでいれば十分であり、たとえばタグが付与されたXMLデータ等も含む概念である。
【0202】
また、「出現順序に沿ったキーワードの個数」とは、ノートキーワードテーブルにおけるキーワードの出現順序が欠落せず連続している個数、欠落しているキーワードを無視して考えた場合には連続する個数も含む。このように「出現順序に沿う」とは、あるキーワードについてその直前または直後のキーワードとの相対関係で決定される場合と、あるキーワードについてその直前または直後のキーワード以外のキーワードとの相対関係で決定される場合とを含む。また、ノートキーワードテーブルに存在するキーワードをベースに考える場合と、模範キーワードテーブルに存在するキーワードをベースに考える場合といずれも含む。
【図面の簡単な説明】
【0203】
【図1】この発明の一実施形態によるノート評価装置1の機能ブロック図である。
【図2】ノート評価装置1を、CPUを用いて実現した場合のハードウエア構成である。
【図3】模範のテキストデータの一例である。
【図4】全体のフローチャートである。
【図5】模範キーワードテーブルのデータ構造を示す図である。
【図6】ノートデータの一例である。
【図7】ノートキーワードテーブルのデータ構造を示す図である。
【図8】評価処理の詳細フローチャートである。
【図9】評価処理の詳細フローチャートである。
【図10】ノートキーワード出現順テーブルのデータ構造を示す図である。
【図11】第2実施形態における評価処理の詳細フローチャートである。
【図12】第2実施形態における評価処理の詳細フローチャートである。
【図13】第3実施形態における評価処理の詳細フローチャート(後半)である。
【図14】ブロック化した場合の処理を説明するための図である。
【図15】ブロック化した場合の評価処理の詳細フローチャートである。
【図16】近似直線を求める場合の評価処理の詳細フローチャートである。
【図17】近似直線の一例である。
【図18】近似直線の勾配と対応するポイントの一例を示す図である。
【図19】ノートキーワード出現順テーブルの他のデータ構造を示す図である。
【図20】模範キーワードテーブルおよび、ノートキーワードテーブルに、出現位置およびキーワード間文字列数を追加した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0204】
1・・・・ノート評価装置
23・・・CPU
27・・・メモリ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーワードと、その出現順序とを関連付けて記憶する模範キーワード記憶手段、
生徒のノートのテキストデータを記憶するノートデータ記憶手段、
前記ノートデータ記憶手段に記憶されたテキストデータから、前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードを抽出するノートキーワード抽出手段、
前記ノートキーワード抽出手段が抽出したキーワードを前記ノートデータ記憶手段に記憶されたテキストデータにおける出現順序と対応づけて記憶するノートキーワード記憶手段、
前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードについて、前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序と、前記ノートキーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序を比較して、その比較結果に基づき両者の類似度を評価する評価手段、
を備えたノート評価装置。
【請求項2】
請求項1のノート評価装置において、
前記評価手段は、前記板書キーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序に沿ったキーワードの個数を求め、これに基づき両者の類似度を評価すること、
を特徴とするノート評価装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2のノート評価装置において、
前記ノートキーワード抽出手段は、抽出する各キーワード間の文字数も併せて抽出し、
前記ノートキーワード記憶手段は、抽出された文字数を対応づけて記憶し、
前記評価手段は、連続するキーワードであっても文字数が所定数以上離れている場合には、連続していないキーワードとして取り扱うこと、
を特徴とするノート評価装置。
【請求項4】
請求項1のノート評価装置において、
前記評価手段は、前記模範キーワード記憶手段に記憶された出現順序から決定される基準直線を基礎傾向直線とし、前記ノートデータ記憶手段のキーワードの数および出現順序から決定される近似直線を比較対象傾向直線とし、前記基礎傾向直線と前記比較対象傾向直線のずれの大きさから両者の類似度を決定すること、
を特徴とするノート評価装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項3のいずれかのノート評価装置において、
前記評価手段は、模範キーワード記憶手段のキーワードを所定のブロックに分けて、各ブロックの評価値を演算し、これを総計して評価すること、
を特徴とするノート評価装置。
【請求項6】
コンピュータを、以下の手段として機能させるためのノート評価プログラム。
模範のテキストデータから抽出したキーワードについて、その出現順序とともに記憶する模範キーワード記憶手段、
生徒のノートのテキストデータを記憶するノートデータ記憶手段、
前記ノートデータ記憶手段に記憶されたテキストデータから、前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードを抽出するノートキーワード抽出手段、
前記ノートキーワード抽出手段が抽出したキーワードを前記ノートデータ記憶手段に記憶されたテキストデータにおける出現順序と対応づけて記憶するノートキーワード記憶手段、
前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードについて、前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序と、前記ノートキーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序を比較して、その比較結果に基づき、両者の類似度を評価する評価手段。
【請求項1】
キーワードと、その出現順序とを関連付けて記憶する模範キーワード記憶手段、
生徒のノートのテキストデータを記憶するノートデータ記憶手段、
前記ノートデータ記憶手段に記憶されたテキストデータから、前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードを抽出するノートキーワード抽出手段、
前記ノートキーワード抽出手段が抽出したキーワードを前記ノートデータ記憶手段に記憶されたテキストデータにおける出現順序と対応づけて記憶するノートキーワード記憶手段、
前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードについて、前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序と、前記ノートキーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序を比較して、その比較結果に基づき両者の類似度を評価する評価手段、
を備えたノート評価装置。
【請求項2】
請求項1のノート評価装置において、
前記評価手段は、前記板書キーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序に沿ったキーワードの個数を求め、これに基づき両者の類似度を評価すること、
を特徴とするノート評価装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2のノート評価装置において、
前記ノートキーワード抽出手段は、抽出する各キーワード間の文字数も併せて抽出し、
前記ノートキーワード記憶手段は、抽出された文字数を対応づけて記憶し、
前記評価手段は、連続するキーワードであっても文字数が所定数以上離れている場合には、連続していないキーワードとして取り扱うこと、
を特徴とするノート評価装置。
【請求項4】
請求項1のノート評価装置において、
前記評価手段は、前記模範キーワード記憶手段に記憶された出現順序から決定される基準直線を基礎傾向直線とし、前記ノートデータ記憶手段のキーワードの数および出現順序から決定される近似直線を比較対象傾向直線とし、前記基礎傾向直線と前記比較対象傾向直線のずれの大きさから両者の類似度を決定すること、
を特徴とするノート評価装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項3のいずれかのノート評価装置において、
前記評価手段は、模範キーワード記憶手段のキーワードを所定のブロックに分けて、各ブロックの評価値を演算し、これを総計して評価すること、
を特徴とするノート評価装置。
【請求項6】
コンピュータを、以下の手段として機能させるためのノート評価プログラム。
模範のテキストデータから抽出したキーワードについて、その出現順序とともに記憶する模範キーワード記憶手段、
生徒のノートのテキストデータを記憶するノートデータ記憶手段、
前記ノートデータ記憶手段に記憶されたテキストデータから、前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードを抽出するノートキーワード抽出手段、
前記ノートキーワード抽出手段が抽出したキーワードを前記ノートデータ記憶手段に記憶されたテキストデータにおける出現順序と対応づけて記憶するノートキーワード記憶手段、
前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードについて、前記模範キーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序と、前記ノートキーワード記憶手段に記憶されたキーワードの出現順序を比較して、その比較結果に基づき、両者の類似度を評価する評価手段。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−55373(P2010−55373A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−219602(P2008−219602)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(599108242)Sky株式会社 (257)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(599108242)Sky株式会社 (257)
【Fターム(参考)】
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