説明

ハイスピード光学波長チューニング源の利用のための装置及び方法

例えば、ハイスピード波長チューニングを提供するための装置、光源構成及び方法の例示的な実施態様が提供されうる。例示的な実施態様に従って、(i)約6000(約2000)テラヘルツ/ミリ秒より大きい絶対速度にて変化する中心周波数をもつスペクトルを有し、(ii)約10テラヘルツより大きいレンジに渡って変化する中心周波数を有し、及び/又は(iii)約15ギガヘルツより小さい瞬間線幅を有する、電磁放射を放出するように構成された少なくとも一つの構成が提供されうる。他の例示的な実施態様に従って、周期的にかつ時間の関数として、少なくとも一つの第一の電磁放射の中心周波数に基づいて該少なくとも一つの第一に電磁放射を選択するように構成された少なくとも一つの構成(ここで、周期的選択は第一の固有周期で実行される)が提供されうる。中心周波数は、時間とともに直線的に変化し、ここで、装置は、第二の固有周期で時間の関数として周期的に変化する中心周波数をもつスペクトルを有する少なくとも一つの第二の電磁放射を放出できる。更に、第一の固有周期は、該第二の固有周期より大きくできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の開示の例示的な実施態様は、一般に、光学システムに関し、特には、波長チューニングのための光学波長フィルターシステム及び方法、該光学波長フィルターシステムを用いることができる波長掃引レーザー構成及び方法に関する
【0002】
(関連出願の表示)
本出願は、2009年2月4日出願の米国特許出願第61/149,992号明細書に基づきかつその優先権を主張するものであり、その米国出願の全ての開示は引用することにより本明細書の一部である。
【背景技術】
【0003】
光学反射率測定法、生医学イメージング、センサーインテロゲイション、並びに試験及び測定のための、素早くかつ広範囲にチューニング可能な波長レーザー源を開発すべく多大なる努力が払われてきた。狭い線幅、広範囲でかつ素早いチューニングは、内部空洞狭帯域波長スキャンニングフィルターを用いて得られてきた。モードホッピングがない単一周波数操作は、回折格子フィルター構成を用いて拡大空洞半導体レーザー中で提供されてきた。しかしながら、単一周波数レーザー操作を得るため、及びモードホッピングがないチューニングを確実にするためには、慣例的に、複雑な機械装置及び限界最大チューニングスピードを用いることが要求されるであろう。慣用のシステムを用いて示される最も早いチューニングスピードの一つは、100nm/s未満が限界であった。ある種の用途、例えば、生医学イメージングでは、10GHzより大きい瞬間線幅(instantaneous line width)に対応する多重縦モード操作が十分でありうる。このような幅は、スペクトル符号化共焦点顕微鏡法でのマイクロメーターレベルの横断解像及び光学コヒーレンストモグラフィーにおいて組織中の数ミリメーターの深さ範囲を提供できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際特許出願公開WO 2005/001401号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Oh, Optics Letters 30(23), 3159-3161 (2005)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
おおよそ、約10GHzの線幅は、内部空洞チューニング要素(例えば、音響光学フィルター、ファブリ−ペローフィルター、及びガルバノメーター駆動回折格子フィルター)を用いて達成できる。しかしながら、以前提供されていた掃引周波数は、約1kHz未満であり、フィルターの有限なチューニングスピードによって限定されていた。15kHzより大きい繰り返し速度を持ったより高速スピードのチューニングが、生医学用途における、ビデオレート(例えば、30フレーム/秒より大きい)、高解像光学イメージングには必要であろう。
【0007】
更に、波長掃引レーザーは、多角形スキャンニングフィルターを用いることができ、そして約10,000nm/msに及ぶハイスピード波長チューニングを提供できると記載されている。ハイスピードの多角形ベースの波長掃引光源は、約200フレーム/sという速さのハイスピードイメージング、及び約10,000nm/msという速さの波長チューニングを容易としており、0.15nmより狭い瞬間線幅の維持は既に、現在の多角形ベースの波長掃引フィルターの限界に達している。
【0008】
確かに、本発明の開示の例示的な実施態様の目的の一つは、上記した従来技術の手順及びシステムの欠点及び/又は限界を減ずることでありそれに向けられている。例えば、より速いチューニング、広範囲の波長チューニング及び速いチューニング速度での狭い瞬間線幅に関しては、波長スキャンニングフィルター構成及び手順(例えば、レーザー手順)の例示的な実施態様が必要であろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の開示の例示的な実施態様は、広範囲のスペクトルチューニング及び狭い瞬間線幅をもつハイスピード波長掃引光を提供する、光波フィルターリングのための装置、光源構成及方法に関する。本発明の開示の一つの例示的な実施態様では、例示的なハイスピード波長掃引レーザーは、例えば、光源の出力ポートにて、多角形スキャンニングミラー、半導体光増幅器(SOA)利得媒体を持つ短長レーザー共振器、時間インターリービング光遅延線、及び/又はブースター光増幅器を用いることができる、高フィネス波長チューニングフィルターを含むことができる。ある例示的な光学要素及び例示的な構成並びに短長レーザー空洞は、狭い瞬間線幅で広チューニングレンジに渡ってハイスピード波長掃引を容易にできる。一つの例示的な構成において、約0.2nmより狭い瞬間線幅で、約41,000nm/msより大きい波長変位率を得ることができる。例示的なレーザー共振器は、例えば、利得を最大としかつレーザー空洞の空洞長を最少化するために、特に設計された半導体光学利得媒体で、単方向リング又は直線空洞を含むことができる。
【0010】
従って、本発明の開示に従った装置の例示的な実施態様が提供できる。この例示的な実施態様では、電磁放射を放出するように構成された少なくとも一つの構成が提供される。このような例示的な放射は、(i)約6000テラヘルツ/ミリ秒より大きい絶対速度にて、及び(ii)約10テラヘルツより大きいレンジに渡って、変化する中心周波数をもつスペクトルを有することができる。
【0011】
例えば、中心周波数は、5キロヘルツより大きい繰り返し速度にて繰り返し変化できる。スペクトルは、1300nmにおおよその中心をもつチューニングレンジを持つことができる。スペクトルは、100ギガヘルツより小さい、又は35ギガヘルツである瞬間線幅を持つことができる。放出電磁放射と関連した少なくとも一つのシグナルを受け、そしてそのシグナルを更なる位置へと反射及び/又は偏光させるように構成することができる多角形構成が提供できる。加えて、光回路を形成でき、そして、放出電磁放射の空間モードを制御するように構成できる、レーザー共振システムが提供できる。例示的な装置は、放出電磁放射が、レーザー共振システムの少なくとも一つの部分内で、実質的に一定方向に伝播するようにすることができる。
【0012】
本発明の開示に従った装置の他の例示的な実施態様が提供できる。この例示的な実施態様では、電磁放射を放出するように構成された少なくとも一つの構成がまた提供できる。このような例示的な放射は、(i)約2000テラヘルツ/ミリ秒より大きい絶対速度にて変化する中心周波数をもつスペクトル、及び(ii)約15ギガヘルツより小さい瞬間線幅を有することができる。
【0013】
更なる例示的な実施態様に従って、周期的に及び時間の関数として、少なくとも一つの第一の電磁放射の中心周波数に基づいて少なくとも一つの第一の電磁放射を選択するように構成された少なくとも一つの構成が提供でき、そこでは、周期的選択は、第一固有周期にて実行される。中心周波数は、経時的に直線的に変化でき、そこでは、装置は、第二の固有周期で時間の関数として周期的に変化する中心周波数を持つスペクトルと有する少なくとも一つの第二の電磁放射を放出することができる。更に、第一の固有周期は、第二の固有周期より大きくできる。
【0014】
例えば、第一の固有周期は、第二の固有周期の少なくとも二倍とすることができる。第二の電磁放射は、約2000テラヘルツ/ミリ秒より大きい絶対速度にて変化する中心周波数をもつスペクトルを有することができる。第二の電磁放射はまた、約15ギガヘルツより小さい瞬間線幅を持つことができる。
【0015】
本発明の開示の他の更なる例示的な実施態様に従って、装置が提供できる。例示的な装置は、少なくとも一つの第一の電磁放射の中心周波数に基づいて少なくとも一つの第一の電磁放射を選択するように構成できる少なくとも一つの構成を含むことができる。選択は、第一の固有フリースペクトルレンジをもった構成によって実行できる。例えば、装置は、第二の固有フリースペクトルレンジをもった時間の関数として周期的に変化する中心周波数をもつスペクトルを有することができる少なくとも第二の電磁放射を放出することができる。第一の固有フリースペクトルレンジは、第二の固有フリースペクトルレンジより大きくできる。
【0016】
本発明の一つの例示的な変形に従って、第一の固有周期は、第二の固有周期の少なくとも二倍とすることができる。第二の電磁放射は、約2000テラヘルツ/ミリ秒より大きい絶対速度にて変化する中心周波数をもつスペクトルを有することができる。第二の電磁放射はまた、約15ギガヘルツより小さい瞬間線幅をもつことができる。中心周波数は、経時的に直線的に変化できる。
【0017】
また更なる例示的な実施態様では、装置が提供できる。この例示的な装置は、周期的にかつ時間の関数として、少なくとも一つの第一の電磁放射の中心周波数に基づいて少なくとも一つの第一の電磁放射を選択するように構成された少なくとも構成を含むことができる。周期的な選択は、第一の固有周期にて実行できる。例示的な装置はまた、第二の固有周期で時間の関数として周期的に変化する中心周波数をもつスペクトルを有する少なくとも一つの第二の電磁放射を放出するように構成することができる。例えば、第一の固有周期は、第二の固有周期の期間の2倍より大きくすることがきる。
【0018】
本発明の開示の例示的な実施態様のこれらの及び他の目的、特徴及び利点は、添付の請求の範囲とともに、本発明の開示の例示的な実施態様の以下の詳細な記載を読むことにより明らかとなろう。
【0019】
本発明の開示の更なる目的、特徴及び利点は、本発明の開示の実例である実施態様を示す添付の図面とともに、以下の詳細な記載から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の開示に従った一方向リング共振器をもったハイスピード波長掃引レーザーシステム/構成の第一の例示的な実施態様の概略図である。
【図2】図2は、本発明の開示の例示的な実施態様に従った、時間インターリービング光学遅延線及びブースター増幅器の例示的な使用を示している、組合せブロック及び機能図である。
【図3】図3(a)は、本発明の開示に従った、レーザー出力をコピー・アンド・ペーストするための、縦列のマッハツェンダー干渉計をもった時間インターリービングファイバー遅延線の例示的な実施態様の図である。図3(b)は、本発明の開示に従った、レーザー出力をコピー・アンド・ペーストするための、ファラデー回転ミラーをもった樹木様ファイバー遅延の時間インターリービングファイバー遅延線の他の例示的な実施態様の図である。
【図4】図4は、本発明の開示に従った、一方向リング共振器をもったハイスピード波長掃引レーザーシステム/構成の第二の例示的な実施態様の概略図である。
【図5】図5は、本発明の開示に従った、線形空洞共振器をもったハイスピード波長掃引レーザーシステム/構成の第三の例示的な実施態様の概略図である。
【図6】図6は、本発明の開示に従った、線形空洞共振器をもったハイスピード波長掃引レーザーシステム/構成の第四の例示的な実施態様の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面を通じて、同じ参照番号及び符号は、特に断りのない限りは、図解されている実施態様の同様の特徴、要素、構成要素又は部分を示すために用いられる。更に、本発明の主題の開示を、以下に、図面を参照して詳細に記載するが、それは実例である実施態様との関係でなされる。記載された例示的な実施態様に対する置換及び変更が、添付の請求の範囲によって定義される主題の開示の範囲から離れることなしに行われうるということが意図されている。
【0022】
図1は、本発明の開示に従ったハイスピード波長掃引レーザーシステム/構成の例示的な実施態様の概略図を示している。例えば、例示的なレーザーシステム/構成は、多角形スキャンニングミラー700を利用することができる光学高フィネス波長チューニングフィルター1’、短長一方向リング共振器空洞2’、及びブースター光学増幅器500をもった時間インターリービング光学遅延線400を含むことができる。例示的な光学波長チューニングフィルター1’は、実質的に同じ又は同一の入力及び出力ポートを持つことができる反射タイプのフィルターとして構成することができる。例示的な波長チューニングフィルター1’は、回折格子220、レンズ260及び262を持つテレスコープ、多角形スキャンニングミラー700、及び末端反射器280及び282を含むことができる。
【0023】
本発明の開示の例示的な実施態様に従った波長チューニング手順の例示的な実行は、フィルターの大きなフィネスのための多角形ミラーの4倍反射(例えば、2倍X二重パス)の例示的な手順を含む、従来のアプローチ(Oh, Optics Letters 30(23), 3159-3161 (2005)の記載、及び国際特許出願公開WO 2005/001401号公報の記載を参照)と同様とすることができるが、けれども、光学パス長を減少するための本発明の開示の例示的な実施態様に従った折りたたみテレスコープではない。慣用のアプローチでは、多数の面をもつ多角形スキャンニングミラーは、チューニング繰り返し速度を増加するために用いることができる。面の数を増やすことはチューニング繰り返し速度の増加を助けるが、所与のフィルターの帯域幅を持って波長掃引速度を上げるための最も効率的な方法ではないであろう。このことは、ユニット時間当たりの全波長掃引レンジ及びフィルター通過帯域のユニット幅によって特徴づけることができる。
【0024】
例えば、固定したフィルター帯域幅をもって、多角形スキャンニングフィルターのフィネスは、N2に反比例しうる。
【0025】
【数1】

ここで、(FSR)はフリースペクトルレンジであり、(δλ)3dBはフィルターの3dB帯域幅であり、Dは多角形の直径であり、そしてNは多角形の面の数である。従って、波長掃引速度は、一般に、1/Nに比例するようになる。慣用の、115kHzの繰り返し速度(9,200nm/ms)を提供するN=128を持つ多角形ベースの波長掃引レーザーを用いて、例えば、もしN=28の多角形ミラー700を用いれば、約41,800nm/msの波長掃引速度を得ることが可能である。本発明の開示の例示的な実施態様に従って、チューニング繰り返し速度は、約25kHzであることができる。しかしながら、(波長チューニングレンジを決定する)FSRは、約1,664nmとなりうる。
【0026】
レーザー空洞中の利得が、約104nmの帯域幅を超えるレージングを支持する場合は、約104nmを越える連続波長掃引が、約6.25%の負荷サイクル322で得られうる。次いで、例示的なレーザー出力のアイドル部分は、レーザー出力の15コピーを作ることによって完全に満たされ、適当に遅延され、そして時間インターリービング光学遅延線400でペーストされ、例えば、多角形700の単一の面−面回転期間において約16波長掃引をもたらす。結果として、約400kHz(25kHz X 16)の繰り返し速度を得ることができる。遅延線400の出力は、ブースター増幅器500を用いて増幅されうる。
【0027】
波長掃引速度が高い時は、レーザー空洞の光学パス長の減少が重要となるであろう。例えば、空洞往復当たりのフィルター中心波長のシフトを減少するために、長光子空洞内寿命を助けるために、レーザー共振器の長さを、テレスコープのための短焦点距離レンズ(例えば、レンズ)260、262を用いることにより減少及び/又は最少とすることができる。リング空洞2’では、アイソレーター(これは、単一方向のレージングを容易とする)は、半導体光学増幅器(SOA)利得媒体100の内部に一体化することができ、そしてSOA100のファイバーピグテール120、122は、末端/コネクタ140、142において再コネクトすることができ、従って、光学ファイバーを最小長とすることができる。リング振動を形成するために、多角形フィルターの出力は、反射器200によって、垂直方向にオフセットされ、SOA100の入力コネクタ142へと向けることができる。図1に示された例示的な実施態様の追加の要素及びその例示的な操作は、以下に記載する。
【0028】
図2は、時間インターリービング光学遅延線及びブースター増幅器の例示的な使用を解説した本発明の開示に従った例示的な実施態様の組合せブロック及び機能図を示している。例えば、レーザー出力246は、例えば、この例示的なケースでは約25%の負荷サイクルを有することができる多角形フィルター820から直接提供されることができる。この出力の3つのコピーは、方向性を持ちそして244にて作られることができ、適当に遅延し、次いで、時間インターリービング遅延線400を通って840へと送られうる。レーザー出力600は、次いで、ブースター増幅器500によって回復860されうる。
【0029】
図3(a)及び3(b)は、本発明の開示に従って、レーザー出力をコピー・アンド・ペーストするための光ファイバーをもった時間インターリービング光学遅延線の例示的な実施態様を示している。例えば、3コピーを作成するために、ファイバー遅延の3つの異なった長さ、442、444、446が用いられうる。これらの例示的な遅延コピーは、例えば、図3(a)(それはまた、スプリッター420、422、424の使用、及びライン402上に提供される出力を示している)の例示的な実施態様に示される縦列のマッハツェンダー干渉計を用いて、元のレーザー出力246に貼り付けることができる。図3(b)の例示的な実施態様に示されるように、サーキュレーター403、スプリッター421、423、425及びファラデー回転ミラー460、462、464及び466をもった樹木様の干渉計を用いて、遅延線中の複屈折を減少又は排除することもまた可能である。
【0030】
図4は、本発明の開示に従ったハイスピード波長掃引レーザーシステム/構成の第二の例示的な実施態様の概略図を示している。この例示的な実施態様を用いて、SOA(例えば、利得媒体)100の後、そして自由空間出力ビームスプリッター240を通して、レーザー空洞の出力を得ることができる。フィルター処理した光320は、ポイント300にて結合される前にSOA100によって増幅されうるので、空洞302からの出力光は、出力のアイドル部分の間、例えば、特定量の振幅自然放出(ASE)を含み得る。このようなASEが、遅延線/構成400中のコピーされたレーザー出力と重複することを防ぐため又は減少させるために、SOA利得媒体100は、レーザー共振器出力のアイドルの間、ポイント102においてスイッチが切られるように調節することができる。
【0031】
図5は、本発明の開示に従った例示的な線形空洞構成をもったハイスピード波長掃引レーザーシステム/構成の第三の例示的な実施態様の概略図を示している。例えば、ミラーコーティング122を有するSOA利得媒体110は、システム/構成の一方の端に提供されて、レーザー構成の線形空洞振動を支持することができる。レーザーのオシレーターからの出力は、自由空間光学ビームスプリッター240によって結合されうる。
【0032】
図6は、本発明の開示に従った線形空洞配置をもったハイスピード波長掃引レーザーシステム/構成の第四の例示的な実施態様の概略図を示している。この例示的な実施態様では、部分反射コーティング124をもつSOA利得媒体112は、システム/構成の一方の端に提供されて、部分反射器124を通した送信光及びレーザーの線形空洞振動を支持することができる。このようなSOA利得媒体は、レーザー出力として結合することができ、そして、定方向光が、光学遅延線400へと向けられる(244)ことができる。レーザー共振器出力のアイドル部分中のASEは、SOA112の利得スイッチング102を用いて減少及び/又は排除できる。
【0033】
上記は単に本発明の原理を説明しているに過ぎない。記載された実施態様への種々の変更及び置換は、本明細書の教示を考慮して当業者にとって明らかであろう。実際に、本発明の開示の例示的な実施態様に従った構成、システム及び方法は、任意のOCTシステム、OFDIシステム、SD−OCTシステム又は他のイメージングシステムとともに用いることができ及び/又はそれらを実行することができ、そして、例えば、2004年9月8日出願の国際特許出願PCT/US2004/029148号(これは、国際公開第WO 2005/047813号として2005年5月26日に公開されている)、2005年11月2日出願の米国特許出願第11/266,779号明細書(これは、米国特許出願公開第2006/0093276号として、2006年5月4日に公開されている)、2004年7月9日出願の米国特許出願第10/501,276号明細書(これは、米国特許出願公開第2005/0018201号として、2005年1月27日に公開されている)、及び2002年5月9日公開の米国特許出願公開第2002/0122246号明細書に記載の構成、システム及び/又は方法とともに用いることができる。これらの公報の記載は全て、引用することにより本明細書の一部である。従って、本技術分野の当業者は、本明細書中に明白に示され又は記載されてはいないが、本発明の原理を具現化する多数のシステム、構成及び方法を考えることができ、それらは本発明の開示の範囲に含まれるということが理解される。加えて、本明細書において明示的に引用はされていない従来技術の知識も、ここにおいて、それらの全ての開示は本明細書に明示的に引用される。本明細書で参照された上記の全ての公報及び文献の開示の全ては、ここで引用することにより本明細書の一部である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)約6000テラヘルツ/ミリ秒より大きい絶対速度にて、及び(ii)約10テラヘルツより大きいレンジに渡って、変化する中心周波数をもつスペクトルを有する電磁放射を放出するように構成された少なくとも一つの構成を含む装置。
【請求項2】
前記中心周波数が、5キロヘルツより大きい繰り返し速度にて繰り返し変化する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記スペクトルが、おおよそ1300nmに中心をもつチューニングレンジを有する請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記スペクトルが、100ギガヘルツより小さい瞬間線幅を有する請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記スペクトルが、35ギガヘルツより小さい瞬間線幅を有する請求項2に記載の装置。
【請求項6】
更に、前記放出された電磁放射と関連した少なくとも一つのシグナルを受けとり、及び該少なくとも一つのシグナルを更なる位置へと反射又は屈折するように構成された多角形構成を含む請求項1に記載の装置。
【請求項7】
更に、光回路を形成し、及び前記放出された電磁放射の空間モードを制御するように構成されたレーザー共振システムを含む請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記装置が、前記放出された電磁放射を、前記レーザー共振システムの少なくとも一つの部内で実質的に一定方向に伝播させる、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
(i)約2000テラヘルツ/ミリ秒より大きい絶対速度にて変化する中心周波数をもつスペクトル、及び(ii)約15ギガヘルツより小さい瞬間線幅、を有する電磁放射を放出するように配置された構成を含む装置。
【請求項10】
更に、前記放出された電磁放射と関連した少なくとも一つのシグナルを受けとり、及び該少なくとも一つのシグナルを更なる位置へと反射又は屈折するように構成された多角形構成を含む請求項9に記載の装置。
【請求項11】
更に、光回路を形成し、及び前記放出された電磁放射の空間モードを制御するように構成されたレーザー共振システムを含む請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記装置が、前記放出された電磁放射を、前記レーザー共振システムの少なくとも一つの部内で実質的に一定方向に伝播させる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
周期的にかつ時間の関数として、少なくとも一つの第一の電磁放射の中心周波数に基づいて該少なくとも一つの第一に電磁放射を選択するように構成された少なくとも一つの構成(ここで、該周期的選択は第一の固有周期で実行される)を含む装置、
ここで、該中心周波数は、時間とともに直線的に変化し、
ここで、該装置は、第二の固有周期で時間の関数として周期的に変化する中心周波数をもつスペクトルを有する少なくとも一つの第二の電磁放射を放出するように構成され、及び
ここで、該第一の固有周期は、該第二の固有周期より大きい。
【請求項14】
前記第一の固有周期が、前記第二の固有周期の少なくとも二倍である請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも一つの第二の電磁放射が、約2000テラヘルツ/ミリ秒より大きい絶対速度にて変化する中心周波数をもつスペクトルを有する、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも一つの第二の電磁放射が、約15ギガヘルツより小さい瞬間線幅を有する請求項15に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも一つの第一の電磁放射の中心周波数に基づいて該少なくとも一つの第一に電磁放射を選択するように構成された少なくとも一つの構成(ここで、該選択は、第一のフリースペクトルレンジをもった該少なくとも一つの構成によって実行される)を含む装置、
ここで、該装置は、第二のフリースペクトルレンジをもって時間の関数として周期的に変化する中心周波数をもつスペクトルを有する少なくとも一つの第二の電磁放射を放出し、及び
ここで、該第一のフリースペクトルレンジは、該第二のフリースペクトルレンジより大きい。
【請求項18】
前記第一の固有周期が、前記第二の固有周期の少なくとも二倍である請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記少なくとも一つの第二の電磁放射が、約2000テラヘルツ/ミリ秒より大きい絶対速度にて変化する中心周波数をもつスペクトルを有する請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記少なくとも一つの第二の電磁放射が、約15ギガヘルツより小さい瞬間線幅を有する請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記中心周波数が、時間とともに直線的に変化する請求項17に記載の装置。
【請求項22】
周期的にかつ時間の関数として、少なくとも一つの第一の電磁放射の中心周波数に基づいて該少なくとも一つの第一に電磁放射を選択するように構成された少なくとも一つの構成(ここで、該周期的選択は第一の固有周期で実行される)を含む装置、
ここで、該装置は、第二の固有周期で時間の関数として周期的に変化する中心周波数をもつスペクトルを有する少なくとも一つの第二の電磁放射を放出するように構成され、及び
ここで、該第一の固有周期は、該第二の固有周期の期間の二倍より大きい。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−517110(P2012−517110A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548430(P2011−548430)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/023215
【国際公開番号】WO2010/091190
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(506286973)ザ ジェネラル ホスピタル コーポレーション (27)
【氏名又は名称原語表記】THE GENERAL HOSPITALCORPORATION
【住所又は居所原語表記】55 Fruit Street, Boston, MA02114 (US).
【Fターム(参考)】