説明

ハイブリッドコンポーネント

少なくとも2つの金属部分を備えるハイブリッドコンポーネントを形成する方法であって、第1の金属部分の取り合い面に少なくとも1つの巨視的な取り合い特徴部を形成することにより、この部分を準備するステップと、第1の部分を金型内に位置決めするステップと、金属粉体を金型内及び取り合い特徴部の周りに導入するステップと、金属粉体を熱間静水圧プレス(HIP)プロセスにより固結させて、取り合い特徴部を封入する第2の金属部分を形成し、コンポーネントの第1の部分と第2の部分との間に機械的接続を提供するステップと、を含む方法。また、こうして形成したハイブリッドコンポーネント。金属部分は、実質的に異なる材料特性を有することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくは実質的に異なる材料特性を有する少なくとも2つの金属部分を備えるハイブリッドコンポーネントを形成する方法に関する。本発明は、こうして形成したハイブリッドコンポーネントにも関する。
【背景技術】
【0002】
金属コンポーネント間の接合は、現在多くの方法で取り組まれているが、それぞれの方法に限界がある。
【0003】
ファスナの使用が一般的であるが、これは、フランジのボルト締めを必要とするためコンポーネントの重量の増加につながる。ボルト締めを可能にするために穿孔する孔は、亀裂発生部位として働く可能性のある応力集中も引き起こす。したがって、締結継手は、多くの航空宇宙用途に適していない。
【0004】
異種金属材料同士を接合する一般的な方法は、溶接又はろう付けである。しかしながら、これらのプロセスには限界がある。溶接は、特定の材料及び材料の組み合わせでしか行うことができず、溶接プロセスは、脆弱で耐疲労性能に悪影響を及ぼし得る局部的な熱影響部を導入する可能性がある。
【0005】
金属部分間では接着継手が可能である。しかしながら、これは剥離及び引張りに弱く、従来の航空宇宙用構造内での使用の適性が限られる。接着剤は、水分及び高温に敏感な傾向もあるため、多くの用途に適さない。
【0006】
特許文献1は、金属コンポーネントの結合面に積層造形(additive fabrication)プロセスで表面突起を一連の層状に「成長させる」方法を記載している。接着剤薄層を用いて、相補的な表面突起を有する一対の金属コンポーネントを貼り合わせることができる。相補的な突起は、結合部の表面積を改善する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2008/110835号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、少なくとも2つの金属部分を備えるハイブリッドコンポーネントを形成する方法であって、第1の金属部分の取り合い面(interfacing surface)に少なくとも1つの巨視的な取り合い特徴部(interfacing feature)を形成することにより、この部分を準備するステップと、第1の部分を金型内に位置決めするステップと、金属粉体を金型内及び取り合い特徴部(単数又は複数)の周りに導入するステップと、金属粉体を熱間静水圧プレス(HIP)プロセスにより固結させて、取り合い特徴部(単数又は複数)を封入する第2の金属部分を形成し、コンポーネントの第1の部分と第2の部分との間に機械的接続を提供するステップと、を含む方法を提供する。
【0009】
本発明のさらに別の態様は、少なくとも2つの金属部分を備えるハイブリッドコンポーネントであって、第1の金属部分は、この部分の取り合い面に形成した少なくとも1つの巨視的な取り合い特徴部を有し、第2の金属部分を、金属粉体を取り合い特徴部(単数又は複数)の周りで熱間静水圧プレスプロセスにより固結させることにより形成して、コンポーネントの第1の部分と第2の部分との間に機械的接続を提供した、ハイブリッドコンポーネントを提供する。
【0010】
本発明は、ハイブリッドコンポーネントを少なくとも2つの部分で形成することができるという点で有利である。このように、第1の金属部分及び第2の金属部分は、種々の目的に最適化した材料で形成することができる。例えば、第1の部分の材料は、複合材料に接合するように最適化することができる一方で、第2の金属部分は、比較的安価な材料で形成することができる。HIPプロセスは、約100MPaを超える高圧で通常は実行する。高圧を用いるため、取り合い特徴部(単数又は複数)が複雑な形状を有する場合でも、取り合い特徴部(単数又は複数)の周りでの金属粉体の固結により、空隙も欠陥もほとんど又は全くない高密度のハイブリッドコンポーネントを作ることができる。これは、鋳込み成形又は金属射出成形等の他の形成プロセスと比較して特に有益である。こうしたプロセスでは、取り合い特徴部(単数又は複数)の周りに若干の局在欠陥ができる可能性があり、これらのプロセスに起因してコンポーネントに若干の空隙が内在することになる。実際には、ハイブリッドコンポーネントは、第2の部分を鋳込み成形により形成した場合、鋳込み成形プロセスにより生じた孔隙を閉じるために製造後にHIPプロセスを施すことが多い。したがって、本発明のハイブリッドコンポーネントを形成する方法は、より少ないステップでコンポーネントを形成できるという点で有利である。
【0011】
取り合い特徴部(単数又は複数)は巨視的である。すなわち、取り合い特徴部は、概して少なくとも1mmの寸法を有する。取り合い特徴部は、単なる表面粗さ以上のものであり、第1の部分と第2の部分との間で明確な機械的接続を形成する。好ましくは、取り合い特徴部(単数又は複数)は、少なくとも5mmの寸法を有する。
【0012】
取り合い特徴部(単数又は複数)は、取り合い面上に一連の層状に成長させることができ、各層は、エネルギー及び/又は材料を取り合い面に指向させることにより成長させる。用いることができる適当な積層造形技法は、粉体層(powder bed)プロセス又は粉体供給プロセスである。代替的に、取り合い特徴部(単数又は複数)は、機械加工により形成することができる。取り合い特徴部は、取り合い面から延びる突起の配列であり得る。代替的に、取り合い特徴部は、複数の枝を有する樹状突起であり得る。さらにまた、取り合い特徴部は、取り合い面における一連の凹部若しくは溝又は凹部若しくは溝の配列であり得る。
【0013】
取り合い特徴部(単数又は複数)を有する第1の部分は、金型内に固定することができ、金属粉体を流動性材料として導入して、金型に充填し取り合い特徴部(単数又は複数)を包囲させることができる。
【0014】
ハイブリッドコンポーネントは、ブラケット本体(第2の部分)及び取り合いストリップ(第1の部分)を備えるブラケットコンポーネントであり得る。
【0015】
第2の部分を周りに形成するときに第1の部分の取り合い特徴部がその完全性を保持するように、第1の部分の材料は、第2の部分の材料よりも高い融点を有することが好ましい。第1の部分の材料は、第2の部分の材料よりも高いヤング率、耐食性、又は破壊靭性の少なくとも1つを有し得る。
【0016】
好ましくは、第1の部分は第2の取り合い面を有し、突起の配列を、別のコンポーネントへの埋め込み用に第2の取り合い面から延ばして形成する。突起は、第2の部分の形成前又は形成後に第2の取り合い面に形成することができる。他方のコンポーネントは、複合コンポーネントとすることができ、積層複合コンポーネントであることが好ましい。第1の取り合い面及び第2の取り合い面は、第1の部分がハイブリッドコンポーネントの取り合いストリップとして働くように第1の部分の両面にあり得る。
【0017】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ブラケット本体及び取り合いストリップを含む、第1の実施形態のハイブリッドブラケットコンポーネントの断面図を示す。
【図2】第1の実施形態の取り合いストリップの断面図を示す。
【図3】熱間静水圧プレス金型での第1の実施形態のハイブリッドブラケットコンポーネントの形成の断面図を示す。
【図4】ブラケット本体及び取り合いストリップを含む、第2の実施形態のハイブリッドブラケットコンポーネントの断面図を示す。
【図5】第2の実施形態の取り合いストリップの断面図を示す。
【図6】複合コンポーネントに接合した第2の実施形態のハイブリッドブラケットコンポーネントの断面図を示す。
【図7】ブラケット本体及び取り合いストリップを含む、第3の実施形態のハイブリッドブラケットコンポーネントの断面図を示す。
【図8】ブラケット本体及び取り合いストリップを含む、第4の実施形態のハイブリッドブラケットコンポーネントの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に示すハイブリッドブラケットコンポーネント1は、第1の金属部分及び第2の金属部分を備える。第2の金属部分は、ブラケットコンポーネント1の本体2を形成し、第1の金属部分は、取り合いストリップ3を形成する。
【0020】
次に、図1に示すハイブリッドブラケットコンポーネント1を形成する方法を詳細に説明する。まず、巨視的な取り合い特徴部4の3次元配列を矩形板6の取り合い面5に形成して、取り合いストリップ3を形成し、これを図2に示す。取り合い特徴部4は、尖端7及び張出部8をそれぞれが有する突起の配列である。
【0021】
図3に示すように、取り合い特徴部4を有する取り合いストリップ3は、2つ割りの熱間静水圧プレス金型9に、取り合い特徴部4を金型内に向けて組み込む。金型9は、取り合いストリップ3の縁部11を収容する凹部10を有する。取り合いストリップ3が所定位置にある状態で、金型9は、ブラケットコンポーネント1の本体2の形状に概ね対応する内部体積を画定する。
【0022】
ポート12,13を介して、金属粉体を金型9に導入して内部体積に充填する。金属粉体は、取り合いストリップ3の取り合い特徴部4を包囲する。続いて、金型9内の組立体に、金属粉体を固結させて固体の高密度部分である本体2にする温度及び圧力で、熱間静水圧プレス(HIP)を施す。これにより、2つの金属部分2,3間に機械的接続を発生させてハイブリッドブラケットコンポーネント1を形成する。続いて、ハイブリッドブラケット1をHIP金型9から取り出す。
【0023】
取り合いストリップ3は、Ti6Al4V等のチタン製である。本体2は、アルミニウム製である。ハイブリッドブラケット1は、コンポーネント全体で傾斜機能材料を有する傾斜機能部品である。ハイブリッドブラケット1は、その露出面14の1つの耐食性及び破壊靭性が改善されていると同時に、主にアルミニウム製であるため全体的に軽量且つ比較的安価であるという点で有利である。
【0024】
取り合いストリップ3の材料が本体2の材料よりも高い融点を有することで、本体2をHIPプロセスで成形するときに、取り合いストリップ、特にその取り合い特徴部4がその構造的完全性を保持するようになることが重要である。
【0025】
当業者には明らかであるが、2つの金属コンポーネントの材料は、種々の用途に適した傾斜機能ハイブリッド部品を提供するように変更することができる。さらに、ハイブリッドコンポーネントが3つ以上の金属部分を含み、追加の金属部分それぞれを別個のHIP金型で形成することもできる。第1の金属部分の材料は、第2の金属部分の材料よりも高いヤング率、耐食性、又は破壊靭性の少なくとも1つを有し得る。
【0026】
HIPプロセスによる追加の金属部分の形成の代替として、金属射出成形、鋳込み成形、又は他の適当なプロセスを代替的に用いてもよい。
【0027】
取り合い特徴部4は、取り合い面5に一連の層状に順次成長させ、これは、積層造形プロセス、つまり特許文献1(第8欄〜第11欄を参照)に記載のような粉体層プロセス又は粉体供給プロセスにより行う。粉体層プロセスでは、金属粉体の層を支持部材上で圧延し、レーザヘッドが、レーザを粉体層の選択部分に指向させて粉体層を走査する。溶融した粉体の固化のための休止後に、焼結に備えて別の粉末層を前の層の上に圧延する。したがって、プロセスの進行に伴い、焼結部分が構成され、未固結粉体部分により支持される。焼結部分の完成後、これを支持部材から取り外し、未固結粉体を除去する。粉体層プロセスを用いて、板6及び取り合い特徴部4を含む金属取り合いストリップ3の全体を形成することができる。
【0028】
粉体供給システムを用いて、予め製造した板6上に連続して取り合い特徴部4を蓄積させることができる。粉体供給システムは、取り合い特徴部を直列又は並列に成長させることができるが、粉体層システムは、取り合い特徴部を並列に成長させることしかできない。粉体供給システムでは、未焼結粉体がチャネルを通ってレーザビームの焦点に流れ込む。粉体は、堆積するにつれて溶融してビーズを形成し、これが既存の材料と共に固結する。粉体は、取り合い面5の選択部分にのみ指向させ、送出しつつ溶融させる。特許文献1に記載の粉体層システム又は粉体供給システムのレーザ源は、電子ビームを指向させるための電子ビーム源等の別のパワービーム源に置き換えることができる。
【0029】
代替的に、取り合い特徴部4は、国際出願第2004/028731号明細書に記載のプロセスを用いて、板6の取り合い面5から表面材料を「めくり上げて(flick-up)」特徴部4を彫刻するために、電子ビーム等のパワービームを用いることにより生成することができる。
【0030】
取り合い特徴部4は、機械加工により形成することもできる。
【0031】
ハイブリッドブラケットコンポーネント21の第2の実施形態を図4に示す。ハイブリッドブラケット21は、第1の金属部分及び第2の金属部分を備える。第2の金属部分は、ブラケットコンポーネント21の本体22を形成し、第1の金属部分は、取り合いストリップ23を形成する。
【0032】
ハイブリッドブラケット21は、ハイブリッドブラケット1と同様であるが、取り合いストリップ23が、矩形板26の第1の取り合い面25上の巨視的な取り合い特徴部24の配列に加えて、第1の取り合い面25の反対側の第2の取り合い面36に突起35の配列を含む点が異なる。
【0033】
図4に示すハイブリッドブラケットコンポーネント21を形成する方法は、第1の実施形態に関して上述したものと同様であるが、第2の取り合い面36に突起35の配列を形成するステップを追加する。取り合い特徴部24は、尖端27及び張出部28をそれぞれが有する突起の配列である。突起35は、突起24とは逆向きであり、同じく尖端37及び張出部38をそれぞれが有する。
【0034】
取り合い特徴部24及び突起35は、特許文献8に記載の積層造形プロセスの1つにより、取り合い面25,36に一連の層状に順次成長させる。代替的に、取り合い特徴部24及び突起35は、国際公開第2004/028731号明細書に記載のプロセスにより、又は機械加工により形成することができる。2組の突起24,35の形成に用いる方法に応じて、第1の組の突起を取り合い面の一方に形成した後に板26を反転させることで、他方の組の突起を取り合い面の他方に形成できるようにする必要があり得る。
【0035】
本体22は、第1の実施形態に関して上述したのと同様の方法で形成し、HIPプロセスで取り合い特徴部24の周りで金属粉体を固結させることによりハイブリッドブラケットコンポーネント21を形成する。
【0036】
上記方法の代替として、第2の実施形態のハイブリッドブラケットコンポーネント21は、ハイブリッドブラケットコンポーネント1を採用して、上述の突起形成法のいずれかにより露出面14上に突起35の配列を形成することにより形成してもよい。
【0037】
ハイブリッド貫入強化型(Hybrid Penetrative Reinforcement)(HYPER)継手は、ブラケットコンポーネント21の突起35の配列を複合コンポーネントに埋め込んでから、コンポーネントを共硬化させることにより形成することができる。HYPER継手の形成は、特許文献1(第7欄及び第8欄を参照)に詳述されている。
【0038】
ブラケットコンポーネント21は、突起25を外向きにして金型に組み込み、複合レイアップ材を金型に敷く。複合レイアップ材は、未硬化エポキシ樹脂を予備含浸した一連の一方向性炭素繊維プライを備える。各プライは、「プレプレグ」として従来既知である。初期のプレプレグには、突起35を貫通させる。レイアップ材の形成後、いわゆる「減圧バッグ」プロセスによりこれを硬化及び固結させる。すなわち、レイアップ材を真空膜(及び随意に、通気層又はピールプライ等のさまざまな他の層)により覆い、真空膜から排気して固結圧力を加えるとともに水分及び揮発物を抽出し、レイアップ材を(随意にオートクレーブで)加熱してエポキシ樹脂マトリックスを硬化させる。エポキシ樹脂マトリックスは、硬化前に溶融すると流れて突起35と密着する。突起は、マトリックスと機械的に係合する一方で、結合部の表面積も拡大する。得られるHYPER継手を図6に示し、この場合、ブラケットコンポーネント21は、金型からの取り出し後に複合コンポーネント40に接合した。接合したコンポーネントは、続いてさまざまな他のコンポーネントと組み立てることができる。
【0039】
上述のHYPER継手を形成する方法の代替として、プライをドライ繊維プライとして金型に敷き、その後そこに樹脂を注入して硬化させ、複合コンポーネント40を形成してもよい。
【0040】
突起のプロファイルは、複合コンポーネントへの埋め込みに最適化することができる。各突起は、円錐状の先端、円錐台形の底部、及び逆円錐台形の張出部を有し得る。張出部は、傾斜して第2の取り合い面の方を向いたアンダーカット縁部を有し得る。円錐状の先端及び逆円錐台形の張出部は、合わせて各突起の「頭部」を形成する。
【0041】
上述の実施形態では、取り合い特徴部は、尖端及び張出部をそれぞれが有する突起の配列である。しかしながら、取り合い特徴部が多くの異なる形態をとり得ることが理解されよう。
【0042】
図7は、本体102及び取り合いストリップ103を備えるハイブリッドブラケットコンポーネント101の第3の実施形態を示す。取り合いストリップは、その取り合い面105に形成して樹状構造を有する単一の取り合い特徴部104を有する。図8は、本体202及び取り合いストリップ203を備えるハイブリッドブラケットコンポーネント201の第4の実施形態を示す。取り合いストリップは、その取り合い面205に一連の溝として形成した取り合い特徴部204の配列を有する。
【0043】
図7及び図8に示す実施形態の取り合い特徴部(単数又は複数)104/204は、例えば、前述の積層造形プロセス、表面彫刻プロセス、又は機械加工プロセスの1つにより形成することができる。ブラケットコンポーネント101/201の本体102/202は、前述のHIPプロセスを用いて取り合い特徴部(単数又は複数)104/204の周りで金属粉体を固結させることにより形成することができる。取り合いストリップ及び本体に前述と同様の材料を用いることができる。ハイブリッドブラケットコンポーネント101/201は、第2の実施形態を参照して上述した方法を用いてHYPER継手を形成することにより、複合コンポーネントに接合することができる。
【0044】
本発明を1つ又は複数の好適な実施形態を参照して上述したが、添付の特許請求の範囲に定める本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び変形が可能であることが理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの金属部分を備えるハイブリッドコンポーネントを形成する方法であって、第1の金属部分の取り合い面に少なくとも1つの巨視的な取り合い特徴部を形成することにより、前記部分を準備するステップと、該第1の部分を金型内に位置決めするステップと、金属粉体を前記金型内及び前記取り合い特徴部の周りに導入するステップと、前記金属粉体を熱間静水圧プレス(HIP)プロセスにより固結させて、前記取り合い特徴部を封入する第2の金属部分を形成し、前記コンポーネントの前記第1の部分と前記第2の部分との間に機械的接続を提供するステップと、を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記取り合い特徴部は、前記取り合い面上に一連の層状に成長させ、各層を、エネルギー及び/又は材料を前記取り合い面に指向させることにより成長させる、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記取り合い特徴部は、機械加工により形成する、方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法において、前記第2の部分は、前記HIPによる固結により高密度にする、方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法に従って形成したハイブリッドコンポーネントを別のコンポーネントに接合する方法であって、前記ハイブリッドコンポーネントの第1の部分の第2の取り合い面から延びる突起の配列を形成するステップと、前記突起を他方のコンポーネントに埋め込むステップとを含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、前記突起は、前記第2の部分の形成前又は形成後に前記第1の部分の前記第2の取り合い面に形成する、方法。
【請求項7】
少なくとも2つの金属部分を備えるハイブリッドコンポーネントであって、第1の金属部分は、該部分の取り合い面に形成した少なくとも1つの巨視的な取り合い特徴部を有し、第2の金属部分を、金属粉体を前記取り合い特徴部の周りで熱間静水圧プレスプロセスにより固結させることにより形成して、該コンポーネントの前記第1の部分と前記第2の部分との間に機械的接続を提供した、ハイブリッドコンポーネント。
【請求項8】
請求項7に記載のコンポーネントにおいて、前記取り合い特徴部は、前記取り合い面から延びる突起の配列である、コンポーネント。
【請求項9】
請求項7に記載のコンポーネントにおいて、前記取り合い特徴部は、複数の枝を有する樹状突起である、コンポーネント。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれか1項に記載のコンポーネントにおいて、前記第1の部分の材料は、前記第2の部分の材料よりも高い融点を有する、コンポーネント。
【請求項11】
請求項7〜10のいずれか1項に記載のコンポーネントにおいて、前記第1の部分の材料は、前記第2の部分の材料よりも高いヤング率、耐食性、又は破壊靭性を有する、コンポーネント。
【請求項12】
請求項7〜11のいずれか1項に記載のハイブリッドコンポーネントと別のコンポーネントとの間の継手であって、前記ハイブリッドコンポーネントの第1の部分は、その第2の取り合い面から延びる突起の配列をさらに備え、該突起の配列は、他方のコンポーネントに埋め込む、継手。
【請求項13】
請求項12に記載の継手において、前記他方のコンポーネントは複合コンポーネントである、継手。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の継手において、前記他方のコンポーネントは積層コンポーネントである、継手。
【請求項15】
請求項12〜14のいずれか1項に記載の継手において、前記取り合い面は前記第1の部分の両面にある、継手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−522890(P2012−522890A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502782(P2012−502782)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050527
【国際公開番号】WO2010/112904
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(510286488)エアバス オペレーションズ リミテッド (30)
【氏名又は名称原語表記】AIRBUS OPERATIONS LIMITED
【Fターム(参考)】