説明

ハイブリッドポンパー

低温流体を気化のために供給するための低温源と、該低温源と連通している該低温流体の圧力上昇のための低温ポンプと、該低温ポンプと連通しており該低温流体を受け入れて加熱したスチームを作るようにされている非燃焼式気化器の冷却剤循環路110と、該非燃焼式気化器の冷却剤循環路110の下流にありそれと連通していて、該非燃焼式気化器の冷却剤循環路からの該加熱した流れを受け入れて過熱スチームを作るようにされている直接燃焼式気化器と、該低温ポンプ、該非燃焼式気化器の冷却剤循環路110、及び該直接燃焼式気化器に動力を供給するためのディーゼルエンジン動力装置118とを含む方法及び装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ポンパーは、窒素などの低温液体を例えば仮設の油田や工業用途のために送給するように設計された持ち運びのできる装備である。ポンパーは、一般には高圧の容量型ポンプで、例えば窒素を、積載された気化器を通して取引先の配管、井戸、又は他の使用箇所へ移送する。ポンパーは、積載されたディーゼルエンジンを利用して上記ポンプと付属循環路のための油圧ポンプを駆動する。
【背景技術】
【0002】
窒素は、低温の液体状態で送給及び貯蔵され、そして大抵の用途においては使用するため気化させて気体状態にし加温する必要がある。しかし、多くの一般的な材料は、低温にさらされると脆くなる。よって、窒素を使用前に加温して、不所望の破壊や亀裂を防がなくてはならない。初期の設計のポンパーは、窒素を気化させ加温するのに直接燃焼式の気化器を利用していた。
【0003】
直接燃焼式気化器を含むポンパーは、強制空気−液体燃料バーナーと、燃焼ガスからの熱を窒素流に移動させるための熱交換器を含む。直接燃焼式気化器は、高温の燃焼ガスを低温流体の入った高圧のチューブバンドルと直接接触させる。
【0004】
ポンパーでは、それほど一般的でない間接燃焼式の気化器が使用されることもある。このそれほど一般的でない間接燃焼式気化器は、燃焼ガスから低温流体の入ったより小さな高圧熱交換器のチューブバンドルへと熱を移動させるために循環する媒介伝熱流体、一般には水−エチレングリコール流、を使用する点で、直接燃焼式気化器と異なる。
【0005】
ポンパーで用いられる直接燃焼式気化器も間接燃焼式気化器も、比較的単純であり、そして小型のユニットで大きな熱交換速度を提供するが、両方のユニットとも燃料効率が非常に悪い。更に、燃料費が増加する結果として、両方のユニットとも関係する運転費が非常に高い。最後に、両方のユニットとも、裸火が制限される一部の領域では利用することができない。
【0006】
潜在的に引火性の雰囲気の場所で作業するために裸火の条件をなくすことや燃料消費量を削減することを含めた、とは言えそれらに限られることのない、様々な理由から、ポンパーは非燃焼式気化器を用いるよう改造されてきた。非燃焼式気化器とともに組み込まれた、熱回収ポンパーとも呼ばれるポンパーは、高圧容量型の窒素ポンプのために必要とされる動力源の上にそのディーゼルエンジンを搭載し、エンジンの冷却剤と油圧装置からの熱を捕捉する。エンジンを搭載するため水ブレーキ回路を使用する熱回収ポンパーも、やはりその回路からの熱を捕捉する。多くの場合、エンジンの排気ガス及びエンジンのターボチャージ空気回路からも、また時には他のより小さな熱源からも、熱を捕捉する。熱回収ポンパーは、上に挙げた全ての熱源からの熱を、高圧窒素熱交換チューブバンドルを加圧した冷却剤容器内に収容する冷却剤気化器内へ移すために水−エチレングリコール混合物を循環させるのに、冷却剤循環ポンプを必要とする。
【0007】
熱回収ポンパーは概して、燃焼式気化器を備えたポンパーよりも燃料効率が良好であるが、所定の大きさのユニットについて言うと、熱回収ポンパーは一般に、窒素容量が直接燃焼式ユニットのおよそ半分である。更に、熱回収ポンパーは、ほぼ300°F(149℃)の吐出温度で、且つ比較的小さい窒素送給流量で、窒素を送給することに限定される。対照的に、直接燃焼式ポンパーは、大きな吐出流量又はほぼ600°F(316℃)の温度で窒素を送給することができ、これは窒素を加熱用媒体として使用する一部の工業的用途にとって望ましいものである。
【0008】
燃焼式気化器と非燃焼式気化器の両方を利用するポンパーの欠点の結果として、技術が組み合わされた。燃焼式気化器の技術と非燃焼式気化器の技術が同時に組み合わされて、デュアルモードの単一ポンパーユニットが形成された。このデュアルモードのポンパーユニットは、設備を運転する人員の裁量で燃焼式気化器かあるいは非燃焼式気化器のいずれかを利用することができる。燃料消費量が少ないため非燃焼式気化器が好ましく、そして燃焼式気化器の裸火が潜在的に危険である場合に必要であるが、所望の窒素吐出流量と温度が非燃焼式気化器の能力を超える場合には燃焼式気化器を使用してもよい。
【0009】
その設計の結果として、デュアルモードのポンパーユニットは、一部の用途について従来の燃焼式気化器のポンパーよりも使用する燃料が少なく、しかもより高い窒素温度と単一ユニットからのより大きな定格容量を可能にする。一つの製造業者であるVita Internationalは、デュアルモードの窒素ポンパーを商業的に製作しており、非燃焼式気化器を用いれば定格容量が180,000スタンダード立方フィート/時(5,097Nm3/hr)、燃焼式気化器を用いれば定格容量が540,000スタンダード立方フィート/時(15,291Nm3/hr)のユニットを提供している。
【0010】
この商業的に入手可能なデュアルモードのポンパーユニットは、ディーゼルエンジン動力装置からの熱源を利用せず、そして実際のところ、そのような熱源を別の方法で廃熱として大気へ放出する一方で、燃焼式気化器を利用する。燃焼式気化器モードで運転するとき、この現状のデュアルモードポンパーユニットは基本的に、従来の燃焼式気化器ユニットと同じ程度に非燃料効率的である。また、現状のデュアルモードポンパーは、運転のためのモードの選択を含めて、装置を運転するのに個人に依存している。従って、装置は、非燃焼式気化器モードが適切なときでも、燃焼式気化器モードで運転していることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
よって、当該技術分野では、全ての運転条件において従来の直接燃焼式気化器よりも燃料効率的であり、最高で600°F(316℃)までの高い吐出温度を提供することができ、周囲温度で最大500,000スタンダード立方フィート/時(14,158Nm3/hr)までの大きな流量を吐出することができ、そして効率的に運転される、ポンパーユニットが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
ここに開示される実施形態は、全ての運転条件において従来の直接燃焼式気化器よりも燃料効率的であり、最高で600°F(316℃)までの高い吐出温度を提供することができ、周囲温度で最大500,000スタンダード立方フィート/時(14,158Nm3/hr)までの大きな流量を吐出することができ、そして非常に効率的に運転することができるハイブリッドポンパーユニットを提供することによって、当該技術分野における上記の必要を満たす。
【0013】
一つの実施形態において、気化のために低温流体を提供するための低温源と、前記低温流体を昇圧するために前記低温源と連通する低温ポンプと、前記低温ポンプと連通しており前記低温流体を受け取って加熱した流れを形成するようにされている非燃焼式気化器の冷却剤循環路と、下流の直接燃焼式気化器であって、前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路と連通しており前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路から前記加熱した流れを受け取って過熱流を形成するようにされている直接燃焼式気化器と、前記低温ポンプ、前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路、及び前記直接燃焼式気化器に動力を提供するためのディーゼルエンジン動力装置と、を含むポンパーが開示される。
【0014】
もう一つの実施形態において、気化のために低温流体を提供するための低温源と、前記低温流体を昇圧するために前記低温源と連通する低温ポンプと、前記低温ポンプと連通しており前記低温流体を受け取って加熱した流れを形成するようにされている非燃焼式気化器の冷却剤循環路であって、当該非燃焼式気化器の冷却剤循環路との熱交換のために外部源からスチーム流を受け取るようにされている凝縮スチーム熱交換器を含んでいる非燃焼式気化器の冷却剤循環路と、前記低温ポンプ及び前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路に動力を提供するためのディーゼルエンジン動力装置と、を含むポンパーが開示される。
【0015】
更に別の実施形態において、気化のための低温流体を提供すること、前記低温流体を昇圧すること、昇圧した前記流体を非燃焼式気化器の冷却剤循環路において加温して高温の昇圧流体を形成すること、昇圧し加温した前記流体を、下流に位置し前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路と連通している直接燃焼式気化器において更に加温して、過熱流を形成すること、を含む低温流体を過熱するための方法が開示される。
【0016】
上述の概要と、そしてまた典型的実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むとよりよく理解される。実施形態を説明することを目的として、図面には典型的な構成要件が示されているが、本発明は開示された特定の方法と手段に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態による典型的なハイブリッドポンパーのフローダイヤグラムである。
【図2】本発明の一実施形態による典型的な非燃焼式気化器の冷却剤循環路のフローダイヤグラムである。
【図3】本発明による図2に開示した非燃焼式気化器の冷却剤循環路とは別のもののフローダイヤグラムである。
【図4】本発明の一実施形態による制御装置を含む典型的な非燃焼式気化器の冷却剤循環路のフローダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態は、ハイブリッドポンパーに動力を供給するのに用いられるディーゼルエンジンからの廃熱を気化のために利用するハイブリッドポンパーユニットに関する。このような実施形態は、直接燃焼式気化器の運転をより効率的にするため直接燃焼式気化器の上流に直列に設置される非燃焼式気化器を用いることを含む。当該ハイブリッドポンパーはまた、例えばディーゼルエンジンからの廃熱を集めてその熱を非燃焼式気化器中の窒素へ移動させる、非燃焼式気化器の冷却剤循環路も含む。更に、窒素熱交換器のバンドルの後で直接燃焼式気化器の排気流から熱を捕捉して、その熱を非燃焼式気化器の冷却剤循環路へ移動させる。ハイブリッドポンパーは、スチームの供給が可能である場合、非燃焼式気化器の冷却剤循環路中の気化する窒素のために追加の熱を供給するため凝縮スチームの熱交換器を含んでもよい。ハイブリッドポンパーはまた、非燃焼式気化器の冷却剤循環路を運転し制限温度範囲内に保持するための制御装置と、運転員の介入なしに熱負荷のバランスを取るため直接燃焼式気化器を運転するための制御装置を含んでもよい。
【0019】
熱回収ポンパーとは対照的に、ハイブリッドポンパーは、より多くの熱を作り出すために水ブレーキ又は油圧回路を介してディーゼルエンジンに意図的に負荷をかけない。ハイブリッドポンパーのエンジンは、熱回収ポンパーのエンジン(例えば750hp又は559kWのエンジン)よりもはるかに小さく(例えば450hp又は336kWのエンジン)、窒素ポンプと副次的な循環路のために必要な軸動力だけを供給する。ハイブリッドポンパーは、エンジンの冷却剤、ターボチャージエアー、エンジンの排気、及び高温の油循環路から、そしてまた燃焼式気化器の燃焼排気ガス及び窒素を加温し気化させるため所望に応じ供給されるスチームから、熱を集める。更に、ハイブリッドポンパーは、何もしなければ慣用の直接燃焼式又は間接燃焼式窒素ポンパーによって大気へ放出されるエンジンからの熱を捕捉する。
【0020】
当業者にとって、最初は非燃焼式気化器を通して、その次には直接燃焼式気化器を通して、窒素の流れをポンパーへ送るのは自明のことではない。例えば、当業者の一人は、容量の小さい気化器を容量の大きい気化器と直列に設置するのは、循環路の容量を容量の小さい方の気化器のそれに制限するであろうと想定する。また、当業者の一人は、所定質量の液体窒素を気化させるのに必要とされる潜熱は飽和した低温の窒素蒸気を周囲温度まで加温するのに必要とされる顕熱とほぼ同じであると認識しよう。このように、当業者は、上流の気化器が燃焼式気化器に入ってくる窒素の温度に与える影響は少しでしかないので、熱交換器のチューブが低温の窒素蒸気を含有している場合に氷の生成がなおも起こるため直接燃焼式気化器の効率を向上させることはないと、誤った結論を出すであろう。
【0021】
ところが、発明者らは、意外にも、非燃焼式気化器が熱交換器の効率を直接燃焼式気化器の熱交換器の範囲内で直接向上させるということを見いだした。液体窒素は、多くの場合、過冷却された状態で従来のポンパーの燃焼式気化器へ到達する。これは、容量型ポンプからの吐出圧力が、液体窒素がポンプと配管を通して気化器へ強制的に送られる際に液体窒素の温度上昇と同時に結果として生じる飽和圧力よりも高くなる場合に起こる。直接燃焼式気化器がその直接燃焼式気化器の熱交換器の定格容量より十分小さい窒素流量で運転する場合、直接燃焼式気化器にとって普通である垂直の熱交換器チューブ分配マニホールドを通して液体窒素を均一に分配するために並列の熱交換器チューブ間に圧力差はほとんど存在しない。このことから、垂直の熱交換器チューブマニホールドにおいて気相と液相とが分離することになる。マニホールドの底部の密度が高い方の液体窒素は、下方の熱交換器チューブを通って流れる。やがて、下方の熱交換器チューブで氷が生成して、下方のチューブを隔離する一方で、燃焼ガスを上方のチューブを越えて優先的に流す。熱交換器のチューブを通って移動する窒素の摩擦損失は、所定の質量流量について言えば、より冷たくて密度のより高いガスの流れの方がより温かくて密度の低いガスよりも小さいために、問題が悪化する。例えば、所定のチューブ内での質量流量は、下方のチューブにおけるものの方が上方のチューブにおけるものよりも一般に大きい。
【0022】
開示された気化器の順番は、直接燃焼式気化器の熱交換器の効率を次のようにして向上させる。第一に、燃焼式気化器の入口における圧力が窒素の臨界圧力477.6psig(32.93barg)より高い場合、非燃焼式気化器は、燃焼式気化器に入ってくる窒素流の温度をそれが−232.5°F(−146.9℃)より高い超臨界流体になるまで上昇させることができる。超臨界流体状態では液相と気相は別個に存在することができず、そのため燃焼式気化器の垂直の熱交換器入口マニホールド内の窒素の分布は上部から底部までより均一になる。
【0023】
第二に、燃焼式気化器の入口における圧力が窒素の臨界圧力より低い場合、非燃焼式気化器は燃焼式気化器へ入ってくる窒素流の全体を完全に気化させることができ、そのため燃焼式気化器の垂直の熱交換器入口マニホールド内の窒素の分布は上部から底部までより均一になる。
【0024】
第三に、燃焼式気化器の入口における圧力が窒素の臨界圧力より低い場合、非燃焼式気化器は燃焼式気化器へ入ってくる窒素流を部分的に気化させることができる。窒素が液体から蒸気へと気化するときの窒素の膨張は、二相流を生じさせ、燃焼式気化器へ入ってくる窒素の速度を上昇させる。より高速の二相流につきものの乱流は、上部から底部までの垂直の熱交換器入口マニホールド内の窒素の分布を向上させる。
【0025】
燃焼式気化器の排熱交換器と組み合わせる気化器の順番は、燃焼式気化器が並流の熱交換器であるため、特に重要である。向流の熱交換器は、アプローチ温度が比較的小さい場合、すなわち出てゆくプロセス流体の温度が熱媒体の出口温度に比較的近い場合に、並流の熱交換器よりも一般に効率的である。一般的な向流熱交換器では、加熱されたプロセス流体の出口温度は、熱交換器の表面積が十分な場合、加熱用流体の出口温度よりも高くなることができる。同じ条件が一般的な並流熱交換器で存在することはできない。一般的な並流熱交換器のアプローチ温度は、ほかの全てのパラメーターが同じである場合、向流熱交換器のアプローチ温度よりも常に大きい。直接燃焼式気化器のための熱交換器は、熱交換器の液体窒素入口に近い熱交換器チューブに氷が生じるのを抑えるため燃焼ガスの最高温度を利用するために、ほとんど例外なく並流式である。ここに開示される直接燃焼式気化器の排気流に熱交換器を追加するのと組み合わされる熱交換器の順番は、燃焼式気化器の熱交換器バンドルへ燃焼熱の一部を既に移動させた燃焼式気化器の排ガスを利用する。この場合、より低温の排ガスが、例えば水−エチレングリコール媒体を介し、一番低温の窒素に熱を移動させる。従って、より高温の窒素が一番高い燃焼温度の直接燃焼式気化器の熱交換器に入る。実際的な言い方をするなら、非燃焼式気化器と燃焼式気化器の順番が、組み合わせた熱交換を向流式の熱移動により似たものにする。
【0026】
重要なことは、組み合わされた技術が燃料消費量を低減することである。更に、そして燃料消費量の減少の結果として、NOx、CO及び粒状物質の放出が全て減少する。その上、直接燃焼式気化器の低い燃焼温度は、現行のディーゼルエンジンと比べると、EPA Tier 3の放出限界を満足するエンジンと比べても、燃料1ポンド当たりに生じさせるNOxが一般にずっと少ない。従って、熱回収ポンパーと比較して小さいエンジンを利用するハイブリッドポンパーは、熱回収ポンパーと同様の窒素流量を送給することができ、送給される窒素の単位体積当たりに生成するNOxをより少なくすることができる。よって、ハイブリッドポンパーは経済的な解決策であるとともに環境上の解決策でもある。
【0027】
ポンパーは、主として石油及びガス分野の用途のために製造されている。実際、ポンパーの技術は石油及びガス産業の成果として発展してきた。スチームはガス及び油井現場では一般に利用できないので、そのようなポンパー装置を油田設備会社に供給する製造会社は、気化のためにスチームを利用する方法を検討することはない。ところが、スチームは、一時的な窒素の供給のためにポンパーを必要とすることがある産業用ガス及び化学プラントや精油所では普通に利用可能である。低温流体を気化させるのにスチームを使用するのは、産業用ガス及び化学プラントや精油産業では普通のことである。凝縮するスチームからの熱を熱交換器の管壁を通し低温流体へ直接移動させるか、あるいはスチームを吹き込んで対流循環により水浴を加熱する一方でこの高温の浴が熱交換器のチューブを介して低温流体に熱を移動させる市販のスチーム気化器が利用可能である。
【0028】
市販のスチーム気化器を燃焼式か非燃焼式のいずれかの気化器を備えた従来のポンパーで使用することができるとは言え、凝縮スチームの気化器を設置し又はスチーム吹き込みの水浴を二次的な気化循環路としての高圧チューブバンドルとともに設置する追加の経費は、そのような機器の組み込みを伝統的に妨げてきた。その上、スチーム気化器の大きさは、高圧ステンレス鋼熱交換器のチューブの相対的に厚い壁が熱移動を減少させて、その結果熱交換の表面積が低圧の薄い壁のチューブと比べはるかに大きくなるため、受け入れるのが困難であろう。
【0029】
直接燃焼式気化器あるいはエンジンの熱を利用する従来の非燃焼式気化器を使用しないポンパーを製造することもできよう。もっと正確に言えば、他の気化器循環路を設置する出費を伴わずに、スチームを唯一の気化源として使用することができよう。しかし、このタイプの装置は、スチームを供給することができる現場で使用することができるだけであるため多くの窒素ポンパー用途のためには使用することができないので、有用性が小さい。更に、スチーム供給の中断が窒素の気化能力を台なしにする。窒素ポンパーにスチーム気化器を取り付ける直接のアプローチが、ヨーロッパである程度利用されているが、経費と大きさの両方の欠点のために米国では一般的な方法として採用されてはいない。
【0030】
本発明の一実施形態は、低圧の薄壁のチューブを用いる商業的に入手可能な凝縮スチームの熱交換器を利用して、非燃焼式気化器を備えた従来のポンパーに特有の、あるいは燃焼式気化器と非燃焼式気化器の両方を含む窒素ポンパーに特有の冷却剤循環路を加熱する。低圧の凝縮スチーム熱交換器は、高圧の熱交換器チューブを用いるスチーム気化器より価格が安く寸法が小さい。非燃焼式気化器を用いる窒素ポンパーの冷却剤循環路で凝縮スチーム熱交換器を利用すると、エンジンの負荷を小さくできる一方で、スチームの凝縮による潜熱が、そうしなければエンジンの冷却剤、エンジンの排気、及び油圧装置及び/又は水ブレーキから提供しなくてはならない熱に取って代わるので、エンジンの燃料消費量が減少することになる。非燃焼式気化器と直接燃焼式気化器の両方を用いる窒素ポンパーの冷却剤循環路で凝縮スチーム熱交換器を利用すると、燃焼式気化器を運転することなくポンパーの容量を補うことができる。
【0031】
米国の一部(例えばカリフォルニア)では、大気環境管轄地区が交付する明確な運転認可を有する設備の運転だけを許可することによって、直接燃焼式気化器の使用を制限している。管轄地区は、そのような認可された装置の使用について追加の運転上の制限を課すこともある。ハイブリッド窒素ポンパーは、燃焼式気化器を使用せずに運転される場合、燃焼式気化器について運転の認可が交付されていない大気環境管轄地区での制限に反することなく働くことを可能にする。凝縮スチームの熱交換器も、燃焼式気化器を利用しながら燃焼式気化器の燃料消費量を低減する。精油所におけるスチームの供給は、一部分は、ボイラーでの使用のためにフレアヘッダーから集められた可燃性の廃ガス流を使って行われる。ポンパーの冷却剤循環路の凝縮スチーム熱交換器からの追加の熱は、全体的な運転費と放出を低減する一方で燃料の供給を長期間維持する負担を軽減するための簡潔で費用効果のある方法である。中間に介在する水−エチレングリコール媒体を介して窒素を気化させ加温するための熱を供給する凝縮スチーム熱交換器は、スチーム気化器ほど用途が広くはない。スチーム吹き込み式の水浴気化器は、ディーゼルエンジンを冷却するのにも使用しなければならない非燃焼式気化器の冷却剤循環路よりも高温で水浴を運転することができるので、窒素をわずかに高い温度に加熱することができる。市販のスチーム吹き込み式水浴気化器の水タンクは、水浴温度を海抜ゼロでの大気圧における水の沸点212°F(100℃)に制限する大気圧タンクである。
【0032】
凝縮スチーム気化器は、凝縮スチーム気化器シェル内のスチーム圧力がスチームが凝縮して水になる温度を上昇させるので、スチーム吹き込み式の水浴気化器と凝縮スチーム熱交換器を使用するアプローチの両者よりも高い温度まで窒素を加熱することができる。しかし、凝縮スチーム熱交換器は窒素ポンパーに対して経済的に妥当なものであるのに対し、スチーム気化器はそうではない。ハイブリッドポンパーで用いる凝縮スチーム熱交換器は、燃焼式気化器を使用しない場合に窒素ポンパーの気化能力が増大し、また一部の用途のために燃焼式気化器を使用する場合には、窒素吐出流量と温度に依存して、ポンパーの燃料消費量が減少する、という利点をもたらす。
【0033】
ハイブリッドデュアルモードポンパーユニットはまた、効率的性能を支援するための制御装置又はメカニズムを含むことができる。そのような制御装置は、プロセッサ、メモリー装置、入力装置、例えばキーボード、タッチスクリーンなど、及び出力装置、例えばモニター、プリンターなど、を含むことができ、(1)燃焼式気化器を出てゆく際の窒素の温度を測定及び/又は監視して燃焼燃料速度を制御するためのセンサー又は検出器、(2)ポンパーユニットを出てゆく際の窒素の温度を測定及び/又は監視して最終的温度の制御のため気化器をバイパスする窒素の相対割合を制御するためのセンサー又は検出器、(3)冷却剤循環路の温度を測定及び/又は監視して冷却剤気化器に入ってくる窒素の流量、燃焼式気化器の排気熱交換器に向かわせる燃焼廃ガスの割合、及び凝縮スチーム熱交換器に入ってくるスチームの流量を制御するためのセンサー又は検出器、(4)冷却剤気化器と窒素入口制御弁での圧力損失を測定及び/又は監視して、差圧測定値とバイパス制御弁へのフィードバック制御とによるかあるいはクラッキング圧の高い逆止弁のいずれかにより液体窒素を燃焼式気化器へ直接バイパスさせるようにするためのセンサー又は検出器、(5)油圧及び/又は潤滑油回路からの熱移動をバランスさせるための温度調整弁、(6)冷却剤循環路の過剰な熱をエンジンラジエーターへ効率的に放出するための温度調整弁、及び(7)冷却剤循環路の制御ができなくなった場合における操業停止と冷却剤貯蔵器及び/又は熱交換器シェルの過圧からの保護、を制御し又はそれらと相互作用する。制御装置は、(8)熱が冷却剤気化器で利用されない場合におけるエンジン排気及びターボチャージエアーからの熱移動を調整するための大き過ぎるエンジンラジエーター、(9)EPA Tier 3のエンジン設計に典型的な空気対空気式のチャージエアーの冷却に先立つ液体アフタークーラー、及び(10)当該エンジンの設計にとって一般的であるより低い空気取り入れマニホールドの温度を調整するためのチャージエアー水分離器、を制御し又はそれらと相互作用することもできる。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態によるハイブリッドポンパー100を説明するものである。図1のハイブリッドポンパー100は、低温流体(例えば液体窒素、液体アルゴンなど)を貯蔵し、管路104を通して低温ポンプ106に供給する供給タンク102を含む。低温ポンプ106は、供給タンク102と連通している。発明者らは、簡潔にするため、この典型的実施形態における低温流体を液体窒素と呼ぶが、ここで液体窒素という用語を使用するのは発明者らによる開示を限定するものと解すべきでないことに留意すべきである。例えば、低温液体は一例として液体アルゴンであってもよい。更に、ここで使用する「連通している」とは、流体の移送のために、1以上の導管、管路、マニホールド、弁などを介して運転できるように接続されていることを意味する。導管は、それを通して流体(液体又は気体)を移送することができる、任意の管、管路、チューブ、流路などである。特に断らない限り、連通する第1の装置と第2の装置との間には中間の装置、例えばポンプ、圧縮機、又は容器などが存在してもよい。
【0035】
低温ポンプ106は、多くの場合、利用可能な有効吸込ヘッドを上昇させるための遠心ポンプと、高圧の容量型往復ポンプとを含む。この場合、窒素が低温流体として管路108を通し非燃焼式気化器の冷却剤循環路110へと送られて、この循環路で窒素流の一部又は全体を、窒素流量と加温又は加熱した流れを作るための熱源の温度とに依存して気化させる。この出願の目的に関して言うと、「非燃焼式気化器の冷却剤循環路」とは、例えば水−エチレングリコール冷却剤を利用して、エンジンの冷却を行い熱を低温流体に移動させる冷却剤循環路のことである。明確にするために言えば、水−エチレングリコール冷却剤は、純水、プロピレングリコール、及び水−プロピレングリコールを含めた、とは言えそれらに限定はされない、ほかの同様の冷却剤と取り替えることができる。その後、非燃焼式気化器の冷却剤循環路110から出てきた加温又は加熱した窒素流は、管路112を通り窒素流の温度を所望の温度まで上昇させるための直接燃焼式気化器114へ進む。窒素は、顧客の要求を満たすために過熱された流れとしてポンパー100から管路116により排出される。低温ポンプ106、非燃焼式気化器の冷却剤循環路110、及び直接燃焼式気化器114には、ディーゼルエンジン電源装置118により伝送線路120、122、124を通して動力が供給される。
【0036】
ポンパーは一般に、遠心液体窒素ポンプ、燃焼式気化器の燃焼のための送風機、及び燃料ポンプを含めた、とは言えそれらに限定はされない、図面に詳細には示していない循環路を運転するための動力を供給するディーゼルエンジンにより駆動される油圧ポンプを使用する。昇圧される潤滑油システムが、容量型往復液体窒素ポンプのクランクケースために一般に用いられる。
【0037】
図2は、多数の熱源から熱をあつめてその熱を例えば液体窒素(LIN)流262に移動させる非燃焼式気化器の冷却剤循環路200の典型的実施形態を説明するものである。非燃焼式気化器の冷却剤循環路200は大部分は、気化器冷却剤循環路ポンプ260により管路202を通して循環される。管路202からは、冷却剤の分かれた一部分が管路212により油熱交換器214へ送られる。ここで使用する「分かれた一部分」というのは、それが取り出された流れと同じ化学組成を有する部分のことである。油熱交換器214は、ハイドロリックパワーシステムと昇圧潤滑油システムとを含み、それがなければフィン付きの油冷却器を通して大気へ放出される熱を1以上の油の流れ(集合的に流れ274で表される)から除去する。冷却された流れ276は、その後油熱交換器214から出て、再循環されるべきそれぞれの油貯蔵器又はポンプに戻る。油熱交換器214による圧力損失は、導管203を通してエンジンチャージエア熱交換器204へと送られる気化器冷却剤循環路ポンプ260からの大部分によってバランスが取られる。最新式のディーゼルエンジンはターボチャージャーからのチャージエアーを冷却して、ピーク燃焼温度を下げることによりNOxの生成を減らし、出力密度を上昇させる。エンジン排気流の高温は、捕捉されない限り無駄にされる。冷却剤は、エンジンチャージエアー熱交換器204でエンジンチャージエアー流266から熱を除去し、次いで管路206によりエンジン排気熱交換器208へ供給される。冷却されたエンジンチャージエアー流は続いて、管路268を通ってエンジンエアー取り入れマニホールドへと進む。冷却剤は、エンジン排気熱交換器208でエンジン排気流270から熱を吸収する。冷却されたエンジン排気は、導管272を通ってマフラーへ又は直接大気へと出ていく。
【0038】
結果として得られたエンジン排気熱交換器208からの冷却剤の流れは、その後管路210を通して供給されて、油熱交換器214からの管路216を通る冷却剤流と混合され、管路217へ進む。混合された冷却剤は管路217を流れ、燃焼式気化器の排気熱交換器218へ進み、そこでそれがなければ大気へ放出される熱を直接燃焼式気化器の排気流278から冷却剤流へと移動させる。冷却された燃焼式気化器の排気280は大気へ排出される。その後、冷却剤流は管路220により燃焼式気化器の排気熱交換器218から凝縮スチーム熱交換器222へと移送され、そこでは供給された流れ282が凝縮して潜熱を冷却剤へと移動させる。この流れは冷却されると凝縮して液相になり、その結果生じた凝縮液は管路284により排出される。冷却剤流は、冷却剤気化器226に入る前の凝縮スチーム熱交換器222から出てきた管路224において冷却剤循環路における一番高温にある。冷却剤気化器226内では、熱が冷却剤流から高圧チューブを通して低温液体窒素(LIN)流262へと移動して、顧客のプロセスで使用するための気化した窒素(GAN)流264を生じさせる。冷却剤は冷却剤気化器226から管路228を通って出てきて、冷却剤温度調整弁230に入る。冷却剤流の温度が標準のエンジン運転温度に接近すると、冷却剤温度調整弁230は一部分又は全体の冷却剤流を釣り合いを取って管路234を通しラジエーター236へ導く。このラジエーターはディーゼルエンジン(図示せず)のファンからの強制周囲空気によって冷却される。
【0039】
重要なのは、ここで説明している典型的実施形態は、チャージエアー又はエンジン排気からの熱が望ましくない場合にその熱を非燃焼式気化器の冷却剤循環路200からわきへそらすのではなく、それに代えてエンジンラジエーター236の大きさを標準的なディーゼルエンジン動力装置の放熱定格を超えるものに増大させること、及びラジエーター236を通して空気を強制的に送るエンジンファン(図示せず)の空気容量を増大させることによって、非燃焼式気化器の冷却剤循環路200の放熱容量を増大させることである。
【0040】
非燃焼式気化器の冷却剤循環路の別の設計は、吸収した熱を窒素を気化させるのに利用できない場合に、エンジンチャージエアー流266をそらせてエンジンチャージエアー熱交換器204を迂回させ、またエンジン排気流270をそらせてエンジン排気熱交換器208を迂回させる。この別法は、エンジンラジエーター236及び関連のエンジンファン(図示せず)をディーゼルエンジン動力装置の標準的な定格による大きさにするのを可能にする。
【0041】
冷却剤流が通常のエンジン運転温度よりずっと冷たい場合には、冷却剤温度調整弁230から出てくる冷却剤をラジエーター迂回循環路232を通して導くことができる。その後、ラジエーター流238とラジエーター迂回流232は冷却剤マニホールド240に入る。冷却剤マニホールド240に入る冷却剤流の一部分又は全部はその後、冷却剤貯蔵器ヘッダー242が冷却剤貯蔵器管路243と接続している場合、そのヘッダーを流れる。冷却剤貯蔵器管路243を通る冷却剤の流量はほぼ安定している。
【0042】
一般に、冷却剤貯蔵器244からは冷却剤のごく一部分が冷却剤貯蔵器管路243を通って冷却剤戻りヘッダー245へと流れるが、エンジン又はラジエーターから冷却剤貯蔵器への1又は複数の小さなブリードラインはこの模式フローには示していない。それらの小さなブリードは、冷却剤システム200の高い箇所にある冷却剤貯蔵器へ空気をパージし、そしてまた冷却剤貯蔵器244内の冷却剤を加熱してシステムの冷却剤蒸気圧を確立する。このプロセスは、より高い運転温度にある冷却剤ポンプ246及び260のために利用可能な有効吸込ヘッドを上昇させる。非燃焼式気化器の冷却剤循環路200における温度の変動は、管路243を通して冷却剤貯蔵器244への及びそれからの正味の一時的な少量の流れを生じさせることになる。
【0043】
ハイブリッドポンパーのディーゼルエンジン動力装置(少なくとも236、241、246、248、250、252、254、256、266、及び270から構成される)は、冷却剤循環路200の一部を構成する。エンジン冷却剤ポンプ246は、シリンダーライナー、ヘッド、ターボチャージャー、空気圧縮機、EGR(排気ガス再循環)冷却器など(いずれも図示せず)を含めたエンジン冷却システム250へと管路248を通って至る冷却剤の圧力を上昇させる。エンジン冷却システム250を出てから、加熱された冷却剤は管路252によりエンジンサーモスタット254へと導かれ、エンジンサーモスタット254は冷却剤流の分かれた一部分を冷却するために釣り合いを取って開く。エンジン冷却システム250及び導管252からの冷却剤流が標準のエンジン運転温度より低い場合には、冷却剤の本質的に全部を管路256を通してエンジン冷却剤ポンプ246の吸い込み管路241へ戻す。冷却剤温度が運転温度(例えば175°F(79℃)〜210°F(99℃))に接近するかそれを超えると、冷却剤の増加した分かれた一部分をサーモスタット254を介し管路258を通して、戻りヘッダー245からの冷却剤と混合し気化器冷却剤循環路ポンプ260の吸い込み管路259へと導く。
【0044】
この冷却剤が大きい方の冷却剤循環路へ導かれると、冷却剤マニホールド240及びラジエーター流238からの冷却剤が交換されて管路239を通りディーゼルエンジン動力装置へ戻る。大きい方の冷却剤循環路は、エンジン冷却剤システムよりも低温であり、そのためディーゼルエンジン動力装置から及び他の熱源からの熱が非燃焼式気化器の冷却剤循環路200へ移されて低温の液体窒素流262を気化させ、そしてその窒素に吸収された熱が非燃焼式気化器の冷却剤循環路200を冷却してディーゼルエンジン動力装置のための冷却を行う。
【0045】
図3に示した非燃焼式気化器の冷却剤循環路300は、非燃焼式気化器の冷却剤循環路200の熱交換器の多数の別の構成のうちの一例を示している。気化器冷却剤循環路ポンプ260と冷却剤貯蔵器244を、エンジン冷却剤ポンプ246に関し、冷却剤貯蔵器244から両方のポンプ241、260の吸い込み口までの差圧をほとんどなくしてポンプ246、260へのキャビテーションによる損傷を防ぐ位置に配置することが重要である。非燃焼式気化器の冷却剤循環路300の最適な設計は、熱交換器304、308、314、318、322を、より高温の加熱流体を利用するものが非燃焼式気化器の冷却剤循環路300の一番高温の部分に配置されて効率を最大限にするように配置するが、但し一部の実際上の要因も構成に影響を及ぼす。エンジン排気ガス370は、供給されるスチームの循環路382、エンジンチャージエアー循環路366、及びハイドロリック及び潤滑油循環路374よりも一般に高温である。エンジン排気の温度がより高いにもかかわらず、エンジン排気熱交換器308をチャージエアー熱交換器304及び油熱交換器314の近くに設置することにより管路を簡素化することの有用性は、重量が軽くなり構成部品が少なくなるため、最大の効率に勝る。非燃焼式気化器の冷却剤循環路200に関して言うと、非燃焼式気化器の冷却剤循環路300は、冷却剤温度調整弁230から気化器冷却剤循環路ポンプ260の吐出管路202に至る冷却剤の流れの方向において構成機器の順番が同一である。
【0046】
非燃焼式気化器の冷却剤循環路300は、以下の熱交換器と相互連絡流の順番が非燃焼式気化器の冷却剤循環路200と異なる。吐出管路202からの冷却剤は燃焼式気化器の排気熱交換器318に入り、そこで燃焼式気化器の排気流378から熱を吸収する。燃焼式気化器の排気流は管路380を通して大気へ排出され、冷却剤は管路320を通して凝縮スチーム熱交換器322へ導かれる。凝縮スチーム熱交換器322内において、熱が供給スチーム流382から冷却剤流へと移動する。管路384を通して凝縮液が排出され、冷却剤は管路324を通り冷却剤気化器326へと進む。冷却剤は、冷却剤気化器326で流入してくる低温液体窒素流362に熱を移動させる。低温液体窒素は、冷却剤から熱を吸収すると気化し、加温される。気化した窒素は管路364を通って出てゆく。冷却剤は管路328を通って冷却剤気化器から移動する。冷却剤のうちの冷却剤流328から分かれた一部分が管路312へ進んで、油熱交換器314に入る。油熱交換器314は流入してくる油の流れ374をその冷却剤流で冷却する。冷却された油は管路376により油貯蔵器(図示せず)又は油ポンプ(図示せず)へ戻される。冷却剤流328のうちの大きい方の分かれた一部分は、管路303を通ってエンジンチャージエアー熱交換器304に入る。この冷却剤は流入してくるエンジンターボチャージエアー366から熱を吸収する。冷却されたエンジンターボチャージエアーは管路368を通ってエンジンチャージエアー熱交換器304から出て、エンジン空気取り入れマニホールド(図示せず)に入る。冷却剤はエンジンチャージエアー熱交換器304から管路306を通りエンジン排気熱交換器308へと流れ、そこでエンジン排気流370から熱を吸収する。冷却されたエンジン排気は管路372を通って、エンジンマフラー(図示せず)へと又は直接大気へと出てゆく。冷却剤は管路310を通ってエンジン排気熱交換器から出て、油熱交換器314からの冷却剤流316と一緒になる。一緒になった冷却剤流317は冷却剤温度調整弁230へと流れる。
【0047】
気化器冷却剤循環路300は、気化器冷却剤循環路ポンプ260を直接燃焼式気化器の排気熱交換器318の近くに配置することが好ましい場合、あるいは市販のエンジン排気熱交換器308の冷却剤側の定格圧力が気化器冷却剤循環路ポンプ260の吐出圧力よりも低い場合に、最適であることができる。
【0048】
図4は、本発明の一実施形態による制御装置を含む典型的な非燃焼式気化器の冷却剤循環路400を説明するものである。この冷却剤システムは、熱源のうちの一部のものからの熱流束を減らすことにより非燃焼式気化器の冷却剤循環路の温度を制限するために自動式の制御応答を行う。非燃焼式気化器の冷却剤循環路は、エンジンのための適切な冷却を行うためにディーゼルエンジンの標準の運転温度よりも低温でなければならない。その上、水−エチレングリコール冷却剤混合物が液体窒素冷却剤気化器の熱交換器チューブの表面で凍結するのを防ぐために、冷却剤循環路には低い方の温度の制限が設けられる。制御装置はまた、エンジン循環路から供給される熱が周囲の気象条件の変化のために変動するのに応じて熱負荷を自動的にバランスさせるために、燃焼式気化器のための自動化した制御装置も提供する。機器類は、エンジンターボチャージエアーを含む補助的循環路とハイドロリック及び潤滑油循環路が、気化器冷却剤循環路による冷却を行うことができない場合に適切な温度制御を行うのを可能にするように示されている。
【0049】
液体窒素は、低温ポンプ(図示せず)から導管又は管路402を通して排出される。この窒素の流量は、管路404を通り気化器412、436へと至るより多い方の分かれた部分と、管路476を通り気化器迂回制御弁478へと至る少ない方の分かれた部分とに分けられる。管路404の気化器への窒素は再び分けられて、管路406を通り冷却剤気化器制御弁408へと至る主要な分かれた部分と、管路416を通り冷却剤気化器迂回弁418へと至る副次的な分かれた部分とになる。冷却剤気化器の窒素制御弁408を通過する窒素は、管路410を通り冷却剤気化器412へと送られ、そこでは導管588から入ってくる冷却剤流から低温液体窒素へと熱が移動する。弁418を通り冷却剤気化器412を迂回する窒素は、管路420を通過する。冷却剤気化器迂回弁制御器430が、冷却剤気化器412及び冷却剤気化器窒素制御弁408を通過することによる圧力損失を、上流の圧力信号424から下流の圧力信号428を差し引くことにより計算する。ここで使用する下流及び上流とは、移送されるプロセス流体の意図する流動方向を参照するものである。プロセス流体の意図する流動方向が第1の機器から第2の機器へである場合、第2の機器は第1の機器と連通している。
【0050】
下流の圧力センサー426は管路420の圧力と共通であり、上流の圧力センサー422は管路416の圧力と共通である。冷却剤気化器迂回弁の制御器430は、冷却剤気化器412を通して窒素を優先的に供給するための適切な推進力を提供する圧力損失を維持するため窒素を絞るために、比例信号432を冷却剤気化器迂回弁418に送る。冷却剤気化器窒素制御弁408が入ってくる窒素を絞ると、冷却剤気化器迂回弁418は開放することにより応答して圧力損失を維持する。この説明において、冷却剤気化器による圧力損失は、制御弁、センサー、及び冷却剤気化器412において入ってくる冷却剤流588の温度が窒素流の全体を気化させるのに十分である場合に迂回流420の積極的な遮断を行う制御器によって維持されるが、当該制御弁、センサー、及び制御器に代えてクラッキング圧の高い逆止弁を設置するというより簡単な方法で、燃焼式気化器における効率は同様に改善される。管路414の気化した窒素は、冷却剤気化器迂回流420からの窒素と一緒になって、気化器燃焼ガス流457から熱の提供を受ける燃焼式気化器熱交換器436への管路434に至る。
【0051】
遠心式又は軸流ブロワーからの強制空気管路440が燃焼式気化器のバーナー442に入る。灯油又はディーゼルなどの液体燃料が、容量型燃料ポンプ(図示せず)からの管路444から燃焼式気化器のバーナー442へ供給される。燃料管路の分岐管446が、燃料流の分かれた一部分を燃料圧力制御弁448を通して燃料戻り管路450へと逃がすことにより、燃料管路452の圧力を制御する。弁454によって、複数の並列の燃料電磁弁を表している。各燃料電磁弁は、燃料の燃焼により空気流440を加熱する燃焼式気化器のバーナー442内の噴霧用ノズルへの圧力で燃料を供給する専用の燃料管路456に接続している。燃焼ガスは管路457により燃焼式気化器の熱交換器436へと導かれ、そこで燃焼式気化器の熱交換器436の熱交換器チューブを通して管路434からの窒素流へと熱が移動させられる。
【0052】
気化器出口窒素流438は、温度信号468を燃焼式気化器制御器470へ送る温度センサー466を有する。燃焼式気化器制御器470はまた、冷却剤気化器入口温度センサー462及び燃焼式気化器入口温度センサー458からそれぞれ信号464及び460を受け取る。両方の気化器の入口で温度を測定して、低温液体窒素がこれら2つの気化器のどちらかで感知されない限り最低限の燃料流量以上で気化器を燃焼させない許容制御ロジックを提供する。燃焼式気化器制御器470は、並列の燃料電磁弁454のおのおのにオン−オフ信号472を送り、燃料圧力制御弁448に比例信号474を送る。燃焼式気化器制御器470は、気化器出口温度センサー466の設定点からの偏差を測定し、応答して、燃料圧力とバーナーに燃料を注入するノズルの数とを調整する。弁454及び弁448への信号の組み合わせと順序が、燃料流量を操作することにより燃焼温度を制御する。
【0053】
工業用途向け窒素ポンパーの許容可能な吐出温度は、窒素を加熱用又は冷却用媒体として使用する用途に対応するために、ほぼ−300°F(−184℃)から600°F(316℃)より高い温度までの範囲に及ぶことができる。許容可能な流量は同様に変えることが可能であり、特定の設備について20:1の範囲を超えて運転することができる。直接燃焼式気化器は、出口マニホールドで熱交換器のチューブに氷が生じる窒素出口温度では連続して運転することができない。また、直接燃焼式気化器を最小限の燃料流量で運転する場合には、最小限の流量の窒素を所望の吐出温度より高く加熱することが多い。ポンパー吐出温度が燃焼式気化器の最低限の運転出口温度より低いことを要求する用途は、気化器迂回制御弁478を必要とする。気化器迂回制御弁478を通過する液体窒素は、それが直接燃焼式気化器438から出てくる窒素の温度を低下させる場合に、管路480を通して送給される。混合した窒素流は、温度を吐出温度センサー484により感知する場合、管路482を通して送給される。センサーの信号486はポンパー吐出温度制御器488に伝送され、この制御器はユーザーが調整可能であり、気化器迂回制御弁478を調節するための比例信号492を送る。更に、吐出温度の設定点を信号490により燃焼式気化器制御器470に伝送する。燃焼式気化器制御器470は吐出温度制御器488からの設定点を使用して、気化器出口温度を最小限の許容可能な出口温度に又はそれより高い温度に制御する。
【0054】
この制御装置の冷却剤循環路に相当する部分は、詳しく説明した図2の非燃焼式気化器の冷却剤循環路200の構成と同じである。気化器冷却剤循環路ポンプ494は、冷却剤ポンプ吐出流496の冷却剤圧力を上昇させる遠心ポンプである。冷却剤ポンプ吐出流494の圧力センサー498は、信号500により冷却剤温度制御器596に接続される。冷却剤の循環の喪失を指示することができる冷却剤ポンプ吐出流494の異常に低い冷却剤圧力は、冷却剤温度制御器596によって制御される機器をデフォルトで、冷却剤循環路への及びそれからの熱移動を制限するフェイルセーフポジションにさせる。冷却剤ポンプ吐出流496からの冷却剤流量は2つの分かれた部分に分割される。流量の大部分は管路532を通して、エンジンチャージエアー熱交換器534と、管路550により接続されたエンジン排気熱交換器552とに導かれる。冷却剤流量の小さい方の部分は管路502を通して油熱交換器504に導かれる。エンジンターボチャージャー(図示せず)又はディーゼル排気処理触媒(図示せず)からのエンジン排気ガス554は、エンジン排気熱交換器552に入ってくる冷却剤流550に熱を移動させ、次いで管路556を通ってエンジンのマフラーへ又は直接大気へと出てゆく。
【0055】
非燃焼式気化器の冷却剤循環路の温度は、一部の条件下においては標準的に周囲温度より低い温度でよく、またある時には、非燃焼式気化器の冷却剤循環路はエンジンチャージエアーの所望温度より高い温度で運転することができる。ディーゼルエンジン製造業者は、最低及び最高のチャージエアー温度の限界を指定する。最高温度限界は、NOxの放出をEPAノンロード規制を満足する範囲内に保つことを意図している。最低限界は、空気を圧縮し冷却後に有意量の凝縮水がエンジン取り入れ口マニホールドに入るのを防ぐことを意図している。エンジンチャージ空気循環路の部分は、これらの因子を緩和するよう、図4に示されている。管路536は、エンジンターボチャージャー(図示せず)からチャージエアー熱交換器534へと送られる圧縮された高温のチャージエアーを示している。管路538が、このチャージエアーをEPA Tier 3放出制限を満たす多くのノンロード産業用ディーゼルエンジンに共通の空冷式チャージエアー冷却器540へ移送する。空冷式チャージエアー冷却器540は、冷却剤循環路の温度がエンジン冷却剤循環路の運転温度に接近するとチャージエアー熱交換器534はチャージエアーを適切には冷却しないので、必要である。運転条件がチャージエアーの温度をエンジン製造業者により指定された最低の温度限界より低い温度に冷却する場合には、周囲空気中の水蒸気からいくらかの水が凝縮することがある。この水は管路542により水分離器544へと移される。水分離器544では空気速度が小さく、流動方向が変化することにより、凝縮液が底部に集まることが可能になり、それはそこから管路548を通して自動フロートトラップ(図示せず)へ又は圧縮空気を排出することなく水抜きする同様の装置へ排出される。水分離器544から出てくるチャージエアーは、管路546を通してエンジン取り入れ口マニホールドへ送られる。このチャージエアーは、エンジン製造業者により規定される最高チャージエアー温度より低い温度にある。チャージエアーは、規定される最低チャージエアー温度より低温であってもよいが、凝縮液なしで空気を取り入れるのに適している。チャージエアー熱交換器534、空冷式チャージエアー冷却器540、及び水分離器544は全て、余計な構成要素を含むことでエンジン製造業者により規定される最大のチャージエアー循環路圧力損失を超えないように、圧力損失が小さい設計のものでなければならない。
【0056】
エンジンが作動しているとき、エンジンの排気はエンジン排気熱交換器552で非燃焼式気化器冷却剤循環路へ継続的に熱を移動させている。排気ガスから冷却剤への熱移動を制限するために直接の対策は必要とされないが、ラジエーター610とエンジン冷却ファン(図示せず)の寸法は、冷却剤気化器412が熱を窒素流へ移動させていないときに冷却剤が放散させなければならない余分な熱を補償するため大きくする必要がある。
【0057】
油熱交換器504への管路502の冷却剤の流れのうちの分かれた部分は、冷却剤循環路の温度が油の最高の許容運転温度より低い場合に、油循環路から熱を除去する。管路506は、油圧循環路又は潤滑油循環路の戻り管路に相当する。油の流れは、油熱交換器504への管路508と油熱交換器504を迂回させるための管路512との間で分割される(分かれた部分に)。油は油熱交換器504から管路510を通って出てゆき、温度調整弁514内で油熱交換器迂回流と一緒になる。この温度調整弁514は、冷却剤循環路の温度が油圧又は潤滑油循環路の所望の最低運転温度よりも低い場合に、油の粘土が大きくなるのを防ぐため低温の油を油熱交換器504を優先的に迂回させる。温度調整弁514の適切な温度設定はおよそ110°F(43℃)である。混合された油は管路516を通って温度調整弁514から出て、油冷却器520のために管路518と524を経由するよう再び分割される。この油冷却器520は、自然通風又は強制空気により熱を大気へ放散させるフィン付き冷却器でよく、それは冷却剤循環路の温度が油の最高許容運転温度よりも高い場合に必要である。管路518は油を油冷却器520へ送り、管路524は油を温度調整弁526へ直接迂回させる。冷却された油は管路522を通って油冷却器を出て、温度調整弁526内で迂回油流524と混合する。温度調整弁526の適切な温度設定はおよそ150°F(65℃)でよい。冷却された油の流れ528は、潤滑油循環路のための油貯蔵器、開ループ油圧循環路、及び閉ループ油圧ケース液抜き管路に戻る。冷却された油の流れ528は、閉ループ油圧循環路の油圧ポンプに戻る。油熱交換器504、油冷却器520、温度自動調節器514、526、及び相互接続導管は、開ループ及び閉ループ油圧システムの両方に設置することができる。
【0058】
エンジン排気熱交換器552からの管路558の冷却剤は、油冷却器504からの冷却剤流530と一緒になる。一緒になった冷却剤は、管路560を通って燃焼式気化器排気熱交換器562へと進む。高温の燃焼ガスは、燃焼式気化器熱交換器436へ熱を移動後に800°F(427℃)程度であることができる。燃焼ガスの流量は特定の気化器の設計に依存するが、Airco 660Kモデルの燃焼式気化器の場合、およそ9,000立方フィート/分(255立方メートル/分)である。大きな流量の燃焼ガスと、場合によって高い温度は、ラジエーターを通して放散させることができず、エンジンを過熱し熱交換器チューブで冷却剤を沸騰させるのを防ぐために一部の運転条件下で燃焼式気化器排気熱交換器562から迂回させなくてはならない大量の熱を冷却剤循環路へ移動させることができる。燃焼ガスは、管路564を通して燃焼式気化器排気ダイバーター566へ送られる。燃焼式気化器排気ダイバーター566は、必要な場合、燃焼ガス流の一部又は全部を管路568を通して大気へ直接排出する。そうでなければ、燃焼式気化器排気ダイバーター566は燃焼ガスを管路570を通して燃焼式気化器排気熱交換器562へと導き、次いでそれを管路572を通して大気へ排出する。燃焼式気化器排気ダイバーター566は、冷却剤温度制御器596からの信号600を受け取る比例式機械装置である。燃焼式気化器排気ダイバーター566は、典型的な最新式ディーゼルエンジン温度自動調節器の温度より低い165°F(74℃)〜175°F(79℃)の温度範囲にわたり排気ガスの方向を変更することができる。
【0059】
燃焼式気化器排気熱交換器562からの冷却剤は、ハイブリッドポンパーが運転している時には常に、管路574を通して凝縮スチーム熱交換器578へ送り出される。スチームを管路580を通して供給する場合には、スチーム制御弁582が管路584を通って凝縮スチーム熱交換器578のシェルに流入するスチームの流量を制御する。凝縮スチーム熱交換器578内では、スチームが冷却剤チューブ上で液化して、凝縮スチーム熱交換器578の低部へと重力により流れ、スチーム凝縮液がそこから管路586を通してスチームトラップ(図示せず)へ排出され、そこでは凝縮液が排出されるが、スチームは保持される。凝縮スチーム熱交換器578内のスチーム圧力が、冷却剤循環路への熱の移動速度を主に制御する。スチーム制御弁582は冷却剤温度制御器596からの信号602を受け取る。加熱された冷却剤は凝縮スチーム熱交換器578を出て、管路588により冷却剤気化器412へ移送される。低温液体窒素が冷却剤気化器412へと流れている場合には、冷却剤は高圧チューブを通して窒素流へと熱を移動させる。
【0060】
冷却剤気化器412から出てくる冷却剤は、冷却剤温度センサー592により温度が監視される管路590を流れる。この温度センサーは信号594を冷却剤温度制御器596へ送る。冷却剤温度が40°F(4℃)と50°F(10℃)の間の最低許容運転温度に接近すると、制御器596が冷却剤気化器窒素制御弁408への信号598を変更して、冷却剤気化器412を通過する窒素流量を減少させ冷却剤循環路から除去される熱を制限する。冷却剤温度が165°F(74℃)と175°F(79℃)の間の最高許容運転温度に接近すると、制御器596が燃焼式気化器排気ダイバーター566への信号600を調整して、燃焼式気化器排気熱交換器562への排気ガス流量を減少させ、そして制御器596はスチーム制御弁582への信号602を調整し、凝縮スチーム熱交換器578へのスチームの流量を減少させて、こうして冷却剤へ移動する熱を制限する。管路590からの冷却剤は冷却剤温度調整弁604へ進む。この冷却剤温度調整弁604は、ディーゼルエンジン自動温度調整器が開く温度よりわずかに低いが冷却剤気化器412における熱移動速度を低下させるほど低くないおよそ175°F(79℃)に設定すべきである。冷却剤温度調整弁604は、低温の冷却剤をラジエーター迂回流606へ送る。冷却剤温度が上昇すると、冷却剤温度調整弁604は冷却剤を管路608を通してラジエーター610へ導く。標準的なディーゼルエンジン動力装置を備えたラジエーターは、エンジン排気流544からの追加の熱負荷に対して定格化されることもなく、冷却剤気化器412で窒素を気化させるために熱を使用できない場合にターボチャージエアー流536からの追加の熱負荷に対して定格化されることもない。冷却剤循環路のラジエーター610は、通常のエンジン熱の定格放散量に加え、これらの熱負荷を受け取るように設計されなくてはならない。ラジエーター610からの冷却剤流612及びラジエーター迂回流606は、冷却剤マニホールド614に流入する。冷却剤マニホールド614からの主要な流れは、冷却剤貯蔵器620と管路618を介して連通する冷却剤貯蔵器ヘッダー616へ移送される。この主要な流れは続いて、エンジン温度調整器638からの高温の冷却剤流624が入ってきて冷却剤循環ポンプ吸い込み管路642に混入していく管路622へと進む。
【0061】
エンジン自動温度調整器638からの冷却剤が管路624を通して気化器冷却剤循環路ポンプの吸い込み管路642へ導かれると、管路626への冷却器冷却剤マニホールド614からの冷却剤とラジエーター流612とが交換され、その冷却剤はエンジン温度自動調整器638からエンジン冷却剤ポンプ630の吸い込み管路628へのより高温のエンジン冷却剤迂回流640と混じり合う。エンジン冷却剤ポンプ630は、ブロック634により表された複合エンジン冷却システムへの管路632の冷却剤の圧力を上昇させる。
【0062】
気化器冷却剤循環路ポンプ494は、エンジン冷却剤ポンプ630よりも大きい流量で冷却剤を循環させて、エンジン自動温度調整器638からの冷却剤が管路624、622、616、614、及び626を連続して流れることにより冷却剤気化器とエンジンラジエーターを迂回するのを防ぐようにするのが好ましい。容量が150ガロン/分(568リットル/分)のエンジン冷却剤ポンプ630をそなえたJohn Deereの6135HF485ディーゼルエンジンを利用するそのような設備の例は、ポンプ494から気化器循環路を通して200ガロン/分(757リットル/分)で冷却剤を循環させる。
【0063】
気化器排気ダイバーター566、燃焼式気化器排気熱交換器562、及び関連制御エレメントを備えた気化器自動制御器470と適合することができる燃焼式気化器の例は、固定速度の送風機と、各電磁弁が2つの圧力噴霧ノズルに燃料を供給する3つの並列燃料電磁弁454とを備えた、Airco/Cryoquipのモデル660Kである。
【0064】
冷却剤温度制御器596で表されている装置は単一の装置であることができ、あるいは個々の制御エレメントに専用の複数の制御装置であることができる。窒素排出温度制御器488及び燃焼式気化器制御器470によって表されている別々の装置は、それ以外に、単一の制御装置に組み合わせてもよい。
【実施例】
【0065】
窒素プロセスと制御システムは図4に例示したもので、非燃焼式冷却剤循環路の設計は図3に例示したものであるハイブリッドポンパーを製作した。利用したディーゼルエンジン動力装置は、定格450hp(336kW)のJohn Deere 13.5L mdl 6135HF485であった。利用した容量型往復トリプレックス低温ポンプは、ストローク2インチ(50.8mm)でコールドエンドに2インチ(50.8mm)のボアを持つPaul/Airco/ACDのモデル3−LMPDであった。エンジンからの動力を、Eaton Fuller RTO−11909MLL自動手動両用変速機を介して上記トリプレックスポンプに伝えた。燃焼式気化器はAirco/Cryoquipのモデル660K気化器であった。
【0066】
窒素吐出流量、温度、及び圧力の4つの計画に基づいて、製造中に性能試験を行った。第1の試験計画は、65°F(18℃)及び2,900psig(200barg)の吐出条件にて216,000スタンダード立方フィート/h(6,116nm3/h)の窒素流量で行った。第2の試験計画は、70°F(21℃)及び600psig(41.4barg)にて231,000SCFH(6,541nm3/h)で行った。意外な結果として、それぞれの燃焼式気化器燃料消費量は15ガロン/h(56.8L/h)及び23ガロン/h(87.1L/h)であった。ハイブリッド窒素ポンプの気化器の構成を利用せずに同じ条件を実施するためのAirco/Cryoquipのモデル660K気化器の推定燃料消費量は、それぞれ28ガロン/h(106L/h)及び34ガロン/h(128.7L/h)である。Detroit Diesel 8V−92Tエンジンの推定エンジン燃料消費量を含めて、当該気化器の構成はポンパーの全燃料消費量の30%及び24%の低下をもたらすことができる。
【0067】
第3の試験計画は、燃焼式気化器を利用しない点で、低流量で運転する従来式の非燃焼式ポンパーの運転に極めてよく似ている。この試験計画では、吐出圧力270psi(18.6barg)及び吐出温度70°F(21℃)で68,900スタンダード立方フィート/h(1,951nm3/h)の窒素流量が得られた。ハイブリッドポンパーは、燃焼式気化器を使わずに上記窒素条件を実現することができた。従来式の燃焼式ポンパーに取り付けたAirco 660K気化器の推定気化器燃料消費量と比べて、11ガロン/h(41.6L/h)の燃料が節約されたことで、燃料消費量の削減が実証され、そうでなければAirco 660K燃焼式気化器を使用することが必要となるであろう。この燃料消費量の結果から、Airco 660K気化器とDetroit Diesel 8V−92Tエンジンを用いた燃焼式気化器の燃料消費量を予測するモデルに関連して、推定の燃料削減は58%になった。
【0068】
第4の試験計画は、並列の3本の3/4”(DN20)ホースを通して凝縮スチーム熱交換器に供給される70psig(4.8barg)の飽和スチームを用いて行った。ハイブリッドポンパーを、370psig(25.5barg)及び100°F(38℃)の吐出条件にて111,000SCFH(3,143nm3/h)の吐出流量で運転した。この試験計画では燃焼式気化器は運転しなかった。同じ吐出条件を与えるためのAirco 660K気化器の推定燃料消費量は18ガロン/h(68.1L/h)である。エンジンからの熱とともに凝縮スチーム熱交換器を用いることで、Airco 660K気化器とDetroit Diesel 8V−92Tエンジンとを備えた窒素ポンパーに対して燃料消費量は推定で69%減少した。
【0069】
次の表1は、4つの試験計画の全てからのデータを示している。
【0070】
【表1】

【0071】
本発明の実施形態をいろいろな図の好ましい態様に関連して説明したが、そのほかの同様の態様を用いてもよいこと、あるいは説明した態様に対して本発明と同じ機能を果たすために本発明から逸脱することなく改変を加え追加を行ってもよいことを理解すべきである。よって、特許請求の範囲に記載された発明は、いかなる単一の態様にも限定されるべきでなく、特許請求の範囲に基づく幅と範囲でもって解釈されるべきである。例えば、次に示す実施形態もこの開示の一部であると解されるべきである。
【0072】
実施形態1. 次のa〜eを含むポンパー。
a.気化器のための低温流体を供給するための低温源。
b.前記低温流体の圧力を上昇させるための、前記低温源と連通する低温ポンプ。
c.前記低温ポンプと連通しており、前記低温流体を受け入れて加熱したスチームを作るようにされている非燃焼式気化器の冷却剤循環路。
d.前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路の下流にあってそれと連通しており、前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路から加熱した前記スチームを受け入れて過熱流を作るようにされている直接燃焼式気化器。
e.前記低温ポンプ、前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路、及び前記直接燃焼式気化器に動力を供給するためのディーゼルエンジン動力装置。
【0073】
実施形態2. 前記直接燃焼式気化器からの排気ガス流と前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路からの水−エチレングリコール冷却剤とを受け入れるようにされており、前記直接燃焼式気化器からの当該排気ガス流と当該水−エチレングリコール冷却剤との熱交換を行う熱交換器を更に含む、実施形態1のポンパー。
【0074】
実施形態3. 前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路が、前記水−エチレングリコール冷却剤を介した前記低温流体との熱交換のために外部供給源からスチーム流を受け入れるようにされた凝縮スチーム熱交換器を含む、実施形態1又は2のポンパー。
【0075】
実施形態4. 少なくとも前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路の温度を制御するようにされた制御装置を更に含む、実施形態1〜3のいずれか1つのポンパー。
【0076】
実施形態5. 前記低温流体が窒素である、実施形態1〜4のいずれか1つのポンパー。
【0077】
実施形態6. 次のa〜dを含むポンパー。
a.気化器のための低温流体を供給するための低温源。
b.前記低温流体の圧力を上昇させるための、前記低温源と連通する低温ポンプ。
c.前記低温ポンプと連通しており、前記低温流体を受け入れて加熱したスチームを作るようにされている非燃焼式気化器の冷却剤循環路であって、当該非燃焼式気化器の冷却剤循環路との熱交換のため外部源からスチーム流を受け入れるようにされた凝縮スチーム熱交換器を含む非燃焼式気化器の冷却剤循環路。
d.前記低温ポンプ及び前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路に動力を供給するためのディーゼルエンジン動力装置。
【0078】
実施形態7. 前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路の下流にあってそれと連通しており、前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路から加熱されたスチームを受け入れて過熱スチームを作るようにされている直接燃焼式気化器を更に含む、実施形態6のポンパー。
【0079】
実施形態8. 前記直接燃焼式気化器からの排気ガス流と前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路からの水−エチレングリコール冷却剤とを受け入れるようにされており、前記直接燃焼式気化器からの当該排気ガス流と当該水−エチレングリコール冷却剤との熱交換を行う熱交換器を更に含む、実施形態7のポンパー。
【0080】
実施形態9. 少なくとも前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路の温度を制御するようにされた制御装置を更に含む、実施形態6〜8のいずれか1つのポンパー。
【0081】
実施形態10. 前記低温流体が窒素である、実施形態6〜9のいずれか1つのポンパー。
【0082】
実施形態11. 次のa〜cを含む低温流体過熱方法。
a.気化のための低温流体を供給すること。
a.前記低温流体を加圧すること。
b.加圧した前記低温流体を非燃焼式気化器の冷却剤循環路において加温して高温の加圧流体を作ること。
c.加温した前記加圧流体を、前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路の下流に位置しそれと連通している直接燃焼式気化器において更に加温して過熱スチームを作ること。
【0083】
実施形態12. 前記直接燃焼式気化器からの排ガス流と前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路からの水−エチレングリコール冷却剤とを熱交換させて当該水−エチレングリコール冷却剤を加温することを更に含む、実施形態11又は14の方法。
【0084】
実施形態13. 加温した前記水−エチレングリコール冷却剤を使って加圧した前記低温流体を加温する、実施形態12の方法。
【0085】
実施形態14. 外部源からのスチーム流を前記水−エチレングリコール冷却剤と熱交換させて当該水−エチレングリコール冷却剤を加温することを更に含む、実施形態11又は12の方法。
【0086】
実施形態15. 加温した前記水−エチレングリコール冷却剤を使って加圧した前記低温流体を加温する、実施形態14の方法。
【0087】
実施形態16. 少なくとも前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路を監視して前記水−エチレングリコール冷却剤の温度を制御することを更に含む、実施形態11〜15のいずれか1つの方法。
【0088】
実施形態17. 前記低温流体が窒素である、実施形態11〜16のいずれか1つの方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次のa〜eを含むポンパー。
a.気化器のための低温流体を供給するための低温源
b.前記低温流体の圧力を上昇させるための、前記低温源と連通する低温ポンプ
c.前記低温ポンプと連通しており、前記低温流体を受け入れて加熱したスチームを作るようにされている非燃焼式気化器の冷却剤循環路
d.前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路の下流にあってそれと連通しており、前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路から加熱した前記スチームを受け入れて過熱流を作るようにされている直接燃焼式気化器
e.前記低温ポンプ、前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路、及び前記直接燃焼式気化器に動力を供給するためのディーゼルエンジン動力装置
【請求項2】
前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路が、水−エチレングリコール冷却剤を介した前記低温流体との熱交換のために外部源からスチーム流を受け入れるようにされた凝縮スチーム熱交換器を含む、請求項1記載のポンパー。
【請求項3】
前記直接燃焼式気化器からの排気ガス流と前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路からの水−エチレングリコール冷却剤とを受け入れるようにされており、前記直接燃焼式気化器からの当該排気ガス流と当該水−エチレングリコール冷却剤との熱交換を行う熱交換器を更に含む、請求項1記載のポンパー。
【請求項4】
前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路が、前記水−エチレングリコール冷却剤を介した前記低温流体との熱交換のために外部供給源からスチーム流を受け入れるようにされた凝縮スチーム熱交換器を含む、請求項3記載のポンパー。
【請求項5】
少なくとも前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路の温度を制御するようにされた制御装置を更に含む、請求項1記載のポンパー。
【請求項6】
前記低温流体が窒素である、請求項1記載のポンパー。
【請求項7】
次のa〜dを含むポンパー。
a.気化器のための低温流体を供給するための低温源
b.前記低温流体の圧力を上昇させるための、前記低温源と連通する低温ポンプ
c.前記低温ポンプと連通しており、前記低温流体を受け入れて加熱したスチームを作るようにされている非燃焼式気化器の冷却剤循環路であって、当該非燃焼式気化器の冷却剤循環路との熱交換のため外部源からスチーム流を受け入れるようにされた凝縮スチーム熱交換器を含む非燃焼式気化器の冷却剤循環路
d.前記低温ポンプ及び前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路に動力を供給するためのディーゼルエンジン動力装置
【請求項8】
前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路の下流にあってそれと連通しており、前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路から加熱されたスチームを受け入れて過熱スチームを作るようにされている直接燃焼式気化器を更に含む、請求項7記載のポンパー。
【請求項9】
前記直接燃焼式気化器からの排気ガス流と前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路からの水−エチレングリコール冷却剤とを受け入れるようにされており、前記直接燃焼式気化器からの当該排気ガス流と当該水−エチレングリコール冷却剤との熱交換を行う熱交換器を更に含む、請求項8記載のポンパー。
【請求項10】
少なくとも前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路の温度を制御するようにされた制御装置を更に含む、請求項7記載のポンパー。
【請求項11】
前記低温流体が窒素である、請求項7記載のポンパー。
【請求項12】
次のa〜dを含む低温流体過熱方法。
a.気化のための低温流体を供給すること
b.前記低温流体を加圧すること
c.加圧した前記低温流体を非燃焼式気化器の冷却剤循環路において加温して高温の加圧流体を作ること
d.加温した前記加圧流体を、前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路の下流に位置しそれと連通している直接燃焼式気化器において更に加温して過熱スチームを作ること
【請求項13】
前記直接燃焼式気化器からの排ガス流と前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路からの水−エチレングリコール冷却剤とを熱交換させて当該水−エチレングリコール冷却剤を加温することを更に含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
加温した前記水−エチレングリコール冷却剤を使って加圧した前記低温流体を加温する、請求項13記載の方法。
【請求項15】
外部源からのスチーム流を前記水−エチレングリコール冷却剤と熱交換させて当該水−エチレングリコール冷却剤を加温することを更に含む、請求項13記載の方法。
【請求項16】
加温した前記水−エチレングリコール冷却剤を使って加圧した前記低温流体を加温する、請求項15記載の方法。
【請求項17】
外部源からのスチーム流を前記水−エチレングリコール冷却剤と熱交換させて当該水−エチレングリコール冷却剤を加温することを更に含む、請求項12記載の方法。
【請求項18】
加温した前記水−エチレングリコール冷却剤を使って加圧した前記低温流体を加温する、請求項17記載の方法。
【請求項19】
少なくとも前記非燃焼式気化器の冷却剤循環路を監視して前記水−エチレングリコール冷却剤の温度を制御することを更に含み、請求項12記載の方法。
【請求項20】
前記低温流体が窒素である、請求項12記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−515223(P2013−515223A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545939(P2012−545939)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/052667
【国際公開番号】WO2012/050580
【国際公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】