説明

ハイブリッド静電容量型タッチスクリーン素子

【課題】 タッチセンシティブプラットフォームを形成する基板を備えた静電容量型タッチセンシティブ位置センサを提供する。
【解決手段】 基板に第1及び第2の抵抗バス・バーを、間隔を空けて配列する。バス・バー同士間に導電性のセンシング区域を形成し、この区域は、第1及び第2の抵抗バス・バーに別々に接続された第1及び第2の導電素子群を備えて構築され、導電素子群は、導電性のセンシング区域で誘導された電流がバス・バーに向かって流れる一方、バス・バーと平行な方向には流れないよう、互いに非導電ギャップにより間隔を空けている。この設計はピンクッション歪みを除去し出力信号の線形化を向上させる。センシング領域は一方のバス・バーから他方のバス・バーへ直流結合されていないので、電圧勾配は均一で歪みのないままである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間の指又はスタイラスによって動作可能な2次元のタッチセンシング面に関する。デバイスの例には、タッチスクリーン及びタッチパッド、中でもLCDを覆うものや、CRT及び他のタイプのディスプレイや、ペン入力のタブレットや、フィードバック制御の為に機械で用いられるエンコーダなどがある。
【背景技術】
【0002】
参照により本明細書に組み込まれる本出願人の以前の同時係属中の特許文献1には導体のパターンが記載されており、このパターンはセンシング領域内部では、2つ以上の方向への電流フローを防止する導電性のストライプ群を使用することにより、場合によっては、パターン形成できない特別な異方性の導電材料を用いることによって、異方性の直流特性を持つ。少なくとも4つの電極が、センシング層の隅ごとに1つずつと、指のタッチに関連した信号を検出する静電容量センシング回路とに接続されている。区域内のタッチの場所の中心を、プロセッサがレシオメトリックな方法により数学的に算出する。センシング領域の2つの側部にのみ現れるピンクッション歪みを単純な二次方程式又は他の方法で補正する。
【0003】
特許文献2には、オブジェクトの位置を決定する三角形状部群を持つタッチ素子が示されている。しかしこの方式には、非常に多くの補助電極接続に加えて層を二つ以上構築する必要があり、その為に、構築のコストが増え透過性が低減する。
【0004】
特許文献3が示す二次元センシング法は、アクティブな区域内で必要とする層が1つだけであるものの電極接続を数多く必要とする。抵抗ストリップ群が解像するのは位置の軸の1つであり、精度は数多くの抵抗ストリップの公差に依存している。とはいえ、この方法はハンドシャドウ現象(hand shadow effect)を抑制する。
【0005】
特許文献4には、場の勾配を作り出す為に電線で電極の輪郭を形作った三角の形状部群を用いたタッチスクリーンが記載されている。しかし、この特許には、センシング回路への電極接続の数が三角形1つあたり1つなので画面サイズを拡大するのは困難、という問題がある。コストを低減させ構築を単純にする為には、接続の数を劇的に低減させることが望ましい。更に、電線による輪郭ではなく、中空でない形状を用いることが望まれるが、構築の費用は増える。とはいえ、この方法はハンドシャドウ現象(hand shadow effect)を抑制する。
【0006】
先行技術では、接続電極が少数かつハンドシャドウが抑制される1層のセンシング領域を供給するように上述の特許の教示のどれをどう組み合わせるのかは、その解決策にたどり着いた日が示されていないという事実からも明らかなように、未知あるいははっきりしていない。
【0007】
用語「2次元静電容量型トランスデューサ(two‐dimensional capacitive transducer)」又は「2DCT」を用いて全体を通じて示されているのは、タッチスクリーンや、タッチセンシングパッドや、近接センシング区域や、LCDやプラズマやCRTのスクリーン等にタッチスクリーンをかぶせたディスプレイや、機械的な装置又はフィードバックシステムの為の位置センシングや、静電容量センシングメカニズムを用いて、オブジェクト又は人間の体の一部の場所に関して、少なくとも2次元座標即ちデカルト座標又はそれ以外の座標を報告できる表面又は体積を有した制限のない他のタイプの検査面などである。
【0008】
用語「2次元抵抗トランスデューサ(two‐dimensional resistive transducer)」又は「2DRT」を用いて全体を通じ指されているのは、純粋に直流の原理に基づいたタッチスクリーン又はペン入力デバイスであり、この業界では、総称的にかつ主として「抵抗タッチスクリーン(resistive touch screen)」として既知である。
【0009】
用語「2DxT」が指しているのは、2DCT又は2DRTのタイプの素子のどちらかである。
用語「タッチ(touch)」が全体を通じて意味しているのは、所望の出力を生成する人間の体の一部又は十分な静電容量信号強度を持つ機械要素によるタッチ又は近接である。「近接(proximity)」という意味において、タッチは更に、物理的には接触せずに2DCTを「指さす(point)」ことも意味し、この場合に2DCTは、正しく反応するのに十分なだけオブジェクトが近接したことによる静電容量に対し応答する。
【0010】
用語「素子(element)」が全体を通じて指しているのは、2DCT又は2DRTのアクティブなセンシング素子である。用語「電極(electrode)」が指しているのは、素子の周辺部の接続点である。
【0011】
用語「ストライプ(stripe)」が指しているのは、素子の構成部分であり2つの端を持つ電線導体である。ストライプは電線の場合も考えられる。ストライプには意図的に実質的な直流抵抗があり、これに対し電線の抵抗は最小である。ストライプの一部である素子が物理的に湾曲している場合は、ストライプも物理的に湾曲している。
【0012】
用語「ピンクッション(pin cushion)」が指しているのは、2DCTからの信号の歪みであり、二次元収差の形が放物線状であろうと樽型であろうと他の形であろうと関係ない。
【0013】
多くのタイプの2DCTについて知られているのは「ピンクッション(pin cushion)状」又は「双曲線(hyperbolic)状」又は「放物線状(parabolic)状」と描写される幾何学的歪みという難点があることであり、よって、センシング面の電気的な影響のせいで報告されるタッチの座標は正確ではない。この現象は、種々の他の特許、例えば、参照により組み込まれているPepperの特許文献5に更に詳細に記載されている。幾何学的歪みに対する、既知の、原因と解決策とその解決策の問題とについては、参照により組み込まれている、Babbらの特許文献6と特許文献7とを読むとうまくまとめてあるのがわかる。特許文献6には2つの主要な種類の補正が簡潔に記載されている。即ち、1)センシング面又は接続電極の設計又は修正を伴う電気機械的法と、2)歪みの補正に数学的なアルゴリズムを用いるモデル化法である。
【0014】
本出願人の特許文献8“Charge Transfer Capacitive Position Sensor”には、図12を併用してそれぞれ異なる抵抗1Dストライプを用いてタッチスクリーンを作る方法が記載されている。このストライプ群は、このストライプ群への接続が互いに独立しているので、平行に又は順次読み取り可能である。更に、図6に関連して、隣り合った集中電極素子と指などのオブジェクトとの間の補間結合も記載されている。特許文献8は参照により本願に組み込まれる。
【0015】
本出願人の特許文献9には、コンピュータポインティングデバイスの一部として機能するよう意図され、レシオメトリックな静電容量センシング技術を利用した静電容量位置センサが記載されている。パターン形成された金属電極のアレイが絶縁基板層に配置されて
おり、電極の形状は、ユーザの指が電極アレイを横断すると変動する静電容量出力を生成するように選択されている。
【0016】
添付の図面のうち図7は特許文献9の図4の再現である。パターン形成された金属電極のアレイが絶縁層に配置されており、電極の形状は、ユーザの指が電極アレイを横断すると変動する静電容量出力を生成するよう選択されている。この配列には、次元ごとに2つずつの電極セットが計4つ散在している。x軸のセットは三角形で、こちらの方が分かりやすい。三角形の第1のセット1はすべて、X1で示される出力バスに電気的にまとめて接続されている。第2のセット2も、X2と表示されている出力にまとめて接続されている。x軸に対するユーザの手の位置を、X1からの信号とX2からの信号の比率から確認できる。静電容量が表面積に正比例していることと、左側ではX1に接続されているプレート群の表面積の総計がX2に接続されたプレート群の表面積の総計より広くなる(逆の場合も同様)ことから、十分な信号強度をもたらすのに十分近い範囲で指の面積がパターンを十分に広く覆っている限りは、X1/X2又はX2/X1の比率を調べる能力は保持される。対応するセットのプレート群がY1バス及びY2バスに接続されている。Yに接続されたセットも、Xのセットとは違うがレシオメトリックである。Yのセットは、互い違いのY1に接続された長方形のストライプ3及びY2に接続された長方形のストライプ4から成り、Yのセットのy軸の次元は配置によって変動する、つまり、場所YによってY1とY2との間の表面積の比率が滑らかに変動する。隣り合うどの組のy軸のストライプ3及び4の合計も一定なので、1組になった2つのストライプ群の静電容量の合計がみな同一、即ち、ストライプ群1組ごとにC(Y1)+C(Y2)=C(Y)である。よって、ユーザの指がy軸に沿って移動する際に、検出される静電容量の比率はCX1)/C(X2)の比率と同じように測定され、即ち、最大値は分子になる。
【0017】
しかし、この設計により2DCTにもたらされる分解能には制限がある。
【特許文献1】米国出願第10/916,759号(US2005/0041018 A1として公開済み)
【特許文献2】米国特許第3,593,115号
【特許文献3】米国特許第5,650,597号
【特許文献4】米国特許第6,297,811号
【特許文献5】米国特許第4,198,539号
【特許文献6】米国特許第5,940,065号
【特許文献7】米国特許第6,506,983号
【特許文献8】米国特許第7,148,704号
【特許文献9】米国特許第6,288,707号
【特許文献10】米国特許第5,730,165号
【特許文献11】米国特許第6,466,036号
【特許文献12】米国特許第6,535,200号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の1つの目的は、通常使用されている高価でない材料と製造工程とを用いて、異方性の直流導電特徴の2DxTセンシング素子を提供することである。
本発明の更なる目的は、位置補間によって、最も簡単なパターンで最高の分解能を達成することである。
【0019】
本発明のもう1つの目的は、相対的に粗い生の信号のアナログ‐デジタル変換器(ADC)の分解能で、位置分解能が高く粒度が低いという成果を得られる2DCT素子を提供することである。
【0020】
もう1つの目的は、温度ドリフトの影響を受けにくく、製造プロセスで高度に再現可能な、2DCT素子を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、先行技術と比べかなり簡略化された「学習(learn)」較正プロセス又は設計による較正のどちらかを必要とする2DCT素子か、何も必要としない2DCT素子を提供することである。
【0021】
もう1つの目的は、必要な導電材料の層が1つだけである2DCT素子を提供することである。
更なる目的は、2DCTセンシング層を、厚さ10mmまで或いはそれ以上のガラス又はプラスチックのシートなどの相対的に厚い誘電性のカバーレンズの後ろに備えられるようにする、又は指示により空間を空けて備えられるようにすることである。
【0022】
本発明の更なる目的は、配線に対する要求が相対的に平易な2DCTセンシング素子を提供することである。
本発明の更なる目的は、信頼性が高く、表面が密閉されており、消費電力が低く、既製のマイクロコントローラとごく普通のドライブ用電子機器とを用いて直接的に制御及びセンシングできるセンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、素子の考えられる4つの側部のうち2つにそれぞれ1つずつバス・バーを備え、中心に異方性特性を呈示するセンシング領域がある、というところは本出願人の以前の同時係属中の特許文献1と同様である。しかし、本発明は、本出願人の特許文献1の教示を、バス・バー同士間の交差導電を回避するセンシング領域内の新しいパターンを用いて改善したものである。本発明のセンシング素子はピンクッション歪みをすっかり無くす、又はほとんど完全に無くすので、有利である。
【0024】
センシング領域の内部に、特許文献1とは違い、抵抗が事実上制御されていない、不透明と半透明と透明のうちいずれかの伝導性材料を用いてよい。
センシング領域には、センシング領域の2つの側部同士の間に相互に挟まれているパターン形成された導体の素子群があり、2つの側部はどちらも、抵抗が制御されている抵抗ストリップによって境界が定められており、抵抗ストリップには少なくとも2つの電極接続がなされている。
【0025】
本発明は、タッチセンシティブ位置センサを供給し、本センサは、タッチセンシティブプラットフォームを規定する基板と、基板に間隔を空けて配列された第1の抵抗バス・バー及び第2の抵抗バス・バーと、導電素子群が第1の抵抗バス・バー又は第2の抵抗バス・バーのどちらかに接続されているが両方には接続されておらず導電性のセンシング区域で誘導された電流がバス・バーに向かって流れるよう、バス・バー同士間に配列される容量場を発する導電素子群を具備した導電性のセンシング区域とを備えている。各バス・バーから、それぞれバス・バーの接続点へと電流が流れる。導電性のセンシング区域内の電流は、導電性の領域内をバス・バーと平行な方向に流れることは出来ない。
【0026】
本発明の実施形態においては、第1の導電素子群及び第2の導電素子群が、隣り合う導電素子が各自のレシオメトリックな静電容量信号を供給するべく、導電性のセンシング区域に同じ広さに広がるように成形されている。
【0027】
本発明のある好適な実施形態においては、第1のバス・バー及び第2のバス・バーとの間の複数の導電素子の構成は実質的には段階的に配列された構成であり、この構成に伴うのは、三角形状部又は他の形態の段階的に配列され挟み合った部材の利用である。ある実施形態では、第1の導電素子群及び第2の導電素子群が、レシオメトリックな静電容量信
号を供給する為に、一定の離間幅の相補性の先端部群を持つ。別の実施形態では、第1の導電素子及び第2の導電素子が、レシオメトリックな静電容量信号を供給する為に隔たりがずっと同じ広がりで面積がさまざまな隣り合ったブロック群を具備している。
【0028】
信号処理は一般に特許文献1で説明されたとおりに実行され、その関連箇所を参照し参照により本願に組み込む。なおまた、各導電素子の幅は、使用可能な表面積の面積を拡大させて指との結合を向上させるよう、導電素子同士間のギャップより大きいことが好ましい。本発明の重要な特質は、バス・バーのうち1つから始まっている導電素子群が電気的に絶縁されており、他の対向するバス・バーにも、対向するバス・バーに接続された導電素子群にも、接続されていないことである。従って、第1の抵抗バス・バーから始まっている導電素子群は第2の抵抗バス・バーに直流接続されておらず、第2の抵抗バス・バーから始まっている導電素子群も第1の抵抗バス・バーに直流接続されていない。
【0029】
各バス・バーを、相互接続で接合された一連の個別の抵抗器で作成してよい。代わりに、各バス・バーを、単位長さ当たりの抵抗が均一の抵抗ストリップ、例えば炭素ベースの膜で作成してもよい。
【0030】
第1の抵抗バス・バー及び第2の抵抗バス・バーから始まっている導電素子群は、非導電ギャップの分だけ、又は、一般的にアブレーション又はエッチングにより形成される空間の分だけ間隔を空けているか、導電素子を形成する材料を選択的に堆積することにより間隔を空けている。導電材料は一般的に、透明なタッチスクリーンの場合について言えば、透明なインジウムスズ酸化物(「ITO」)材料又はAgfaのOrgacon(登録商標)などの透明な導電性ポリマーなどであり、透過性が必要でない場合には炭素膜などの不透明な導体でよい。導電素子同士間のギャップの幅や挟み合った部材の量を変えると、バス・バーによって測定される静電容量が変わる。
【0031】
本発明は、本出願人の同時係属中の特許文献1と比べると、ピンクッション歪みの悪影響を著しく低減させる、又は完全に取り除き、出力信号の線形化を大幅に促進する。(特許文献1)では、両方のバス・バーに結合された導電素子群がセンシング領域にあることにより、電圧勾配によって信号が対向する隅へと引き寄せられる。本発明に見られるように、センシング領域が一方のバス・バーから他方のバス・バーへ直流結合されていない場合、電圧勾配は均一で歪みのないままである。一方の側部から他方の側部への静電結合は、静電容量がセンシング領域のどこでも完全に充放電できるならば、歪み要素を発生しない。
【0032】
本発明は更に、オブジェクトの位置を2次元で検出するタッチセンシティブ位置センサを提供し、本位置センサは、センシング区域により分離された第1の抵抗バス・バーと第2の抵抗バス・バーとを有し、センシング区域が、バス・バー同士間に配列された多数の挟み合った導電材料の部材群を具備しており、挟み合った部材群がバス・バーのうち一方のバス・バー又は他方のバス・バーに接続されているが両方には接続されていないようになっており、その結果、誘導された電流が優先的にバス・バーに向かって流れ、バス・バー同士がセンシング区域内では直流絶縁されている。
【0033】
以下特に断わらない限り、用語「接続(単数又は複数)」又は「接続された」は、直流接触又は静電結合のどちらかを指す。「素子」が指しているのは、導電性の物質で作られた物理的電気的なセンシング素子である。「電極」が指しているのは、好適なドライバ/センサの電子機器に素子を接続させる直流接続点の1つである。用語「オブジェクト」及び用語「指」は、ワイパやポインタやスタイラスなどの無生物と、代案として人間の指又は他の付属物とのうち、いずれかに関し同義的に用いられ、どちらも、素子と隣り合って存在していると、どんな遠回りの経路を通ってでも、直流であろうと非直流であろうと素
子の領域から基準回路に戻る局部的な静電結合を作り出す。用語「タッチ」には、オブジェクトと素子との間の物理的接触も、オブジェクトと素子との間の空き空間での近接も、オブジェクトと、オブジェクトと素子との間にある誘電体(ガラスなど)との間の物理的接触も、オブジェクトと素子との間にある誘電性の介在する層を含む空き空間での近接も含まれる。特定の回路のパラメータや向きについての言及は、回路又はアルゴリズムを変更せずに又はほとんど変更せずに広範囲のパラメータが可能なので、本発明を制限するものとして捉えてはならない。つまり、特定のパラメータ及び向きに言及したのは単に説明の為である。注目すべきは、電荷移動静電容量センシングを対象としている本出願人の先行特許、特に特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、および本出願人の同時係属中の特許文献1である。中でも特に注目すべきは、これらの特許の各々に記載された電子的なセンシング回路及び方法を、本明細書に記載した本発明と併用できることであるが、これらの方法だけに限らない。多様な静電容量センシング回路を本発明と共に使用してよい。これらの特許に記載されたさまざまな電気回路及びセンシング法を用いて、本発明の電極をドライブさせその結果を解釈することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明をより深く理解してもらい本発明がどのように効果をもたらすかを示す為に、ここで例として添付の図面に関して述べる。
図面を参照すると、図1A、図1Bが図示しているのは、本発明を具体化する2DCTセンシング素子100であり、センシング素子の隅には4つの接続電極である101、102、103、104がそれぞれ備えられている。電極101〜104はセンシング回路(図示せず)に接続されている。センシング素子100の左側部及び右側部に示されているのは、電極101と電極102との間に接続されている抵抗素子110と、電極103と電極104との間に接続されている抵抗素子111である。センシング領域内には、導電性の三角形状部群からなるそれぞれ異なるセット2つがあり、一方のセット105は抵抗側部110に接続されており、他方のセット106は抵抗側部111に接続されている。三角形状部群は、左右に場の勾配をもたらすように相互に挟み合っている。即ち、使用時に、センシング素子の左側から右側へと走る指によって、静電容量の段階的な変化が自然に引き起こされ、この変化は、レシオメトリックな計算を用いて水平位置の決定ができるよう電極101〜104で測定される。これは、電線で電極の輪郭を形作った形状部群を併用している特許文献4に部分的に記載されている。
【0035】
導電性形状部105及び106は、デバイスのセンシティブ区域を規定する電極パターンで形成されている。電極パターンは基板上に配列されている。基板は、都合のよい、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの柔軟で透過性のあるプラスチック材料であってよい。基板は一般に絶縁性である。電極パターンは、例えば、固有抵抗が数百オーム/スクエアの酸化インジウムスズ(ITO)で作られる。これは透過性材料なので、ディスプレイへの応用や、下に配置されているボタン又は他のテンプレートが見えていなくてはならない他の応用に適している。
【0036】
より一般的には、電極パターンを作るには、任意の好適な導電材料を堆積又は除去すればよい。堆積は、例えば蒸着やスクリーン印刷によって可能である。除去は、例えばレーザや化学エッチングによって可能である。電極パターンは、先細電極105及び106を規定する。図示のように、第1の電極105及び第2の電極106は両方とも、概して、x方向に広がっておりy方向に相互に挟み合っている。各電極の形状は先細の三角形である。三角形の先細電極は、センシティブ区域の左右の側部に配列されている。隣り合った1組の電極である105及び106がセンシティブ区域をx方向にセンシティブ区域のそれぞれ左側部及び右側部から同じ広さに広がっている。このように、それぞれ隣り合った1組の同じ広がりを持つx電極が、特許文献8で説明されたようないわゆるスライダを形成する。具体的には、スライダは、特許文献8の図15に図示された種類のスライダであ
り、このようなスライダの動作を記載するこの文献の関連の内容は、参照により本願に組み込まれる。当然のことながら、各電極素子を、作動デバイス、一般的に人間の指107に対して適当な形かつ適当な大きさにして、x方向の電極素子同士の広がり、即ちx方向の重なりの長さに亘るレシオメトリックな静電容量信号を供給する。センシング素子100に沿って縦に、即ちy方向に走る抵抗バス・バー110及び111は、上下に場の勾配をもたらす。即ち、センシング領域を上から下へ指を走らせることによって、静電容量の段階的な変化が自然に引き起こされ、この変化は、レシオメトリックな計算を用いて垂直位置の決定ができるよう電極101〜104で測定される。これは本出願人の特許文献8に記載されている。
【0037】
注目すべきことに、図1Aのパターン層はセンシング素子の端部にピンクッション現象を全く起こさない。本出願人の同時係属中の特許文献1とは違って、三角形状部が互いに絶縁されており、DC電流はセンシング素子の一方の側から他方の側へは通れないので、左側と右側との間に直流導電はない。この状況であれば、三角の素子をすべて等電位にし、2つのバス・バー同士間で左から右への正味の電流フローが発生しない状況にするには、センシング回路を十分低い周波数(又は十分長いパルス幅)で動作させて静電容量の勾配を安定化させるだけで十分である。ドライブ信号を、RC時定数の影響などが原因で確定できないと、膜の設計はピンクッション現象を呈する。
【0038】
図1Aの実施形態の三角形状部のサイズは、常に妥当なレベルの補間がもたらされるように、繰り返すパターンのセットの少なくとも1つに比べて指による接触107が大きくなるようなサイズでなくてはならない。パターンのセットは、左の接続された三角形1つと隣り合った右の接続された三角形1つである。
【0039】
図1Aの外部のバス・バーを使用するので、センシング領域で三角形状部を作る為に用いる材料は、抵抗が制御されていなくてもよく、銅などの金属で作ってもよいし、300オーム/スクエア〜1,000オーム/スクエアなどの妥当な抵抗の酸化インジウムスズ(ITO)で作ってもよい。センシング領域の素子の抵抗の変動がセンシング応答へ与える影響は小さい、又はない。
【0040】
バス・バーの好適な範囲の抵抗は終端間でほぼ20K〜500Kオーム程度だが、この範囲外の他の抵抗値を使用することができる。
図2は、図1の実施形態と同一の基本的なパターン構成を示すが、抵抗バス・バー110及び111がパターン形成された導電材料に組み込まれており201及び202として示されていることを除く。材料が、300オーム/スクエアのITOなどの適当に高い抵抗で作られている場合、ITOのトラックは十分に狭く、抵抗バス・バーとしての機能を果たせる。代案として、ジグザグの線を用いて経路長を延ばすことでバス・バーの抵抗を上げることもできる。
【0041】
図3A及び図3Bは、図2に示されている構成と同一の構成を示すが、三角形の導電材料を用い、「死んでいる(dead)」側部の面積の必要を実質的に増やさずに各バス・バーの経路長を延ばしたことを除く。多くの応用で、センシング領域は可能な限り広く側部の接続用のスペースは小さいことが要求されるが、図1及び図2の各実施形態に示されているバス・バーは過剰なスペースをとる。電流を三角形状部に流せば、経路長が延びるので側部の空間の必要性を高めずにバス・バーの抵抗が高まる。図3Aに具体化されたパターンと同様なパターンに組み込み可能な抵抗バス・バーの一部を示す図3Cを参照すると、ギャップ301が電流を三角形状部へと流れ込ませて三角形状部の内部で流れさせる303ので、電流経路が延長し、抵抗が高まる。図3Aの実施形態の抵抗バス・バー201の一部を示す図3Bでは、やはり経路の抵抗を実質上低下させずにギャップ301の大部分を導電材料の部分302で埋めているので、この領域の必要なセンシングの場を生じ
させる導電材料の表面積が最大となる。
【0042】
図4は、本発明を8つの接続点によって具体化するパターン形成された導電材料のセンシング素子100を示す。導電材料のパターンの隅に電極101〜104が設けられている。バス・バー201、202のそれぞれ一方に沿って4つの電極401、402、403、404が組になって追加されている。この追加された電極群を、隅の電極と結合されているドライブチャネルと同様なドライブチャネルに結合して、追加の4つの出力信号を供給することもできる。種々のドライブチャネルを、独立したドライブ回路により又は単一のドライブ回路を適切に多重化することにより設けてもよい。センシング素子100は事実上3つのセンシング素子を備えていると考えればよい。即ち、センシング素子には、402、102、404、104と表示されている電極4つを4隅とする下部センシング素子と、401、402、403、404と表示されている電極4つを4隅とする中部センシング素子と、101、401、103、403と表示されている電極4つを4隅とする上部センシング素子とがある、とみなせる。
【0043】
図4の実施形態では、付加的な電極接続を使用することで、EP 1335318 A1として発行された本出願人のUS 10/341,948(放棄)で説明されたハンドシャドウ現象(handshadow effect)の抑制が改善される。サイズが対角線10.16cm(4インチ)までの2DCTの表面上でハンドシャドウ現象を抑制するには片側ごとに4つの電極接続で十分だということが分かっているが、実際には、スクリーンのサイズや、パネル厚さや、ハンドシャドウの抑制の所望の程度などに依存して、片側ごとに接続を幾つ(最小で2つ)使用してもよい。
【0044】
図5が示すのは、必要な左右の場の勾配を作り出すセンシング電極の代替のパターンである。この電極群が用いているのは、勾配を調整するよう相互に挟み合っているスパイン群503に接続されている段階的に配列された長方形の導体501及び502である。パターンは段階的に配列された長方形501及び502の2つの行を示す。つまり、長方形の第1のセット501のサイズは、抵抗バス・バー110(201)からバス・バー111(202)に向かって段階的に小さくなっている。長方形の第2のセット502は長方形501と相互に挟み合っており、そのサイズはバス・バー110からバス・バー111へと段階的に大きくなっている。パターンに示されている第3の行には、長方形の行と同様の配列に構築され段階的に配列された三角形の導体701及び702がある。側部のバス・バー及び接続は、図1、図2、図3A、図4の各実施形態に示されているものと同様に作ることができる。本発明の精神から逸脱することなく他のパターンを同様に用いてよい。
【0045】
図6が示しているのは、上述の各図に記載されたパターンのいずれかのセンシング電極接続をドライブするのに用いられるセンシング回路の1つの形式である。スイッチ1302、1303、1304の、場所A、A’、A’’、A’’’、B、B’、B’’、B’’’、C、C’、C’’、C’’’での切り換えの繰り返しを各電極で同時に行いることによって、タイミングを合わせ同じ瞬間に、サンプリングコンデンサCsとも呼ばれる4つのコンデンサ1305を用いて電荷を送入し測定する。これは、スイッチコントローラ1307によって行われる。信号出力は、電圧比較器1301により決定されたしきい値電圧Vtを超えるのに必要な、電極ごとのスイッチングサイクルの集計数である。電極ごとのサイクルカウントの集計を1306で示す4つのカウンタにより行う。このタイプの回路は、本出願人の特許文献1に特許文献1の図13、図14、図15を併用してもっと詳しく記載されており、特許文献1は参照により本明細書に組み込まれる。この回路は、好ましくは、本出願人の特許文献11に開示されているタイプの回路で動作する。
【0046】
代案として、本発明は、文献に記載されたあらゆる静電容量センシング回路を使用でき
る。センシング領域の勾配の応答は普通、ドライブ用回路がどのタイプでも同一である。本発明はどれか1つの取得の方法に依存してはいない。
【0047】
材料、製造
2DCT素子は、好ましくは好適な抵抗の透明な導体で出来ており、タッチスクリーンの場合はディスプレイを覆っているガラス又はプラスチックのシートの裏に配置され、マウスパッドの場合は好適な誘電体基板を覆う。抵抗バス・バーは、図1の実施形態に従って実施する場合、別々の抵抗器で作ってもよいし、抵抗インクを付着させて作ってもよいし、導体をスパッタ又は蒸着させて作ってもよい。
【0048】
バス・バー及びセンシング素子へのパターン形成の手段は、望ましくない区域のコーティングを防止する為の好適なステンシルを用いた蒸着や、所望のパターンを作り出すシルクスクリーニングや、パッド印刷や、レーザスクライブや、化学エッチング又は化学反応や、その他の、パターン層を作り出せるプロセスなどである。Agfa Orgacon(登録商標)の導電性ポリマーの場合について言えば、次亜塩素酸ナトリウムを用いて、実際には材料を除去することなく化学反応によって強制的に区域を非導電性にすることにより、パターンを作ることができる。
【0049】
製造に必要とされうるのは、ディスプレイの前方に配置された板ガラス又はディスプレイそのものへの適切な材料の蒸着などの、普通のタッチスクリーン又はタッチパッドの方法を用いることである。
【0050】
インモールド成型(「IMD」)に必要なのは、射出成形金型の内側に配置されたグラフィック用のシート又は層を用いること、又は流体プラスチックの導入に先立つ鋳造である。成形されると、層は、得られたプラスチック部品に一体化された部分となる。2DCTの場合について言えば、本発明に係るタイプの導電素子がディスプレイカバーの型に配置される。つまり、射出成形された際に、導電層はカバーの一側面に融合される。このように、複合曲線を持つものも含む複雑なカバーの形状を、一体化された2DCTを含んで極めて低いコストで作り出せる。
【0051】
電極接続は、隅に結合された電線によって形成することもできるし、導電性ゴムの柱状部材や金属のばねなどによって形成することもできる。導電性ゴムは、ドライバ回路を収容する下に配置されたPCBによる、コストの非常に低い接続の為の1つの選択法である。このタイプの構築は、本出願人の同時係属中の(特許文献1)の図16を併用して詳細に記載されている。
【0052】
2DCTの取得操作
2DCTに関する問題には、周波数が素子の動作周波数又は素子の高調波である外部の静電気源又は電波源からの干渉が含まれる。これらの問題は、信号ノイズのエイリアシング又はビーティングを低減又は防止するよう、信号の取得の為に変調した動作周波数を用いることにより減衰可能である。これに伴う可能性があるのは、周波数ホッピングや、チャープや、擬似ランダムな周波数変調を用いることである。この方法は「スペクトラム拡散」変調として知られている。
【0053】
後処理に含まれる可能性があるのは、多数決フィルタリングや、中央値フィルタリングや、平均化などを用いることであり、周波数変調を用いて既に減衰されているノイズの残っている影響を低減させる。
【0054】
局所的な電界などにより低周波数干渉が引き起こされる恐れがある。この種の干渉の減衰を行うには、取得を干渉源に同期させればよく、例えば、Quantum Resea
rch Group Ltd(UK)のQT310デバイスのデータシートで説明されているように50Hz又は60Hzに同期させればよい。
【0055】
2DCTのドリブンシールド
素子は、LCDディスプレイやVFDスイッチングなどの干渉を低減させるドリブンシールド法と両立できる。この為に必要なのは、素子の背後に導電性の面を用いることであり、この面は素子と干渉源との間に配置する。ドライブシールドは更に、素子の背後の運動による信号の外乱から守る。ドリブンバックシールドは2DCTの構築によく用いられている。
【0056】
2DCTの起動
多くの応用で、あると望ましいのは、デバイス全体が「休眠(sleep)」状態又は何らかの静止又はバックグラウンドの状態でいられる「起動(wakeup)」機能である。そのような場合、多くの場合に望ましいのは、少し離れている人間の体の一部がほんの少し近接すると起動信号が送られることである。
【0057】
その装置がバックグラウンド状態であっても、位置場所に関係なく素子を単一の大型の容量電極として駆動できる。この状態の間、電子的なドライバ論理回路は信号の非常に小さい変化を捜し、この変化は、2D座標として処理するには必ずしも十分ではないが、オブジェクト又は人間が近接していると決定を下すには十分である。次に電子機器はシステム全体を「起動(wake up)」し、素子は再び駆動され、機能する2DCTとなる。
【0058】
タブレット及びマウスパッドの使用法 送入モード
2DCTモードの本発明の素子は、マウスパッドとして、又はタブレット型の入力デバイスとして好適である。この役割においては、光透過性は必要ない。素子と共にスタイラスを使用でき、素子から放射電界を獲得したり、素子に信号を送入したり、人間の指としての役割を果たしたりする。
【0059】
送入モードでは、本発明の素子は単に逆に動作する。コード付きのペンからの信号が容量的に接点周囲の領域の素子に送入される。次に信号は接続電極にレシオメトリックに配分され、接続電極から獲得され、既に文献に記載された測定回路のほとんどすべてのタイプに伝達され、その後、処理されて表示結果が作られる。
【0060】
概括
本発明は、その基本に立ち返ると、ピンクッション歪みを無くす又は大幅に低減させる異方性導電によって改善された形態の2Dセンシングデバイスを提供することを目的とする素子である。重要な態様は、電流フローに対し異方性を持った動きをするコアセンシング区域を有する単層の素子として作られており、2つの境界バス・バー同士間に直流接続がないことである。
【0061】
当業者には明らかとなるように、具体的に本明細書で概説した検出方法又はスイッチの順序のさまざまな組み合わせを含む、多くの変形が考えられる。本明細書で開示した本方法を、幾つの本出願人の先行特許で教示されたような他の方法、例えば、ドリフト補償や、較正や、短いスイッチ閉鎖時間を利用した湿気の抑制などの方法と、組み合わせることができる。特に注目すべきなのは、本出願人自身の先行技術で開示されている、静電容量センシング法を含む特質のさまざまな可能な組み合わせであり、その先行技術全体が参照により本明細書に組み込まれる。更に注目すべきは、その多くが本発明と密接な関係のある特質を備えているQuantum Research Group Ltd(UK)のデータシートで説明されているような容量製品である。
【0062】
当然のことながら、本発明の特定の実施形態を記載したが本発明の精神及び範囲の中で多くの修正/付加及び/又は代用ができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1A】本発明のある実施形態に係る、センシング素子の形成に用いる4つの電極接続点と外部の抵抗バス・バーとを備えたパターン形成された導電材料の概略図。
【図1B】ガラスパネルの後ろに置かれた図1Aのセンシング素子。
【図2】本発明のもう1つの実施形態に係るパターン形成された導電材料であって、4つの電極接続点と、上記の導電材料で形成され組み込まれた抵抗バス・バーとを備えたパターン形成された導電材料。
【図3A】本発明のまた別の実施形態に係るパターン形成された導電材料であって、4つの接続点と、上記の導電材料で形成され組み込まれた抵抗バス・バーとを備えており、修正したパターンを用いることで図2の抵抗に比べ抵抗が高くなった、パターン形成された導電材料。
【図3B】図3Aの組み込まれた抵抗バス・バーの一部分の拡大図。
【図3C】図3Aに示されているパターンと同様なパターンにおいて利用可能な、もう1つのタイプの組み込まれたバス・バーの一部分の拡大図。
【図4】本発明のもう1つの実施形態に係る、センシング素子の形成に用いる8つの電極接続点を備えたパターン形成された導電材料の概略図。
【図5】本発明のもう1つの実施形態に係る、導電材料の代替パターンの一部の概略図。
【図6】図1のセンシング電極接続のドライブに用いるセンシング回路の1つの形式。
【図7】特許文献9の図4に開示されている先行技術の2DCT。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチセンシティブ位置センサであって、
タッチセンシティブプラットフォームを形成する基板と、
前記基板に間隔を空けて配列された第1の抵抗バス・バー及び第2の抵抗バス・バーと、
同バス・バー同士間に設けられ、第1の導電素子群及び第2の導電素子群を具備する導電性のセンシング区域と、を備え、
前記第1の導電素子群及び前記第2の導電素子群が、前記第1の抵抗バス・バー及び前記第2の抵抗バス・バーに別々に接続され、前記導電性のセンシング区域で誘導された電流が前記バス・バーに向かって流れる一方前記バス・バーと平行な方向には流れないよう、互いに非導電ギャップにより間隔を空けている、センサ。
【請求項2】
前記第1の導電素子群及び前記第2の導電素子群が、隣り合う導電素子が各自のレシオメトリックな静電容量信号を供給するべく、前記導電性のセンシング区域に同じ広さに広がるように成形された請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記第1の導電素子群及び前記第2の導電素子群が、前記レシオメトリックな静電容量信号を供給する為に、一定の離間幅で相補型の先端部群を持つ請求項2に記載のセンサ。
【請求項4】
前記第1の導電素子及び前記第2の導電素子が、前記レシオメトリックな静電容量信号を供給する為に、一定の離間幅で面積がさまざまな隣り合ったブロック群を具備している請求項2に記載のセンサ。
【請求項5】
前記導電素子群の幅が、導電素子群のうち隣り合った導電素子同士間のギャップより大きい請求項1に記載のセンサ。
【請求項6】
前記導電素子が透明な酸化インジウムスズからなる請求項1に記載のセンサ。
【請求項7】
前記導電素子が透明な導電性ポリマーからなる請求項1に記載のセンサ。
【請求項8】
前記導電素子が不透明な導体からなる請求項1に記載のセンサ。
【請求項9】
前記第1の抵抗バス・バーが第1の電極と第2の電極との間に拡がっており、前記第2の抵抗バス・バーが第3の電極と第4の電極との間に拡がっている請求項1に記載のセンサ。
【請求項10】
前記第1の電極、前記第2の電極、前記第3の電極、前記第4の電極の、それぞれ1つに関連した、第1のドライブチャネル、第2のドライブチャネル、第3のドライブチャネル、第4のドライブチャネルをさらに備え、各ドライブチャネルが、各電極とオブジェクトの位置との間の抵抗に依存した出力信号を生成するべく動作可能な請求項9に記載のセンサ。
【請求項11】
前記ドライブチャネル群からの出力信号を比較することで前記オブジェクトの位置の推定値を生成するよう動作可能なプロセッサを更に備えた請求項10に記載のセンサ。
【請求項12】
請求項1に記載のセンサであって、前記第1の抵抗バス・バーが第1の電極と第2の電極との間に拡がっており、前記センサが、前記第1の電極と前記第2の電極との間の前記第1の抵抗バス・バーに沿って一部が位置付けられた少なくとも1つの第1の中間電極を更に備え、前記第2の抵抗バス・バーが第3の電極と第4の電極との間に拡がっており、前
記センサが、前記第3の電極と前記第4の電極との間の前記第2の抵抗バス・バーに沿って一部が位置付けられた少なくとも1つの第2の中間電極を更に備え、それによって前記導電性のセンシング区域が、独立した動作の可能な複数のセンシング素子に更に細かく分割されている請求項1に記載のセンサ。
【請求項13】
タッチセンシティブ位置センサを組み込んだコントロールパネルであって、
タッチセンシティブプラットフォームを形成する基板と、
前記基板に間隔を空けて配列された第1の抵抗バス・バー及び第2の抵抗バス・バーと、
前記バス・バー同士間に設けられ、第1の導電素子群及び第2の導電素子群を備えた導電性のセンシング区域と、を備え、
前記第1の導電素子群及び前記第2の導電素子群が、前記第1の抵抗バス・バー及び前記第2の抵抗バス・バーに別々に接続され、前記導電性のセンシング区域で誘導された電流が前記バス・バーに向かって流れる一方、前記バス・バーと平行な方向には流れないよう、互いに非導電ギャップにより間隔を空けている、コントロールパネル。
【請求項14】
タッチセンシティブ位置センサを組み込んだコントロールパネルを有する装置であって、
タッチセンシティブプラットフォームを形成する基板と、
前記基板に間隔を空けて配列された第1の抵抗バス・バー及び第2の抵抗バス・バーと、
前記バス・バー同士間に設けられ、第1の導電素子群及び第2の導電素子群を備えた導電性のセンシング区域と、を備え、
前記第1の導電素子群及び前記第2の導電素子群が、前記第1の抵抗バス・バー及び前記第2の抵抗バス・バーに別々に接続され、前記導電性のセンシング区域で誘導された電流が前記バス・バーに向かって流れる一方、前記バス・バーと平行な方向には流れないよう、互いに非導電ギャップにより間隔を空けている、
装置。
【請求項15】
オブジェクトの位置を2次元で検出するタッチセンシティブ位置センサであって、前記位置センサが、センシング区域により分離された第1の抵抗バス・バーと第2の抵抗バス・バーとを有し、前記センシング区域が、前記バス・バー同士間に配列された多数の挟み合った導電材料の部材群を具備しており、前記挟み合った部材群が前記バス・バーのうち一方のバス・バー又は他方のバス・バーに接続されているが両方には接続されていないことによって、誘導された電流が優先的に前記バス・バーに向かって流れ、前記バス・バー同士が前記センシング区域内では直流絶縁されている、センサ。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−293865(P2007−293865A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−115558(P2007−115558)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(303033185)
【氏名又は名称原語表記】PHILIPP,Harald
【Fターム(参考)】