説明

ハニカムセグメント接合体

【課題】耐熱衝撃性に優れるハニカムセグメント接合体を提供すること。
【解決手段】多孔質の隔壁6によって区画形成されるとともに互いに平行に配設される流体の流路となる複数のセル5を持ったセル構造体と、セル構造体の外周に配設される外壁と、を有するハニカムセグメント2を複数備え、複数のハニカムセグメント2のそれぞれの外壁同士が接合層9を介して接合されてなるものであり、セルの流路方向と直交する切断面における重心の近傍に位置する接合層の厚み方向の圧縮ヤング率(M)と、その最外周に位置するハニカムセグメントの外壁を接合する接合層の厚み方向の圧縮ヤング率(M)が、M<Mの関係を満たすハニカムセグメント接合体1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はハニカムセグメント接合体に関し、更に詳しくは、耐熱衝撃性に優れるハニカムセグメント接合体に関する。
【背景技術】
【0002】
排ガス用の捕集フィルター、例えば、ディーゼルエンジン等からの排ガスに含まれている粒子状物質(以下、「PM」ともいう)を捕集して除去するためのディーゼルパティキュレートフィルター(以下、「DPF」ともいう)として、ハニカム構造体が広く使用されている。
【0003】
このようなハニカム構造体は、通常、炭化珪素(SiC)等からなる多孔質の隔壁によって区画形成された流体の流路となる複数のセルが、流路方向に互いに平行に配設される構造を有している。また、隣接するセルの端部は、相互に市松模様を呈するように目封止されている。即ち、一のセルは、一方の端部が開口し、他方の端部が目封止されており、これと隣接する他のセルは、一方の端部が目封止され、他方の端部が開口している。
【0004】
このように目封止されていることにより、排ガスは、一方の端部から所定のセル(流入セル)に流入し、多孔質の隔壁を通過した後、流入セルに隣接するセル(流出セル)を経由して流出する。隔壁を通過する際に、排ガス中のPMは隔壁に捕集されるので、排ガスが浄化される。
【0005】
このようなハニカム構造体を長期間継続して使用するためには、定期的に再生処理を施す必要がある。即ち、フィルター内部に経時的に堆積するPMにより増大する圧力損失を低減し、フィルター性能を初期状態に戻すために、フィルター内部に堆積したPMを燃焼して除去する必要がある。このフィルターを再生する際に大きな熱応力が発生し、ハニカム構造体にクラックや破壊等の欠陥を発生させるという問題があった。この熱応力に対する耐熱衝撃性の向上の要請に対応すべく、セル構造体を複数のハニカムセグメントに分割し、それらを接合層を介して接合した接合体で構成することにより、熱応力を分散、緩和する機能を持たせた分割構造のハニカム構造体が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、近年、フィルターの再生限界の向上の要請は更に高まっている。フィルターの再生限界を向上する場合、再生処理を施すまでに堆積するPMの量が増えるため、再生時に発生する熱応力も増大することになり、開示されたハニカム構造体では耐熱衝撃性の向上が十分ではなかった。耐熱衝撃性の向上を実現するため、複数のハニカムセグメントを一体的に接合するための接合層には、優れた応力緩和機能と接合強度が求められている。こうした接合層の改善による耐熱衝撃性の向上を目的として、ハニカムセグメントを接合するための接合層材質のヤング率を、ハニカムセグメント材質の20%以下としたハニカム構造体が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
また、所定の材料からなる接合材層のヤング率を3GPa以上とすることで、熱歪による被接合物の変形を抑制するとともに、応力による接合材層の破断を抑制することにより、耐熱衝撃性を向上させたハニカム構造体が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4335783号明細書
【特許文献2】特開2001−190916号公報
【特許文献3】特開2008−179526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、耐熱衝撃性に優れるハニカムセグメント接合体を提供することにある。
【0010】
本発明者らは上記課題を達成すべく、接合部位における接合層のヤング率が応力に与える影響を調査した結果、ハニカムセグメントの変形がより大きい中心部付近では、従来どおり接合層のヤング率を低くしたほうが応力低減の効果があるが、中心部付近の変形を受けて応力が集中する外周部付近では、逆にヤング率を高くすることによって隣り合うハニカムセグメントに応力が分散され、結果的に応力をより低減できることがわかった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような知見から、中心部付近のハニカムセグメントを接合する接合層のヤング率を低くするとともに、外周部付近のハニカムセグメントを接合する接合層のヤング率を高くすることにより、接合層の応力緩和機能の向上が更に期待でき、結果、ハニカム構造体の耐熱衝撃性を更に向上させることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明によれば、以下に示すハニカムセグメント接合体が提供される。
【0013】
[1]多孔質の隔壁によって区画形成されるとともに互いに平行に配設される流体の流路となる複数のセルを持ったセル構造体と、前記セル構造体の外周に配設される外壁と、を有するハニカムセグメントを複数備え、複数の前記ハニカムセグメントのそれぞれの前記外壁同士が接合層を介して接合されてなるものであり、前記セルの流路方向と直交する切断面における重心の近傍に位置する前記接合層の厚み方向の圧縮ヤング率(M)と、その最外周に位置する前記ハニカムセグメントの前記外壁を接合する前記接合層の厚み方向の圧縮ヤング率(M)が、M<Mの関係を満たすハニカムセグメント接合体。
【0014】
[2]前記圧縮ヤング率(M)と、前記圧縮ヤング率(M)が、M/M≧1.01の関係を満たす前記[1]に記載のハニカムセグメント接合体。
【0015】
[3]前記圧縮ヤング率(M)と、前記圧縮ヤング率(M)が、M/M≧1.1の関係を満たす前記[1]に記載のハニカムセグメント接合体。
【発明の効果】
【0016】
本発明のハニカムセグメント接合体は、耐熱衝撃性に優れるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明のハニカムセグメント接合体の一実施形態を示す斜視図である。
【図2A】本発明のハニカムセグメント接合体のセルの流路方向と直交する切断面の一例を示す断面図である。
【図2B】本発明のハニカムセグメント接合体のセルの流路方向と直交する切断面の他の例を示す断面図である。
【図2C】本発明のハニカムセグメント接合体のセルの流路方向と直交する切断面の更に他の例を示す断面図である。
【図3】本発明のハニカムセグメント接合体を構成するハニカムセグメントの一例を示す斜視図である。
【図4】図3に示すハニカムセグメントのA−A切断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
【0019】
本発明のハニカムセグメント接合体は、多孔質の隔壁によって区画形成されるとともに互いに平行に配設される流体の流路となる複数のセルを持ったセル構造体と、セル構造体の外周に配設される外壁と、を有するハニカムセグメントを複数備え、複数のハニカムセグメントのそれぞれの外壁同士が接合層を介して接合されてなるものであり、セルの流路方向と直交する切断面における重心の近傍に位置する接合層の厚み方向の圧縮ヤング率(M)と、その最外周に位置するハニカムセグメントの外壁を接合する接合層の厚み方向の圧縮ヤング率(M)が、M<Mの関係を満たすものである。
【0020】
また、圧縮ヤング率(M)と、圧縮ヤング率(M)が、M/M≧1.01の関係を満たすものであることが好ましく、M/M≧1.1の関係を満たすものであることが更に好ましい。このような関係を満たすものであることで、接合層及びハニカムセグメントに生ずる熱応力を更に緩和することができ、結果、ハニカムセグメント接合体の耐熱衝撃性を更に向上させることができる。
【0021】
本発明のハニカムセグメント接合体は上記の関係を満たすものであることで、接合層の応力低減が実現可能である。そのため、ハニカムセグメント接合体のサイズ、セル構造、隔壁を構成する材質、断面形状等は接合層の応力低減に影響するものではなく、任意に設定することができる。
【0022】
1 ハニカムセグメント接合体
本発明のハニカムセグメント接合体の一実施形態について、図面を用いて説明する。図1は、本発明のハニカムセグメント接合体の一実施形態を示す斜視図である。図1において、ハニカムセグメント接合体1は、多孔質の隔壁6によって区画形成されるとともに互いに平行に配設される流体の流路となる複数のセル5を持ったセル構造体と、セル構造体の外周に配設される外壁と、を有するハニカムセグメント2を複数備え、複数のハニカムセグメント2のそれぞれの外壁同士が接合層9を介して接合されている。なお、図1において、ハニカムセグメント接合体1は、円柱状の形状であるが、本発明のハニカムセグメント接合体の形状は円柱状に限定されるものではない。
【0023】
ハニカムセグメント接合体を構成するハニカムセグメントの個数は特に限定されるものではなく、通常、9〜100個程度である。本発明のハニカムセグメント接合体は、複数のハニカムセグメントのそれぞれの外壁どうしが接合層を介して接合されてなるものであることで、熱応力が緩和され、排ガスの急激な温度変化や局所的な発熱にさらされ、内部に不均一な温度分布が生じた場合のクラックの発生を抑制することができる。
【0024】
また、ハニカムセグメント接合体は、その外周部を切削加工したものであっても良く、切削加工していないものであっても良い。切削加工していないものである場合は、例えば最外周部の外形形状が予め最終的に必要な外形形状に作製されたハニカムセグメントを用いれば良い。なお、この最外周部の切削加工の有無は、本発明の主旨に影響するものではない。
【0025】
更に、ハニカムセグメント接合体は、切削加工した後の外周面上に外周コート層が配設されたものであっても良く、外周コート層が配設されていないものであっても良い。外周コート層が配設されていないものである場合は、例えば最外周部の外形形状が予め最終的に必要な外形形状に作製されたハニカムセグメントを用いれば良い。なお、この外周コート層の有無は、本発明の主旨に影響するものではない。
【0026】
(1) ハニカムセグメント
ハニカムセグメントは、多孔質の隔壁によって区画形成されるとともに互いに平行な流体の流路となる複数のセルを有するセル構造体と、セル構造体の外周に配設された外壁と、を有するものである。多孔質の隔壁によって区画形成された複数のセルは、ハニカムセグメントの二つの端面間を連通している。
【0027】
ハニカムセグメントの材質は、平均細孔径が5〜40μmであり、気孔率が30〜85%であることが更に好ましい。より具体的には、強度及び耐熱性の観点から、炭化珪素(SiC)、炭化珪素(SiC)を骨材とし、かつ珪素(Si)を結合材とする珪素−炭化珪素系複合材料、窒化珪素、コージェライト、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材、リチウムアルミニウムシリケート、チタン酸アルミニウム、Fe−Cr−Al系金属からなる群より選択される少なくとも1種を材質として用いることが好ましい。なお、平均細孔径は、「JASO 自動車規格 自動車排気ガス浄化触媒セラミックモノリス担体の試験方法 M505−87の6.3に記載の全細孔容積、メジアン細孔径」の方法で測定された値であり、気孔率は、細孔容積より算出の方法で測定された値である。
【0028】
多孔質の隔壁によって区画形成されるとともに互いに平行に配設される流体の流路となる複数のセルには、一方の端面と他方の端面において相補的な市松模様を呈するように目封止が形成される。セルにこのような目封止が形成されることで、排ガスが本発明のハニカムセグメント接合体を用いたDPFを流れるときに、連通する端面間をそのまま通過することは無く、隔壁を少なくとも一度は通過しなくてはならない。このときに排ガスに含まれるPMが除去される。
【0029】
隔壁に堆積したPMは、適切な時間又は距離の間隔で排ガス温度を上げてやることにより燃焼除去する。PMを燃焼除去する目的で、ハニカムセグメントを構成する多孔質の隔壁に触媒を担持しても良く、担持しなくても良い。触媒を担持する場合、触媒としては、例えば、貴金属元素、周期表VIa族の元素、及び周期表VIII族の元素からなる群より選択される少なくとも一種の元素を含む単体又は化合物を用いることができる。より具体的には、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、セリウム(Ce)、銅(Cu)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、金(Au)、銀(Ag)等の元素を含む単体又は化合物を挙げることができる。また、NOx選択還元型触媒成分やNOx吸蔵型触媒成分を用いても良い。触媒を担持しない場合は、燃料中にCeやFe等の燃料添加剤を投入することにより、それらの触媒作用で排ガスの熱によりPMを燃焼することができる。また、触媒も燃料添加剤も使わずにエンジン制御のみで排ガスの温度を上げてPMを燃焼することもできる。なお、この触媒担持の有無は、本発明の主旨に影響するものではない。
【0030】
ここで、ハニカムセグメントについて図面を用いて説明する。図3は、本発明のハニカムセグメント接合体を構成するハニカムセグメントの一例を示す斜視図である。ハニカムセグメント2は、多孔質の隔壁6によって区画形成されるとともに互いに平行に配設された流体の流路となる複数のセル5を有するセル構造体と、セル構造体の外周に配設される外壁8とを有するものであり、ハニカム形状を有している。また、セル5には、一方の端面と他方の端面において相補的な市松模様を呈するように目封止7が形成されている。なお、図3において、ハニカムセグメント2の形状は角柱状であるが、本発明のハニカムセグメント接合体を構成するハニカムセグメントの形状は角柱状に限定されるものではなく、必要に応じて適宣選択することができる。
【0031】
セル5に、一方の端面と他方の端面において相補的な市松模様を呈するように目封止7が形成されていることで、図4に示すように、本発明のハニカムセグメント接合体をDPFとして用いる場合に、PMを含む排ガスが一方の端面の目封止7が形成されていないセル5から流入し、多孔質の隔壁6を少なくとも一度通過した後、他方の端面の目封止7が形成されていないセル5から排出される。多孔質の隔壁6を通過する際に、排ガスに含まれるPMが除去される。
【0032】
(2) 接合層
接合層は、ハニカムセグメントのそれぞれの外壁同士を接合している。接合層においては、セルの流路方向と直交する切断面における重心の近傍に位置する接合層(以下、「重心近傍接合層」ともいう)の厚み方向の圧縮ヤング率(M)と、その最外周に位置するハニカムセグメントの外壁を接合する接合層(以下、「外周接合層」ともいう)の厚み方向の圧縮ヤング率(M)が、M<Mの関係を満たしており、M/M≧1.01の関係を満たすことが好ましく、M/M≧1.1の関係を満たすことが更に好ましい。
【0033】
ここで、先ず、「セルの流路方向と直交する切断面における重心の近傍に位置する接合層」について、図面を用いて説明する。図2A〜2Cは、本発明のハニカムセグメント接合体のセルの流路方向と直交する切断面の一例を示す断面図である。図2Aに示すように、切断面3の重心Gが接合層9a上に位置する場合には、重心近傍接合層とは、重心Gを含む接合層9aをいう。また、図2Bに示すように、切断面13の重心Gがハニカムセグメント12の中心に位置する場合には、重心近傍接合層とは、ハニカムセグメント12と他のハニカムセグメントを接合している接合層19aをいう。更に、図2Cに示すように、切断面23の重心Gが接合層9上及びハニカムセグメント22の中心に位置しない場合には、重心近傍接合層とは、重心Gから最も近い距離にある接合層29aをいう。
【0034】
次に、「最外周に位置するハニカムセグメントの外壁を接合する接合層」について、図面を用いて説明する。外周接合層とは、図2A〜2Cに示すように、切断面3,13,23の最外周に位置するハニカムセグメント2を接合している接合層9b,19b,29bをいう。
【0035】
なお、「厚み方向の圧縮ヤング」は、両端面間の任意の一断面のみで測定した圧縮ヤングとしても良いが、例えば、一方の端面の近傍における一の切断面と、他方の端面の近傍における他の切断面と、両端面間の中央における更に他の切断面と、の3点で測定した厚み方向の圧縮ヤング率の平均値とすることが好ましい。なお、「端面の近傍」とは、端面から15mm〜50mm程度の端面の目封じ部を除いた位置をいう。
【0036】
厚み方向の圧縮ヤング率は次のように算出することができる。所定の寸法(10×10mm〜30×30mm、厚み0.5〜3mm)の試料を切り出し、厚み方向の圧縮試験を行う。なお、試料には基材がついていてもかまわない。厚み方向の圧縮ヤング率は、荷重を0〜3MPaまで試料に加えたときの応力−ひずみ曲線における傾きとして、下記式より算出することができる。
【0037】
【数1】

(式中、Eは、厚み方向の圧縮ヤング率(MPa)を示し、Wは、荷重(N)を示し、Sは、試料面積(mm)を示し、tは、試料厚み(mm)を示し、Δtは、試料厚みの変化量(mm)を示す。)
【0038】
接合層の構成成分としては、通常、無機繊維を含むが、含まなくとも良い。これ以外にも、例えば、無機バインダー、有機バインダー、無機粒子、発泡粒子等を含むことがある。無機繊維として、具体的には、アルミノシリケート、アルミナ、SiO−MgO系及びSiO−CaO−MgO系等の酸化物繊維、その他の繊維(例えば、SiC繊維)等を挙げることができる。また、無機バインダーとして、具体的には、シリカゾル、アルミナゾル、粘土等を挙げることができる。更に、有機バインダーとして、具体的には、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルローズ(CMC)、メチルセルロース(MC)等を挙げることができる。また、無機粒子として、具体的には、炭化珪素、窒化珪素、コージェライト、アルミナ、ムライト等のセラミックスを挙げることができる。
【0039】
これらの構成成分の比率を、重心近傍接合層と外周接合層で変えることにより、接合材料自体の剛性や、接合材料の気孔率及び気孔分布を変えることができ、その結果、重心近傍接合層と外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率を任意に変えることができる。また、接合層を形成する際に使用する接合材スラリーの水分比を重心近傍接合層と外周接合層で変えることによって、重心近傍接合層と外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率を変えることもできる。ここで、接合層は、通常、ハニカムセグメント同士を接着する機能を有しているが、接合する機能を有していなくても、ハニカムセグメント同士を弾性的に介する材料によって熱応力を緩和する機能さえ有していれば、接合層及びハニカムセグメントの応力緩和機能は発現できるため、本発明の主旨に含まれる。
【0040】
接合層の厚み方向の圧縮ヤング率は、特に限定されるものではないが、1.5GPa以下であることが好ましい。1.5GPa超であると、ハニカムセグメントの膨らみによって隣接するハニカムセグメントに与えられる応力が、接合層で十分に緩和されなくなり、その結果、DPFとして使用する場合に、再生時の局所的な過昇温により、高温部が膨らんだハニカムセグメントに隣接するハニカムセグメントが破損する場合がある。
【0041】
本発明のハニカムセグメント接合体を製造する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、「(1) ハニカムセグメント」に記載のハニカムセグメントと接合材スラリーを用い、特開2008−162879号公報の段落0072と段落0076に記載の方法で製造する事が出来る。また、例えば最外周部を構成するハニカムセグメントの外形形状を、予め最終的に必要な外形形状になるように作製したハニカムセグメントを用いれば、ハニカムセグメントの複数個を接合した後、外周部を切削加工する必要はなく、所望の外形形状のハニカムセグメント接合体を得ることができる。
【0042】
接合材スラリーは、接合層の構成成分に、必要に応じて有機バインダー(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルロース等)、分散剤、水等を加え、それをミキサー等の混練機を使用して混合・混練してペースト状にすることで調製することができる。なお、接合層の構成成分は、「接合層」にて記載した構成成分である。
【実施例】
【0043】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
【0044】
[クラック有無の評価]:ディーゼルエンジンにてスート再生試験を行った。試験条件としては、エンジン回転数:2000rpm、エンジントルク:90Nmに保った状態で、ポストインジェクションを入れ、ハニカムセグメント接合体前後の圧力損失が落ち始めたところでポストインジェクションを切り、エンジン状態をアイドルに切り替える。試験後におけるハニカムセグメント接合体の円周方向のクラック発生を目視にて判断し、クラックが発生した場合を「有り」と評価し、クラックが発生していない場合を「無し」と評価した。
【0045】
[ハニカムセグメント接合体の流路方向の最大応力(MPa)]:上記したスート再生試験条件で応力解析を実施した際、ハニカムセグメント接合体の円周方向のクラックの起因となるハニカムセグメント接合体の流路方向の最大応力を、特開2005−242679号公報に記載されている方法にて算出した。
【0046】
[応力低減率(%)]:実施例1〜6については、比較例1のハニカムセグメント接合体の流路方向の最大応力を基準として算出した。実施例7〜12については、比較例2のハニカムセグメント接合体の流路方向の最大応力を基準として算出した。実施例13〜18については、比較例3のハニカムセグメント接合体の流路方向の最大応力を基準として算出した。実施例19〜24については、比較例4のハニカムセグメント接合体の流路方向の最大応力を基準として算出した。実施例25〜30については、比較例5のハニカムセグメント接合体の流路方向の最大応力を基準として算出した。実施例31〜36については、比較例6のハニカムセグメント接合体の流路方向の最大応力を基準として算出した。
【0047】
(実施例1)
その断面形状が、一辺が約36mmの正方形であり、その長さが約254mmであるハニカムセグメント16個のそれぞれの外壁同士を、重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)に対する、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)の比(M/M)が、1.01となるように、それぞれ異なるヤング率の接合材スラリーを用いて接合し、外部より圧力を加え、140℃、2時間乾燥してハニカム積層体を得た。このハニカム積層体の外周を円筒状に切削加工した後、外周コート材を塗布し、700℃、2時間乾燥硬化させて、外径が約144mmであり、長さが約254mmの図2Aに示すような切断面を有するハニカムセグメント接合体を製造した。製造したハニカムセグメント接合体を用いて、スス量8.1g/Lの条件でスート再生試験を行ったところ、クラック有無の評価は「無し」であり、ハニカムセグメント接合体の流路方向の最大応力は19MPaであり、応力低減率は5%であった。なお、ハニカムセグメントは、その気孔率が52%であり、曲げ強度が20MPaである珪素−炭化珪素系複合材料を用いた。また、重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)は20.0MPaであり、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)は20.2MPaである。
【0048】
(実施例2〜6及び比較例1)
重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)に対する、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)の比(M/M)が、表1に示す値となるように、それぞれ異なるヤング率の接合材スラリーを用いて接合し、スート再生試験で、スス量の条件を表1に記載した条件にしたこと以外は、実施例1と同様にして各ハニカムセグメント接合体を製造した。
【0049】
【表1】

【0050】
表1に示すように、重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)に対する、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)の比(M/M)を、1.01以上にすることで、応力を低減することができ、ハニカムセグメント接合体の耐熱衝撃性を向上させることができることがわかる。特に、実施例3の結果から、M/Mを1.1以上とすることで、その効果が顕著であることがわかる。
【0051】
(実施例7)
その断面形状が、一辺が約36mmの正方形であり、その長さが約254mmであるハニカムセグメント16個のそれぞれの外壁同士を、重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)に対する、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)の比(M/M)が、1.01となるように、それぞれ異なるヤング率の接合材スラリーを用いて接合し、外部より圧力を加え、140℃、2時間乾燥してハニカム積層体を得た。このハニカム積層体の外周を円筒状に切削加工した後、外周コート材を塗布し、700℃、2時間乾燥硬化させて、外径が約144mmであり、長さが約254mmの図2Aに示すような切断面を有するハニカムセグメント接合体を製造した。製造したハニカムセグメント接合体を用いて、スス量10.1g/Lの条件でスート再生試験を行ったところ、クラック有無の評価は「無し」であり、ハニカムセグメント接合体の流路方向の最大応力は44MPaであり、応力低減率は4%であった。なお、ハニカムセグメントは、その気孔率が41%であり、曲げ強度が45MPaである珪素−炭化珪素系複合材料を用いた。また、重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)は20.0MPaであり、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)は20.2MPaである。
【0052】
(実施例8〜12及び比較例2)
重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)に対する、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)の比(M/M)が、表2に示す値となるように、それぞれ異なるヤング率の接合材スラリーを用いて接合し、スート再生試験で、スス量の条件を表2に記載した条件にしたこと以外は、実施例7と同様にして各ハニカムセグメント接合体を製造した。
【0053】
【表2】

【0054】
表2に示すように、重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)に対する、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)の比(M/M)を、1.01以上にすることで、応力を低減することができ、ハニカムセグメント接合体の耐熱衝撃性を向上させることができることがわかる。特に、実施例9の結果から、M/Mを1.1以上にすることで、その効果が顕著であることがわかる。
【0055】
(実施例13)
その断面形状が、一辺が約36mmの正方形であり、その長さが約254mmであるハニカムセグメント16個のそれぞれの外壁同士を、重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)に対する、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)の比(M/M)が、1.01となるように、それぞれ異なるヤング率の接合材スラリーを用いて接合し、外部より圧力を加え、140℃、2時間乾燥してハニカム積層体を得た。このハニカム積層体の外周を円筒状に切削加工した後、外周コート材を塗布し、700℃、2時間乾燥硬化させて、外径が約144mmであり、長さが約254mmの図2Aに示すような切断面を有するハニカムセグメント接合体を製造した。製造したハニカムセグメント接合体を用いて、スス量7.2g/Lの条件でスート再生試験を行ったところ、クラック有無の評価は「無し」であり、ハニカムセグメント接合体の流路方向の最大応力は15MPaであり、応力低減率は6%であった。なお、ハニカムセグメントは、その気孔率が58%であり、曲げ強度が17MPaである珪素−炭化珪素系複合材料を用いた。また、重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)は20.0MPaであり、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)は20.2MPaである。
【0056】
(実施例14〜18及び比較例3)
重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)に対する、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)の比(M/M)が、表3に示す値となるように、それぞれ異なるヤング率の接合材スラリーを用いて接合し、スート再生試験で、スス量の条件を表3に記載した条件にしたこと以外は、実施例13と同様にして各ハニカムセグメント接合体を製造した。
【0057】
【表3】

【0058】
表3に示すように、重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)に対する、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)の比(M/M)を、1.01以上にすることで、応力を低減することができ、ハニカムセグメント接合体の耐熱衝撃性を向上させることができることがわかる。特に、実施例15の結果から、M/Mを1.1以上にすることで、その効果が顕著であることがわかる。
【0059】
(実施例19)
その断面形状が、一辺が約36mmの正方形であり、その長さが約254mmであるハニカムセグメント16個のそれぞれの外壁同士を、重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)に対する、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)の比(M/M)が、1.01となるように、それぞれ異なるヤング率の接合材スラリーを用いて接合し、外部より圧力を加え、140℃、2時間乾燥してハニカム積層体を得た。このハニカム積層体の外周を円筒状に切削加工した後、外周コート材を塗布し、700℃、2時間乾燥硬化させて、外径が約144mmであり、長さが約254mmの図2Aに示すような切断面を有するハニカムセグメント接合体を製造した。製造したハニカムセグメント接合体を用いて、スス量9.9g/Lの条件でスート再生試験を行ったところ、クラック有無の評価は「無し」であり、ハニカムセグメント接合体の流路方向の最大応力は41MPaであり、応力低減率は5%であった。なお、ハニカムセグメントは、その気孔率が43%であり、曲げ強度が44MPaである炭化珪素を用いた。また、重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)は20.0MPaであり、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)は20.2MPaである。
【0060】
(実施例20〜24及び比較例4)
重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)に対する、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)の比(M/M)が、表4に示す値となるように、それぞれ異なるヤング率の接合材スラリーを用いて接合し、スート再生試験で、スス量の条件を表4に記載した条件にしたこと以外は、実施例19と同様にして各ハニカムセグメント接合体を製造した。
【0061】
【表4】

【0062】
表4に示すように、重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)に対する、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)の比(M/M)を、1.01以上にすることで、応力を低減することができ、ハニカムセグメント接合体の耐熱衝撃性を向上させることができることがわかる。特に、実施例21の結果から、M/Mを1.1以上にすることで、その効果が顕著であることがわかる。
【0063】
(実施例25)
その断面形状が、一辺が約36mmの正方形であり、その長さが約305mmであるハニカムセグメント49個のそれぞれの外壁同士を、重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)に対する、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)の比(M/M)が、1.01となるように、それぞれ異なるヤング率の接合材スラリーを用いて接合し、外部より圧力を加え、140℃、2時間乾燥してハニカム積層体を得た。このハニカム積層体の外周を円筒状に切削加工した後、外周コート材を塗布し、700℃、2時間乾燥硬化させて、外径が約229mmであり、長さが約305mmの図2Bに示すような切断面を有するハニカムセグメント接合体を製造した。製造したハニカムセグメント接合体を用いて、スス量8.2g/Lの条件でスート再生試験を行ったところ、クラック有無の評価は「無し」であり、ハニカムセグメント接合体の流路方向の最大応力は20MPaであり、応力低減率は5%であった。なお、ハニカムセグメントは、その気孔率が52%であり、曲げ強度が20MPaである珪素−炭化珪素系複合材料を用いた。また、重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)は20.0MPaであり、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)は20.2MPaである。
【0064】
(実施例26〜30及び比較例5)
重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)に対する、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)の比(M/M)が、表5に示す値となるように、それぞれ異なるヤング率の接合材スラリーを用いて接合し、スート再生試験で、スス量の条件を表5に記載した条件にしたこと以外は、実施例25と同様にして各ハニカムセグメント接合体を製造した。
【0065】
【表5】

【0066】
表5に示すように、重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)に対する、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)の比(M/M)を、1.01以上にすることで、応力を低減することができ、ハニカムセグメント接合体の耐熱衝撃性を向上させることができることがわかる。特に、実施例27の結果から、M/Mを1.1以上にすることで、その効果が顕著であることがわかる。
【0067】
(実施例31)
その断面形状が、一辺が約36mmの正方形であり、その長さが約305mmであるハニカムセグメント28個のそれぞれの外壁同士を、重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)に対する、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)の比(M/M)が、1.01となるように、それぞれ異なるヤング率の接合材スラリーを用いて接合し、外部より圧力を加え、140℃、2時間乾燥してハニカム積層体を得た。このハニカム積層体の外周を切削加工した後、外周コート材を塗布し、700℃、2時間乾燥硬化させて、長さが約305mmの図2Cに示すような切断面を有するハニカムセグメント接合体を製造した。製造したハニカムセグメント接合体を用いて、スス量6.0g/Lの条件でスート再生試験を行ったところ、クラック有無の評価は「無し」であり、ハニカムセグメント接合体の流路方向の最大応力は18MPaであり、応力低減率は5%であった。なお、ハニカムセグメントは、その気孔率が52%であり、曲げ強度が20MPaである珪素−炭化珪素系複合材料を用いた。また、重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)は20.0MPaであり、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)は20.2MPaである。
【0068】
(実施例32〜36及び比較例6)
重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)に対する、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)の比(M/M)が、表6に示す値となるように、それぞれ異なるヤング率の接合材スラリーを用いて接合し、スート再生試験で、スス量の条件を表6に記載した条件にしたこと以外は、実施例31と同様にして各ハニカムセグメント接合体を製造した。
【0069】
【表6】

【0070】
表6に示すように、重心近傍接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)に対する、外周接合層の厚み方向の圧縮ヤング率の流路方向の平均値(M)の比(M/M)を、1.01以上にすることで、応力を低減することができ、ハニカムセグメント接合体の耐熱衝撃性を向上させることができることがわかる。特に、実施例33の結果から、M/Mを1.1以上にすることで、その効果が顕著であることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明のハニカムセグメント接合体は、自動車用エンジン、建設機械用エンジン、産業機械用定置エンジン等の内燃機関、その他の燃焼機器等から排出される排気ガス中の粒子状物質を排気ガス中から除去するために利用することが出来る。
【符号の説明】
【0072】
1:ハニカムセグメント接合体、2,12,22:ハニカムセグメント、3,13,23:切断面、5:セル、6:隔壁、7:目封止、8:外壁、9:接合層、9a,19a,29a:セルの流路方向と直交する切断面における重心の近傍に位置する接合層、9b,19b,29b:最外周に位置するハニカムセグメントの外壁を接合する接合層、G:重心。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質の隔壁によって区画形成されるとともに互いに平行に配設される流体の流路となる複数のセルを持ったセル構造体と、前記セル構造体の外周に配設される外壁と、を有するハニカムセグメントを複数備え、複数の前記ハニカムセグメントのそれぞれの前記外壁同士が接合層を介して接合されてなるものであり、
前記セルの流路方向と直交する切断面における重心の近傍に位置する前記接合層の厚み方向の圧縮ヤング率(M)と、その最外周に位置する前記ハニカムセグメントの前記外壁を接合する前記接合層の厚み方向の圧縮ヤング率(M)が、M<Mの関係を満たすハニカムセグメント接合体。
【請求項2】
前記圧縮ヤング率(M)と、前記圧縮ヤング率(M)が、M/M≧1.01の関係を満たす請求項1に記載のハニカムセグメント接合体。
【請求項3】
前記圧縮ヤング率(M)と、前記圧縮ヤング率(M)が、M/M≧1.1の関係を満たす請求項1に記載のハニカムセグメント接合体。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−235338(P2010−235338A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−82561(P2009−82561)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000004064)日本碍子株式会社 (2,325)
【Fターム(参考)】