説明

ハニカム構造体

【課題】ハニカムユニットと外周コート層との界面で、剥離およびクラックの生じにくいハニカム構造体を提供する。
【解決手段】ゼオライトおよび無機バインダを含み、長手方向に沿って、第1の端面から第2の端面に延伸する複数のセルがセル壁によって区画された柱状のハニカムユニットと、外周面に設置されたコート層とにより構成されるハニカム構造体であって、前記コート層の径方向の熱膨張率をκcとし、径方向のヤング率をEcとし、前記ハニカムユニットの径方向の熱膨張率をκhとし、径方向のヤング率をEhとしたとき、
0.75≦κc/κh≦1.25 式(1)および
0.75≦Ec/Eh≦1.25 式(2)
が成立することを特徴とするハニカム構造体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガスを処理するハニカム構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車排ガスの浄化に関しては、多くの技術が開発されているが、交通量の増大もあって、まだ十分な排ガス対策がとられているとは言い難い。日本国内においても、世界的にも自動車排ガス規制は、さらに強化されていく方向にある。その中でも、ディーゼル排ガス中のNOx規制については、非常に厳しくなってきている。従来は、エンジンの燃焼システムの制御によってNOx低減を図ってきたが、それだけでは対応しきれなくなってきた。このような課題に対応するディーゼルNOx浄化システムとして、アンモニアを還元剤として用いるNOx還元システム(SCRシステムと呼ばれている。)が提案されている。このようなシステムに用いられる触媒担体として、ハニカム構造体が知られている。
【0003】
このハニカム構造体は、例えば、長手方向に沿って、該ハニカム構造体の一方の端面から他方の端面まで延伸する複数のセル(貫通孔)を有し、これらのセルは、触媒が担持されたセル壁により、相互に区画されている。従って、このようなハニカム構造体に排ガスを流通させた場合、セル壁に担持された触媒によって、排ガスに含まれるNOxが浄化されるため、排ガスを処理することができる。
【0004】
一般に、このようなハニカム構造体のセル壁は、コージェライトで構成され、このセル壁には、触媒として、例えばゼオライト(鉄または銅等でイオン交換されたもの)が担持される。この他、セル壁にゼオライトを使用し、ハニカム構造体を形成することが提案されている(例えば特許文献1)。
【0005】
前述のようなハニカム構造体は、例えば、接着層を介して、セラミックユニットを所定の数だけ結束させた後、この結束体を所望の形状に切削加工し、さらに切削加工された外周面にコート層を設置することにより製作される。この際に、接着層とセラミックユニットの熱膨張率の比およびヤング率の比を、適正な範囲に調整することにより、接着層とセラミックユニットとの界面での剥離やクラックの発生を抑制することが提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2005/063653号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2003/67042号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のように、接着層とセラミックユニットのそれぞれの熱膨張率およびヤング率が調整されたハニカム構造体では、接着層とセラミックユニットとの界面での剥離およびクラックの発生を抑制することができる。
【0008】
しかしながら、ハニカム構造体における剥離およびクラックの発生箇所は、接着層とハニカムユニット(セラミックユニット)の界面に限られるものではない。外周面に外周コート層を有するハニカム構造体では、例えば、ハニカムユニットと外周コート層との界面においても、同様の問題は生じ得る。
【0009】
また、前述の特許文献2における熱膨張率およびヤング率の適正範囲は、例えばSiCなどの焼結体で構成されたハニカム構造体において得られたものであり、焼結体以外の部材においても同様に適用できるとは限られない。特に、前述のような、セル壁がゼオライトで構成されたハニカム構造体は、焼結体ではないため、焼結体で構成されたハニカム構造体に比べて強度が低い。従って、セル壁がゼオライトで構成されたハニカム構造体において、ハニカムユニットとコート層の熱膨張率およびヤング率を、特許文献2に記載の範囲に調整したとしても、依然として、この界面で剥離、クラックが生じことは十分に予想される。
【0010】
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、ハニカムユニットと外周コート層との界面で、剥離およびクラックの生じにくいハニカム構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明では、ゼオライトおよび無機バインダを含み、長手方向に沿って、第1の端面から第2の端面に延伸する複数のセルがセル壁によって区画された柱状のハニカムユニットと、外周面に形成された外周コート層とにより構成されるハニカム構造体であって、
前記外周コート層の径方向の熱膨張率をκcとし、径方向のヤング率をEcとし、前記ハニカムユニットの径方向の熱膨張率をκhとし、径方向のヤング率をEhとしたとき、
0.75≦κc/κh≦1.25 式(1)、および
0.75≦Ec/Eh≦1.25 式(2)
を満足することを特徴とする。
【0012】
本発明において、ハニカムユニットに含まれるゼオライトは、β型ゼオライト、Y型ゼオライト、フェリエライト、ZSM−5型ゼオライト、モルデナイト、フォージサイト、ゼオライトA、またはゼオライトLであっても良い。
【0013】
また、ハニカムユニットに含まれるゼオライトは、アルミナに対するシリカの重量比が30〜50であっても良い。
【0014】
また、ハニカムユニットに含まれるゼオライトは、Fe、Cu、Ni、Co、Zn、Mn、Ti、AgまたはVでイオン交換されていても良い。
【0015】
また本発明において、さらに前記ハニカムユニットは、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリアおよびムライトから選定された少なくとも一つの粒子を含んでいても良い。
【0016】
また、前記ハニカムユニットに含まれる無機バインダは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト、およびアタパルジャイトの群から選定された少なくとも一つを含んでも良い。
【0017】
また、前記ハニカムユニットは、さらに無機繊維を含んでも良い。
【0018】
前記ハニカムユニットに含まれるそのような無機繊維は、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウムおよびホウ酸アルミニウムの群から選定された少なくとも一つであっても良い。
【0019】
また本発明によるハニカム構造体において、前記外周コート層は、無機粒子と、無機バインダおよび無機繊維の少なくとも一つとを含んでも良い。
【0020】
特に、前記外周コート層に含まれる無機粒子は、ゼオライト、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリアおよびムライトのうち少なくとも一つを含んでいても良い。
【0021】
また、前記外周コート層に含まれる無機バインダは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト、およびアタパルジャイトの群から選定された少なくとも一つを含んでいても良い。
【0022】
また、前記外周コート層に含まれる無機繊維は、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウムおよびホウ酸アルミニウムの群から選定された少なくとも一つであっても良い。
【0023】
また、本発明によるハニカム構造体は、複数のハニカムユニットを接着層を介して接合することにより構成されていても良い。
【発明の効果】
【0024】
本発明では、ハニカムユニットと外周コート層との界面で、剥離およびクラックの生じにくいハニカム構造体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図である。
【図2】図1のハニカム構造体を構成するハニカムユニットの一例を模式的に示した斜視図である。
【図3】本発明のハニカム構造体の他の例を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下図面により本発明の形態を説明する。
【0027】
図1には、本発明によるハニカム構造体の一例を模式的に示す。また、図2には、図1に示したハニカム構造体の基本単位である、ハニカムユニットの一例を模式的に示す。
【0028】
図1に示すように、本発明のハニカム構造体100は、2つの端面110および115を有する。また、ハニカム構造体100の両端面を除く外周面には、外周コート層120が形成されている。
【0029】
ハニカム構造体100は、例えば、図2に示す柱状のセラミック製ハニカムユニット130を、接着層150を介して複数個(図1の例では、縦横4列ずつ16個)接合させた後、外周側を所定の形状(図1の例では、円柱状)に沿って切削加工することにより構成される。
【0030】
図2に示すように、ハニカムユニット130は、該ハニカムユニットの長手方向に沿って一端から他端まで延伸し、両端面で開口された複数のセル(貫通孔)121と、該セルを区画するセル壁123とを有する。本発明のハニカムユニット130は、NOx浄化に寄与するゼオライトを含む。従って、本発明によるハニカム構造体を、NOx浄化用の触媒担体として使用する場合、セル壁に、必ずしも貴金属触媒を担持する必要はない。ただし、セル壁には、さらに貴金属触媒を担持しても良い。
【0031】
このように構成されたハニカム構造体100は、例えば、尿素タンクを有する尿素SCRシステムの触媒担体として使用される。この尿素SCRシステムに、排ガスが流通されると、尿素タンクに収容されている尿素が排ガス中の水と反応して、アンモニアが生じる。

CO(NH+HO → 2NH+CO 式(3)

このアンモニアが、NOxを含む排ガスとともに、ハニカム構造体100の一方の端面(例えば端面110)から、各セルに流入した場合、セル壁に含まれているゼオライト上で、この混合ガスの間で、以下の反応が生じる。

4NH+4NO+O → 4N+6HO 式(4−1)
8NH+6NO → 7N+12HO 式(4−2)
2NH+NO+NO → 2N+3HO 式(4−3)

その後、浄化された排ガスは、ハニカム構造体100の他方の端面(例えば端面115)から排出される。このように、ハニカム構造体100内に排ガスを流通させることにより、排ガス中のNOxを処理することができる。また、ここでは、尿素水を加水分解して、NHを供給する方法を示したが、その他の方法でNHを供給しても良い。
【0032】
ここで、従来のSiC焼結体で構成されたハニカム構造体の場合、ハニカム構造体の使用期間中に、ハニカムユニットと接着層の熱膨張率およびヤング率の差異に起因して、しばしば、この界面で剥離またはクラックが生じることがある。そこで、予めハニカムユニットと接着層の熱膨張率比およびヤング率比を所定の範囲に調整しておくことにより、ハニカムユニットと接着層との界面(ハニカムユニット/接着層界面)での剥離またはクラックの発生を抑制することが提案されている(前述の特許文献2)。
【0033】
ただし、ハニカム構造体において、そのようなクラックおよび剥離の発生現象は、ハニカムユニットと接着層との界面での固有の問題ではない。すなわち、ハニカムユニットと外周コート層の界面(ハニカムユニットの外周コート層界面)においても同様の問題は、生じ得る。従って、ハニカムユニットとコート層においても、両者の熱膨張率およびヤング率を適正な範囲に調整する必要がある。特に、図3のように、ハニカム構造体が、単一のハニカムユニットで構成されている場合には、このような問題が生じやすい傾向にある。
【0034】
しかしながら、前述の特許文献2における熱膨張率およびヤング率の適正範囲は、SiCなどの焼結体で構成されたハニカム構造体において得られたものであり、焼結体以外の部材においても同様に適用できるとは限られない。特に、本発明のような、セル壁123がゼオライトを含み、ゼオライト粒子が無機バインダで結合されているのみで十分に焼結されていないハニカム構造体100は、焼結体で構成されたハニカム構造体に比べて、強度が低いことが知られている。従って、本発明によるハニカム構造体100において、ハニカムユニットとコート層の熱膨張率およびヤング率を、特許文献2に記載の範囲に調整したとしても、依然として、ハニカムユニットと外周コート層との界面で剥離、クラックが生じる危険性がある。
【0035】
本願発明者らは、以上のような考察に基づき多くの研究を行い、セル壁がゼオライトと、無機バインダとを含む材料で構成されたハニカム構造体において、ハニカムユニットと外周コート層の熱膨張率およびヤング率を所定の関係を満たすように調整することにより、ハニカムユニットと外周コート層との界面での剥離およびクラックの発生を有意に抑制し得ることを見出した。この結果によれば、ハニカムユニットの熱膨張率をκhとし、ヤング率をEhとし、外周コート層の熱膨張率をκcとし、ヤング率をEcとしたとき、
0.75≦κc/κh≦1.25 式(1)、および
0.75≦Ec/Eh≦1.25 式(2)
を満たすようにして、各値を調整することにより、ハニカムユニットと外周コート層との界面での剥離およびクラックの発生を有意に抑制することができる。
【0036】
本発明のハニカム構造体100は、このような知見に基づいて得られたものであり、ハニカムユニット130と外周コート層120の熱膨張率およびヤング率が、上記式(1)、式(2)を満たすように調整されていることを特徴としている。このような特徴により、本発明のハニカム構造体100では、ハニカムユニットと外周コート層との界面での剥離およびクラックの発生を有意に抑制することができる。
【0037】
なお、本願において、ハニカムユニットおよび外周コート層の熱膨張率κh、κcは、いずれも径方向、すなわち長手方向に対して垂直な方向における値である。同様に、ハニカムユニットおよび外周コート層の各ヤング率Eh、Ecも、径方向における値である。
【0038】
ハニカムユニットおよび外周コート層の熱膨張率κh、κcは、以下の方法で測定することができる。
【0039】
縦3mm×横3mm×高さ15mmの寸法の測定サンプルを準備する。ハニカムユニットの測定サンプルは、ハニカムユニットを製作する際に使用される成形用ペースト(詳細は後述する)を用いて、実際のハニカムユニットを製作する場合と同様の工程により作製される。同様に、外周コート層の測定サンプルは、ハニカムユニットの外周面に外周コート層を形成する際に使用される外周コート層用ペースト(詳細は後述する)を用いて、実際の外周コート層を製作する場合と同様の工程により、縦3mm×横3mm×高さ15mmの寸法で作製する。
【0040】
次に、測定サンプルと、アルミナ製の基準サンプル(3mm×3mm×15mm)とを、両サンプルの長手方向が水平方向となるようにして、密閉式容器内に並べて設置する。なお、これらのサンプルには、上面(すなわち3mm×15mmの上部領域)の中央部分と接するように、それぞれの検出棒が設置されている。
【0041】
次に、アルゴン雰囲気下で、測定サンプルおよび基準サンプルを室温から、5℃/分の昇温速度で700℃まで昇温し、700℃で20分間保持した後、室温まで自然冷却させる。この際、測定サンプルおよび基準サンプルが熱膨張するが、この変化量は、検出棒により検出される。従って、基準サンプルと測定サンプルの変化量の差から、測定サンプルの熱膨張率が求められる。
【0042】
測定には、熱膨張率測定装置(DL−7000、アルバック理工(株)製)を使用した。この装置の最小検出感度は、0.1μmである。
【0043】
ハニカムユニットおよび外周コート層の各ヤング率Eh、Ecは、以下の方法により測定する。
【0044】
横10mm×長さ50mm×厚さ0.4mmの寸法の測定サンプルを準備する。ハニカムユニットの測定サンプルは、ハニカムユニットを製作する際に使用する成形用ペースト(詳細は後述する)を用いて、実際のハニカムユニットを製作する場合と同様の工程により作製する。同様に、外周コート層の測定サンプルは、ハニカムユニットの外周面に外周コート層を設置する際に使用する、外周コート層用ペースト(詳細は後述する)を用いて、実際の外周コート層を製作する場合と同様の工程により、横10mm×長さ50mm×厚さ0.4mmの寸法で作製する。
【0045】
次に、測定サンプルをヤング率測定装置に設置し、いわゆる共振法により、測定サンプルのヤング率を測定する。測定装置には、JE−RT型弾性率測定装置(日本テクノプラス(株)社製)を使用した。測定雰囲気は、大気とし、測定温度は、室温とする。
【0046】
次に、本発明によるハニカム構造体を構成する各部材について、より詳しく説明する。
【0047】
本発明のハニカム構造体において、ハニカムユニット130は、ゼオライトに加えて無機バインダを含んでいる。さらに、ハニカムユニット130は、ゼオライト以外の無機粒子、および/または無機繊維を含んでいても良い。
【0048】
ゼオライトは、例えば、β型ゼオライト、Y型ゼオライト、フェリエライト、ZSM−5型ゼオライト、モルデナイト、フォージサイト、ゼオライトA、またはゼオライトLであっても良い。あるいは、ゼオライトは、Fe、Cu、Ni、Co、Zn、Mn、AgまたはVでイオン交換されたものであっても良い。
【0049】
またゼオライトは、アルミナに対するシリカの重量比が30〜50であることが望ましい。
【0050】
無機バインダとしては、無機ゾルや粘土系バインダ等を用いることができ、上記無機ゾルの具体例としては、例えば、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス等が挙げられる。また、粘土系バインダとしては、例えば、白土、カオリン、モンモリロナイト、セピオライト、アタパルジャイト等の複鎖構造型粘土等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
【0051】
これらの中では、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライトおよびアタパルジャイトからなる群から選択された少なくとも1種が望ましい。
【0052】
ゼオライト以外の無機粒子としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア、ムライト等が望ましい。これらの粒子は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。また、これらの中では、アルミナ、ジルコニアが特に望ましい。
【0053】
また、ハニカムユニットに無機繊維を加える場合、無機繊維の材料としては、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウムまたはホウ酸アルミニウム等が望ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記材料の中では、アルミナが望ましい。なおウィスカも無機粒子に含まれるものとする。
【0054】
ハニカムユニットに含まれる無機粒子(ゼオライトおよびゼオライト以外の無機粒子)の含有量は、望ましい下限は30重量%であり、より望ましい下限は40重量%であり、特に望ましい下限は50重量%である。一方、望ましい上限は90重量%であり、より望ましい上限は80重量%であり、特に望ましい上限は75重量%である。無機粒子(ゼオライトおよびゼオライト以外の無機粒子)の含有量が30重量%未満では、浄化に寄与するゼオライトの量が相対的に少なくなる。一方、90重量%を超えると、ハニカムユニットの強度が低下する可能性がある。
【0055】
無機バインダは、固形分として、5重量%以上含まれることが好ましく、10重量%以上含まれることがより好ましく、15重量%以上含まれることが特に好ましい。一方、無機バインダの含有量は、固形分として、50重量%以下であることが好ましく、40重量%以下であることがより好ましく、35重量%以下であることが特に好ましい。無機バインダの量が、固形分として5重量%未満では、製造したハニカムユニットの強度が低くなることがある。一方、無機バインダの量が、固形分として50重量%を超えると、原料組成物の成型性が悪くなることがある。
【0056】
ハニカムユニットに無機繊維が含まれる場合、無機繊維の合計量について、望ましい下限は3重量%であり、より望ましい下限は5重量%であり、特に望ましい下限は8重量%である。一方、望ましい上限は50重量%であり、より望ましい上限は40重量%であり、特に望ましい上限は30重量%である。無機繊維の含有量が3重量%未満ではハニカムユニットの強度向上の寄与が小さくなり、50重量%を超えると浄化に寄与するゼオライトの量が相対的に少なくなる。
【0057】
前述のハニカムユニット130の長手方向に対して垂直な断面の形状は、特に限定されるものではなく、ハニカムユニットを接着層を介して接合することが可能であれば、いかなる形状であっても良い。ハニカムユニット130の形状は、正方形、長方形、六角形、扇形などであっても良い。
【0058】
また、ハニカムユニット130のセル121の長手方向に対して垂直な断面の形状は、特に限られず、正方形以外に、例えば三角形、多角形としても良い。
【0059】
ハニカムユニット130のセル密度は、15.5〜186個/cm(100〜1200cpsi)の範囲であることが好ましく、46.5〜170個/cm(300〜1100cpsi)の範囲であることがより好ましく、62〜155個/cm(400〜1000cpsi)の範囲であることがさらに好ましい。
【0060】
ハニカムユニット130のセル壁123の厚さは、特に限定されないが、強度の点から望ましい下限は、0.1mmであり、浄化性能の観点から望ましい上限は、0.4mmである。
【0061】
本発明のハニカム構造体100の形状は、いかなる形状であっても良い。例えば、ハニカム構造体100の形状は、図1に示すような円柱の他、楕円柱、四角柱、多角柱等であっても良い。
【0062】
ハニカム構造体100の接着層150は、接着層用ペーストを原料として形成される。接着層用ペーストとしては、特に限定されるものではないが、例えば、無機粒子と無機バインダを混ぜたものや、無機バインダと無機繊維を混ぜたものや、無機粒子と無機バインダと無機繊維を混ぜたものなどを用いることができる。また、これらにさらに有機バインダを加えてもよい。
【0063】
無機粒子、無機バインダおよび無機繊維としては、前述のようなハニカムユニットを構成する材料と同様のものを使用することができる。また、有機バインダとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどから選ばれる1種以上が挙げられる。有機バインダの中では、カルボキシルメチルセルロースが望ましい。
【0064】
接着層の厚さは、0.3〜2.0mmの範囲であることが好ましい。接着層の厚さが0.3mm未満では十分な接合強度が得られないおそれがあるためである。また接着層の厚さが2.0mmを超えると、圧力損失が大きくなることがある。なお、接合させるハニカムユニットの数は、ハニカム構造体の大きさに合わせて適宜選定される。
【0065】
ハニカム構造体100のコート層120は、無機粒子、無機バインダおよび無機繊維の少なくとも一つを含むペーストを原料として形成される。コート層を形成するペーストには、さらに有機バインダが含まれても良い。外周コート層120は、接着層150と異なる材料で構成されても良いが、同じ材料であることが好ましい。剥離やクラックが発生しにくくなるからである。すなわち、コート層120に含まれる無機粒子は、ゼオライト、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリアおよびムライトの少なくとも一つであることが好ましい。また、コート層120に含まれる無機バインダは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライトおよびアタパルジャイトの群から選定された一つであることが好ましい。また、コート層120に含まれる無機繊維は、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウム、およびホウ酸アルミニウムの群から選定された少なくとも一つであることが好ましい。原料となるペーストには、必要に応じて、酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加しても良い。外周コート層の最終的な厚さは、0.1mm〜2.0mmが好ましい。
【0066】
なお、以上の記載では、図1のような、接着層150を介して複数のハニカムユニット130を接合することにより構成されるハニカム構造体を例に、本発明の特徴を説明した。
【0067】
図3には、本発明のハニカム構造体の別の構成例を示す。なお、ハニカム構造体200は、複数のセル122がセル壁124を隔てて、長手方向に並設された単一のハニカムユニットから構成されることを除き、ハニカム構造体100と同様の構造を有する。
(ハニカム構造体の製作方法)
次に、本発明のハニカム構造体の製造方法を説明する。なお、ここでは、前述の図1のような、複数のハニカムユニットから構成されるハニカム構造体100の製造方法を例に説明する。ただし、以下の説明は、接着層によるハニカムユニットの接合工程を除き、図3に示す構造のハニカム構造体の製造方法にも適用できることは、当業者には明らかである。
【0068】
まず、ゼオライトを含む無機粒子、無機バインダを主成分とし、さらに必要に応じて無機繊維を添加した原料ペースト(成形用ペースト)を用いて押出成形等を行い、ハニカムユニット成形体を作製する。
【0069】
原料ペーストには、これらの他に有機バインダ、分散媒および成形助剤を成形性にあわせて適宜加えてもよい。有機バインダとしては、特に限定されるものではないが、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂およびエポキシ樹脂等から選ばれる1種以上の有機バインダが挙げられる。有機バインダの配合量は、無機粒子、無機バインダおよび無機繊維の合計100重量部に対して、1〜10重量部が好ましい。
【0070】
分散媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(ベンゼンなど)およびアルコール(メタノールなど)などを挙げることができる。成形助剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸およびポリアルコール等を挙げることができる。
【0071】
原料ペーストは、特に限定されるものではないが、混合・混練することが好ましく、例えば、ミキサーやアトライタなどを用いて混合してもよく、ニーダーなどで十分に混練してもよい。原料ペーストを成形する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、押出成形などによってセルを有する形状に成形することが好ましい。
【0072】
次に、得られた成形体は、乾燥することが好ましい。乾燥に用いる乾燥機は、特に限定されるものではないが、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機および凍結乾燥機などが挙げられる。また、得られた成形体は、脱脂することが好ましい。脱脂する条件は、特に限定されず、成形体に含まれる有機物の種類や量によって適宜選択するが、おおよそ400℃、2時間が好ましい。更に、得られた成形体は、焼成することが好ましい。焼成条件としては、特に限定されるものではないが、600〜1200℃が好ましく、600〜1000℃がより好ましい。この理由は、焼成温度が600℃未満では、焼結が進行せずハニカムユニットとしての強度が低くなり、1200℃を超えると、焼結が過剰に進行し、ゼオライトの反応サイトが減少してしまうためである。
【0073】
次に、以上の工程で得られたハニカムユニットの側面に、後に接着層となる接着層用ペーストを均一な厚さで塗布した後、この接着層用ペーストを介して、順次他のハニカムユニットを積層する。この工程を繰り返し、所望の寸法の(例えば、ハニカムユニットが縦横4個ずつ配列された)ハニカム構造体を作製する。
【0074】
次にこのハニカム構造体を加熱して、接着層用ペーストを乾燥、固化させて、接着層を形成させるとともに、ハニカムユニット同士を固着させる。
【0075】
次にダイヤモンドカッター等を用いて、ハニカム構造体を、例えば円柱状に切削加工し、必要な外周形状のハニカム構造体を作製する。
【0076】
次に、ハニカム構造体の外周面(側面)に外周コート層用ペーストを塗布後、これを乾燥、固化させて、外周コート層を形成する。
【0077】
その後、ハニカム構造体が脱脂される。この処理により、接着層用のペーストまたは外周コート層用ペーストに有機バインダが含まれている場合、これらの有機バインダを脱脂除去することができる。脱脂条件は、含まれる有機物の種類や量によって適宜選定されるが、通常の場合、700℃、2時間程度である。
【0078】
以上の工程により、図1に示すハニカム構造体を製作することができる。
【実施例】
【0079】
以下、実施例により本発明を詳しく説明する。
(実施例1)
まず、Feゼオライト粒子(平均粒子径2μm、アルミナに対するシリカの重量比40)2250重量部、アルミナ粒子(平均粒子径2μm)550重量部、アルミナゾル(固形分30%)2600重量部、アルミナ繊維(平均繊維長100μm、平均繊維径6μm)780重量部、メチルセルロース410重量部に、可塑剤および潤滑剤(ユニルーブ)を混合、混練して混合組成物(原料組成物)を得た。Feゼオライト粒子は、ゼオライト重量に対して3wt%の分がFeでイオン交換されたものである。イオン交換量は、装置ICPS−8100(島津製作所製)を用いて、IPC発光分析により求めた。次に、この混合組成物を押出成形機により押出成形を行い、ハニカムユニット成形体を得た。
【0080】
次に、マイクロ波乾燥機および熱風乾燥機を用いてこれらの成形体を十分乾燥させ、400℃で5時間保持して脱脂した。その後、700℃で5時間保持して焼成を行い、図3に示す形状のハニカムユニット(外径143mm×全長150mm)を得た。セル壁の厚さは、0.25mmであり、セル密度は、78個/cmであった。また、開口率は、60%であった。
【0081】
ハニカムユニットおよび外周コート層の熱膨張率κh、κcを、以下の方法で測定した。
【0082】
縦3mm×横3mm×高さ15mmの寸法の測定サンプルを準備した。ハニカムユニットの測定サンプルは、ハニカムユニットを製作する際に使用される成形用ペースト(原料組成物)を用いて、実際のハニカムユニットを製作する場合と同様の工程により作製した。同様に、外周コート層の測定サンプルは、ハニカムユニットの外周面に外周コート層を形成する際に使用される外周コート層用ペーストを用いて、実際の外周コート層を製作する場合と同様の工程により、縦3mm×横3mm×高さ15mmの寸法で作製した。
【0083】
次に、測定サンプルと、アルミナ製の基準サンプル(3mm×3mm×15mm)とを、両サンプルの長手方向が水平方向となるようにして、密閉式容器内に並べて設置した。なお、これらのサンプルには、上面(すなわち3mm×15mmの上部領域)の中央部分と接するように、それぞれの検出棒が設置される。
【0084】
次に、アルゴン雰囲気下で、測定サンプルおよび基準サンプルを室温から、5℃/分の昇温速度で700℃まで昇温し、700℃で20分間保持した後、室温まで自然冷却させた。この際、測定サンプルおよび基準サンプルが熱膨張するが、この変化量は、検出棒により検出される。従って、基準サンプルと測定サンプルの変化量の差から、測定サンプルの熱膨張率が求められる。
【0085】
測定には、熱膨張率測定装置(DL−7000、アルバック理工(株)製)を使用した。この装置の最小検出感度は、0.1μmであった。
【0086】
ハニカムユニットおよび外周コート層の各ヤング率Eh、Ecは、以下の方法により測定した。
【0087】
縦10mm×長さ50mm×厚さ0.4mmの寸法の測定サンプルを準備した。ハニカムユニットの測定サンプルは、ハニカムユニットを製作する際に使用する成形用ペーストを用いて、実際のハニカムユニットを製作する場合と同様の工程により作製した。同様に、外周コート層の測定サンプルは、ハニカムユニットの外周面に外周コート層を設置する際に使用する、外周コート層用ペースト(原料組成物)を用いて、実際の外周コート層を製作する場合と同様の工程により、縦10mm×長さ50mm×厚さ0.4mmの寸法で作製した。
【0088】
次に、測定サンプルをヤング率測定装置に設置し、いわゆる共振法により、測定サンプルのヤング率を測定した。測定装置には、JE−RT型弾性率測定装置(日本テクノプラス(株)社製)を使用した。測定雰囲気は、大気とし、測定温度は、室温とした。
【0089】
ハニカムユニットの熱膨張率κh(径方向)およびヤング率Eh(径方向)を測定した結果、ハニカムユニットの熱膨張率κhは、0.6×10−6(K−1)であり、ヤング率Ehは、1.1GPaであった。
【0090】
次に、外周コート層用ペーストをハニカムユニットの外周面に塗布し、120℃で1時間加熱後、放冷した。この処理により、ハニカムユニットの外周面に、厚さ0.5mmの外周コート層が形成された。外周コート層用ペーストは、無機粒子としてシリカ(平均粒子径2μm、アルミナに対するシリカの重量比40)を21wt%、無機バインダとしてアルミナゾル(固形分30%)を25wt%、無機繊維としてホウ酸アルミニウム(平均繊維長100μm、平均繊維径6μm)を24wt%、およびカルボキシメチルセルロースを5wt%の割合で混合し、さらにこれに水を25wt%の配合で加えて調製した。なお、造孔材は、添加していない。
【0091】
前述の測定方法により、このコート層の熱膨張率κc(径方向)およびヤング率Ec(径方向)を測定した結果、コート層の熱膨張率κcは、0.46×10−6(K−1)であり、ヤング率Ecは、1.0GPaであった。
【0092】
このような工程により、実施例1に係るハニカム構造体を作製した。
(実施例2〜11)
実施例1と同様の方法により、実施例2〜11に係るハニカム構造体を得た。ただし、これらのハニカム構造体では、外周コート層用ペースト(すなわち外周コート層でもある)の材料およびその配合比を変化させることにより、熱膨張率κcおよびヤング率Ecを変化させた外周コート層を、ハニカムユニットの外周面に形成した。
【0093】
表1には、実施例1〜11に係る各ハニカム構造体の外周コート層用ペーストの組成、外周コート層の熱膨張率κcおよびヤング率Ec、ならびに比(κc/κh)(ハニカムユニットの熱膨張率に対する外周コート層の熱膨張率)および比(Ec/Eh)(ハニカムユニットのヤング率に対する外周コート層のヤング率)の値をまとめて示した。なお、外周コート層用ペーストに造孔材が添加されている実施例の場合、添加された造孔材の平均粒子径は、0.4μmである。
【0094】
【表1】

(比較例1〜8)
実施例1と同様の方法により、比較例1〜8に係るハニカム構造体を得た。ただし、これらのハニカム構造体では、外周コート層用ペースト(すなわち外周コート層でもある)の材料およびその配合比を変化させることにより、熱膨張率κcおよびヤング率Ecを変化させた外周コート層を、ハニカムユニットの外周面に形成した。
【0095】
前述の表1には、比較例1〜8に係る各ハニカム構造体の外周コート層用ペーストの組成、外周コート層の熱膨張率κcおよびヤング率Ec、ならびに比(κc/κh)および比(Ec/Eh)の値をまとめて示した。なお、外周コート層用ペーストに造孔材が添加されている比較例の場合、添加された造孔材の平均粒子径は、0.4μmである。
(熱衝撃試験)
前述の方法で作製した各ハニカム構造体について、以下の方法により熱衝撃試験を実施した。
【0096】
ハニカム構造体の外周全面に、保持シール材として、アルミナマット(三菱化学(株)製)を巻回し、金属容器に装着した。この金属容器を600℃に保持された電気炉に入れ、10分間保持した後、ハニカム構造体を炉から取り出し、室温まで冷却した(自然冷却)。この操作を10回繰り返した。
【0097】
試験後、ハニカム構造体に剥離またはクラックが生じたか否かを目視で確認した。前述の表1の右欄には、各実施例および比較例における熱衝撃試験結果を示す。○の表示は、試験後にハニカム構造体に剥離またはクラックが生じなかったことを示しており、×の表示は、試験後にハニカム構造体に剥離またはクラックが生じたことを示している。
【0098】
この結果から、比(κc/κh)が0.75〜1.25の範囲にあり、比(Ec/Eh)が0.75〜1.25の範囲にある場合、ハニカム構造体が良好な耐熱衝撃性を示すことがわかった。
【符号の説明】
【0099】
100 ハニカム構造体
110 第1の端面
115 第2の端面
120 外周コート層
121、122 セル
123、124 セル壁
130 ハニカムユニット
150 接着層
200 別のハニカム構造体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゼオライトおよび無機バインダを含み、長手方向に沿って、第1の端面から第2の端面に延伸する複数のセルがセル壁によって区画された柱状のハニカムユニットと、外周面に設置されたコート層とにより構成されるハニカム構造体であって、
前記コート層の径方向の熱膨張率をκcとし、径方向のヤング率をEcとし、前記ハニカムユニットの径方向の熱膨張率をκhとし、径方向のヤング率をEhとしたとき、
0.75≦κc/κh≦1.25 式(1)、および
0.75≦Ec/Eh≦1.25 式(2)
が成立することを特徴とするハニカム構造体。
【請求項2】
前記ゼオライトは、β型ゼオライト、Y型ゼオライト、フェリエライト、ZSM−5型ゼオライト、モルデナイト、フォージサイト、ゼオライトA、またはゼオライトLであることを特徴とする請求項1に記載のハニカム構造体。
【請求項3】
前記ゼオライトは、アルミナに対するシリカの重量比が30〜50であることを特徴とする請求項1または2に記載のハニカム構造体。
【請求項4】
前記ゼオライトは、Fe、Cu、Ni、Co、Zn、Mn、Ti、AgまたはVでイオン交換されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
【請求項5】
前記ハニカムユニットは、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリアおよびムライトから選定された少なくとも一つの粒子を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
【請求項6】
前記無機バインダは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト、およびアタパルジャイトの群から選定された少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
【請求項7】
前記ハニカムユニットは、さらに無機繊維を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
【請求項8】
前記無機繊維は、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウムおよびホウ酸アルミニウムの群から選定された少なくとも一つであることを特徴とする請求項7に記載のハニカム構造体。
【請求項9】
前記コート層は、無機粒子と、無機バインダおよび無機繊維の少なくとも一つとを含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
【請求項10】
前記コート層に含まれる無機粒子は、ゼオライト、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリアおよびムライトのうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項9に記載のハニカム構造体。
【請求項11】
前記コート層に含まれる無機バインダは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト、およびアタパルジャイトの群から選定された少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項9または10に記載のハニカム構造体。
【請求項12】
前記コート層に含まれる無機繊維は、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウムおよびホウ酸アルミニウムの群から選定された少なくとも一つであることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
【請求項13】
当該ハニカム構造体は、複数のハニカムユニットを接着層を介して接合することにより構成されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一つに記載のハニカム構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−1204(P2010−1204A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−39168(P2009−39168)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(000000158)イビデン株式会社 (856)
【Fターム(参考)】