説明

ハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法

【課題】 ハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法の提供。
【解決手段】 アルミ合金製のハブ半製品に通常塗装を行ない、その後、電気メッキを行なう部分の塗装樹脂を削り取り、アルミ合金原材を露出させ、更につや出し、底層ニッケルと銅を電気メッキする前の前処理を行ない、底層ニッケルと銅を電気メッキし、銅のつや出しを行ない、多層ニッケル電気メッキ前の前処理を行ない、多層ニッケルを電気メッキし、クロムを電気メッキし、塗装層と電気メッキ層を共に具えたハブを得る。この方法によりえられるハブの電気メッキ層は良好な防護性能を具え、塗装樹脂と金属メッキ層が組み合わされた外表の色は非常に美しい。且つメッキ層金属と塗装樹脂の結合は非常に緊密で極めて良好な防護効果を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用ハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法に係り、特に、樹脂ワニス塗装と電気メッキを結合させた方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機動車両は最良の交通工具であり、更に貨物運輸中でも重要な工具である。タイヤは車両の重要な部品であり、それはハブと結合させて使用する必要がある。一般に高級車にはアルミ合金材質のハブが採用され、良好な走行安全性を具備するほか、全体の外観を良くする。現在市販されているアルミ合金ハブは、その表面が通常全て樹脂塗装されるか或いは全てに金属メッキが施され、塗装後に一部に電気メッキを行なう技術はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、ハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法を提供することにあり、それは、アルミ合金ハブ表面全体に先ず樹脂塗装を行ない、さらに電気メッキが必要な部分の外表面の塗装樹脂を削り取り、その後、電気メッキで塗装樹脂が削り取られた部分を補填し、これにより塗装層と電気メッキ層を共に具えたアルミ合金ハブを製造する方法である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明は、ハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法において、
a.アルミ合金半製品を標準塗装方法で塗装する工程、
b.電気メッキが必要な部分の塗装樹脂を削り取り、ハブのアルミ合金原材を露出させる工程、
c.ハブ半製品のアルミ合金材質が露出した部分につや出しを行なう工程、
d.底層ニッケルと銅の電気メッキ前の前処理を行ない、ハブ表面のつや出し蝋と油汚れを除去する工程、
e.底層ニッケルと銅を電気メッキし、アルミ合金半製品にニッケル層と銅層を形成する工程、
f.銅層をつや出しする工程、
g.多層ニッケルの電気メッキ前の前処理を行ない、ハブ表面のつや出し蝋と油汚れを除去する工程、
h.多層ニッケルを電気メッキし、銅層の上に多層のイオウ含有量の異なるニッケルを形成する工程、
i.クロムを電気メッキして多層ニッケルの上にクロム層を形成する工程、
以上の工程を具えたことを特徴とする、ハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法としている。
請求項2の発明は、請求項1記載のハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法において、cの工程中のつや出しでは、先ずスモールガンで角部及び溝等の研磨しにくい部分を先につや出しし、その後、研磨し、dの工程中の前処理では、ハブに化学熱浸つや出し蝋除去を行ない、更に超音波つや出し蝋除去、熱水洗、水洗、つや出し蝋擦洗除去し、更に化学熱浸つや出し蝋除去、水洗の後、化学熱浸でハブ表面の油汚れを除去し更に水洗し、eの工程中の底層ニッケルと銅の電気メッキは更にアルミ合金半製品上の金属アルミニウムの酸化層の弱腐蝕除去、水洗、アルミ合金半製品上の三酸化二アルミニウム除去、水洗、純水洗、亜鉛堆積、脱亜鉛、水洗、純水洗、亜鉛堆積、水洗、純水洗、底層ニッケル電気メッキ、水洗、酸活性化、純水洗、銅電気メッキ、水洗、銅層鈍化及び熱水洗の工程を具え、fの工程中の銅つや出しは、先ず溝或いは角をエアガンで銅つや出しし、研磨し、更に溝、角を電動ガンで銅つや出しし、gの工程中の前処理は、ハブ化学熱浸、銅つや出し蝋除去、ハブ角部の銅つや出し蝋擦拭除去、水洗、化学熱浸、銅つや出し蝋除去、熱水洗、水洗、化学熱浸によるハブ表面の油汚れ除去、水洗、銅層表面酸性物質中和、水洗、亜鉛堆積及び水洗の工程を具え、hの工程中の多層ニッケル電気メッキでは、先ず銅層上の油汚れを電解除去し、熱水洗、水洗、銅層表面酸活性化、純水洗を行ない、更に半光沢ニッケルメッキ、高含硫ニッケルメッキ、光沢ニッケルメッキ、ニッケルシールメッキ、及び水洗の工程を行ない、iの工程中のクロムメッキでは、先ず電解活性化、水洗、多層ニッケル表面のクロム酸活性化、クロム電気メッキ、水洗、水洗及び熱水洗の工程を行なうことを特徴とする、ハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法としている。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載のハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法において、iの工程の後に、更に、
j.得られたハブをアクセサリと組み合わせて箱に包装する工程、
を具えたことを特徴とする、ハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法としている。
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3記載のハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法において、eの工程中、底層ニッケルの電気メッキの後に更に底層ニッケル槽液を回収することを特徴とする、ハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法としている。
請求項5の発明は、請求項2又は請求項3記載のハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法において、hの工程中、ニッケルシールメッキの後に、ニッケルシール槽液を回収することを特徴とする、ハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法としている。
請求項6の発明は、請求項2又は請求項3記載のハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法において、iの工程中、先に補助陽極を取り付けて更に電解活性化し、クロム電気メッキの後に更に電気メッキクロム槽液を回収し、補助陽極を取り外すことを特徴とする、ハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法としている。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、ハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法を提供し、それは、アルミ合金ハブ表面全体に先ず樹脂塗装を行ない、さらに電気メッキが必要な部分の外表面の塗装樹脂を削り取り、その後、電気メッキで塗装樹脂が削り取られた部分を補填し、これにより塗装層と電気メッキ層を共に具えたアルミ合金ハブを製造する方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の目的は以下の技術手段により実現される。即ち本発明のハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法は以下の工程を具えている:
a.アルミ合金半製品を標準塗装方法で塗装する
b.電気メッキが必要な部分の塗装樹脂を削り取り、ハブのアルミ合金原材を露出させる
c.ハブ半製品のアルミ合金材質が露出した部分につや出しを行なう
d.底層ニッケルと銅の電気メッキ前の前処理を行ない、ハブ表面のつや出し蝋と油汚れを除去する
e.底層ニッケルと銅を電気メッキし、アルミ合金半製品にニッケル層と銅層を形成する
f.銅層をつや出しする
g.多層ニッケルの電気メッキ前の前処理を行ない、ハブ表面のつや出し蝋と油汚れを除去する
h.多層ニッケルを電気メッキし、銅層の上に多層のイオウ含有量の異なるニッケルを形成する
i.クロムを電気メッキして多層ニッケルの上にクロム層を形成する。
【0007】
更に、本発明の方法はモールド技術で製造したアルミ合金ハブ半製品を、以下の工程で加工して良好に塗装したハブを得る。
1.ハブ表面の凹凸及びバリの部分をサンドペーパーで研磨して平らに整える。その後、鋼砂を秒数を設定して噴砂し、ハブ表面の砂孔を減らし、その後、原子灰と硬化剤を一定重量比で調合し、得られた物質でハブ表面、側面の孔を補填し、大きな砂孔及び凹孔を除去する。
2.上述のように補填した物質を乾燥させた後、研磨機とサンドペーパー等の工具で補填痕を除去し、その後、更に前処理洗浄を行なう。この前処理洗浄では、常温下で、ハブを摂氏30度から40度の温水で洗浄し、脱脂(油除去、不純物除去)し、清水で洗浄し、皮膜を形成し(ハブ表面を一層の皮膜で被覆し、基材を保護し、塗装ベース付着力を増す)、純水で洗浄する工程を行なう。前処理洗浄の後、水痕を送風乾燥し、更に高温ベークし、表面不純物を除去する。ベーク後に塗装ベースを吹きつけてハブ表面に付着させ、ハブ表面の滑らかさを増し、塗料の付着力を増す。
3.ハブ研磨を行ない、異なる番号のサンドペーパーと研磨機を用いてハブ表面に残留するバリ、顆粒、不純物等を除去して平らに磨き、ハブ表面を滑らかとし、砂痕を無くす。
4.清水、純水を用いてハブ表面に溜まった粉塵をきれいにし、ハブ表面の水痕を擦拭するか送風機で送風して除去し、その後、塗料を必要な色に調製し、塗装条件を調製してハブ上にベースコートをスプレー塗装してから、予熱後に調製した塗料をスプレー塗装し、色彩を均一としてから一定の温度と時間でベークし、塗料をハブに付着させて脱落させず、最後に透明ポリアクリル酸樹脂をスプレー塗装して更に高温ベークして塗料を保護し、その酸化を防止する。
【0008】
上述の加工工程は塗装の標準工程に属する。ゆえに得られるものは市販の塗装ハブである。以下の工程は、本発明の重点である。即ち、得られたハブの電気メッキが必要な部分を削り、その部分の塗装樹脂を除去してアルミ合金原材を露出させ、その後、電気メッキ方法で金属メッキ層をアルミ合金原材表面に電気メッキし、塗装樹脂と金属メッキ層の色の違いにより、得られるハブに二種類の異なる材質、異なる色の表面を具備させる。
【0009】
電気メッキの方法は以下の工程を包含する:
1.すでに磨いて塗装したハブ半製品のアルミ合金材質を露出させた部分につや出しを行なう:通常つや出しにより、金属を電気メッキする部分(即ちアルミ合金半製品)を細緻緊密とし、空隙率を小さくする。先ず、スモールガンで、角部及び溝等研磨しにくい部分を先につや出しし、その後、研磨し、平らに整え、つやを出すことで、電気メッキ層の光沢を増し、細緻とする。
2.底層ニッケルと銅を電気メッキする前の前処理を行なう:蝋除去、油除去を行ない、底層ニッケルと銅の付着力を増す。好ましくは次の工程で行なう。化学熱浸除蝋→超音波除蝋→熱水洗→水洗→擦洗→化学熱浸除油→水洗。そのうち、化学熱浸除蝋は、化学けん化作用を利用してつや出し蝋を除去する。超音波除蝋は超音波を使用し高周波振動を利用しつや出し蝋を除去する。擦洗は手作業方式でハブの角部のつや出し蝋を除去する。化学熱浸除油は化学乳化作用を利用しハブ表面の油汚れを除去する。
3.底層ニッケルと銅の電気メッキを行なう:アルミ合金半製品に底層ニッケルと銅を電気メッキし、銅つや出し作業を行なえるようにする。好ましくは以下の工程で行なう。弱腐蝕→水洗→除垢→水洗→純水洗→亜鉛堆積→脱亜鉛→水洗→純水洗→亜鉛堆積→水洗→純水洗→底層ニッケル電気メッキ→水洗→酸活性化→純水洗→銅電気メッキ→水洗→鈍化→熱水洗。更に底層ニッケル電気メッキの後に底層ニッケル槽液を回収し更に水洗する工程を有し得る。そのうち、弱腐蝕はアルカリ性溶液を利用してアルミ合金半製品上のアルミニウムの酸化層を除去する。除垢は酸性溶液を利用しアルミ合金半製品上の三酸化二アルミニウムを除去する。純水洗は不純物の沈亜鉛槽、ニッケル電気メッキ槽或いは銅電気メッキ槽への進入を防止する。亜鉛堆積は化学置換反応を利用しハブ上に一槽のアルミニウムを堆積させる。酸性溶液を利用し脱亜鉛し即ち亜鉛槽を除去してハブ表面の三酸化二アルミニウム酸化槽を無くす。第2次亜鉛堆積により電気メッキ層の結合力を高める。底層ニッケル電気メッキによりアルミニウム層を保護し、銅つや出し時にアルミ層が削られるのを防止する。ニッケル槽液回収によりニッケル槽液を節約でき、また汚染を防止できる。底層ニッケルの酸活性化により、底層ニッケルと銅槽の結合力を更に強化する。銅は良好な延伸性を有するため、銅つや出し時の押圧によりピンホールを減らすことができる。銅は空気中の酸素と結合しやすく、酸化して緑青を生成しやすいため、鈍化処理が必要である。熱水洗により銅層を清潔とし、銅つや出し作業に供する。
4.銅つや出しを行なう:銅層のつや出しにより多層ニッケルの電気メッキに供し、光沢のあるニッケル層をメッキできるようにする。好ましくは以下の工程で行なう。即ち、エアガンで銅をつや出し→研磨→電動ガンで銅つや出し。そのうちエアガンは水、角部の銅つや出しに使用する。研磨により平らに整え、光沢を出す。電動ガンは更に溝、角部に対する銅のつや出しを行なう。
5.多層ニッケル電気メッキの前の前処理を行なう:除油、除蝋を行ない、銅層と多層ニッケルの付着力を増す。好ましくは以下の工程で行なう。化学熱浸除蝋→擦洗→水洗→化学熱浸除蝋→熱水洗→水洗→化学熱浸除油→水洗→中和→水洗→亜鉛堆積→水洗。そのうち、化学熱浸除蝋は化学けん化作用を利用して銅つや出し蝋を除去する。擦洗は手作業方式でハブ角部を擦洗し、銅つや出し蝋を除去する。化学熱浸除油は化学乳化作用を利用してハブ表面の油汚れを除去する。中和は銅層表面の酸性物質を中和して亜鉛堆積槽のpHが低くなりすぎるのを防止し、亜鉛堆積を行なえるようにする。亜鉛堆積は、銅つや出しにより開いた微小な空隙に亜鉛を堆積させて多層ニッケルの電気メッキに供する。
6.多層ニッケルの電気メッキ: 異なるイオウ含有量の多層のニッケル層を電気メッキし、電位差を形成し、腐蝕時間を延長する。好ましくは以下の工程で行なう。電解除油→熱水洗→水洗→酸活性化→純水洗→半光沢ニッケルをメッキ→高含硫ニッケルをメッキ→光沢ニッケルをメッキ→ニッケルシールメッキ→水洗。更にニッケルシールメッキの後にニッケルシール槽液を回収し更に水洗工程を行ない得る。そのうち、電解除油は陰極に通電して水素ガスを発生させて油汚れと不順物を剥離させ、銅層上の油汚れを除去し、多層ニッケルの電気メッキに供する。酸活性化は銅層表面を活性化して銅層と多層ニッケルの結合力を増す。純水洗は不純物の半光沢ニッケル槽への進入を防止する。半光沢ニッケルメッキ、高含硫ニッケルメッキ、光沢ニッケルメッキ、ニッケルシールメッキはイオウ含有量の異なるニッケルを利用して電位差を形成し、腐蝕時間を延長し、光沢ニッケルを基準位とし、半光沢ニッケルと光沢ニッケルの電位差は120−150mVとし、高含硫ニッケルと光沢ニッケルの電位差は13−25mVとし、ニッケルシールと光沢ニッケルの電位差は10−20mVとする。ニッケルシール槽液回収によりその液の節約と汚染防止を行なう。四槽の電気メッキニッケル槽のイオウ含有量の違いを利用し、電位差を形成し、腐蝕防止の効果を達成する。
7.電気クロムメッキ:多層ニッケル表面に防護クロム層をメッキする。好ましくは以下の工程で行なう。電解活性化→水洗→クロム酸活性化→電気クロムメッキ→水洗→還元→水洗→熱水洗、さらに先に補助陽極を取り付けてから電解活性化を行ない得る。また電気クロムメッキの後に電気クロムメッキ槽液を回収し、その後、水洗し、最後に熱水洗した後に更に補助電極を取り外す。そのうち、補助陽極は電気クロムメッキ電流効率が非常に低いため(約8−13%)、補助陽極を取り付けることでベース電流領域の電流を強化でき、電気クロムメッキに有利とすることができる。クロム酸活性化により多層ニッケルを活性化してニッケル層とクロム層に良好な結合力を具備させる。電気クロムメッキにより良好な光沢、防護及び装飾性を有するメッキ層を得られる。電気クロムメッキ槽溶液を回収することで、電気クロムメッキ槽液を節約し並びに汚染を防止できる。還元により電気メッキ液中の六価クロムを三価クロムに還元し、電気メッキ排水を環境保護要求に符合させることができ、並びに電気メッキクロム層表面に吸着した不安定な六価クロムを還元して三価クロムとして、メッキクロム層を安定させることができる。クロム層は最上金属層とされ、これは、青色を帯びた銀白色金属とされ、電極電位が非常に低いが非常に強力な鈍化性能を具え、大気中で非常に急速に鈍化し、貴金属の性質を表示し、長期にその光沢を保持し、良好な防護と装飾性を有するメッキ金属であるためである。
【0010】
上述の全ての工程が完成した後、本発明のハブが得られる。更に該ハブに対して包装を行ない、即ちアクセサリと合わせて包装する。
【0011】
上述により得られるハブは、その電気メッキ層が良好な防護性能を具え、その主要な表現は以下のとおりである。即ち、電気メッキ層と基体金属の結合が強固で、付着力が強くい。また、メッキ層が完全で、結晶が細緻で緊密であり、空隙率が低い。また、メッキ層が良好な物理、化学及び機械性能を有する。さらに、メッキ層の厚さが標準規定に符合し、且つメッキ層が均一である。
【0012】
本発明により得られるハブは、塗装樹脂と金属メッキ層が組み合わされた外表色を有し、樹脂塗装のカラフルな色彩にメッキ層の金属の光沢が組み合わされ、美観を有する。且つメッキ層金属と塗装樹脂の結合が非常に緊密で、良好な防護効果を有する。
【0013】
特に、ハブの前後表面の平坦な部分を上述の電気メッキ方法により処理し、ハブのその他の部分の塗装処理を保持する時、ハブの外観は非常に美しくなる。
【0014】
電気メッキの費用は塗装費用より高く、従来の電気メッキ後に塗装して製造することで塗装層とメッキ層を共に具備するようにしたハブと比較すると、本発明の方法を採用すると、大幅なコストダウンが達成される。
【実施例1】
【0015】
ハブのアルミ合金製半製品の全体を、標準塗装方式で塗装する。即ち、1.先ずハブ表面の凹凸及びバリの部分をサンドペーパーで研磨して平坦となし、その後、鋼砂を用いて9秒間噴砂してハブ表面の砂孔を減らす。その後、原子灰(原子灰は急速硬化する一種の物質である)と硬化剤を100:2の重量比で調製し、ハブ表面、側面の孔を補填する物質として用い、比較的大きな砂孔及び凹孔を除去する。2.上述の補填物質を乾燥させた後、研磨機とサンペーパー等の工具を用いて補填痕跡を除去し、その後、更に前処理洗浄を行なう。即ち、常温下で、ハブを、摂氏30度から40度の温水を用いて洗浄し、その後、脱脂(除油、不純物除)、清水洗浄、皮膜保護、純水等の洗浄を行なう。洗浄後に、水後を送風乾燥し、ベークして表面の不純物を除去する。ベーク後にベースパウダー吹きつけを行ない、摂氏198度下でベークし、灰粉(ベースパウダー)をハブ表面に付着させ、ハブ表面の滑らかさを増し、塗装樹脂の付着力を増す。3.ハブを研磨し、異なる番号のサンドペーパーと研磨機を用いてハブ表面に残留するバリ、顆粒、不純物等を磨いて平らとし、ハブ表面を滑らかにし、砂痕を無くす。4.清水、純水を用いてハブ表面に堆積した粉塵を洗浄し、ハブ表面の水痕を擦拭してきれいにするか送風機で送風して乾燥させ、その後、必要な色に応じて塗装樹脂を調製し、吹きつけ条件を調製し、ハブ上にベース樹脂を塗装して予熱した後、更に塗装樹脂を吹きつけ、色彩を均一とした後に摂氏170度で40分間ベークし、塗装樹脂をハブに付着させ脱落防止し、最後にコート樹脂を吹きつけてから摂氏150度でベークし、塗装樹脂を保護してその酸化を防止する。5.ハブの電気メッキを必要とする部分(ハブ前後表面の平坦部分)を回転研削し、その部分の塗装樹脂を除去してアルミ合金原材を露出させ、前後表面の凹部分を含むその他の部分の塗装は保持する。その後、電気メッキ方法を用いてメッキ金属をアルミ合金原材表面にメッキするのに供する。6.上述のすでに塗装樹脂を回転研削し、アルミ合金材質を露出させた部分に対してつや出しを行なう。即ち、先ずスモールガンで角及び溝等の研磨しにくい部分を先につや出しし、その後、研磨する。7.底層ニッケルと銅の電気メッキの前処理を行なう。即ち以下の工程で行なう。ハブを安美特薬水社のBCR試薬を用いて化学熱浸つや出し蝋除去を行なう→超音波つや出し蝋除去→熱水洗→水洗→安美特薬水社の152試薬を用いて化学熱浸でハブ表面の油汚れを除去する→水洗。8.底層ニッケルと銅を電気メッキする。即ち以下の工程で行なう。ハブを安美特薬水社のU152試薬を用いてハブアルミ合金半製品上の金属アルミニウムの酸化層を弱腐蝕し除去する→水洗→硝酸、リン酸、水素フッ素酸と安美特薬水社の除垢剤Sを調合してなる試薬を用いてアルミ合金半製品上の三酸化二アルミニウムを除去する→水洗→純水洗→安美特薬水社のW−BとW−E試薬を利用し亜鉛を置換しハブ上に一層の亜鉛を堆積させる→50%硝酸を配合してなる溶液を利用して脱亜鉛すると共にハブ表面の三酸化二アルミニウム層を除去する→水洗→純水洗→再亜鉛堆積→水洗→純水洗→底層ニッケル電気メッキ→水洗→ハブ表面酸活性化ハブ→純水洗→銅電気メッキ→水洗→クエン酸を用いて銅層電気メッキ→熱水洗。ニッケル電気メッキ後にニッケル槽液を回収し、そのの考案は、更にハブを水洗する。9.銅つや出し。以下の工程で行なう。溝、角に対してエアガンで銅つや出し→研磨→溝、角に対して電動ガンで銅つや出し。10.多層ニッケル電気メッキの前処理を行なう。以下の工程で行なう。即ち、三孚薬水社のSF−601試薬を利用し化学熱浸してつや出し蝋を除去→水洗→三孚薬水社のSF601試薬を用いて化学熱浸しハブ表面の油汚れを除去→水洗→銅層表面の酸性物質を中和→水洗→銅つや出しで開いた微小な空隙に一層の亜鉛を堆積→水洗。11.多層ニッケル電気メッキ。以下の工程で行なう。ハブの銅層表面の油汚れを電解除去→熱水洗→水洗→銅層表面を酸活性化→純水洗→半光沢ニッケルメッキ→高含硫ニッケルメッキ→光沢ニッケルメッキ→ニッケルシールメッキ→ニッケルシール槽液回収→水洗。そのうち半光沢ニッケルと光沢ニッケルの電位差は130mV、高含硫ニッケルと半光沢ニッケルの電位差は20mV、ニッケルシールと光沢ニッケルの電位差は15mVである。12.クロム電気メッキ。以下の工程でおこなう。補助陽極取り付け→電解活性化→水洗→多層ニッケル表面のクロム酸活性化→クロム電気メッキ→水洗→亜硫酸水素ナトリウムで電気メッキ液中の六価クロムを還元して三価クロムとなす→水洗→熱水洗→補助電極を取り外し、クロム電気メッキ後に電気メッキクロム槽液を回収し、その後、ハブを更に水洗する。
【0016】
こうして前後表面の平坦部分を電気メッキし、その他の部分(ハブ前後表面の凹部分を含む)を樹脂塗装したハブを得る。最後に13.得られたハブにアクセサリを組合せ、箱に包装する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法において、
a.アルミ合金半製品を標準塗装方法で塗装する工程、
b.電気メッキが必要な部分の塗装樹脂を削り取り、ハブのアルミ合金原材を露出させる工程、
c.ハブ半製品のアルミ合金材質が露出した部分につや出しを行なう工程、
d.底層ニッケルと銅の電気メッキ前の前処理を行ない、ハブ表面のつや出し蝋と油汚れを除去する工程、
e.底層ニッケルと銅を電気メッキし、アルミ合金半製品にニッケル層と銅層を形成する工程、
f.銅層をつや出しする工程、
g.多層ニッケルの電気メッキ前の前処理を行ない、ハブ表面のつや出し蝋と油汚れを除去する工程、
h.多層ニッケルを電気メッキし、銅層の上に多層のイオウ含有量の異なるニッケルを形成する工程、
i.クロムを電気メッキして多層ニッケルの上にクロム層を形成する工程、
以上の工程を具えたことを特徴とする、ハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法。
【請求項2】
請求項1記載のハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法において、cの工程中のつや出しでは、先ずスモールガンで角部及び溝等の研磨しにくい部分を先につや出しし、その後、研磨し、dの工程中の前処理では、ハブに化学熱浸つや出し蝋除去を行ない、更に超音波つや出し蝋除去、熱水洗、水洗、つや出し蝋擦洗除去し、更に化学熱浸つや出し蝋除去、水洗の後、化学熱浸でハブ表面の油汚れを除去し更に水洗し、eの工程中の底層ニッケルと銅の電気メッキは更にアルミ合金半製品上の金属アルミニウムの酸化層の弱腐蝕除去、水洗、アルミ合金半製品上の三酸化二アルミニウム除去、水洗、純水洗、亜鉛堆積、脱亜鉛、水洗、純水洗、亜鉛堆積、水洗、純水洗、底層ニッケル電気メッキ、水洗、酸活性化、純水洗、銅電気メッキ、水洗、銅層鈍化及び熱水洗の工程を具え、fの工程中の銅つや出しは、先ず溝或いは角をエアガンで銅つや出しし、研磨し、更に溝、角を電動ガンで銅つや出しし、gの工程中の前処理は、ハブ化学熱浸、銅つや出し蝋除去、ハブ角部の銅つや出し蝋擦拭除去、水洗、化学熱浸、銅つや出し蝋除去、熱水洗、水洗、化学熱浸によるハブ表面の油汚れ除去、水洗、銅層表面酸性物質中和、水洗、亜鉛堆積及び水洗の工程を具え、hの工程中の多層ニッケル電気メッキでは、先ず銅層上の油汚れを電解除去し、熱水洗、水洗、銅層表面酸活性化、純水洗を行ない、更に半光沢ニッケルメッキ、高含硫ニッケルメッキ、光沢ニッケルメッキ、ニッケルシールメッキ、及び水洗の工程を行ない、iの工程中のクロムメッキでは、先ず電解活性化、水洗、多層ニッケル表面のクロム酸活性化、クロム電気メッキ、水洗、水洗及び熱水洗の工程を行なうことを特徴とする、ハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法において、iの工程の後に、更に、
j.得られたハブをアクセサリと組み合わせて箱に包装する工程、
を具えたことを特徴とする、ハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法。
【請求項4】
請求項2又は請求項3記載のハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法において、eの工程中、底層ニッケルの電気メッキの後に更に底層ニッケル槽液を回収することを特徴とする、ハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法。
【請求項5】
請求項2又は請求項3記載のハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法において、hの工程中、ニッケルシールメッキの後に、ニッケルシール槽液を回収することを特徴とする、ハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法。
【請求項6】
請求項2又は請求項3記載のハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法において、iの工程中、先に補助陽極を取り付けて更に電解活性化し、クロム電気メッキの後に更に電気メッキクロム槽液を回収し、補助陽極を取り外すことを特徴とする、ハブの表面塗装と電気メッキを結合させた方法。

【公開番号】特開2006−57114(P2006−57114A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−237039(P2004−237039)
【出願日】平成16年8月17日(2004.8.17)
【出願人】(502380567)世頓國際有限公司 (1)
【Fターム(参考)】