説明

ハンドヘルド演算装置

【課題】見栄えがよく且つ軽量であるが、耐久性に優れた携帯型電子装置を提供する。更に、そのような携帯型電子装置を組み立てる方法を提供する。
【解決手段】ハンドヘルド電子装置であって、前面開口を有し、前記前面開口と協働して空胴を形成する一体の底壁及び側壁を有する単一の継目のない筐体であって、前記底壁は湾曲した底面を有し、前記側壁は湾曲した側面及びアンダーカット部分を前記空胴の中に形成するように丸形に形成され、前記側壁の縁部は前記前面開口を取り囲み且つ前記前面開口を規定する筐体と、前記前面開口の中に配設され且つべゼルなしで前記継目のない筐体に装着されたカバーとを備えることを特徴とするハンドヘルド電子装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に携帯型コンピュータ装置に関する。特に、本発明は、携帯型コンピュータ装置の筐体及び携帯型コンピュータ装置を組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型電子装置のデザイン及び重量を含む外観は、その携帯型電子装置に対してユーザが感じる全体的な印象を左右するため、携帯型電子装置の外観はユーザにとっては重要である。同時に、携帯型電子装置のアセンブリ(構造体)の耐久性が優れていれば、携帯型電子装置の寿命が総じて長くなり且つユーザにとっての電子装置の価値も上がるので、携帯型電子装置のアセンブリもユーザには重要である。
【0003】
携帯型電子装置に関連する設計上の問題点の1つは、種々の内部部品を収納するために使用される筐体のデザインである。この設計上の問題は、一般に、より軽量且つ薄型の筐体が望ましいこと、筐体の強度の向上が望ましいこと及び筐体の外観を更に美しくすることを含むいくつかの互いに矛盾する設計上の目標から生じる。筐体の軽量化は、プラスチック構造をより薄くし且つ締め具の数を減らすことにより通常実現されるが、そのように軽量の筐体は撓みやすく、従って使用中に座屈し且つ湾曲する傾向がある。これに対し、分厚いプラスチック構造を通常使用し且つ多くの締め具を使用する強度及び剛性に優れた筐体は、厚いために重量が増してしまう。残念ながら、重量の増加はユーザに不満を抱かせ、湾曲によって内部部品が損傷する場合もある。
【0004】
更に、大半の携帯型電子装置において、筐体は、それぞれ別個の箇所でねじ、ボルト、リベット又は他の手段により一体に固着される複数の部品を有する機械的アセンブリである。例えば、筐体は、互いに重ね合わされ且つねじを使用して一体に固着される上部筐体及び下部筐体を通常含んでいた。このような方法は筐体の構造を通常複雑にし、係合する面及び筐体の面に沿って配置された締め具で望ましくない亀裂、継目、隙間又は破断が発生するので、外観上の点で問題があった。例えば、上部筐体及び下部筐体を使用する場合、筐体の周囲全体に沿って係合線が形成される。そればかりでなく、筐体の組み立ても長い時間を要する煩雑な作業である。例えば、組み立てに際して2つの部品を位置決めし且つ各締め具を取り付けるのに相当の時間を費やさなければならない。更に、組み立て時に特殊な工具やある程度の一般的組み立て技術を有していなければならないことが多い。
【0005】
もう1つの問題点は、携帯型コンピュータ装置内部に構造を取り付ける技術に関する。従来、それらの構造は一方の筐体(上部筐体又は下部筐体)に載せられた後、ねじ、ボルト、リベットなどの締め具によって一方の筐体に装着されていた。すなわち、構造は筐体の上にサンドイッチのような層の重なりとして位置決めされ、その後に筐体に固着されていた。この方法には前述と同じ欠点がある。すなわち、組み立ては長い時間を要する煩雑な作業になってしまう。
【0006】
従って、見栄えがよく且つ軽量であるが、耐久性に優れた携帯型電子装置を提供することは有益だろう。更に、そのような携帯型電子装置を組み立てる方法を提供することは有益だろう。
【発明の概要】
【0007】
一実施形態において、本発明はハンドヘルド電子装置に関する。ハンドヘルド電子装置は、前面開口を有する少なくとも1つの継目のない筐体と、前面開口の中に配設され、べゼルなしで継目のない筐体に装着されるカバーとを含む。
【0008】
別の実施形態において、本発明は、1つの薄板金から形成された継目のない筐体に関する。継目のない筐体は上面開口と、上面開口と協働して空胴を形成する一体の底壁及び側壁であって、底壁は湾曲した底面を有し、側壁は、湾曲した側面及びアンダーカット部分を空胴の中に形成するように丸形に形成され、且つ側壁の内側縁部は上面開口を取り囲み且つ上面開口を規定し、外側縁部を有する底壁及び側壁と、底壁に装着され、電子アセンブリを筐体の底壁に固着するのに適する取り付けブラケットと、少なくとも1つの側壁にあり、筐体単独で形成されるトリムの深さより少なくとも大きいトリム深さを有する開口とを含む。
【0009】
別の実施形態において、本発明は、省スペース電子装置に関し、電子装置は、平坦な上面を有する前面開口と協働して空胴を形成する一体の底壁及び側壁を有する少なくとも1つの継目のない筐体を含み、底壁は湾曲した底面を有し、側壁は、湾曲した側面及びアンダーカット部分を空胴の中に形成するように丸形に形成され、側壁の縁部は前面開口を取り囲み且つ前面開口を規定し、複数の電子アセンブリが前面開口を介して継目のない筐体に挿入され且つ筐体の底面に固着され、複数の電子アセンブリのうち最上部の電子アセンブリの上面が筐体の平坦な上面とほぼ同一の平面に位置するように、複数の電子アセンブリのZ高さ許容差は最小限に抑えられる。
【0010】
省スペース電子装置において最上部のガラスユニットを自己センタリングする方法も開示される。省スペース電子装置は、平坦な上面を有する前面開口及び側壁を有する継目のない筐体から形成され、側壁の縁部は前面開口を取り囲み且つ前面開口を規定し、ガラスユニットは、テーパ部分を有する環境シールを含み、環境シールのテーパ部分の少なくとも一部は前面開口の内側縁部を越えて延出する。ガラスユニットを前面開口に挿入することと、挿入中に、前面開口の内側縁部を越えて延出している環境シールのテーパ部分と前面開口の内側縁部との相互作用によってガラスユニットを自己整列させることと、内側縁部と環境シールの延出部分との相互作用と同時にガラスユニットの締め具を引き込み装置と協働させることとにより方法は実行されてもよい。
【0011】
別の実施形態において、省スペースポータブルハンドヘルド装置において使用するのに適する一体型スピーカアセンブリが説明される。一体型スピーカアセンブリは、少なくとも可聴音声を発生するように構成された少なくとも1つの圧電スピーカと、圧電スピーカと協働して、圧電スピーカにより発生される音声を省スペースポータブルハンドヘルド装置の所望の位置へ誘導するように動作する複数の音響シールギャップを有する音響シールと、省スペース電子装置の望ましくない位置から可聴音声が漏れるのを防止するように構成された音響障壁とを含む。
【0012】
別の実施形態において、本発明は、継目のない筐体を有するハンドヘルド演算装置に動作関連部品を固着するための最小Z高さ取り付けブラケットシステムに関する。取り付けブラケットは、取り付けブラケットの長さに沿って配置された犠牲部分を有する複数の犠牲z調整バンプを含み、取り付けブラケットが継目のない筐体に装着された後、継目のない筐体の最上部及び犠牲z調整バンプの犠牲部分は、複数のxy調整穴を形成することにより同時に除去され、除去のための機械加工及び穴あけは1つの機械構成で実行されるので、xy方向及びz方向の整列許容差は最小限に抑えられる。
【0013】
別の実施形態において、本発明は、ハンドヘルド演算装置を支持するために使用される継目のない筐体の成形縁部と内側縁部との間でレーストラックをセンタリングする方法に関する。方法は、継目のない筐体の成形縁部において複数の基準点を光学的に判定することと、複数の光学的基準点を使用して内側縁部を切削することとにより実行される。
【0014】
別の実施形態において、本発明は、1つの開放端部を有する継目のない筐体の成形縁部と内側縁部との間でレーストラックをセンタリングする方法に関する。継目のない筐体は、1つの開放端部に配置された表示部分を有するハンドヘルド演算装置を支持する。方法は、表示部分の中心点を判定することと、表示部分の傾斜角度を判定することと、中心点及び傾斜角度に基づいて内側縁部を切削することとにより実行される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
添付の図面と関連させた以下の詳細な説明により本発明は容易に理解されるだろう。図面中、同じ図中符号は同じ構造要素を示す。
【図1A】組み立てられた形のハンドヘルド演算装置を示す斜視図である。
【図1B】組み立てられた形のハンドヘルド演算装置を示す斜視図である。
【図1C】アンダーカット形状の性質を強調して示す筐体の横断面図である。
【図2A】分解された状態の電子装置を示す展開斜視図である。
【図2B】分解された状態の電子装置を示す展開斜視図である。
【図2C】分解された状態の電子装置を示す展開斜視図である。
【図2D】分解された状態の電子装置を示す展開斜視図である。
【図2E】分解された状態の電子装置を示す展開斜視図である。
【図3A】レーストラックを示す筐体の図である。
【図3B】レーストラックを示す筐体の図である。
【図4A】本発明の一実施形態に係るレーストラックのセンタリングを図式的に示す図である。
【図4B】本発明の一実施形態に係るレーストラックのセンタリングを図式的に示す図である。
【図5A】省スペース電子装置で使用するのに適する低Z高さ一体型スピーカシステムを示す図である。
【図5B】省スペース電子装置で使用するのに適する低Z高さ一体型スピーカシステムを示す図である。
【図5C】省スペース電子装置で使用するのに適する低Z高さ一体型スピーカシステムを示す図である。
【図6A】本発明の一実施形態に係るオーディオジャック開口を示す図である。
【図6B】本発明の一実施形態に係るオーディオジャック開口を示す図である。
【図7A】本発明の一実施形態に係るGユニットの組み立てを示す図である。
【図7B】本発明の一実施形態に係るGユニットの組み立てを示す図である。
【図7C】本発明の一実施形態に係るGユニットの組み立てを示す図である。
【図8A】本発明の一実施形態に係るガス放出構造を示す図である。
【図8B】本発明の一実施形態に係るガス放出構造を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に従って筐体の一部を折り返すことによりドック開口が形成されている筐体を示す横断面図である。
【図10A】打ち抜き/成形/加工処理によってドック開口が形成される筐体を示す横断面図である。
【図10B】打ち抜き/成形/加工処理によってドック開口が形成される筐体を示す横断面図である。
【図11A】筐体に短スパン開口を形成する方法を図式的に示す図である。
【図11B】筐体に短スパン開口を形成する方法を図式的に示す図である。
【図11C】筐体に短スパン開口を形成する方法を図式的に示す図である。
【図12A】筐体に長スパン開口を形成する方法を図式的に示す図である。
【図12B】筐体に長スパン開口を形成する方法を図式的に示す図である。
【図12C】筐体に長スパン開口を形成する方法を図式的に示す図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る角部補強材を示す図である。
【図14】加工前及び加工後の犠牲z整列バンプを示す図である。
【図15】本発明の一実施形態に従って筐体の中に取り付けブラケットを取り付ける方法を詳細に示すフローチャートである。
【図16】本発明の一実施形態に従って装置を組み立てる方法を詳細に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の好適な一実施形態を詳細に説明する。好適な実施形態の一例は添付の図面に示される。好適な一実施形態に関連して本発明を説明するが、以下の説明が本発明を1つの好適な実施形態に限定することを意図しないことは理解されるだろう。本発明は、添付の請求の範囲において定義される本発明の精神及び範囲の中に含まれると思われる代替構成、変形及び同等の構成を包含することを意図する。
【0017】
以下に説明される実施形態は美しい外観を呈する携帯型電子装置に関する。携帯型電子装置は、湾曲形状の継目のない筐体と、美しい外観を呈する鏡面仕上げフラットトップガラス層とから形成される。従来の携帯型電子装置とは異なり、鏡面仕上げの上面ガラス層はベゼルを使用せずに継目のない筐体に取り付けられるので、携帯型電子装置の外観の均一性が向上する。筐体に継目がなく且つベゼルを使用しないことにより、一様で人目を引く外観の他にもいくつかの利点が得られる。それらの利点には、組み立てに必要とされる部品の数が少なくて済むこと、携帯型電子装置が従来と比べて落下などによる衝撃に対して容易に耐えられること、及び、鏡面仕上げ上面ガラス層及びその内部に収納された高感度の動作関連部品を従来より適切に保護できることが含まれる。
【0018】
継目のない筐体は1枚の薄板金属(ステンレス鋼など)から形成される。筐体は、組み立て中に動作関連部品が挿入される開口の直線寸法が筐体自体の本体の直線寸法より小さくなるアンダーカット形状を有する。更に、筐体の湾曲は非対称であり、筐体の上部が深いスプライン(すなわち大きな湾曲)を有するように形成されるのに対し、筐体の下部はそれより浅いスプラインを有するように形成される。この非対称の形状はユーザの手によくフィットするので触り心地の改善に有効である。更に、筐体が金属製であるため、内蔵RFアンテナの電気的接地がより確実に実行され且つ電磁妨害(EMI)及び静電放電(ESD)の影響が軽減される。
【0019】
従来の携帯型電子装置の組み立てに際しては、部品は上から下に向かって組み立てられていた(すなわち、ベゼルが嵌合される前に部品が筐体に挿入されていた)が、筐体にアンダーカット部分が形成されているため、すべての部品が寸法の小さい筐体のウィンドウ開口の中に嵌合しなければならない。更に、携帯型電子装置の組み立ては、いわゆるブラインド組み立てと呼ばれる方法を使用して下から上に向かって実行される。このような携帯型電子装置の下から上に向かう方向のブラインド組み立てを容易にし且つ鏡面仕上げ上面ガラス層と筐体の最上部(レーストラックと呼ばれる)とのずれを最小限に抑えるために、積み重ね(すなわちz方向)許容差を最小限に抑える種々の技術、装置及びシステムが存在する。例えば、部分アセンブリを取り付けるために使用されるブラケットの部分は筐体に溶接され、その後、筐体の最上部として同時に且つ同一の機器構成を使用して機械加工される。これにより、種々の部品を取り付けるための正確なZ基準(Z datum)が規定される。尚、機械加工により実現可能な許容差は0.05mmであるが、従来の溶接位置許容差は通常0.2mm程度であるので、機械加工が好ましい。
【0020】
本発明の他の態様は、組み立て後の部品のZ高さを最小限に抑えるための特定の方法に関する。言い換えれば、美しい外観及び感触のよさの双方を維持しつつ、携帯型電子装置のZ高さはユーザにとって好ましい使用感をもたらすのに矛盾しない値に維持される。これは、例えば取り付けブラケットに関して既に説明した方法に加えていくつかの方法により実現可能である。圧電スピーカを水平音響障壁と組み合わせて使用することにより、Z高さを最小限に抑えたスピーカアセンブリを製造できる。水平音響障壁にあるギャップは、圧電スピーカにより発生される音声を筐体内の任意の所望の位置へ誘導するという効果を有する。例えば、音声放送とは無関係の筐体内の特定の開口へ音声が誘導されてもよい。そのような開口は例えばドック開口及び/又はオーディオジャック開口を含んでもよい。既存の部品及び適切に配置されたバックボリューム音響シールを使用して、バックボリューム(すなわち、共振器として筐体の背面を使用する)を提供することによる知覚音声の改善を実現できる。シールドと筐体との間のZ許容差のばらつきが装置ごとに異なるにもかかわらずバックボリュームシールの一体性を確実に維持するために、バックボリューム音響シールにごく近接してアダプタが配置される。
【0021】
利用可能なZ高さを維持する本発明の他の態様は、バッテリ及びディスプレイと関連する回路の編成に関連する。特に、以下に説明されるようにバッテリ及びディスプレイ回路網は同一のY位置に共存するので、それらの回路の総Y成分は減少される。説明される実施形態において、バッテリ回路はバッテリ安全回路を含んでもよく且つ表示回路は表示コントローラを含んでもよい(特定の実施形態において、ディスプレイは液晶ディスプレイLCDであり且つコントローラはLCDコントローラである)。従来の設計では、バッテリ安全回路はバッテリの中央部分に配置され且つLCDコントローラはディスプレイの遠端と整列しないように規定されていた(このような構造により、線幅及び寄生キャパシタンスが増加しがちであるので、LCDコントローラで利用可能な駆動力は減少される)。更に、筐体のスプライン形状に適応し且つ製品の総Z高さを減少するために、LCDコントローラフレックス(flex)はバッテリの周囲に沿って湾曲される。
【0022】
更に、保護ガラス層を取り付けるために使用されるプラスチックフレームにガス放出構造を設けることにより、ガラス層とプラスチックフレームとの接着が向上する。
例えば所定の位置に所定の大きさの穴を打ち抜いくことで、プラスチックフレームの適切な位置における所定の部分を除去することにより、そのような構造を形成可能である。このような構造により、空気などの捕捉ガスをすべて逃がすことができるので、接着剤はより均一に分散され、その結果、ガラス層とプラスチックフレームとはより強力且つ確実に接合されることになる。
【0023】
本発明の上記の実施形態及び他の実施形態は以下に図1〜図16を参照して説明される。しかし、本発明はそれらの限定された実施形態の範囲にとどまらないので、添付の図面に関して以下に示される詳細な説明が単に説明を目的としていることは当業者には容易に理解されるだろう。
【0024】
以下の説明を通して、「CNC」という用語が使用される。CNCという略語はcomputer numerical control(コンピュータ数値制御)を表し、特に、コンピュータ命令を読み取り且つ機械ツール(材料の選択的除去により部品を製造するために通常使用される動力機械装置)を駆動するコンピュータ制御装置を指す。尚、説明される実施形態を実現するために任意の適切な機械加工動作を使用可能であり且つその機械加工動作はCNCと関連する実施に限定されない。
【0025】
図1A及び図1Bは、本発明の一実施形態に係る完全に組み立てられた状態の携帯型電子装置10を種々の方向から見た図を示す。携帯型電子装置10は片手で操作でき且つポケットなどの狭い領域に入るような大きさに形成されてもよい。すなわち携帯型電子装置10はハンドヘルドポケットサイズ電子装置であってもよい。一例として、携帯型電子装置10はコンピュータ、メディア装置、通信装置などに対応してもよい。携帯型電子装置10はデータ、特に音声、映像、画像などのメディアを処理可能である。携帯型電子装置10は一般に音楽プレイヤー、ゲーム機、ビデオプレイヤー、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)などに対応してもよい。ハンドヘルドであるという点に関して、携帯型電子装置10はユーザの片手(両手)だけで操作可能である。すなわちデスクトップなどの基準面は不要である。場合によっては、ハンドヘルド装置はユーザのポケットに入るような大きさに形成される。ポケットサイズである場合、ユーザは装置を直接持ち運びする必要がなく、従ってユーザはどこにでも装置を携帯することができる(例えば、ユーザは、かさばって重い大型バッテリにより行動を制限されることがない)。
【0026】
携帯型電子装置10は様々に変形されてよい。いくつかの実施形態において、携帯型電子装置10は1つの機能を実行してもよいが(例えばメディアの再生及び記憶専用の装置)、他の実施形態では、電子装置は複数の機能を実行してもよい(例えばメディアを再生記憶し、電話の通話/テキストメッセージ/インターネットを送受信し且つ/又はウェブ閲覧を実行する装置)。いくつかの実施形態において、携帯型電子装置10は無線通信可能であり(無線対応アクセサリシステムを利用する場合と、しない場合がある)且つ/又は有線通信経路を介して(例えば従来の電気配線を使用して)通信可能である。いくつかの実施形態において、携帯型電子装置10は極めて小型のポータブル装置(例えば省スペースが小さく、薄型軽量)であってもよい。場合によっては、携帯型電子装置10はハンドヘルドサイズに形成されてもよい。携帯型電子装置10は片手操作が可能であり且つポケットなどの狭い領域に入るような大きさであってもよい。すなわち携帯型電子装置10はハンドヘルドポケットサイズ電子装置であってもよい。
【0027】
一例として、携帯型電子装置10は、コンピュータ、メディアプレイヤー、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、通信装置(電話)、パーソナルEメール装置又はメッセージ通信装置などの家庭用電子製品に対応してもよい。一実施例において、電子装置は、Cupertino,CaliforniaのApple Inc.より市販されているiPod(TM)、iPod Nano(TM)、iPod Shuffle(TM)、iPod(TM)Touch、又はiPhone(TM)などの電子装置に対応してもよい。
【0028】
携帯型電子装置10は、携帯型電子装置10と関連する任意の適切な数の部品を少なくとも部分的に封入するように構成された筐体(ハウジング)100を含む。例えば、筐体は、装置のコンピュータ動作を実行するための種々の電気部品(集積回路チップ及び他の回路網を含む)を封入し且つ内部で支持してもよい。集積回路チップ及び他の回路網はマイクロプロセッサ、メモリ、バッテリ、回路基板、I/O、種々の入出力(I/O)支援回路などを含んでもよい。図示されてはいないが、筐体100は、それらの部品を収納する内部空胴を規定してもよい。また、筐体100は、筐体100の内部又は筐体100の表面を貫通する複数の開口の中に任意の適切な数の機構を物理的に支持してもよい。
【0029】
上記の構成に加えて、筐体は携帯型電子装置10の外観の少なくとも一部を更に規定してもよい。すなわち、筐体100の形状及び形態は携帯型電子装置10全体の形状及び形態を規定するのに役立ってもよいが、筐体100の輪郭は携帯型電子装置10の物理的外観を実現してもよい。任意の適切な形状が使用されてよい。いくつかの実施形態において、筐体100の大きさ及び形状は、ユーザの手の中に快適に収まるように規定されてもよい。いくつかの実施形態において、形状はわずかに湾曲した背面及び大きく湾曲した側面を含む。形状に関しては以下に更に詳細に説明する。
【0030】
一実施形態において、筐体100は1つの完全なユニットを構成するように一体に形成される。従来の筐体では、2つの部品を互いに固着しているために部品間に明らかな継目が見えていたが、筐体100は一体に形成されるので継目のない外観を呈する。すなわち、従来の筐体とは異なり、筐体100は破断部分をまったく含まないので、従来の筐体より高い強度を有し且つ見栄えもよい。
【0031】
筐体100は、例えばプラスチック、金属、セラミックなどを含む任意の数の材料から形成可能である。一実施形態において、人の目を引く美しい外観と感触を実現し且つ内部に装着されるすべての部分アセンブリを一体に構造支持するために、筐体100はステンレス鋼から形成可能である。金属の場合、当業者には既知である従来の押し出しコア成形技術を使用して筐体100を製造できる。
【0032】
携帯型電子装置10は、平坦な外面を含むカバー106を更に含む。外面は、例えばカバーの縁部を取り囲む筐体壁の縁部と同一平面にあってもよい。カバー106は筐体100と協働して携帯型電子装置10を封入する。カバーは筐体に対して多様な方法で配置可能であるが、図示される実施形態において、カバー106は筐体100の空胴の中にその開口部に近接して配設される。すなわち、カバー106は開口108に嵌合する。別の実施形態において、カバー106は不透明であってもよく且つタッチパッドを形成する触覚機構を含んでもよい。鏡面仕上げトップガラス層106を取り囲む筐体100の最上部としてレーストラック122が規定される。携帯型電子装置10の所望の美しい外観及び感触を維持するために、筐体100と鏡面トップガラス層106との食い違いを最小限に抑え且つレーストラック122を正しくセンタリングすることが望ましい。
【0033】
カバー106は、電子装置10のユーザインタフェースを規定/支持するように構成されてもよい。カバー106は、例えばグラフィカルユーザインタフェース(GUI)並びに他の情報(例えばテキスト、オブジェクト、図形など)をユーザに対して表示するために使用されるディスプレイ104の閲覧領域を提供してもよい。ディスプレイ104は、組み立てられた状態で筐体100の中に収納される表示部(図示せず)の一部であってもよい。表示部は例えば金属フレーム(例えば302)に内部で装着されてもよい。カバーは、携帯型電子装置10にユーザ入力事象を提供するために使用可能なユーザクリック可能入力ボタン114(ホームボタン)を提供してもよい。そのようなユーザ入力事象は、携帯型電子装置10のリセット、ディスプレイ104に提示される表示画面の選択などの任意の数の目的に使用可能である。一実施形態において、カバー106は、カバー106を通してディスプレイ104が見られるように透明又は半透明(クリア)である材料から成る保護上面層である。すなわち、カバー106は、ディスプレイ104のウィンドウとして機能する(すなわち、透明カバーがディスプレイの上に重なる)。特定の一実施形態において、カバーはガラス(例えばカバーガラス)、特に十分に研磨された鏡面ガラスから形成される。しかし、透明プラスチックなどの他の透明材料が使用されてもよいことは理解されるべきである。
【0034】
一実施形態において、閲覧領域は、ディスプレイに表示されている画面の種々の項目の制御を助ける1つ以上のタッチ入力を受信するために接触を感知してもよい。場合によっては、1つ以上の入力の同時受信も可能である(例えばマルチタッチ)。それらの実施形態において、カバーガラス106の下方に接触感知層(図示せず)が配置されてもよい。接触感知層は例えばカバーガラス106とディスプレイ104との間に配設されてもよい。場合によっては、接触感知層はディスプレイ104に貼り付けられるが、他の場合には接触感知層はカバーガラス106に貼り付けられる。接触感知層は例えばカバーガラス106の内面に装着されてもよい(印刷、蒸着、積層加工又は他の方法による接合)。一般に、接触感知層は、カバーガラス106の上面にユーザの指が触れた時点で起動するように構成された複数のセンサを含む。最も単純な構造では、指がセンサを通過するたびに電気信号が発生される。所定の時間フレームの中で発生される信号の数は、指が接触感知部分に触れた位置、向き、速度及び加速度を示してもよい。すなわち、ユーザが指を動かすほど、信号の数は増加する。多くの場合、それらの信号は電子インタフェースにより監視され、電子インタフェースは信号の数、組み合わせ及び頻度を位置、向き、速度及び加速度の情報に変換する。携帯型電子装置10は、この情報を使用してディスプレイ104に対する所望の制御機能を実行してもよい。
【0035】
携帯型電子装置10は、電源スイッチ、音量調整スイッチ、ユーザ入力装置などを含む1つ以上のスイッチを更に含んでもよい。電源スイッチ110は携帯型電子装置10の電源をオン/オフするように構成されてもよく、音量スイッチ112は、携帯型電子装置10により発生される音量レベルを変更するように構成される。携帯型電子装置10は、携帯型電子装置10との間でデータ及び/又は電力を転送するための1つ以上のコネクタを更に含んでもよい。携帯型電子装置10はオーディオジャック116及びデータ/電力コネクタ118を含んでもよい。オーディオジャック116は、携帯型電子装置10から有線コネクタを介して音声情報を出力させる。コネクタ118は、汎用コンピュータ(例えばデスクトップコンピュータ、ポータブルコンピュータ)との間でデータを送受信させる。コネクタ118は、携帯型電子装置10との間で音声データ、映像データ及び他の画像データ並びにオペレーティングシステム、アプリケーションなどをアップロード又はダウンロードするために使用されてもよい。例えば、コネクタ118は、楽曲及び演奏リスト、音声ブック、写真などを携帯型電子装置10の記憶機構(メモリ)にダウンロードするために使用されてもよい。コネクタ118は更に携帯型電子装置10に電力を送出する。
【0036】
ポータブル装置10とホスト装置(及び/又は電源)との間の通信(例えばデータ/電力の転送)を可能にするために、コネクタ118は、ホスト装置にプラグイン可能な対応する外部コネクタ(図示せず)を受け入れてもよい。コネクタは多様な形態で使用されてよい。一実施形態において、コネクタはUSBコネクタ又はFIREWIREコネクタなどの周辺バスコネクタである。この種のコネクタは電力転送機能及びデータ転送機能の双方を含むので、携帯型電子装置10がホスト装置に接続された場合、携帯型電子装置10とホスト装置との間で電力供給及びデータ通信の双方を実行可能である。場合によっては、携帯型電子装置10を動作させ且つ/又は携帯型電子装置10に含まれるバッテリを動作と同時に充電するために使用可能であるメディア携帯型電子装置10にホスト装置は電力を供給できる。特定の一実施形態において、コネクタは、Cupertino,CAのApple Inc.製造の多くの製品で使用されている30ピンコネクタである。オーディオジャック116は、ヘッドホン、スピーカなどの外部音声レンダリング装置に音声信号を供給可能なオーディオポスト(図示せず)を受け入れることができる。
【0037】
装置は種々の有線接続を介して接続されてもよいが、これに限定されないことは理解されるべきである。一実施形態において、携帯型電子装置10は無線通信機構を更に含む。例えば、図示されるように、電子装置10はアンテナ(すなわちアンテナ222)を含んでもよい。アンテナは筐体100の内部に配設されてもよい。無線通信は、例えばBluetooth(登録商標)、RF、802.11などを含む多くの異なる無線通信プロトコルに基づいてもよい。筐体が金属製であり、従って導電性である携帯型電子装置10の実施形態において無線通信に対する悪影響を最小限に抑えるために、プラスチックなどの非導電性材料から形成された無線透過キャップ120が筐体100の一部に使用されてもよい。
【0038】
図1Cは、アンダーカット形状の性質を強調して示す筐体100の横断面図である。一般に筐体100の内側横断面形状は筐体100の外側横断面形状と同一であってもよいし、異なっていてもよいが、筐体100の内側形状は筐体100の外側形状とほぼ一致する。筐体100は、ユーザの手により容易に収まるような湾曲(例えば手に密着する形態)を含むアンダーカット形状を有するように形成できる。特に、筐体100の内壁は筐体100の外壁の形状とほぼ一致する。特に、側壁121(内側及び外側の双方)は丸く且つ内側に湾曲することにより、切削縁部128に近接する位置で側壁121の上部に形成された凹形アンダーカット領域123を形成する。アンダーカットとは、側壁121が筐体100の内部に向かって内側へ湾曲していることを意味する。このように、ウィンドウ開口108は、筐体100の本体と比較して少なくとも小さいX寸法及びY寸法を有する。一実施例において、筐体100は約(x,y)housing=(61.8mm、111mm)の寸法を有してもよく、開口108は約(x,y)opening=(58.3mm、107.5mm)の寸法を有してもよい。
【0039】
図2A〜図2Eは、分解された形の携帯型電子装置10の種々の展開斜視図を示す。携帯型電子装置10は、図2Aに示される筐体100を含み、筐体100の中に複数の動作関連部品及び/又は構造要素が装着される。筐体100は継目のない筐体の形態であってもよい。筐体100に継目がないため、携帯型電子装置10の見栄え及び感触は共によく且つ電子装置を落とした場合の衝撃によって起こる内部部品の変形及び損傷に対する耐性も向上する。本明細書において説明される実施形態において、筐体100はステンレス鋼から形成され且つ約0.5mmの厚さを有する。尚、この構成は単なる一例であり、本発明の最終的な範囲を制約するように本発明を限定することはない。
【0040】
筐体100は垂直(Y)軸及び水平(X)軸に沿って延出し且つ高さZを有する。筐体100は種々の大きさであってよい。例えば、筐体100は約8.5mmの高さ(Z)、約61.8mmのX寸法及び約111mmのY寸法を有してもよい。筐体100は、携帯型電子装置10の内部部品を受け入れるような大きさに形成された空胴124を含む。内部部品はウィンドウ開口108を介して組み立てられる。筐体のアンダーカット形状は、組み立て中に動作関連部品が挿入されるウィンドウ開口108の直線寸法が筐体100の本体の直線寸法より小さくなるように規定される。例えば、ウィンドウ開口108は約58.3mmのX寸法及び約107.5mmのY寸法を有してもよい。
【0041】
所望の見栄え及び感触を実現する1つの態様は、対称形であり且つ等角の外観を有する携帯型電子装置10の構造である。携帯型電子装置10の対称形の1つの態様はレーストラック122に関する。レーストラック122は、装置の前面のカバー106に沿った金属の条片(strip)である。レーストラック122の幅は外側レーストラック輪郭及び内側レーストラック輪郭により規定される。筐体100は薄板金材料から製造されるので、外側レーストラック輪郭は薄板金の成形により達成され、内側レーストラック輪郭は機械加工により達成される。成形時の許容差は加工時の許容差よりはるかに大きい。前述の実施形態において、外側レーストラック輪郭は成形縁部126と一致するが、内側レーストラック輪郭は、図3に示されるような筐体100の切削縁部128と一致する。図3は、レーストラック122と成形縁部126及び切削縁部128の双方との関係を強調して示す携帯型電子装置10の横断面平面図である。
【0042】
携帯型電子装置10の所望の外観を維持するために、レーストラック122を適正にセンタリングすることが望ましいだろう。しかし、携帯型電子装置10の構造全体の見栄えに関して何が重要な要因であると考えられるかに応じて、このセンタリングはいくつかの方法で実現可能である。いずれにしても、外側レーストラック輪郭を荒削りした後に外側レーストラック輪郭を測定するために、例えばCCDカメラなどを使用して一連の光学測定が実施される。CCD測定値が収集された後、レーストラック122をセンタリングするために、いくつかの方法のうち任意の方法が使用されてもよい。しかし、どの方法が採用されるかに応じて、結果は幾分異なってくる。例えば、図4Aに示されるように、外側レーストラック輪郭(すなわち成形縁部126)を使用するレーストラック126のセンタリングの場合、レーストラック幅は一定になるが、筐体とガラスとの間の隙間130はさほど一定にならない。これに対し、3D CADを使用して切削縁部128を切削することにより内側レーストラック輪郭形状を形成することによってレーストラック122のセンタリングを実行することも可能であるが、この場合、図4Bに示されるように内側レーストラック輪郭の切削のために中心位置(x0,y0)及び回転角φを測る目的でCCD測定を行う。この特定のセンタリング方法ではレーストラック幅は一定にはならないが、筐体とガラスとの間の隙間130は先の方法より一定になる。
【0043】
図2B〜図2Eは、携帯型電子装置10の動作関連部品を示す。説明される実施形態において、携帯型電子装置10の部品は複数の層として組み立てられる。各層の中の部品の関係及び編成並びに層間の関係を利用して、携帯型電子装置10の組み立て及びそのZ高さ許容差の最適化を容易にすることができる。Z高さ許容差を最小限に抑えることにより、相対的に低コストで極めて小型且つ頑丈であり、見栄えがよく、使い勝手のよい携帯型電子装置10を製造可能である。例えば、ベゼルを使用する必要なく携帯型電子装置10が組み立てられることにより、製造及び組み立てに要する費用は低減される。層は第1(主電子回路)の層200、第2(金属フレーム又はMフレーム)の層300及び第3(ガラスユニット又はGユニット)の層400を含んでもよく、各層は以下に更に詳細に説明される。
【0044】
図2Bは、本発明の一実施形態に係る第1の層200(以下の説明中、PCB層200と呼ばれる)の詳細図を示す。
【0045】
PCB層200は第1のアセンブリ204及び第2のアセンブリ206を含み、それらのアセンブリ204及び206はフレックス回路02を介して物理的に且つ動作可能に接続される。第1のアセンブリ204は、フレックス回路202が装着されたプリント回路基板(PCB)205を含む。プリント回路基板205は、例えばメモリなどを含む複数の構成部品を支持するように構成される。プリント回路基板205は、種々の部品を覆うように配設されたRFシールド207を支持するように更に構成される。RFシールド207は金属製であり、部品を被覆し且つ取り囲むように構成される。第1のアセンブリはスピーカシステム209を更に含む。スピーカシステム209は別個に設けられたシステムではなく、音声を適正に出力するために他の部品と一体に形成されたシステムである。スピーカシステムは中心部に圧電スピーカ210、音響シール212及び音響障壁を含む。圧電スピーカ210はRFシールド207に装着され、RFシールドと筐体との間の音響ボリュームを形成するために音響シール212はギャップを密閉する。本実施形態に関しては以下に図5A〜図5Cを参照して更に詳細に説明する。プリント回路基板205は、コネクタ118及びオーディオジャックアセンブリ116を支持するように更に構成される。説明される実施形態において、オーディオジャック116は、オーディオジャック開口117に嵌合し且つ配線又は他の種類のコネクタを介して外部回路(ヘッドホン又はイヤホンなど)に対するインタフェースとして動作する。オーディオジャック116をオーディオジャック開口117に適正に嵌合させるために、オーディオジャック開口117は、筐体100のスプライン並びに以下に図6A及び図6Bに関連して更に詳細に説明されるオーディオジャック116の形状の双方に適応する形状を有していなければならない。
【0046】
PCB層200は筐体100の空胴124に嵌合され且つ筐体100に直接結合するねじ208a及び208bなどの締め具を使用して筐体100の内壁に固着されてもよい(尚、ねじ208bは、以下に更に詳細に説明されるRFアンテナの接地を更に容易にする)。尚、組み立てに先立って、電源ボタン板228を使用して電源ボタン110が筐体に装着され且つ音量ボタン板230を使用して音量ボタン112が筐体110に装着される。各ボタン板はフレックス232を介して互いに電気的に接続される。
【0047】
いくつかの能動回路にごく近接して能動RFアンテナアセンブリを配置することから生じる問題点の1つは、RFアンテナ222を離調するか又はRFアンテナ222の性能に他の悪影響を及ぼすおそれがある電磁妨害(EMI)の発生である。例えば、フレックス202に使用されている相対的に長い導体は、RFアンテナ222の性能に悪影響を及ぼすEMIの発生源として作用する可能性がある。このEMI発生源を大幅に減少するか又は排除するために、PCB200をRF接地することが望ましいだろう。従って、適切なRF接地を実現するために、筐体100の内面に対向するフレックス202の絶縁層の部分226が除去され、導電層が露出される。除去されるフレックス202の部分226は、通常、相対的に広く連続した領域であり、従って筐体100の金属と接触する状態に置かれた場合に適切なR接地を実現するために最大電位を有する部分である。説明される実施形態において、フレックス202の部分226が除去された後、露出された導電性材料が筐体100に圧接される。フレックス202と筐体100との間に感圧導電性接着剤(PSCA)が配置されているので、必要とされる機械的な導電性接合が実現される。フレックス202が筐体100の内面に適応することにより、適切なRF接地が実行されるのに加えて、PCB200全体のZ高さが減少される。
【0048】
図2C及び図2Dは、本発明の一実施形態に係る以下の説明中で金属(M)フレームアセンブリ300と呼ばれる第3の層300の組み立て前の平面図及び組み立て後の底面図をそれぞれ示す。まず図2Cを参照すると、Mフレームアセンブリ300は、Mフレーム302、感圧接着剤(PSA)を介してMフレーム302に装着されるバッテリ304及びディスプレイ104を含む表示回路306を含んでもよい。説明される実施形態において、ハーフシャー310と呼ばれるものを使用することにより、Mフレーム300に要求されるZ高さを減少できる。Mフレーム302を筐体100に装着するねじ312a及び312bを受け入れるために使用されるMフレーム300のねじ穴の周囲の位置でMフレーム302の該当部分を除去することにより、ハーフシャー310が形成されてもよい。説明される実施形態において、各ねじ312a及び312bの最上部がMフレーム302の上面314とほぼ同一平面に位置するように、Mフレーム302から十分な量の材料が除去される。以下に更に詳細に説明されるように、各ハーフシャー310は以下に更に詳細に説明されるZ高さ基準バンプと整列されることにより、携帯型電子装置10のZ高さ基準を更に最小限に抑える。更に、取り付けブラケット136a及び136bの整列穴140を介して筐体100に対するx,y整列を実現する表示部306の整列ピン(図示せず)を受け入れるために表示部整列穴316が形成される。
【0049】
必要Z高さを最小限に抑えることに加えて、図2Dに示されるように、バッテリ回路及び表示回路の総Y成分を減少できる。図2Dは、バッテリ304及び表示回路306と関連する回路の編成を示す。特に、バッテリ回路318及び表示回路320は同一のY位置に共存することにより、それらの回路の総Y成分を減少する。説明される実施形態において、バッテリ回路318はバッテリ安全回路318の形態をとってもよく且つ表示回路はLCDコントローラ320を含んでもよい。従来の設計によれば、バッテリ安全回路318はバッテリ304の中央部分に配置され且つLCDコントローラ320は表示回路306の遠端に整列されてはならない(このような配置にしないと、線幅及び寄生キャパシタンスが増加し、その結果、LCDコントローラの利用可能な駆動力が減少してしまうと考えられる)。しかし、バッテリ安全回路318及びLCDコントローラ320の設計を変更することにより、それら2つの回路を同一のY位置に配置することが可能になる。その結果、合体された2つの回路の総Y成分を減少できる。更に、筐体100のスプラインに適応し且つ携帯型電子装置10の総Z高さを減少するために、図2Dに示されるように表示コネクタ324及びバッテリコネクタ326を係合させるようにLCDコントローラフレックス322がバッテリ304に巻き付けられ且つバッテリ304の下方に配置される。
【0050】
携帯型電子装置10は、図2Eに示されるガラスユニット400、すなわちGユニット400を含む。Gユニット400は、カバーガラス106をプラスチックフレーム406に接着するために使用されるカバーガラスPSA404を更に含む。組み立て後に塵埃又は他の望ましくない環境汚染物質が携帯型電子装置10に侵入するのを防止するために、環境シール408が使用されてもよい。組み立て中、図8A〜図8Cに示されるように、Gユニット400は筐体100のウィンドウ108の中にMフレームアセンブリ300の上に重なるように配置されてもよい。Gユニット400は差し込み作業中に自己整列し且つMフレーム引き込み部324を使用してMフレーム302に固着される。Gユニット400は、プラスチックフレーム406から形成されたダブルショット構造と、例えば熱可塑性ウレタン(TPU)、ゴムなどから製造され、携帯型電子装置10を塵埃及び/又は湿気から保護するように作用可能な環境シール又は化粧シール408とを含む。以下に説明されるように、筐体100に対する環境シール408の形状は、組み立て中にGユニット400がウィンドウ108に対して自己整列するのを助ける。図8Aに示されるような組み立て作業中、プラスチックフレーム406をMフレーム引き込み部324と接触させることにより、Gユニット400はウィンドウ開口108に挿入される。説明される実施形態において、環境シール408及びMフレーム引き込み部324の双方は、Gユニット400を自己整列させるための対応するテーパ形状を有する。例えば、図8Bにおいて、Gユニット400がウィンドウ開口108に挿入されるにつれて、プラスチックフレーム406はMフレーム引き込み部324のテーパ形状に当接する。Mフレーム引き込み部324は、図8Cに示されるように環境シール408のテーパ形状の縁部が筐体100の内側縁部、すなわち切削縁部128に当接する時点までGユニット400を自己整列させ且つGユニット400を固着するという効果を有する。環境シール408の一部分410は切削縁部128を越えて延出する。説明される実施形態において、その部分410は、Gユニット400がMフレーム引き込み部324に捕捉されるまで図8Cに示されるようにGユニット400をウィンドウ開口108に対して自己整列させるテーパ縁部を有する。
【0051】
組み立て中、Gユニット400に圧力が加えられると、捕捉されたガスは合体して気泡を形成する。それらの気泡は感圧接着剤(PSA)とガラス106との接合面積を最小限にするという結果をもたらす。組み立て許容差があることによってPSAがシール402と接触し、ガス放出経路をふさいでしまうことにより、ガスの一部は捕捉される(図9Aを参照)。従って、プラスチックフレーム406にガス放出構造を設けるか又はそのような組み立て技術を使用することにより、ガラス層106とプラスチックフレーム406との接着を向上することは有益だろう。ガス放出技術は、例えば所定の位置に所定の大きさの穴を打ち抜いた後プラスチックフレーム404の適切な位置で所定の部分を除去することを含んでもよいが、図9Bに示されるように、携帯型電子装置10の角部から少量のPSAを除去することにより捕捉ガスを更に容易に逃がしてもよい。このようにして接着剤をより均一に配分することにより、ガラス層106とプラスチックフレーム404とを更に強力且つ確実に接合できる。
【0052】
図5Aは、図2Bに示される一体型スピーカアセンブリの特定の一実施形態である一体型、すなわち最小Z高さスピーカアセンブリを示す。最小Z高さスピーカアセンブリ500は、音響シール212及び水平(Y)音響障壁502と組み合わされた少なくとも1つの圧電スピーカ210を含む。音響シールのギャップ504は、圧電スピーカ210により発生される音声を筐体100の任意の所望の位置へ誘導するという効果を有する。例えば、音声は、音声の放送には本来無関係である筐体100の特定の開口へ誘導されてもよい。そのような開口は例えばドック開口119及び/又はオーディオジャック開口117を含んでもよい。水平音響障壁502は、音量ボタン112、電源ボタン110又はアンテナキャップ120と関連するギャップなどの筐体100の望ましくない部分へ音声がほぼ漏れないように保証する。更に、図5Bに示されるように、バックボリュームシール506は、筐体100と協働してバックボリュームとも呼ばれる音響空胴508を形成できる。このように、既存の部品を使用することにより、バックボリューム508を形成するためのZ高さ条件は緩和され且つ筐体100の背面部分は、ユーザが受け取る音響を向上するように配置された共振器として作用できる。バックボリューム508は既存の部品(すなわち筐体100及び音響障壁502)を使用して形成されるので、携帯型電子装置10の総Z高さに悪影響が及ぶことはない。
【0053】
図5Cは、Z許容差のばらつきを調整し且つバックボリューム508の一体性を保持する選択クラッシュゾーン510を示す。携帯型電子装置10の組み立て中、クラッシュゾーン510を圧縮又は破砕するような影響を与える圧力がPCB200に加えられる場合がある。この場合、バックボリューム508の一体性を損なうことなく、PCB200の種々の部品のZ高さのばらつきに対応できる。尚、クラッシュゾーン510はいくつかの形状及び大きさのうち任意の形状及び大きさを有してよく且つ筐体100とバックボリュームシール506との間にシールを形成可能な任意の弾性材料から形成されてよい。
【0054】
図6Aに示されるように、筐体100を非対称形の構造にすることに関連する問題点の1つは、オーディオジャック開口117の底部切削面(点「A」)が正のZ方向に上がるにつれて、筐体100の大きな湾曲によって切削面の縁部が負のZ方向に動くことである。言い換えれば、正のZ方向にわずかな変化があっても、負のY方向に大きな変化をもたらすということである。オーディオジャック116はZ方向に固定されているので、オーディオジャック開口117が筐体100の浅い部分に入り込むように形成されていた場合のようにカバーガラス106に危険が及ぶ事態が発生することを防止するために、オーディオジャック開口117の大きさは筐体100の上部のに近すぎてはならない。いずれにしても、筐体100の浅い構造に完全に円形の部分を設けると、非常に鋭い縁部(図6Aに示す)を加工により形成しなければならない結果になる。しかし、従来の機械加工処理を使用すると、筐体100はその領域で許容し得ないほど薄くなってしまい、衝撃を受けた場合に損傷する危険が生じるだろう。従って、オーディオジャック116の円形の形状、筐体100のスプラインに対応し且つオーディオジャックのトリム(オーディオジャック構造自体の周囲の材料)を可能な限り少なくするために、図6Bに示されるように非対称形のオーディオジャック開口117が形成される。このオーディオジャック開口117は円形の部分602及び円形ではない部分604を有し、そのため、オーディオジャック開口117は非対称の形状となっている。オーディオジャック開口117は、特に上から見た場合にオーディオジャック116及びオーディオジャック開口がセンタリングされた円形の見かけを維持するように規定される。尚、このようにオーディオジャック開口117を形成した後、ばり取り技術においては従来考えられなかった材料を使用して、タッチアップのためにばり取り処理を実行可能である。そのような材料は、例えば竹木製スティック、木製箸などを含んでもよい。
【0055】
種々のインタフェース(例えばドック、オーディオジャック、音量、電源)に対応するために、筐体100に種々の大きさの開口が形成されなければならない。それらの開口を形成し且つそれらの開口のトリムが筐体100を製造するために使用された薄板金の厚さ(0.5mm)より厚く見えるようにするために使用可能ないくつかの方法がある。1つの方法は、図9に示されるように筐体100を形成する薄板金を引き抜く又は折りたたむ方法である。いずれの場合にも、筐体100にそのような開口を形成することにより、例えば電子装置を落下させた場合の衝撃によって変形するおそれがある長く薄い金属のウェブができる。それらの領域を補強するように、この場合には厚さ約0.5mmのステンレス鋼である親材料に材料(子材料と呼ばれる)の層を追加するためにいくつかの異なる技術のうち任意の技術を使用可能である。いくつかの実施形態において、子材料は溶接、はんだ付け、ろう付け又はのり付けにより親材料に接合可能である。子材料が親材料に接合された後、実際の穴の形状を形成するために1段階で切削が実行される(例えば機械加工、レーザー切削又は打ち抜き)。
【0056】
図10A及び図10Bは、ドック開口119の領域の筐体100を示す横断面図である。しかし、厚さ(約0.5mm)、説明される筐体の材料(ステンレス鋼)及び筐体100の幾何学的形状(すなわち深いスプライン)の関係上、大規模製造環境において所望の深い切削を実行することは難しい。特に、図10Aを参照すると、筐体100がこのような形状であるため、ドック開口119を形成するために従来の打ち抜き処理を使用すると、筐体100の最上部の急なスプラインと下部のより浅いスプラインとの間の切削部が許容し得ないほど非対称形になってしまうだろう。従って、図10Aに示されるように、筐体100の厚さ(本実施形態において約0.5mmである)とほぼ等しい厚さを有する金属支持ブラケット1002をはんだ、ろう付け材料又はのり付け材料を使用して筐体100の内壁に装着できる。はんだ、ろう付け材料又はのり付け材料を使用することにより、支持ブラケット1002を筐体100に固定装着可能であると共に、はんだ又はろう付け材料が筐体100と支持ブラケット1002との間の隙間を覆い隠してくれるので、有効な化粧効果も得られる。図10Bは、ドック開口119を形成するための打ち抜き作業の結果を示す。支持ブラケット1002を使用することにより、ドック開口119(又はその目的のための筐体100の任意の開口)が形成される筐体100の領域に二重壁が形成される。説明される実施形態において、支持ブラケット1002と筐体100との間の隙間ははんだ又はろうによって充填されるので、所望の見栄えのする外観並びに所望の構造の一体性及び強度の双方を維持できる。尚、スパンの大きい穴(音量ボタン開口)に最適の強度を与えるために、形成する穴が支持ブラケットのほぼ中央に位置するようにそれぞれ対応する支持ブラケットは位置決めされる。
【0057】
図11A〜図11Cは、ドック開口を形成する処理を図式的に示す。図11Aは、形成されるドック開口117に対する筐体100の支持ブラケット1002の配置を示す。支持ブラケット1002は筐体100に溶接可能である。図11Bは、支持ブラケット1002及び形成されるドック開口の並列関係を示す側面図である。この場合、CNC後に最大限の支持を実現するために、支持ブラケット1002は、形成されるドック開口の領域全体を被覆する。従って、図11Cは、ドック開口119の打ち抜き作業及びCNCの後の上部1102及び下部1104を有する支持ブラケット1002を示す側面図である。尚、見栄えを考慮して支持ブラケットと筐体100との間の隙間を隠すために、CNC後の隙間を全て充填するようにはんだ又はろう付け材料が使用されてもよい。
【0058】
音量調整ボタンなどの長スパン開口の場合、図12A〜図12Cは、音量ボタン開口などの長スパン開口を形成する方法を図式的に示す図である。図12Aは、提案される音量ボタン開口に対する筐体100の支持ブラケット1202の配置を示す。尚、支持を必要とする主な領域は提案される音量調整ボタンの上方の薄い条片1204であるので、支持ブラケット1202はy方向にほぼ中間まで延出するだけである。薄い条片1204は衝撃を受けた場合に変形しやすい。図12Bは、支持ブラケット1202、筐体100及び提案される音量調整ボタンの位置の並列関係を示す側面図である。図12Cは、音量ボタンなどの筐体100の長スパン開口に対して必要な支持を実現する上部支持ブラケットを示す音量調整ボタンのレーザー切削後の図である。
【0059】
しかし、上記の手順は、ステンレス鋼などの材料及び打ち抜き形作業において対称形の切削又は適正な切削深さを実現できないような形状(すなわち急なスプラインを有する形状)に対して予測されるものである。しかし、アルミニウムなどのステンレス鋼以外の材料を使用する場合、必要な対称性は得られると考えられる。そのような場合、打ち抜き及びCNCを一連の作業として実行可能である。更に、支持ブラケットの厚さは変更可能であるが、筐体100の厚さとほぼ同じ厚さにするのが適切であることが判明している。
【0060】
RFアンテナ222に対する妨害を防止するために、アンテナ穴126を形成するように筐体100から筐体材料が除去される。アンテナ穴126はレーザーを使用して導電性筐体材料を除去することにより形成され、除去された材料の代わりにプラスチックなどの非導電性材料を使用することによりアンテナキャップ120が形成される。このようにして、RFアンテナにごく近接して金属などの導電性材料が存在することによって起こる妨害は排除される。しかし、この材料切除の結果、筐体100の角部128は、衝撃を受けることによる変形又は損傷を起こすほど弱くなってしまう場合がある。従って、図13に示されるように角部128の筐体100の側壁を補強することにより筐体100の角部128を構造支持するために、角部補強材130を使用可能である。角部補強材130は溶接又は他の手段により筐体100に装着される。しかし、音量ボタン又はドックなどに使用されるような他の支持ブラケットとは異なり、角部補強材130は、材料が除去される筐体100の角部128の構造の一体性を更に向上する役割及びRFアンテナ222の接地点としての役割の2つの役割を果たす。説明される実施形態において、アンテナ接地点132はアンテナねじ208bを介してRFアンテナ222に接続される。RFアンテナ222と角部補強材130とを適切に電気的に接続するために、アンテナねじ208bを機械的に受け入れ且つ角部補強材130(及び筐体100)に対する適切な電気的接触を実現するようにアンテナ接地点132はほぼ無傷のままでなければならない。
【0061】
アンテナ穴126の大きさ及び位置の関係上、アンテナ穴126を形成するように必要な量の材料を筐体100から除去するためにレーザーが使用される。しかし、アンテナ接地点132は、レーザーで除去される材料のごく近くの領域まで延出している。そのようなアンテナ接地点132は相対的に無傷の状態を維持しなければならないので、例えば発泡材又はアンテナ穴126の形成後に容易に除去できる他の任意の保護材料から形成されるシールドによって、アンテナ穴126を形成するためにレーザーで材料を除去することにより形成される削りくずからアンテナ接地点132は保護される。
【0062】
図2Aを参照すると、図2Aは、筐体100の詳細図を示す。図示されるように、筐体100は、複数の部分アセンブリを筐体100に装着するために使用されるいくつかの装着固定具を含む。そのような装着部材は、例えば、ねじ310b及びねじ208aなどの締め具をそれぞれ使用して筐体100にPCBアセンブリ200を装着するために使用可能なPCB部分アセンブリ固着固定具134a、134b及び134cを含んでもよい。尚、Mフレームアセンブリ300を取り付けブラケット136a及び136bに直接装着するねじ310aとは異なり、ねじ310bは固定具134a及び134bを使用してMフレームアセンブリ300及びPCB200を筐体100に装着する。前述のように、RF接地点132は、PCB200を筐体100に固着し且つRFアンテナ222の接地平面を形成するという2つの目的に使用される。
【0063】
取り付けブラケット136a及び136bは、Mフレーム部分アセンブリ300を筐体100に固着するために使用される。しかし、取り付けブラケットを筐体100に装着する従来の方法は、レーザー溶接などの高温装着処理を利用し、そのような方法は筐体100の外面の表面的な損傷を引き起こす可能性があり、筐体100の外面は通常損傷されてしまう。このような表面的な損傷が起こった場合、研磨仕上げなどの長時間を要し且つ費用もかさむ修理が必要になるので、携帯型電子装置10を組み立てるのに必要とされる費用及び時間は増加する。従って、表面的な損傷の発生を回避するために、取り付けブラケット136a及び136bを筐体100に装着するために低温装着処理のみが使用される。高温装着処理(レーザー溶接など)によって起こる表面的な損傷を排除するために、取り付けブラケット136a及び136bは、低温溶接処理を使用して筐体100の適切な位置に配置される。位置決め後、取り付けブラケット136a及び136bは低温はんだ付け処理を使用して筐体100の内面に固着される。低温溶接処理及び低温はんだ付け処理を使用することにより、高温処理のような従来の方法を使用して取り付けブラケット136a及び136bを筐体100に装着した場合に発生すると考えられる損傷は、表面的であるか否かに関わらずすべて排除される。従って、高温装着処理を使用する従来の方法とは異なり、低温装着処理を使用する本発明の方法は、筐体100の外面に対する装着後の研磨仕上げ又は他の修理の実行を不要にする。このようにして、携帯型電子装置10の美しい外観とフィット感は維持される。従って、取り付けブラケット136a及び136bは、内部部品の一部を受け入れ且つ支持するための基準面を形成する。更に、取り付けブラケット136a及び136bは、以下に更に詳細に説明される組み立て後の内部部品のZ高さ許容差、すなわち積み重ね許容差を最小限に抑えるZ基準バンプ138を形成する。
【0064】
携帯型電子装置10の組み立て中、PCB200、Mフレームアセンブリ300及びGユニット400は、各層が最小限のZ高さ許容差をもって互いに対して整列しなければならないブラインド組み立て作業と呼ばれる作業の間に互いに積み重ねて配置される。当該技術においてよく知られているように、製造作業でいくつかの異なる機器構成が必要とされる場合、個々の機器構成は必ず関連する許容差を有し、それらの許容差は他のすべての許容差に加算される。製造作業における機器構成の数を最小限にすることにより、その作業の総Z高さ許容差を最小値に保持できる。従って、携帯型電子装置10の組み立てにおいてZ高さ許容差を最小限に抑えるために、いくつかの新規な方法が考案されている。例えば、Mフレームアセンブリ300を筐体100に装着する際のZ高さ許容差を最小限に抑えるために、取り付けブラケット136a及び136bは前述のZ基準バンプ138を含む(Mフレームねじ穴146の両側に2つずつZ基準バンプが配置される)。尚、Z基準バンプ138、筐体100の機械加工上面140及び表示部整列穴142は(図14に示されるように)1つの機器構成を使用して同時に加工される。このようにして、筐体100の上面140に対する約0.05mmのZ高さ許容差を実現できる(これに対し、標準的な複数の機器構成を使用するはんだ付け方法におけるZ高さ許容差は約0.2mmである)。
【0065】
図15は、本発明の一実施形態に係る筐体に取り付けブラケットを装着する方法1500を詳細に示すフローチャートである。方法1500は、ステップ1502において犠牲z調整バンプが配置されている取り付けブラケットを用意することによって始まる。説明される実施形態において、z調整バンプは、後に実行される機械加工処理の間に除去可能な部分を有するように構成され、この機械加工処理の間に筐体の上部も除去される。ステップ1504において、低エネルギー溶接などの低エネルギー装着処理を使用して取り付けブラケットが筐体内部に位置決めされる。次のステップ1506において、位置決め後のブラケットは所定の位置にはんだ付けされる。後続する作業は1つの機器構成を使用して実行され、その間、ステップ1508において筐体の上部は機械加工によって除去され、ステップ1510においてz調整バンプの犠牲部分が除去され、ステップ1512において表示部のx,y整列穴がブラケットに穿孔される。
【0066】
図16は、本発明の一実施形態に係る携帯型電子装置10を組み立てる方法1600を詳細に示すフローチャートである。まず、ステップ1602において、組み立て前の筐体が受け入れられる。説明される実施形態において、筐体にはすべての適切な開口が形成され且つ支持ブラケット及び装着固定具が固定されている。ステップ1604において、PCBが筐体空胴の中に配置される。ウィンドウ開口は筐体本体より小さいので、第1の部分又は第2の部分を先に挿入し、その後に残る部分を挿入することによりPCBアセンブリの挿入は実行される。例えば、PCBアセンブリを挿入する場合にPCBアセンブリの第1の部分を先に挿入するのであれば、その後にドック及びオーディオジャックが筐体の適切な開口に挿入される。ドック及びオーディオジャックが適正に嵌合された後、PCBアセンブリの第2の部分が挿入される。この場合、第2の部分はRFアンテナアセンブリを含む。PCBアセンブリが所定の位置に位置決めされた後、ステップ1606においてPCBアセンブリのフレックス部分の導電層の一部が露出される。尚、この工程はPCBを筐体に挿入する前の任意の時点で実行されてもよい。フレックス部分の導電層の一部を露出させることにより、筐体によってRF接地平面を形成できる。フレックス部分の導電層が露出された後、ステップ1608においてPCBアセンブリは筐体に固着される。説明される実施形態において、ドック及びオーディオジャックを含むPCBアセンブリの第1の部分をPCB装着固定具を使用して筐体に直接装着するために、ねじを使用してPCBアセンブリを固着できる。PCBが筐体に固着された後、ステップ1610においてフレックスの露出された導電層は筐体の内面の形状に沿うように押圧される。説明される実施形態において、露出部分を筐体に接着するために感圧導電性接着剤を使用可能である。フレックスを筐体の内面に圧接することにより適切な電気的接触が形成され、その結果、適切なRF接地が実現されるが、それに加えて、フレックスは筐体に機械的に固着され且つフレックスが占めるスペースの量もそれに付随して縮小される。
【0067】
PCBが所定の位置に配置され且つ固着された後、ステップ1612において組み立て前のMフレーム及びバッテリが受け入れられる。組み立て前とは、感圧接着剤(PSA)を介してバッテリが既にMフレームに装着されている状態を指す。ステップ1614において、バッテリとは反対の側のMフレームの面に表示部が配置される。尚、表示部フレックスに対して作業を実行するために表示部を上方へ傾けなければならないので、表示部はこの時点ではMフレームに装着されていない。次に、ステップ1616において、表示部フレックスはバッテリの下方に配置され且つバッテリ電気コネクタに電気的に接続される。バッテリと表示部が互いに電気的に接続された後、ステップ1618において、バッテリ及び表示部を含むMフレームアセンブリは、いくつかの利用可能なねじを使用して筐体に固着される。前述のように表示部はMフレームに直接装着されていないので、Mフレームのねじ穴に対して作業を実行するために表示部は持ち上げられる。
【0068】
尚、説明される実施形態において、Mフレームアセンブリを筐体に装着するために使用される利用可能なねじのうちいくつかは、筐体に直接装着された取り付けブラケットを利用する。それらの取り付けブラケットは、Mフレームアセンブリに対してZ基準を規定するいくつかのZ高さ基準バンプを含む。更に、残る利用可能なねじの一部は、Mフレームアセンブリ及びPCBを筐体に装着するために使用される。Mフレームが筐体に固着された後、ステップ1620において、表示部の両側に互いに対角線位置に配置されたいくつかの整列ピンを使用して表示部は整列される。整列ピンは、取り付けブラケットの整列穴と係合するために使用可能である。ステップ1622において、バッテリにタッチパネルが電気的に接続され、ステップ1624において、ガラスユニットがウィンドウ開口に挿入され、ステップ1626においてガラスユニットはMフレームに固着される。
【0069】
いくつかの好適な実施形態に関して本発明を説明したが、本発明の範囲内に含まれる変更、置き換え及び同等の構成は存在する。尚、本発明の方法及び装置を実現する代替方法は多数存在する。尚、例えば、継目のない筐体を製造する方法としてダイカスト処理は好ましいが、この方法に限定されるわけではなく、他の製造方法も使用されてよい。従って、添付の請求の範囲は、本発明の精神及び範囲の中に入るそのような変形、変更及び同等の構成をすべて含むと解釈されることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドヘルド電子装置であって、
前面開口を有し、前記前面開口と協働して空胴を形成する一体の底壁及び側壁を有する単一の継目のない筐体であって、前記底壁は湾曲した底面を有し、前記側壁は湾曲した側面及びアンダーカット部分を前記空胴の中に形成するように丸形に形成され、前記側壁の縁部は前記前面開口を取り囲み且つ前記前面開口を規定する、筐体と、
前記前面開口の中に配設され且つべゼルなしで前記継目のない筐体に装着されたカバーであって、平坦な上面を有し且つ前記前面開口の前記空胴の中に配設され、前記側壁の間の前記前面開口をほぼ専有し、前記平坦な上面は前記側壁の前記縁部の上面とほぼ同一の平面に位置するカバーと
を備えることを特徴とするハンドヘルド電子装置。
【請求項2】
前記筐体は磨き上げられたステンレス鋼で形成され、前記筐体は金属であり且つ前記カバーはガラスである請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記筐体の前記空胴の中に配設された表示部と、
前記ガラスカバーを通して見ることができる前記表示部の表示画面と
を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記カバーガラスと前記表示部の前記表示画面との間にほぼ透明な接触感知層が配設されることを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
【請求項5】
前記カバーは入力機構を収納するための開口を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項6】
前記カバーはフレームに装着され、且つ、前記フレームは前記筐体の前記空胴の中で前記筐体に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項7】
単一の薄板金から形成された継目のない筐体であって、
上面開口と、
前記上面開口と協働して空胴を形成する一体の底壁及び側壁であって、前記底壁は湾曲した底面を有し、前記側壁は湾曲した側面及びアンダーカット部分を前記空胴の中に形成し、かつ、外側縁部を形成するように丸形に形成され、前記側壁の内側縁部は前記上面開口を取り囲み且つ前記上面開口を規定する、底壁及び側壁と、
前記底壁に装着され、電子アセンブリを前記筐体の前記底壁に固着するための取り付けブラケットと、
少なくとも1つの側壁にあり、前記筐体単独で形成されるトリム深さより少なくとも大きいトリム深さを有する開口と、
前記内側縁部と前記外側縁部との間の前記筐体の最上部の平坦な部分であり、前記継ぎ目のない筐体に形成された縁部の複数の基準点を光学的に判定し、前記複数の光学基準点を使用して前記内側縁部を切削することによりセンタリングされるか、又は、中心点及び前記上面開口の傾斜角度を判定し、判定された前記中心点及び前記傾斜角度に基づいて前記内側縁部を切削することによりセンタリングされるレーストラックと
を備えることを特徴とする継目のない筐体。
【請求項8】
前記取り付けブラケットは、固着される前記電子アセンブリと前記レーストラックとの間のZ高さ許容差を減少するように構成された、少なくとも1つの取り付けブラケット基準バンプを含むことを特徴とする請求項7に記載の継目のない筐体。
【請求項9】
固着される前記電子アセンブリと前記レーストラックとの間の前記Z高さ許容差は、1つの機械構成を使用して1回の加工作業で前記少なくとも1つの取り付けブラケット基準バンプ及び前記レーストラックを形成することにより減少されることを特徴とする請求項8に記載の継目のない筐体。
【請求項10】
前記側壁に前記開口を機械加工により形成する前に、前記開口の位置で前記少なくとも1つの側壁の前記内側部分に装着された二次プレートを更に含み、
前記二次プレートは、形成される前記開口の前記トリム深さを前記筐体単独で形成されるトリム深さを超えて増加し、
前記開口が長く薄いウェブ部分を有する場合、補強ブラケットを追加することにより前記長く薄いウェブ部分が補強され、
前記側壁の前記開口は金属成形により形成され、前記金属成形により、前記開口の前記トリム深さは前記筐体単独で形成されるトリム深さを超えて増加される
ことを特徴とする請求項9に記載の継目のない筐体。
【請求項11】
前記取り付けブラケットは、前記取り付けブラケットの長さに沿って配置された犠牲部分を有する複数の犠牲z調整バンプを具備し、
前記取り付けブラケットが前記継ぎ目のない筐体に装着された後、前記継ぎ目のない筐体の最上部及び前記犠牲Z調整バンプの前記犠牲部分は、複数のXY整列穴の形成と同時に機械加工により除去され、前記機械加工及び前記穿孔は1つの機械構成で実行されることを特徴とする請求項9に記載の継目のない筐体。
【請求項12】
前記継目のない筐体に形成された縁部で複数の基準点を光学的に判定し、
前記複数の光学基準点を使用して前記内側縁部を切削し、
前記表示部分の中心点を判定し、
前記表示部分の傾斜角度を判定し、
前記中心点及び前記傾斜角度に基づいて前記内側縁部を切削することにより前記レーストラックはセンタリングされることを特徴とする請求項9に記載の継目のない筐体。
【請求項13】
省スペース電子装置であって、
平坦な上面を有する前面開口と協働して空胴を形成する一体の底壁及び側壁を有し、前記底壁は湾曲した底面を有する継ぎ目のない筐体であって、前記側壁は湾曲した側面及びアンダーカット部分を前記空胴の中に形成するように丸形に形成され、前記側壁の縁部は前記前面開口を取り囲み且つ前記前面開口を規定する継ぎ目のない筐体と、
前記前面開口を介して前記継ぎ目のない筐体に挿入され且つ前記筐体の前記底面に固着される複数の電子アセンブリであって、前記複数の電子アセンブリのうち最上部の電子アセンブリの上面が前記筐体の前記平坦な上面とほぼ同一の平面に位置するようにZ高さ許容差が最小限に抑えられた複数の電子アセンブリと
を備え、
前記複数の電子アセンブリは、
第1の部分電子アセンブリと、
第2の部分電子アセンブリと、
前記第1の部分電子アセンブリ及び前記第2の部分電子アセンブリを動作可能に且つ物理的に接続するほぼ平坦なフレックス回路であって、複数の次元に湾曲する形状に適応できるように前記フレックス回路のねじれを可能にする複数の切り欠きを含むフレックス回路と
を備えた第1の電子アセンブリと、
Z高さ許容差を減少する複数のハーフシャーを含む金属フレームと、
前記金属フレームの底面側に装着され、少なくとも1つの給電回路を含む電源と、
前記金属フレームの上面側に装着され、少なくとも1つの表示回路を含む表示部とを備え、前記給電回路及び前記表示回路は同一のY次元に共存するように配置される第2の電子アセンブリと
を備えることを特徴とする省スペース電子装置。
【請求項14】
前記フレックス回路はS字形部分と、前記S字形部分の両端に配設された1対のタブ部分とを含むことを特徴とする請求項13に記載の省スペース電子装置。
【請求項15】
前記第1の部分電子アセンブリは最小Z高さ一体型スピーカアセンブリを含み、前記一体型スピーカアセンブリにより発生される音声は前記筐体の前記側壁の選択された開口を介して伝達され、
前記最小Z高さ一体型スピーカアセンブリは、少なくとも可聴音声を発生するように構成された圧電スピーカと、前記圧電スピーカと協働して、前記圧電スピーカにより発生される音声を前記選択された開口に向かって誘導するように動作する複数の音響シールギャップを有する音響シールと、選択されなかった開口に音声が漏れるのを防止するように構成された音響障壁と、音声回路と、関連するほぼ円形のオーディオジャックと
を含むことを特徴とする請求項13に記載の省スペース電子回路。
【請求項16】
最上部にあるアセンブリであり、且つ、ガラスユニットである第3のアセンブリは、
感圧接着剤(PSA)の層を有し且つ複数の締め具を含むプラスチックフレームであり、前記第3のアセンブリは、前記締め具と協働して前記ガラスユニットを前記第3のアセンブリに固着する複数のガラスユニット引き込み部を含むプラスチックフレームと、
前記プラスチックフレームと共にダブルショット構造を形成し且つテーパ部分を有し、前記テーパ部分の少なくとも一部は前記前面開口の前記内側縁部を越えて延出する環境シールと、
前記PSAによって前記プラスチックフレームに固着された鏡面仕上げガラス層と
を備えることを特徴とする請求項13に記載の省スペース電子装置。
【請求項17】
前記ガラスユニットを前記前面開口に挿入する間、前記プラスチックフレームの前記締め具が前記第3のアセンブリの引き込み部と協働すると共に前記ガラスユニットを自己センタリングさせるために前記内側縁部と協働する前記環境シールの前記テーパ部分により前記ガラスユニットは前記前面開口に対して自己センタリングされることを特徴とする請求項16に記載の省スペース電子装置。
【請求項18】
前記ガラス層を前記PSA上に押圧する結果として、前記ガラス層と前記プラスチックフレームとの間で捕捉されたガスを放出するように構成された捕捉ガス放出構造を更に備えることを特徴とする請求項17に記載の省スペース電子装置。
【請求項19】
前記筐体は非対称形オーディオジャック開口を含み、前記オーディオジャック開口は、前記オーディオジャック開口が形成される前記筐体の前記側壁の傾斜の急な背骨部分の形状及び前記オーディオジャックのトリムにほぼ影響を与えないように前記円形のオーディオジャックに適応するように配置されることを特徴とする請求項15に記載の省スペース電子装置。
【請求項20】
前記第2の部分電子アセンブリはRFアンテナを含み、前記筐体によって起こるEMIをほぼ排除するために、前記RFアンテナに近接する前記筐体の角部は除去され且つ非RF妨害材料から形成されたアンテナキャップと置き換えられ、前記アンテナキャップは、
前記アンテナキャップを有する前記筐体の前記角部を補強するように構成された角部補強材を備え、前記補強材は前記RFアンテナの接地面として作用し、前記補強材は、前記補強材により形成される前記接地面と前記RFアンテナを電気的に接続するように構成された接点を含むことを特徴とする請求項2に記載の省スペース電子装置。
【請求項21】
省スペースポータブルハンドヘルド装置において使用するのに適する一体型スピーカアセンブリであって、
少なくとも可聴音声を発生するように構成された圧電スピーカと、
前記圧電スピーカと協働して、前記圧電スピーカにより発生される音声を前記省スペースポータブルハンドヘルド装置の所望の位置へ誘導するように動作する複数の音響シールギャップを有する音響シールと、
前記省スペース電子装置の望ましくない位置から音声が漏れるのを防止するように構成された音響障壁とを備えることを特徴とする一体型スピーカアセンブリ。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−230678(P2012−230678A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−107967(P2012−107967)
【出願日】平成24年5月9日(2012.5.9)
【分割の表示】特願2011−526076(P2011−526076)の分割
【原出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(503260918)アップル インコーポレイテッド (568)
【Fターム(参考)】