説明

ハンドルバー用スイッチ装置

【課題】操作スイッチ手段のケース部に発光手段を任意選択的に配設可能とすることにより、操作ノブ部の視認性の向上及び意匠性の向上を図りつつコストの上昇を抑制することができるハンドルバー用スイッチ装置を提供する。
【解決手段】運転者が操作可能な操作ノブ部2aと、該操作ノブ部2aを操作可能な状態で保持するケース部2bとを有した操作スイッチ手段2を具備するとともに、先端に把持グリップが形成された搭乗手段のハンドルバーHに取り付けられて操作ノブ部の操作に応じて搭乗手段に搭載された種々電装品を操作可能なハンドルバー用スイッチ装置において、操作ノブ部2a又はケース部2bの前面には、光を透過可能な透過部位aが形成されるとともに、ケース部2bには、当該透過部位aを臨ませつつLED9をケース部2bの外部から取り付け可能な取付部2baが形成されたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者が操作可能な操作ノブ部と、該操作ノブ部を操作可能な状態で保持するケース部とを有した操作スイッチ手段を具備するとともに、先端に把持グリップが形成された搭乗手段のハンドルバーに取り付けられて操作ノブ部の操作に応じて搭乗手段に搭載された種々電装品を操作可能なハンドルバー用スイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
二輪車等のハンドルバーには、その先端に運転者が把持可能な把持グリップが形成されているとともに、当該把持グリップ近傍には、通常、各種電装品を操作するための複数の操作スイッチが形成されたスイッチケースが取り付けられている。このスイッチケースには、通常、ホーンスイッチノブやディマースイッチノブ等の他、車両に搭載された特定の電装品(例えば変速機の制御装置等)を操作するための種々のスイッチノブが形成されている。
【0003】
ところで、近時においては、スイッチケースとは独立した操作スイッチ手段を当該スイッチケースに嵌め込んで構成されたハンドルバー用スイッチ装置が提供されるに至っている。かかる操作スイッチ手段は、スイッチケースとは別個独立したケース部と、該ケース部に操作可能な状態で保持された操作ノブ部とから主に構成されており、ケース部には、操作ノブ部の操作に応じて電気的にオン・オフ可能な接点等が収容されている。
【0004】
このようなハンドルバー用スイッチ装置によれば、それぞれの操作スイッチ手段がスイッチケースとは独立して構成されている(言い換えるならばケース部を筐体として構成されている)ので、車種やグレード等に応じた任意の操作スイッチ手段をスイッチケースの所定部位に嵌め込んで組み付けることができるとともに、各操作スイッチ手段の防水性或いは防塵性を向上させることができ、ケース部内の電気的不具合を抑制することができる。なお、かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のハンドルバー用スイッチ装置においては、操作スイッチ手段が独立して構成されているため、操作スイッチ手段におけるケース部の内部に発光手段(光源)を収容させて操作ノブ部又はケース部の前面(運転者に対向する面)を光らせることにより、当該操作ノブ部の視認性の向上や意匠性の向上を図ろうとした場合、全ての操作スイッチ手段におけるケース部内にそれぞれ発光手段を配設しなければならず、コストが嵩んでしまうという不具合があった。
【0006】
しかるに、本出願人は、同一の操作スイッチ手段であっても、車種又はグレード、或いはユーザの嗜好等に応じて選択的にケース部内に発光手段を配設させたいというニーズが高まると考え、任意選択的に操作スイッチ手段のケース部内に発光手段を配設させることにより、操作ノブ部の視認性の向上や意匠性の向上を図りつつコストの上昇を抑制することができるハンドルバー用スイッチ装置を鋭意検討するに至った。なお、このような問題は、ハンドルバーにおける把持グリップの近傍に固定されたスイッチケースに操作スイッチ手段を嵌め込んで構成されたもの限らず、ハンドルバーの中央に設けられたカバーケースに操作スイッチ手段を嵌め込んで構成されるものも同様に生じる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、操作スイッチ手段のケース部に発光手段を任意選択的に配設可能とすることにより、操作ノブ部の視認性の向上及び意匠性の向上を図りつつコストの上昇を抑制することができるハンドルバー用スイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、運転者が操作可能な操作ノブ部と、該操作ノブ部を操作可能な状態で保持するケース部とを有した操作スイッチ手段を具備するとともに、先端に把持グリップが形成された搭乗手段のハンドルバーに取り付けられて前記操作ノブ部の操作に応じて前記搭乗手段に搭載された種々電装品を操作可能なハンドルバー用スイッチ装置において、前記操作ノブ部又はケース部の前面には、光を透過可能な透過部位が形成され、且つ、前記ケース部には、当該透過部位に隣接して取付部が形成されるとともに、当該取付部には、発光手段が前記ケース部の外部から取り付けられたことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のハンドルバー用スイッチ装置において、前記発光手段は、光を透過可能なケース内に配設されて発光ユニットを構成することを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のハンドルバー用スイッチ装置において、前記ケース内には、光を透過可能な樹脂を充填させて成ることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1記載のハンドルバー用スイッチ装置において、前記発光手段は、光を透過可能なモールド樹脂で覆われて発光ユニットを構成することを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項2〜4の何れか1つに記載のハンドルバー用スイッチ装置において、前記発光ユニットは、前記取付部に係止可能な係止爪を有したことを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れか1つに記載のハンドルバー用スイッチ装置において、前記取付部は、前記ケース部に形成された孔部又は切欠き部から成ることを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6の何れか1つに記載のハンドルバー用スイッチ装置において、前記発光手段と前記透過部位との間に形成され、当該発光手段の光を当該透過部位まで導くための導光部材を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、ケース部には、発光手段を当該ケース部の外部から取り付け可能な取付部が形成されたので、操作スイッチ手段のケース部に発光手段を任意選択的に配設可能とすることにより、操作ノブ部の視認性の向上及び意匠性の向上を図りつつコストの上昇を抑制することができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、発光手段は、光を透過可能なケース内に配設されて発光ユニットを構成するので、ケース部に対する発光手段の取り付け作業をより容易且つスムーズに行わせることができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、ケース内には、光を透過可能な樹脂を充填させて成るので、発光手段に対する防水性及び防塵性を向上させることができる。
【0018】
請求項4の発明によれば、発光手段は、光を透過可能なモールド樹脂で覆われて発光ユニットを構成するので、発光手段に対する防水性及び防塵性をより向上させることができるとともに、製造コストを低減させることができる。
【0019】
請求項5の発明によれば、発光ユニットは、取付部に係止可能な係止爪を有したので、ケース部に対する発光手段の取り付け作業をより容易に行わせることができるとともに、当該発光手段をケース部に対してより確実に取り付けることができる。
【0020】
請求項6の発明によれば、取付部は、ケース部に形成された孔部又は切欠き部から成るので、簡易な構成にて、ケース部に対する発光手段の取り付けをより確実且つスムーズに行わせることができる。
【0021】
請求項7の発明によれば、発光手段と透過部位との間には、当該発光手段の光を当該透過部位まで導くための導光部材が形成されたので、当該発光手段から照射された光をより効率的に透過部位まで至らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係るハンドルバー用スイッチ装置であって、ハンドルバーの左側先端部に固定されたハンドルバー用スイッチ装置を示す正面図
【図2】同ハンドルバー用スイッチ装置を示す斜視図
【図3】本発明の実施形態に係るハンドルバー用スイッチ装置であって、ハンドルバーの右側先端部に固定されたハンドルバー用スイッチ装置を示す正面図
【図4】同ハンドルバー用スイッチ装置を示す斜視図
【図5】同ハンドルバー用スイッチ装置における操作スイッチ手段(ディマースイッチ)を示す斜視図
【図6】同操作スイッチ手段(ディマースイッチ)を示す3面図
【図7】同操作スイッチ手段に取り付けられる発光手段を示す模式図であって、(a)側面図及び(b)正面図
【図8】同操作スイッチ手段に取り付けられる他の形態の発光手段を示す模式図であって、(a)側面図及び(b)正面図
【図9】同ハンドルバー用スイッチ装置における操作スイッチ手段(ホーンスイッチ)を示す斜視図
【図10】同操作スイッチ手段(ホーンスイッチ)を示す4面図
【図11】同ハンドルバー用スイッチ装置における操作スイッチ手段(アイドリングストップスイッチ)を示す斜視図
【図12】同操作スイッチ手段(アイドリングストップスイッチ)を示す4面図
【図13】同ハンドルバー用スイッチ装置における操作スイッチ手段(ライティングスイッチ)を示す斜視図
【図14】同操作スイッチ手段(ライティングスイッチ)を示す4面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係るハンドルバー用スイッチ装置は、先端に把持グリップが形成された二輪車(搭乗手段)のハンドルバーに取り付けられて操作ノブ部の操作に応じて二輪車に搭載された種々電装品を操作可能なもので、図1〜4に示すように、ハンドルバーHの左側先端部における把持グリップG1の基端側近傍に固定されたスイッチケース1を筐体としたもの(図1、2参照)、及びハンドルバーHの右側先端部における把持グリップG2(スロットルグリップ)の基端側近傍に固定されたスイッチケース5を筐体としたもの(図3、4参照)から構成されている。
【0024】
スイッチケース1には、車両が搭載する前照灯を前方照射と下方照射とに切り換えるためのディマースイッチ2、車両が搭載するホーンを鳴らすためのホーンスイッチ3、及び車両が搭載する左右いずれかのウィンカを点滅させるためのターンシグナルスイッチ4がそれぞれ取り付けられている。これらディマースイッチ2、ホーンスイッチ3及びターンシグナルスイッチ4は、本発明の操作スイッチ手段を構成するものであり、それぞれスイッチケース1の所定部位に嵌め込まれて組み付けられるようになっている。
【0025】
ディマースイッチ2は、図5、6に示すように、運転者が操作可能な操作ノブ部2aと、該操作ノブ部2aを揺動操作可能な状態で保持するケース部2bとを有した操作スイッチ手段から成る。かかる操作ノブ部2aの前面(運転者と対向する面)には、操作内容を表す図柄や文字等が印刷されているとともに、当該前面の所定部位には、光を透過可能な透過部位aが形成されている。この透過部位aは、例えば透明又は半透明な樹脂から成る部位とされ、ケース部2b内のLED9(発光手段)からの光を透過させ、その光を外部に照射可能とされている。
【0026】
ケース部2bは、スイッチケース1とは別個のディマースイッチ2の筐体を成すものであり、例えば樹脂成形品から成るとともに、操作ノブ部2aの揺動操作に応じて電気的にオン・オフ可能な接点等が内部に収容されている。かかるケース部2bには、スイッチケース1と係止可能な複数の係止爪2bbが一体形成されており、操作スイッチ手段としてのディマースイッチ2を当該スイッチケース1の所定部位に嵌め込み固定可能とされている。
【0027】
しかして、ディマースイッチ2がスイッチケース1に嵌め込まれると、操作ノブ部2aの前面及びケース部2bの前面が外部に臨んだ状態となる。そして、例えばディマースイッチ2の操作ノブ部2aを前方に揺動させると車両が搭載する前照灯を前方照射とするとともに、当該操作ノブ部2aを後方に揺動させると当該前照灯を下方照射とするよう切換操作が可能とされる。
【0028】
ここで、ケース部2bには、透過部位aを臨ませつつLED9(発光手段)を当該ケース部2bの外部から取り付け可能な取付部2baが形成されている。より具体的には、取付部2baは、ケース部2bの所定部位に形成された孔部又は切欠き部(側方に開口した孔部又は切欠き部)から成るものとされており、当該孔部又は切欠き部の開口からLED9(発光手段)を具備した発光ユニットYを挿通させることにより、当該LED9(発光手段)をケース部2b内に取り付け可能とされている。
【0029】
発光ユニットYは、図7に示すように、基板10に取り付けられたLED9(発光手段)と、光を透過可能なケースCとから主に構成されている。基板10は、その表面又は裏面に所定の電気回路(例えば増幅回路等)が形成されており、所定部位にLED9が搭載されたものである。なお、同図中符号hは、基板10の電気回路を介してLED9に電力を供給するための配線を示している。
【0030】
ケースCは、内部に基板10及びLED9を固定可能な例えば透明又は半透明の樹脂製部品から成り、その内部には、基板10及びLED9を固定させた状態にて、光を透過可能な樹脂を充填させて成るものである。しかるに、LED9に通電されて当該LED9から光が照射されると、その光がケースCを介して外部に照射されるよう構成されている。なお、本実施形態においては、ケースCの外周面におけるLED9からの光の照射位置にレンズ部Caが一体形成されており、光を透過部位aに向かって効率的に照射可能となっている。
【0031】
さらに、発光ユニットYにおけるケースCには、取付部2baに係止可能な一対の係止爪Cbが形成されている。すなわち、取付部2baには、係止爪Cbを係止可能な被係止部(不図示)が形成されており、当該被係止部に係止爪Cbを係止させると、LED9を透過部位aに臨ませた位置としつつ発光ユニットYをケース部2bの取付部2baに取り付け可能とされている。このように、本実施形態においては、取付部2baに対して発光ユニットYをケース部2bの外部から挿通させ、係止爪Cbにて係止させて取り付けることにより、LED9を透過部位aに臨ませつつ固定させることができるのである。
【0032】
本実施形態によれば、LED9(発光手段)は、光を透過可能なケースC内に配設されて発光ユニットYを構成するので、ケース部2bに対するLED9の取り付け作業をより容易且つスムーズに行わせることができる。また、発光手段は、所定の電気回路が形成された基板10に取り付けられたLED9から成るとともに、ケースC内には、光を透過可能な樹脂を充填させて成るので、LED9に対する防水性及び防塵性を向上させることができる。
【0033】
さらに、本実施形態によれば、取付部2baに対して発光ユニットYをケース部2bの外部から挿通させ、係止爪Cbにて係止させて取り付け可能とされるので、発光ユニットYのケース部2bに対する位置決めを容易に行わせることができ、LED9を透過部位aに対して精度よく対向させることができるのである。しかるに、本実施形態においては、発光ユニットYに係止爪Cbを形成しておき、ケース部2bの取付部2ba側に被係止部を形成するものとしているが、これに代えて、ケース部2bの取付部2ba側に係止爪を形成しておき、当該係止爪と係止可能な被係止部を発光ユニットYに形成するものとしてもよい。
【0034】
なお、本実施形態においては、発光ユニットYがケースC内に固定され、当該ケースC内に所定の樹脂を充填させて成るものとされているが、これに代え、図8に示すように、LED9(発光手段)が光を透過可能なモールド樹脂Mで覆われて発光ユニットY’を構成するものとしてもよい。すなわち、図7のものと同様、所定の電気回路が形成された基板10上にLED9が取り付けられたものを所定の成形型内に位置決めさせ、その成形型内にモールド樹脂Mを投入させた後、当該モールド樹脂Mを冷却固化させることにより発光ユニットY’を得るようにしたものとしてもよいのである。
【0035】
このように、光を透過可能なモールド樹脂MでLED9(発光手段)が覆われて発光ユニットY’を構成するようにすれば、LED9(発光手段)に対する防水性及び防塵性をより向上させることができるとともに、図7の如きケースCを不要とすることができ、製造コストを低減させることができる。なお、この場合においても、樹脂モールド樹脂MにおけるLED9からの光の照射位置に、図7のレンズ部Caと同様のレンズ部を一体形成するようにしてもよい。
【0036】
さらに、発光ユニットY’は、係止爪Maが一体形成されており、ケース部2bの取付部2baに係止可能とされている。これにより、取付部2baに対して発光ユニットY’をケース部2bの外部から挿通させ、係止爪Maにて係止させて取り付け可能とされるので、ケース部2bに対する発光ユニットY’の位置決めを容易に行わせることができ、LED9を透過部位aに対して精度よく対向させることができるのである。
【0037】
ホーンスイッチ3は、図9、10に示すように、運転者が操作可能な操作ノブ部3aと、該操作ノブ部3aを揺動操作(又は押圧操作)可能な状態で保持するケース部3bとを有した操作スイッチ手段から成る。かかる操作ノブ部3aの前面(運転者と対向する面)には、操作内容を表す図柄や文字等が印刷されている。
【0038】
ケース部3bは、スイッチケース1とは別個のホーンスイッチ3の筐体を成すものであり、例えば樹脂成形品から成るとともに、操作ノブ部3aの揺動操作に応じて電気的にオン・オフ可能な接点等が内部に収容されている。かかるケース部3bには、スイッチケース1と係止可能な複数の係止爪3bbが一体形成されており、操作スイッチ手段としてのホーンスイッチ3を当該スイッチケース1の所定部位に嵌め込み固定可能とされている。
【0039】
しかして、ホーンスイッチ3がスイッチケース1に嵌め込まれると、操作ノブ部3aの前面及びケース部3bの前面が外部に臨んだ状態となる。そして、例えばホーンスイッチ3の操作ノブ部3aを揺動操作又は押圧操作すると、車両が搭載するホーンを鳴らすことができる。さらに、本実施形態においては、ケース部3bの前面の所定部位には、光を透過可能な透過部位bが形成されている。この透過部位bは、例えば透明又は半透明な樹脂から成る部位とされ、ケース部3b内のLED9(発光手段)からの光を透過させ、その光を外部に照射可能とされている。
【0040】
ここで、ケース部3bには、透過部位bを臨ませつつLED9(発光手段)を当該ケース部3bの外部から取り付け可能な取付部3baが形成されている。より具体的には、取付部3baは、ケース部3bの所定部位に形成された孔部又は切欠き部(側方に開口した孔部又は切欠き部)から成るものとされており、当該孔部又は切欠き部の開口からLED9(発光手段)を具備した発光ユニットYを挿通させることにより、当該LED9(発光手段)をケース部3b内に取り付け可能とされている。
【0041】
なお、ホーンスイッチ3に適用される発光ユニットは、ディマースイッチ2に適用されたものと同様の構成(図7、8参照)であり、ケース部3bの取付部3baに形成された被係止部(不図示)に発光ユニットY又はY’に形成された係止爪Cb又はMaを係止させることにより、LED9を透過部位bに臨ませた位置としつつ発光ユニットY又はY’をケース部3bの取付部3baに取り付け可能とされている。このように、本実施形態においては、取付部3baに対して発光ユニットY又はY’をケース部3bの外部から挿通させ、係止爪Cb又はMaにて係止させて取り付けることにより、LED9を透過部位bに臨ませつつ固定させることができるのである。
【0042】
さらに、本実施形態に係るターンシグナルスイッチ4は、上記ディマースイッチ2及びホーンスイッチ3と同様、スイッチケース1の所定部位に嵌め込まれて組み付けられるもので、運転者が操作可能な操作ノブ部と、該操作ノブ部を操作(スライド操作又は揺動操作)可能な状態で保持するケース部とを有した操作スイッチ手段から成る。かかる操作ノブ部の前面(運転者と対向する面)には、操作内容を表す図柄や文字等が印刷されているとともに、ケース部の前面における所定部位には、光を透過可能な透過部位cが形成されている。
【0043】
この透過部位cは、例えば透明又は半透明な樹脂から成る部位とされ、ターンシグナルスイッチ4におけるケース部内のLED9(発光手段)からの光を透過させ、その光を外部に照射可能とされている。なお、当該ターンシグナルスイッチ4のケース部には、発光ユニットY、Y’を取り付けるための取付部(孔部又は切欠き部から成る取付部)が形成されている。この取付部は、ディマースイッチ2及びホーンスイッチ3のものと同様、透過部位cを臨ませつつLED9(発光手段)をケース部の外部から取り付け可能とされたものである。
【0044】
ここで適用される発光ユニットは、ディマースイッチ2に適用されたものと同様の構成(図7、8参照)であり、ケース部の取付部に形成された被係止部(何れも不図示)に発光ユニットY又はY’に形成された係止爪Cb又はMaを係止させることにより、LED9を透過部位cに臨ませた位置としつつ発光ユニットY又はY’をケース部の取付部に取り付け可能とされている。
【0045】
一方、スイッチケース5には、車両のエンジンを一時的に停止させてアイドリングストップを行わせるためのアイドリングストップスイッチ6、車両が搭載する前照灯をオン・オフするためのライティングスイッチ7、及びセルスタータを作動させて車両のエンジンを始動させるスタートスイッチ8がそれぞれ取り付けられている。これらアイドリングストップスイッチ6、ライティングスイッチ7及びスタートスイッチ8は、本発明の操作スイッチ手段を構成するものであり、それぞれスイッチケース5の所定部位に嵌め込まれて組み付けられるようになっている。
【0046】
アイドリングストップスイッチ6は、図11、12に示すように、運転者が操作可能な操作ノブ部6aと、該操作ノブ部6aを揺動操作可能な状態で保持するケース部6bとを有した操作スイッチ手段から成る。かかる操作ノブ部6aの前面(運転者と対向する面)には、操作内容を表す図柄や文字等が印刷されているとともに、当該前面の所定部位には、光を透過可能な透過部位dが形成されている。この透過部位dは、例えば透明又は半透明な樹脂から成る部位とされ、ケース部6b内のLED9(発光手段)からの光を透過させ、その光を外部に照射可能とされている。
【0047】
ケース部6bは、スイッチケース5とは別個のアイドリングストップスイッチ6の筐体を成すものであり、例えば樹脂成形品から成るとともに、操作ノブ部6aの揺動操作に応じて電気的にオン・オフ可能な接点等が内部に収容されている。かかるケース部6bには、スイッチケース5と係止可能な複数の係止爪6bbが一体形成されており、操作スイッチ手段としてのアイドリングストップスイッチ6を当該スイッチケース5の所定部位に嵌め込み固定可能とされている。
【0048】
しかして、アイドリングストップスイッチ6がスイッチケース5に嵌め込まれると、操作ノブ部6aの前面及びケース部6bの前面が外部に臨んだ状態となる。そして、例えばアイドリングストップスイッチ6の操作ノブ部6aを後方に揺動させると車両のエンジンをアイドリングストップさせるとともに、前方に揺動させると車両のエンジンのアイドリングを再開させるようになっている。
【0049】
ここで、ケース部6bには、透過部位dを臨ませつつLED9(発光手段)を当該ケース部6bの外部から取り付け可能な取付部6baが形成されている。より具体的には、取付部6baは、ケース部6bの所定部位に形成された孔部又は切欠き部(側方に開口した孔部又は切欠き部)から成るものとされており、当該孔部又は切欠き部の開口からLED9(発光手段)を具備した発光ユニットY又はY’(図7、8参照)を挿通させることにより、当該LED9(発光手段)をケース部2b内に取り付け可能とされている。
【0050】
ライティングスイッチ7は、図13、14に示すように、運転者が操作可能な操作ノブ部7aと、該操作ノブ部7aを摺動操作(又は揺動操作)可能な状態で保持するケース部7bとを有した操作スイッチ手段から成る。かかる操作ノブ部7aの前面(運転者と対向する面)には、操作内容を表す図柄や文字等が印刷されている。
【0051】
ケース部7bは、スイッチケース5とは別個のライティングスイッチ7の筐体を成すものであり、例えば樹脂成形品から成るとともに、操作ノブ部7aの揺動操作に応じて電気的にオン・オフ可能な接点等が内部に収容されている。かかるケース部7bには、スイッチケース5と係止可能な複数の係止爪が一体形成されており、操作スイッチ手段としてのライティングスイッチ7を当該スイッチケース5の所定部位に嵌め込み固定可能とされている。
【0052】
しかして、ライティングスイッチ7がスイッチケース5に嵌め込まれると、操作ノブ部7aの前面及びケース部7bの前面が外部に臨んだ状態となる。そして、例えばライティングスイッチ7の操作ノブ部7aを摺動操作又は揺動操作すると、車両が搭載する前照灯をオン・オフすることができる。さらに、本実施形態においては、ケース部7bの前面の所定部位には、光を透過可能な透過部位eが形成されている。この透過部位eは、例えば透明又は半透明な樹脂から成る部位とされ、ケース部7b内のLED9(発光手段)からの光を透過させ、その光を外部に照射可能とされている。
【0053】
ここで、本実施形態に係るライティングスイッチ7におけるケース部7bには、発光ユニットY又はY’を当該ケース部7bの外部から取り付け可能な取付部7baが一体形成されているとともに、この取付部7baに取り付けられた発光ユニットY又はY’と透過部位eとの間には、導光部材11が取り付けられるよう構成されている。当該ライティングスイッチ7に適用される発光ユニットY又はY’は、ディマースイッチ2に適用されたものと同様の構成(図7、8参照)であるが、ケース部7bの外部に取り付けられるものとされている。
【0054】
かかる導光部材11は、LED9(発光手段)と透過部位eとの間に形成され、当該LED9の光を当該透過部位eまで導くためのものである。しかして、LED9から照射された光は、導光部材11を通過して透過部位eに至り、そこから外部に照射されることとなる。なお、かかる導光部材11は、ケース部7bに一体形成された係止部7bbによって係止されることにより、当該ケース部7bに固定されるよう構成されている。
【0055】
このように、LED9(発光手段)と透過部位eとの間に形成され、当該LED9の光を当該透過部位eまで導くための導光部材11を有するものとすれば、光の拡散を抑制することができ、当該LED9から照射された光をより効率的に透過部位eまで至らせることができる。また、本実施形態においては、ケース部7bの外部に発光ユニットY又はY’を取り付けるための取付部位7baが形成されているが、ケース部7bの内部に当該取付部位7baを形成するようにしてもよい。
【0056】
さらに、本実施形態に係るスタートスイッチ8は、上記アイドリングストップスイッチ6及びライティングスイッチ7と同様、スイッチケース5の所定部位に嵌め込まれて組み付けられるもので、運転者が操作可能な操作ノブ部と、該操作ノブ部を操作(押圧操作又は揺動操作)可能な状態で保持するケース部とを有した操作スイッチ手段から成る。かかる操作ノブ部の前面(運転者と対向する面)には、操作内容を表す図柄や文字等が印刷されているとともに、その前面における所定部位には、光を透過可能な透過部位fが形成されている。
【0057】
この透過部位fは、例えば透明又は半透明な樹脂から成る部位とされ、スタートスイッチ8におけるケース部内のLED9(発光手段)からの光を透過させ、その光を外部に照射可能とされている。なお、当該スタートスイッチ8のケース部には、発光ユニットY、Y’を取り付けるための取付部(孔部又は切欠き部から成る取付部)が形成されている。この取付部は、アイドリングストップスイッチ6及びライティングスイッチ7のものと同様、透過部位fを臨ませつつLED9(発光手段)をケース部の外部から取り付け可能とされたものである。
【0058】
ここで適用される発光ユニットは、ディマースイッチ2に適用されたものと同様の構成(図7、8参照)であり、ケース部の取付部に形成された被係止部(何れも不図示)に発光ユニットY又はY’に形成された係止爪Cb又はMaを係止させることにより、LED9を透過部位fに臨ませた位置としつつ発光ユニットY又はY’をケース部の取付部に取り付け可能とされている。
【0059】
上記実施形態によれば、操作スイッチ手段(本実施形態においては、ディマースイッチ2、ホーンスイッチ3、ターンシグナルスイッチ4、アイドリングストップスイッチ6、ライティングスイッチ7及びスタートスイッチ8)のケース部には、透過部位(a〜f)を臨ませつつLED9(発光手段)を当該ケース部の外部から取り付け可能な取付部が形成されたので、操作スイッチ手段のケース部にLED9(発光手段)を任意選択的に配設可能とすることにより、操作ノブ部の視認性の向上及び意匠性の向上を図りつつコストの上昇を抑制することができる。
【0060】
すなわち、操作ノブ部又はケース部の前面における透過部位から光を照射させる操作スイッチ手段においては、取付部位に発光ユニットを取り付ける一方、当該透過部位から光を照射させる必要がない操作スイッチ手段においては、当該取付部位に発光ユニットを取り付けないよう任意選択することが可能とされており、全ての操作スイッチ手段に発光ユニット(すなわち発光手段)を取り付ける必要があるものに比べ、コストの上昇を抑制することができるのである。
【0061】
さらに、本実施形態(特に、ライティングスイッチ7を除く他の操作スイッチ手段)によれば、LED9(発光手段)を取り付けるための取付部は、ケース部に形成された孔部又は切欠き部から成るので、簡易な構成にて、ケース部に対するLED9(発光手段)の取り付けをより確実且つスムーズに行わせることができる。なお、ライティングスイッチ7においては、ケース部7bの外部に発光ユニットY、Y’を取り付けるための取付部7bが形成されているので、当該発光ユニットY、Y’の取付作業をより容易に行わせることができる。
【0062】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばLED9に代えて他の発光手段(ランプ等)としてもよい。なお、LED9又は他のランプ等から成る発光手段を単独でケース部内に配設させることにより、発光ユニットを構成しないものとしてもよい。また、本実施形態においては、スイッチケース1を筐体としたもの(図1、2参照)、及びスイッチケース5を筐体としたもの(図3、4参照)の両方に適用されているが、何れか一方のみ適用するものとしてもよく、或いは何れか一方における特定の操作スイッチ手段のみに適用したものとしてもよい。
【0063】
しかるに、本実施形態においては、操作ノブ部又はケース部の前面における所定部位に光を透過可能な透過部位(a〜f)が形成されているが、かかる透過部位が操作ノブ部の操作内容を表すための文字又は図柄に沿って形成され、当該文字又は図柄が光るようにしてもよい。ここで、例えば透明又は半透明部材を成形して操作ノブ部を成形するものとし、透過部位(a〜f)以外の表面に対して光を透過しない加工(着色等)を施すようにして当該透過部位(a〜f)を形成するのが好ましい。
【0064】
さらに、本実施形態においては、ハンドルバーHの先端部における把持グリップG1、G2の基端側近傍に固定されたスイッチケース(1、5)を筐体としているが、例えばハンドルバーの中央部を覆うカバー(メータパネル等を保持するカバー)を筐体とし、当該カバーの所定部位に嵌め込まれる操作スイッチ手段に適用するようにしてもよい。また更に、本実施形態においては、二輪車に適用されているが、ハンドルバーを有した他の搭乗手段に適用するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
操作ノブ部又はケース部の前面には、光を透過可能な透過部位が形成されるとともに、ケース部には、当該透過部位を臨ませつつ発光手段を当該ケース部の外部から取り付け可能な取付部が形成されたハンドルバー用スイッチ装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 スイッチケース
2 ディマースイッチ
3 ホーンスイッチ
4 ターンシグナルスイッチ
5 スイッチケース
6 アイドリングストップスイッチ
7 ライティングスイッチ
8 スタートスイッチ
9 LED(発光手段)
10 基板
11 導光部材
a〜f 透過部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者が操作可能な操作ノブ部と、該操作ノブ部を操作可能な状態で保持するケース部とを有した操作スイッチ手段を具備するとともに、先端に把持グリップが形成された搭乗手段のハンドルバーに取り付けられて前記操作ノブ部の操作に応じて前記搭乗手段に搭載された種々電装品を操作可能なハンドルバー用スイッチ装置において、
前記操作ノブ部又はケース部の前面には、光を透過可能な透過部位が形成され、且つ、前記ケース部には、当該透過部位に隣接して取付部が形成されるとともに、当該取付部には、発光手段が前記ケース部の外部から取り付けられたことを特徴とするハンドルバー用スイッチ装置。
【請求項2】
前記発光手段は、光を透過可能なケース内に配設されて発光ユニットを構成することを特徴とする請求項1記載のハンドルバー用スイッチ装置。
【請求項3】
前記ケース内には、光を透過可能な樹脂を充填させて成ることを特徴とする請求項2記載のハンドルバー用スイッチ装置。
【請求項4】
前記発光手段は、光を透過可能なモールド樹脂で覆われて発光ユニットを構成することを特徴とする請求項1記載のハンドルバー用スイッチ装置。
【請求項5】
前記発光ユニットは、前記取付部に係止可能な係止爪を有したことを特徴とする請求項2〜4の何れか1つに記載のハンドルバー用スイッチ装置。
【請求項6】
前記取付部は、前記ケース部に形成された孔部又は切欠き部から成ることを特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載のハンドルバー用スイッチ装置。
【請求項7】
前記発光手段と前記透過部位との間に形成され、当該発光手段の光を当該透過部位まで導くための導光部材を有することを特徴とする請求項1〜6の何れか1つに記載のハンドルバー用スイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−6466(P2013−6466A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139240(P2011−139240)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000213954)朝日電装株式会社 (184)
【Fターム(参考)】