説明

ハードキー割当方法、ハードキー割当装置およびハードキー割当システム

【課題】 装置に配置されハードキーについて、特定動作態様の動作機能の割当てを可能にする。
【解決手段】 表示部11は、デフォルト動作態様および所定の特定動作態様で動作し、デフォルト動作態様の動作指示に割当てられた操作用のハードキーが配置された装置Bについて、特定動作態様の動作機能およびハードキーの内容を表示する。選択部9は、表示された動作機能からの選択およびハードキーの選択を受付ける。ハードキー機能割当部21は、選択されたハードキーに対し、選択された動作機能を特定動作態様における動作機能として割り当てる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はハードキー割当方法、ハードキー割当装置およびハードキー割当システムに係り、電子機器、特に、ブラウザを搭載した複写機、プリンタ、ファクシミリ機又はこれらの機能を有する複合機(MFP:Multi Function Peripheral)等の画像形成装置を用いるうえで有用なハードキー割当方法、ハードキー割当装置およびハードキー割当システムの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複合機等の画像形成装置においては、機能の豊富化に伴い、それらの機能の選択や実行を入力するために、画像形成装置本体に配置した複数の操作ボタン(ハードキー)を押下操作したり、表示部に表示した動作画面にあるタッチボタン(ソフトキー)をタッチする等して操作指示する構成が提供されている。
【0003】
このような多機能の画像形成装置では、これを使用するユーザの多様化に伴い、種々の動作機能の切り換えや実行のために、ハードキーやソフトキーに割り当てる機能を変更したいとする要望がある。
【0004】
このような要望に応える公知の特許文献としては、例えば特開2007−105895号公報(特許文献1)の画像形成装置のように、機能追加に対応して操作パネルを変更表示制御して誤操作を防止する構成や、特開2008−1026号公報(特許文献2)の記録装置のように、操作画面毎にファンクションキーの機能割当てを変更可能に構成してファンクションキーの増加や操作性の低下を防止する提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−105895号公報
【特許文献2】特開2008−1026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年、多機能の画像形成装置において、例えばスタートキー、ストップキー、リセットキー、エンターキー等のようにデフォルト機能が割り当てられたハードキーに対し、当該装置本来のデフォルト機能を維持したまま、動作機能を追加や変更した特定動作機能の下で、任意の動作機能の入力指示を割当てることが可能な構成が要求されるようになってきた。
【0007】
この点、上述した特許文献1、2は、機能追加に応じて操作パネル表示を変更したり、ファンクションキーの機能割当てを変更する構成であり、上述した要請に対応し難く、改善が望まれている。
【0008】
特に、近年、画像形成装置において、実行させるアプリケーションプログラムをユーザが出荷後にカスタマイズし易いよう、製造メーカ側がWeb(World Wide Web)アプリケーションプログラム開発用の作成ツール(SDK:software development kit)を提供するようになってきており、その作成ツールを用いてユーザが種々の機能変更する事例が増加するとともに、そのアプリケーションプログラムをカスタマイズするうえで、ハードキーへの機能割当てを変更する要望も強くなっている。
【0009】
本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、装置に配置された操作用のハードキーに対し、特定動作態様における動作機能の割当てが可能で、ユーザの使い勝手を向上させるとともに、カスタマイズに資するハードキー割当方法、ハードキー割当装置およびハードキー割当システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのような課題を解決するために本発明の請求項1に係るハードキー割当方法は、デフォルト動作態様および所定の特定動作態様で動作し、そのデフォルト動作態様の動作指示に割当てられた操作用のハードキーが配置された装置について、それら特定動作態様の動作機能およびハードキーの内容を表示する表示工程と、表示された動作機能およびハードキーを選択する選択工程と、選択されたハードキーに対し、選択された動作機能を特定動作態様における動作機能として割り当てるハードキー機能割当工程と、を具備している。
【0011】
本発明の請求項2に係るハードキー割当方法は、上記表示工程がその特定動作態様の動作機能一覧を表示し、上記選択工程が表示された動作機能一覧から動作機能を選択する構成である。
【0012】
本発明の請求項3に係るハードキー割当方法は、上記表示工程が特定動作態様におけるソフトキーを含む動作画面を表示し、上記選択工程が表示されたソフトキーを選択し、上記ハードキー機能割当工程が、選択されたハードキーに対し選択されたソフトキーの機能を割当てる構成である。
【0013】
本発明の請求項4に係るハードキー割当方法は、上記ハードキー機能割当工程が、選択されたソフトキーの動作機能と同機能のデフォルト動作機能における動作機能をハードキーに割当てる構成である。
【0014】
本発明の請求項5に係るハードキー割当装置、デフォルト動作態様および所定の特定動作態様で動作し、デフォルト動作態様の動作指示に割当てられた操作用のハードキーが配置された装置について、特定動作態様の動作機能およびハードキーの内容を表示する表示部と、表示された動作機能およびハードキーの選択を受付ける選択部と、選択されたハードキーに対し、選択された動作機能を特定動作態様における動作機能として割り当てるハードキー機能割当部と、を具備している。
【0015】
本発明の請求項6に係るハードキー割当装置は、上記表示部が特定動作態様の動作機能一覧を表示し、上記選択部が表示された動作機能一覧から動作機能の選択を受付ける構成である。
【0016】
本発明の請求項7に係るハードキー割当装置は、上記表示部が特定動作態様におけるソフトキーを含む動作画面を表示し、上記選択部が表示されたソフトキーの選択を受付け、上記ハードキー機能割当部が、選択されたハードキーに対し選択されたソフトキーの機能を割当てる構成である。
【0017】
本発明の請求項8に係るハードキー割当システムは、ハードキー割当装置とこれにネットワークを介して接続されデフォルト動作態様および所定の特定動作態様で動作する画像形成装置とを具備している。
【0018】
そして、上記ハードキー割当装置は、それらデフォルト動作態様および特定動作態様に係る態様情報を画像形成装置にネットワークを介して送信し、選択情報を画像形成装置からネットワークを介して受信する第1の通信部と、この第1の通信部で受信した選択情報に基づき、選択された動作機能を選択されたハードキーに特定動作態様の動作機能として割り当てるハードキー機能割当部と、を具備している。
【0019】
上記画像形成装置は、画像データからこれを画像形成する画像形成部と、そのデフォルト動作態様の動作指示に割当てられた操作用のハードキーと、それら特定動作態様の動作機能およびハードキーの内容を表示する表示部と、表示された動作機能およびハードキーの選択を受付ける選択部と、その態様情報をハードキー割当装置からネットワークを介して受信し、選択された動作機能およびハードキーに係る選択情報をハードキー割当装置にネットワークを介して送信する第2の通信部と、を具備している。
【0020】
本発明の請求項9に係るハードキー割当システムは、上記表示部が特定動作態様の動作機能一覧を表示し、上選択部が表示された動作機能一覧から動作機能の選択を受付ける構成である。
【0021】
本発明の請求項10に係るハードキー割当システムは、上記表示部が特定動作態様におけるソフトキーを含む動作画面を表示し、上記選択部が表示されたソフトキーの選択を受付け、上記ハードキー機能割当部が、選択されたハードキーに対し選択されたソフトキーの機能を割当てる構成である。
【発明の効果】
【0022】
このような本発明の請求項1、5に係るハードキー割当方法およびハードキー割当装置では、操作用のハードキーが配置された装置について、特定動作態様の動作機能およびハードキーの内容を表示し、表示された動作機能およびハードキーを選択し、選択されたハードキーに対し、選択された動作機能を特定動作態様における動作機能として割り当てるから、装置に配置されデフォルト動作態様の動作指示に割当てられた操作用のハードキーについて、特定動作態様における動作機能の割当てが可能で、ユーザの使い勝手を向上させるとともに、カスタマイズに資する。
【0023】
本発明の請求項2、6に係るハードキー割当方法およびハードキー割当装置では、特定動作態様の動作機能一覧を表示し、表示された動作機能一覧から動作機能を選択するから、ユーザの使い勝手を一層向上させることが容易である。
【0024】
本発明の請求項3、7に係るハードキー割当方法およびハードキー割当装置では、特定動作態様におけるソフトキーを含む動作画面を表示し、表示されたソフトキーを選択し、選択されたハードキーに対し選択されたソフトキーの機能を割当てるから、ユーザの使い勝手を更に向上させることが容易である。
【0025】
本発明の請求項4に係るハードキー割当方法では、選択されたソフトキーの動作機能と同機能のデフォルト動作機能における動作機能をハードキーに割当てるから、特定動作態様の動作をデフォルト動作態様と同様の感覚で使用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係るハードキー割当方法を実施するハードキー割当装置を含むハードキー割当システムを示す概略ブロック図である。
【図2】本発明に係るハードキー割当装置の表示部における表示状態を説明する図である。
【図3】本発明に係るハードキー割当装置の動作を説明する図である。
【図4】本発明における画像形成装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図5】本発明における画像形成装置の操作パネル部を説明する図である。
【図6】本発明に係るハードキー割当システムの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、本発明に係るハードキー割当方法およびハードキー割当装置は、本発明に係るハードキー割当システムを説明する過程で説明する。
【0028】
図1は本発明に係るハードキー割当装置の実施の一形態をハードキー割当システムとともに示す概略ブロック図である。
【0029】
図1において、ハードキー割当システムは、ハードキー割当装置AとこれにネットワークNTを介して接続された画像形成装置Bとを有して構成されている。
【0030】
ハードキー割当装置Aは、CPU(central processing unit)1を中心にしてROM(read only memory)3、RAM(random access memory)5、第1の記憶部7、選択部9、表示部11、第1の通信部13を有し、例えば情報処理装置(コンピュータ)である。情報処理装置としてはこれ以外にも種々の構成を有するが、本発明の要部ではないので説明および図示を省略する。
【0031】
CPU1は、ROM3、RAM5、第1の記憶部7、選択部9、表示部11および第1の通信部13その他を制御する制御部であるが、詳細は後述する。
【0032】
ROM3はCPU1の例えば起動動作プログラムを格納したメモリであり、RAM5はCPU1の動作に伴うプログラムを移してこの実行用および作業用に用いるメモリである。
【0033】
第1の記憶部7は、ハードキー割当装置Aの動作プログラム、Webアプリケーションプログラム作成用の作成ツール(SDK)、文書管理ソフトで代表される業務系アプリケーション、後述するハードキー割当一覧情報等を格納する例えばハードディスクである。
【0034】
作成ツール(SDK)は、画像形成装置Bを動作させるアプリケーションプログラムのうち、予め製造元や供給元が設置した本来の標準動作となるデフォルト動作形態を実現するアプリケーションプログラムに対し、ユーザがそのデフォルト動作形態を変更させた特定動作形態を実現するためのアプリケーションプログラムを作成するプログラムである。
【0035】
すなわち、作成ツール(SDK)は、デフォルト動作形態に加えて画像形成装置Bを特定動作形態で動作させるアプリケーションプログラムを作成するものである。
【0036】
選択部9は、例えば公知のキーボードやマウス(図示せず。)であり、CPU1の制御の下、種々の操作の入力を受け付けるとともに、アプリケーションプログラムの作成等のために外部から対応付け指示を受けるとともに、後述するように表示部11で表示された特定動作形態の動作機能および画像形成装置Bのハードキー(後述する図5中のハードキー39参照)の選択を受付ける入力操作部として機能する。
【0037】
表示部11は、ハードキー割当装置Aの動作状態を表示するとともに、例えば、図2に示すように、コントロールパネル15、画像形成装置Bのハードキー一覧17、特定動作態様の動作機能一覧19等を表示する公知のディスプレイであり、CPU1によって表示制御される。
【0038】
ハードキー一覧17は、接続を予定する画像形成装置Bに係るハードキーを予め第1の記憶部7に格納しておいたり、画像形成装置BからネットワークNTを介して受信して第1の記憶部7に格納しておく。
【0039】
図1の第1の通信部13は、所定のプロトコルに従い、画像形成装置BからネットワークNTを介して要求メッセージ(HTTPリクエスト)を受信し、要求メッセージに応じた応答メッセージ(HTTPレスポンス)および動作指示情報を画像形成装置BにネットワークNTを介して送信する機能を有している。
【0040】
第1の通信部13は、デフォルト動作形態および特定動作形態の形態情報をネットワークNTを介して画像形成装置Bに送信するとともに、後述するように、選択されたハードキーおよび特定動作形態中の動作機能である選択情報を画像形成装置BからネットワークNTを介して受信する機能を有する。
【0041】
CPU1は、ROM3、RAM5、第1の記憶部7、選択部9、表示部11および第1の通信部13を制御し、受信した要求メッセージ(HTTPリクエスト)に応じた動作指示情報を作成制御するとともに、ハードキー機能割当部21としての機能を有している。動作指示情報は、例えばスキャナ起動要求メッセージに対し、スキャナを起動させる動作実行指示情報である。
【0042】
ハードキー機能割当部21は、表示部11で表示されたハードキー一覧17から選択部9で選択されたハードキーに対し、やはり表示された特定動作形態の動作機能一覧19から選択された動作機能を、特定動作形態の動作機能として割り当てる機能を有している。
【0043】
すなわち、例えば図2に示すように、表示部11にコントロールパネル15、画像形成装置Bのハードキー一覧17、特定動作態様の動作機能一覧19が表示された状態において、選択部9の例えばマウスによってカーソル(図示省略)で個々のハードキー(例えばスタートキー)を選択(ドラッグ)してコントロールパネル15上にドロップし、個々の動作機能(例えばスキャナ機能)を選択(ドラッグ)してコントロールパネル15上のハードキー(スタートキー)上でドロップすることにより、ハードキー(スタートキー)に特定動作態様中の動作機能(スキャナ機能)が割当てられる。
【0044】
ハードキーへの割当は、作成ツール(SDK)による特定動作形態に係るアプリケーションプログラム作成過程において実行され、例えば第1の記憶部7にアプリケーションプログラムとともにハードキー割当一覧情報として記憶される。
【0045】
なお、選択されたハードキーは、デフォルト動作形態の動作については、標準の動作機能が依然として割り当てられた状態が保持されている。
【0046】
次に、本発明のハードキー割当装置Aの動作を簡単に説明する。
【0047】
特定動作形態に係るアプリケーションプログラム作成過程において、図2に示すように、表示部11にコントロールパネル15、特定動作態様の動作機能一覧19および画像形成装置Bのハードキー一覧17を表示し(表示工程)、選択部9のマウスによってカーソルで個々のハードキー(スタートキー)をドラッグ(選択工程)してコントロールパネル15上にドロップし、個々の動作機能(スキャナ機能)をドラッグ(選択工程)してコントロールパネル15上のハードキー(スタートキー)上でドロップすると、ハードキー機能割当部21がハードキー(スタートキー)に特定動作態様中の動作機能(スキャナ機能)を割当てる(ハードキー機能割当工程)。
【0048】
これらの主要工程が本発明のハードキー割当方法を構成する。
【0049】
このように、本発明に係るハードキー割当装置Aは、デフォルト動作態様および所定の特定動作態様で動作し、デフォルト動作態様の動作指示に割当てられた操作用のハードキーが配置された画像形成装置Bについて、ハードキー一覧(内容)17および特定動作態様の動作機能一覧19を表示する表示部11と、表示されたハードキー一覧(内容)17からの選択および動作機能一覧19からの選択を受付ける選択部(選択部)9と、選択されたハードキーに対し選択された動作機能を特定動作態様における動作機能として割り当てるハードキー機能割当部21とを具備している。
【0050】
そのため、画像形成装置Bに配置されデフォルト動作態様の動作指示に割当てられた操作用のハードキー一覧(内容)17について、特定動作態様の動作機能一覧19から個々の割当てが可能である。
【0051】
例えば、画像形成装置Bが特定動作態様の動作中に、スタートキーを押下操作すると、特定動作態様における動作イベントとしのスキャナ起動動作の操作入力として機能させることが可能となり、ユーザの使い勝手を向上させるとともに、アプリケーションプログラムのカスタマイズが拡大される。
【0052】
しかも、特定動作態様としては、上述したスキャナ起動動作とともに、これによって取り込んだ画像データやドキュメントを文書管理ソフトに保存するという2動作を1ハードキーに割当て実行させることも可能であり、ハードキー機能割当部21を形成実行させるプログラム等によって任意に構成可能である。
【0053】
そして、上述した構成では、特定動作態様の動作機能一覧19からハードキーを割当てる構成であったが、本発明はこれに限定されない。
【0054】
例えば、図3に示すように、表示部11において特定動作態様の個々のソフトキー23a、23b、23cを含むソフトキー一覧23を表示し、ハードキー機能割当部21は、上述したようにハードキーおよびソフトキー23a〜23cをドラッグ・アンド・ドロップしてソフトキー機能を割当てることも可能である。
【0055】
なお、ソフトキー一覧23は、特定動作形態に係るアプリケーションプログラムの動作による動作画面中に表示されるものである。
【0056】
このような構成では、既に設定されたソフトキー23a〜23cを含む動作画面を表示し(表示工程)、表示されたソフトキー23a〜23cを選択し、選択されたハードキーにソフトキー23a〜23cの機能を割当てることが可能である。
【0057】
しかも、選択されたソフトキー23a〜23cの動作機能と同機能のデフォルト動作機能における動作機能が割り当てられたハードキーに対し、その同機能を割当てることも可能である。
【0058】
このような構成では、選択されたソフトキー23a〜23cの動作機能と同機能のデフォルト動作機能における動作機能をハードキーに割当てれば、特定動作態様の動作をデフォルト動作態様の動作と同様の感覚で使用可能となる。
【0059】
そして、本発明のハードキー割当装置では、ソフトキーの機能割当として、既にレイアウト済みのソフトキーの名前(ボタン名称)をハードキーに割り当てる構成も含み、ハードキーの押下操作によってソフトキーの名前に対応設定した処理(イベント)を実行させたり発生させることも可能である。
【0060】
さらに、本発明のハードキー割当装置では、上述した画像形成装置Bに対する処理の割当てに限らず、情報処理装置(コンピュータ)における上述した文書管理ソフト等の動作中に、例えばスタートキーを押下してその文書管理ソフトにファイルやデータを保存する処理を割当てる構成等ユーザにより任意に設定が可能である。
【0061】
上述した構成は、情報処理装置(コンピュータ)を用いて本発明のハードキー割当装置Aを構成したものであるが、本発明はハードキー割当装置AとこれにネットワークNTを介して接続された画像形成装置Bとによってハードキー割当システムを構成することも可能である。
【0062】
ハードキー割当装置Aの構成は上述したので、以下、画像形成装置Bの構成を図4を参照して説明する。
【0063】
図4において、画像形成装置Bは、主制御部25を中心にして画像読取部27、第2の記憶部29、操作パネル部31、印刷部33および第2の通信部35を有し、例えば複合機(MFP)を構成している。画像形成装置Bとしてはこれ以外にも種々の構成を有するが、本発明の要部ではないので説明および図示を省略する。
【0064】
画像形成装置Bは、上述したように、製造メーカ等の供給元が予め設定した標準動作態様(デフォルト動作態様)に加えて特定動作態様で動作し、何れもハードキー割当装置Aからの動作態様制御によって制御される。
【0065】
主制御部25は、画像読取部27、第2の記憶部29、操作パネル部31、印刷部33および第2の通信部35その他を制御するものである。
【0066】
画像読取部27は、画像形成装置Bにおいて、主制御部25の制御の下、例えば印刷された原稿から画像を光学的に読み込み、フィルタ処理等をして電子的画像データを生成する公知のスキャナ等であり、生成した画像データが原稿の頁毎に第2の記憶部29に順次記憶されるようになっている。
【0067】
第2の記憶部29は、画像読取部27からの画像データ、主制御部25の動作プログラム、上述したハードキーに関するハードキー割当一覧情報に加え、HTML(HyperText Markup Language)言語文書に基づく画像画面を表示させるプログラムであるブラウザ(例えば、Microsoft社のInternet Explorer(商標))等を格納する読み書き可能な例えばハードディスク(HDD)である。なお、ハードキー割当一覧情報は、ハードキー割当装置Aから第2の通信部35を介して入力される。
【0068】
操作パネル部31は、例えば図5に示すように、画像形成装置Bの動作状態を画像画面で表示する表示部としての表示パネル部37と、動作機能を選択入力する入力部としてのハードキー39を有しており、主制御部25によって制御される。
【0069】
表示パネル部37は、主制御部25の制御の下、ブラウザの動作に基づき、ハードキー割当装置Aからのデフォルト動作態様に係る動作機能および特定動作態様に係る動作機能に係る画面、当該画像形成装置Bのハードキー一覧17、その他を表示する例えば液晶表示パネルである。表示パネル部37には、特定動作態様におけるソフトキー23a〜23cを含む動作画面も表示される。
【0070】
デフォルト動作態様と特定動作態様との切換えは、図示はしないが、表示パネル部37上の動作画面からの選択によってハードキー割当装置Aに対して第2の通信部35を介してなされる。
【0071】
ハードキー39は、表示パネル部37の外周に配置された複数の機構的スイッチであり、予め、デフォルト動作態様に係る動作機能、例えばコピー(画像読取)キーやファクシミリ送受信キー等の動作選択キー39a、印刷枚数等を設定するテンキー39b、機能動作をスタートさせるスタートキー39c、動作をストップさせるストップキー39d等を有しており、それらキー39c〜39dの押下操作によって該当する動作機能(イベント)実行が主制御部25に出力される。
【0072】
表示パネル部37にはタッチスイッチとしての透過性タッチパネル部41(図5では見えない。)が重ねられており、タッチパネル部41のタッチ押下によって該当する動作機能(イベント)実行が主制御部25に出力される。
【0073】
図4の印刷部33は、図示はしないが、主制御部25の制御の下、用紙のセットされる複数の給紙段と、給紙段から1次給紙された用紙を2次給紙するとともに、2次給紙された用紙に対し、第2の記憶部29の画像データに基づき形成したトナー像を転写する画像形成部と、トナー像の転写された用紙を加熱定着する定着部その他を有して形成されている。
【0074】
第2の通信部35は、主制御部25の制御の下、これにネットワークNTを介して上述したハードキー割当装置Aに対し選択情報その他上述した操作指示を送信するとともに、これに基づき次に表示させる表示フレームに係る次画面情報を受信する機能の他、ファクシミリ送受信機能を有している。
【0075】
すなわち、第2の通信部35は、所定のプロトコル例えばHTTP規約に従って表示画面に係る要求メッセージ(HTTPリクエスト)をハードキー割当装置Aに送信し、ハードキー割当装置Aからの応答メッセージ(HTTPレスポンス)によるHTML文書を受信して主制御部25に出力する機能を有するとともに、選択情報をハードキー割当装置Aに送信するとともに、受信した形態情報を第2の記憶部29に記憶する機能を有している。
【0076】
主制御部25は、CPU、このCPUの起動プログラムを格納した作業用メモリ部、入出力インターフェース(いずれも図示せず。)を有し、上述した画像読取部27、第2の記憶部29、操作パネル部31、印刷部33および第2の通信部35その他を制御し、ハードキー割当装置Aからの動作指示情報、イベント例えばスキャナ起動の動作指示情報に基づき当該スキャナを起動制御するとともに、表示制御部43としての機能を有している。
【0077】
表示制御部43は、ブラウザに基づき動作し、第2の通信部35を介して入力したハードキー割当装置Aからの応答メッセージ(HTTPレスポンス)にあるHTML文書を解析し、得られた表示画像を表示パネル部37に対し表示制御する機能を有している。
【0078】
主制御部25は、ファクシミリ送信する画像データを圧縮化して第2の通信部35に出力して送信制御したり、第2の通信部35でファクシミリ受信した画像データを復号化して例えば印刷部33に出力する機能の他、例えば第2の記憶部29内に形成された記憶ボックス(図示せず。)に対し画像データ等を読み書き制御する機能等種々の制御機能を有している。
【0079】
主制御部25は、表示された動作機能一覧やハードキー一覧からそれら動作機能やハードキーの選択を受け付け入力されたとき、選択された選択情報を第2の通信部35に出力する機能を有している。この選択操作は、上述したハードキー割当装置Aと同様である。
【0080】
次に、ハードキー割当システムの使用例を図6のフローチャートを参照して簡単に説明する。
【0081】
なお、この動作は、予め特定動作態様の動作機能がハードキーに割当てられているとして説明する。
【0082】
動作がスタートすると、ステップS1にて画像形成装置Bのハードキー39が押下されると操作パネル部31がその操作入力を受け、ステップS2にて主制御部25がブラウザを制御してWebアプリケーションに基づき次画面要求(HTTPリクエスト)を作成し、第2の通信部35からネットワークNTを介してハードキー割当装置Aへ送信する。
【0083】
続く、ステップS3にてハードキー割当装置AのCPU1が特定動作態様についてハードキー39に割り当てられた動作機能に係るイベントを発生させ、ステップS4にてCPU1がイベント発生処理を実行させる動作指示情報を画像形成装置B側へ出力し、ステップS5にてCPU1が次画面を作成して動作指示情報(イベントパラメータ)とともに応答メッセージ(HTTPレスポンス)を第1の通信部13から画像形成装置B側へ送信する。
【0084】
ステップS6では、画像形成装置Bの主制御部25がブラウザを動作させて動作指示情報(イベントパラメータ)を確認し、ステップS7にて主制御部25が次画面を描画するとともに、動作指示情報に基づき動作の実行処理をして終了する。
【0085】
このような本発明のハードキー割当システムにおいても、上述したハードキー割当装置Aの効果と同様の効果が得られる。
【0086】
また、画像形成装置Bの操作パネル部31を用いてハードキー割当装置Aにおけるハードキー割当て動作をさせることも可能であり、ユーザが画像形成装置Bからハードキー割当て動作可能であり、これに合わせてハードキー割当装置Aおよび画像形成装置Bを構成すればよい。
【0087】
なお、本発明のハードキー割当装置Aその他における特定動作態様は、デフォルト動作態様以外の種々の動作態様、特に、アプリケーションプログラム開発用の作成ツール(SDK)によって作成されたアプリケーションプログラムにおいて動作させる態様である。
【符号の説明】
【0088】
1 CPU
3 ROM
5 RAM
7 第1の記憶部
9 選択部
11 表示部
13 第1の通信部
15 コントロールパネル
17 ハードキー一覧
19 特定動作態様の動作機能一覧
21 ハードキー機能割当部
23 ソフトキー一覧
23a、23b、23c ソフトキー
25 主制御部
27 画像読取部
29 第2の記憶部
31 操作パネル部
33 印刷部(画像形成部)
35 第2の通信部
37 表示パネル部(表示部)
39 ハードキー
39a 動作選択キー(ハードキー)
39b テンキー(ハードキー)
39c スタートキー(ハードキー)
41 透過性タッチパネル部
43 表示制御部
A ハードキー割当装置
B 画像形成装置(装置)
NT ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デフォルト動作態様および所定の特定動作態様で動作し、前記デフォルト動作態様の動作指示に割当てられた操作用のハードキーが配置された装置について、前記特定動作態様の動作機能および前記ハードキーの内容を表示する表示工程と、
表示された前記動作機能および前記ハードキーを選択する選択工程と、
選択された前記ハードキーに対し、選択された前記動作機能を前記特定動作態様における動作機能として割り当てるハードキー機能割当工程と、
を具備することを特徴とするハードキー割当方法。
【請求項2】
前記表示工程は前記特定動作態様の動作機能一覧を表示し、前記選択工程は表示された前記動作機能一覧から動作機能を選択する請求項1項記載のハードキー割当方法。
【請求項3】
前記表示工程は前記特定動作態様におけるソフトキーを含む動作画面を表示し、前記選択工程は表示された前記ソフトキーを選択し、前記ハードキー機能割当工程は、選択された前記ハードキーに対し選択された前記ソフトキーの機能を割当てる請求項1記載のハードキー割当方法。
【請求項4】
前記ハードキー機能割当工程は、選択された前記ソフトキーの動作機能と同機能の前記デフォルト動作機能における動作機能を前記ハードキーに割当てる請求項3記載のハードキー割当方法。
【請求項5】
デフォルト動作態様および所定の特定動作態様で動作し、前記デフォルト動作態様の動作指示に割当てられた操作用のハードキーが配置された装置について、前記特定動作態様の動作機能および前記ハードキーの内容を表示する表示部と、
表示された前記動作機能および前記ハードキーの選択を受付ける選択部と、
選択された前記ハードキーに対し、選択された前記動作機能を前記特定動作態様における動作機能として割り当てるハードキー機能割当部と、
を具備することを特徴とするハードキー割当装置。
【請求項6】
前記表示部は前記特定動作態様の動作機能一覧を表示し、前記選択部は表示された前記動作機能一覧から動作機能の選択を受付ける請求項5項記載のハードキー割当装置。
【請求項7】
前記表示部は前記特定動作態様におけるソフトキーを含む動作画面を表示し、前記選択部は表示された前記ソフトキーの選択を受付け、前記ハードキー機能割当部は、選択された前記ハードキーに対し選択された前記ソフトキーの機能を割当てる請求項5記載のハードキー割当装置。
【請求項8】
ハードキー割当装置と、これにネットワークを介して接続されデフォルト動作態様および所定の特定動作態様で動作する画像形成装置と、
を具備し、
前記ハードキー割当装置は、
前記デフォルト動作態様および前記特定動作態様に係る態様情報を前記画像形成装置に前記ネットワークを介して送信し、選択情報を前記画像形成装置から前記ネットワークを介して受信する第1の通信部と、
この第1の通信部で受信した前記選択情報に基づき、選択された前記動作機能を選択された前記ハードキーに前記特定動作態様の動作機能として割り当てるハードキー機能割当部と、を有し、
前記画像形成装置は、
画像データからこれを画像形成する画像形成部と、
前記デフォルト動作態様の動作指示に割当てられた操作用のハードキーと、
前記特定動作態様の動作機能および前記ハードキーの内容を表示する表示部と、
表示された前記動作機能および前記ハードキーの選択を受付ける選択部と、
前記態様情報を前記ハードキー割当装置から前記ネットワークを介して受信し、選択された前記動作機能および前記ハードキーに係る前記選択情報を前記ハードキー割当装置に前記ネットワークを介して送信する第2の通信部と、を有することを特徴とするハードキー割当システム。
【請求項9】
前記表示部は前記特定動作態様の動作機能一覧を表示し、前記選択部は表示された前記動作機能一覧から動作機能の選択を受付ける請求項8項記載のハードキー割当システム。
【請求項10】
前記表示部は前記特定動作態様におけるソフトキーを含む動作画面を表示し、前記選択部は表示された前記ソフトキーの選択を受付け、前記ハードキー機能割当部は、選択された前記ハードキーに対し選択された前記ソフトキーの機能を割当てる請求項8記載のハードキー割当システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−239126(P2011−239126A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107897(P2010−107897)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】