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ハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物
説明

ハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物

【課題】オイル内の気泡の除去に効果的なハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、組成物全体100重量部に対して消泡剤0.5から1.0重量部を含むハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物を提供する。本発明によれば、ハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物に、少量の消泡剤を添加することで、流体動圧軸受オイル内の気泡を除去することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物に関し、より具体的には、オイル内の気泡の除去に効果的なハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、記録媒体を回転させ記録及び再生を行うハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、HDD)等の磁気ディスク装置は、毎年顕著に高容量化及び小型化しており、それに用いられるスピンドルモータには高速化に耐えることができる寿命、静寂性及び高い振動精密度が要求されている。
【0003】
このような特性が要求されるスピンドルモータとしては、一般の軸受構造に用いられるボールを用いずに、気体や液体を用いて軸の周囲を回転させる方式の流体動圧軸受が開発されている。
【0004】
流体動圧モータが最適に動作するために必ず必要な核心材料として、流体動圧軸受(Fluid Dynamic Bearing、FDB)オイルに対して最適の特性を有するようにエステル(Ester)を主成分とする基油に酸化防止剤や極圧添加剤等の物質を添加する等、様々な開発がなされている。
【0005】
上記エステル系列化合物は、FDBオイル全体の中で約90%以上の比率を占めているため、FDBオイルの基本的な物性を決定する役割をする。
【0006】
また、オイル全体の中で5%未満の比率を占める微量の添加剤は、主にFDBオイルの酸化防止や高温蒸発量減少等の特定の役割をする。
【0007】
流体動圧モータが最適に動作するためにはFDBオイルの性能が非常に重要であり、オイル自体の特性が最も大きく影響を及ぼすことになる。
【0008】
しかしながら、オイル内に気泡が存在すると、モータの特性及び性能に悪影響を及ぼす可能性があるため、FDBオイル内の気泡を除去する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、オイル内の気泡の除去に効果的なハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態は、組成物全体100重量部に対して消泡剤0.5から1.0重量部を含むハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物を提供する。
【0011】
上記消泡剤は、シリコン系及び非シリコン系で構成された群から選択された一つ以上であることができる。
【0012】
上記シリコン系は、エマルジョン型、コンパウンド型、オイル型及び粉末型で構成された群から選択された一つ以上であることができる。
【0013】
上記非シリコン系は、鉱油系及びポリアルキレングリコール(Polyalkylene glycol)系で構成された群から選択された一つ以上であることができる。
【0014】
また、上記消泡剤は、高級脂肪アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪アミン、高級脂肪酸アミド、高級脂肪エーテル及びシリコン油で構成された群から選択された一つ以上を含むことができる。
【0015】
上記消泡剤は、抑泡剤であることができる。
【0016】
また、上記組成物は、エステル(Ester)を主成分とする基油を含むことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、ハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物に少量の消泡剤が添加されて流体動圧軸受オイル内の気泡を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施例による流体動圧軸受アセンブリーを含むHDD用モータを示した概略断面図である。
【図2】本発明の実施例及び比較例による気泡力の結果を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例及び比較例による消泡力の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲が後述する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は当業界における平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及びサイズ等はより明確な説明のために誇張されることがあり、図面上の同一の符号で表示される要素は同一の要素である。
【0020】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施例による流体動圧軸受アセンブリーを含むHDD用モータを示した概略断面図である。
【0022】
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物19は、組成物全体100重量部に対して消泡剤0.5から1.0重量部を含むことができる。
【0023】
以下、本発明の一実施形態によるハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物を説明するが、これに制限されるものではない。
【0024】
上記流体動圧軸受10は、特に制限されず、例えば、図1に示されたように固定部材12、14と回転部材11、13、22との間に気液界面が形成されるようにオイル組成物19が充填されることができる。
【0025】
上記固定部材はスリーブ(sleeve)12及びキャップ(cap)14であることができ、上記回転部材はシャフト(shaft)11、スラスト(thrust)プレート13及びハブ(hub)22であることができる。
【0026】
上記固定部材12、14と回転部材11、13、22との間にオイルシーリング部16が形成されることができ、特に、スリーブ(sleeve)12とスラスト(thrust)プレート13とキャップ(cap)14との間に形成されることができる。
【0027】
上記キャップ14は、上記スラストプレート13の上側から圧入されて上記スラストプレート13との間で潤滑油19がシーリングされるようにする部材であり、上記スラストプレート13と上記スリーブ12に圧入されるように外径方向に周方向の溝が形成されることができる。
【0028】
上記キャップ14は、潤滑油19がシーリングされるようにするために下面に突出部が形成されることができる。これは、モータの駆動時に潤滑油19が外部に漏洩されることを防止するために毛細管現象及び潤滑油の表面張力を用いたものである。
【0029】
流体動圧軸受オイル組成物19は、エステル(Ester)を主成分とする基油を含むことができる。
【0030】
上記エステル(Ester)基油は、特に制限されず、例えば、二塩基酸と非線形アルコール(alcohol)との反応から得られるジエステル(diester)、炭酸エステル(ester)基油、芳香族系三塩基酸と非線形アルコールとの反応から得られる芳香族エステル(ester)基油、及び一塩基酸と多価アルコールとの反応から得られるポリオールエステル(polyol ester)等とすることができる。
【0031】
上記基油は単独で用いることができ、2つ以上を混合して用いることもできる。
【0032】
本発明の一実施形態によると、上記ハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物19は、組成物全体100重量部に対して消泡剤0.5から1.0重量部を含むことができる。
【0033】
ハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物内の気泡を除去する方法としては、加熱、減圧及び遠心分離等の物理的方法と消泡剤を添加する化学的方法を用いることができる。
【0034】
本発明の一実施形態によると、上記ハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物内の気泡を除去するために、組成物全体100重量部に対して消泡剤0.5から1.0重量部を含むことができる。
【0035】
これにより、本発明の一実施形態によると、製造条件や装置変更等を伴うことなく、容易に気泡問題を解決することができる。
【0036】
上記消泡剤は、シリコン系及び非シリコン系で構成された群から選択された一つ以上であることができる。
【0037】
上記シリコン系は、エマルジョン型、コンパウンド型、オイル型及び粉末型で構成された群から選択された一つ以上であることができる。
【0038】
上記非シリコン系は、鉱油系及びポリアルキレングリコール(Polyalkylene glycol)系で構成された群から選択された一つ以上であることができる。
【0039】
また、上記消泡剤は、高級脂肪アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪アミン、高級脂肪酸アミド、高級脂肪エーテル及びシリコン油で構成された群から選択された一つ以上を含むことができる。
【0040】
消泡剤は機能に応じて破泡剤、抑泡剤及び脱泡剤の3種類に区分することができる。
【0041】
破泡剤は気泡の集合体である泡沫に対して空気層から気泡に侵入して気泡を一体化又は破壊し、抑泡剤は液体側から気泡に侵入して気泡を一体化又は破壊して泡沫を不可能にし、脱泡剤は気泡の界面に侵入して気泡を一体化することにより浮き上がらせることができる。
【0042】
上記破泡剤は、既に存在する泡沫の上に位置して泡膜を消泡するもので、泡膜に付着した破泡剤の小さな液滴が先に泡膜に侵入して拡張することにより、破泡できるようにする。
【0043】
本発明の一実施形態によると、特に制限されず、例えば、上記消泡剤として抑泡剤を添加することができる。
【0044】
上記抑泡剤は水に難溶性の界面活性剤を主成分とするもので、予め少量をオイルの中に添加すると、気泡生成を阻止する作用を示すことができる。
【0045】
また、長時間の使用にも機能が低下せず、抑泡剤が濃縮されても気泡生成が促進しない優れた効果をもたらすことができる。
【0046】
本発明の一実施形態によると、上記消泡剤は、上記ハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物全体100重量部に対して0.5から1.0重量部含まれることができる。
【0047】
上記消泡剤の添加量が0.5重量部未満の場合は、上記ハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル内の気泡の除去効果が不足する可能性があり、1.0重量部を超える場合は、過量の添加によって上記ハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイルの物性低下をもたらす可能性がある。
【0048】
本発明の一実施形態によると、上記ハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物19は、組成物全体100重量部に対して消泡剤0.5から1.0重量部を含むことにより、流体動圧軸受オイル内の気泡を除去することができ、これにより、ハードディスクドライブモータの特性及び性能に優れることができる。
【0049】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明がこれにより制限されるものではない。
【0050】
本発明の実施例では、消泡効果及び経済性を考慮して、ハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物に0.5から1.0重量部の抑泡剤を添加してオイルの気泡力と消泡力に対する評価を行った。
【0051】
具体的には、実施例1及び2の場合は流体動圧軸受オイル組成物に0.5重量部及び1.0重量部の消泡剤をそれぞれ添加し、比較例の場合は流体動圧軸受オイル組成物に消泡剤を添加しなかった。
【0052】
上記オイルの気泡力と消泡力に対する測定は気泡測定器を用いて行い、実施例及び比較例の各試料は250mlであった。
【0053】
攪拌のためのローター(rotor)の回転数は1500回/minであり、攪拌は10秒間行われた。
【0054】
下記の表1は上記実施例1、2及び比較例の気泡力を比較したものであり、下記の表2は上記実施例1、2及び比較例の消泡力を比較したものである。
【0055】
【表1】

【0056】
【表2】

【0057】
図2は本発明の実施例及び比較例による気泡力の結果を示すグラフであり、図3は本発明の実施例及び比較例による消泡力の結果を示すグラフである。
【0058】
上記表1及び図2を参照すると、消泡剤を添加した流体動圧軸受オイル組成物である実施例1及び2は、消泡剤を添加しない比較例に比べて気泡の発生が少ないことが分かる。
【0059】
また、上記の表2及び図3を参照すると、消泡剤を添加した流体動圧軸受オイル組成物である実施例1及び2は、消泡剤を添加しない比較例に比べて、発生した気泡がより速く消泡されることが分かる。
【0060】
したがって、本発明の一実施形態によるハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物は、組成物全体100重量部に対して消泡剤0.5から1.0重量部を含むことにより、気泡の発生が少なく、また、発生した気泡も、より速く消泡されることが分かる。
【0061】
即ち、本発明の一実施形態によると、ハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物に少量の消泡剤が添加されて流体動圧軸受オイル内の気泡を除去することができるため、ハードディスクドライブモータの特性及び性能に優れるという効果がある。
【0062】
本発明は、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されずに添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内で当技術分野における通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これもまた本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0063】
10 流体動圧軸受
11 シャフト
12 スリーブ
13 スラストプレート
14 キャップ部材
16 オイルシーリング部
19 流体動圧軸受オイル組成物
22 ハブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物全体100重量部に対して消泡剤0.5から1.0重量部を含む、ハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物。
【請求項2】
前記消泡剤は、シリコン系及び非シリコン系で構成された群から選択された一つ以上である、請求項1に記載のハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物。
【請求項3】
前記シリコン系は、エマルジョン型、コンパウンド型、オイル型及び粉末型で構成された群から選択された一つ以上である、請求項2に記載のハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物。
【請求項4】
前記非シリコン系は、鉱油系及びポリアルキレングリコール(Polyalkylene glycol)系で構成された群から選択された一つ以上である、請求項2に記載のハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物。
【請求項5】
前記消泡剤は、高級脂肪アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪アミン、高級脂肪酸アミド、高級脂肪エーテル及びシリコン油で構成された群から選択された一つ以上を含む、請求項1に記載のハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物。
【請求項6】
前記消泡剤は、抑泡剤である、請求項1に記載のハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物。
【請求項7】
前記組成物は、エステル(Ester)を主成分とする基油を含む、請求項1に記載のハードディスクドライブモータ用流体動圧軸受オイル組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−43989(P2013−43989A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−128761(P2012−128761)
【出願日】平成24年6月6日(2012.6.6)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】