説明

ハーフトーンマスク及びその製造方法

【課題】本発明は、ハーフトーンマスク及びその製造方法に関する。特に、具体的には、半透過膜を積層して光透過率を調節できるハーフトーンマスクを提供することを目的とする。
【解決手段】理論的な挙動特性ではない実際のプロセスに基づいたデータベースを通じて構築される光透過率を具現できるようにして、特定の透過率ではない広範囲な領域での透過率を備えたハーフトーンマスクとその製造方法に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明基板上に遮光領域、半透過領域及び透過領域を備えるハーフトーンマスク及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイなどの製造に用いられる複数の構成は、複数のマスク工程を要する。これにより製造工程が複雑であって、液晶表示装置の製造単価を上昇させる問題が発生する。これを解決するために、現在、マスクの工程数を減らす方向に発展している。
【0003】
フォトリソグラフィ(Photolithography)工程でパターニングする際に用いられる一般的なフォトマスクは、図1に示したように、透明基板11と、透明基板11上に形成されて光を完全に透過させる光透過部13と、光を完全に遮断させる光遮断部15とを有する。前記のような従来のマスクは、一層のパターンを具現するしかないため、露光→現象→エッチングからなる1つのサイクルのフォトリソグラフィ工程のみに用いることができる。
【0004】
詳しく説明すると、液晶ディスプレイのTFT(Thin Film Transistor)及びカラーフィルタ(CF)は、多くの層が蒸着/塗布されており、蒸着/塗布された各層は、それぞれフォトリソグラフィ工程でパターニングされる。ところが、1つのサイクルのフォトリソグラフィ工程を減らすことができれば、大きな経済的な効果を得られるが、従来のマスクは、ただ一層のパターンのみを具現するしかない構造となっているため、別途のパターンを具現した複数のフォトマスクを製造する必要があり、経済的でない。
【0005】
前記のような短所を解消するために、スリットマスク、グレートーンマスク、ハーフトーンマスクなどが開発されている。
【0006】
スリットマスクは、光の散乱を用いたものであって、適用する波長の直進性が保障されるスリットよりも薄いスリットを光が通過するようになると、隣接部位で散乱が起き、全体的な光エネルギーが分散される性質を用いたものである。しかし、このようなスリットマスクの場合、微細スリットで散乱される光の分布が不均一であって、位置別の露光エネルギーが変わるため、位置別の残膜の厚さが凹凸を形成して、均一な残膜の厚さを得にくい点がある。
【0007】
グレートーンマスク(Gray Tone Mask)は、光が完全に透過する透過部、光が完全に遮断される遮光層、及び照射される光の量を減らして透過させるスリットパターンがある構造である。しかし、グレートーンマスクは、微細パターンを通過する光の回折現象を用いて透過される光の量を調節するため、スリットパターン具現の限界により調節可能な光透過量に制限があり、グレートーンマスクが所定の大きさ以上の場合には、均一なパターニングを具現することができない短所がある。
【0008】
ハーフトーンマスクは、透明基板に形成される光透過部と、光を完全に遮断する光遮断部と、光の一部を透過させるように透過率を調節する半透過部とを備えたマスクである。
【0009】
しかし、このようなハーフトーンマスクの場合、半透過部を通過した光が位置別に均一に通過して、位置別に均一な残膜厚さを形成することができる長所があるが、マスク製造の追加工程を要するようになり、製造工程の増加及びコストの増加のような短所を伴っている。よって、複数のマスク工程を減らす問題は、ハーフトーンマスクでも依然として存在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述した課題を解決するために提案されたものであって、本発明の目的は、半透過膜を積層して光透過率を調節できるハーフトーンマスクを提供するが、理論的な挙動特性ではなく実際工程に基づいたデータベースを通じて構築される光透過率を具現できるようにして、特定の透過率ではない広範囲な領域での透過率を備えたハーフトーンマスクを提供することにある。
【0011】
また、ハーフトーンマスク及び複数の半透過領域を備えたマルチトーンマスクを製造する場合、半透過領域は半透過物質を積層して必要な光透過率を具現して製造工程を短縮し、形成されるハーフトーンマスクに形成される隣接半透過領域間の光透過率の変動幅を4〜75%の範囲に限定して半透過領域を具現できるようにして、製造されるハーフトーンマスクの精密性を高めることのできる製造工程を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上述した課題を解決するための構成であって、少なくとも1以上の半透過物質が積層され、別個の光透過率を有する複数(N)個の半透過領域を備えることを特徴とするハーフトーンマスクを提供する。
【0013】
特に、実際の製造工程で微細調節が可能な最大の透過率の調節幅を考慮して、本発明における前記複数の半透過領域は、隣接する半透過領域間の光透過率の差が4%〜75%以内であることを特徴とする。
【0014】
上述した本発明における透過率の調節は、前記半透過領域を形成するが、同一物質からなる半透過膜の積層構造で透過率を調節したり、または、互いに異なる種類の物質からなる半透過膜の積層構造で透過率を調節したり、あるいは、同一物質または互いに異なる物質からなる半透過膜の組み合わせで透過率を調節することを特徴とする。
【0015】
また、上述した本発明の半透過領域を構成する複数の前記半透過物質は、前記半透過物質を構成する物質は、Cr、Si、Mo、Ta、Ti、Al、Zr、Sn、Zn、In、Mg、Hf、V、Nd、Ge、スピネル(MgO−Al23)、窒化ケイ素(Si34)を主元素とするいずれか1つであるか、または、前記主要な要素の少なくとも2つ以上が混合した複合物質であるか、あるいは、前記主要な要素または複合物質にCOx、Ox、Nx、Cx、Fx、Bxの少なくとも1つが添加された物質であることを特徴とする。
【0016】
本発明では、上述したハーフトーンマスクの製造のための製造工程を行うことができるようにすることは勿論である。
【0017】
具体的には、少なくとも1以上の半透過領域を備えたハーフトーンマスクの製造方法において、それぞれの半透過領域は、複数の半透過物質の積層によって光透過率を調節することを特徴とするハーフトーンマスクの製造方法を提供する。
【0018】
上述した製造工程で、半透過物質の積層によって光透過率を調節することは、半透過物質を順次積層した後、不要なパターンを除去する順次除去工程を含むことを特徴とする。つまり、透過率調節に必要な半透過物質を順次積層し、これを順次除去することによって、必要な半透過膜を残して光透過率を調節することで、非常に簡単な工程で複数の光透過率を有する半透過領域を形成することができる。
【0019】
また、上述した製造工程で、前記半透過物質の積層によって光透過率を調節することは、ハーフトーンマスクの特定個所に、半透過物質を順次積層した後、不要なパターンを除去する順次除去工程と、特定の半透過層を別途に形成する独立形成工程とを含んで、互いに異なる光透過率を備えた半透過領域を形成することもできる。
【0020】
併せて、前記半透過物質の積層によって光透過率を調節することは、前記順次除去工程または独立形成工程をハーフトーンマスクの少なくとも1以上の個所に別途に行って半透過領域を形成できることは勿論である。
【0021】
上述したハーフトーンマスクの場合の説明のように、本製造工程でも、前記半透過領域は複数個形成されるが、隣接する半透過領域間の光透過率の差は4〜75%となるよう形成することが好ましい。
【0022】
全工程において、特定の積層された半透過物質を除去する工程は、フォトリソグラフィを用いることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、半透過物質を積層して光透過率を調節できるハーフトーンマスクを提供するが、理論的な挙動特性ではなく実際の工程に基づいたデータベースを通じて構築される光透過率を具現できるようにして、特定の透過率ではない広範囲な領域における透過率を備えたハーフトーンマスクを提供できる効果がある。
【0024】
また、ハーフトーンマスク及び複数の半透過領域を備えたマルチトーンマスクを製造する場合、半透過領域は半透過物質を積層して必要な光透過率を具現できるようになり、製造工程を短縮できる効果もある。
【0025】
特に、隣接する半透過領域間の光透過率の変動幅を4〜75%の範囲に限定して半透過領域を具現できるようにして、製造されるハーフトーンマスクの精密性を高めることができる長所もある。
【0026】
また、精密な透過率制御によって隣接する半透過領域間の区分をはっきりすることで、転写されるパターン(マスクを用いて形成される製品のパターン)の制御が容易であり、一つのマスクで複数の層を形成することができ、転写パターン形成に容易に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】従来のフォトマスクを示した概念図である。
【図2】ハーフトーンマスクの積層構造での透過率の挙動特性を説明するための図である。
【図3】本発明による半透過領域の一実施例を示したものである。
【図4】本発明による半透過領域の一実施例を示したものである。
【図5】本発明による半透過領域の透過率調節と、これによる積層工程を説明するための概念図である。
【図6】本発明の他の実施例による半透過領域の構造と、この製造工程についての説明図である。
【図7】本発明のまた他の実施例による半透過領域の構造と、この製造工程についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に図面を参照しながら、本発明による構成及び製造工程について具体的に説明する。
【0029】
本発明では、少なくとも1以上の半透過物質を積層して光透過率を調節することで、一つのハーフトーンマスク上に複数の半透過領域を備えたハーフトーンマスクを提供することをその要旨とする。
【0030】
図2は、ハーフトーンマスクの積層構造での光透過率の挙動特性を説明するための図である。
【0031】
基板100上に遮光層110が形成された遮光領域Cと、半透過層120、130が積層されて光透過率を調節する半透過領域A、Bと、光の完全透過領域Dとから構成されたハーフトーンマスクを一例として説明する。D領域は、完全透光部に該当する。
【0032】
つまり、上述した遮光領域Cでは光透過率が0%、完全透過領域Dでは光透過率が100%であるが、半透過層120は光透過率が70%、そして半透過層130は光透過率が35%である。理論的には、上述した半透過領域を透過する光の最終の透過率は、A領域の場合、半透過層120(透過率70%)を透過した場合、70%の光がもう一回半透過層130(透過率35%)を通過しながら、透過率は約25%にならなければならない。しかし、実際には、製造工程においてこのような理論的な透過率が適用される場合は非常に珍しく、実際透過率の挙動特性は、A領域では透過率が25%とは差があって、精密な透過率を計算することが非常に困難である。つまり、実際の工程で半透過膜を積層して透過率を調節することは非常に困難である。
【0033】
本発明では、このような半透過物質の積層構造での光透過率の微細誤差を4〜75%の範囲で具現し、一つのハーフトーンマスクで複数の半透過領域を備えることができるようにする。これは、隣り合う半透過領域間の透過率の変動幅が4%未満の範囲に形成する場合、隣り合う半透過領域間の区分ができない致命的な問題が発生するようになる。すなわち、本発明による、隣接する半透過領域間の透過率の変動幅が4%未満では各半透過領域間の区分がつけられず、これにより、各半透過領域における転写されるパターンが曖昧になるため、転写された後のパターン間の不良が発生するようになる。
【0034】
したがって、本発明により半透過領域を構成する際に、透過率を調節できる複数の半透過物質を少なくとも1つ以上積層する構造で透過率を調節する。
【0035】
半透過材料を構成する物質は、Cr、Si、Mo、Ta、Ti、Al、Zr、Sn、Zn、In、Mg、Hf、V、Nd、Ge、スピネル(MgO−Al23)、窒化ケイ素(Si34)を主元素(要素)とするいずれか1つであるか、または、主元素の少なくとも2つ以上が混合した複合物質であるか、あるいは、主元素または複合物質にCOx、Ox、Nx、Cx、Fx、Bxの少なくとも1つが添加された物質の中から選択されるいずれか1つを用いることができる。各積層構造を形成する半透過物質は、選択される同一物質の積層構造であるか、または互いに異なる物質の積層構造、あるいはこの2つの複合積層構造に形成することができる。(上記において、化学式の添え字x、y、zは、自然数である。)
【0036】
本発明における最大の特徴は、半透過部領域が多重に備えられ、このように多重に備えられる半透過領域は、互いに異なる光透過率を有するという点である。特に、このような光透過率の調節は、1以上の半透過物質の積層構造で制御することに、その特徴がある。
【0037】
もちろん、個別的な積層型半透過領域を構成する半透過膜の光透過率は、積層される半透過物質の組成を異にするか、または厚さを異にして、調整することができる。すなわち、半透過膜をなす組成物の特性によって光透過率を互いに異にすることができ、同じ組成物を用いる場合にも厚さを異にすることで光透過率を調整することができる。
【0038】
上述したように、本発明の半透過物質を構成できる物質は、Cr、Si、Mo、Ta、Ti、Al、Zr、Sn、Zn、In、Mg、Hf、V、Nd、Ge、スピネル(MgO−Al23)、窒化ケイ素(Si34)を主元素とするいずれか1つである。
【0039】
また、主元素の少なくとも2つ以上が混合した複合物質、または、主元素または複合物質にCOx、Ox、Nx、Cx、Fx、Bxの少なくとも1つが添加された物質の中から選ばれるいずれか1つを適用することができる。これに対する適用物質は、積層型半透過領域の組成物が、照射される所定波長帯の光を一部だけ通過させることができれば、多様に形成することができる。一例として、Crxy、CrxCOy、Crxyz、Sixy、Sixyz、SixCOy、SixCOyz、MoxSiy、Moxy、Moxyz、MoxCOy、Moxyz、MoxSiyz、MoxSiyzN、MoxSiyCOzN、MoxSiyCOz、Taxy、Taxyz、TaxCOy、Taxyz、Alxy、AlxCOy、Alxyz、AlxCOyz、Tixy、Tixyz、TixCOyの中のいずれか1つまたはこれらの組み合わせで積層型半透部を形成することができる。添え字x,y及びzは、自然数であって、各化学元素の個数を意味する。
【0040】
図3は、このような積層構造の半透過領域の一実施例を示したものである。
【0041】
基板上に積層された3種の半透過膜を形成して半透過領域を備えたものであって、このような構造は、一つまたは複数個が必要によって一つのハーフトーンマスク上に形成できることは勿論である。もちろん、このような半透過膜が遮光膜の上部に積層されて遮光部を形成する構造に配置することもできる。
【0042】
第1半透過膜H1の透過率をx%とする場合、第2半透過膜H2の透過率はy%、そして第3半透過膜H3の透過率をz%とすると、これら3つの半透過膜によって形成される透過率の異なる領域は、A、B、C領域に形成できる。
【0043】
特に、C領域を透過した光は、z%が最終的に透過し、B領域は(z×y)%、A領域は((z×y)×x)%が透過するようになる。このような透過特性を通じて、各A、B、C領域での光の透過率の変動幅は4〜75%に調節することが好ましい。
【0044】
これを通じてハーフトーンマスクに半透過領域を形成する際に、どの特定の透過率のみを形成できる構造から脱して、単純なハーフトーン物質を積層することで精密な透過率の調節を通じて半透過領域を具現することができる。
【0045】
図4は、図3で積層された第1半透過膜H1(透過率はx%)と、第2半透過膜H2(透過率はy%)、第3半透過膜H3(透過率はz%)を備える他の変形実施例を示したものである。
【0046】
つまり、本発明の要旨は、どの場合であっても、一つのハーフトーンマスク上に複数の半透過物質を積層して各透過率を調節することができ、このような透過率の調節幅は隣接する半透過領域間では4〜75%に調節できるようにし、別途のマスクを製造することなく、透過率の異なる半透過領域を一つのハーフトーンマスクに複数形成できるようにして、製造コストの効率性を向上することができる。
【0047】
図5(a)を参照しながら、このような透過率調節制御方式について説明する。
【0048】
半透過領域を形成するための半透過物質の積層構造は、データベース化した実験データを基に具現する。
【0049】
まず、半透過物質別データベース(DB1〜DBn、nは自然数)で各物質別透過率を形成し、ハーフトーンマスクの特定半透過領域で具現されなければならない透過率を選定する。
【0050】
その後、第1半透過物質をスパッタした透過率を選択し、第2半透過物質をスパッタした透過率を選択する。そして、第1及び第2半透過物質の透過率を具現し、2つの膜が結合した層の透過率も具現する。透過率のデータベースは、透過率データベース210に保存され、特に、各透過率の算出は制御部220で具現され、基板上に層230を形成できるようになる。このような方法で、一つのマスク内に2以上の透過率を具現することができ、データベースに保存された定量的なデータは、同一性を有して再現できるようになる。
【0051】
以下の〔表1〕は、本発明に係る好ましい実施例により、積層された半透過領域の透過率の算出結果を定量的に導出することを例示したものである。
【表1】

上記表1の「透過率(reference) T(%)」は、図5(b)の「参照層(reference layer(R))」の透過率であり、図5(b)のX(%)は、参照層(R)上に積層される半透過層の透過率を意味する。
【0052】
上記表1に対する半透過領域の積層による透過率の算出例を図5(b)を参照して説明すると、次のようである。
したがって、最終的に積層された半透過領域の透過率(Y)は、表1によって定量的な算出が可能になる。勿論、半透過領域(参照層;R)の透過率が変動する場合、上記算出データは変動する。
【0053】
図6は、本発明による多様な半透過領域が具現された適用例を示したものである。示された構造を参照しながら、本発明によるハーフトーンマスクの半透過領域の製造工程について説明する。
【0054】
ハーフトーンマスクの製造工程は、基板上に遮光領域と透光領域、そして半透過領域を積層してこれをパターニングしてなることは、一般的な周知の技術であることから省略する。
【0055】
ただし、本発明では、一つのハーフトーンマスクの形成工程で、複数の半透過膜を積層して透過率を調節できるようにして、互いに異なる光透過率を備えた半透過領域を複数個形成できる製造方法について説明する。
【0056】
図6(a)は、図3及び図4と同様の工程で行われた半透過領域の製造工程による複数の半透過領域の概念図である。
【0057】
すなわち、第1半透過膜H1、第2半透過膜H2、第3半透過膜H3を順次積層し、それぞれの領域で、不要な部位を除去する工程(順次除去工程)を行う。つまり、(b−1)示されたH1、H2、H3で積層されたH3上にフォトレジストPRを積層して、露光/現象を通じてH3の一部を除去し、(b−2)その後、フォトレジストPRを積層して、再びH2の一部を順次除去すると、(b−3)最終的に、各A、B、C領域を備えた半透過領域が形成され、ここでの隣接領域間の光の透過率の変動幅は4〜75%に調節することが好ましい。D領域は、完全透光部に該当する。
【0058】
図7(a)及び図7(b)に示された半透過領域の構造もまた、各半透過膜を順次積層し、フォトレジストを用いて順次除去工程を行って形成される。完全透光領域(P)部分は、順次除去工程でフォトレジストのパターニング時に各積層された半透過膜を全部除去できるようにパターン化して形成される。
【0059】
ただし、図7(b)において、A、B領域は、上述した構造で順次除去工程を通じて工程の単純化を行うことができるが、C領域の場合には、H3半透過膜を独立して形成させる独立形成工程を通じて具現することができる。
【0060】
図7(c)のような構造の多様な半透過領域の場合、A領域は順次除去工程を通じて、B、C領域は独立形成工程を通じて行われることができる。
【0061】
上述したような本発明の詳細な説明では、具体的な実施例について説明した。しかし、本発明の範疇から脱しない限度内では様々な変形が可能である。本発明の技術的思想は、本発明において記述した実施例に限って定められてはならず、特許請求の範囲だけではなく、この特許請求の範囲と均等なものによって定めなければならない。
【符号の説明】
【0062】
100 基板
110 遮光層
120、130 半透過層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1またはそれ以上の半透過物質が積層され、それぞれが異なる光透過率を有する複数の半透過領域を備えるハーフトーンマスク。
【請求項2】
隣接する半透過領域間の光透過率の差が4%〜75%の範囲内である複数の半透過領域を備えるハーフトーンマスク。
【請求項3】
前記複数の半透過領域は、それぞれが同一物質からなる半透過物質の積層構造で透過率を調節する請求項1または2に記載のハーフトーンマスク。
【請求項4】
前記複数の半透過領域は、それぞれが互いに異なる物質からなる半透過物質の積層構造で透過率を調節する請求項1または2に記載のハーフトーンマスク。
【請求項5】
前記複数の半透過領域は、それぞれが同一物質または互いに異なる物質を組み合せた半透過物質の積層構造で透過率を調節する請求項1または2に記載のハーフトーンマスク。
【請求項6】
前記半透過物質を構成する物質は、Cr、Si、Mo、Ta、Ti、Al、Zr、Sn、Zn、In、Mg、Hf、V、Nd、Ge、スピネル(MgO−Al23)、窒化ケイ素(Si34)の1つを主要な要素とする物質であるか、または、前記要素の少なくとも2つまたはそれ以上を混合した複合物質であるか、あるいは、
前記単一主要要素物質または複合物質に、COx、Ox、Nx、Cx、Fx、Bxの少なくとも1つが添加された物質である請求項1または2に記載のハーフトーンマスク。(ただし、添え字x、y、zは、自然数であって、各化学元素の個数を意味する。)
【請求項7】
少なくとも1またはそれ以上の半透過領域を形成し、
それぞれの半透過領域は、複数の半透過物質を積層して光透過率を調節するハーフトーンマスクの製造方法。
【請求項8】
前記半透過物質を積層して光透過率を調節することは、
前記半透過物質を順次積層した後、不要なパターンを順次除去することを含む請求項7に記載のハーフトーンマスクの製造方法。
【請求項9】
前記半透過物質を積層して光透過率を調節することは、
前記半透過物質を積層した後、ハーフトーンマスクの特定数の位置に半透過領域を形成しながら、不要なパターンを順次除去することと、
特定の半透過層を独立して形成することと、を含む請求項7に記載のハーフトーンマスクの製造方法。
【請求項10】
前記半透過物質を積層して光透過率を調節することは、
前記順次除去することまたは独立して形成することをハーフトーンマスクの少なくとも1またはそれ以上の個所に独立して行って半透過領域を形成する請求項7または8に記載のハーフトーンマスクの製造方法。
【請求項11】
前記半透過領域は複数個形成され、隣接する半透過領域間の光透過率の差は4〜75%である請求項7ないし9のいずれか一項に記載のハーフトーンマスクの製造方法。
【請求項12】
前記順次除去することは、フォトリソグラフィ法を用いる請求項9に記載のハーフトーンマスクの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6(a)】
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【図6(b−1)】
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【図6(b−2)】
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【図6(b−3)】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【図7(c)】
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【公表番号】特表2012−513620(P2012−513620A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543423(P2011−543423)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【国際出願番号】PCT/KR2009/007666
【国際公開番号】WO2010/074481
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(510039426)エルジー イノテック カンパニー リミテッド (279)
【Fターム(参考)】