説明

バイオプシ用ファントム

【課題】石灰化組織のような小さな組織を採取するバイオプシのトレーニングが可能になると共に、採取物の中身を外部から容易に視認することが可能となる。
【解決手段】ファントム(10)は、生体を模擬した第1部材(12)と、生体内の石灰化組織を模擬し且つ第1部材(12)に内蔵される第2部材(16)とを有する。この場合、第1部材(12)は、放射線及び光を透過可能な多糖類を含み、第2部材(16)は、第1部材(12)と比較して放射線及び光に対する透過率が低い物質であるか、又は、放射線及び光に対して不透過な物質である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医師が人体等の生体の検査対象物に生検針を穿刺して該検査対象物中の生検部位の組織を採取するためのバイオプシのトレーニングに用いられる前記検査対象物及び前記生検部位の組織を模擬したファントムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、医師が人体等の生体の検査対象物に生検針を穿刺して該検査対象物中の生検部位の組織を採取するバイオプシが広く行われている。この場合、外部から検査対象物中の生検部位(例えば、乳房中の病変)を視認することが困難であるため、バイオプシでは、検査対象物に放射線を照射するステレオ撮影を行って、前記検査対象物のステレオ画像を取得した後に、該ステレオ画像から前記生検部位の3次元座標位置を算出し、次に、算出された前記3次元座標位置に基づいて医師が前記検査対象物に生検針を穿刺することにより、前記生検部位の組織を前記生検針で採取する。採取された組織も不透明であるため、該組織に対して放射線撮影を行って放射線画像を取得することにより、該放射線画像に基づいて前記組織の内部を確認することが可能となる。
【0003】
このように、バイオプシでは、外部から視認することが困難な生検部位の組織を採取する必要がある一方で、生体をあまり傷つけることなく検査対象物に生検針を穿刺して、生検部位の組織を確実に且つ正確に採取できることが望ましい。そこで、近年、バイオプシに対する医師の熟練度を向上させる目的で、人体の検査対象物及び生検部位の組織を模擬した、バイオプシ用ファントムが開発されている(特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1のファントムは、検査対象物としての乳房を模擬したゼラチンに、生検部位の組織としての腫溜を模擬したヨウ素の液状物(黒色顔料)を内蔵させている。この場合、前記ゼラチンは、放射線及び光を透過する材料であり、前記黒色顔料は、前記放射線及び前記光に対して不透過な材料である。従って、医師は、前記ファントムに生検針を穿刺して、前記黒色顔料と該黒色顔料近傍の前記ゼラチンの一部とを採取物として採取し、前記ファントムから前記生検針を抜き取って前記採取物を取り出すことにより、該ファントムを用いたバイオプシのトレーニングを行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5273435号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のファントムにおいて、黒色顔料は、腫溜を模擬した直径数mm程度の大きさであると共に、ヨウ素の液状物である。そのため、医師が前記生検針を穿刺して該黒色顔料を採取した際に、その採取物は、前記液状物が広がったものになると共に、実際の腫溜とは異なる形状となる。従って、前記ファントムを用いて前記医師がバイオプシのトレーニングを行っても、該バイオプシに対する熟練度を向上させることは困難である。
【0007】
また、乳房におけるバイオプシでは、数百μm〜数mm程度の大きさの石灰化組織を採取できることが重要である。しかしながら、特許文献1のファントムを用いて医師がトレーニングを行っても、前記乳房の石灰化組織に対するバイオプシの熟練度を向上させることはできない。
【0008】
さらに、黒色顔料の直径が生検針の直径よりも大きいときには、前記黒色顔料を採取した生検針を医師がファントムから抜き取った際に、該ファントムにおける前記生検針の抜け跡に前記黒色顔料がへばりつく。乳房におけるバイオプシでは、採取された石灰化組織の一部が前記生検針の抜け跡にへばりつくことはない。従って、このような前記黒色顔料の付着は、現実のバイオプシでは、通常起こり得ない現象である。
【0009】
さらにまた、先端部が鋭利な中空円筒から構成される生検針をファントムに穿刺し、先端部近傍に形成された開口部から中空部分を介して、前記開口部近傍の黒色顔料及びゼラチンを吸引しつつ前記黒色顔料及び前記ゼラチンの一部を採取するVAB(Vacuum Assisted Biopsy)によりバイオプシのトレーニングを行う場合、吸引によって採取物がボロボロな形状となるので、光の乱反射によって、前記黒色顔料が採取されているか否かを視認することが困難になる。
【0010】
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、石灰化組織のような小さな組織を採取するバイオプシのトレーニングが可能になると共に、採取物の中身を外部から容易に視認することができるファントムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係るファントムは、生体を模擬した第1部材と、前記生体内の石灰化組織を模擬し且つ前記第1部材に内蔵される第2部材とを有し、前記第1部材は、放射線及び光を透過可能な多糖類を含み、前記第2部材は、前記第1部材と比較して前記放射線及び前記光に対する透過率が低い物質であるか、又は、前記放射線及び前記光に対して不透過な物質であることを特徴としている。
【0012】
この構成によれば、前記石灰化組織を模擬した前記第2部材が前記第1部材に内蔵されているので、前記石灰化組織のような小さな組織を採取するためのバイオプシのトレーニングを行うことが可能になる。従って、医師が前記ファントムを用いてバイオプシのトレーニングを行うことにより、例えば、乳房内部の石灰化組織を採取するバイオプシに対する該医師の熟練度を向上させることができる。
【0013】
また、ゼラチンよりも粘度の高い前記多糖類を前記第1部材としているので、例えば、VABにより、前記医師が前記第1部材に生検針を穿刺して、前記生検針が前記第2部材及び該第2部材近傍の前記第1部材の一部を吸引しつつ、前記第2部材及び前記第1部材の一部を採取物として採取し、その後、前記第1部材から前記生検針を抜き取って該生検針から前記採取物を取り出した場合に、取り出された前記採取物の形状は、採取時における前記第2部材及び前記第1部材の一部の形状を維持することができる。
【0014】
これにより、前記医師は、前記採取物の中身を外部から容易に視認することが可能となる。すなわち、前記医師は、前記採取物を分解しなくても、前記第2部材の有無を容易に確認することが可能であるため、該採取物の分析作業を容易に行うことができる。このように、前記採取物中での前記第2部材の有無を容易に視認することができるので、前記採取物に対する放射線撮影(放射線画像の取得)を行わなくても、採取対象の前記第2部材に対して前記生検針を正確に位置決めし、狙い通りに該第2部材を含む前記採取物が採取できたか否かを容易に確認することができる。
【0015】
また、前記第2部材が前記第1部材と比較して前記放射線及び前記光に対する透過率が低い物質であるか、又は、前記放射線及び前記光に対して不透過な物質であるため、前記医師が前記採取物を視認しても、あるいは、前記採取物に対する放射線撮影を行って放射線画像を取得しても、いずれの場合でも、前記採取物中の前記第1部材と前記第2部材とを容易に識別することが可能となる。
【0016】
ここで、前記第1部材は、水溶性の天然高分子多糖類を含み、より好ましくは、前記水溶性の天然高分子多糖類をジェランガムとする。これにより、前記採取物は、採取時における前記第2部材及び前記第1部材の一部の形状を容易に維持することができる。
【0017】
また、固形物の金属又はセラミックスを前記第2部材とすることにより、前記採取物を採取した後に前記生検針を前記ファントムから抜き取っても、該ファントムに形成された前記生検針の抜け跡に前記金属又は前記セラミックスがへばりつくことを回避することができる。
【0018】
特に、鉛又はアルミナを前記第2部材とすれば、前記生検針を前記ファントムに穿刺して前記採取物を採取した後に、前記ファントムから前記生検針を抜き取っても、前記生検針の抜け跡に前記鉛又は前記アルミナがへばりつくことを確実に防止することができると共に、前記医師が前記採取物を視認しても、あるいは、前記採取物に対する放射線撮影を行って放射線画像を取得しても、いずれの場合でも、前記採取物中の前記第1部材と前記鉛又は前記アルミナとを容易に識別することができる。
【0019】
また、実際の石灰化組織と略同等のサイズである100μm〜500μmの直径を有する粒子を前記第2部材とすれば、医師は、前記石灰化組織に対して前記生検針を±1mm程度の精度で位置決めするためのトレーニングを行うことも可能となるので、バイオプシに対する熟練度を一層向上させることができる。
【0020】
さらに、前記生検針の直径よりも小さな粒子を前記第2部材とすれば、前記石灰化組織に前記生検針を正確に位置決めさせるためのトレーニングを医師に行わせることが可能となる。
【0021】
さらにまた、第1層と、該第1層に積層された第2層との積層構造から前記第1部材を構成し、前記第1層と前記第2層との界面に前記第2部材を配置してもよい。これにより、例えば、前記第1層の上面に前記第2部材を配置した後に、該第2部材が配置された前記第1層の上面に前記第2層を積層させることで前記ファントムを完成させることができる。この結果、前記第1部材に前記第2部材を容易に内蔵させることができ、該ファントムを簡単に製造することができる。
【0022】
また、前記放射線及び前記光を透過可能な容器の内部に前記ファントムを収容し、前記容器の内部を外気と遮断させれば、該ファントムの保管が容易になる。特に、前記第1部材を前記ジェランガムで構成した場合には、該ジェランガムが外気から遮断されるので、前記ファントムにおけるカビ等の発生を防止することができる。
【0023】
この場合、前記容器は、前記ファントムを収容すると共に該ファントムの収容領域に連通する開口部が形成された容器本体と、該容器本体に前記ファントムが収容された状態で前記開口部を閉塞するカバー部材とを有し、前記カバー部材は、前記容器本体よりも薄厚であり、前記生検針は、前記カバー部材を突き破って前記第1部材に穿刺されてもよい。これにより、医師は、前記容器から前記ファントムを取り出さなくても、前記ファントムを前記容器に収容した状態のままでバイオプシのトレーニングを行うことができるので、該ファントムを容易に取り扱うことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るファントムによれば、石灰化組織を模擬した第2部材が第1部材に内蔵されているので、前記石灰化組織のような小さな組織を採取するためのバイオプシのトレーニングを行うことが可能になる。従って、医師が前記ファントムを用いてバイオプシのトレーニングを行うことにより、例えば、乳房内部の石灰化組織を採取するバイオプシに対する該医師の熟練度を向上させることができる。
【0025】
また、ゼラチンよりも粘度の高い多糖類を前記第1部材としているので、例えば、VABにより、前記医師が前記第1部材に生検針を穿刺して、前記生検針が前記第2部材及び該第2部材近傍の前記第1部材の一部を吸引しつつ、前記第2部材及び前記第1部材の一部を採取物として採取し、その後、前記第1部材から前記生検針を抜き取って該生検針から前記採取物を取り出した場合に、取り出された前記採取物の形状は、採取時における前記第2部材及び前記第1部材の一部の形状を維持することができる。
【0026】
これにより、前記医師は、前記採取物の中身を外部から容易に視認することが可能となる。すなわち、前記医師は、前記採取物を分解しなくても、前記第2部材の有無を容易に確認することが可能であるため、該採取物の分析作業を容易に行うことができる。このように、前記採取物中での前記第2部材の有無を容易に視認することができるので、前記採取物に対する放射線撮影(放射線画像の取得)を行わなくても、採取対象の前記第2部材に対して前記生検針を正確に位置決めし、狙い通りに該第2部材を含む前記採取物が採取できたか否かを容易に確認することができる。
【0027】
また、前記第2部材が前記第1部材と比較して前記放射線及び前記光に対する透過率が低い物質であるか、又は、前記放射線及び前記光に対して不透過な物質であるため、前記医師が前記採取物を視認しても、あるいは、前記採取物に対する放射線撮影を行って放射線画像を取得しても、いずれの場合でも、前記採取物中の前記第1部材と前記第2部材とを容易に識別することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1Aは、本実施形態に係るファントムの斜視図であり、図1Bは、図1Aのファントムの断面図である。
【図2】図2Aは、図1A及び図1Bのファントムを容器に収容した状態を示す斜視図であり、図2Bは、図2Aのファントム及び容器の断面図である。
【図3】図3Aは、容器に生検針を穿刺する前の斜視図であり、図3Bは、図3Aの生検針、ファントム及び容器の断面図である。
【図4】図4Aは、生検針の先端部が容器のカバー部材を切り裂いた状態を示す断面図であり、図4Bは、生検針の開口部が第2部材近傍に位置するように前記生検針をファントムに穿刺した状態を示す斜視図である。
【図5】図5Aは、第2部材及び第1部材の一部に対する吸引を生検針が開始した状態を示す断面図であり、図5Bは、生検針が第2部材及び第1部材の一部を採取物として採取した状態を示す断面図である。
【図6】図6Aは、採取物を吸引する状態を示す断面図であり、図6Bは、ファントム及び容器から生検針を抜き取った状態を示す断面図である。
【図7】図7Aは、ファントム及び容器から生検針を抜き取った状態を示す斜視図であり、図7Bは、生検針から取り出された採取物を示す斜視図である。
【図8】マンモグラフィ装置の斜視図である。
【図9】図8のマンモグラフィ装置の一部側面図である。
【図10】図8のマンモグラフィ装置によるステレオ撮影を模式的に説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明に係るファントムの好適な実施形態について、図1A〜図10を参照しながら、詳細に説明する。
【0030】
本実施形態に係るファントム10は、図1A及び図1Bに示すように、人体等の生体の検査対象物(例えば、乳房)を模擬した第1部材12と、検査対象物中の石灰化組織を模擬した第2部材16とを有しており、医師が生検針30(図3A参照)を穿刺して第2部材16を採取するためのバイオプシのトレーニング用ファントムとして用いられる。この場合、矩形状の第1部材12は、ブロック状の第1層12aと第2層12bとを順に積層することにより構成され、第1層12aと第2層12bとの界面14に複数の粒子状の第2部材16が配置されている。
【0031】
ここで、ファントム10の各構成要素について、詳しく説明する。
【0032】
第1部材12は、放射線及び光を透過可能な多糖類を含み構成されている。前記多糖類は、微生物発酵法により産出され且つゼラチンよりも粘度の高い水溶性の天然高分子多糖類、より好ましくは、ジェランガムである。一方、第2部材16は、第1部材12と比較して放射線及び光に対する透過率の低い物質、又は、放射線及び光に対して不透過な物質からなる。具体的に、第2部材16は、金属又はセラミックス、より好ましくは、鉛又はアルミナからなる。また、第2部材16は、乳房中の実際の石灰化組織と略同等のサイズである100μm〜500μmの直径を有する粒子であり、このサイズは、生検針30の外径、より好ましくは、生検針30の中空部分36の内径(数mm程度)よりも小さなサイズである。
【0033】
そして、本実施形態に係るファントム10は、例えば、次の(1)〜(4)の工程によって製造される。(1)ジェランガムの粉末を水に溶かしてゾル状にしたものを、図示しない矩形状の型枠の底部に流し込んで固化させる(ゲル状にする)ことにより第1層12aを形成する。(2)固化した第1層12aの上面に複数の第2部材16を分散配置する。(3)ジェランガムの粉末を水に溶かしてゾル状にしたものを、前記型枠の側面及び第1層12aの上面により形成される空間に流し込んで固化させることにより第2層12bを形成する。これにより、ファントム10が完成する。(4)完成したファントム10を前記型枠から取り出す。
【0034】
ゲル状のジェランガムから構成される第1部材12は、外気に触れるとカビ等が発生する可能性があるため、図2A及び図2Bのように、放射線及び光を透過可能な容器18内に収容される。
【0035】
容器18は、ファントム10を収容するための開口部28が形成された略矩形状の容器本体20と、容器本体20にファントム10が収容された状態で容器本体20上端のフランジ22及び開口部28を覆うシート状のカバー部材24とを有する。カバー部材24が開口部28を閉塞することで、容器18内部と外気とが遮断されると共に、ファントム10を内蔵(収容)するための室26が形成される。この場合、カバー部材24の厚みは、容器本体20の厚みよりも薄く設定されている。なお、室26において、ファントム10とカバー部材24との間には、例えば、不活性気体を充填することが望ましい。あるいは、このような隙間を設けず、ファントム10の上面とカバー部材24とが密接するように、容器18内にファントム10を密封させてもよい。
【0036】
次に、このようにして構成されるファントム10を用いて、医師は、下記の[1]〜[6]の順に、検査対象物(乳房)に対するバイオプシのトレーニングを行う。
【0037】
[1]先ず、図3A及び図3Bに示すように、ファントム10を収容した容器18上方に生検針30を位置した状態で、外部から放射線を照射する1回目のステレオ撮影を行うことにより、ファントム10、容器18及び生検針30のステレオ画像を取得し、その後、採取すべき所望の第2部材16の3次元座標位置と生検針30の3次元座標位置とを算出する。なお、ステレオ撮影の方法及びステレオ画像からの各3次元座標位置の算出方法に関しては後述する。
【0038】
ここで、生検針30は、検査対象物に対するバイオプシに実際に用いられる生検針である。この場合、生検針30では、中空円筒の針本体32の先端部34が鋭利な形状に加工され、該先端部34近傍の針本体32の側面には、中空部分36に連通する開口部38が形成されている。また、中空部分36には、中空の円筒カッター40(図3A〜図7A参照)が先端部34の方向に対して進退自在に配設されている。そして、中空部分36及び円筒カッター40の中空部には、図示しない吸引ポンプが連結されている。
【0039】
従って、生検針30では、前記吸引ポンプの駆動によって、開口部38、中空部分36及び円筒カッター40の中空部を介して、開口部38近傍の物体を中空部分36内に吸引しつつ、円筒カッター40を先端部34の方向に進行させることにより、吸引した物体の一部を切断するVAB(Vacuum Assisted Biopsy)を行うことが可能である。
【0040】
なお、図3A〜図7Aでは、生検針30の構造を詳しく図示するために、該生検針30を誇張して図示している。
【0041】
[2]医師は、算出された各3次元座標位置に基づいて、採取対象の第2部材16の上方に生検針30の先端部34を移動させた後、該生検針30をファントム10に向かって進行(下降)させる。これにより、生検針30の先端部34は、図4Aに示すように、薄厚のカバー部材24を突き破って容器18内に進入し、ファントム10を構成する第2層12bの上面に到達する。この場合、生検針30の先端部34は、第2層12bの内部に進入してもよい。
【0042】
生検針30の先端部34が第2層12bに到達した状態で、外部から放射線を照射する2回目のステレオ撮影を行うことにより、ファントム10、容器18及び生検針30のステレオ画像を再度取得し、その後、生検針30の開口部38を第2部材16近傍に位置させるために必要な該生検針30の移動量を算出する。
【0043】
[3]次に、医師は、算出された生検針30の移動量だけ該生検針30を下降させることにより、図4B及び図5Aに示すように、第2部材16に対向する位置に開口部38を配置させ、この状態で外部から放射線を照射する3回目のステレオ撮影を行い、生検針30がファントム10に穿刺されたステレオ画像を取得する。これにより、採取対象の第2部材16近傍に生検針30の開口部38が配置されているか否かを確認することができる。
【0044】
なお、第2部材16は、第1層12aと第2層12bとの界面14に配置されているので、開口部38は、界面14を中心として第1層12aの一部、第2部材16及び第2層12bの一部と対向するように、上下方向に沿って配置される。また、生検針30をファントム10に穿刺させる場合には、例えば、医師が図示しない生検針30の操作部を操作することにより、該生検針30がバネの弾発力によって前記移動量だけファントム10内に一気に進入するようにしてもよい。
【0045】
[4]図5Aに示すように、生検針30の中空部分36及び円筒カッター40の中空部に連結された図示しない吸引ポンプを駆動させて、開口部38に対向する第2部材16及び該第2部材16近傍の第1部材12の一部を開口部38を介して中空部分36内に吸引する。
【0046】
前記吸引ポンプの吸引作用によって、中空部分36における開口部38に対向する箇所が、第2部材16及び第1部材12(第1層12a及び第2層12b)の一部で充満されている状態において、円筒カッター40を先端部34に向かって下降させることにより第2部材16及び第1部材12の一部が切断され、略円筒状の採取物42として採取される(図5B参照)。これにより、ファントム10における開口部38近傍の箇所には、第2部材16及び第1部材12の一部が生検針30によって切り取られた空洞44が形成される。
【0047】
[5]図6Aに示すように、前記吸引ポンプの吸引作用によって、採取された採取物42を中空部分36及び円筒カッター40の中空部を介して吸引する一方で、図6B及び図7Aに示すように、生検針30をファントム10から上方に抜き取って、ファントム10及び容器18から離間させる。これにより、ファントム10には、空洞44に連通する生検針30の抜け跡46が形成される。
【0048】
なお、採取物42が既に採取されているので、円筒カッター40の位置は、図3A及び図3Bに示す円筒カッター40の下降前の位置に戻してもよい。また、抜け跡46が形成されたファントム10及び容器18に対して4回目のステレオ撮影を行い、該ファントム10及び容器18のステレオ画像を取得してもよい。あるいは、ファントム10から生検針30を抜き取る前に4回目のステレオ撮影を行ってもよい。いずれの状態でステレオ撮影を行っても、採取対象の第2部材16がファントム10より採取されたか否かをステレオ画像から確認することができる。
【0049】
[6]生検針30から取り出された採取物42は、図7Bに示すように、第1層12aの一部である採取組織42aと、第2層12bの一部である採取組織42bと、採取対象の第2部材16である採取組織42cとから構成される。
【0050】
前述したように、中空部分36における開口部38に対向する箇所を第2部材16及び第1部材12の一部で充満した状態で、円筒カッター40を下降させることにより採取物42が採取される。また、第1部材12は、ゼラチンよりも粘度の高いゲル状のジェランガムから構成されている。従って、採取物42は、ボロボロの形状ではなく、円筒カッター40の中空部に対応した円柱形状(採取時の形状)を維持していると共に、採取組織42a(第1層12aの一部)と採取組織42b(第2層12bの一部)との間に採取組織42c(第2部材16)が狭持された構造となっている。
【0051】
さらに、第1部材12は、放射線及び光を透過可能であるため、医師は、採取物42に対するステレオ撮影(放射線撮影)を実行しなくても、採取物42を直接視認することにより、該採取物42の内部に採取組織42cが存在しているか否かを容易に判断することができる。なお、採取物42に対して5回目のステレオ撮影を行い、該採取物42のステレオ画像(放射線画像)を取得してもよいことは勿論である。この場合でも、採取対象の第2部材16が採取組織42cとして採取物42内に存在しているか否かをステレオ画像から確認することができる。
【0052】
なお、[6]の説明では、採取物42に対してステレオ撮影を行う場合について説明したが、該採取物42に対して1枚の放射線画像を取得するための放射線撮影を行い、取得した1枚の放射線画像から採取物42中の採取組織42c(第2部材16)の有無を判断してもよいことは勿論である。
【0053】
次に、前述したステレオ撮影を行うマンモグラフィ装置50と、前記ステレオ撮影により取得されるステレオ画像を用いた第2部材16及び生検針30の各三次元座標位置、並びに、生検針30の移動量の算出とに関し、図8〜図10を参照しながら説明する。
【0054】
図8及び図9に示すマンモグラフィ装置50は、人体のマンモのステレオ画像を取得するための放射線撮影装置であるが、本実施形態では、容器18に収容されたファントム10、又は、採取物42のステレオ画像を取得するために該マンモグラフィ装置50を利用する。従って、以下の説明では、ファントム10又は採取物42のステレオ画像を得るために必要なマンモグラフィ装置50の構成について説明する。
【0055】
マンモグラフィ装置50は、立設状態に設置される基台52と、該基台52の略中央部に配設された旋回軸54の先端部に固定されるアーム部材56と、容器18に収容されたファントム10(又は採取物42)に対して放射線62を照射する放射線源64を収容し、アーム部材56の一端部に固定される放射線源収容部66と、ファントム10(又は採取物42)を透過した放射線62を検出する固体検出器(放射線検出器)68が収容され、アーム部材56の他端部に固定される撮影台70と、該撮影台70に対してファントム10を保持する圧迫板72と、圧迫板72に装着され、ファントム10から所望の第2部材16を採取するバイオプシハンド部76を備える。
【0056】
なお、圧迫板72は、撮影台70上に配置された容器18が動かない程度に撮影台70と協働して該容器18を保持している。また、採取物42が撮影台70上に配置される場合、圧迫板72は、採取物42と接触しない所定の高さ位置に配置される。さらに、マンモグラフィ装置50において、基台52には、ファントム10又は採取物42の撮影条件等を設定可能な表示操作部80が配設される。
【0057】
放射線源収容部66及び撮影台70を連結するアーム部材56は、旋回軸54を中心として旋回することで、容器18に対する方向が調整可能に構成される。また、放射線源収容部66は、ヒンジ部82を介してアーム部材56に連結されており、矢印θ方向に撮影台70とは独立に旋回可能に構成される。アーム部材56の矢印X方向に沿った両側部には、図示しない人体が把持するための取手部84がそれぞれ設けられている。
【0058】
圧迫板72は、アーム部材56に形成された溝部86に連結された状態で放射線源収容部66及び撮影台70間に配設されており、矢印Z方向に変位可能に構成される。圧迫板72上面(圧迫板72の放射線源64側に位置する面)のうち溝部86の近傍には、上述したバイオプシハンド部76が取り付けられている。また、圧迫板72の先端部側(容器18側)には、バイオプシハンド部76を用いた組織採取のための矩形状の開口部92が形成されている。
【0059】
バイオプシハンド部76は、圧迫板72に固定されたポスト94と、ポスト94に一端部が軸支され、圧迫板72の面に沿って旋回可能な第1アーム96と、第1アーム96の他端部に一端部が軸支され、圧迫板72の面に沿って旋回可能な第2アーム98とを備える。第2アーム98の他端部には、矢印Z方向に移動可能な生検針30が装着される。
【0060】
この場合、生検針30は、バイオプシハンド部76の第1アーム96及び第2アーム98によって圧迫板72の面に沿ったX−Y平面内で移動可能であると共に、医師が図示しない操作部を用いて生検針30を矢印Z方向に移動させることにより、生検針30の開口部38を前述した第2部材16の近傍に配置させることができる。
【0061】
図10に示すように、マンモグラフィ装置50では、固体検出器68の垂直軸(中心軸)100に対して斜め(A位置及びB位置)に配置された放射線源64からファントム10が収容された容器18に対して放射線62a、62bを照射するステレオ撮影を行い、固体検出器68は、ステレオ撮影によりファントム10及び容器18を透過した放射線62a、62bを検出して放射線画像(ステレオ画像)にそれぞれ変換する。この場合、ステレオ撮影の撮影枚数や撮影順序は適宜設定される。また、A位置及びB位置間の放射線源64の移動は、上述したように、ヒンジ部82を中心として放射線源収容部66を回動させることにより行われる。
【0062】
なお、本実施形態では、A位置及びB位置に放射線源64を配置した状態で放射線62a、62bをそれぞれ照射する場合について説明したが、垂直軸100上のC位置及びA位置に放射線源64を配置した状態で放射線62をそれぞれ照射するステレオ撮影や、C位置及びB位置に放射線源64を配置した状態で放射線62をそれぞれ照射するステレオ撮影も可能であることは勿論である。
【0063】
また、図10では、一例として、ファントム10が収容された容器18に対するステレオ撮影について図示しているが、生検針30が穿刺されたファントム10、生検針30が抜き取られたファントム10、又は、採取物42に対しても、同様にしてステレオ撮影を行うことができることは勿論である。
【0064】
そして、前述の[1]及び[2]において、医師がファントム10中の所望の第2部材16を採取対象として決定し、例えば、図示しないディスプレイの画面に表示されたファントム10の2枚のステレオ画像中、採取対象の第2部材16をマウス等のポインティングデバイスを用いてそれぞれ選択指示すると、マンモグラフィ装置50に接続されたコンソール(コンピュータ)は、ステレオ撮影における公知の3次元座標位置の算出方法に基づいて、選択指示された第2部材16の3次元座標位置や生検針30の3次元座標位置を算出する。これにより、バイオプシハンド部76は、第1アーム96及び第2アーム98を操作して生検針30をX−Y平面内で移動させ、該生検針30の先端部34を第2部材16上方に配置することが可能となる。
【0065】
また、[2]において、生検針30の先端部34が第2層12bに到達した状態でステレオ撮影が行われ、ファントム10、容器18及び生検針30を含むステレオ画像が取得された場合、前記コンピュータは、前記公知の3次元座標位置の算出方法に基づいて、生検針30の先端部34又は開口部38の3次元座標位置と、第2部材16の3次元座標位置とをそれぞれ算出した後に、算出した各3次元座標位置に基づいて生検針30の移動量を算出し、算出した移動量を前記ディスプレイ又は表示操作部80に表示させる。これにより、[3]において、医師は、図示しない操作部を操作して、生検針30の開口部38を矢印Z方向に沿って第2部材16近傍にまで進行させることができる。
【0066】
以上説明したように、本実施形態に係るファントム10によれば、石灰化組織を模擬した第2部材16が第1部材12に内蔵されているので、石灰化組織のような小さな組織を採取するためのバイオプシのトレーニングを行うことが可能になる。従って、医師がファントム10を用いてバイオプシのトレーニングを行うことにより、例えば、乳房内部の石灰化組織を採取するバイオプシに対する該医師の熟練度を向上させることができる。
【0067】
また、ゼラチンよりも粘度の高い多糖類から第1部材12が構成されているので、例えば、VABにより、医師が第1部材12に生検針30を穿刺して、生検針30が第2部材16及び該第2部材16近傍の第1部材12の一部を吸引しつつ、第2部材16及び第1部材12の一部を採取物42として採取し、その後、第1部材12から生検針30を抜き取って該生検針30から採取物42を取り出した場合に、取り出された採取物42の形状は、採取時における第2部材16及び第1部材12の一部の形状を維持することができる。
【0068】
これにより、医師は、採取物42の中身を外部から容易に視認することが可能となる。すなわち、医師は、採取物42を分解しなくても、第2部材16(採取組織42c)の有無を容易に確認することが可能であるため、該採取物42の分析作業を容易に行うことができる。このように、採取物42中での採取組織42cの有無を容易に視認することができるので、採取物42に対する放射線撮影(放射線画像の取得)を行わなくても、採取対象の第2部材16に対して生検針30を正確に位置決めし、狙い通りに該第2部材16(採取組織42c)を含む採取物42が採取できたか否かを容易に確認することができる。
【0069】
また、第2部材16が第1部材12と比較して放射線及び光に対する透過率が低い物質であるか、又は、放射線及び光に対して不透過な物質であるため、医師が採取物42を視認しても、あるいは、採取物42に対する放射線撮影を行っても、いずれの場合でも、採取物42中の第1部材12と第2部材16(採取組織42c)とを容易に識別することが可能となる。
【0070】
ここで、水溶性の天然高分子多糖類であるジェランガムを用いて第1部材12を構成することにより、採取物42は、採取時における第2部材16及び第1部材12の一部の形状を容易に維持することができる。
【0071】
また、固形物の金属又はセラミックスを第2部材16とすることにより、採取物42を採取した後に生検針30をファントム10から抜き取っても、該ファントム10に形成された生検針30の抜け跡46に金属又はセラミックスがへばりつくことを回避することができる。
【0072】
特に、鉛又はアルミナを第2部材16とすれば、生検針30をファントム10に穿刺して採取物42を採取した後に、ファントム10から生検針30を抜き取っても、生検針30の抜け跡46に鉛又はアルミナがへばりつくことを確実に防止することができると共に、医師が採取物42を視認しても、あるいは、採取物42に対する放射線撮影を行って放射線画像を取得しても、いずれの場合でも、採取物42中の第1部材12と鉛又はアルミナ(第2部材16)とを容易に識別することができる。
【0073】
また、実際の石灰化組織と略同等のサイズである100μm〜500μmの直径を有する金属(鉛)又はセラミックス(アルミナ)の粒子を第2部材16とすれば、医師は、石灰化組織に対して生検針30を±1mm程度の精度で位置決めするためのトレーニングを行うことも可能となるので、バイオプシに対する熟練度を一層向上させることができる。
【0074】
さらに、生検針30の直径や中空部分36の内径よりも小さな金属(鉛)又はセラミックス(アルミナ)の粒子を第2部材16とすれば、石灰化組織に生検針30を正確に位置決めさせるためのトレーニングを医師に行わせることが可能となる。
【0075】
さらにまた、第1部材12を第1層12a及び第2層12bの積層構造で構成し、第1層12aと第2層12bとの界面14に第2部材16を配置すれば、前述したように、第1層12aの上面に第2部材16を配置した後に、該上面に第2層12bを積層させてファントム10を完成させることができるので、第1部材12に第2部材16を容易に内蔵させることができ、ファントム10を簡単に製造することができる。
【0076】
また、放射線及び光を透過可能な容器18の内部にファントム10を収容して、該容器18の内部を外気と遮断させることで、該ファントム10の保管が容易になる。特に、第1部材12をジェランガムで構成した場合には、該ジェランガムが外気から遮断されるので、ファントム10におけるカビ等の発生を防止することができる。
【0077】
この場合、容器18のカバー部材24を、ファントム10を収容する容器本体20よりも薄厚とし、生検針30がカバー部材24を突き破って第1部材12に穿刺させるようにすれば、医師は、容器18からファントム10を取り出さなくても、ファントム10を容器18に収容した状態のままでバイオプシのトレーニングを行うことができるので、ファントム10を容易に取り扱うことができる。
【0078】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0079】
10…ファントム
12…第1部材
12a…第1層
12b…第2層
14…界面
16…第2部材
18…容器
20…容器本体
24…カバー部材
28…開口部
30…生検針
36…中空部分
38…開口部
40…円筒カッター
42…採取物
42a〜42c…採取組織
50…マンモグラフィ装置
62、62a、62b…放射線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体を模擬した第1部材と、前記生体内の石灰化組織を模擬し且つ前記第1部材に内蔵される第2部材とを有し、
前記第1部材は、放射線及び光を透過可能な多糖類を含み、
前記第2部材は、前記第1部材と比較して前記放射線及び前記光に対する透過率が低い物質であるか、又は、前記放射線及び前記光に対して不透過な物質であることを特徴とするバイオプシ用ファントム。
【請求項2】
請求項1記載のファントムにおいて、
前記第1部材は、水溶性の天然高分子多糖類を含むことを特徴とするバイオプシ用ファントム。
【請求項3】
請求項2記載のファントムにおいて、
前記水溶性の天然高分子多糖類は、ジェランガムであることを特徴とするバイオプシ用ファントム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のファントムにおいて、
前記第2部材は、金属又はセラミックスであることを特徴とするバイオプシ用ファントム。
【請求項5】
請求項4記載のファントムにおいて、
前記第2部材は、鉛又はアルミナであることを特徴とするバイオプシ用ファントム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のファントムにおいて、
前記第2部材は、100μm〜500μmの直径を有する粒子であることを特徴とするバイオプシ用ファントム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のファントムにおいて、
前記第2部材は、前記第1部材に穿刺されて前記第2部材及び該第2部材近傍の前記第1部材の一部を採取物として採取可能な生検針の直径よりも小さな粒子であることを特徴とするバイオプシ用ファントム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のファントムにおいて、
前記第1部材は、第1層と、該第1層に積層された第2層との積層構造からなり、
前記第1層と前記第2層との界面に前記第2部材が配置されていることを特徴とするバイオプシ用ファントム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のファントムにおいて、
該ファントムは、前記放射線及び前記光を透過可能な容器の内部に収容され、
前記容器の内部は、外気と遮断されていることを特徴とするバイオプシ用ファントム。
【請求項10】
請求項9記載のファントムにおいて、
前記容器は、前記ファントムを収容すると共に該ファントムの収容領域に連通する開口部が形成された容器本体と、該容器本体に前記ファントムが収容された状態で前記開口部を閉塞するカバー部材とを有し、
前記カバー部材は、前記容器本体よりも薄厚であり、
前記第1部材に穿刺されて前記第2部材及び該第2部材近傍の前記第1部材の一部を採取物として採取可能な生検針は、前記カバー部材を突き破って前記第1部材に穿刺されることを特徴とするバイオプシ用ファントム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−55549(P2012−55549A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202976(P2010−202976)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】