説明

バックアップ・リストア処理装置とバックアップ・リストア処理方法およびプログラム

【課題】パブリッククラウドサービスにまたがるシステムにおいて、仮想化技術による動的な構成変更を意識することなく、適切なバックアップ管理を行う。
【解決手段】システム100,110,120におけるサーバ構成の変更を検知すると、当該システムに対するバックアップ設定の変更が必要であるか否かを判別し(210)、当該システム構成の変更に対応するバックアップ設定の変更処理手順を特定し(230)、当該システム構成の変更に対応するバックアップ設定の変更処理を実行し(240)、実行された設定の変更処理結果を記憶し(220)、さらに、各システムでのバックアップ処理の結果情報を記憶装置に格納しておき(250)、障害が発生したシステムからの障害情報を取得すると、取得した障害情報に対応するリストア手順と復元ポイントを生成して、当該障害発生システムに対するリストア処理を実行する(270)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ装置を用いたシステムにおけるデータや各種システム情報のバックアップとリストア処理の設定・管理技術に係り、特に、物理サーバと仮想サーバが混在したシステムや、企業が自社所有するオンプレミス機器、データセンタサービス提供ベンダが提供するホスティングサービス・システム、並びに、インターネットを介して提供されるパブリッククラウドサービスにまたがるシステム等におけるバックアップ・リストア処理の設定・管理・運用を効率的に行うのに好適な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータシステムの仮想化技術の発展と企業のITシステムに対する考えの「所有」から「利用」への変化に伴って、リソース(コンピュータリソース)を必要に応じて必要なだけ利用する仮想化ホスティングサービスやパブリッククラウドサービス等の利用が増加している。また、自社に専用の仮想化基盤のサーバを用意し、従来の物理機器と組み合わせて、混在させて運用する企業も見られる。
【0003】
上述したような仮想化技術を利用した環境では、仮想サーバに対するCPU(Central Processing Unit)、メモリ、ディスクといったリソースを柔軟に変更することや、負荷に応じてサーバ台数を増減させるといったことが可能である。
【0004】
企業では、これらの技術を利用して、サーバ負荷状況に合わせリソースを効率よく利用することで、ITシステムに対するコスト削減を図っている。
【0005】
尚、高度に自動化された管理システムによって、サーバの負荷状況に応じて、動的に、リソースを変更することや、サーバ台数を増減するといったことも行われている。
【0006】
このようなシステム構成の変化に伴う問題点として、各種データのバックアップ処理やリストア運用処理の複雑化が挙げられる。
【0007】
従来の物理サーバのみから構成されたシステムにおいては、サーバ構成は固定のことが多く、増設やリプレースにあたっても数ヶ月の計画・検証期間の後に行われることが一般的であった。バックアップ設定についてもその計画の一部として行われており、十分な設定管理が行われていた。
【0008】
しかしこれに対し、仮想化技術を用いたシステムでは、前述したように、動的にサーバが増減される。そのため、システム運用管理者の把握しないところでシステムの変更が行われてしまう場合があり、バックアップ設定漏れやバックアップ設定が完了するまでの間のデータ欠損といった問題が発生する可能性がある。
【0009】
近年では、JSOX法などの内部統制に関する法令整備に伴って、漏れなく取得が必要なデータもあり、バックアップの設定漏れが企業にとって大きな問題につながる危険も秘めている。
【0010】
また、RTO(Recovery Time Objective;システム復旧にかかる指標となる時間)やRPO(Recovery Point Objective;システム復旧の目標地点)管理に関するシステム運用管理者の負担も増加しており、システム要件に定められた復旧時間以内に必要な時点に戻すことが重要なのは周知の通りである。
【0011】
仮想化技術を利用する場合、仮想化特有のバックアップ方法を考慮したRTOやRPO管理を行う必要があり、さらに、仮想化ホスティングサービスやパブリッククラウドサービスを利用する場合は、そのベンダ特有のバックアップ方法および制限をも考慮する必要がある。
【0012】
また、動的なサーバ構成変更が行われた場合は、変更された部位で障害が発生した場合のRTO、RPO、リカバリ手順への影響についても運用管理者は考えなければならない。
【0013】
以上に述べた問題点を整理すると次の通りである。
問題1: 仮想化技術による動的なサーバ増減やリソース変更に、バックアップ設定変更・管理が追いついていない。
問題2:システムを構成するサーバのRTOおよびRPO管理が煩雑である。
【0014】
この問題点に対する公知の技術として、例えば、特許文献1に記載のものがある。この技術は、動的にデータベースサーバの台数が増減する並列・分散データベースにおいて、主データベースシステムのデータを副バックアップシステムにデータベースコマンドによって複製(バックアップ)するというものである。この技術を利用すれば、動的サーバ追加に伴って、同時に副サーバへのデータ複製を行うことが可能である。
【0015】
しかし、この特許文献1に記載の技術では、複製対象となる副データベースシステムを必要とし、さらに、複製対象が主データベースシステムのデータベースのデータに限られている。また、データベースデータ以外のOS(Operating System)やアプリケーションを含むシステム全体としてのRTOやRPO管理を行うことはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特許公開2006−4229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
解決しようとする問題点は、従来の技術では、動的サーバ追加に伴って、同時に副サーバへのデータ複製を行うことが可能であるが、複製対象となる副データベースシステムを必要とし、また、複製対象が主データベースシステムのデータベースのデータに限られ、さらに、データベースデータ以外のOSやアプリケーションを含むシステム全体としてのRTOやRPO管理を行うことはできない点である。
【0018】
本発明の目的は、これら従来技術の課題を解決し、オンプレミスやホスティングサービス、パブリッククラウドサービス等の複数種類にまたがるシステムにおけるサーバ負荷等に伴う動的なサーバの増減に対応して、サーバ障害時の復元に必要なデータや、内部統制等で漏れなく取得が必要なデータを、適切にバックアップする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するため、本発明では、プログラムされたコンピュータ処理を実行する手段として、システム構成管理手段と、設定変更ポリシー管理手段、バックアップ方法管理手段、バックアップ設定変更手段、バックアップ設定管理手段、および、バックアップ履歴管理手段、リストア管理手段を有し、システム構成管理手段により、システムにおけるサーバ構成の変更を検知し、設定変更ポリシー管理手段は、システム構成管理手段がシステムの構成変更を検知すると、このシステム構成の変更に対応して、当該システムに対するバックアップ設定の変更が必要であるか否かを、予め各システムに対して定められているバックアップ設定の変更条件情報を参照して特定し、バックアップ方法管理手段は、設定変更ポリシー管理手段が検知したシステム構成の変更に対応してバックアップ設定の変更が必要であると判別すると、当該システム構成の変更に対応するバックアップ設定の変更処理手順を、予め各システム構成の変更内容に対して定められているバックアップ設定の変更処理手順情報を参照して特定し、バックアップ設定変更手段は、バックアップ方法管理手段が特定したバックアップ設定の変更処理手順情報に基づき、当該システム構成の変更に対応するバックアップ設定の変更処理手順の実行に用いるコマンドを、予め各バックアップ設定の変更処理手順の内容に対して定められている変更コマンド群から選択して、当該システムに対して、当該システム構成の変更に対応するバックアップ設定の変更処理を実行し、バックアップ設定管理手段は、バックアップ設定変更手段によるバックアップ設定の変更処理に対応して当該システムで実行されたバックアップ設定の変更処理結果を取得して、当該システムにおけるバックアップ設定情報として記憶装置に格納し、さらに、バックアップ履歴管理手段は、バックアップ設定変更手段で変更されたバックアップ設定に基づき実施される当該システムでのバックアップ処理の結果を、バックアップ処理が実施される度に取得して、バックアップ履歴情報として記憶装置に格納し、そして、リストア管理手段は、障害が発生したシステムからの障害情報を取得すると、当該障害発生システムに対するバックアップ履歴情報を、バックアップ履歴管理手段が格納したバックアップ履歴情報から読み出し、この読み出したバックアップ履歴情報を参照して、取得した障害情報に対応するリストア手順と復元ポイントを生成して、当該障害発生システムに対するリストア処理を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、運用管理者は、オンプレミス機器とデータセンタサービス提供ベンダが提供するホスティングサービスおよびインターネットを介して提供されるパブリッククラウドサービスにまたがるシステムにおいて、仮想化技術による動的な構成変更を意識することなく、適切なバックアップ管理を行うことができる。また、バックアップ設定漏れによるデータ欠損や、リカバリ不可といった問題の発生を抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係るバックアップ・リストア処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1におけるシステム構成情報データベースに保存されている情報例を示す説明図である。
【図3】図1における設定変更ポリシーデータベースに保存されている情報例を示す説明図である。
【図4】図1におけるバックアップ設定データベースに保存されている情報例を示す説明図である。
【図5】図1におけるバックアップ方法管理データベースに保存されている情報例を示す説明図である。
【図6】図1におけるバックアップ履歴管理データベースに保存されている情報例を示す説明図である。
【図7】図1におけるリストア手順データベースに保存されている情報例を示す説明図である。
【図8】図1におけるバックアップ・リストア処理装置の本発明に係る第1の処理動作例(構成変更が発生した場合のバックアップ設定変更)を示すフローチャートである。
【図9】図1におけるバックアップ・リストア処理装置の本発明に係る第2の処理動作例(日々のバックアップが行われた場合のバックアップ履歴更新)を示すフローチャートである。
【図10】図1におけるバックアップ・リストア処理装置の本発明に係る第3の処理動作例(障害が発生した場合のリストア手順の生成)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図を用いて本発明を実施するための形態例を説明する。図1において、100は複数の仮想サーバ101a,101bとそれらのバックアップを行うバックアップ機能102を有するパブリッククラウドサービスシステム(図中「パブリッククラウドサービス」と記載)、110は物理サーバ111と仮想サーバ112およびそれらのバックアップを行うバックアップサービス機能(図中「バックアップサービス」と記載)114を有するポスティングシステム(図中「ポスティング」と記載)、120は物理サーバ121と仮想サーバ122およびそれらのバックアップを行うバックアップ機能(図中「バックアップソフトウェア」と記載)124を有するオンプレミスシステム(図中「オンプレミス」と記載)であり、280は本発明に係るバックアップ・リストア処理装置である。
【0023】
パブリッククラウドサービスシステム100とポスティングシステム110およびオンプレミスシステム120のそれぞれにおける仮想サーバ101a,101bと、バックアップ機能102、物理サーバ111、仮想サーバ112、バックアップサービス機能114、物理サーバ121、仮想サーバ122、バックアップ機能124は、各々、プログラムされたコンピュータ処理により実装されるものである。
【0024】
バックアップ・リストア処理装置280においても同様に、プログラムされたコンピュータ処理により実装される機能として、システム構成管理機能200と、設定変更ポリシー管理機能210、バックアップ設定管理機能220、バックアップ方法管理機能230、バックアップ設定変更機能240、バックアップ履歴管理機能250、リストア方法管理機能260、および、リストア手順生成機能271と復元ポイント生成機能272を有するリストア管理機能270を具備している。
【0025】
また、システム構成管理機能200、設定変更ポリシー管理機能210、バックアップ設定管理機能220、バックアップ方法管理機能230、バックアップ履歴管理機能250、および、リストア方法管理機能260のそれぞれにおいては、システム構成管理情報データベース201、設定変更ポリシーデータベース211、バックアップ設定情報データベース221、バックアップ方法データベース231、バックアップ履歴データベース251、リストア手順データベースを用いて、それぞれで処理する情報の記憶管理を行っている。尚、バックアップ設定変更機能240においても、図示していないデータベース等の記憶システムを用いて、処理に用いる変更コマンド241a〜241cを記憶管理している。
【0026】
このような構成により、本発明に係るバックアップ・リストア処理装置280は、プログラムされたコンピュータ処理によって、パブリッククラウドサービスとホスティングサービスおよびオンプレミスを含む各システムに設けられた各物理サーバおよび各仮想サーバに対するバックアップ処理とリストア処理を以下のようにして行う。
【0027】
まず、システム構成管理機能200は、各システム(100,110,120)におけるサーバ構成の変更を検知し、設定変更ポリシー管理機能210は、システム構成管理機能200がシステム(100,110,120)におけるサーバ構成の変更を検知すると、当該システム構成の変更に対応して、当該システムに対するバックアップ設定の変更が必要であるか否かを、予め設定変更ポリシーデータベース211において各システムに対して定められているバックアップ設定の変更条件情報を参照して特定する。
【0028】
バックアップ方法管理機能230は、設定変更ポリシー管理機能210がバックアップ設定の変更が必要であると判別すると、当該システム構成の変更に対応するバックアップ設定の変更処理手順を、予めバックアップ方法データベース231において各システム構成の変更内容に対して定められているバックアップ設定の変更処理手順情報を参照して特定する。
【0029】
バックアップ設定変更機能240は、バックアップ方法管理機能230が特定したバックアップ設定の変更処理手順情報に基づき、当該システム構成の変更に対応するバックアップ設定の変更処理手順の実行に用いるコマンドを、予め各バックアップ設定の変更処理手順の内容に対して定められている変更コマンド群(241a〜241c)から選択して、当該システムに対して、当該システム構成の変更に対応するバックアップ設定の変更処理を実行する。
【0030】
バックアップ設定管理機能220は、バックアップ設定変更機能240によるバックアップ設定の変更処理に対応して当該システムで実行されたバックアップ設定の変更処理結果を取得して、当該システムにおけるバックアップ設定情報としてバックアップ設定情報データベース221を用いて格納する。
【0031】
また、バックアップ履歴管理機能250は、バックアップ設定変更機能240で変更されたバックアップ設定に基づき実施される当該システム(100,110,120)での各バックアップ機能102,124,バックアップサービス機能114によるバックアップ処理の結果を、バックアップ処理が実施される度に取得して、バックアップ履歴情報としてバックアップ履歴データベース251を用いて格納する。
【0032】
また、リストア管理機能270は、障害が発生したシステム(100,110,120)からの障害情報を取得すると、当該障害発生システム(100,110,120)に対するバックアップ履歴情報を、バックアップ履歴管理機能250がバックアップ履歴データベース251を用いて格納したバックアップ履歴情報から読み出し、この読み出したバックアップ履歴情報を参照して、取得した障害情報に対応するリストア手順と復元ポイントを生成して、当該障害発生システム(100,110,120)に対するリストア処理を実行する。
【0033】
以下、このような構成からなるバックアップ・リストア処理装置280の詳細について説明する。
【0034】
図1に示すように、バックアップ・リストア処理装置280は、パブリッククラウドサービス提供ベンダによって提供されるパブリッククラウドサービス100と、ホスティングサービス提供ベンダによって提供されるホスティングサービス110、および、自社所有のオンプレミスシステム120のそれぞれと、ネットワークを介して接続されている。
【0035】
パブリッククラウドサービス100は、仮想サーバ101a,101bの機能およびバックアップ機能102によるサービスを、図示していない端末装置を介してサービス利用者へ提供する。ベンダによっては、これ以外の機能をサービス提供することもあるが、本例では触れない。
【0036】
ホスティングサービス110は、物理サーバ111と仮想サーバ112の機能および仮想サーバ112に対する構成管理を行う構成管理機能113、物理サーバ111と仮想サーバ112に対するバックアップサービス機能114によるバックアップサービスを、図示していない端末装置を介してサービス利用者へ提供する。尚、ベンダによっては、これ以外の機能をサービス提供することもあるが、本例では触れない。
【0037】
オンプレミスシステム120は、自社所有の物理サーバ121と仮想サーバ122、および、仮想サーバ122に対する構成管理を行う構成管理機能123、ならびに、バックアップ機能124より構成される。
【0038】
バックアップ・リストア処理装置280において、システム構成管理機能200は、その処理結果の情報をシステム構成管理情報データベース201に格納し、設定変更ポリシー管理機能210は、その処理結果の情報を設定変更ポリシーデータベース211に格納し、バックアップ設定管理機能220は、その処理結果の情報をバックアップ設定情報データベース221に格納し、バックアップ方法管理機能230は、その処理結果の情報をバックアップ方法データベース231に格納し、バックアップ設定変更機能240は、そのバックアップ設定変更処理時に実行するバックアップ設定変更コマンド群(変更コマンド241a〜241c)を図示していない記憶装置に格納し、バックアップ履歴管理機能250は、その処理結果の情報をバックアップ履歴データベース251に格納し、リストア方法管理機能260は、その処理結果の情報をリストア手順データベースに格納する。
【0039】
図2においては、図1のシステム構成情報データベース201に保存されている情報の具体例を示しており、この図2に示すように、システム構成情報データベース201aにおいては、各システムの識別情報毎(システムID)に対応付け、当該システムの名称(システム名)と、当該システムを構成するサーバの識別情報(システム構成要素ID)と名称(システム構成要素名)、当該サーバがパブリッククラウドとホスティングおよびオンプレミスのいずれに属するかを示す情報(形態)、当該サーバを利用するサービス名、当該サービスが物理サーバであるか仮想サーバであるかを示す情報(物理/仮想区分)、その他の情報(備考)が格納されている。
【0040】
図1のバックアップ・リストア処理装置280は、システム構成管理機能200が管理する、この図2に示すシステム構成情報データベース201aに保存されている情報を利用することで、システムがベンダまたはオンプレミスのどのような形態のサーバで構成されているか等を把握することができる。
【0041】
図3は、図1における設定変更ポリシー情報データベース211に保存されている、バックアップ設定に関する情報の具体例を示しており、この図3に示すように、設定変更ポリシー情報データベース211aにおいては、システムの識別情報毎(システムID)で特定される各システムの構成要素(システム構成要素ID)毎に、サーバやディスクの追加・削除・起動・停止・拡張・縮小などの変更分類情報と、バックアップ変更の有無を示す情報、ジョブの追加・削除・有効・無効・変更などの変更分類情報、バックアップジョブID、実行コマンド情報、バックアップ実行時に用いるパラメータ情報などが格納されている。これらの情報により、サーバ追加・削除、サーバ起動・停止、ディスク追加・削除といった操作が加えられた場合に、どのようなバックアップ設定の変更を行うかを判断することができ、また、実行コマンドの項目内容(コマンド1〜6,null)を参照することで、バックアップ設定を変更するためのコマンド群となる図1におけるバックアップ設定変更コマンド241a〜241cを特定し、そのパラメータ情報も特定することができる。
【0042】
図1のバックアップ・リストア処理装置280は、設定変更ポリシー管理機能210が管理する、この図3に示す設定変更ポリシー情報データベース211aに保存されている各情報を用いることにより、システムを構成するサーバに変更が加えられた場合に、どのようなバックアップ設定の変更を行うか、または行わないかを管理することができる。
【0043】
図4は、図1におけるバックアップ設定管理データベース221に保存されている情報の具体例を示しており、この図4に示すように、バックアップ設定管理データベース221aにおいては、現在のサーバに対するバックアップ設定およびそのスケジュールや復元ポイント、具体的なパラメータ情報が格納されている。
【0044】
すなわち、バックアップジョブの識別情報(ID)毎に、システムID、システム構成要素ID、バックアップ種別、バックアップの単位、バックアップのスケジュール、バックアップの開始時刻、バックアップに用いるバックアップサーバ、バックアップに用いるバックアップジョブテンプレートを特定する情報、バックアップの正常終了時に設定する復元ポイントを特定する情報(正常終了時復元ポイント)、バックアップ処理に用いるパラメータ情報(param1〜10)、当該バックアップに関しての説明情報などが、対応付けて登録されている。
【0045】
図1のバックアップ・リストア処理装置280は、バックアップ設定管理機能220が管理する、この図4に示すバックアップ設定管理データベース221aに保存されている各情報を利用することにより、システムを構成するサーバに対し、現在どのようなバックアップ設定が行われているか、バックアップが成功した場合の復元ポイントがどこになるかといった情報を特定することができる。
【0046】
図5は、バックアップ方法管理データベース231に保存されている情報の具体例を示しており、この図5に示すように、バックアップ方法管理データベース231aにおいては、パブリッククラウドサービス提供ベンダ、ホスティングサービス提供ベンダ、オンプレミスにおけるバックアップ方法の情報が格納されている。
【0047】
すなわち、各バックアップ方法の識別情報(ID)毎に、対象サービスの種別を示す情報(サービス分類)、提供元ベンダの識別情報(ベンダID)、ベンダ名、具体的なバックアップ処理内容(バックアップ方法)、バックアップ対象、バックアップ内容の種別(完全/差分)、当該バックアップの前提となるバックアップの識別情報(ID)、目標となる復旧時点などのが、対応付けて登録されている。
【0048】
このように、その内容として、サーバ全体、ファイル単位、完全/差分、前提として必要なバックアップといった情報が含まれ、図1のバックアップ・リストア処理装置280は、バックアップ方法管理機能230が管理する、この図5に示すバックアップ方法管理データベース231aに保存されている情報により、そのバックアップを行った場合に何をどの時点まで復元することができるかを特定することができる。
【0049】
図6は、バックアップ履歴管理データベース251に保存されている情報の具体例を示しており、この図6に示すように、バックアップ履歴管理データベース251aにおいては、どのサーバでどのようなバックアップが何時に実行されたかといった情報が格納されている。
【0050】
すなわち、各バックアップ履歴の識別情報(ID)毎に、図4においても示したシステムID、システム構成要素ID、バックアップジョブIDのそれぞれと共に、当該バックアップの開始時刻、終了時刻、その実行結果、バックアップ対象のファイル名などが、対応付けて登録されている。
【0051】
図1のバックアップ・リストア処理装置280は、バックアップ履歴管理機能250が管理する、この図6に示すバックアップ履歴管理データベース251aに保存されている情報を用いて、その実行結果と開始、終了時刻からそのバックアップファイルをリストアすることで、どのサーバをどの時点に復元するかを特定することができる。
【0052】
図7は、リストア手順データベース261に保存されている情報の具体例を示しており、この図7に示すように、リストア手順データベース261aにおいては、障害部位に応じたリストアの手順情報が格納されている。
【0053】
すなわち、各障害の識別情報(ID)毎に、サービスを提供するベンダの識別情報(ID)、当該障害の場所(障害部位)、リストア作業内容を特定する情報(リストアステップID)、リストア作業の内容を示す情報(リストア作業)、リストア対象のファイルに対するバックアップ処理の識別情報(バックアップ方法ID)などが、対応付けて登録されている。
【0054】
図1のバックアップ・リストア処理装置280は、リストア方法管理機能260が管理する、この図7に示すリストア手順データベース261aに保存されている情報を利用することで、障害が発生した場合に、どのバックアップファイルを復元して、どのような順番でリストア作業を行えばよいか等を特定することができる。
【0055】
次に、図1と図8を用いて、パブリッククラウドサービス100で提供される仮想サーバ101a,101b、あるいは、ホスティングサービス110で提供される物理サーバ111または仮想サーバ112、もしくは、オンプレミス120の物理サーバ121または仮想サーバ122のそれぞれで構成変更やサーバ追加があった場合の、バックアップ・リストア処理装置280の処理動作を説明する。
【0056】
まず、システム構成管理機能200において、パブリックサービス100とホスティングサービス110およびオンプレミス120においてサーバ構成の変更があるか否かをリアルタイムにチェックする(ステップS801,S802)。
【0057】
変更を検知した場合、システム構成管理機能200は、その変更内容をバックアップ設定変更機能220に通知すると共に、システム構成管理データベース201を最新の情報に更新する(ステップS803)。
【0058】
通知を受けたバックアップ設定変更機能220は、設定変更ポリシー管理機能210に、当該変更内容に対応したバックアップ設定の変更の必要性の有無に関して問合せ、問合せを受けた設定変更ポリシー管理機能210は、変更内容を基に、設定変更ポリシーデータベース211を検索し、設定変更の必要性の有無を確認し、バックアップ設定管理機能220にその結果を戻す(ステップS804)。
【0059】
バックアップの設定変更が必要であった場合(ステップS805)、バックアップ設定変更機能220は、バックアップ方法管理機能230へ問合せを行い、バックアップ方法を取得する(ステップS806)。
【0060】
そして、バックアップ設定変更機能220は、バックアップ設定変更機能240を呼び出し、バックアップ方法管理機能230から取得したバックアップ方法の情報(バックアップ手順)を渡し、バックアップ設定変更機能240は、受け取ったにバックアップ手順に基づき、変更コマンド群(変更コマンド241a〜241c)中、該当するコマンドを実行して、当該サービス提供側システム、すなわち、パブリックサービス100におけるバックアップ機能102、またはホスティングサービス110におけるバックアップサービス機能114、オンプレミス120におけるバックアップ機能124の実行ジョブの追加やスケジュール変更を行う(ステップS807)。
【0061】
さらに、バックアップ設定変更機能220は、バックアップ設定変更機能240による当該バックアップ設定の変更結果を受け取り、当該変更結果に基づき、バックアップ設定データベース221を最新のバックアップ設定で更新する(ステップS808)。
【0062】
次に、図1と図9を用いて、パブリッククラウドサービス100で提供される仮想サーバ101a,101b、あるいは、ホスティングサービス110で提供される物理サーバ111または仮想サーバ112、もしくは、オンプレミス120の物理サーバ121または仮想サーバ122のそれぞれのバックアップが行われた場合の、バックアップ・リストア処理装置280における、履歴情報の更新処理動作について説明する。
【0063】
まず、バックアップ履歴管理機能250において、バックアップ機能102とバックアップサービス機能114およびバックアップ機能124のそれぞれから、当該バックアップ結果の通知を受ける(ステップS901)。
【0064】
通知を受けたバックアップ履歴管理機能250は、通知を受けた時間と、通知されたバックアップ結果を基に、バックアップ履歴管理データベース251を更新する(ステップS902)。
【0065】
次に、図1と図10を用いて、バックアップ・リストア処理装置280における、障害発生時の復元ポイントの生成処理動作とリストア手順の生成処理動作について説明する。
【0066】
まず、リストア管理機能270において、パブリッククラウドサービス100で提供される仮想サーバ101a,101b、あるいは、ホスティングサービス110で提供される物理サーバ111または仮想サーバ112、もしくは、オンプレミス120の物理サーバ121または仮想サーバ122のそれぞれの障害発生の監視を行い(ステップS1001)、それぞれで発生した障害の情報をリアルタイムで受信する(ステップS1002)。
【0067】
尚、リストア管理機能270の障害監視を行う技術については、多数公開されているため、ここでの説明は割愛するが、通知される障害情報としては、障害の発生部位および障害の発生日時、障害の内容といった情報が含まれる。
【0068】
障害情報を受信すると、リストア管理機能270は、バックアップ履歴管理機能250に対して問合せを行い、バックアップ履歴管理機能250は、バックアップ履歴管理データベース251を参照して、最新のバックアップに関する情報を取得して、リストア管理機能270に渡す(ステップS1003)。
【0069】
また、リストア管理機能270は、あわせてリストア方法管理機能260に対して問合せを行い、リストア方法管理機能260は、リストア手順データベース261を参照して、その復元手順を取得して、リストア管理機能270に渡す(ステップS1004)。
【0070】
リストア管理機能270は、取得したそれぞれの情報(最新バックアップ情報、復元手順情報)を基に、リストア手順生成機能271および復元ポイント生成機能272により、リストア手順および復元ポイントを生成する(ステップS1005)。
【0071】
尚、この際、パブリッククラウドサービス100で提供される仮想サーバ101a,101b、あるいは、ホスティングサービス110で提供される物理サーバ111または仮想サーバ112、もしくは、オンプレミス120の物理サーバ121または仮想サーバ122のそれぞれに対して、リストアのコマンド等を自動実行することにより、リカバリ処理を自動化しても良い。
【0072】
以上、図1〜図10を用いて説明したように、本例のバックアップ・リストア処理装置280は、システム構成管理機能200により、各仮想化システムおよび仮想化ホスティングサービス、パブリッククラウドによって提供される構成変更が行われたことを通知するインターンフェース(コマンド、API等)と連携して構成の変更を検知して、当該システムの構成情報を構成情報データベース201に格納し、設定変更ポリシー管理機能210において、このように、システム(100,110,120)を構成するサーバの構成が変更された場合のバックアップ設定変更ポリシーを、設定変更ポリシーデータベースで格納する。
【0073】
また、バックアップ設定管理機220において、バックアップ設定データベース221を用いて、現在のバックアップ設定情報を記憶管理し、バックアップ方法管理機能230において、サーバ/ベンダ種別ごとのバックアップ方法およびバックアップが正常終了した場合のリカバリポイント等の情報を、バックアップ手順データベース231を用いて記憶管理する。
【0074】
そして、バックアップ設定変更機能240において、バックアップ設定を変更するコマンド郡(241a〜241c)を用いてコマンド実行を行い、システム構成変更を検知した場合に、動的にバックアップ設定を変更する。
【0075】
また、バックアップ履歴管理機能250において、各仮想化システムおよび仮想化ホスティングサービス、パブリッククラウドでのバックアップ結果を収集し、バックアップ履歴データベース251を用いて履歴情報として蓄積し、日々のバックアップ結果により、復元ポイントを管理する。
【0076】
また、リストア方法管理機能260において、リストア手順データベース261を用いて、サーバ/ベンダ種別ごとのバックアップからの復元方法を管理し、
リストア管理機能270においては、リストア手順生成機能271と復元ポイント生成機能272により、障害発生時に、オンプレミス、ホスティングサービス、パブリッククラウドサービスにまたがるシステムの適切な復元手順、復元ポイントを動的に生成する。
【0077】
すなわち、本例のバックアップ・リストア処理装置280は、システム構成管理情報データベース201において、予め各ユーザが利用するシステム構成で用いる各サーバの構成情報を記憶し、設定変更ポリシーデータベース211において、予め設定された、各システム(100,110,120)のそれぞれのサーバ構成の変更内容に応じて、各システム(100,110,120)のそれぞれに設けられている各バックアップ処理機能(102,114,124)のバックアップ処理手順をどのように変更するかもしくは変更しないかを示す設定変更ポリシー情報を記憶する。
【0078】
また、バックアップ設定データベース221においては、予め設定された、各バックアップ処理機能(102,114,124)で実行するバックアップ処理内容を示すバックアップ設定情報を記憶し、バックアップ方法データベース231において、予め設定された、各バックアップ処理機能(102,114,124)によるバックアップ処理内容および当該バックアップを正常終了した場合のリカバリポイントを含むバックアップ手順情報を記憶する。
【0079】
そして、システム構成管理機能200により、各サービス提供側のシステム(100,110,120)のサーバ構成の変更を検知して、システム構成管理情報データベース201で記憶している当該サーバの構成情報を更新すると、設定変更ポリシー管理機能210は、設定変更ポリシーデータベース211が記憶する設定変更ポリシー情報を読み出して、検知されたサーバの変更に対して当該バックアップ処理機能(102,114,124)に対するバックアップ処理手順の変更の要否を判別する。
【0080】
この設定変更ポリシー管理機能210がバックアップ処理機能(102,114,124)に対する設定の変更が必要であると判別すると、バックアップ方法管理機能230は、バックアップ方法データベース231が記憶するバックアップ手順情報から、当該変更に対応する情報を読み出し、バックアップ設定変更機能240は、バックアップ方法管理機能230が読み出したバックアップ手順情報で特定される変更コマンドを、予め登録された変更コマンド群(241a〜241c)から読み出して実行することで、当該バックアップ処理機能(102,114,124)に対する、実行ジョブの追加もしくはスケジュールの変更を含む設定の変更を行う。
【0081】
そして、バックアップ設定管理機能220において、バックアップ設定変更機能240による当該バックアップ処理機能(102,114,124)に対する実行ジョブの追加もしくはスケジュール変更の内容を収集して、バックアップ設定情報データベース221が記憶しているバックアップ設定情報を更新する。
【0082】
また、バックアップ設定変更機能240による変更処理に応じて当該バックアップ処理機能(102,114,124)がバックアップ処理を実行する度に、バックアップ履歴管理機能250により、当該バックアップ処理結果を収集し、バックアップ履歴データベース251に格納してある当該バックアップ処理機能(102,114,124)によるバックアップ処理結果の履歴情報を更新する。
【0083】
さらに、リストア管理機能270においては、パブリッククラウドサービスとホスティングサービスおよびオンプレミスのそれぞれのシステム(100,110,120)から提供される物理サーバと仮想サーバのいずれかで発生した障害の通知情報を受信すると、復元ポイント生成機能272により、バックアップ履歴管理機能250が更新した、障害が発生したサーバに対応するバックアップ処理機能(100,110,120)によるバックアップ処理結果の履歴情報を読み出して復元ポイントを特定し、リストア手順生成機能271により、リストア方法管理機能260がリストア手順データベース261で記憶管理する、予め各サーバの障害毎に登録された復元処理手順情報から、当該サーバの障害の復元に用いる復元処理手順情報を読み出し、復元ポイント生成機能272が特定した復元ポイントとリストア手順生成機能271が読み出した復元処理手順情報を用いて、障害が発生したサーバに対するリカバリ処理を実行する。
【0084】
このように、本例のバックアップ・リストア処理装置280によれば、運用管理者は、オンプレミス機器とデータセンタサービス提供ベンダが提供するホスティングサービスおよびインターネットを介して提供されるパブリッククラウドサービスにまたがるシステム(100,110,120)において、仮想化技術による動的な構成変更を意識することなく、適切なバックアップ管理を行うことができる。また、バックアップ設定漏れによるデータ欠損や、リカバリ不可といった問題の発生を抑止することができる。
【0085】
このことにより、本例によれば、複数のサーバコンピュータによる分散・並列処理を行うと共に、サーバコンピュータの自動スケールアウトと自動スケールインを行う分散・並列処理システムにおける障害イベントの発生を効率的に監視することができる。
【0086】
尚、本発明は、図1〜図10を用いて説明した例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、図9で説明したバックアップ結果の収集処理に関して、本例では、処理の契機を、便宜上、バックアップ機能102とバックアップサービス機能114およびバックアップ機能124からのバックアップ結果の通知としているが、バックアップ履歴管理機能250からバックアップ機能102とバックアップサービス機能114およびバックアップ機能124のそれぞれに、バックアップ結果の確認指示を行っても良い。
【0087】
また、本例のバックアップ・リストア処理装置280は、物理サーバと仮想サーバの混在環境、他社ホスティングサービス利用、遠隔地サイト等にまたがるシステムなどでの統合バックアップ・リストア技術を提供するものとして説明しているが、コンピュータシステムを利用する分野におけるバックアップ・リストアを管理するシステムとして汎用的に利用することができる。
【0088】
また、本例のコンピュータ構成例に関しても、キーボードや光ディスクの駆動装置の無いコンピュータ構成としても良く、さらに、本例では、光ディスクを記録媒体として用いているが、FD(FlexIble DIsk)等を記録媒体として用いることでも良い。また、プログラムのインストールに関しても、通信装置を介してネットワーク経由でプログラムをダウンロードしてインストールすることでも良い。
【符号の説明】
【0089】
100:パブリッククラウドサービス(提供ベンダ)、101a,101b:仮想サーバ、102:バックアップ機能、110:ホスティングサービス(提供ベンダ)、111:物理サーバ、112:仮想サーバ、113:構成管理機能、114:バックアップサービス機能、120:(自社所有の)オンプレミスシステム、121:物理サーバ、122:仮想サーバ、123:構成管理機能、124:バックアップ機能(バックアップソフトウェア)、200:システム構成管理機能、201,201a:システム構成管理情報データベース(構成情報)、210:設定変更ポリシー管理機能、211,211a:設定変更ポリシーデータベース(設定変更ポリシー)、220:バックアップ設定管理機能、221,221a:バックアップ設定情報データベース(バックアップ設定)、230:バックアップ方法管理機能、231,231a:バックアップ方法データベース(バックアップ手順)、240:バックアップ設定変更機能、241a〜241c:変更コマンド(バックアップ設定変更コマンド群)、250:バックアップ履歴管理機能、251,251a:バックアップ履歴データベース(バックアップ履歴)、260:リストア方法管理機能、261,261a:リストア手順データベース(リストア手順)、270:リストア管理機能、271:リストア手順生成機能、272:復元ポイント生成機能。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムされたコンピュータ処理によって、
パブリッククラウドサービスとホスティングサービスおよびオンプレミスを含む各システムに設けられた各物理サーバおよび各仮想サーバに対するバックアップ処理とリストア処理を行うバックアップ・リストア処理装置であって、
上記システムにおけるサーバ構成の変更を検知するシステム構成管理手段と、
該システム構成管理手段が上記システムの構成変更を検知すると、該システム構成の変更に対応して、当該システムに対するバックアップ設定の変更が必要であるか否かを、予め各システムに対して定められているバックアップ設定の変更条件情報を参照して特定する設定変更ポリシー管理手段と、
該設定変更ポリシー管理手段が上記検知したシステム構成の変更に対応してバックアップ設定の変更が必要であると判別すると、当該システム構成の変更に対応するバックアップ設定の変更処理手順を、予め各システム構成の変更内容に対して定められているバックアップ設定の変更処理手順情報を参照して特定するバックアップ方法管理手段と、
該バックアップ方法管理手段が特定したバックアップ設定の変更処理手順情報に基づき、当該システム構成の変更に対応するバックアップ設定の変更処理手順の実行に用いるコマンドを、予め各バックアップ設定の変更処理手順の内容に対して定められている変更コマンド群から選択して、当該システムに対して、当該システム構成の変更に対応するバックアップ設定の変更処理を実行するバックアップ設定変更手段と、
該バックアップ設定変更手段によるバックアップ設定の変更処理に対応して当該システムで実行されたバックアップ設定の変更処理結果を取得して、当該システムにおけるバックアップ設定情報として記憶装置に格納するバックアップ設定管理手段と
を有することを特徴とするバックアップ・リストア処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のバックアップ・リストア処理装置であって、
上記バックアップ設定変更手段で変更されたバックアップ設定に基づき実施される当該システムでのバックアップ処理の結果を、バックアップ処理が実施される度に取得して、バックアップ履歴情報として記憶装置に格納するバックアップ履歴管理手段
を有することを特徴とするバックアップ・リストア処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載のバックアップ・リストア処理装置であって、
障害が発生したシステムからの障害情報を取得すると、当該障害発生システムに対するバックアップ履歴情報を、上記バックアップ履歴管理手段が格納したバックアップ履歴情報から読み出し、該読み出したバックアップ履歴情報を参照して、上記取得した障害情報に対応するリストア手順と復元ポイントを生成して、当該障害発生システムに対するリストア処理を実行するリストア管理手段
を有することを特徴とするバックアップ・リストア処理装置。
【請求項4】
コンピュータを、請求項1から請求項3のいずれかに記載のバックアップ・リストア処理装置における各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項5】
プログラムされたコンピュータ処理によって、
パブリッククラウドサービスとホスティングサービスおよびオンプレミスを含む各システムに設けられた各物理サーバおよび各仮想サーバに対するバックアップ処理とリストア処理を行うコンピュータ装置によるバックアップ・リストア処理方法であって、
上記コンピュータ装置は、プログラムされたコンピュータ処理を実行する手段として、
システム構成管理手段と、設定変更ポリシー管理手段、バックアップ方法管理手段、バックアップ設定変更手段、バックアップ設定管理手段を有し、
上記システム構成管理手段は、
上記システムにおけるサーバ構成の変更を検知し、
上記設定変更ポリシー管理手段は、
上記システム構成管理手段が上記システムの構成変更を検知すると、該システム構成の変更に対応して、当該システムに対するバックアップ設定の変更が必要であるか否かを、予め各システムに対して定められているバックアップ設定の変更条件情報を参照して特定し、
上記バックアップ方法管理手段は、
上記設定変更ポリシー管理手段が上記検知したシステム構成の変更に対応してバックアップ設定の変更が必要であると判別すると、当該システム構成の変更に対応するバックアップ設定の変更処理手順を、予め各システム構成の変更内容に対して定められているバックアップ設定の変更処理手順情報を参照して特定し、
上記バックアップ設定変更手段は、
上記バックアップ方法管理手段が特定したバックアップ設定の変更処理手順情報に基づき、当該システム構成の変更に対応するバックアップ設定の変更処理手順の実行に用いるコマンドを、予め各バックアップ設定の変更処理手順の内容に対して定められている変更コマンド群から選択して、当該システムに対して、当該システム構成の変更に対応するバックアップ設定の変更処理を実行し、
上記バックアップ設定管理手段は、
上記バックアップ設定変更手段によるバックアップ設定の変更処理に対応して当該システムで実行されたバックアップ設定の変更処理結果を取得して、当該システムにおけるバックアップ設定情報として記憶装置に格納する
ことを特徴とするバックアップ・リストア処理方法。
【請求項6】
請求項5に記載のバックアップ・リストア処理方法であって、
上記コンピュータ装置は、プログラムされたコンピュータ処理を実行する手段として、バックアップ履歴管理手段を有し、
該バックアップ履歴管理手段は、
上記バックアップ設定変更手段で変更されたバックアップ設定に基づき実施される当該システムでのバックアップ処理の結果を、バックアップ処理が実施される度に取得して、バックアップ履歴情報として記憶装置に格納する
ことを特徴とするバックアップ・リストア処理方法。
【請求項7】
請求項6に記載のバックアップ・リストア処理方法であって、
上記コンピュータ装置は、プログラムされたコンピュータ処理を実行する手段として、リストア管理手段を有し、
該リストア管理手段は、
障害が発生したシステムからの障害情報を取得すると、当該障害発生システムに対するバックアップ履歴情報を、上記バックアップ履歴管理手段が格納したバックアップ履歴情報から読み出し、該読み出したバックアップ履歴情報を参照して、上記取得した障害情報に対応するリストア手順と復元ポイントを生成して、当該障害発生システムに対するリストア処理を実行する
ことを特徴とするバックアップ・リストア処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−68771(P2012−68771A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211494(P2010−211494)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000233491)株式会社日立システムズ (394)
【Fターム(参考)】