説明

バックパック

【課題】バックパックにおいて、その中身を保護し、容易にパッキングできるように構成する。
【解決手段】フレーム5およびカバー6を備えたバックパック1であって、フレーム5が、カバー6の第1の部分61に連結された第1のフレーム要素10、およびカバー6の第2の部分62に連結された第2のフレーム要素20を備える。第2のフレーム要素20が、第1のフレーム要素10の上側領域11と下側領域12との間の領域15において第1のフレーム要素10に旋回可能に配置されている。第2のフレーム要素20がカバー6の第1の部分61に、ファスナー、面ファスナーまたはボタンによって、取り外し可能に連結されていることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバックパックに関する。
【背景技術】
【0002】
バックパックは、様々な品物を持ち運ぶための便利な手段であり、毎日の生活に益々使用されてきている。バックパックは、材料が可撓性であるために、重さが軽く、着用者の動きを最小限しか妨げない。さらに、バックパックは、可撓性材料のために、運ぶ品物に応じて容積を調節することができ、よって、一般に、空のバックパックは、満杯のバックパックよりも容積が小さい。
【0003】
しかしながら、バックパックの材料は可撓性であるために、用途の範囲も限られている。したがって、重い荷物を運ぶための大型のバックパックには、しばしば、肩と背中への重さを良好に分布させるフレームが設けられる。ある構造において、剛性部品により、必ずバックパックが着用者の背中に直接接触しないようにされている。それどころか、背中の通気が促進され、汗をかくのが抑えられる。しかしながら、その代わり、バックパックの重さが増す。
【0004】
バックパックの可撓性材料のさらに別の欠点は、剛性材料から製造された容器におけるほど、その中身が保護されないことである。最後に、可撓性材料により、バックパックのパッキング中に、特に大きく重い品物について、問題が生じる。それは、バックパックの開口部が固定されていないからである。例えば、バックパックにホルダーを入れるには、通常、バックパックの開口部を適切な形状にするために、特別な取扱いが必要である。これらの問題は、両手でパッキングしている最中に、ある品物を掴まなければならないときはいつでも生じる。この場合、しばしば、バックパックを開いた状態に保持する別の人の助けが必要になる。
【0005】
これらの欠点を克服するために、特許文献1および2には、実質的に剛性のバックパックが記載されている。しかしながら、剛性のバックパックは、背負うのに不都合であり、通常のバックパックよりも重い。さらに、記載されたバックパックは、いくつかの要素から組み立てられており、これにより、その製造、取扱い、および収納がより複雑になる。
【0006】
さらに、特許文献3および4には、バックパックの底で連結されたハードシェルと蓋からなるバックパックが記載されている。これにより、実際に、開口部が大きくなり、その開口部は、手で開いたままにする必要もない。しかしながら、そのバックパックは、パッキングのために下に置かなければならず、そうしないと、中身が落ちてしまうであろう。
【特許文献1】米国特許第6938761号明細書
【特許文献2】米国特許第6629629号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/0061844号明細書
【特許文献4】米国特許第5911348号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明のある態様は、従来技術の上述した欠点を克服したバックパックであって、特にその中身を保護し、容易にパッキングできるバックパックを提供する課題に基づくものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によれば、本発明は、フレームとカバーを備えたバックパックによりこの課題を解決する。そのフレームは、カバーの第1の部分に連結された第1のフレーム要素およびカバーの第2の部分に連結された第2のフレーム要素を含む。第2のフレーム要素は、第1のフレーム要素の上側領域と下側領域との間の領域で第1のフレーム要素に旋回可能に配置されている。
【0009】
本発明のある実施の形態によるバックパックは、剛性フレームを可撓性カバーと組み合わせることによって、その中身の保護するだけでなく、剛性のハードシェルでそのように保護を行うバックパックよりも軽い。第2のフレーム要素を旋回可能に配置することによって、バックパックの可撓性カバーに開口部を形成することができ、その開口部を通して、バックパックをパッキングしたり、中身を取り出したりすることができる。特に、第2のフレーム要素を第1のフレーム要素の上側領域と下側領域との間の領域に配置したことによって、一方では、バックパックを都合よくパッキングしたり、中身を取り出したりできるように十分に大きい開口部が結果として得られる。他方では、その開口部は、開いた状態で品物が簡単に落ちないように、第1のフレーム要素の全長には亘っていない。
【0010】
好ましい実施の形態において、第2のフレーム要素は、特に好ましくはファスナーまたは面ファスナーもしくはボタンにより、カバーの第1の部分に外せるように連結されている。このようにして、このバックパックは、そこを通してバックパックをパッキングしたり、中身を取り出したりするロックできる開口部を得ている。
【0011】
好ましい実施の形態において、第2のフレーム要素に、好ましくは第2のフレーム要素の上側領域にポケットが配置されており、よって、第2のフレーム要素の一部分がポケットの境界を形成する。このポケットは、フレームにより保護されており、バックパックの開口部に配置されたために、利用し易い。
【0012】
好ましい実施の形態において、バックパックのストラップ、好ましくはウエスト・ストラップが、好ましくは音楽プレーヤーのイヤホンのための、ケーブルを受け入れるための開口部または孔を備えている。これにより、イヤホンが常に利用できる、十分な収納場所が設けられる。
【0013】
好ましい実施の形態において、着用者の背中を向いたバックパックの側は、側面図において脊椎の形状に調節されている。これにより、着用者の背中に荷重が均一に分布されるので、バックパックを着用したときの快適さが高まる。
【0014】
さらに、第2のフレーム要素および第1のフレーム要素は、第2のフレーム要素の動きを少なくとも2つの位置にロックする手段を備えるのが好ましい。したがって、第2のフレーム要素を旋回させることによってバックパックに形成される開口部は安定している。その開口部を開いた状態に維持するのには手は必要なく、そのバックパックは、パッキングしたり、中身を取り出したりするのがより容易になる。2カ所より多い位置でロックできることにより、バックパックの開口部を異なるサイズに調節することができる。
【0015】
前記フレームが第3のフレーム要素を備え、この第3のフレーム要素の下側領域および第1のフレーム要素の下側領域が、バックパックのための底を画成することが好ましい。このようにして画成された底のために、バックパックを直立状態に置くことができ、またこの状態でバックパックをパッキングし、中身を取り出すことができる。その底は、空の場合でさえも、バックパックを安定に立たせておく。
【0016】
第1のフレーム要素の上側領域および第2のフレーム要素の上側領域は座部を画成することが好ましく、この座部は、カバーの第3の部分により設けられることが好ましいものであり、第1のフレーム要素の上側領域と第2のフレーム要素の上側領域との間に延在する。
【0017】
したがって、本発明のこの実施の形態によるバックパックは、安定な底で直立状態に置くことができるだけでなく、腰掛けとしても使用できる。このフレームにより、バックパックが空であるかまたはある程度しかパッキングされていない場合でさえも、このことが可能である。カバーの第3の部分が座部として働いてもよい。
【0018】
バックパックの第2のフレーム要素および第3のフレーム要素が第1のフレーム要素の共通領域に固定されることが好ましく、この共通領域が、第1のフレーム要素の上側領域と下側領域との間の中間に位置していることが好ましい。バックパックの閉じた状態で、第1のフレーム要素、第2のフレーム要素および第3のフレーム要素が断面図においてX形状を形成することも好ましい。このX形状によって、そのフレームは、特に単純かつ安定な形状を得ると同時に、バックパックの内部にできるだけ大きな容積を画成する。その上、この容積の中で、品物は剛性フレームによって保護される。
【0019】
ある実施の形態において、前記フレームは一体のハンドルであり、これは第1のフレーム要素の上側領域に配置されることが好ましい。これにより、別個のハンドルとそれをバックパックに取り付ける必要がなくなる。
【0020】
さらに別の実施の形態において、バックパックのカバーは1つ以上の部分で蛇腹状に折り畳まれる。この折畳みは、カバーの対応部分の折り畳みとそれを広げるのを容易にすることによって、バックパックの開閉を支援する。
【0021】
本発明によるバックパックのさらに別の実施の形態は、従属請求項にさらに定義されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の態様が、添付の図面を参照して、以下により詳しく記載されている。
【0023】
以下において、バックパックの本発明の実施の形態がより詳しく記載されている。しかしながら、本発明はバックパックには制限されず、バッグ、スーツケース、通学用バッグなどの、品物の運搬のためのどのタイプの入れ物にも適用できることを理解すべきである。
【0024】
図1は、本発明によるバックパック1のある実施の形態の斜視図であり、フレーム5、カバー6および一対のストラップ7が認められる。さらに別の実施の形態において、一対のストラップ7は取外しできる。フレーム5は、第1のフレーム要素10および第2のフレーム要素20を備えている。第1のフレーム要素10はカバー6の第1の部分61に連結されており、第2のフレーム要素20はカバー6の第2の部分62に連結されている。好ましい実施の形態において、第1のフレーム要素10はさらに、カバー6の第2の部分62に連結されている。
【0025】
図1から分かるように、第2のフレーム要素20は第1のフレーム要素10の上側領域11と下側領域12との間に配置されている。好ましい実施の形態において、第2のフレーム要素20は、第1のフレーム要素10の上側領域11と下側領域12との間の中央領域15に配置されている。しかしながら、その領域15は、第1のフレーム要素の中央に正確に配置されている必要はないが、領域15の配置によって、以下に記載されるバックパック1の開口部のサイズが決まる。
【0026】
図1の好ましい実施の形態において、バックパック1のカバー6はフレーム5の内側に配置されている。あるいは、カバー6はフレーム5の外側に配置することもできる。さらに、カバー6は、一部がフレーム5の内側に配置され、一部が外側に配置されていても差し支えない。カバー6は、好ましくは可撓性材料から、より好ましくは防水性材料から、特に好ましくはプラスチック繊維、例えば、Cordura(登録商標)から製造される。カバー6の部品は、例えば、バックパック1の下側66に、またはバックパック1の着用者の背中の領域において、剛性または曲げられる硬質材料で補強されてもまたはそれから製造されていても差し支えない。
【0027】
図2は、図1のバックパックの開いた状態の斜視図である。図1および2から判断できるように、第2のフレーム要素20は第1のフレーム要素10に旋回可能に配置されている。図2は、第2のフレーム要素20の動きにより大きな開口部4が形成され、これにより、バックパック1のパッキングおよび中身の取出しが都合良くできる。図2に示された実施の形態において、バックパック1の開口部4は第1のフレーム要素10の上側領域11と第2のフレーム要素20の上側領域21との間に配置されており、これにより、特に、頂部からのバックパック1のパッキングが容易になる。
【0028】
開口部4のサイズは、領域15の位置(第2のフレーム要素が第1のフレーム要素に旋回可能に配置されている箇所である)により決まる。その領域が下側に位置するほど、第2のフレーム要素20を旋回することにより形成される開口部4は大きくなる。領域15が高い位置に位置するほど、バックパック1の開口部4が小さくなり、開口部から品物が落ちる虞が小さくなる。
【0029】
あるいは、バックパック1の開口部は、第1のフレーム要素10の下側領12と第2のフレーム要素の上側領域21との間(図示せず)に配置することができ、これによると、バックパック1の側部からのパッキングが容易になる。
【0030】
さらに別の実施の形態において(図示せず)、バックパック1は、第2のフレーム要素20の上側領域21の上と下の両方に開口部を備えている。この実施の形態において、領域21の上方に旋回させると下側の開口部が開き、領域21の下方に旋回させると、上側の開口部が開く。この実施の形態は、バックパックの内部が2つ以上の区画に分割されている場合、各区画へのアクセスが可能になるので、特に有利である。
【0031】
好ましい実施の形態において、第2のフレーム要素20は2つ以上の位置にロックすることができる。このため、バックパック1は、余計な労力なくして開放位置に維持される。これにより、バックパック1のパッキングおよび中身の取り出し中に両手を使用できる。2カ所より多くの位置でロックできるによって、バックパックの開口部を異なるサイズに調節することができる。
【0032】
第2のフレーム要素20はカバー60の第1の部分61に開放可能に連結されていることが好ましい。開放可能な連結は、ファスナー63により行われることが好ましい。あるいは、または追加に、他の閉塞手段、例えば、ボタンまたは面ファスナーも考えられる。閉塞手段は、フレーム要素の領域11,21および12の内の1つの縁に直接沿ってもしくはこれらの領域の間にカバー6に配置しても差し支えない。
【0033】
旋回可能な第2のフレーム要素20に加え、フレーム5は、さらに別の可動性フレーム要素(図示せず)を備えてもよく、よって、バックパック1の複数の開口部が互いに独立して開くことができる。
【0034】
図2から分かるように、旋回可能な第2のフレーム要素20に隣接したカバー6の領域64および65は蛇腹式に折り畳まれる。このような折り畳みにより、バックパック1の開閉が容易になる。
【0035】
図3は、本発明によるバックパック1のある実施の形態の側面図を示している。図3だけでなく、図1および2からも分かるように、フレーム5は、さらに別の実施の形態において、第1のフレーム要素10に配置されることが好ましい第3のフレーム要素30を備えている。第3のフレーム要素30の下側領域32および第1のフレーム要素10の下側領域12がバックパック1の底を画成することが特に好ましい。このようにして画成された底のために、バックパック1を直立状態に置き、その状態でパッキングすることができる。この底のために、空の場合でさえ、バックパック1は安定に置かれる。
【0036】
図1から3に示された実施の形態において、第3のフレーム要素30は、第1のフレーム要素10の領域15(第2のフレーム要素20が第1のフレーム要素10に旋回可能に配置されている箇所である)に配置されている。あるいは、第2のフレーム要素20および第3のフレーム要素30は、第1のフレーム要素10の異なる領域に配置することもできる。バックパック1が閉じられており、断面で見たときに、第1のフレーム要素10、第2のフレーム要素20および第3のフレーム要素30が、X形状に配置されていることが特に好ましい。これらフレーム要素10,20および30のこのX形状の配置のために、フレーム5は、特に簡単かつ安定な形状をしていると同時に、バックパック1の内部にできるだけ大きい容積を画成している。さらに、この容積内の品物、例えば、カメラは、剛性フレーム5によって保護される。
【0037】
さらに別の実施の形態において(図示せず)、第2のフレーム要素20および第3のフレーム要素30は、フレーム5をハサミのように動かせるように、互いにしっかりと連結されている。そのような動きによって、バックパックが開閉される。さらに別の実施の形態において、第2と第3のフレーム要素20,30は両方とも、第1のフレーム要素に旋回可能に配置される。この実施の形態において、フレーム5およびしたがってバックパック1は、収納目的のために、平らにすることができる。
【0038】
図3から分かるように、第1のフレーム要素10の上側領域11および第2のフレーム要素20の上側領域21が座部64を画成している。第1のフレーム要素10の上側領域11は、図3から分かるように、第2のフレーム要素20の上側領域21よりも高いことが好ましい。座部64が、カバー6の部分64により設けられ、バックパック1が閉じられたときに、第1のフレーム要素10の上側領域11と第2のフレーム要素20の上側領域21との間に延在することも好ましい。
【0039】
図1から3に示されているように、特に、フレーム5は、損傷から保護するために、例えばゴム材料によって、領域11,12,21および32を補強することができる。領域11および21において、フレーム5は、座部をより快適にするために、クッションを備えても差し支えない。さらに、カバー6は、例えば耐汚れ性および耐水性のコーティングにより、地面に隣接した領域において特に保護することができる。
【0040】
図4は、本発明によるバックパック1の実施の形態の詳細を伴う斜視図である。この図面において、クッション材67が着用者の背中の領域に認められる。さらに、第1のフレーム要素10の上側領域11がハンドル16として形成されているのが図4から分かる。ある実施の形態において、ハンドル16は、第1のフレーム要素10の上側領域11に凹部として形成される。あるいは、またはそれに加え、カバー6は、カバー6の領域68と第1のフレーム要素10の上側領域11との間に距離が設けられるような様式で第1のフレーム要素10の上側領域11に固定される。ハンドル16の下には、バックパック1の開口部17または例えば貴重品のための、バックパック1の別個の小さなポケットのための開口部17が位置していてもよい。このポケットは、例えば、MP3プレーヤなどの携帯用音楽装置を収納するために使用できる。さらに、カバー6またはフレーム5は、着用者が使用するときに、イヤホンのケーブルをそこに通す開口部または孔(図示せず)を備えてもよい。
【0041】
図5は、バックパック1のフレーム5のある実施の形態の斜視図を示している。この図面において、第1のフレーム要素10、その上側領域11、その下側領域12およびその側面領域13が認められる。さらに、上側領域21を持つ第2のフレーム要素20および下側領域32を持つ第3のフレーム要素30も示されている。
【0042】
図5に示した実施の形態において、第1のフレーム要素10の上側領域11および側面領域13は実質的にU字形状である。同様に、第1のフレーム要素10の下側領域12および側面領域13は、正面図において実質的にU字形状である。さらに、この実施の形態において、第2のフレーム要素20および第3のフレーム要素30は実質的にU字形状であるのが分かる。第1のフレーム要素10の上側領域11は、例えば、図4に示したハンドル16または着座中の小さな縁を形成するために、実質的に湾曲していることが好ましい。領域12,21,32は実質的に平らであることが好ましい。さらに別の実施の形態において、第2のフレーム要素20の上側領域21は、さらにまたは代わりに、第1のフレーム要素10の上側領域11と同様に湾曲している(図示せず)。
【0043】
第1のフレーム要素10の側面領域13は実質的に平行に構成されていることが好ましい。しかしながら、それらの領域は互いに傾斜していても差し支えない。
【0044】
さらに、第1のフレーム要素10に配置された支持体14が図5に認められる。カバー6(図5においては示されていない)は、カバー6と第1のフレーム要素10の上側領域11との間に距離が設けられるように支持体14に配置することもできる。次いで、第1のフレーム要素10の上側領域11は、図4に関して先に記載したように、ハンドルとして使用できる。比較的剛性の支持体14の代わりに、可撓性材料、例えば、織物を使用しても差し支えない。
【0045】
図6は図5の実施の形態のさらに別の斜視図を示している。この図面は、第2のフレーム要素20が旋回可能であることを特に示している。この目的のために、第2のフレーム要素20の端部は、第1のフレーム要素10の対応ピン(図示せず)が係合する細長い孔22を備えている。この細長い孔22の長さにより、第2のフレーム要素20の旋回範囲が決まる。別の構成において(図示せず)、細長い孔22は第1のフレーム要素10に配置され、ピンは第2のフレーム要素20に配置される。代わりの実施の形態において、第2のフレーム要素20の旋回は、爪を持つ軸により、またはヒンジにより可能になる。さらに、第1のフレーム要素10および第2のフレーム要素20は可撓性材料により連結しても差し支えない。
【0046】
図6は、第1のフレーム要素10の上側領域11が、側面領域13の長手方向に沿って正確に位置しておらず、第2のフレーム要素20に向かって湾曲していることも示している(図3の側面図も参照のこと)。この形態は、バックパック1の着用者の背中と首にフレーム5の形状を調節し、座部64のための小さな縁も形成する(図3参照)。
【0047】
バックパック1のフレーム5は、プラスチック材料、例えば、炭素繊維で強化されたプラスチックまたはフルプラスチックから製造されることが好ましい。全てのフレーム要素は、1つ以上の別個の要素から製造されていて差し支えなく、単一の要素を互いに、ネジ留め、接着、リベット留め、クリップ留めなどをすることができる。フレーム5の安定性を増加させるために、一部分または全フレームにリブを設けることができる。さらに、フレーム5は、金属、好ましくは軽金属から製造することができる。プラスチック材料、金属および/または木を互いに組み合わせても差し支えない。
【0048】
さらに別の実施の形態において(図示せず)、フレーム5は、フレーム5の安定性を支持するために、1つ以上の支持体を備えている。例えば、支持体は、着座中に側方への変形を避けるために、第1のフレーム要素10の2つの側面領域13を連結してもよい。しかしながら、より高い安定性は、構造の労力を増し、フレーム5の質量を重くすることという犠牲を払って、達成される。
【0049】
図7は、第2のフレーム要素の旋回を示す、図5のフレーム5の別の側面図である。この図面は、具体的に、第2のフレーム要素20の45度の旋回を示している。この図面において、第1、第2および第3のフレーム要素10,20,30が、断面または側面から見たときに、X形状を形成することが特によく分かる。
【0050】
図8は、バックパック1のさらに別の実施の形態を示している。特に、バックパックの着用者の背中に向けられた、バックパック1の後方部分40が認められる。図8の側面図において、後方部分40は脊椎の形状に調節されている。これによって、荷重が着用者の背中に均一に分布するので、バックパックの着け心地が特に快適になる。荷重の分布をさらに改善するために、バックパックにウエストストラップ(図示せず)設けることもできる。後方部分40がフレーム5に固定されることが好ましく、第1のフレーム要素10の上側領域11および第3のフレーム要素30の下側領域32に固定されるのが特に好ましい。さらに、後方部分40は、着用者の背中と後方部分40との間の空気の循環が促進されるように配置され形成された1つ以上のクッション41を備えてもよい。
【0051】
図9は、内部仕切の詳細図を伴う図1のバックパック1のさらに別の実施の形態を示している。この詳細図は、バックパック1の底まで延在し、ラッチ74により閉じられるノート型コンピュータのためのパッド付き区画73、ケーブルポケット75、さらに別のポケット72および例えば、携帯電話のためのポケット71を示している。さらに別の詳細図は、第2のフレーム要素20にあるポケット23を示している。このポケット23は第2のフレーム要素20の上側領域21に配置されていることが好ましく、よって、第2のフレーム要素20の一部がポケット23の縁を形成する。第2のフレーム要素20は、ポケット23の上側の縁と、さらに、その両側の縁を形成してもよい。第2のフレーム要素20はポケット23の一部を直接形成しても、またはポケット23は別個のケーシングを有していてもよい。ポケット23は、フレームにより保護され、バックパックの開口部に位置するために、容易にアクセスできる。
【0052】
図10はバックパックのさらに別の実施の形態を示している。このバックパックは、例えば、携帯型音楽装置の、イヤホン78のケーブルを通すための開口部76または孔を持つウエストストラップ79を有するのが認められる。代わりにまたは追加に、その開口部または孔は、バックパックのカバーまたはフレームに位置していてよい。さらに、ウエストストラップ79は、携帯型音楽装置を収納するためのポケット77を備えてもよい。場10に示されたバックパックの実施の形態は、本願に記載されたさらに別の実施の形態と独立していてもよい。
【0053】
最後に、図11は、伸縮ハンドル80およびキャスター81を有する、図1のバックパック1のさらに別の実施の形態の2つの図面を示している。これにより、バックパック1をキャリーケースとして使用することも可能になる。伸縮ハンドル80が第1のフレーム要素10に配置されることが好ましい。キャスター81は第3のフレーム要素30の下側領域に配置されることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明によるバックパックのある実施の形態の閉じた状態の斜視図
【図2】図1のバックパックの開いた状態の斜視図
【図3】腰掛けとして用いたときの図1および2のバックパックの側面図
【図4】上側フレーム領域の詳細が示された本発明のある実施の形態によるバックパックの斜視図
【図5】本発明のある実施の形態におけるバックパックのフレームの斜視図
【図6】第2のフレーム要素が旋回されている図5のバックパックのさらに別の斜視図
【図7】第2のフレーム要素の旋回を示す図5のフレームの側面図
【図8】人間工学的に形成されたフレームの詳細が示されたさらに別の実施の形態のバックパックの側面図
【図9】バックパックのフレームにあるポケットの詳細図と内側ポケットの詳細図を伴った、図1のさらに別の実施の形態によるバックパックの斜視図
【図10】音楽プレーヤのイヤホンのための開口部を有するウエスト・ストラップを有するバックパックのさらに別の実施の形態の部分詳細図
【図11】キャスターおよび伸縮ハンドルを備えた、図1のバックパックのさらに別の実施の形態の概略図
【符号の説明】
【0055】
1 バックパック
5 フレーム
6 カバー
7,79 ストラップ
10 第1のフレーム要素
20 第2のフレーム要素
30 第3のフレーム要素
80 伸縮ハンドル
81 キャスター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームおよびカバーを備えたバックパックであって、前記フレームが、
a. 前記カバーの第1の部分に連結された第1のフレーム要素、および
b. 前記カバーの第2の部分に連結された第2のフレーム要素、
を備え、
c. 前記第2のフレーム要素が、前記第1のフレーム要素の上側領域と下側領域との間の領域において該第1のフレーム要素に旋回可能に配置されている、
ことを特徴とするバックパック。
【請求項2】
前記第2のフレーム要素が前記カバーの前記第1の部分に開放可能に連結されていることを特徴とする請求項1記載のバックパック。
【請求項3】
前記開放可能な連結が、ファスナーまたは面ファスナーまたはボタンにより行われることを特徴とする請求項2記載のバックパック。
【請求項4】
前記第2のフレーム要素にポケットが配置され、よって該第2のフレーム要素の一部が該ポケットの縁を形成することを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載のバックパック。
【請求項5】
前記バックパックがストラップをさらに備え、該ストラップが、ケーブルを受け入れるための孔または開口部を備えていることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載のバックパック。
【請求項6】
着用者の背中に向けられる前記バックパックの後方部分が、側面図において脊椎の形状に調節されていることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載のバックパック。
【請求項7】
前記第2のフレーム要素および前記第1のフレーム要素が、該第2のフレーム要素の動きを少なくとも2つの位置でロックする手段を備えることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載のバックパック。
【請求項8】
前記フレームが第3のフレーム要素をさらに備え、該第3のフレーム要素の下側領域および前記第1のフレーム要素の下側領域が、前記バックパックの底を形成することを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載のバックパック。
【請求項9】
前記第1のフレーム要素の上側領域および前記第2のフレーム要素の上側領域が座部を画成することを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載のバックパック。
【請求項10】
前記座部が、前記第1のフレーム要素の上側領域と前記第2のフレーム要素の上側領域との間に延在する前記カバーの第3の部分により設けられることを特徴とする請求項9記載のバックパック。
【請求項11】
前記第2のフレーム要素および前記第3のフレーム要素が前記第1のフレーム要素の共通の領域に配置されていることを特徴とする請求項8から10いずれか1項記載のバックパック。
【請求項12】
前記バックパックが閉じられたときに、前記第1のフレーム要素、前記第2のフレーム要素および前記第3のフレーム要素が、断面図においてX形状を形成することを特徴とする請求項8から11いずれか1項記載のバックパック。
【請求項13】
(a)前記第1のフレーム要素の側面領域および前記上側領域、および
(b)該第1のフレーム要素の側面領域および前記下側領域、
の内の少なくとも一方が、実質的にU字形状であることを特徴とする請求項8から12いずれか1項記載のバックパック。
【請求項14】
前記第2のフレーム要素および/または前記第3のフレーム要素が正面図において実質的にU字形状であることを特徴とする請求項8から13いずれか1項記載のバックパック。
【請求項15】
前記フレームが一体ハンドルを備えていることを特徴とする請求項1から14いずれか1項記載のバックパック。
【請求項16】
前記一体ハンドルが前記第1のフレーム要素の上側領域に配置されていることを特徴とする請求項15記載のバックパック。
【請求項17】
前記カバーが、該カバーの一部分と前記第1のフレーム要素の上側領域との間に距離が設けられるように該第1のフレーム要素に配置されていることを特徴とする請求項1から16いずれか1項記載のバックパック。
【請求項18】
前記カバーの1つ以上の部分が蛇腹式に折り畳まれることを特徴とする請求項1から17いずれか1項記載のバックパック。
【請求項19】
前記カバーが前記フレームの内側に実質的に配置されていることを特徴とする請求項1から18いずれか1項記載のバックパック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−114063(P2008−114063A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−278486(P2007−278486)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(503052173)アディダス インターナショナル マーケティング ベー ヴェー (23)
【氏名又は名称原語表記】adidas International Marketing B.V.
【Fターム(参考)】