バックライトシステム
【課題】
青色光の点灯時間の経過に伴う光量低下を抑制すると共に、表示面74の色むらを防止したバックライトシステム1を提供することにある。
【解決手段】
本発明は、外部電極型希ガス蛍光ランプと発光ダイオードからなる光照射口を有したバックライトシステムにおいて、前記発光ダイオードは青色発光ダイオードであって、前記発光ダイオードをランプ直下に配置したことを特徴とする。
青色光の点灯時間の経過に伴う光量低下を抑制すると共に、表示面74の色むらを防止したバックライトシステム1を提供することにある。
【解決手段】
本発明は、外部電極型希ガス蛍光ランプと発光ダイオードからなる光照射口を有したバックライトシステムにおいて、前記発光ダイオードは青色発光ダイオードであって、前記発光ダイオードをランプ直下に配置したことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置や店頭表示装置に用いられるバックライトシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置や店頭表示装置には、冷陰極蛍光ランプを使用したバックライトシステムがあった。従来技術に係るバックライトシステム1を図13に示す。従来のバックライトシステム1は、光照射口24を有する筐体2と、冷陰極蛍光ランプ8と、拡散板71と、拡散シート72と、プリズムシート73とを具えている。バックライトシステム1は、筐体内に冷陰極蛍光ランプ8を配置させ、筐体2の光照射口24に蓋をするように拡散板71,拡散シート72及びプリズムシート73が配置される。バックライトシステム1の筐体2の光照射口24側の外面に液晶表示面又は店頭表示面74が配置される。
しかしながら、冷陰極蛍光ランプ8には水銀が含まれており、環境への配慮から水銀を含まない光源が望まれている。
【0003】
外部電極型希ガス蛍光ランプは、水銀を含まない光源である。例えば、特許文献1に外部電極型希ガス蛍光ランプが開示される。従来技術に係る外部電極型希ガス蛍光ランプ5を図14に示す。図14(a)は、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の長手方向に対して垂直方向の断面図であり、(b)は外部電極型希ガス蛍光ランプ5の斜視図である。外部電極型希ガス蛍光ランプ5は、管状の放電管51と、放電管51の外周面の概略全長に亘って互いに離隔するように配置された一対の外部電極52と、放電管51の内周面の概略全長に亘って塗布された蛍光体53とからなる。放電管51の内部には放電用ガスとしてキセノンガス等が封入され、外部電極52には図示しない電源が接続される。
放電管51に塗布される蛍光体53は、白色光を得る場合、赤色光用蛍光体53,緑色光用蛍光体53及び青色光用蛍光体53を混合して使用する。ランプ5点灯時、放電管51に封入されたキセノンガスから172nmの真空紫外光が発生し、蛍光体53が励起される。励起された蛍光体53からは、赤色光,緑色光及び青色光の励起光が発生し、混色されることで白色光となる。外部電極型希ガス蛍光ランプ5からの照射光92は、図14(a)に示すように、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の長手方向に対して垂直方向の断面で見ると概略360°方向に照射される無指向性の光92である。
【0004】
しかしながら、非特許文献1には、真空紫外光により青色光用蛍光体53が早期に劣化することにより、赤色光用蛍光体53や緑色光用蛍光体53より発光効率が低下することが記載されている。つまり、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の点灯時間の経過に伴って、青色光用蛍光体53は、真空紫外光を照射され続けるため、赤色光用蛍光体53や緑色光用蛍光体53より光量低下することになる。その結果、使用開始時の外部電極型希ガス蛍光ランプ5からの光の色バランスが、点灯時間の経過に伴って青色光の光量が低下したものになる色バランスの変化問題があった。
【0005】
【特許文献1】特開平11−213956号公報
【特許文献2】特開平06−244458号公報
【非特許文献1】張書秀著,「カラーPDP用青色蛍光体の熱劣化特性」,月刊ディスプレイ,株式会社テクノタイムズ社 出版,2001年5月号,p.43−47
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
外部電極型希ガス蛍光ランプ5の点灯時間の経過に伴う青色光の光量低下を抑制するために、青色発光ダイオード32を組み合わせることが検討される。
【0007】
発光ダイオードは水銀を含まない光源である。特許文献2には、青色発光ダイオードチップにより、青色光を照射する青色発光ダイオードについての技術が記載されている。発光ダイオードの構成は、フラットタイプSMD構造の発光ダイオードと砲弾形(又は丸型)発光ダイオードとがある。図15は砲弾形発光ダイオード32の構造についての説明図であり、砲弾形発光ダイオード32の断面図である。発光ダイオード32は、発光ダイオードチップ33と、これを封止する樹脂からなる発光ダイオード32の光照射口35と、一対の電極34と、金属線37からなる。発光ダイオードチップ33は、一対の電極34のうち一方の電極34上に絶縁的に載置され、金属線37によって一対の電極34それぞれと電気的に接続される。発光ダイオードチップ33は、樹脂によって封止され、この樹脂が発光ダイオード32の光照射口35となる。
【0008】
しかしながら、発光ダイオード32は電極34に載置されることにより、その照射光91は指向性を有する。このため、青色発光ダイオード32を外部電極型希ガス蛍光ランプ5に単に組み合わせて図13のようなバックライトシステム1を構築したとしても、青色発光ダイオード32からの指向性を有した青色光91と外部電極型希ガス蛍光ランプ5の照射光92が十分に混色されず、液晶表示面や店頭表示面74に色むらが発生する。このため、外部電極型希ガス蛍光ランプ5と青色発光ダイオード32の色むらを防止するためには、多数の拡散板71や拡散シート72が必要になり、バックライトシステム1の省スペース化の要求に反し、コストも増大化してしまう。
そこで、本発明の目的は、青色光の点灯時間の経過に伴う光量低下を抑制すると共に、表示面74の色むらを防止したバックライトシステム1を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載のバックライトシステムは、外部電極型希ガス蛍光ランプと発光ダイオードからなる光照射口を有したバックライトシステムにおいて、前記発光ダイオードは青色発光ダイオードであって、前記発光ダイオードをランプ直下に配置したことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載のバックライトシステムは、前期光照射口に対向した一面に反射シートが配置され、前記反射シートに光照射口へ延びる突部を形成したことを特徴とする、請求項1に記載のバックライトシステム。
【0011】
請求項3に記載のバックライトシステムは、前記外部電極型希ガス蛍光ランプの青色光用蛍光体からの青色光の光量を前記バックライトシステムの全青色光の50%ないし15%にし、これに対して青色発光ダイオードからの青色光の光量を前記バックライトシステムの全青色光の50%ないし85%にしたことを特徴とする、請求項1に記載のバックライトシステム。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、上記構成によって、以下の効果を有する。
外部電極型希ガス蛍光ランプと青色発光ダイオードを組み合わせることにより、外部電極型希ガス蛍光ランプの点灯時間経過に伴う青色光の光量低下を、青色発光ダイオードによる青色光により補うことができ、バックライトシステムからの点灯時間経過に伴う青色光の光量低下を抑制できる。
また、青色発光ダイオードをランプ直下に配置することにより、バックライトシステムの点灯時に、青色発光ダイオードの青色光をバックライトシステムの光照射口に直接照射することを抑制でき、ランプ内で青色発光ダイオードの青色光が拡散されることでランプの励起光と青色発光ダイオードの青色光を混色できるので、表示面の色むらの発生を抑制できる。
【0013】
さらに、反射シートに光照射口へ延びる突部を形成することにより、バックライトシステムの点灯時に、青色発光ダイオードの青色光を光照射口に直接照射することを防止できる。
【0014】
その上、外部電極型希ガス蛍光ランプの青色光用蛍光体からの青色光の光量と青色発光ダイオードからの青色光の光量を規定することにより、バックライトシステムの点灯開始時の色バランスの点灯時間経過に伴う色バランス変化を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係るバックライトシステムの第1の実施形態を、図1ないし図4を用いて説明する。
【0016】
まず、図1及び図2を用いてバックライトシステム1の全体の構成について説明する。
図1は本発明のバックライトシステム1の概略構成を示しており、バックライトシステム1を分解した斜視図である。図2は、バックライトシステム1を組み立てたときのバックライトシステム1の長手方向に対して垂直方向の断面図である。
バックライトシステム1は光照射口24を有する矩形状の筐体2と、プリント基板31と、青色発光ダイオード32と、反射シート4と、外部電極型希ガス蛍光ランプ5と、ランプホルダ6と、拡散板71と、拡散シート72と、プリズムシート73とを具えている。
【0017】
筐体2は、矩形状の例えばポリカーボネート樹脂からなる箱型であり、一面取り除いた五面から形成される。これにより、筐体2には、四枚の矩形状の例えばポリカーボネート樹脂に取り囲まれた光照射口24(筐体2の取り除かれた一面)が形成される。この筐体2の光照射口24がバックライトシステム1の光照射口24となる。
筐体2には、四枚の矩形状の例えばポリカーボネート樹脂に取り囲まれると共に光照射口24に対向する一面の外面に、プリント基板31が適合する溝部21(図1には図示しない。図2ではプリント基板31が適合している部分に相当する。)が筐体2の長手方向に向かって形成される。さらに、筐体2の光照射口24に対向する筐体2の溝部21を有する一面には、青色発光ダイオード32が適合する穴部23が形成される。
筐体2の長手方向(図中X軸方向)にある対向する二面それぞれには、ランプホルダ6が適合する穴部22が形成される。
【0018】
プリント基板31は、板状であり、青色発光ダイオード32に給電するための図示しない配線が形成される。プリント基板31上には、青色発光ダイオード32が図示しない配線と電気的に接続されて配置される。青色発光ダイオード32が接続されたプリント基板31は、筐体2の光照射口24に対向する筐体2の溝部21を有する一面の穴部23に青色発光ダイオード32を突出させ、筐体2の溝部21に適合するように配置され、ネジ止め等により筐体2に固定される。
【0019】
反射シート4は、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂からなる部材に例えば酸化チタンからなる白色顔料を混合することにより形成され、青色発光ダイオード32に対応した位置に穴部41が設けられる。穴部41を有する反射シート4は、穴部41に青色発光ダイオード32が適合するように配置され、筐体2の光照射口24に対向した一面(筐体2の溝部21を有する一面)の内面を覆うように配置され、ネジ止め等により筐体2に固定される。これにより、筐体2の光照射口24に対向する一面には反射シート4と反射シート4の穴部41に配置された青色発光ダイオード32との一面が形成される。
【0020】
ランプホルダ6は、例えばシリコン樹脂からなり、バックライトシステム1の光照射方向9に対して垂直方向(図中X軸方向)にある対向する筐体2の穴部22に嵌合するように外形が形成され、外部電極型希ガス蛍光ランプ5が嵌合するランプホルダ6の穴部61を設けられる。
外部電極型希ガス蛍光ランプ5は、長手方向の両端をランプホルダ6の穴部61に嵌合され、筐体2の長手方向にある対向する二面のそれぞれの穴部22(図中X軸方向にある筐体2の穴部22)にランプホルダ6を配置され固定することで、筐体2に支持される。複数の外部電極型希ガス蛍光ランプ5は、バックライトシステム1の光照射方向9に対して垂直方向(図中Z軸方向)に、平行に配置される。
【0021】
拡散板71は筐体2の光照射口24に蓋をするように配置され、さらにそれを覆うようにバックライトシステム1の光照射方向9の外面に一または複数の拡散シート72が配置される。プリズムシート73は、拡散シート72を拡散板71と挟み込むように、バックライトシステム1の光照射方向9の最外面にある拡散シート72を覆うように配置される。
【0022】
次に、図3及び図4を用いて、本発明の実施形態のバックライトシステム1に配置される外部電極型希ガス蛍光ランプ5と青色発光ダイオード32の構成について説明する。
図3は図2のバックライトシステム1の外部電極型希ガス蛍光ランプ5,反射シート4,筐体2,青色発光ダイオード32,プリント基板31とを拡大した説明図である。図3(a)は外部電極型希ガス蛍光ランプ5の長手方向に対して垂直方向の断面図であり、(b)は斜視図である。
図4は図3の青色発光ダイオード32を拡大した説明図であり、SMD構造の発光ダイオード32である。図4(a)は青色発光ダイオード32の断面図であり、(b)は斜視図である。
【0023】
外部電極型希ガス蛍光ランプ5の構成について、その一例を、図3を用いて説明する。
外部電極型希ガス蛍光ランプ5は、管状の例えばソーダガラス等の融点の低いガラスからなる放電管51と、放電管51の外面の長手方向の概略全長に亘って離隔するように配置された一対の概略帯状の外部電極52と、放電管51の内面の長手方向の概略全長に亘って塗布される蛍光体53と、放電管51の内部に封入される放電ガスとから構成される。
外部電極52は、例えばアルミニウムからなる導電性テープから形成され、放電管51の外面に貼り付けることにより配置される。また、外部電極52は、例えば銀からなる導電性ペーストから形成され、スクリーン印刷し、焼き付けることにより配置したものであっても良い。
一対の外側電極52の長手方向にある一方の端部のそれぞれに外部リード54が接続され、外部リード54は図示しない電源に接続される。
蛍光体53は、ランプ点灯時に、青色の励起光が照射される青色光用蛍光体53として例えばBaMgAl10O17:Euと、緑色の励起光が照射される緑色光用蛍光体53として例えばLaPO4:Tbと、赤色の励起光が照射される赤色光用蛍光体53として例えば(Y,Gd)BO3:Euとを混合したものであり、放電管51の内面に膜厚を例えば15μmで塗布される。
放電ガスは、例えばキセノンガス又はキセノンと他の希ガスの混合ガスであり、その封入量は例えば24KPaである。
【0024】
青色発光ダイオード32の構成について、その一例を、図4を用いて説明する。
青色発光ダイオード32の内部に、例えばInGaNからなる発光ダイオードチップ33が基板36上に載置される。基板36の側面には一対の電極34が離隔されるように配置され、一方の電極34が例えば金などの金属線37を介して発光ダイオードチップ33に接続され、他方の電極34が図示しない配線により電気的に接続される。基板36上に載置される発光ダイオードチップ33は例えばシリコン樹脂により封止される。発光ダイオードチップ33を封止する例えばシリコン樹脂は発光ダイオード32の光照射口35となる。
【0025】
図3に戻って外部電極型希ガス蛍光ランプ5と青色発光ダイオード32の位置関係について説明する。
青色発光ダイオード32の光照射口35がプリント基板31に対向しないように、青色発光ダイオード32の一対の電極34はプリント基板31上の図示しない配線に電気的に接続され、プリント基板31は図示しない電源に接続される。
青色発光ダイオード32が接続されたプリント基板31は、筐体2の穴部22に青色発光ダイオード32を突出させ、筐体2の溝部21に適合するように配置される。これにより、青色発光ダイオード32の光照射口35が筐体2の図示しない光照射口に対向される。
穴部41を設けた反射シート4は、穴部41が青色発光ダイオード32に適合するように配置される。
外部電極型希ガス蛍光ランプ5は青色発光ダイオード32と筐体2の図示しない光照射口に挟まれるように配置され、青色発光ダイオード32の光照射口35は外部電極型希ガス蛍光ランプ5の管径の範囲Lにあるランプ5直下Mになるように配置される。
【0026】
バックライトシステム1の点灯時の光照射について図2ないし図4を用いて説明する。
バックライトシステム1は点灯時、図示しない電源から電力が供給されることにより、外部電極型希ガス蛍光ランプ5及び青色発光ダイオード32が点灯される。外部電極型希ガス蛍光ランプ5は電力が供給されることにより、封入される放電ガスであるキセノンガスから、172nmの真空紫外光が発生し、放電管51内に塗布された蛍光体53を励起させ、青,緑及び赤色の励起光を発生させる。放電管51内で発生した励起光は放電管51内で混色され、放電管51外へ無指向性の照射光92を照射する。一方、青色発光ダイオード32は電力が供給されることにより、青色発光ダイオードチップ33から青色光が照射され、青色発光ダイオード32の光照射口35から光照射方向9に向かう指向性の光91が照射される。
青色発光ダイオード32がランプ5直下に配置され、青色発光ダイオード32の光照射口35と筐体2の光照射口24が外部電極型希ガス蛍光ランプ5を介して対向配置されることにより、青色発光ダイオード32からの青色光91は、外部電極型希ガス蛍光ランプ5に照射され、放電管51の内部に取り込まれる。外部電極型希ガス蛍光ランプ5の内面に塗布された蛍光体53によって乱反射されることで、青色発光ダイオード32の青色光は外部電極型希ガス蛍光ランプ5の励起光と混色され外部に無指向性の光92として照射される。筐体2の光照射方向9とは反対の方向に照射された光は、筐体2の光照射口24と対向する反射シート4によって光照射方向9に反射される。外部電極型希ガス蛍光ランプ5からの照射光92や反射シート4からの反射光は、筐体2の光照射口24から照射される。
【0027】
本発明のバックライトシステム1の第1の実施形態の構成とその効果を以下にまとめる。
外部電極型希ガス蛍光ランプ5に青色発光ダイオード32を組み合わせることにより、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の点灯時間経過に伴う青色光用蛍光体53の劣化による青色光の低下を、青色発光ダイオード32による青色光により補うことができ、バックライトシステム1からの点灯時間経過に伴う青色光の早期の光量低下を抑制できる。
さらに、青色発光ダイオード32が外部電極型希ガス蛍光ランプ5のランプ5直下に配置されることにより、バックライトシステム1の点灯時に青色発光ダイオード32の青色光を筐体2の光照射口24に直接照射することを抑制でき、多数の拡散板71や拡散シート72を適用しなくても図示しない液晶表示面又は図示しない店頭表示面の色むらの発生を抑制できる。
その上、青色発光ダイオード32の青色光が外部電極型希ガス蛍光ランプ5に照射され、外部電極型希ガス蛍光ランプ5内に青色発光ダイオード32の青色光が好適に取り込まれる。このため、外部電極型希ガス蛍光ランプ5内の蛍光体53の励起光と青色発光ダイオード32の青色光が外部電極型希ガス蛍光ランプ5内の蛍光体53に乱反射させることができ、好適に混色させることができる。
【0028】
本発明のバックライトシステム1の第1の実施形態の別の実施形態を、図1及び図5を用いて説明する。
図5はバックライトシステム1の外部電極型希ガス蛍光ランプ5,反射シート4,筐体2,青色発光ダイオード32,プリント基板31とを拡大した説明図である。図5は外部電極型希ガス蛍光ランプ5の長手方向に対して垂直方向の断面図である。
図5は、放電管51内に塗布された蛍光体53を長手方向に向かって一部削除したアパーチャ部55を有する点で、図3と異なる。
【0029】
外部電極型希ガス蛍光ランプ5には、放電管51内に塗布された蛍光体53の一部を長手方向に向かって概略全長に削除したアパーチャ部55が形成される。
青色発光ダイオード32の光照射口35が、筐体2の光照射口24(図1に図示する。図5では図示しない。)に向かい、ランプ5直下に配置されると共に、外部電極型希ガス蛍光ランプ5のアパーチャ部55に対向配置される。
これにより、バックライトシステム1点灯時、青色発光ダイオード32から照射される青色光が、外部電極型希ガス蛍光ランプ5のアパーチャ部55から好適に取り入れられ、外部電極型希ガス蛍光ランプ5内の蛍光体53によって拡散され、蛍光体53からの励起光と好適に混色される。
【0030】
外部電極型希ガス蛍光ランプ5に青色発光ダイオード32を組み合わせることにより、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の点灯時間経過に伴う青色光用蛍光体53の劣化による青色光の低下を、青色発光ダイオード32による青色光により補うことができ、バックライトシステム1からの点灯時間経過に伴う青色光の光量低下を抑制できる。
さらに、青色発光ダイオード32が外部電極型希ガス蛍光ランプ5のランプ5直下に配置されることにより、バックライトシステム1の点灯時に青色発光ダイオード32の青色光を筐体2の光照射24口に照射することを抑制でき、多数の拡散板71や拡散シート72を適用しなくても図示しない液晶表示面又は図示しない店頭表示面の色むらの発生を抑制できる。
その上、青色発光ダイオード32が外部電極型希ガス蛍光ランプ5のランプ5直下に配置されると共に青色発光ダイオード32の光照射口35が外部電極型希ガス蛍光ランプ5のアパーチャ部55に対向することにより、青色発光ダイオード32の青色光が外部電極型希ガス蛍光ランプ5に照射され、外部電極型希ガス蛍光ランプ5のアパーチャ部55から青色発光ダイオード32の青色光が好適に取り込まれる。このため、外部電極型希ガス蛍光ランプ5内の蛍光体53の励起光と青色発光ダイオード32の青色光が外部電極型希ガス蛍光ランプ5内の蛍光体53に乱反射させることができ、好適に混色させることができる。
【0031】
なお、図6ないし図8は本発明のバックライトシステム1の第1の実施例の別の実施形態であり、このような構成であってもかまわない。
図6ないし図8はバックライトシステム1の外部電極型希ガス蛍光ランプ5,反射シート4,筐体2,青色発光ダイオード32,プリント基板31とを拡大した説明図である。図6及び図7は外部電極型希ガス蛍光ランプ5の長手方向に対して垂直方向の断面図であり、図8拡大したバックライトシステム1の斜視図である。
図6は、管軸を中心に外部電極型希ガス蛍光ランプ5を回転させた点で図3と相違する。
図7は、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の長手方向に対して垂直方向の断面のランプ5直下において、複数の青色発光ダイオード32を配置した点で、図3と相違する。
図8は、青色発光ダイオード32を外部電極型希ガス蛍光ランプ5の長手方向のランプ5直下に、不規則に配置した点で、図3と相違する。
本発明の第1の実施形態は図6ないし図8の構成であってもかまわなく、図3の構成と同様の効果を得られる。
【0032】
本発明のバックライトシステム1の第2の実施形態を、図9を用いて説明する。
図9はバックライトシステム1の外部電極型希ガス蛍光ランプ5,反射シート4,筐体2,青色発光ダイオード32,プリント基板31とを拡大した説明図であり、(a)は外部電極型希ガス蛍光ランプ5の長手方向に対して垂直方向の断面図であり、(b)は斜視図である。
図9は反射シート4に突部を形成した点で図3と相違する。
【0033】
反射シート4は、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂からなる部材に例えば酸化チタンからなる白色顔料を混合することにより形成され、筐体2の図示しない光照射口に対向配置される。反射シート4には、筐体2の図示しない光照射口方向(バックライトシステムの光照射方向9)へ延びると共に、筐体2の外部電極型希ガス蛍光ランプ5の長手方向に平行するように延びる一対の突部42がランプ5直下に形成される。反射シート4の突部42は例えば型に入れて成形する等して形成される。
外部電極型希ガス蛍光ランプ5の長手方向のランプ5直下に配置された青色発光ダイオード32は、反射シート4の突部42に挟まれるように配置される。
【0034】
反射シート4の突部42に青色発光ダイオード32が挟まれることにより、青色発光ダイオード32からの青色光91は、反射シート4の突部42に反射されるので、筐体2の図示しない光照射口に直接照射されることなく、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の放電管51内に好適に取り込まれる。
また、外部電極型希ガス蛍光ランプ5からの照射光のうち青色発光ダイオード32の方向に放射される光92は、突部42を有する反射シート4に反射されることにより、青色発光ダイオード32からの青色光と混色させることができる。
【0035】
図3と相違する上記構成により、第1の実施形態の効果に加え下記の効果を得られる。
青色発光ダイオード32が反射シート4の突部42に挟まれることにより、バックライトシステム1の点灯時に青色発光ダイオード32の青色光を筐体2の光照射口24に照射することを防止でき、多数の拡散板71や拡散シート72を適用しなくても図示しない液晶表示面又は店頭表示面の色むらの発生を防止できる。
さらに、反射シート4の突部42は反射機能を有することにより、青色発光ダイオード32の青色光が外部電極型希ガス蛍光ランプ5内に好適に取り込むことができ、外部電極型希ガス蛍光ランプ5内の蛍光体53に乱反射されることにより、好適に混色させることができる。
その上、反射シート4の突部42が外部電極型希ガス蛍光ランプ5の長手方向に延びるように形成されることにより、外部電極型希ガス蛍光ランプ5からの照射光のうちで青色発光ダイオード32に向かって照射される光は突部42を有する反射シート4に反射されることにより、青色発光ダイオード32からの青色光と好適に混色させることができる。
【0036】
本発明のバックライトシステム1の第3の実施形態を説明する。
第3の実施形態は、外部電極型希ガス蛍光ランプ5と青色発光ダイオード32の光量を規定した点で、第1の実施形態と相違する。
【0037】
外部電極型希ガス蛍光ランプ5の青色光用蛍光体53からの青色光の光量は、蛍光体53の量を調整することにより、バックライトシステムの所望の全青色光の光量の50%ないし15%にする。これに対して青色発光ダイオード32からの青色光の光量は、青色発光ダイオード32への入力電力を調整することにより、バックライトシステムの所望の全青色光の光量の50%ないし85%にする。
【0038】
上記規定により、第1の実施形態の効果に加え下記の効果を得られる。
外部電極型希ガス蛍光ランプ5からの青色光と青色発光ダイオード32の青色光の光量比を調整することにより、点灯時間の経過に伴うバックライトシステム1からの照射光の色バランスの変化を抑制することができる。
【0039】
第3の実施形態における効果を確認するための実験を行なった。
実験は、外部電極型希ガス蛍光ランプ5と青色発光ダイオード32を用いた。
実験には図14に示す従来の外部電極型希ガス蛍光ランプ5を用いた。外部電極型希ガス蛍光ランプ5は、ガラス管の放電管51と、放電管51の外面の長手方向の概略全長に亘って離隔するように配置された一対の外部電極52と、放電管51の内面の長手方向の概略全長に亘って塗布される蛍光体53と、放電管51の内部に封入される放電ガスとから構成される。放電管51の内面に塗布される蛍光体53は、青色光用蛍光体53がBaMgAl10O17:Euと、緑色光用蛍光体53がLaPO4:Tbと、赤色光用蛍光体53が(Y,Gd)BO3:Euとを混合したものである。放電ガスはキセノンガスを24KPa封入した。外部電極型希ガス蛍光ランプ53の外周面には図示しない透光性を有した保護チューブを密着して覆うように配置した。外部電極52には、電源を電気的に接続した。外部電極型希ガス蛍光ランプ5は、ピーク電圧を3.5KV、点灯周波数を50KHzの矩形波パルスにして印加することにより点灯させた。
一方、実験は図4に示す青色発光ダイオード32を用いた。青色発光ダイオード32は、基板36上にInGaNの発光ダイオードチップ33を載置させ、一対の電極34と発光ダイオード32とを電気的に接続させ、発光ダイオードチップ33をシリコン樹脂によって封止して形成した。青色発光ダイオード32の電極には電源を電気的に接続した。青色発光ダイオード32は、駆動電圧を3.6V、電流を25mAにして印加することにより点灯させた。
実験方法は、外部電極型希ガス蛍光ランプ5及び青色発光ダイオード32をそれぞれ点灯させ、それぞれの光源から10mm離隔した位置に分光器を配置して、各発光スペクトルにおける光量を測定し、点灯時間の経過に伴う光量変化を観察した。測定した発光スペクトルは、青色の発光スペクトルとして450nmを、緑色の発光スペクトルとして544nmを、赤色の発光スペクトルとして627nmを選択して観察した。
まず、図10に、外部電極型希ガス蛍光ランプ5と青色発光ダイオード32の測定結果を示す。外部電極型希ガス蛍光ランプ5は、青色光,緑色光及び赤色光の各発光スペクトルの点灯時間の経過に伴う光量の相対強度を示している。一方、青色発光ダイオード32は、青色光の発光スペクトルの点灯時間の経過に伴う光量の相対強度を示している。
図10に示されるように、外部電極型希ガス蛍光ランプ5は、点灯時間の経過に伴い、赤色光及び緑色光に比較すると青色光の光量低下が著しいことが分かる。このため、点灯開始時の外部電極型希ガス蛍光ランプ5からの照射光の色バランスが、点灯時間の経過に伴い青色光が低下した照射光となることにより、変化していることが分かる。一方、青色発光ダイオード32の青色光は、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の青色光に比べて、光量の低下が抑制されていることから、光量寿命に優れていることが分かる。
次に、図10の実験結果を基に、2つの光源の全青色光の光量に対して、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の青色光と青色発光ダイオード32の青色光の光量の比率を50%と50%にして計算し、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の緑色光の光量の相対強度と比較すると、図11の結果になった。
図11に示されるように、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の青色光の光量:青色発光ダイオード32の青色光の光量=50%:50%の点灯時間の経過に伴う相対強度は、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の緑色光の点灯時間の経過に伴う相対強度と近接していることが分かる。このため、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の青色光の光量と青色発光ダイオード32の青色光の光量を50%と50%に規定することにより、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の緑色光の光量寿命とほぼ同じにすることができ、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の点灯開始時の色バランスが点灯時間の経過に伴う青色光の光量低下による色バランス変化を抑制できる。
最後に、図10の実験結果を基に、2つの光源の全青色光の光量に対して、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の青色光と青色発光ダイオード32の青色光の光量の比率を15%と85%にして計算し、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の赤色光の光量の相対強度と比較すると、図12の結果となった。
図12に示されるように、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の青色光の光量:青色発光ダイオード32の青色光の光量=15%:85%の点灯時間の経過に伴う相対強度は、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の赤色光の点灯時間の経過に伴う相対強度と近接していることが分かる。このため、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の青色光の光量と青色発光ダイオード32の青色光の光量を15%:85%に規定することにより、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の赤色光の光量寿命とほぼ同じにすることができ、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の点灯開始時の色バランスが点灯時間の経過に伴う青色光の光量低下による色バランス変化を抑制できる。
上記結果から以下に考察する。
外部電極型希ガス蛍光ランプ5の青色光の点灯時間の経過に伴う光量低下量に対して、青色発光ダイオード32の青色光の点灯時間の経過に伴う光量低下量は少ない。つまり、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の青色光の光量寿命に対して青色発光ダイオード32の青色光の光量寿命が優れていることから、外部電極型希ガス蛍光ランプ5に青色発光ダイオード32を組み合わせたバックライトシステム1は、外部電極型希ガス蛍光ランプ5のみの青色光の点灯時間の経過に伴う光量低下を抑制できる。
さらに、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の青色光の光量をバックライトシステムの所望の全青色光の光量の50%ないし15%にし、これに対して青色発光ダイオード32の青色光の光量をバックライトシステムの所望の全青色光の光量の50%ないし85%にすることにより、点灯時間の経過に伴う青色光の光量低下を、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の赤色光及び緑色光の点灯時間の経過に伴う光量低下の範囲内とすることができ、バックライトシステム1の点灯開始時の色バランスの点灯時間経過に伴う変化を抑制することができる。
【0040】
第1ないし3の実施形態の青色発光ダイオード32は図4の構成のものに限られず、例えば従来の図15の砲弾形青色発光ダイオード32であってもかまわない。
【0041】
反射シートの突部は、ランプ直下に限られるものではなく、青色発光ダイオードからの光をバックライトシステムの光照射口に直接照射させないように形成したものであれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明のバックライトシステムの説明図である。
【図2】本発明のバックライトシステムの説明図である。
【図3】本発明のバックライトシステムの一部を拡大した説明図である。
【図4】本発明のバックライトシステムに使用される青色発光ダイオードの説明図である。
【図5】本発明のバックライトシステムの一部を拡大した説明図である。
【図6】本発明のバックライトシステムの一部を拡大した説明図である。
【図7】本発明のバックライトシステムの一部を拡大した説明図である。
【図8】本発明のバックライトシステムの一部を拡大した説明図である。
【図9】実験結果の説明図である。
【図10】実験結果の説明図である。
【図11】実験結果の説明図である。
【図12】本発明のバックライトシステムの一部を拡大した説明図である。
【図13】従来のバックライトシステムの説明図である。
【図14】従来の外部電極型希ガス蛍光ランプの説明図である。
【図15】従来の発光ダイオードの説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1 バックライトシステム
2 筐体
21 筐体の溝部
22 筐体の穴部
23 筐体の溝部を有する一面の穴部
24 筐体の光照射口
31 プリント基板
32 発光ダイオード
33 発光ダイオードチップ
34 電極
35 発光ダイオードの光照射口
36 基板
37 金属線
4 反射シート
41 反射シートの穴部
42 反射シートの突部
5 外部電極型希ガス蛍光ランプ
51 放電管
52 外部電極
53 蛍光体
54 外部リード
55 アパーチャ部
6 ランプホルダ
61 ランプホルダの穴部
71 拡散板
72 拡散シート
73 プリズムシート
74 液晶表示面又は店頭表示面
8 冷陰極蛍光ランプ
9 バックライトシステムの光照射方向
91 青色発光ダイオードからの照射光
92 外部電極型希ガス蛍光ランプからの照射光
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置や店頭表示装置に用いられるバックライトシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置や店頭表示装置には、冷陰極蛍光ランプを使用したバックライトシステムがあった。従来技術に係るバックライトシステム1を図13に示す。従来のバックライトシステム1は、光照射口24を有する筐体2と、冷陰極蛍光ランプ8と、拡散板71と、拡散シート72と、プリズムシート73とを具えている。バックライトシステム1は、筐体内に冷陰極蛍光ランプ8を配置させ、筐体2の光照射口24に蓋をするように拡散板71,拡散シート72及びプリズムシート73が配置される。バックライトシステム1の筐体2の光照射口24側の外面に液晶表示面又は店頭表示面74が配置される。
しかしながら、冷陰極蛍光ランプ8には水銀が含まれており、環境への配慮から水銀を含まない光源が望まれている。
【0003】
外部電極型希ガス蛍光ランプは、水銀を含まない光源である。例えば、特許文献1に外部電極型希ガス蛍光ランプが開示される。従来技術に係る外部電極型希ガス蛍光ランプ5を図14に示す。図14(a)は、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の長手方向に対して垂直方向の断面図であり、(b)は外部電極型希ガス蛍光ランプ5の斜視図である。外部電極型希ガス蛍光ランプ5は、管状の放電管51と、放電管51の外周面の概略全長に亘って互いに離隔するように配置された一対の外部電極52と、放電管51の内周面の概略全長に亘って塗布された蛍光体53とからなる。放電管51の内部には放電用ガスとしてキセノンガス等が封入され、外部電極52には図示しない電源が接続される。
放電管51に塗布される蛍光体53は、白色光を得る場合、赤色光用蛍光体53,緑色光用蛍光体53及び青色光用蛍光体53を混合して使用する。ランプ5点灯時、放電管51に封入されたキセノンガスから172nmの真空紫外光が発生し、蛍光体53が励起される。励起された蛍光体53からは、赤色光,緑色光及び青色光の励起光が発生し、混色されることで白色光となる。外部電極型希ガス蛍光ランプ5からの照射光92は、図14(a)に示すように、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の長手方向に対して垂直方向の断面で見ると概略360°方向に照射される無指向性の光92である。
【0004】
しかしながら、非特許文献1には、真空紫外光により青色光用蛍光体53が早期に劣化することにより、赤色光用蛍光体53や緑色光用蛍光体53より発光効率が低下することが記載されている。つまり、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の点灯時間の経過に伴って、青色光用蛍光体53は、真空紫外光を照射され続けるため、赤色光用蛍光体53や緑色光用蛍光体53より光量低下することになる。その結果、使用開始時の外部電極型希ガス蛍光ランプ5からの光の色バランスが、点灯時間の経過に伴って青色光の光量が低下したものになる色バランスの変化問題があった。
【0005】
【特許文献1】特開平11−213956号公報
【特許文献2】特開平06−244458号公報
【非特許文献1】張書秀著,「カラーPDP用青色蛍光体の熱劣化特性」,月刊ディスプレイ,株式会社テクノタイムズ社 出版,2001年5月号,p.43−47
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
外部電極型希ガス蛍光ランプ5の点灯時間の経過に伴う青色光の光量低下を抑制するために、青色発光ダイオード32を組み合わせることが検討される。
【0007】
発光ダイオードは水銀を含まない光源である。特許文献2には、青色発光ダイオードチップにより、青色光を照射する青色発光ダイオードについての技術が記載されている。発光ダイオードの構成は、フラットタイプSMD構造の発光ダイオードと砲弾形(又は丸型)発光ダイオードとがある。図15は砲弾形発光ダイオード32の構造についての説明図であり、砲弾形発光ダイオード32の断面図である。発光ダイオード32は、発光ダイオードチップ33と、これを封止する樹脂からなる発光ダイオード32の光照射口35と、一対の電極34と、金属線37からなる。発光ダイオードチップ33は、一対の電極34のうち一方の電極34上に絶縁的に載置され、金属線37によって一対の電極34それぞれと電気的に接続される。発光ダイオードチップ33は、樹脂によって封止され、この樹脂が発光ダイオード32の光照射口35となる。
【0008】
しかしながら、発光ダイオード32は電極34に載置されることにより、その照射光91は指向性を有する。このため、青色発光ダイオード32を外部電極型希ガス蛍光ランプ5に単に組み合わせて図13のようなバックライトシステム1を構築したとしても、青色発光ダイオード32からの指向性を有した青色光91と外部電極型希ガス蛍光ランプ5の照射光92が十分に混色されず、液晶表示面や店頭表示面74に色むらが発生する。このため、外部電極型希ガス蛍光ランプ5と青色発光ダイオード32の色むらを防止するためには、多数の拡散板71や拡散シート72が必要になり、バックライトシステム1の省スペース化の要求に反し、コストも増大化してしまう。
そこで、本発明の目的は、青色光の点灯時間の経過に伴う光量低下を抑制すると共に、表示面74の色むらを防止したバックライトシステム1を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載のバックライトシステムは、外部電極型希ガス蛍光ランプと発光ダイオードからなる光照射口を有したバックライトシステムにおいて、前記発光ダイオードは青色発光ダイオードであって、前記発光ダイオードをランプ直下に配置したことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載のバックライトシステムは、前期光照射口に対向した一面に反射シートが配置され、前記反射シートに光照射口へ延びる突部を形成したことを特徴とする、請求項1に記載のバックライトシステム。
【0011】
請求項3に記載のバックライトシステムは、前記外部電極型希ガス蛍光ランプの青色光用蛍光体からの青色光の光量を前記バックライトシステムの全青色光の50%ないし15%にし、これに対して青色発光ダイオードからの青色光の光量を前記バックライトシステムの全青色光の50%ないし85%にしたことを特徴とする、請求項1に記載のバックライトシステム。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、上記構成によって、以下の効果を有する。
外部電極型希ガス蛍光ランプと青色発光ダイオードを組み合わせることにより、外部電極型希ガス蛍光ランプの点灯時間経過に伴う青色光の光量低下を、青色発光ダイオードによる青色光により補うことができ、バックライトシステムからの点灯時間経過に伴う青色光の光量低下を抑制できる。
また、青色発光ダイオードをランプ直下に配置することにより、バックライトシステムの点灯時に、青色発光ダイオードの青色光をバックライトシステムの光照射口に直接照射することを抑制でき、ランプ内で青色発光ダイオードの青色光が拡散されることでランプの励起光と青色発光ダイオードの青色光を混色できるので、表示面の色むらの発生を抑制できる。
【0013】
さらに、反射シートに光照射口へ延びる突部を形成することにより、バックライトシステムの点灯時に、青色発光ダイオードの青色光を光照射口に直接照射することを防止できる。
【0014】
その上、外部電極型希ガス蛍光ランプの青色光用蛍光体からの青色光の光量と青色発光ダイオードからの青色光の光量を規定することにより、バックライトシステムの点灯開始時の色バランスの点灯時間経過に伴う色バランス変化を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係るバックライトシステムの第1の実施形態を、図1ないし図4を用いて説明する。
【0016】
まず、図1及び図2を用いてバックライトシステム1の全体の構成について説明する。
図1は本発明のバックライトシステム1の概略構成を示しており、バックライトシステム1を分解した斜視図である。図2は、バックライトシステム1を組み立てたときのバックライトシステム1の長手方向に対して垂直方向の断面図である。
バックライトシステム1は光照射口24を有する矩形状の筐体2と、プリント基板31と、青色発光ダイオード32と、反射シート4と、外部電極型希ガス蛍光ランプ5と、ランプホルダ6と、拡散板71と、拡散シート72と、プリズムシート73とを具えている。
【0017】
筐体2は、矩形状の例えばポリカーボネート樹脂からなる箱型であり、一面取り除いた五面から形成される。これにより、筐体2には、四枚の矩形状の例えばポリカーボネート樹脂に取り囲まれた光照射口24(筐体2の取り除かれた一面)が形成される。この筐体2の光照射口24がバックライトシステム1の光照射口24となる。
筐体2には、四枚の矩形状の例えばポリカーボネート樹脂に取り囲まれると共に光照射口24に対向する一面の外面に、プリント基板31が適合する溝部21(図1には図示しない。図2ではプリント基板31が適合している部分に相当する。)が筐体2の長手方向に向かって形成される。さらに、筐体2の光照射口24に対向する筐体2の溝部21を有する一面には、青色発光ダイオード32が適合する穴部23が形成される。
筐体2の長手方向(図中X軸方向)にある対向する二面それぞれには、ランプホルダ6が適合する穴部22が形成される。
【0018】
プリント基板31は、板状であり、青色発光ダイオード32に給電するための図示しない配線が形成される。プリント基板31上には、青色発光ダイオード32が図示しない配線と電気的に接続されて配置される。青色発光ダイオード32が接続されたプリント基板31は、筐体2の光照射口24に対向する筐体2の溝部21を有する一面の穴部23に青色発光ダイオード32を突出させ、筐体2の溝部21に適合するように配置され、ネジ止め等により筐体2に固定される。
【0019】
反射シート4は、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂からなる部材に例えば酸化チタンからなる白色顔料を混合することにより形成され、青色発光ダイオード32に対応した位置に穴部41が設けられる。穴部41を有する反射シート4は、穴部41に青色発光ダイオード32が適合するように配置され、筐体2の光照射口24に対向した一面(筐体2の溝部21を有する一面)の内面を覆うように配置され、ネジ止め等により筐体2に固定される。これにより、筐体2の光照射口24に対向する一面には反射シート4と反射シート4の穴部41に配置された青色発光ダイオード32との一面が形成される。
【0020】
ランプホルダ6は、例えばシリコン樹脂からなり、バックライトシステム1の光照射方向9に対して垂直方向(図中X軸方向)にある対向する筐体2の穴部22に嵌合するように外形が形成され、外部電極型希ガス蛍光ランプ5が嵌合するランプホルダ6の穴部61を設けられる。
外部電極型希ガス蛍光ランプ5は、長手方向の両端をランプホルダ6の穴部61に嵌合され、筐体2の長手方向にある対向する二面のそれぞれの穴部22(図中X軸方向にある筐体2の穴部22)にランプホルダ6を配置され固定することで、筐体2に支持される。複数の外部電極型希ガス蛍光ランプ5は、バックライトシステム1の光照射方向9に対して垂直方向(図中Z軸方向)に、平行に配置される。
【0021】
拡散板71は筐体2の光照射口24に蓋をするように配置され、さらにそれを覆うようにバックライトシステム1の光照射方向9の外面に一または複数の拡散シート72が配置される。プリズムシート73は、拡散シート72を拡散板71と挟み込むように、バックライトシステム1の光照射方向9の最外面にある拡散シート72を覆うように配置される。
【0022】
次に、図3及び図4を用いて、本発明の実施形態のバックライトシステム1に配置される外部電極型希ガス蛍光ランプ5と青色発光ダイオード32の構成について説明する。
図3は図2のバックライトシステム1の外部電極型希ガス蛍光ランプ5,反射シート4,筐体2,青色発光ダイオード32,プリント基板31とを拡大した説明図である。図3(a)は外部電極型希ガス蛍光ランプ5の長手方向に対して垂直方向の断面図であり、(b)は斜視図である。
図4は図3の青色発光ダイオード32を拡大した説明図であり、SMD構造の発光ダイオード32である。図4(a)は青色発光ダイオード32の断面図であり、(b)は斜視図である。
【0023】
外部電極型希ガス蛍光ランプ5の構成について、その一例を、図3を用いて説明する。
外部電極型希ガス蛍光ランプ5は、管状の例えばソーダガラス等の融点の低いガラスからなる放電管51と、放電管51の外面の長手方向の概略全長に亘って離隔するように配置された一対の概略帯状の外部電極52と、放電管51の内面の長手方向の概略全長に亘って塗布される蛍光体53と、放電管51の内部に封入される放電ガスとから構成される。
外部電極52は、例えばアルミニウムからなる導電性テープから形成され、放電管51の外面に貼り付けることにより配置される。また、外部電極52は、例えば銀からなる導電性ペーストから形成され、スクリーン印刷し、焼き付けることにより配置したものであっても良い。
一対の外側電極52の長手方向にある一方の端部のそれぞれに外部リード54が接続され、外部リード54は図示しない電源に接続される。
蛍光体53は、ランプ点灯時に、青色の励起光が照射される青色光用蛍光体53として例えばBaMgAl10O17:Euと、緑色の励起光が照射される緑色光用蛍光体53として例えばLaPO4:Tbと、赤色の励起光が照射される赤色光用蛍光体53として例えば(Y,Gd)BO3:Euとを混合したものであり、放電管51の内面に膜厚を例えば15μmで塗布される。
放電ガスは、例えばキセノンガス又はキセノンと他の希ガスの混合ガスであり、その封入量は例えば24KPaである。
【0024】
青色発光ダイオード32の構成について、その一例を、図4を用いて説明する。
青色発光ダイオード32の内部に、例えばInGaNからなる発光ダイオードチップ33が基板36上に載置される。基板36の側面には一対の電極34が離隔されるように配置され、一方の電極34が例えば金などの金属線37を介して発光ダイオードチップ33に接続され、他方の電極34が図示しない配線により電気的に接続される。基板36上に載置される発光ダイオードチップ33は例えばシリコン樹脂により封止される。発光ダイオードチップ33を封止する例えばシリコン樹脂は発光ダイオード32の光照射口35となる。
【0025】
図3に戻って外部電極型希ガス蛍光ランプ5と青色発光ダイオード32の位置関係について説明する。
青色発光ダイオード32の光照射口35がプリント基板31に対向しないように、青色発光ダイオード32の一対の電極34はプリント基板31上の図示しない配線に電気的に接続され、プリント基板31は図示しない電源に接続される。
青色発光ダイオード32が接続されたプリント基板31は、筐体2の穴部22に青色発光ダイオード32を突出させ、筐体2の溝部21に適合するように配置される。これにより、青色発光ダイオード32の光照射口35が筐体2の図示しない光照射口に対向される。
穴部41を設けた反射シート4は、穴部41が青色発光ダイオード32に適合するように配置される。
外部電極型希ガス蛍光ランプ5は青色発光ダイオード32と筐体2の図示しない光照射口に挟まれるように配置され、青色発光ダイオード32の光照射口35は外部電極型希ガス蛍光ランプ5の管径の範囲Lにあるランプ5直下Mになるように配置される。
【0026】
バックライトシステム1の点灯時の光照射について図2ないし図4を用いて説明する。
バックライトシステム1は点灯時、図示しない電源から電力が供給されることにより、外部電極型希ガス蛍光ランプ5及び青色発光ダイオード32が点灯される。外部電極型希ガス蛍光ランプ5は電力が供給されることにより、封入される放電ガスであるキセノンガスから、172nmの真空紫外光が発生し、放電管51内に塗布された蛍光体53を励起させ、青,緑及び赤色の励起光を発生させる。放電管51内で発生した励起光は放電管51内で混色され、放電管51外へ無指向性の照射光92を照射する。一方、青色発光ダイオード32は電力が供給されることにより、青色発光ダイオードチップ33から青色光が照射され、青色発光ダイオード32の光照射口35から光照射方向9に向かう指向性の光91が照射される。
青色発光ダイオード32がランプ5直下に配置され、青色発光ダイオード32の光照射口35と筐体2の光照射口24が外部電極型希ガス蛍光ランプ5を介して対向配置されることにより、青色発光ダイオード32からの青色光91は、外部電極型希ガス蛍光ランプ5に照射され、放電管51の内部に取り込まれる。外部電極型希ガス蛍光ランプ5の内面に塗布された蛍光体53によって乱反射されることで、青色発光ダイオード32の青色光は外部電極型希ガス蛍光ランプ5の励起光と混色され外部に無指向性の光92として照射される。筐体2の光照射方向9とは反対の方向に照射された光は、筐体2の光照射口24と対向する反射シート4によって光照射方向9に反射される。外部電極型希ガス蛍光ランプ5からの照射光92や反射シート4からの反射光は、筐体2の光照射口24から照射される。
【0027】
本発明のバックライトシステム1の第1の実施形態の構成とその効果を以下にまとめる。
外部電極型希ガス蛍光ランプ5に青色発光ダイオード32を組み合わせることにより、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の点灯時間経過に伴う青色光用蛍光体53の劣化による青色光の低下を、青色発光ダイオード32による青色光により補うことができ、バックライトシステム1からの点灯時間経過に伴う青色光の早期の光量低下を抑制できる。
さらに、青色発光ダイオード32が外部電極型希ガス蛍光ランプ5のランプ5直下に配置されることにより、バックライトシステム1の点灯時に青色発光ダイオード32の青色光を筐体2の光照射口24に直接照射することを抑制でき、多数の拡散板71や拡散シート72を適用しなくても図示しない液晶表示面又は図示しない店頭表示面の色むらの発生を抑制できる。
その上、青色発光ダイオード32の青色光が外部電極型希ガス蛍光ランプ5に照射され、外部電極型希ガス蛍光ランプ5内に青色発光ダイオード32の青色光が好適に取り込まれる。このため、外部電極型希ガス蛍光ランプ5内の蛍光体53の励起光と青色発光ダイオード32の青色光が外部電極型希ガス蛍光ランプ5内の蛍光体53に乱反射させることができ、好適に混色させることができる。
【0028】
本発明のバックライトシステム1の第1の実施形態の別の実施形態を、図1及び図5を用いて説明する。
図5はバックライトシステム1の外部電極型希ガス蛍光ランプ5,反射シート4,筐体2,青色発光ダイオード32,プリント基板31とを拡大した説明図である。図5は外部電極型希ガス蛍光ランプ5の長手方向に対して垂直方向の断面図である。
図5は、放電管51内に塗布された蛍光体53を長手方向に向かって一部削除したアパーチャ部55を有する点で、図3と異なる。
【0029】
外部電極型希ガス蛍光ランプ5には、放電管51内に塗布された蛍光体53の一部を長手方向に向かって概略全長に削除したアパーチャ部55が形成される。
青色発光ダイオード32の光照射口35が、筐体2の光照射口24(図1に図示する。図5では図示しない。)に向かい、ランプ5直下に配置されると共に、外部電極型希ガス蛍光ランプ5のアパーチャ部55に対向配置される。
これにより、バックライトシステム1点灯時、青色発光ダイオード32から照射される青色光が、外部電極型希ガス蛍光ランプ5のアパーチャ部55から好適に取り入れられ、外部電極型希ガス蛍光ランプ5内の蛍光体53によって拡散され、蛍光体53からの励起光と好適に混色される。
【0030】
外部電極型希ガス蛍光ランプ5に青色発光ダイオード32を組み合わせることにより、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の点灯時間経過に伴う青色光用蛍光体53の劣化による青色光の低下を、青色発光ダイオード32による青色光により補うことができ、バックライトシステム1からの点灯時間経過に伴う青色光の光量低下を抑制できる。
さらに、青色発光ダイオード32が外部電極型希ガス蛍光ランプ5のランプ5直下に配置されることにより、バックライトシステム1の点灯時に青色発光ダイオード32の青色光を筐体2の光照射24口に照射することを抑制でき、多数の拡散板71や拡散シート72を適用しなくても図示しない液晶表示面又は図示しない店頭表示面の色むらの発生を抑制できる。
その上、青色発光ダイオード32が外部電極型希ガス蛍光ランプ5のランプ5直下に配置されると共に青色発光ダイオード32の光照射口35が外部電極型希ガス蛍光ランプ5のアパーチャ部55に対向することにより、青色発光ダイオード32の青色光が外部電極型希ガス蛍光ランプ5に照射され、外部電極型希ガス蛍光ランプ5のアパーチャ部55から青色発光ダイオード32の青色光が好適に取り込まれる。このため、外部電極型希ガス蛍光ランプ5内の蛍光体53の励起光と青色発光ダイオード32の青色光が外部電極型希ガス蛍光ランプ5内の蛍光体53に乱反射させることができ、好適に混色させることができる。
【0031】
なお、図6ないし図8は本発明のバックライトシステム1の第1の実施例の別の実施形態であり、このような構成であってもかまわない。
図6ないし図8はバックライトシステム1の外部電極型希ガス蛍光ランプ5,反射シート4,筐体2,青色発光ダイオード32,プリント基板31とを拡大した説明図である。図6及び図7は外部電極型希ガス蛍光ランプ5の長手方向に対して垂直方向の断面図であり、図8拡大したバックライトシステム1の斜視図である。
図6は、管軸を中心に外部電極型希ガス蛍光ランプ5を回転させた点で図3と相違する。
図7は、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の長手方向に対して垂直方向の断面のランプ5直下において、複数の青色発光ダイオード32を配置した点で、図3と相違する。
図8は、青色発光ダイオード32を外部電極型希ガス蛍光ランプ5の長手方向のランプ5直下に、不規則に配置した点で、図3と相違する。
本発明の第1の実施形態は図6ないし図8の構成であってもかまわなく、図3の構成と同様の効果を得られる。
【0032】
本発明のバックライトシステム1の第2の実施形態を、図9を用いて説明する。
図9はバックライトシステム1の外部電極型希ガス蛍光ランプ5,反射シート4,筐体2,青色発光ダイオード32,プリント基板31とを拡大した説明図であり、(a)は外部電極型希ガス蛍光ランプ5の長手方向に対して垂直方向の断面図であり、(b)は斜視図である。
図9は反射シート4に突部を形成した点で図3と相違する。
【0033】
反射シート4は、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂からなる部材に例えば酸化チタンからなる白色顔料を混合することにより形成され、筐体2の図示しない光照射口に対向配置される。反射シート4には、筐体2の図示しない光照射口方向(バックライトシステムの光照射方向9)へ延びると共に、筐体2の外部電極型希ガス蛍光ランプ5の長手方向に平行するように延びる一対の突部42がランプ5直下に形成される。反射シート4の突部42は例えば型に入れて成形する等して形成される。
外部電極型希ガス蛍光ランプ5の長手方向のランプ5直下に配置された青色発光ダイオード32は、反射シート4の突部42に挟まれるように配置される。
【0034】
反射シート4の突部42に青色発光ダイオード32が挟まれることにより、青色発光ダイオード32からの青色光91は、反射シート4の突部42に反射されるので、筐体2の図示しない光照射口に直接照射されることなく、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の放電管51内に好適に取り込まれる。
また、外部電極型希ガス蛍光ランプ5からの照射光のうち青色発光ダイオード32の方向に放射される光92は、突部42を有する反射シート4に反射されることにより、青色発光ダイオード32からの青色光と混色させることができる。
【0035】
図3と相違する上記構成により、第1の実施形態の効果に加え下記の効果を得られる。
青色発光ダイオード32が反射シート4の突部42に挟まれることにより、バックライトシステム1の点灯時に青色発光ダイオード32の青色光を筐体2の光照射口24に照射することを防止でき、多数の拡散板71や拡散シート72を適用しなくても図示しない液晶表示面又は店頭表示面の色むらの発生を防止できる。
さらに、反射シート4の突部42は反射機能を有することにより、青色発光ダイオード32の青色光が外部電極型希ガス蛍光ランプ5内に好適に取り込むことができ、外部電極型希ガス蛍光ランプ5内の蛍光体53に乱反射されることにより、好適に混色させることができる。
その上、反射シート4の突部42が外部電極型希ガス蛍光ランプ5の長手方向に延びるように形成されることにより、外部電極型希ガス蛍光ランプ5からの照射光のうちで青色発光ダイオード32に向かって照射される光は突部42を有する反射シート4に反射されることにより、青色発光ダイオード32からの青色光と好適に混色させることができる。
【0036】
本発明のバックライトシステム1の第3の実施形態を説明する。
第3の実施形態は、外部電極型希ガス蛍光ランプ5と青色発光ダイオード32の光量を規定した点で、第1の実施形態と相違する。
【0037】
外部電極型希ガス蛍光ランプ5の青色光用蛍光体53からの青色光の光量は、蛍光体53の量を調整することにより、バックライトシステムの所望の全青色光の光量の50%ないし15%にする。これに対して青色発光ダイオード32からの青色光の光量は、青色発光ダイオード32への入力電力を調整することにより、バックライトシステムの所望の全青色光の光量の50%ないし85%にする。
【0038】
上記規定により、第1の実施形態の効果に加え下記の効果を得られる。
外部電極型希ガス蛍光ランプ5からの青色光と青色発光ダイオード32の青色光の光量比を調整することにより、点灯時間の経過に伴うバックライトシステム1からの照射光の色バランスの変化を抑制することができる。
【0039】
第3の実施形態における効果を確認するための実験を行なった。
実験は、外部電極型希ガス蛍光ランプ5と青色発光ダイオード32を用いた。
実験には図14に示す従来の外部電極型希ガス蛍光ランプ5を用いた。外部電極型希ガス蛍光ランプ5は、ガラス管の放電管51と、放電管51の外面の長手方向の概略全長に亘って離隔するように配置された一対の外部電極52と、放電管51の内面の長手方向の概略全長に亘って塗布される蛍光体53と、放電管51の内部に封入される放電ガスとから構成される。放電管51の内面に塗布される蛍光体53は、青色光用蛍光体53がBaMgAl10O17:Euと、緑色光用蛍光体53がLaPO4:Tbと、赤色光用蛍光体53が(Y,Gd)BO3:Euとを混合したものである。放電ガスはキセノンガスを24KPa封入した。外部電極型希ガス蛍光ランプ53の外周面には図示しない透光性を有した保護チューブを密着して覆うように配置した。外部電極52には、電源を電気的に接続した。外部電極型希ガス蛍光ランプ5は、ピーク電圧を3.5KV、点灯周波数を50KHzの矩形波パルスにして印加することにより点灯させた。
一方、実験は図4に示す青色発光ダイオード32を用いた。青色発光ダイオード32は、基板36上にInGaNの発光ダイオードチップ33を載置させ、一対の電極34と発光ダイオード32とを電気的に接続させ、発光ダイオードチップ33をシリコン樹脂によって封止して形成した。青色発光ダイオード32の電極には電源を電気的に接続した。青色発光ダイオード32は、駆動電圧を3.6V、電流を25mAにして印加することにより点灯させた。
実験方法は、外部電極型希ガス蛍光ランプ5及び青色発光ダイオード32をそれぞれ点灯させ、それぞれの光源から10mm離隔した位置に分光器を配置して、各発光スペクトルにおける光量を測定し、点灯時間の経過に伴う光量変化を観察した。測定した発光スペクトルは、青色の発光スペクトルとして450nmを、緑色の発光スペクトルとして544nmを、赤色の発光スペクトルとして627nmを選択して観察した。
まず、図10に、外部電極型希ガス蛍光ランプ5と青色発光ダイオード32の測定結果を示す。外部電極型希ガス蛍光ランプ5は、青色光,緑色光及び赤色光の各発光スペクトルの点灯時間の経過に伴う光量の相対強度を示している。一方、青色発光ダイオード32は、青色光の発光スペクトルの点灯時間の経過に伴う光量の相対強度を示している。
図10に示されるように、外部電極型希ガス蛍光ランプ5は、点灯時間の経過に伴い、赤色光及び緑色光に比較すると青色光の光量低下が著しいことが分かる。このため、点灯開始時の外部電極型希ガス蛍光ランプ5からの照射光の色バランスが、点灯時間の経過に伴い青色光が低下した照射光となることにより、変化していることが分かる。一方、青色発光ダイオード32の青色光は、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の青色光に比べて、光量の低下が抑制されていることから、光量寿命に優れていることが分かる。
次に、図10の実験結果を基に、2つの光源の全青色光の光量に対して、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の青色光と青色発光ダイオード32の青色光の光量の比率を50%と50%にして計算し、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の緑色光の光量の相対強度と比較すると、図11の結果になった。
図11に示されるように、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の青色光の光量:青色発光ダイオード32の青色光の光量=50%:50%の点灯時間の経過に伴う相対強度は、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の緑色光の点灯時間の経過に伴う相対強度と近接していることが分かる。このため、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の青色光の光量と青色発光ダイオード32の青色光の光量を50%と50%に規定することにより、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の緑色光の光量寿命とほぼ同じにすることができ、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の点灯開始時の色バランスが点灯時間の経過に伴う青色光の光量低下による色バランス変化を抑制できる。
最後に、図10の実験結果を基に、2つの光源の全青色光の光量に対して、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の青色光と青色発光ダイオード32の青色光の光量の比率を15%と85%にして計算し、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の赤色光の光量の相対強度と比較すると、図12の結果となった。
図12に示されるように、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の青色光の光量:青色発光ダイオード32の青色光の光量=15%:85%の点灯時間の経過に伴う相対強度は、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の赤色光の点灯時間の経過に伴う相対強度と近接していることが分かる。このため、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の青色光の光量と青色発光ダイオード32の青色光の光量を15%:85%に規定することにより、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の赤色光の光量寿命とほぼ同じにすることができ、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の点灯開始時の色バランスが点灯時間の経過に伴う青色光の光量低下による色バランス変化を抑制できる。
上記結果から以下に考察する。
外部電極型希ガス蛍光ランプ5の青色光の点灯時間の経過に伴う光量低下量に対して、青色発光ダイオード32の青色光の点灯時間の経過に伴う光量低下量は少ない。つまり、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の青色光の光量寿命に対して青色発光ダイオード32の青色光の光量寿命が優れていることから、外部電極型希ガス蛍光ランプ5に青色発光ダイオード32を組み合わせたバックライトシステム1は、外部電極型希ガス蛍光ランプ5のみの青色光の点灯時間の経過に伴う光量低下を抑制できる。
さらに、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の青色光の光量をバックライトシステムの所望の全青色光の光量の50%ないし15%にし、これに対して青色発光ダイオード32の青色光の光量をバックライトシステムの所望の全青色光の光量の50%ないし85%にすることにより、点灯時間の経過に伴う青色光の光量低下を、外部電極型希ガス蛍光ランプ5の赤色光及び緑色光の点灯時間の経過に伴う光量低下の範囲内とすることができ、バックライトシステム1の点灯開始時の色バランスの点灯時間経過に伴う変化を抑制することができる。
【0040】
第1ないし3の実施形態の青色発光ダイオード32は図4の構成のものに限られず、例えば従来の図15の砲弾形青色発光ダイオード32であってもかまわない。
【0041】
反射シートの突部は、ランプ直下に限られるものではなく、青色発光ダイオードからの光をバックライトシステムの光照射口に直接照射させないように形成したものであれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明のバックライトシステムの説明図である。
【図2】本発明のバックライトシステムの説明図である。
【図3】本発明のバックライトシステムの一部を拡大した説明図である。
【図4】本発明のバックライトシステムに使用される青色発光ダイオードの説明図である。
【図5】本発明のバックライトシステムの一部を拡大した説明図である。
【図6】本発明のバックライトシステムの一部を拡大した説明図である。
【図7】本発明のバックライトシステムの一部を拡大した説明図である。
【図8】本発明のバックライトシステムの一部を拡大した説明図である。
【図9】実験結果の説明図である。
【図10】実験結果の説明図である。
【図11】実験結果の説明図である。
【図12】本発明のバックライトシステムの一部を拡大した説明図である。
【図13】従来のバックライトシステムの説明図である。
【図14】従来の外部電極型希ガス蛍光ランプの説明図である。
【図15】従来の発光ダイオードの説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1 バックライトシステム
2 筐体
21 筐体の溝部
22 筐体の穴部
23 筐体の溝部を有する一面の穴部
24 筐体の光照射口
31 プリント基板
32 発光ダイオード
33 発光ダイオードチップ
34 電極
35 発光ダイオードの光照射口
36 基板
37 金属線
4 反射シート
41 反射シートの穴部
42 反射シートの突部
5 外部電極型希ガス蛍光ランプ
51 放電管
52 外部電極
53 蛍光体
54 外部リード
55 アパーチャ部
6 ランプホルダ
61 ランプホルダの穴部
71 拡散板
72 拡散シート
73 プリズムシート
74 液晶表示面又は店頭表示面
8 冷陰極蛍光ランプ
9 バックライトシステムの光照射方向
91 青色発光ダイオードからの照射光
92 外部電極型希ガス蛍光ランプからの照射光
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電極型希ガス蛍光ランプと発光ダイオードからなる光照射口を有したバックライトシステムにおいて、
前記発光ダイオードは青色発光ダイオードであって、
前記発光ダイオードをランプ直下に配置したことを特徴とするバックライトシステム。
【請求項2】
前期バックライトシステムの光照射口に対向した一面に反射シートが配置され、
前記反射シートに光照射口方向に延びる突部を形成したことを特徴とする請求項1に記載のバックライトシステム。
【請求項3】
前記外部電極型希ガス蛍光ランプの青色光用蛍光体からの青色光の光量を前記バックライトシステムの全青色光の50%ないし15%にし、これに対して青色発光ダイオードからの青色光の光量を前記バックライトシステムの全青色光の50%ないし85%にしたことを特徴とする請求項1に記載のバックライトシステム。
【請求項1】
外部電極型希ガス蛍光ランプと発光ダイオードからなる光照射口を有したバックライトシステムにおいて、
前記発光ダイオードは青色発光ダイオードであって、
前記発光ダイオードをランプ直下に配置したことを特徴とするバックライトシステム。
【請求項2】
前期バックライトシステムの光照射口に対向した一面に反射シートが配置され、
前記反射シートに光照射口方向に延びる突部を形成したことを特徴とする請求項1に記載のバックライトシステム。
【請求項3】
前記外部電極型希ガス蛍光ランプの青色光用蛍光体からの青色光の光量を前記バックライトシステムの全青色光の50%ないし15%にし、これに対して青色発光ダイオードからの青色光の光量を前記バックライトシステムの全青色光の50%ないし85%にしたことを特徴とする請求項1に記載のバックライトシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−41427(P2008−41427A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−214309(P2006−214309)
【出願日】平成18年8月7日(2006.8.7)
【出願人】(000102212)ウシオ電機株式会社 (1,414)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月7日(2006.8.7)
【出願人】(000102212)ウシオ電機株式会社 (1,414)
【Fターム(参考)】
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