説明

バッテリモジュール

【課題】従来技術を更に改良する。
【解決手段】本発明は、複数のバッテリセルを支持可能であり且つ回路板保持構造を有するケーシングと、回路板保持構造によって保持される回路板と、複数のバッテリセルと回路板とを電気的に接続するためにケーシング上に配置される複数の伝導性バスと、複数のバッテリセル組とを含み、各々のバッテリセル組は、バッテリホルダと、少なくとも2つのバッテリセルとを含み、複数のバッテリセル組のうちの何れか2つのバッテリセル組は構造的に独立し、それによって、ケーシングに固定し或いはケーシングから取り外し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバッテリモジュールに関し、特に、製造に適したバッテリモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来的なバッテリモジュールは、その内側の回路を接続するためにワイヤを利用するのが普通である。例えば、バッテリモジュールは、回路板と第一バッテリ組の正電極とを接続するためのワイヤと、回路板と第一バッテリ組及び第二バッテリ組の間に配置されるニッケルストリップとを接続するためのワイヤと、回路板と第二バッテリ組及び第三バッテリ組の間に配置される他のニッケルストリップとを接続するためのワイヤと、回路板と第三バッテリ組の負電極とを接続するためのワイヤとを利用する。
【0003】
従来技術によれば、ニッケルストリップと、回路板と、ワイヤとの間の接続は、環境に優しくないハンダを使用して実施される。その上、ハンダ付けプロセスは人的要因によって深刻に影響され、それは冷間圧接(cold welding)、溶接欠落(missing weld)、ハンダビード(solder beading)、及び、ハンダドロス(solder dross)のような問題を引き起こし得る。従って、本出願人は、上述の問題に取り組むために、以前出願した特許文献1においてバッテリモジュールを開示している。然る後、本出願人はバッテリモジュールの設計を更に改良し、その結果、本出願を出願した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願第13/079,535号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は従来技術を更に改良することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数のバッテリセルを保持可能であり且つ回路板保持構造を有するケーシングと、回路板保持構造によって保持される回路板と、複数のバッテリセルと回路板とを電気的に接続するためにケーシング上に配置される複数の伝導性バスと、複数のバッテリセル組とを含み、複数のバッテリセル組の各々は、バッテリセル組をケーシングに固定し或いはケーシングから分離し得るよう、少なくとも2つのバッテリセルを含み、且つ、他の如何なるバッテリセル組からも構造的に独立する、バッテリモジュールを開示する。
【0007】
前述のバッテリセル組の実施態様は、ケーシングに固定し得る締結構造を含むバッテリホルダと、第一側及び第二側の両方からバッテリホルダを取り囲むよう、バッテリホルダの第一側に配置される第一バッテリセル及びバッテリホルダの第二側に配置される第二バッテリセルと、第一及び第二のバッテリセルの正電極を複数の伝導性バスの第一伝導性バスに電気的に接続するための第一伝導性ストリップと、第一及び第二のバッテリセルの負電極を複数の伝導性バスの第二伝導性バスに電気的に接続するための第二伝導性ストリップとを含み、隣接するバッテリセル組のうちの何れか2つのバッテリセル組は、直列接続又は並列接続の効果を達成するために、同じ第一又は第二の伝導性バスを共有する。その上、バッテリホルダと第一及び第二のバッテリセルを結合するためにも第一及び第二の伝導性ストリップが使用される。
【0008】
本発明の実施態様において、前述のバッテリホルダは、可動バッテリホルダである。可動バッテリホルダは、第一及び第二のバッテリセル並びに第一及び第二の伝導性ストリップを伴って、可逆的な方法でケーシングに固定可能であり或いはケーシングから分離可能である。本発明の他の実施態様では、前述のバッテリホルダは、ケーシングに堅固に固定し得る固定バッテリホルダである。
【0009】
本発明はバッテリモジュールのバス配置構造も開示し、当該バス配置構造は、複数のバッテリセルを保持するためのケーシングと、ケーシングと一体化される伝導性バスとを含み、複数の伝導性バスの一端部は、回路板に電気的に接続するためにあり、複数の伝導性バスの一部は、複数のバッテリセルとの接続のために露出され、複数の伝導性バスの他の部分は、安全性の問題を引き起こし得る複数のバッテリセルとの直接的な接触を回避するために、それ自体を露出せずにケーシングの内側に埋め込まれる。
【0010】
本発明の実施態様において、前述の複数の伝導性バスは、以下のステップを通じてケーシングの内側に埋め込まれる。複数の伝導性バス及び/又は少なくとも1つのワイヤ(例えば、回路板とサーミスタとを接続するためのワイヤ)を提供するステップと、型を提供するステップと、複数の伝導性バス及び/又は少なくとも1つのワイヤを型の内側に配置するステップと、溶融非伝導性材料を型内に射出するステップと、ケーシングを形成するために、溶融非伝導性材料(例えば、プラスチック材料)を冷却し、離型プロセスを行うステップとであり、ケーシングは複数のバッテリセルを保持可能であり、複数の伝導性バス及び/又は少なくとも1つのワイヤと一体化され、複数の伝導性バス及び/又は少なくとも1つのワイヤの一部は、複数のバッテリセルへの接続のために露出され、複数の伝導性バス及び/又は少なくとも1つのワイヤの他の部分は、複数のバッテリセルとの直接的な接触を回避するようケーシングの内側に埋め込まれる。
【0011】
前述のバス配置構造に加えて、本発明はバッテリモジュールの他のバス配置構造を提供し、当該バス配置構造は、複数のバッテリセルを保持し得るケーシングと、ケーシング上に配置される複数の伝導性バスとを含み、複数の伝導性バスの一部は露出され、複数の伝導性バスの他の部分は露出されない。当該バス配置構造は、複数の伝導性バスを固定するために、複数の伝導性バスの非露出部を覆い且つケーシングに固定される非伝導性膜(例えば、マイラー膜のようなプラスチック膜)も含み、複数の伝導性バスの露出部は、複数のバッテリセルに接続する。
【0012】
上述の非伝導性膜を備えるバス配置構造を実現するために、本発明は複数のバッテリセルを保持し得るケーシングを提供するステップと、ケーシング上に複数の伝導性バス及び/又は少なくとも1つのワイヤ(例えば、回路板とサーミスタとを接続するためのワイヤ)を配置するステップと、複数の伝導性バス及び/又は少なくとも1つのワイヤの一部とケーシングの一部とを覆うために非伝導性膜(例えば、マイラー膜のようなプラスチック膜)を提供するステップと、非伝導性膜上にマスクを位置付けるステップと、非可逆的な方法で非伝導性膜とケーシングと結合し、それによって、非伝導性膜によって覆われる複数の伝導性バス及び/又はワイヤを固定するために、非伝導性膜がケーシングの一部を覆う場所のために物理的接触なくエネルギを提供するステップとを含むバス配置方法を提供し、非伝導性膜によって覆われない複数の伝導性バスの一部は、複数のバッテリセルを接続するためにある。その上、物理的接触なくエネルギを提供するステップは、レーザ溶接技法のような非接触溶接技法を利用することによって行われる。
【0013】
前述のバス配置構造に加えて、本発明はバッテリモジュールの他のバス配置構造を更に提供し、当該バス配置構造は、複数のバッテリセルを保持し得るケーシングと、各々の伝導性バスが少なくとも1つの開口を有する複数の伝導性バスと、各々の締結具がケーシングの一部又は分離された締結具である複数の締結具とを含み、複数の締結具の各々は、開口の1つの内に挿入され、開口の下に留まり且つケーシングに固定される一端部を有し、開口の上に留まり且つ開口の伝導性バスに固定される他端部と有する。従って、締結具の一端部はケーシングに固定されるのに対し、締結具の他端部はその対応する伝導性バスに固定されるので、それによって、ケーシング及び伝導性バスは締結具によって結合される。
【0014】
上述の締結具を備えるバス配置構造を実現するために、本発明は、複数のバッテリセルを保持し得るケーシングを提供するステップと、各々の伝導性バスが少なくとも1つの開口を有する複数の伝導性バスを提供するステップと、各々の締結具がケーシングの一部又は分離された締結具である複数の締結具を提供するステップと、複数の伝導性バスの開口を締結具の上にそれぞれ置くステップであって、複数の締結具の各々が開口の1つの内に挿入され、ケーシングに固定される一端部を有し、開口の伝導性バスに固定される他端部を有するステップと、複数の締結具を部分的に溶融し、それによって、締結具によって複数の伝導性バスをケーシングと結合するために、複数の締結具のために物理的接触を用いてエネルギを提供するステップとを含むバス配置方法を提供し、物理的接触を用いてエネルギを提供するステップは、熱融接技法、超音波溶接技法、及び、振動溶接技法のうちの1つを利用する。
【0015】
本発明はバッテリモジュールのバッテリセルと伝導性バスとの間の接続構造も開示する。当該接続構造は、第一バッテリセルを含む複数のバッテリセルを保持し得るケーシングと、第一伝導性ストリップを有する複数の伝導性ストリップであって、各々の伝導性ストリップがバッテリセルの少なくとも1つに接続する一端部を有する複数の伝導性ストリップと、ケーシング上に配置され且つ複数の伝導性ストリップを通じて複数のバッテリセルに接続される複数の伝導性バスとを含み、複数の伝導性バスは、第一伝導性バスを含み、第一バッテリセルは、第一伝導性ストリップを通じて第一伝導性バスと接続し、第一伝導性バスは、第一伝導性バスと第一伝導性ストリップとの間の接触を実現するための突出部(例えば、上下逆のU形状の突出部)を有し、接続構造は、第一伝導性バスを第一伝導性ストリップに密接に接触させる上向きの力をもたらすためにケーシング上で突出部の下に配置される可撓パッド(例えば、ゴム製の軟らかいパッド)も含む。
【0016】
本発明のバッテリモジュールのバッテリセルと伝導性バスとの接続構造は、第一バッテリセルを含む複数のバッテリセルを支持し得るケーシングと、第一伝導性ストリップを有する複数の伝導性ストリップであって、各々の伝導性ストリップがバッテリセルの少なくとも1つに接続する一端部を有する複数の伝導性ストリップと、ケーシング上に配置され且つ複数の伝導性ストリップを通じて複数のバッテリセルに接続される複数の伝導性バスとを含み、複数の伝導性バスは、第一伝導性バスを含み、第一バッテリセルは、第一伝導性ストリップを通じて第一伝導性バスに接続し、第一伝導性バスは、第一伝導性バスと第一伝導性ストリップとの間の接触を実現するための突出部(例えば、上下逆のU形状の突出部)を有し、接続構造は、第一伝導性バスと第一伝導性ストリップとの間の接続を助けるために突出部の上に配置される伝導性バンプ(例えば、銀バンプ)も含む。好適実施態様において、伝導性バンプの伝導率は、より良好な伝導のために、第一伝導性バスの伝導率よりも高い。
【0017】
本発明はバッテリモジュールのバッテリセルと伝導性バスとを接続するための接続方法を更に開示する。当該接続方法は、複数のバッテリセルを支持可能であり且つ複数の開口を有するケーシングを形成するステップと、各々の伝導性ストリップがバッテリセルの少なくとも1つに接続する複数の伝導性ストリップを提供するステップと、ケーシング上に複数の伝導性バスを提供するステップとを含み、複数の伝導性バスは、複数の伝導性ストリップを通じて複数のバッテリセルに接続し、伝導性バスの各々は、伝導性バスの各々がケーシングの開口の1つを覆う接触位置を定め、接続方法は、伝導性ストリップが接触位置と重なり合い、接触位置がケーシングの開口と更に重なり合うよう、伝導性ストリップの各々に接触位置の1つを覆わせるステップと、伝導性ストリップを伝導性バスと結合し、それによって、伝導性ストリップを通じて伝導性バスとバッテリセルとの間の電気接続を達成するよう、ケーシングの開口を通じて接触位置のためのエネルギを提供するステップも含む。加えて、接触位置のためのエネルギを供給するステップは、レーザ溶接技法、スポット溶接技法、熱融接技法、及び、超音波溶接技法のうちの何れかを利用し得る。
【0018】
本発明はバッテリモジュールの回路板と伝導性バスとの間の接続構造も提供する。当該接続構造は、複数の接触位置と複数の導体とを含む回路板を含み、各々の導体は複数の接触位置のうちの1つを接続するための垂直部を有し、L形状の断面を有する。当該接続構造は、複数のバッテリセルを支持可能であり且つ回路板保持構造も有し、回路板保持構造は、回路板を収容するための少なくとも1つの保持空間と、回路板の両側から回路板を支持するための複数の支持体と、少なくとも1つの接続ゲートとを含む。当該接続構造は、ケーシング上に配置される複数の伝導性バスも含み、複数の導体の各々は、ケーシングと平行な水平部を有し、複数の導体の水平部は、回路板と伝導性バスとの間の接続が接続ゲートを介して導体によって達成可能であるよう、複数の伝導性バスと接続する。
【0019】
本発明のバッテリモジュールの回路板と伝導性バスとの間の他の接続構造は、回路板と、複数のバッテリセルを支持し得るケーシングと、ケーシング上に配置される複数の伝導性バスとを含み、伝導性バスの各々は、バッテリセルの1つに接続する一端部と、回路板接続部としての他端部とを有し、回路板接続部の各々は、U形状、上下逆のΩ形状、又は、三角形ベル形状の断面を有し、且つ、回路板を保持可能であり、それによって、回路板は、伝導性バスの回路板接続部を通じて複数のバッテリセルに電気的に接続し得る。
【0020】
本発明のこれらの及び他の目的は、様々な図面及び図中に例示される好適実施態様の以下の詳細な記載を判読した後、当業者に疑いなく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のバッテリモジュールの実施態様を示す概略図である。
【図2a】図1のバッテリセルの第一実施態様を示す概略図であり、バッテリセル組の分解図と、バッテリセル組の頂面図と、バッテリセル組の底面図と、可動バッテリホルダの底面図とを含む。
【図2b】図2aの第一及び第二の副次的締結構造がどのようにケーシングと接続するかを示す概略図である。
【図2c】図1のバッテリセルの第二実施態様を示す概略図であり、バッテリセル組の分解図と、バッテリセル組の頂面図と、バッテリセル組の底面図と、固定ホルダの底面図とを含む。
【図2d】図2aの固定バッテリホルダの締結構造がどのようにケーシングと接続するかを示す概略図であり、固定バッテリホルダの部分拡大図と、ケーシングの部分拡大図とを含む。
【図3a】本発明のバス配置構造を示す概略図であり、バス配列構造の部分拡大図302を含む。
【図3b】図3aのバス配置構造を形成するためのバス配置方法を示すフロー図である。
【図3c】本発明の他のバス配置構造を示す概略図である。
【図3d】図3cのバス配置構造を形成するためのバス配置方法を示すフロー図である。
【図3e】図3cのマスクを通じて非伝導性膜をケーシングと一体化するためにレーザビームがどのように使用されるかを示す概略図である。
【図3f】本発明の他のバス配置構造を示す概略図である。
【図3g】図3fのバス配置構造を実現するためのバス配置方法を示すフロー図であり、締結具がどのようにバスをケーシングに固定するかを示すバス配置構造の2つの部分拡大図を含む。
【図4a】本発明のバッテリセルと伝導性バスとの間の接続構造を示す概略図であり、組立て前の伝導性バス及び可撓パッドを示す拡大図を含む。
【図4b】本発明のバッテリセルと伝導性バスとの間の他の接続構造を示す概略図であり、伝導性バンプが伝導性バス上にどのように設定されるかを示す拡大図を含む。
【図4c】本発明のバッテリセルと伝導性バスとの間の他の接続構造を例示しており、バッテリモジュールの頂面図と、バッテリモジュールの底面図と、接続構造の部分断面図とを含む。
【図4d】図4cの接続構造を実現するための接続方法を示すフロー図である
【図5a】本発明の回路板と伝導性バスとの間の接続構造を示す概略図であり、接続構造の部分拡大図を含む。
【図5b】本発明の回路板と伝導性バスとの間の他の接続構造を示しており、接続部の拡大図と、回路板とコネクタとの組み合わせを示す他の拡大図とを含む。
【図5c】本発明の回路板と伝導性バスとの間の他の接続構造を示す概略図である。
【図5d】図5cの接続構造を部分的に示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(バッテリモジュール)
図1は、本発明のバッテリモジュール実施態様を例示している。図1に示されるように、バッテリモジュール100は、少なくとも、複数のバッテリセルを支持可能であり且つ回路板保持構造104を有するケーシング102と、回路板保持構造によって保持される回路板106と、複数のバッテリセルと回路板106とを電気的に接続するためにケーシング102上に配置される複数の伝導性バス108と、複数のバッテリセル組とを含み、各々のバッテリセル組は、少なくとも2つのバッテリセルを含み、複数のバッテリセル組110のうちの何れか2つのバッテリセル組は、ケーシング102に固定され或いはケーシング102から分離されるよう、構造的に互いにそれぞれ独立している。上述の構造を通じて、モジュラ組立体が達成される。
【0023】
その上、バッテリモジュール100の隣接するバッテリセル組110の何れか2つのバッテリセル組のために、バッテリセル組110の正/負電極は、他のバッテリセル組110の負/正電極と同じ伝導性バス108を共有し、それによって、2つのバッテリセル組110の直列接続を達成し得るし、或いは、バッテリセル組110の正/負電極は、他のバッテリセル組110の正/負電極と同じ伝導性バス108を共有し、それによって、2つのバッテリセルの並列接続を実現し得る。
【0024】
本発明はバッテリモジュール100を組み立てる方法も提供し、当該方法は、バッテリセル組110を組み立てるステップと、伝導性バス108をケーシング102と一体化するステップと、回路板と伝導性バス108を組み込んだケーシングとを結合するステップと、バッテリセル組110をケーシング102に取り付けるステップとを含む。バッテリセル組110の組立て、伝導性バス108とケーシング102の一体化、回路板とケーシング102の結合、及び、ケーシング102とのバッテリセル組110の配置の詳細な記載を以下にそれぞれ記載する。従って、当業者は本明細書の開示に従う本方法をどのように実施するかを理解するであろう。
【0025】
(バッテリセル組)
図2aは、バッテリセル組の分解図200と、バッテリセル組の頂面図212と、バッテリセル組の底面図214と、可動バッテリホルダ202の底面図216とを含む、図1のバッテリセル組110の第一実施態様を例示している。図2aに示されるように、バッテリセル組110は、可動バッテリホルダ202を含み、バッテリホルダ202は、その底部に締結構造を含み、締結構造は、可逆的な方法でケーシング102に固定可能であり且つケーシング102から取り外し可能である。バッテリセル組110は、可動バッテリホルダ202の第一側に配置される第一バッテリセル204も含み、第一側の輪郭は、バッテリモジュール110の内部空間の利用を最適化し得るよう、第一バッテリセルの輪郭と適合し(例えば、第一バッテリセルが円筒形であれば、第一側の輪郭は半円形の形状である)、第二のバッテリセル206は、可動バッテリホルダ202の第二側に配置され、それによって、可動バッテリホルダ202を第一バッテリセル204と共にホルダ202の第一側及び第二側の両方から取り囲み、第二側の輪郭は、バッテリモジュール100の内部空間を節約するよう、第二バッテリセルの輪郭と適合し(例えば、第一バッテリセルが矩形であれば、第一側の輪郭は半矩形の形状である)、可動バッテリホルダ202は、安全性の問題を回避するよう、第一及び第二のバッテリセル204,206を分離する。バッテリセル組110は、第一及び第二のバッテリセル204,206の正電極を、複数の伝導性バス108中の(図2bに示されるような)第一伝導性バス118に接続するための第一伝導性ストリップ208も含み、第一伝導性ストリップ208は、2つの電極端部と、1つのバス端部とを有し、2つの電極端部は、第一及び第二のバッテリセル204,206の正電極に固定され、1つのバス端部は、第一伝導性バス118への接続のために、可動バッテリホルダ202の下面に曲げられる。バッテリセル組110は、第一及び第二のバッテリセル204,206の負電極を、複数の伝導性バス108中の(図2bに示されるような)第二伝導性バス128に接続するための第二伝導性ストリップ210も含み、第二伝導性ストリップ210も、2つの電極端部と、1つのバス端部とを有し、2つの電極端部は、第一及び第二のバッテリセル204,206の負電極に固定され、1つのバス端部は、第二伝導性バス128への接続のために、可動バッテリホルダ202の下面に曲げられる。
【0026】
第一及び第二の伝導性ストリップ208,210は、第一及び第二のバッテリセル204,206の正及び負の電極に固定されるので、第一及び第二のバッテリセル204,206は可動バッテリホルダ202を取り囲むが、第一及び第二の伝導性ストリップ208,210は、それによって、バッテリセル204,206と可動バッテリホルダ202とを結合することに留意のこと。換言すれば、可動バッテリホルダ202、第一バッテリセル204、第二バッテリセル206、第一伝導性ストリップ208、及び、第二伝導性ストリップ210は統合され、バッテリセル組110になる。ハンダ溶接技法、レーザスポット溶接技法、抵抗溶接技法、及び、超音波溶接技法のような既知の溶接技法を通じて、第一及び第二の伝導性ストリップ208,210を第一及び第二のバッテリセル204,206に固定する方法を実現し得る。本開示を判読した後、当業者は、単に、追加的な可動バッテリホルダを第一又は第二のバッテリセルの露出側に取り付けることによって、追加的なバッテリセルを追加的な可動バッテリホルダに取り付けることによって、並びに、上述の記載(即ち、バッテリセル及び伝導性バスをそれぞれ接続するために、並びに、バッテリセル及び可動バッテリホルダを結合するために、伝導性ストリップの各々は3つの電極端部と1つのバス端部とを有する)と類似する方法で、バッテリセルの接続を実施し且つバッテリセル及び可動バッテリホルダを結合するために、より大きな伝導性ストリップを使用することによって、可動バッテリホルダの量及びバッテリセルの量を拡張し得ることを理解することも留意のこと。
【0027】
図2aを参照すると、可動バッテリホルダ202は、第一の可動な副次的ホルダ222と、第二の可動な副次的ホルダ224とを含む。可逆的な方法で第一及び第二の可動な副次的ホルダ222,224を可動バッテリホルダ202の締結構造によってケーシング102に固定し得るし、ケーシング102から取り外し得る。図2aに示されるように、第一の可動な副次的ホルダ222から第二の可動な副次的ホルダ224への方向は軸を定め、軸に沿う第一及び第二の可動な副次的ホルダ222,224の合計された長さは、正電極から負電極への第一及び第二のバッテリセルのいずれかの長さよりも短い。従って、第一及び第二の可動な副次的ホルダ222,224は軸に沿って反対方向に移動し、それによって、逆的な方法でそれら自体をケーシング102上に固定し、或いは、それら自体を可ケーシング102から取り外し得る。より具体的には、第一及び第二の可動な副次的ホルダ222,224を通じてバッテリセル組110を可逆的な方法でケーシング102に固定し或いはケーシング102から取り外し得る。
【0028】
前述の第一及び第二の可動な副次的ホルダ222,224を、第一及び第二の副次的締結構造226,228によって、ケーシング102に固定し或いはケーシング102から分離し得るよう、前述の第一及び第二の可動な副次的ホルダ222,224は、第一及び第二の副次的締結構造226,228をそれぞれ含む。その上、第一及び第二の可動な副次的ホルダ222,224の前記動作方向は例示的であり、本発明を限定するものではない。当業者は、どのようにして第一及び第二の副次的ホルダ222,224を軸に沿って同じ方向に移動させ、それによって、本明細書の開示に従ってそれら自体をケーシング102上に固定し或いはそれら自体をケーシング102から分離するかを理解するであろう。
【0029】
図2bは、第一及び第二の副次的締結構造226,228がどのようにしてケーシング102と接続するかを例示しており、可動バッテリホルダ202の部分拡大図240,242及びケーシング102の部分拡大図241,243を含む。図2bに示されるように、第一の副次的締結構造226は、第一の可動な副次的ホルダ222をケーシング102に固定するためにケーシング102の第一スロット234をクラスプ留め可能であり、且つ、第一の可動な副次的ホルダ222をケーシング102から取り外すために第一スロット234から分離可能である第一バックル232を含み、第二締結構造228は、第二の可動な副次的ホルダ224をケーシング102に取り付けるためにケーシング102の第二スロット238にクラスプ留め可能であり、且つ、第二の可動な副次的ホルダ224をケーシング102から取り外すために第一スロット234から分離可能である第二バックル236を含む。より具体的には、第一及び第二の可動な副次的ホルダ222,224がケーシング102上に設置されるとき、第一及び第二のバックル232,236は、第一スロット234と第二スロット238との間に留まり、次に、第一及び第二の可動な副次的ホルダ222,224は、軸に沿って反対方向にそれぞれ移動して、第一及び第二のバックル232,235を第一及び第二スロット234,238にクラスプ留めさせ且つ第一及び第二スロット234,238から分離させ、係合又は取外しを達成する。
【0030】
前述したバックル及びスロットの位置及び数は本発明を限定しないことに留意のこと。当業者は本明細書の開示に従って実施態様を適切に変更し得る。例えば、バックルが互いに向かって移動可能であり、それによって、スロットをそれぞれクラスプ留め可能であるよう、2つのスロットを2つのバックルの間に設定し得る。他の例として、1つだけのスロットが2つのバックルの間に設定され、よって、バックルは互いに向かって移動可能であり、それによって、同じスロットをクラスプ留め可能である。更なる例として、スロットを可動バッテリホルダの底部上に形成し得るのに対し、バックルをケーシング上に形成し得る。実際には、可動バッテリホルダ202の締結具(fastening)がケーシング102の締結具に適合し得る限り、それら2つを結合するために、本発明はそのような締結具を採用し得る。
【0031】
図2cは、図1のバッテリセル組110の第二実施態様を例示しており、バッテリセル組の分解図248と、バッテリセル組の頂面図249と、バッテリセル組の底面図250と、固定ホルダの底面図253とを含む。図2cに示されるように、バッテリセル組110は、固定バッテリホルダ252を含み、固定バッテリホルダ252は、その底部に締結構造を含み、締結構造は、可逆的な方法でケーシング102に固定可能であり且つケーシング102から取り外し可能である。バッテリセル組110は、固定バッテリホルダ252の輪郭と適合する第一側に配置される第一バッテリセル254も含み、第一側の輪郭は、バッテリモジュール100の内部空間の利用を最適化し得るよう、第一バッテリセル254の輪郭と適合し(例えば、第一バッテリセル254が円筒形であるならば、第一側の輪郭は半円形の形状である)。バッテリセル組110は、固定バッテリホルダ252の第二側に配置される第二バッテリセル256も含み、それによって、第一バッテリセル254と共に固定バッテリホルダ252の第一及び第二の側の両方から固定バッテリホルダ252を取り囲み、第二側の輪郭は、第二バッテリセルの輪郭と適合し(例えば、第二バッテリセル256が矩形であるならば、第一側の輪郭は半矩形の形状である)、それによって、バッテリモジュール100の内部空間を節約し、固定バッテリホルダ252は、第一及び第二のバッテリセル254,256を分離し、安全性の問題を回避する。バッテリセル組110は、第一及び第二のバッテリセル254,256の正電極を複数の伝導性バス108中の(図2dに示されるような)第一伝導性バス118に接続するための第一伝導性ストリップ258も含み、第一伝導性ストリップ258は、2つの電極端部と、1つのバス端部とを有し、2つの電極端部は、第一及び第二のバッテリセル254,256の正電極に固定され、1つのバス端部は、第一伝導性バス118への接続のために、固定バッテリホルダ252の下面に曲げられる。バッテリセル組110は、第一及び第二のバッテリセル204,206の負電極を複数の伝導性バス108中の(図2dに示されるような)第二伝導性バス128に接続するための第二伝導性ストリップ260も含み、第二伝導性ストリップ260も、2つの電極端部と、1つのバス端部とを有し、2つの電極端部は、第一及び第二のバッテリセル254,256の負電極に固定され、1つのバス端部は、第二伝導性バス128への接続のために、固定バッテリホルダ252の下面に曲げられる。
【0032】
図2dは、固定バッテリホルダ252の締結構造がどのようにケーシング102と接続するかを例示しており、固定バッテリホルダ252の部分拡大図262,264と、ケーシング102の部分拡大図266,268とを含む。図2bに示されるように、その締結構造によって固定バッテリホルダ252をケーシング102に固定し得るよう、固定バッテリホルダ252の締結構造は、ケーシング102の第一縁(第一ブリム)274と係合可能な第一スロット272と、ケーシング102の第二縁(第二ブリム)278と係合可能な第二スロット276とを含む。この実施態様では、固定バッテリホルダ252をケーシング102に固定するよう、2つのスロットと2つのブリム274,278との間の係合を実施するために、2つのスロット272,276を僅かに引き離し得る。
【0033】
当業者は本明細書の開示に従って実施態様に変更し得ることに留意のこと。例えば、固定バッテリホルダ252は、ケーシング102の複数の孔内に挿入される複数のペグを有し得る。基本的には、固定バッテリホルダ252の締結具がケーシング102の締結具に適合し得る限り、それらの2つを結合するために、本発明はそのような締結具を採用し得る。本開示の判読後、当業者は、単に、追加的な固定バッテリホルダを第一又は第二のバッテリセルの露出側に取り付けることによって、追加的なバッテリセルを追加的な固定バッテリホルダに取り付けることによって、並びに、上述の記載(即ち、バッテリセル及び伝導性バスをそれぞれ接続するために、並びに、バッテリセル及び固定バッテリホルダを結合するために、伝導性ストリップの各々は3つの電極端部及び1つのバス端部を有する)と類似する方法で、バッテリセルの接続を達成し且つバッテリセルとバッテリホルダとを結合するために、より大きな伝導性ストリップを使用することによって、固定バッテリホルダの量及びバッテリセルの量を拡張し得ることを理解するであろう。
【0034】
図2a及び2cを再び参照すると、環境に優しいという目的を達成するために、レーザスポット溶接技法、抵抗スポット溶接技法、及び、超音波溶接技法のような無ハンダ技法を使用することによって、伝導性ストリップ208,210,258,260をバッテリセル204,206,254,256の電極に固定し得る。同様に、上述の溶接技法によって伝導性ストリップ208,210,258,260と伝導性バス108との間の接続を実現し得る。
【0035】
(バス配置構造及び方法)
図3aは、本発明のバッテリモジュール100の配置構造を例示しており、バス配列構造の部分拡大図302を含む。図3aに示されるように、バス配置構造300は、ケーシング102と、複数の伝導性バス108及び/又は少なくとも1つのワイヤ109(例えば、回路板とサーミスタとを接続するためのワイヤ)とを含む。複数の伝導性バス108はケーシング102の内側に埋め込まれ、それは露出部と非露出部とを定める。伝導性バス108の各々は、回路板(例えば、図1の回路板106)を接続するための一端部と、バッテリセル組(例えば、図1のバッテリセル組110)の電極に接続するための他端部とを有する。より具体的には、複数の伝導性バス108の露出部は、バッテリセル組の電極に接続するのに対し、非露出部は、安全性の懸念の故にバッテリセル組との直接的な接触を回避するよう、ケーシング102の内側に埋設される。
【0036】
図3bは、図3aのバス配置構造300を形成するためのバス配置方法のフロー図である。図3bに示されるように、バス配置構造300は、以下のステップ、即ち、複数の伝導性バス及び/又は少なくとも1つのワイヤを提供するステップS320と、型を提供するステップS322と、複数の伝導性バス及び/又は少なくとも1つのワイヤを型の内側に配置するステップS324と、溶融非伝導性材料(例えば、プラスチック材料)を型内に射出するステップS326と、ケーシングを形成するよう、溶融非伝導性材料を冷却し且つ離型プロセスを行うステップS328とを含む。
【0037】
上述のケーシングは、複数のバッテリセルを保持可能であり、複数の伝導性バス及び/又は少なくとも1つのワイヤと一体化される。複数の伝導性バス及び/又は少なくとも1つのワイヤの一部は、複数のバッテリセルに接続するために露出され、複数の伝導性バス及び/又は少なくとも1つのワイヤの他の一部は露出を防止し、それによって、複数のバッテリセルとの直接的な接触を回避するために、ケーシングの内側に埋め込まれる。同様に、少なくとも1つのワイヤは、温度検出器(例えば、サーミスタ)に接続するために露出された一端部と、回路板(例えば、図1の回路板106)に接続するために露出されない他端部とを有する。
【0038】
温度検出器以外の装置に接続するために前述のワイヤを使用し得ることに留意のこと。この実施態様は、伝導性バス及び/又はワイヤをケーシングと結合する点において特徴付けられる。従って、バス及び/又はワイヤに接続される装置は限定されず、設計要件に依存しない。
【0039】
図3cは、本発明のバッテリモジュール100のための他のバス配置構造を例示している。図3cに示されるように、バス配置構造330は、ケーシング102と、複数の伝導性バス108と、少なくとも1つの非伝導性膜332(例えば、マイラー膜又はPET膜のようなプラスチック膜)とを含む。複数の伝導性バス108はケーシング102上に配置されるのに対し、非伝導性膜332は、複数の伝導性バス108の一部及びケーシング102の一部を覆い、それによって、それは複数の伝導性バス108の露出部と非露出部とを定める。伝導性バスの各々は、回路板(例えば、図1の回路板106)に接続される一端部と、バッテリセル組(例えば、図1のバッテリセル組110)の電極に接続される他端部とを有する。より具体的には、伝導性バス108の露出部は、バッテリセル組の電極を接続するために使用されるのに対し、接続バス108の非露出部は、安全性の懸念の故にバッテリセル組との直接的な接触を回避するために、非伝導性膜332によって覆われる。その上、非伝導性膜332が複数の伝導性バス108をケーシング102に固定し得るよう、非伝導性膜332は、非伝導性膜332がケーシング102を覆う位置でケーシング102と溶接される。
【0040】
図3dは、図3cのバス配置構造を形成するためのバス配置方法を例示するフロー図である。図3dに示されるように、当該方法は、以下のステップ、即ち、複数のバッテリセルを保持し得るケーシングを提供するステップS340と、複数の伝導性バス及び/又は少なくとも1つのワイヤをケーシング上に配置するステップS342と、複数の伝導性バス及び/又は少なくとも1つのワイヤの一部及びケーシングの一部を覆うための非伝導性膜を提供するステップS344と、非伝導性膜上にマスクを位置付けるステップS346と、非可逆的な方法で非伝導性膜をケーシングと結合し、それによって、非伝導性膜の下に覆われる複数の伝導性バス及び/又は少なくとも1つのワイヤを固定するために、非伝導性膜がケーシングの一部を覆う場所のために物理的な接触なくエネルギを提供するステップS348とを含み、非伝導性膜によって覆われない複数のバスの一部は、複数のバッテリセルを接続するためにある。
【0041】
物理的接触なくエネルギを提供する前述のステップは、レーザ溶接技法を通じて実現される。図3eは、マスク334を通じて非伝導性膜332をケーシング102と一体化するためにレーザビームがどのように使用されるかを例示している。図3eは、マスク334を通じて非伝導性膜332をケーシング102に一体化するためにレーザビームがどのように使用されるかを例示している。図3eを参照すると、マスク及び非伝導性膜を通るレーザビームがケーシング102及び非伝導性膜332の融合を実施するのを可能にするために、マスク334及び非伝導性膜332はレーザビームを完全に或いは部分的に透過する。より具体的には、非伝導性膜332及びケーシング102を共に溶接するために、レーザビームは非伝導性膜332の周囲に沿って移動する。マスク334は非伝導性膜332上に圧力を加え、それによって、融合地域を増大し、接続強度を強化する。ケーシング及び非伝導性膜の融合に関するより多くの記載を本出願人の先行する米国特許出願(出願番号13/092,148)中に見出し得る。
【0042】
図3fは、本発明のバッテリモジュール100の他の配置構造を例示しており、締結具がどのようにバスをケーシングに固定するかを示すバス配置構造の2つの部分拡大図342,344を含む。図3fに示されるように、バス配置構造340は、ケーシング102と、複数の伝導性バス108と、複数の締結具352とを含み、複数の締結具352はケーシング102の一体化された部分、又は、ケーシング102から独立した複数の取り外された締結具である。複数の伝導性バス108がケーシング102上に配置され、複数の開口353を有する。複数の締結具352は複数の開口353と共に位置付けられる。締結具352の一端部は開口353の下に留まり、ケーシング102に固定されるのに対し、締結具352の他端部は開口353より上に留まり、開口353の伝導性バス108に固定され、相応して、複数の伝導性バス108が複数の締結具352を通じてケーシング102に固定されるよう、各々の締結具352は開口353の1つに挿入される。
【0043】
この実施態様では、伝導性バス108の開口353を締結具352上に置き、それによって、伝導性バス108をケーシング102上に位置付け得るよう、複数の締結具352は、ケーシング102の突き出た一体的部分であり、ケーシング102の表面上に立つ。然る後、複数の締結具352は、熱融接法、超音波溶接法、又は、振動溶接法のような溶接方法によって部分的に融合され、次に、伝導性バス108及びケーシング102を共に固定するよう冷却される。他の実施態様において、締結具352は締結具から取り外されるのに対し、ケーシングは、締結具352の挿入のための複数の孔を有する。従って、締結具352を孔内に挿入し、伝導性バス108の開口353を締結具352の上に置き得る。そして、締結具352を融合し、次に、ケーシング102及び伝導性バス108を結合するよう冷却し得る。
【0044】
図3gは、図3fのバス配置構造340を実現するためのバス配置方法である。当該方法は、以下のステップ、即ち、複数のバッテリセルを保持し得るケーシングを提供するステップS360と、複数の伝導性バスを提供するステップであって、各々の伝導性バスが少なくとも1つの開口を有するステップS362と、複数の締結具を提供するステップであって、各々の締結具がケーシングの一部又は取り外された締結具であるステップS364と、伝導性バスの開口を締結具の上にそれぞれ置くステップであって、各々の締結具は開口の1つに挿入され、開口の下に留まり且つケーシングに固定される一端部を有し、開口より上に留まり且つ開口の伝導性バスに固定される他端部を有するステップS366と、複数の締結具を部分的に溶融し、それによって、締結具によって複数の伝導性バスをケーシングと結合するよう、複数の締結具のために物理的な接触を用いてエネルギを提供するステップS368とを含み、物理的な接触を用いてエネルギを提供するステップは、熱融接技法、超音波溶接技法、及び、振動溶接技法のうちの1つの技法を利用する。
【0045】
(バッテリセルと伝導性バスとの間の接続構造)
図4aは、本発明のバッテリモジュール100のバッテリセルと伝導性バスとの間の接続構造を例示しており、組立て前の伝導性バス及び可撓パッドを示す拡大図402を含む。接続構造400は、第一バッテリセル404を含む複数のバッテリセルを保持し得るケーシング102と、各々の伝導性ストリップがバッテリセルの少なくとも1つに接続する一端部を有する、第一伝導性ストリップ408を有する複数の伝導性ストリップと、ケーシング102上に配置され且つ複数の伝導性ストリップを通じて複数のバッテリセルに接続される複数の伝導性バスとを含み、複数の伝導性バスは、第一伝導性バス118を含み、第一バッテリセル404は、第一伝導性ストリップ408を通じて第一伝導性バス118に接続し、第一伝導性バス118は、第一伝導性バス118と第一伝導性ストリップ408との間の接触を実現する突出部410と、第一伝導性バス118を第一伝導性ストリップ408に近接して接続させるよう上向きの力をもたらすために、ケーシング102上で突出部410の下に配置される可撓パッド412(例えば、ゴムパッドのようなプラスチックパッド)とを有する。
【0046】
この実施態様において、前述の突出部410は、上下逆のU形状である。しかしながら、これは本発明を限定しない。突出部410が可撓パッド412を収容するための余地を提供可能であり、第一伝導性バス118と密接に接触可能である限り、突出部410の形状は無制限である。例えば、台形の形状を採用可能である。
【0047】
図4bは、本発明のバッテリモジュール100のバッテリセルと伝導性バスとの間の接続構造を例示しており、伝導性バンプが伝導性バス上にどのように設定されるかを示す拡大図421,422を含む。接続構造420は、第一バッテリセル424を含む複数のバッテリセルを支持し得るケーシング102と、各々の伝導性ストリップがバッテリセルの少なくとも1つに接続する一端部を有する、第一伝導性ストリップ428を含む複数の伝導性ストリップと、ケーシング102上に配置され、且つ、複数の伝導性ストリップを通じて複数のバッテリセルに接続される複数の伝導性バスとを含み、複数の伝導性バスは、第一伝導性バス118を含み、第一バッテリセル424は、第一伝導性ストリップを通じて第一伝導性バス118に接続し、第一伝導性バス118は、第一伝導性バス118と第一伝導性ストリップ428との間の接触を実現する突出部430と、第一伝導性バス118と第一伝導性ストリップ428との間の接続を補助するよう突出部430上に配置される伝導性バンプ432とを有する。この実施態様において、伝導性バンプ432(例えば、銀バンプ)の伝導率は、第一伝導性バス118(例えば、銅バス)の伝導率よりも高い。しかしながら、これは本発明を限定しない。第一伝導性バス118及び伝導性バンプ432を同じ材料で作製し得る。
【0048】
図4aの可撓パッド412及び図4bの伝導性バンプ432は異なる実施態様に属するが、伝導性ストリップと伝導性バスとの間の伝導を更に保証するために、それらを1つの実施態様中で使用し得る。より具体的には、第一伝導性バス118のための上向きの力をもたらすために、図4aの可撓パッド412を図4bの突出部430の下に配置し得るし、第一伝導性バス118と第一伝導性ストリップ408との間の伝導を強化するために、図4bの伝導性バンプ432を図4aの突出部410の上に設置し得る。
【0049】
図4cは、本発明のバッテリモジュールのバッテリセルと伝導性バスとの間の他の接続構造を例示しており、バッテリモジュールの頂面図441と、バッテリモジュールの底面図442と、接続構造の部分断面図445とを含む。図4cに示されるように、接続構造440は、複数の開口443を有する、複数のバッテリセル組110を支持し得るケーシング102と、各々の伝導性ストリップがバッテリセル組110の少なくとも1つに接続する一端部を有する複数の伝導性ストリップ444と、複数の伝導性ストリップ444を通じた複数のバッテリセル組110との接続のためにケーシング102上に配置される複数の伝導性バス108とを含み、伝導性バス108の各々は、それがケーシング102の開口443の1つを覆う接触位置446を定め、伝導性ストリップ444の各々は、接触位置446の1つを覆い、伝導性ストリップ444は、接触位置446で伝導性バス108と溶接される。この実施態様において、伝導性ストリップ444及び伝導性バス108の融合は、開口443を介して接触位置のためのエネルギを供給することによって実施され、エネルギを提供する方法は、レーザスポット溶接技法、抵抗スポット溶接技法、熱融接技法、又は、超音波溶接技法を利用する。
【0050】
図4dは、図4cの接続構造440を実現するための接続方法のフロー図である。本方法は、以下のステップ、即ち、複数のバッテリセルを支持可能であり且つ複数の開口を有するケーシングを形成するステップS402と、複数の伝導性ストリップを提供するステップであって、各々の伝導性ストリップがバッテリセルの少なくとも1つに接続するステップS404と、ケーシング上に複数の伝導性バスを配置するステップであって、複数の伝導性バスは複数の伝導性ストリップを通じて複数のバッテリセルに接続し、各々の伝導性バスは、伝導性バスがケーシングの開口の1つを覆う接触位置を定めるS406と、伝導性ストリップが接触位置と重なり合い、接触位置がケーシングの開口と更に重なり合うよう、各々の伝導性ストリップに接触位置の1つを覆わせるステップS408と、伝導性ストリップを伝導性バスと結合し、それによって、伝導性ストリップを通じて伝導性バスとバッテリセルとの間の電気接続を達成するよう、ケーシングの開口を通じて接触位置のためのエネルギを供給するステップ410とを含む。
【0051】
(回路板と伝導性バスとの間の接続構造)
図5aは、本発明のバッテリモジュール100の回路板と伝導性バスとの間の接続構造を例示しており、接続構造の部分拡大図501を含む。接続構造500は、複数の接触位置(図示せず)と複数の導体502とを含む回路板106を含み、各々の導体502は、複数の接触位置の1つと接続するための垂直部を有し、L形状の断面を有する。接続構造500は、複数のバッテリセルを支持可能であり且つ回路板保持構造104を有し、回路板保持構造104は、回路板106を収容するための少なくとも1つの保持空間と、回路板106の両側から回路板106を支持するための複数の支持体504と、少なくとも1つの接続ゲート506とを含む。接続構造500は、ケーシング102上に配置される複数の伝導性バス108を含み、複数の導体502の各々は、ケーシング102と平行な水平部を有し、複数の導体502の水平部は、回路板102と伝導性バス108との間の接続が接続ゲート506を介して導体502によって実施されるよう、複数の伝導性バス108と接続する。
【0052】
導体502を、レーザスポット溶接技法、抵抗溶接技法、及び、超音波溶接技法のような無ハンダ溶接技法を通じて、回路板106及び/又は伝導性バス108の複数の接触位置に溶接し得ることに留意のこと。従って、導体502と接触位置及び/又は伝導性バス108との間の接続はハンダを有さず、よって、環境に優しいという目的を達成する。
【0053】
図5bは、本発明のバッテリモジュール100の回路板と伝導性バスとの間の他の接続構造を例示しており、接続部の拡大図550と、回路板とコネクタとの組み合わせを示す他の拡大図552を含む。図5bに示されるように、接続構造530は、回路板534を収容するための回路板保持構造532と、回路板534を保持するために回路板保持構造532内に配置され且つケーシングの複数の伝導性バスに接続する複数のコネクタ536とを含む。各々のコネクタ536は、回路板534に接続し且つ回路板534を押し付ける一端部と複数の伝導性バスに電気的に接続する他端部とを備える弾性シートを含み、従って、弾性シートは回路板534と複数の伝導性バスとを接続する。本出願人は、以前出願した米国特許出願(出願番号13/079,535号)にも、この実施態様に関連する記載を開示している。
【0054】
図5cは、本発明のバッテリモジュール100の回路板と伝導性バスとの間の他の接続構造を例示している。接続構造560は、複数の接触位置(図示せず)を含む回路板570と、回路板570を収容するための回路板保持空間570を有する、複数のバッテリセルを支持し得るケーシング102と、ケーシング102上に配置される複数の伝導性バス576とを含み、各々の伝導性バス576は、複数のバッテリセルの1つに接続する一端部と、回路板570を保持するために回路板保持空間574に位置付けられる回路板保持部578としての他端部とを有する。回路板保持部578は、回路板570を保持し且つ固定するのに適したU形状又は類似形状の断面を有する。一方、回路板保持部578は回路板570の接触位置にも電気的に接続し、それによって、複数のバッテリセルと回路板570とを電気的に接続する。図5bの実施態様と比較すると、この実施態様は、伝導性バス576の回路板保持部578を形成することによって、図5bのコネクタ536を使用することを排除する。結果的に、コネクタ536の費用が節約される。
【0055】
図5dは、接続構造560を部分的に示している。回路板保持部578の断面がU形状であることが明らかに示されている。U形状は狭い開口とより広い底部とを有し、それは回路板570を保持し且つ固定するのに適している。より具体的には、回路板570は、U形状の狭い開口によって、その両側から押され且つ押圧される。しかしながら、これは本発明を制限しない。本発明は回路板保持部578の対応する締結具を備える回路板570の締結具を使用すること又は回路板保持部578を伝導性接着剤で充填することのような他の固定方法を採用し得る。
【0056】
その上、U形状は広義である。その外郭線、輪郭、及び/又は、湾曲を実際の設計要求に従って変更し得る。実際には、その形状が回路板570を十分に保持し且つ固定し得る限り、上下逆のΩ形状及び三角形の形状のような他の形状さえも本発明の選択肢であり得る。
【0057】
最後に、前述の各々の実施態様のケーシングは、バッテリモジュールの頂部ケーシング又は底部ケーシングであり得ることに留意のこと。頂部、底部、長さ、幅等は記載のために使用され、本発明の実施を限定しない。実際には、同じ意味を解釈するために、他の記載方法、他の用語を使用し得る。その上、本発明の異なる特徴を実現するために、前述の実施態様のいずれをも他の実施態様の1つ又はそれよりも多くと組み合わせ得る。
【0058】
前述の記載は本発明の好適実施態様を単に提示するものであり、本発明の範囲をそれらに限定する如何なる意図も伴わない。結果的に、本発明の請求項に基づく様々な均等な変化、変更、又は、修正は、全て本発明の範囲によって包含されるものとして見られる。
【0059】
当業者は、本発明の教示を維持しながら、装置及び方法の数多くの修正及び変更を行い得ることを直ちに観察するであろう。従って、上記の開示は、付属の請求項の境界によってのみ限定されるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0060】
100 バッテリモジュール (battery module)
102 ケーシング (casing)
104 回路板保持構造 (circuit board holding structure)
106 回路板 (circuit board)
108 伝導性バス (conducting bus)
109 ワイヤ (wire)
110 バッテリセル組 (battery cell set)
118 第一伝導性バス (first conducting bus)
128 第二伝導性バス (second conducting bus)
202 可動バッテリホルダ (moveable battery holder)
204 第一バッテリセル (first battery cell)
206 第二バッテリセル (second battery cell)
208 第一伝導性ストリップ (first conducting strip)
210 第二伝導性ストリップ (second conducting strip)
222 第一の可動な副次的ホルダ (first moveable subsidiary holder)
224 第二の可動な副次的ホルダ (second moveable subsidiary holder)
226 第一の副次的締結構造 (first subsidiary fastening structure)
228 第二の副次的締結構造 (second subsidiary fastening structure)
232 第一バックル (fist buckle)
234 第一スロット (first slot)
236 第二バックル (second buckle)
238 第二スロット (second slot)
252 固定バッテリホルダ (immobile battery holder)
254 第一バッテリセル (first battery cell)
256 第二バッテリセル (second battery cell)
258 第一伝導性ストリップ (first conducting strip)
260 第二伝導性ストリップ (second conducting strip)
272 第一スロット (first slot)
274 第一縁 (first brim)
276 第二スロット (second slot)
278 第二縁 (second brim)
300 バス配置構造 (bus layout structure)
330 バス配置構造 (bus layout structure)
332 非伝導性膜 (non-conductive film)
334 マスク (mask)
340 バス配置構造 (bus layout structure)
352 締結具 (fastening)
353 開口 (opening)
400 接続構造 (connection structure)
404 第一バッテリセル (first battery cell)
408 第一伝導性ストリップ (first conducting strip)
410 突出部 (protrudent part)
412 可撓パッド (flexible pad)
420 接続構造 (connection structure)
424 第一バッテリセル (first battery cell)
428 第一伝導性ストリップ (first conducting strip)
430 突出部 (protrudent part)
432 伝導性バンプ (conductive bump)
440 接続構造 (connection structure)
443 開口 (opening)
444 伝導性ストリップ (conducting strip)
446 接触位置 (contact position)
500 接続構造 (connection structure)
502 導体 (conductor)
504 支持体 (support)
506 接続ゲート (connection gate)
530 接続構造 (connection structure)
532 回路板保持構造 (circuit board holding structure)
534 回路板 (circuit board)
536 コネクタ (connector)
560 接続構造 (connection structure)
570 回路板 (circuit board)
574 回路板保持空間 (circuit board holding space)
576 伝導性バス (conducting bus)
578 回路板保持部 (circuit board holding part)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリセルを支持可能であり且つ回路板保持構造を含むケーシングと、
前記回路板保持構造によって保持される回路板と、
前記複数のバッテリセルと前記回路板とを電気的に接続するために前記ケーシング上に配置される複数の伝導性バスと、
複数のバッテリセル組とを含み、
該バッテリセル組のうちの何れか2つのバッテリセル組は構造的に互いに独立し、前記ケーシングに固定可能であり且つ前記ケーシングから取り外し可能であり、
前記複数のバッテリセル組の各々は、
前記ケーシングに固定し得る締結構造を含むバッテリホルダと、
該バッテリホルダの第一側及び第二側から前記バッテリホルダを取り囲むよう、前記バッテリホルダの前記第一側に配置される第一バッテリセル及び前記バッテリホルダの前記第二側に配置される第二バッテリセルと、
前記第一及び第二のバッテリセルの正電極を前記複数の伝導性バスの第一伝導性バスに電気的に接続するための第一伝導性ストリップと、
前記第一及び第二のバッテリセルの負電極を前記複数の伝導性バスの第二伝導性バスに電気的に接続するための第二伝導性ストリップとを含み、
互いに隣接する前記バッテリセル組のうちの何れか2つのバッテリセル組は、同じ前記第一又は第二の伝導性バスを共有する、
バッテリモジュール。
【請求項2】
前記バッテリホルダは、
第一の可動な副次的ホルダと、
該第一の可動な副次的ホルダから独立した第二の可動な副次的ホルダとを更に含み、
前記第一及び第二の可動な副次的ホルダは、可逆的な方法で前記ケーシングに固定可能であり或いは取り外し可能である、
請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項3】
前記第一及び第二の伝導性ストリップの各々は、2つの電極接続端部と、1つのバス接続端部とを含み、前記2つの電極接続端部は、前記第一又は第二のバッテリセルの前記電極に固定され、前記1つのバス接続端部は、前記第一又は第二の伝導性バスへの接続のために前記バッテリホルダの下面に曲げられる、請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項4】
前記複数の伝導性バスの各々は、前記回路板に電気的に接続される一端部を有し、前記複数の伝導性バスの一部は、前記複数のバッテリセル組に接続するよう露出され、前記複数の伝導性バスの他の部分は、前記複数のバッテリセル組との直接的な接触を回避するために、それ自体を露出せずに前記ケーシングの内側に埋め込まれる、請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項5】
前記第一及び第二のバッテリセルの前記電極は、前記第一伝導性ストリップを通じて前記第一伝導性バスと電気的に接続し、前記第一伝導性バスの突出部が前記第一伝導性ストリップと物理的に接続し、可撓パッドが前記ケーシング上で前記突出部の下に配置され、前記突出部を前記第一伝導性ストリップと密接に接触させるよう前記突出部に上向きの力をもたらす、請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項6】
前記第一及び第二のバッテリセルの前記電極は、前記第一伝導性ストリップを通じて前記第一伝導性バスと電気的に接触し、前記第一伝導性バスは、前記第一伝導性ストリップへの接続のための突出部を有し、前記第一伝導性ストリップとの密接な接触を促進するために、伝導性バンプが前記突出部上に配置される、請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項7】
前記回路板保持構造は、
前記回路板及びその構成部品を収容するための保持空間と、
前記回路板の両側から前記回路板を支持するための複数の支持体と、
前記回路板と前記複数の伝導性バスとの間の接続のための少なくとも1つの接続ゲートとを含む、
請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項8】
前記回路板は、前記接続ゲートを通じて前記回路板と前記複数の伝導性バスとを接続するための複数の導体を有し、各々の前記導体の断面は、L形状である、請求項7に記載のバッテリモジュール。
【請求項9】
可逆的な方法でケーシングに固定可能であり或いはケーシングから取り外し可能である締結構造を含む可動バッテリホルダと、
該可動バッテリホルダの第一側及び第二側の両方から前記可動バッテリホルダを取り囲むよう、前記可動バッテリホルダの前記第一側に配置される第一バッテリセル及び前記可動バッテリホルダの前記第二側に配置される第二バッテリセルと、
前記第一及び第二のバッテリセルの正電極に電気的に接続される第一伝導性ストリップと、
前記第一及び第二のバッテリセルの負電極に電気的に接続される第二伝導性ストリップとを含む、
バッテリセル組立体構造。
【請求項10】
前記可動バッテリホルダは、
可逆的な方法で前記ケーシングに固定可能であり或いは前記ケーシングから取り外し可能である第一締結構造を含む第一の可動な副次的ホルダと、
可逆的な方法で前記ケーシングに固定可能であり或いは前記ケーシングから取り外し可能である第二締結構造を含む第二の可動な副次的ホルダとを含み、
軸が前記第一の可動な副次的ホルダから前記第二の可動な副次的ホルダへの方向に沿って定められ、前記軸に沿う前記第一及び第二の可動な副次的ホルダの合計の長さは、その正電極から負電極への前記第一又は第二のバッテリセルの長さよりも短く、前記第一及び第二の可動な副次的ホルダは、前記軸に沿って移動可能であり、それによって、可逆的な方法でそれら自体を前記ケーシング上に固定し或いはそれら自体を前記ケーシングから分離する、
請求項9に記載のバッテリセル組立体構造。
【請求項11】
前記第一及び第二の可動な副次的ホルダは、前記軸に沿って反対方向に移動し、それによって、可逆的な方法で前記ケーシングに固定され或いは前記ケーシングから取り外される、請求項10に記載のバッテリセル組立体構造。
【請求項12】
前記第一締結構造は、前記ケーシングの第一スロットをクラスプ留め可能な第一バックルを含み、前記第二締結構造は、前記ケーシングの第二スロットをクラスプ留め可能な第二バックルを含む、請求項11に記載のバッテリセル組立体構造。
【請求項13】
前記締結構造は、前記ケーシングのスロットをクラスプ留め可能な少なくとも1つのバックルを含む、請求項9に記載のバッテリセル組立体構造。
【請求項14】
前記第一及び第二の伝導性ストリップの各々は、2つの電極端部と、1つのバス端部とを有し、前記2つの電極端部は、前記第一及び第二のバッテリセルの前記電極に接続され、前記1つのバス端部は、前記ケーシング上の伝導性バスに接続する準備が出来るよう、前記可動バッテリホルダの下面に曲げられる、請求項9に記載のバッテリセル組立体構造。
【請求項15】
前記2つの電極端部と前記第一及び第二のバッテリセルの電極との間の前記接続部はハンダを有さず、前記1つのバス端部と前記伝導性バスとの間の接続部はハンダを有さない、請求項14に記載のバッテリセル組立体構造。
【請求項16】
前記第一伝導性ストリップと前記第一及び第二のバッテリセルの前記正電極との間の前記接続部はハンダを有さず、前記第二伝導性ストリップと前記第一及び第二のバッテリセルの前記負電極との間の前記接続部はハンダを有さない、請求項9に記載のバッテリセル組立体構造。
【請求項17】
ケーシングに固定可能な締結構造を含む固定バッテリホルダと、
前記固定バッテリホルダの第一側及び第二側の両方から前記固定バッテリホルダを取り囲むよう、前記固定バッテリホルダの前記第一側に配置される第一バッテリセル及び前記固定バッテリホルダの前記第二側に配置される第二バッテリセルと、
前記第一及び第二のバッテリセルの正電極に電気的に接続される第一伝導性ストリップと、
前記第一及び第二のバッテリセルの負電極に電気的に接続される第二伝導性ストリップとを含み、
前記第一及び第二の伝導性ストリップの各々は、2つの電極接続端部と、1つのバス端部とを有し、前記2つの電極接続端部は、前記第一及び第二のバッテリセルの前記電極に接続され、前記1つのバス端部は、前記ケーシング上の伝導性バスに接続する準備が出来るよう、前記固定バッテリホルダの下面に曲げられる、
バッテリセル組立体構造。
【請求項18】
前記第一伝導性ストリップと前記第一及び第二のバッテリセルの前記正電極との間の前記接続部はハンダを有さない、請求項17に記載のバッテリセル組立体構造。
【請求項19】
複数のバッテリセルを保持するためのケーシングと、
該ケーシングと一体化される複数の伝導性バスとを含み、
各々の前記複数の伝導性バスの一端部は、回路板に電気的に接続するためにあり、前記複数の伝導性バスの一部は、前記複数のバッテリセルとの接続のために露出され、前記複数の伝導性バスの他の部分は、前記複数のバッテリセルとの直接的な接触を回避するために、それ自体を露出せずに前記ケーシングの内側に埋め込まれる、
バッテリモジュールのバス配置構造。
【請求項20】
前記ケーシングと一体化される少なくとも1つのワイヤを更に含み、
該ワイヤの一端部は、前記回路板への接続のためにあり、前記ワイヤの他端部は、温度検出器との接続のために露出され、前記ワイヤの非露出部は、前記ケーシングの内側に埋め込まれ、前記温度検出器は、前記複数のバッテリセルの少なくとも1つのバッテリセルの温度を検出するためにある、
請求項19に記載のバッテリモジュールのバス配置構造。
【請求項21】
複数の伝導性バス及び/又は少なくとも1つのワイヤを提供するステップと、
型を提供するステップと、
前記複数の伝導性バス及び/又は前記少なくとも1つのワイヤを前記型の内側に配置するステップと、
溶融非伝導性材料を前記型内に射出するステップと、
ケーシングを形成するために、前記溶融非伝導性材料を冷却し且つ離型プロセスを行うステップとを含む、
バッテリモジュールのためのバス配置方法であって、
前記ケーシングは、複数のバッテリセルを保持可能であり、且つ、前記複数の伝導性バス及び/又は前記少なくとも1つのワイヤと一体化され、前記複数の伝導性バス及び/又は前記少なくとも1つのワイヤの一部が、前記複数のバッテリセルへの接続のために露出され、前記複数の伝導性バス及び/又は前記少なくとも1つのワイヤの他の部分が、前記複数のバッテリセルとの直接的な接触を回避するために、前記ケーシングの内側に埋め込まれる、
バッテリモジュールのためのバス配置方法。
【請求項22】
前記ワイヤの一端部は、回路板への接続のためにあり、前記ワイヤの他端部は、温度検出器との接続のためにあり、前記ワイヤの非露出部は、前記ケーシングの内側に埋め込まれ、前記温度検出器は、前記複数のバッテリセルの少なくとも1つのバッテリセルの温度を検出するためにある、請求項21に記載のバッテリモジュールのためのバス配置方法。
【請求項23】
複数のバッテリセルを保持し得るケーシングと、
該ケーシング上に配置される複数の伝導性バスとを含み、該複数の伝導性バスの一部は露出され、該複数の伝導性バスの他の部分は露出されず、
前記複数の伝導性バスを固定するために、前記複数の伝導性バスの前記非露出部を覆い且つ前記ケーシングに固定される非伝導性膜を含み、
前記複数の伝導性バスの前記露出部は、前記複数のバッテリセルへの接続のためにある、
バッテリモジュールのバス配置構造。
【請求項24】
複数のバッテリセルを保持し得るケーシングを提供するステップと、
複数の伝導性バス及び/又は少なくとも1つのワイヤを前記ケーシング上に配置するステップと、
前記複数の伝導性バス及び/又は前記少なくとも1つのワイヤの一部と前記ケーシングの一部とを覆うために非伝導性膜を提供するステップと、
該非伝導性膜上にマスクを提供するステップと、
不可逆的な方法で前記非伝導性膜を前記ケーシングと結合し、それによって、前記非伝導性膜によって覆われる前記複数の伝導性バス及び/又は前記少なくとも1つのワイヤを固定するために、前記非伝導性膜が前記ケーシングの前記一部を覆う場所のために物理的な接触なくエネルギを提供するステップとを含み、
前記非伝導性膜によって覆われない前記複数の伝導性バスの一部は、前記複数のバッテリセルとの接続のためにある、
バッテリモジュールのためのバス配置構造。
【請求項25】
前記ワイヤの前記非被覆部は、温度検出器に接続し、該温度検出器は、前記バッテリセルの少なくとも1つのバッテリセルの温度を検出するために使用される、請求項24に記載のバッテリモジュールのためのバス配置法。
【請求項26】
前記物理的接触なくエネルギを提供するステップは、レーザ溶接技法を利用し、前記マスクは、前記非伝導性膜を前記ケーシングと結合するようレーザビームが通ることを可能にする透明部を有する、請求項24に記載のバッテリモジュールのためのバス配置法。
【請求項27】
複数のバッテリセルを保持し得るケーシングと、
各々の伝導性バスが少なくとも1つの開口を有する複数の伝導性バスと、
各々の締結具が前記ケーシングの一部又は取り外された締結具である複数の締結具と、
該複数の締結具の各々は、前記開口の1つの内に挿入され、前記開口の下に留まり且つ前記ケーシングに固定される一端部を有し、且つ、前記開口の上に留まり且つ前記開口の前記伝導性バスに固定される他端部を有する、
バッテリモジュールのバス配置構造。
【請求項28】
複数のバッテリセルを保持し得るケーシングを提供するステップと、
各々の伝導性バスが少なくとも1つの開口を有する複数の伝導性バスを提供するステップと、
各々の締結具が前記ケーシングの一部又は取り外された締結具である複数の締結具を提供するステップと、
前記複数の締結具上に前記伝導性バスの前記開口をそれぞれ置くステップとを含み、
前記複数の締結具の各々は前記開口の1つの内に挿入され、前記ケーシングに固定される一端部と、前記開口の前記伝導性バスに固定される他端部とを有し、
前記複数の締結具を部分的に溶融し、それによって、前記締結具によって前記複数の伝導性バスを前記ケーシングと結合するよう、前記複数の締結具のために物理的接触を用いてエネルギを提供するステップを含み、
該物理的接触を用いてエネルギを提供するステップは、熱融接技法、超音波溶接技法、及び、振動溶接技法のうちの1つを利用する、
バッテリモジュールのためのバス配置方法。
【請求項29】
第一バッテリセルを含む複数のバッテリセルを保持し得るケーシングと、
各々の伝導性ストリップが前記バッテリセルの少なくとも1つに接続する一端部を有する複数の伝導性ストリップであって、第一伝導性ストリップを有する複数の伝導性ストリップと、
前記ケーシング上に配置され且つ前記複数の伝導性ストリップを通じて前記複数のバッテリセルに接続される複数の伝導性バスとを含み
該複数の伝導性バスは、第一伝導性バスを含み、前記第一バッテリセルは、前記第一伝導性ストリップを通じて前記第一伝導性バスに接続し、前記第一伝導性バスは、前記第一伝導性バスと前記第一伝導性ストリップとの間の接触を実現する突出部を有し、
前記第一伝導性バスを前記第一伝導性ストリップに密接に接触させるよう上向きの力をもたらすために前記ケーシング上で前記突出部の下に配置される可撓パッドを含む、
バッテリモジュールのバッテリセルと伝導性バスとの間の接続構造。
【請求項30】
前記第一伝導性バスと前記第一伝導性ストリップとの間の接続を助けるために、前記第一伝導性バスの前記突出部上に配置される伝導性バンプを更に含む、請求項29に記載のバッテリモジュールのバッテリセルと伝導性バスとの間の接続構造。
【請求項31】
前記伝導性バンプの伝導率は、前記第一伝導性バスの伝導率よりも高い、請求項30に記載のバッテリモジュールのバッテリセルと伝導性バスとの間の接続構造。
【請求項32】
第一バッテリセルを含む複数のバッテリセルを支持し得るケーシングと、
各々の伝導性ストリップが前記バッテリセルの少なくとも1つに接続する一端部を有する複数の伝導性ストリップであって、第一伝導性ストリップを含む複数の伝導性ストリップと、
前記ケーシング上に配置され且つ前記複数の伝導性ストリップを通じて前記複数のバッテリセルに接続される複数の伝導性バスとを含み、
前記複数の伝導性バスは、第一伝導性バスを含み、前記第一バッテリセルは、前記第一伝導性ストリップを通じて前記第一伝導性バスに接続し、前記第一伝導性バスは、前記第一伝導性バスと前記第一伝導性ストリップとの間の接触を実現する突出部を有し、
前記第一伝導性バスと前記第一伝導性ストリップとの間の接続を助けるために前記突出部上に配置される伝導性バンプを含む、
バッテリモジュールのバッテリセルと伝導性バスとの接続構造。
【請求項33】
前記伝導性バンプの伝導率は、前記第一伝導性バスの伝導率よりも高い、請求項32に記載のバッテリモジュールのバッテリセルと伝導性バスとの接続構造。
【請求項34】
前記伝導性バンプは、金又は銀から成り、前記第一伝導性バスは、銅から成る、請求項32に記載のバッテリモジュールのバッテリセルと伝導性バスとの接続構造。
【請求項35】
複数のバッテリセルを支持可能であり且つ複数の開口を有するケーシングと、
各々の伝導性ストリップが前記バッテリセルの少なくとも1つに接続する一端部を有する複数の伝導性ストリップと、
前記複数の伝導性ストリップを通じて前記複数のバッテリセルと接続するために前記ケーシング上に配置される複数の伝導性バスとを含み、
該伝導性バスの各々は、前記伝導性バスの各々が前記ケーシングの前記開口の1つを覆う接触位置を定め、前記伝導性ストリップの各々は、前記接触位置の1つを覆い、前記伝導性ストリップは、前記接触位置で前記伝導性バスと溶接される、
バッテリモジュールのバッテリセルと伝導性バスとの間の接続構造。
【請求項36】
複数のバッテリセルを支持可能であり且つ複数の開口を有するケーシングを形成するステップと、
各々の伝導性ストリップが前記バッテリセルの少なくとも1つに接続する複数の伝導性ストリップを提供するステップと、
前記ケーシング上に複数の伝導性バスを提供するステップとを含み、
前記複数の伝導性バスは、前記複数の伝導性ストリップを通じて前記複数のバッテリセルに接続し、前記伝導性バスの各々は、前記伝導性バスの各々が前記ケーシングの前記開口の1つを覆う接触位置を定め、
前記伝導性ストリップが前記接触位置と重なり合い、前記接触位置が前記ケーシングの前記開口と更に重なり合うよう、前記伝導性ストリップの各々に前記接触位置の1つを覆わせるステップと、
前記伝導性ストリップを前記伝導性バスと結合し、それによって、前記伝導性ストリップを通じて前記伝導性バスと前記バッテリセルとの間の電気接続を達成するよう、前記ケーシングの前記開口を通じて前記接触位置のためのエネルギを提供するステップとを含む、
バッテリモジュールのバッテリセルと伝導性バスとを接続するための接続方法。
【請求項37】
前記接触位置のためのエネルギを提供するステップは、レーザ溶接技法、スポット溶接技法、熱融接技法、及び、超音波溶接技法のうちの1つを利用する、請求項36に記載のバッテリモジュールのバッテリセルと伝導性バスとを接続するための接続方法。
【請求項38】
回路板と、
複数のバッテリセルを支持可能であり且つ回路板保持構造を有するケーシングと、
該ケーシング上に配置される複数の伝導性バスとを含み、
前記回路板は、
複数の接触位置と、
複数の導体とを含み、
各々の導体は、前記複数の接触位置のうちの1つを接続する垂直部を有し、且つ、L形状の断面を有し、
前記回路板保持構造は、
前記回路板を収容するための少なくとも1つの保持空間と、
前記回路板の両側から前記回路板を支持するための複数の支持体と、
少なくとも1つの接続ゲートとを含み、
前記複数の導体の各々は、前記ケーシングと平行な水平部を有し、前記複数の導体の前記水平部は、前記回路板と前記伝導性バスとの間の接続が前記接続ゲートを介して前記導体によって達成されるよう、前記複数の伝導性バスと接続する、
バッテリモジュールの回路板と伝導性バスとの間の接続構造。
【請求項39】
前記導体と前記伝導性バスとの間の接続部は、ハンダを有さない、請求項38に記載のバッテリモジュールの回路板と伝導性バスとの間の接続構造。
【請求項40】
回路板と、
複数のバッテリセルを支持し得るケーシングと、
該ケーシング上に配置される複数の伝導性バスとを含み、
該伝導性バスの各々は、前記バッテリセルの1つに接続する一端部と、回路板接続部としての他端部とを有し、
前記回路板接続部の各々は、U形状、上下逆のΩ形状、又は、三角形ベル形状の断面を有し、且つ、前記回路板を保持可能であり、それによって、前記回路板は、前記伝導性バスの前記回路板接続部を通じて前記複数のバッテリセルに電気的に接続し得る、
バッテリモジュールの回路板と伝導性バスとの間の接続構造。
【請求項41】
各々のバッテリセル組が複数のバッテリセルと少なくとも1つのバッテリホルダとを含む複数のバッテリセル組を組み立てるステップと、
複数の伝導性バスをケーシングと一体化するステップであって、前記伝導性バスの一部は、前記バッテリセルと電気的に接続するよう露出されるのに対し、前記伝導性バスの他の部分は、それ自体が前記バッテリセル組と接続するのを防止するよう露出されないステップと、
回路板を前記ケーシングと結合するステップと、
前記複数のバッテリセル組を前記ケーシングに別々に取り付けるステップとを含む、
バッテリモジュールの組立て方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図3f】
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【図3g】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【公開番号】特開2012−43802(P2012−43802A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2011−206295(P2011−206295)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(507200488)新普科技股▲分▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】