説明

バッテリ検索装置およびバッテリ検索方法

【課題】ユーザの車両使用方法を考慮して、交換後の中古バッテリの劣化状態を予測し、予測した劣化状態に基づいてユーザに適した中古バッテリを検索する。
【解決手段】交換前バッテリおよび交換候補バッテリそれぞれの車両情報に基づいて、ユーザの車両使用方法を分析し(ステップS2)、交換候補バッテリの交換タイミングにおける航続距離と、交換前バッテリユーザの車両使用方法に応じた劣化曲線とから、交換前バッテリユーザが交換候補バッテリを使用したときの交換候補バッテリの劣化状態を予測する(ステップS4、S8)。予測した交換候補バッテリの劣化状態に基づき、交換前バッテリユーザの車両使用方法に適した航続距離であり、使用可能期間、価格などが交換前バッテリユーザの希望を満足する中古バッテリを選択し(ステップS5、ステップS9〜S11)、これを最適バッテリとしてユーザ端末7に提示する(ステップS12)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリで駆動する電動モータを駆動源とする電動車両に搭載されたバッテリを交換する際に、当該電動車両に適したバッテリを検索するバッテリ検索装置およびバッテリ検索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリに蓄電された電力を用いて駆動する電動モータを駆動源とする例えば電気自動車が一般的に利用されるようになりつつある。それに伴い、中古電気自動車が売買されることが考えられることと同じく、中古のバッテリも売買されるようになることが考えられる。
ここで、各バッテリによってバッテリの現在の劣化度合は異なり、また、バッテリは使用期間の長さだけでなく使い方によっても劣化度合が異なってくる。そのため、このように中古のバッテリが売買されるようになると、任意のユーザが中古バッテリを購入する場合には、そのバッテリが現在どのくらいの航続距離を持っており、そのユーザの車両使用方法でこのバッテリが使用された場合に、今後どの程度の期間このバッテリを使用することができるのかを事前に把握しておく必要がある。
【0003】
つまり、中古バッテリの購入を希望しているユーザのバッテリの使用方法すなわち当該バッテリが搭載された車両の使用方法などを表すユーザのプロファイルと、中古バッテリの現在の劣化度合などを表す中古バッテリのプロファイルとに基づき、中古バッテリの購入を希望するユーザの車両使用方法に適した中古バッテリをマッチングさせる必要がある。
【0004】
このような中古バッテリの購入を希望するユーザに適した中古バッテリを提供する方法として、例えば特許文献1に記載されているように、電気自動車に搭載されている搭載バッテリの管理をバッテリ提供側が行い、ユーザがバッテリ交換を必要とする際に、充電済みのバッテリの提供を希望するユーザとサービスステーションが保有しているバッテリとのマッチングを行うシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−146473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のシステムにおいては、充電済みのバッテリの提供を希望するユーザと提供予定のバッテリとのマッチングを行う際に考慮される条件は、基本的にはバッテリのバッテリ残容量だけである。つまり、バッテリ残容量の少なくなった車両のユーザに対して、充電済みのバッテリをスムーズに提供することを目的としたものであるため、バッテリの劣化度合やユーザのバッテリの使い方などはマッチング条件として考慮されていない。
【0007】
そのため、中古バッテリの購入を希望するユーザに適した中古バッテリを提供する方法として従来技術を単に適用しただけでは、必ずしも各ユーザのバッテリの使い方、すなわち電気自動車の使用方法に適したバッテリが提供されるとは限らない、という問題が起こり得る。
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題点に着目してなされたものであり、中古バッテリとの交換を希望するユーザに適した中古バッテリを検索するのに好適なバッテリ検索装置およびバッテリ検索方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、電動車両の交換前バッテリと、この交換前バッテリの交換候補となる他のバッテリである交換候補バッテリとのそれぞれの劣化特性を表す劣化特性情報を獲得し、獲得した劣化特性情報に基づき、前記交換前バッテリを前記交換候補バッテリと交換した後の当該交換候補バッテリの劣化状態を予測する。交換前バッテリの劣化特性情報には交換前バッテリが搭載された電動車両のユーザの車両使用方法が反映されている。また、交換候補バッテリの劣化特性情報には交換候補バッテリの現在のバッテリ劣化状態が反映されている。
したがって、交換前バッテリの劣化特性情報と、交換候補バッテリの劣化特性情報とに基づき予測される、交換後の交換候補バッテリの劣化特性情報は、交換前バッテリが搭載された電動車両のユーザの車両使用方法が反映された劣化特性となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、交換前バッテリが搭載された電動車両のユーザの車両使用方法が反映された交換前バッテリの劣化特性情報と交換候補バッテリの劣化特性情報とに基づいて、交換後の交換候補バッテリの劣化特性情報を予測するため、交換後の交換候補バッテリを使用することになるユーザの車両使用方法が反映された劣化特性情報を予測することができ、より的確に劣化特性情報を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のバッテリ検索装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】情報処理サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】バッテリ検索処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の動作説明に供する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を説明する。
(構成)
図1は、本発明のバッテリ検索装置100の概略構成を示すブロック図の一例である。
図1に示すように、バッテリ検索装置100は、インターネット通信網1に接続される情報処理サーバ2と、データベース3と、を含んで構成され、APS(アプリケーションサービスプロバイダ)型のシステムとして構築される。
前記インターネット通信網1には、中古バッテリ販売を行うサービス事業者において当該サービス事業者が保有する中古バッテリを管理する事業者管理用端末5と、中古バッテリの購入を検討しているユーザが保有する情報処理端末(以下、ユーザ端末ともいう)7と、各電気自動車Crに搭載された車載機端末としての車両情報収集装置9とが接続される。
【0012】
なお、ここでは電気自動車Crを適用した場合について説明したが、電気自動車に限るものではない。バッテリで駆動する電動モータを駆動源とする電動車両であればよく、例えばバッテリで駆動する電動モータのみを駆動源とする車両、或いは、エンジンと電動モータとを駆動源とするハイブリッド車両、プラグインハイブリッド車両であっても適用することができる。
【0013】
情報処理サーバ2は、マイクロコンピュータおよびその周辺機器から構成され、インターネット通信網1を介して車両情報収集装置9から車両情報を獲得し、これをデータベース3に格納する。また、情報処理サーバ2は、車両情報収集装置9から車両情報を受信する毎に、受信した車両情報をデータベース3に格納する。前記車両情報は、電気自動車Crに搭載されているバッテリに付与されたバッテリID、車両の使用状況を表す車両使用パターン、車両状態(例えば、走行、充電、放置のいずれの状態にあるかなど)、外気温、充電量、バッテリ温度、通電時間、放置時間、などバッテリの劣化に影響を与える情報を含む。前記車両使用パターンは、走行距離、走行時間、停止時間、停止回数、平均旅行速度、平均加減速度などを含む。
【0014】
また、情報処理サーバ2は、インターネット通信網1を介してユーザ端末7から、バッテリ検索要求と、交換を希望する交換前バッテリのバッテリIDなどをはじめとするバッテリ検索に必要な後述のユーザ指定情報とを入力したとき、事業者管理用端末5に対して中古バッテリ情報の送信要求を送信し、事業者管理用端末5から販売対象の中古バッテリに対応する中古バッテリ情報を獲得する。中古バッテリ情報としては、販売対象の中古バッテリに付与されたバッテリIDおよび販売価格などを含む。
【0015】
そして情報処理サーバ2は、販売対象の中古バッテリとして指定されたバッテリを交換候補バッテリとし、データベース3に格納された交換候補バッテリに対応する車両情報と交換前バッテリに対応する車両情報とをもとにマッチング処理を行い、交換候補バッテリのうち、中古バッテリを購入希望のユーザに適した交換候補バッテリを検索し、検索の結果得た交換候補バッテリを、最適バッテリとしてユーザ端末7に返信する。
【0016】
事業者管理用端末5は、例えばパーソナルコンピュータなどで構成され、インターネット通信網1を経由して情報処理サーバ2との間で情報の送受信を行うための通信装置を備え、インターネット通信網1を介して情報処理サーバ2と情報の送受信を行う。
また、事業者管理用端末5は、通信サービス事業者が保有する中古バッテリを管理し、販売対象の中古バッテリの販売価格をバッテリIDと対応付けて中古バッテリ情報として管理する。そして、情報処理サーバ2から中古バッテリ情報の送信要求を受信したとき、中古バッテリ情報を、インターネット通信網1を介して情報処理サーバ2に送信する。
【0017】
ユーザ端末7は、パーソナルコンピュータや携帯電話機などで構成され、インターネット通信網1を経由して情報処理サーバ2との間で情報の送受信を行うための通信装置を備える。またユーザ端末7は、ユーザの指示に応じてバッテリ検索要求を情報処理サーバ2に送信する。また、交換前バッテリに付与されたバッテリIDなど、情報処理サーバ2でのバッテリ検索処理で必要となるユーザ指定情報を情報処理サーバ2に送信する。ユーザ指定情報は、交換対象のバッテリである交換前バッテリのバッテリID、中古バッテリとの交換タイミング、希望する航続距離、交換後のバッテリをどのくらいの期間保有するかを表す、希望する保有期間、上限価格、最低価格など、の情報を含む。なお、ユーザ指定情報は任意に設定することができる。
【0018】
そして、バッテリ検索要求に対する応答として、情報処理サーバ2からバッテリ検索結果を受信し、受信したバッテリ検索結果をユーザ端末7の図示しない表示装置に表示する。
車両情報収集装置9は、本バッテリ検索装置100によるサービス利用を希望するユーザの電気自動車Cr全てにそれぞれ搭載され、無線通信によりインターネット通信網1を経由して情報処理サーバ2との間で情報の送受信を行うための通信機能を備える。
【0019】
この車両情報収集装置9は、電気自動車Crに取り付けられた各種センサと、各種センサで検出した車両情報を記憶するUSBメモリや、SDカード、ICカードなどのメモリカードといった記憶メディアとを含んで構成される。そして、記憶メディアに記憶した車両情報を、駐車したとき、バッテリへの充電時など予め設定したタイミングで、インターネット通信網1を介して情報処理サーバ2に送信する。
【0020】
図2は、情報処理サーバ2の機能構成を示す機能ブロック図である。
情報処理サーバ2は、電池劣化予測装置11と、車両使用方法分析装置12と、マッチング装置13とを備える。
電池劣化予測装置11は、本バッテリ検索装置100の利用を希望する、中古バッテリの購入を検討しているユーザによるバッテリ検索要求をユーザ端末7から受信したとき、中古バッテリ情報の送信要求を事業者管理用端末5に送信し、事業者管理用端末5から中古バッテリ情報を獲得する。そして、車両使用方法分析装置12での分析により得た、交換前バッテリが搭載された電気自動車Crのユーザ、および中古バッテリ情報により販売対象として指定されているバッテリである交換候補バッテリが搭載された電気自動車のユーザそれぞれの後述の車両使用方法に基づいて、指定された交換タイミングにおける、交換候補バッテリの航続距離を予測する。そして、予測した、交換タイミングにおける交換候補バッテリの航続距離および交換前バッテリが搭載された電気自動車Crのユーザの車両使用方法に基づいて、交換候補バッテリを、交換前バッテリを使用するユーザである交換前バッテリユーザが使用した場合の、交換候補バッテリの劣化状態(以後、交換後予測劣化状態ともいう)を予測する。
【0021】
車両使用方法分析装置12は、交換前バッテリおよび交換候補バッテリに対応する車両情報をデータベース3から獲得する。そして、獲得した車両情報に基づき、交換前バッテリおよび交換候補バッテリのそれぞれについて、これらバッテリそれぞれがこれまでどのような使い方がなされてきたか、すなわちこれらバッテリが搭載された電気自動車のユーザがバッテリへの充電操作をどのようなタイミングで行ってきたか、また電気自動車をどのような方法で使用してきたか、といった、バッテリの劣化に影響を与える要素の観点から、どのような電気自動車の使い方を行うユーザであるのかを分析し、これをユーザの車両使用方法として電池劣化予測装置11に通知する。前記ユーザの車両使用方法には、1トリップあたりの走行距離および頻度を含む。
【0022】
マッチング装置13は、電池劣化予測装置11が予測した交換後予測劣化状態とユーザ端末7から受信したユーザ指定情報とに基づき、車両使用方法分析装置12で分析した、中古バッテリの購入を検討しているユーザの車両使用方法に適した交換候補バッテリを検索する。そして、検索の結果獲得した交換候補バッテリを、交換前バッテリユーザに適した最適バッテリであるとして、これをユーザ端末7に送信する。
【0023】
(バッテリ検索時の具体的な処理)
図3は、情報処理サーバ2で実行されるバッテリ検索処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
情報処理サーバ2は、任意のタイミングで、ユーザ端末7からバッテリ検索要求およびユーザ指定情報を受信すると、まず、ステップS1の処理で、サービス事業者の事業者管理用端末5に対し、中古バッテリ情報の送信要求を送信し中古バッテリ情報を獲得する。すなわち、現在販売中の中古バッテリのバッテリIDおよびその販売価格を獲得する。
【0024】
次いで、ステップS2に移行し、ユーザ指定情報で指定された交換前バッテリおよび中古バッテリ情報で指定された交換候補バッテリに対応する車両情報をデータベース3から獲得する。そしてこれら車両情報に基づき、車両使用方法分析装置12により、これらバッテリそれぞれが搭載された電気自動車のユーザの車両使用方法を分析する。
次いで、ステップS3に移行し、ユーザ端末7からのユーザ指定情報で指定された、バッテリの交換タイミング、希望する航続距離、交換後のバッテリの希望する保有期間、上限価格、最低価格などを、マッチング条件として設定する。
【0025】
次いで、ステップS4に移行し、交換前バッテリユーザに適したバッテリの条件として最低限必要な航続距離を算出する。具体的には、車両使用方法分析装置12での分析により交換前バッテリユーザの車両使用方法として得た1トリップあたりの走行距離および頻度と、ユーザ指定情報で指定された希望する航続距離に基づいて、充電なしで走行できる最低限の航続距離を算出する。
【0026】
なお、ここでいう1トリップとは、バッテリへの充電を途中で行うことなく、ユーザが目的をもって電気自動車Crを使用して移動することを意味する。例えば、1トリップとは、自宅を出発して会社で勤務した後、自宅に戻るまでを意味し、また、例えば自宅から各種店舗を回って買い物をし、自宅に戻るまでを意味する。
前述の最低限必要な航続距離は、1トリップあたりの走行距離および頻度に基づいて設定される、ユーザがある目的をもって電気自動車Crを使用するときの平均的な航続距離である。この最低限必要な航続距離は、ユーザが日常的に電気自動車を使用する際に、使用途中でバッテリへの再充電を行う必要のない、航続距離に設定される。
【0027】
次いで、ステップS5に移行し、交換候補バッテリのうち、交換タイミングt1における航続距離がステップS4で特定した最低限必要な航続距離を満足するものをマッチング対象バッテリとして全て抽出する。交換候補バッテリの、交換タイミングt1における航続距離は、車両使用方法分析装置12により分析した交換候補バッテリのユーザの車両使用方法に基づき、電池劣化予測装置11により予測する。
【0028】
次いで、ステップS6に移行し、全てのマッチング対象バッテリについて後述のマッチング処理を行ったか否かを判断し、全てのマッチング対象バッテリについてマッチング処理を行っていなければ、ステップS7に移行する。
このステップS7では、マッチング処理を行っていない一のマッチング対象バッテリについて、中古バッテリ情報から販売価格を獲得する。そして、販売価格と、ユーザ指定情報で指定された上限価格および最低価格とをもとに、販売価格がユーザ指定情報を満足するか否かを判断する。販売価格がユーザ指定情報を満足しない場合には、ステップS6に戻り、満足する場合にはステップS8に移行する。
【0029】
ステップS8では、当該マッチング対象バッテリを交換前バッテリユーザが使用した場合の、前記マッチング対象バッテリの劣化状態を電池劣化予測装置11により予測する。すなわち、車両使用方法分析装置12で分析した、交換前バッテリおよびマッチング対象バッテリに対応する車両使用方法と、交換タイミングにおける、マッチング対象バッテリの航続距離とに基づいて、当該マッチング対象バッテリを交換前バッテリユーザが使用した場合の、マッチング対象バッテリの劣化状態を予測する。具体的には、劣化状態として航続距離の変化状態を予測する。
【0030】
次いで、ステップS9に移行し、予測したマッチング対象バッテリの航続距離の変化状態に基づき、マッチング対象バッテリの航続距離が、ステップS4で演算した交換前バッテリユーザが最低限必要とする航続距離に到達する時点を特定し、これに基づき、ユーザ指定情報で指定される希望する保有期間の条件を満足するかを判断する。具体的には、交換タイミングから「希望する保有期間」が経過した時点よりも後に、マッチング対象のバッテリの航続距離が「最低限必要とする航続距離」に到達するかを判断する。
そして、保有期間条件を満足しないときにはステップS6に戻り、ステップS9を満足するときにはステップS10に移行する。
【0031】
このステップS10では、このマッチング対象バッテリの販売価格と、後述の最適バッテリ候補として所定の記憶領域に格納されているバッテリの販売価格とを比較する。そして、最適バッテリ候補の販売価格よりもマッチング対象バッテリの販売価格の方が高い場合にはそのままステップS6に戻る。逆に最適バッテリ候補の販売価格よりもマッチング対象バッテリの販売価格の方が低い場合には、当該マッチング対象バッテリを最適バッテリ候補として新たに更新記憶しステップS6に戻る。なお、最適バッテリ候補の販売価格とマッチング対象バッテリの販売価格とが同一である場合には新たなマッチング対象バッテリも最適バッテリ候補として記憶すればよい。
【0032】
そして、ステップS6の処理で全てのマッチング対象バッテリに対してマッチングを行った場合にはステップS12に移行し、この時点で最適バッテリ候補として記憶されているバッテリを最適バッテリとしてユーザ端末7に通知する。なお、このとき、電池劣化予測装置11において予測した、交換前バッテリユーザが最適バッテリを使用した場合の使用可能期間すなわち、交換後のマッチング対象のバッテリの航続距離が「最低限必要とする航続距離」に到達するまでの所要期間もユーザ端末7に提示するように構成してもよい。
【0033】
(動作)
次に、本実施形態の動作を、図4を伴って説明する。
本バッテリ検索装置100を利用するユーザの電気自動車Crはそれぞれ車両情報収集装置9を搭載しており、各電気自動車Crに搭載された車両情報収集装置9では、当該電気自動車Crのユーザのバッテリへの充電操作のタイミングや、車両使用パターン、車両状態(例えば、走行、充電、放置のいずれの状態にあるかなど)、外気温、充電量、バッテリ温度、通電時間、放置時間、などバッテリの劣化に影響を与える情報を含む車両情報を収集する。車両情報収集装置9は、収集した車両情報を、所定のタイミングで無線通信によりインターネット通信網1を介して情報処理サーバ2に送信する。これにより、各電気自動車Crの車両情報が順次データベース3に格納される。その結果、データベース3に格納された車両情報を参照することによって、各電気自動車Crを利用するユーザの運転操作特性や充電操作特性を認識することができるとともに各電気自動車Crに搭載されているバッテリの劣化状態を予測できるようになっている。
【0034】
この状態から、任意のユーザが自己の電気自動車Crの使用方法を考慮して、バッテリが劣化してきたと感じ、中古バッテリを検索することを考える。
この場合、当該ユーザの日常的な電気自動車Crの使用方法として、バッテリへの一度の充電操作で少なくとも100〔km〕の航続距離が必要であるものとする。
ユーザはまずユーザ端末7を操作し、バッテリ検索装置100に対してバッテリ検索要求を送信する。また、これと共に、交換前バッテリのバッテリID、交換タイミング、希望する航続距離、交換後のバッテリの希望する保有期間、上限価格、最低価格などを設定する。これらはユーザ指定情報としてバッテリ検索装置100に送信される。
【0035】
情報処理サーバ2は、ユーザ端末7からバッテリ検索要求を受信すると、事業者管理用端末5に中古バッテリ情報の送信要求を送信し、事業者管理用端末5から販売対象の中古バッテリのバッテリIDおよびその販売価格を含む中古バッテリ情報を獲得する(図3ステップS1)。
この中古バッテリ情報に基づき、データベース3から交換候補バッテリに対応する車両情報が抽出されるとともに、ユーザ指定情報に基づき交換前バッテリに対応する車両情報が抽出され、これら車両情報に基づき、各バッテリについてユーザの車両使用方法が分析される(ステップS2)。また、交換前バッテリに対応する車両情報に基づき、1トリップあたりの走行距離および頻度が検出されこれに基づき、交換前バッテリユーザにとって最低限必要な航続距離が算出される(ステップS4)。この場合100〔km〕として算出される。
【0036】
そして、交換候補バッテリのうち、交換タイミングt1における航続距離が、交換前バッテリに対応するユーザが最低限必要とする航続距離よりも長いものをマッチング対象バッテリとして抽出する(ステップS5)。
ここで、例えば、図4に示すように中古バッテリAとBとが、マッチング対象バッテリとして抽出されたものとする。
【0037】
なお、図4において、横軸は経過時間、縦軸は航続距離を表す。また、特性線L1は、交換前バッテリXの劣化曲線を表す。特性線L2aは交換候補バッテリである中古バッテリAの交換前の劣化曲線を表す。特性線L2bは交換候補バッテリである中古バッテリBの交換前の劣化曲線を表す。
ここで、交換前バッテリXの特性線L1を表す計算式は、交換前バッテリXの車両情報から予測することができる。
【0038】
同様に、中古バッテリAの特性線L2aを表す計算式および中古バッテリBの特性線L2bを表す計算式は、それぞれ中古バッテリAの車両情報、中古バッテリBの車両情報から予測することができる。これら特性線L2aおよびL2bの計算式を得ることができれば、ユーザ指定情報で指定された交換タイミングt1における中古バッテリAおよびBの航続距離を予測することができることになる。
【0039】
したがって、まず、中古バッテリAおよびBの特性線L2a、L2bを表す計算式を演算する。そして、この計算式に基づき交換タイミングt1における、中古バッテリAおよびBの航続距離を予測する。図4の場合には、中古バッテリAは140〔km〕程度、中古バッテリBは135〔km〕程度として予測される。
【0040】
交換タイミングt1における、中古バッテリAおよびBの航続距離は、前述の、交換前バッテリユーザに対して最低限必要な航続距離100〔km〕よりも大きいため、これらは航続距離条件を満足する。
そして、事業者管理用端末5からの中古バッテリ情報として通知される中古バッテリAおよびBの販売価格がともに、ユーザ指定情報で指定されるユーザの最低価格および上限価格を満足する場合には(ステップS7)、中古バッテリAおよびBについて寿命が予測される(ステップS8)。
【0041】
ここで、特性線L1は、ユーザの車両使用方法が反映された特性線である。交換タイミングt1で交換前バッテリXと中古バッテリAとを交換した場合、交換後の中古バッテリAは特性線L1と同等の変化度合で劣化していくと予測される。したがって、交換タイミングt1で交換した後の、中古バッテリAの劣化曲線は、特性線L1と同等の変化度合で変化する特性線L3aで表すことができる。同様に、交換タイミングt1で交換前バッテリXと中古バッテリBとを交換した場合、交換後の中古バッテリBは特性線L1と同等の変化度合で劣化していくと予測される。したがって、交換タイミングt1で交換した後の、中古バッテリBの劣化曲線は、特性線L1と同等の変化度合で変化する特性線L3bで表すことができる。
【0042】
つまり、特性線L3a、および特性線L3bを表す計算式から、バッテリ交換後の中古バッテリAおよびBの航続距離が最低限必要な航続距離100〔km〕となるまでの期間を演算することができる。
したがって、まず特性線L1を表す計算式を演算する。この計算式は交換前バッテリXの車両情報から演算することができる。そして、この特性線L1を表す計算式に基づき、この計算式と同一の変化特性を有し、且つ交換タイミングt1における中古バッテリAの航続距離を通る計算式を演算し、これを、特性線L3aを表す計算式とする。同様に、特性線L1を表す計算式に基づき、この計算式と同一の変化特性を有し、且つ交換タイミングt1における中古バッテリBの航続距離を通る計算式を演算し、これを、特性線L3bを表す計算式とする。
【0043】
そして、特性線L3aを表す計算式および特性線L3bを表す計算式を用いて、バッテリ交換後の中古バッテリAおよびBの航続距離が最低限必要な航続距離100〔km〕となるまでの期間を演算する。
そして、演算した期間が、ユーザが指定する交換後のバッテリの希望する保有期間(例えば3年:図4のt2)よりも長いとき、ユーザの保有期間の条件を満足すると判断する。
【0044】
図4の場合、中古バッテリAは、時点t2で、最低限必要な航続距離100〔km〕に達するため、ユーザの保有期間の条件を満足するが、中古バッテリBが最低限必要な航続距離100〔km〕に達するタイミングは時点t2よりも早いため、ユーザが指定する保有期間の条件を満足しない。そのため、中古バッテリBは最適バッテリ候補とはならず、中古バッテリAが最適バッテリ候補として記憶され、他に最適バッテリ候補がないため、最終的に中古バッテリAが最適バッテリとなる。
【0045】
このように、バッテリ検索装置100では、交換候補バッテリの車両使用履歴などを表す車両情報から交換タイミングにおける、交換候補バッテリの航続距離を予測するとともに、交換前バッテリユーザの車両使用方法に基づき、交換後の、交換候補バッテリの航続距離の変化を予測する。このため、交換前バッテリユーザの希望に則した最適な交換バッテリを選択することができる。
【0046】
また、このとき、交換前バッテリユーザの過去の車両情報に基づき、このユーザがバッテリを使用したときの劣化曲線を獲得し、この劣化曲線を用いて、交換後の交換候補バッテリの航続距離を予測している。ここで、バッテリ劣化度合は、使用環境や、バッテリへの充電操作を行うときのバッテリ残容量など、ユーザによるバッテリの使用状況によるところも大きい。そのため、交換候補バッテリそれ自体のバッテリ特性によるバッテリの劣化を考慮するだけでなく、ユーザのバッテリの使用方法によるバッテリの劣化をも考慮して、航続距離を予測することによって、より精度よく予測することができる。したがって、より的確に最適な交換バッテリを選択することができる。
【0047】
ここで、上記実施の形態において、図3のステップS5およびステップS8で、特性線L1、L2a、L2bを表す計算式を算出する処理が劣化特性情報獲得部に対応し、ステップS8で、特性線L3a、L3bを表す計算式を算出する処理が劣化状態予測部に対応している。
また、図3のステップS3の処理が条件設定部に対応し、ステップS7〜S10の処理が判定部に対応し、ステップS11の処理が抽出部に対応している。
また、車両情報収集装置9およびデータベース3が車両情報収集部に対応し、図3のステップS4の処理が必要航続距離検出部に対応している。
【0048】
(実施形態の効果)
(1)このように、交換前バッテリおよび交換候補バッテリの車両情報に基づき、特性線L1、L2a、L2bを表す計算式を算出し、これに基づき、特性線L3a、L3bを表す計算式を算出し、この特性線L3a、L3bに基づき、交換候補バッテリの劣化状態を予測し、この予測した劣化状態に基づき交換候補バッテリが最適バッテリであるか否かを判定するため、ユーザの車両使用方法も考慮して交換候補バッテリの劣化状態を予測することができ、すなわち、より的確に最適バッテリを選定することができる。
【0049】
(2)また、ユーザ指定情報として、1回の充電で航続可能な距離を表す希望する航続距離と、交換後のバッテリの希望する保有期間とを設定するため、ユーザが希望する航続距離を満足し、且つ希望する保有期間を満足する最適バッテリを容易に検索することができる。
さらに、ユーザ指定情報として価格条件を設定するため、航続距離が保有期間だけでなく、価格も満足する最適バッテリを容易に検索することができる。
【0050】
(3)また、各電気自動車Crに車両情報収集装置9を搭載し、この車両情報収集装置9により自動的に車両情報を収集しさらに、自動的にバッテリ検索装置100のデータベース3に格納するようにしたため、車両情報を確実に収集することができ、交換前バッテリおよび交換候補バッテリに対応するユーザの車両使用方法としてより的確な車両使用方法を得ることができる。
また、車両情報として、バッテリの劣化に影響を与える運転操作履歴およびバッテリへの充電操作履歴を収集するため、この車両情報を用いることによってより的確な劣化特性を得ることができる。
【0051】
(4)また、交換前バッテリおよび交換バッテリの劣化曲線を表す計算式を演算し、これに基づき、交換前バッテリおよび交換バッテリの劣化状態を予測するため、容易且つ的確に劣化状態を予測することができる。
(5)また、交換前バッテリに対応する車両情報に基づき、この交換前バッテリが搭載された電気自動車Crのユーザの1トリップあたりの走行距離に基づき、交換前バッテリユーザにとって最低限必要な航続距離を演算し、これを満足する中古バッテリを、マッチング対象バッテリとして抽出するため、交換前バッテリユーザが通常行うトリップに支障を与えることのない中古バッテリを、容易に選択することができる。
(6)また、交換前バッテリおよび交換候補バッテリの劣化特性を表すパラメータとして航続距離を用いており、航続距離は劣化が進むほど短くなるため、航続距離の変化状態を参照することによって、バッテリの劣化度合を比較的容易に把握することができる。
【0052】
(変形例)
上記実施形態では、ユーザ端末7を用いてユーザに対してバッテリ検索サービスを提供する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、中古バッテリ販売を行うサービス事業者において保有する情報処理端末を用いてバッテリ検索要求を送信することにより、サービス事業者がバッテリ検索サービスの提供を受けることも可能である。このようにすることによって、サービス事業者が、中古バッテリを購入しにきた利用者についての最適バッテリを獲得することによって、利用者に適した中古バッテリを勧めることができ効果的である。
【0053】
また、上記実施形態では、交換候補バッテリである、中古バッテリAおよび中古バッテリBについて車両情報から得た特性線L2a、L2bを表す計算式から交換タイミングt1における航続距離を演算する場合について説明したが、必ずしも計算式から求める必要はない。例えば、車両情報から交換タイミングt1近傍における航続距離を予測し、これを交換タイミングt1における航続距離として用いるようにしてもよい。
【0054】
また、交換タイミングt1における交換候補バッテリの劣化度合を獲得することができればよいため、必ずしも計算式から交換タイミングt1における航続距離そのものを演算する必要はない。例えば、交換候補バッテリの劣化度合を、「10−0」の劣化係数として示すようにしてもよい。この場合劣化係数は、「10」が全く劣化していない状態を表し、「0」は劣化が激しい状態を表す。
【0055】
また、交換候補バッテリの劣化度合を獲得することができればよいため、必ずしも航続距離を、劣化度合を表すパラメータとして用いる必要はない。例えば、バッテリの最大充電量は、バッテリの劣化度合に応じて変化するため、バッテリの劣化度合として最大充電量をパラメータとして、最適バッテリを選定するようにしてもよい。また、複数のパラメータを用いて総合的な劣化度合を表す劣化係数を設定し、これに基づき最適バッテリを選定するようにしてもよく、要は、バッテリの劣化度合を表すことの可能なバラメータであれば、適用することができる。
【0056】
また、上記実施形態では、交換後の中古バッテリAおよびBの劣化曲線を表す特性線L3aおよびL3bの計算式として、交換前バッテリユーザの車両使用方法に応じた特性線L1を表す計算式と同一の変化特性を有し且つ、交換タイミングt1における航続距離として特定された航続距離を通る計算式を演算する場合について説明したがこれに限るものではない。例えば、特性線L1を表す計算式の変化特性と、特性線L2aを表す計算式の変化特性との平均の変化特性を有する計算式を特性線L3aの計算式とする。同様に、特性線L2を表す計算式の変化特性と、特性線L2bを表す計算式の変化特性との平均の変化特性を有する計算式を特性線L3bの計算式とする。
【0057】
このようにして得られた特性線L3a、L3bは、交換前バッテリユーザの車両使用方法に応じた航続距離の変化特性と、交換前の中古バッテリAおよびBの航続距離の変化特性とが加味された計算式であるため、交換前バッテリユーザおよび中古バッテリAおよびBの航続距離の変化特性に応じた計算式を容易に得ることができる。
【0058】
また、上記実施形態においては、電気自動車Crに搭載された車両情報収集装置9から情報処理サーバ2に対して、車両情報を直接送信する場合について説明したがこれに限るものではない。例えば、一定期間分の車両情報を、車両情報収集装置9に含まれる記憶メディアに格納しておく構成とする。前記一定期間は、車両情報に基づきユーザの車両運転特性をある程度の精度で検出できる程度の期間に設定され、最新の車両情報を記憶するように構成する。
【0059】
そして、サービス事業者側で、中古バッテリを回収しこの中古バッテリを販売対象とする際に、その車両情報収集装置9に含まれる記憶メディアから一定期間分の最新の車両情報を獲得して、これを情報処理サーバ2に送信し、情報処理サーバ2を介してデータベース3に格納する構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、ユーザ指定情報で指定される条件を満足する交換候補バッテリのうちの1つを最適バッテリ候補として選択する場合について説明したがこれに限るものではない。
【0060】
また、上記実施形態においては、ユーザ指定情報で指定される条件を満足する交換候補バッテリのうち、販売価格が最低となる交換候補バッテリを最適バッテリとして選択する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、ユーザ指定情報で指定される条件を満足する全ての交換候補バッテリのうち、交換後の交換候補バッテリの使用可能期間が最長となる交換候補バッテリを最適バッテリとして抽出する構成としてもよい。前記交換候補バッテリの使用可能期間は、前記ステップS9の処理で演算した、マッチング対象バッテリの航続距離が、交換前バッテリユーザが最低限必要とする航続距離に到達する時点に基づき、交換タイミングからマッチング対象のバッテリの航続距離が「最低限必要とする航続距離」に到達する時点までの所要期間を予測し、これをマッチング対象のバッテリすなわち交換候補バッテリの使用可能期間とすればよい。
【0061】
また、例えば、ユーザ指定情報で指定される条件を満足する全ての交換候補バッテリを選択してこれを交換バッテリとして適用可能なバッテリとしてユーザ端末7に提示するようにしてもよい。
さらに、ユーザ指定情報で指定される条件を満足しないがそれに近いバッテリも表示するようにしてもよい。この場合、ユーザ指定情報で指定される条件として価格を満足しない場合にはどの程度の価格であるのかをも提示するようにすれば、ユーザにとって、選択肢がより広がるため、使い勝手を向上させることができる。
また、情報処理サーバ2では、交換前バッテリの車両情報に基づき交換前バッテリユーザの車両使用方法を分析している。また、前述のように、バッテリに対するユーザの使用方法によっても、バッテリの劣化は進む。
【0062】
したがって、例えば交換前バッテリユーザの車両使用方法の分析結果に基づき、交換前バッテリユーザの車両使用方法を評価し、これをユーザ端末7に送信するようにしてもよい。例えば、バッテリの劣化に与える影響が大きく、バッテリの劣化を促進する使用方法である、あるいは、バッテリの劣化を促進しないバッテリにとって好適な使用方法であるなどの観点から交換前バッテリユーザの車両使用方法を評価する評価部を設け、この評価部による評価結果を、ユーザ端末7に送信するように構成すればよい。
このようにすることによって、交換前バッテリユーザは、自身の車両使用方法が、バッテリの劣化を促進する使用方法であるか否かを容易に認識することができるため、車両使用方法を改めるなどを行うことによって、バッテリをより長持ちさせることができ効果的である。
【符号の説明】
【0063】
1 インターネット網
2 情報処理サーバ
3 データベース
5 事業者管理用端末
7 情報処理端末(ユーザ端末)
9 車両情報収集装置
11 電池劣化予測装置
12 車両使用方法分析装置
13 マッチング装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両の交換前バッテリと、当該交換前バッテリの交換候補となる他のバッテリである交換候補バッテリとのそれぞれの劣化特性を表す劣化特性情報を獲得する劣化特性情報獲得部と、
当該劣化特性情報獲得部で獲得した前記劣化特性情報に基づき、前記交換前バッテリを前記交換候補バッテリと交換した後の当該交換候補バッテリの劣化状態を予測する劣化状態予測部と、を備えることを特徴とするバッテリ検索装置。
【請求項2】
前記交換前バッテリと交換する交換バッテリに必要な条件を設定する条件設定部と、
前記劣化状態予測部が予測した前記交換候補バッテリの前記劣化状態に基づいて、前記交換候補バッテリが前記条件設定部で設定された条件を満足することを判定する判定部と、
当該判定部で前記条件を満足すると判定される前記交換候補バッテリを、前記交換バッテリとして抽出する抽出部と、を備えることを特徴とする請求項1記載のバッテリ検索装置。
【請求項3】
前記交換バッテリに必要な条件は、希望する航続距離と、交換後のバッテリの希望する保有期間とを含むことを特徴とする請求項2記載のバッテリ検索装置。
【請求項4】
前記交換候補バッテリは、中古バッテリの販売を行うサービス事業者が保有する中古バッテリであって、
前記交換バッテリに必要な条件は、さらに前記交換バッテリの購入希望価格を含むことを特徴とする請求項3記載のバッテリ検索装置。
【請求項5】
前記交換前バッテリが搭載された前記電動車両および前記交換候補バッテリが搭載された若しくは前記交換候補バッテリが搭載されていた他の電動車両それぞれにおける運転操作履歴並びにバッテリへの充電操作履歴を車両情報として収集する車両情報収集部をさらに備え、
前記劣化特性情報獲得部は、前記車両情報収集部で収集した車両情報に基づいて前記交換前バッテリおよび前記交換候補バッテリそれぞれの劣化特性を表す劣化特性情報を獲得することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のバッテリ検索装置。
【請求項6】
前記劣化特性情報獲得部は、前記車両情報収集部で収集した前記車両情報に基づき、前記交換前バッテリおよび前記交換候補バッテリの劣化曲線を前記劣化特性情報として獲得することを特徴とする請求項5記載のバッテリ検索装置。
【請求項7】
前記劣化特性情報獲得部は、前記交換前バッテリが搭載された前記電動車両および前記交換候補バッテリが搭載された若しくは前記交換候補バッテリが搭載されていた他の電動車両の航続距離の変化状態を表す劣化曲線を前記劣化特性情報として獲得し、
前記劣化状態予測部は、前記交換前バッテリを前記交換候補バッテリと交換した後の当該交換候補バッテリが搭載された前記電動車両の航続距離の変化状態を表す劣化曲線を、前記交換後の前記交換候補バッテリの劣化状態として予測することを特徴とする請求項6記載のバッテリ検索装置。
【請求項8】
前記劣化特性情報獲得部は、前記車両情報収集部で収集した前記車両情報に基づき、前記交換前バッテリが搭載された前記電動車両における1トリップあたりの走行距離を検出し、当該検出結果に基づき、前記交換バッテリとして必要とされる必要航続距離を検出する必要航続距離検出部を備え、
前記抽出部は、前記劣化状態予測部が予測した前記交換候補バッテリの劣化状態に基づいて、前記交換候補バッテリの航続距離が前記必要航続距離以上であると判定され、且つ、前記判定部において、前記条件設定部で設定された条件を満足すると判定される前記交換候補バッテリを前記交換バッテリとして抽出することを特徴とする請求項5から請求項7の何れか1項に記載のバッテリ検索装置。
【請求項9】
電動車両の交換前バッテリと、当該交換前バッテリの交換候補となる他のバッテリである交換候補バッテリとのそれぞれの劣化特性を表す劣化特性情報を獲得するステップと、
獲得した前記劣化特性情報に基づき、前記交換前バッテリを前記交換候補バッテリと交換した後の当該交換候補バッテリの劣化状態を予測するステップと、
予測した前記交換後の前記交換候補バッテリの劣化状態に基づき前記交換バッテリを検索するステップと、を備えることを特徴とするバッテリ検索方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−84198(P2013−84198A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224901(P2011−224901)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】