説明

バリアフリー型レール側方間隙閉塞構造、及びレール側方の間隙閉塞方法

【課題】列車走行時においても、また列車が走行しない時もレールの側方を閉塞し、また鉄道列車の車輪のフランジが走行する時にも、車輪フランジの通過用空間を確保し、かつ衝撃によってもはずれず、車椅子や自転車等にも安全なレール側方間隙閉塞構造、及びレール側方の間隙閉塞方法を提供する。
【解決手段】連接軌道板138内に取り付けられるPC鋼棒支持金具45Aと、これにより取り付けられる第1PC鋼棒43A及び第2PC鋼棒44Aと、略梁状で水平頂部C1Aと傾斜頂部C1Bとを有する天井薄肉部C1と側面薄肉部C2、C3等により囲まれた略台形状の空洞Hを有し、その下方に、長手方向に延びる溝状の凹部で第1PC鋼棒43Aを収容可能で左側方に開口した第1収容溝41と、長手方向に延びる溝状の凹部で第2PC鋼棒44Aを収容可能で右側方に開口した第2収容溝42を有する閉塞用ゴム部材40を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道の近傍に舗装部材が設置され道路の路面を構成する軌道舗装構造におけるレール側方の間隙を閉塞する構造、及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道線路と道路が平面交差する踏切道においては、歩行者や自動車等の交通の用に供するため、舗装を行っていた。例としては、図示はしていないが、木材又は石材等からなる敷材を2本のレール(軌条)の内側及び外側に敷設する踏切道が挙げられる。この敷材舗装の場合には、2本のレールの内側と敷材との間にガードレールが敷設されており、このガードレールにより、鉄道車両の車輪のフランジが支障無く通過できるために確保すべき空間である「フランジウェイ」が形成されていた。
【0003】
また、近年、道路幅員が大きく道路交通量の多い踏切道等においては、図8(A)及び図8(B)に示すように、踏切箇所のまくらぎを取り外し、そのかわりとして鉄筋コンクリート(RC)やプレストレストコンクリート(PC)等からなる板状の連接軌道板21を用い、この連接軌道板21の上面に設けられた2つのレール収容凹部21aと21bの内部に、それぞれ左右のレールR3、R4を収容し、取付ボルト31や36、及びナット30や35によって締結・支持する「連接軌道」と呼ばれる踏切舗装構造が用いられている。図8(A)における符号22、23は、鉄筋コンクリート(RC)やプレストレストコンクリート(PC)等からなる板状の舗装ブロックである。図8(A)において、符号F3及びF4は、フランジウェイを示している。
【0004】
また、道路幅員が大きく道路交通量の多い踏切道等においては、図9(A)及び図9(B)に示すように、踏切箇所のまくらぎを取り外さずに、鉄筋コンクリート(RC)やプレストレストコンクリート(PC)等からなる板状の踏切舗装板(内軌側踏切舗装板1、外軌側踏切舗装板2及び3)を用い、この踏切舗装板1〜3を、踏切箇所の軌道の内側及び外側のまくらぎTの上面に取り付けることにより、踏切箇所の舗装を行う踏切舗装構造(以下、「総研形舗装板式踏切舗装構造」という。)も知られている。
【0005】
この総研形舗装板式踏切舗装構造においては、図9(B)に示すように、レール(例えばR1)を下方から支持する連結板7と取付ボルト91及び92により、各踏切舗装板(例えば、内軌側踏切舗装板1と外軌側踏切舗装板2)が軌道に固定される。図9(A)において、符号F1及びF2は、フランジウェイを示している。
【0006】
上記した従来の連接軌道、あるいは総研形舗装板式踏切舗装構造においては、レールの頭部又は腹部の付近に、レールの長手方向と平行になるように、ゴムシュート32と37、あるいはゴムシュート84が設置されている。これらのゴムシュートは、梁状の部材であり、その長手方向がレールの長手方向と平行となるように配置される。
【0007】
これらのゴムシュート32等がレール近傍に配置される従来の理由の一つは、降雪地帯において、フランジウェイ内に雪が溜まってしまい列車等が「乗り上がり脱線」を起こすことを防止するためであった。これらのゴムシュートは、天然ゴム、人造ゴムを含むゴム材料により作製されている。
【0008】
レール側方の間隙を充填するための部材の材料としては、ゴム材料のほかにも、金属材料、合成樹脂材料、あるいは木材等も考えられる。しかし、レールと接触することから電気絶縁性が要求されること、狭い間隙へはめ込む際に弾性変形が利用できること、雪や氷が付着し難いこと、付着した雪氷等を打撃やそれに伴う弾性変形等により容易に割砕することができること、等の理由から、ゴム材料が用いられている。
【0009】
さらに、近年、踏切道を通行する車椅子や自転車等の車輪、あるいは歩行する人間の足などがフランジウェイに落ち込むことを防止することが求められている。このため、鉄道列車等の車輪のフランジが走行する場合には変形するが、列車等が走行しない場合にはフランジウェイをも閉塞するように構成された踏切防護材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
しかしながら、上記した特許文献1に記載された従来の踏切防護材は、レール側方の間隙に収容されているだけで、いずれかの部分に固定されていない。このため、自動車の走行、あるいは列車の走行など、上方から何らかの衝撃が加わると、レール側方の間隙から上方へ外れてしまうおそれがあった。
【特許文献1】特開2001−254303号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、列車走行時以外はレール側方を閉塞し、鉄道列車の車輪のフランジの走行時には変形可能で、衝撃によってもはずれず、車椅子や自転車等にも安全なレール側方間隙閉塞構造、及びレール側方の間隙閉塞方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係るバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造は、
軌道の近傍に舗装部材が設置され道路の路面を構成する軌道舗装構造におけるレール側方の間隙を閉塞する構造であって、
前記軌道舗装構造のいずれかの箇所に取り付けられる棒状部材支持固定手段と、
前記棒状部材支持固定手段に取付手段により取り付けられる第1棒状部材及び第2棒状部材と、
ゴム系材料からなり略梁状に形成され、水平頂部と当該水平頂部の一端からレールの側方に向かって下り勾配で傾斜する傾斜頂部とを有する天井部と2つの側部が薄肉部により囲まれ上側の内部に略台形状の空洞を有し、前記略台形状の空洞の下側には、長手方向に延びる溝状に形成された凹部で前記第1棒状部材を収容可能で一方の側方に開口した第1収容溝と、長手方向に延びる溝状に形成された凹部で前記第2棒状部材を収容可能で他方の側方に開口した第2収容溝を有する閉塞用ゴム部材を備え、
前記閉塞用ゴム部材の前記第1収容溝の中に前記第1棒状部材を収容するとともに、前記第2収容溝の中に前記第2棒状部材を収容し、前記第1棒状部材及び前記第2棒状部材の両端を前記取付手段によって前記棒状部材支持固定手段に支持かつ固定し、前記閉塞用ゴム部材の長手方向軸がレールの長手方向と平行になるとともに前記薄肉部の天井部の前記水平頂部が前記レールの頭部上面と略同一高さ位置となりかつ前記薄肉部の一方の前記傾斜頂部側の側部が前記レールの頭部側面付近となるように配置し、前記レールの上を車輪が走行する場合に前記車輪のフランジが通り得る空間が前記閉塞用ゴム部材の前記傾斜頂部上に形成されるようにし、かつ前記レールの上を車輪が走行しない場合には前記レールの頭部側方付近に間隙が生じないようにほぼ閉塞すること
を特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項2に係るバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造は、
請求項1記載のバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造において、
前記第1棒状部材及び前記第2棒状部材は、撓み又は湾曲が生じないように支持されること
を特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項3に係るバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造は、
請求項1記載のバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造において、
前記舗装部材は、連接軌道板であること
を特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項4に係るバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造は、
請求項3記載のバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造において、
前記棒状部材支持固定手段は、前記連接軌道板のレール収容凹部の内部又はレール締結装置のいずれかの箇所に取り付けられること
を特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項5に係るバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造は、
請求項4記載のバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造において、
前記棒状部材支持固定手段は、前記連接軌道板に設けられたレール収容凹部内に設置されるタイプレートに取り付けられること
を特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項6に係るバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造は、
請求項3記載のバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造において、
前記連接軌道板のレール収容凹部の内側壁のうちの両方に、コンクリートからなり前記内側壁からレールに向かって突出する部分である突出壁がレール長手方向に所定間隔で断続的に配置されていること
を特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項7に係るバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造は、
請求項1記載のバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造において、
前記舗装部材は、舗装板であること
を特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項8に係るバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造は、
請求項7記載のバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造において、
前記棒状部材支持固定手段は、前記舗装板のいずれかの箇所に取り付けられること
を特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項9に係るバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造は、
請求項1記載のバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造において、
前記第1棒状部材又は前記第2棒状部材を前記レールの長手方向につなぐ棒状部材接合手段と、
前記棒状部材接合手段を支持する継手部支持手段を備えること
を特徴とする。
【0021】
また、本発明の請求項10に係るレール側方の間隙閉塞方法は、
軌道の近傍に舗装部材が設置され道路の路面を構成する軌道舗装構造におけるレール側方の間隙を閉塞する方法であって、
前記軌道舗装構造のいずれかの箇所に棒状部材支持固定手段を取り付け、
ゴム系材料からなり略梁状に形成され、水平頂部と当該水平頂部の一端からレールの側方に向かって下り勾配で傾斜する傾斜頂部とを有する天井部と2つの側部が薄肉部により囲まれ上側の内部に略台形状の空洞を有し、前記略台形状の空洞の下側には、長手方向に延びる溝状に形成された凹部で前記第1棒状部材を収容可能で一方の側方に開口した第1収容溝と、長手方向に延びる溝状に形成された凹部で前記第2棒状部材を収容可能で他方の側方に開口した第2収容溝を有する閉塞用ゴム部材を用い、
前記閉塞用ゴム部材の前記第1収容溝の中に前記第1棒状部材を収容するとともに、前記閉塞用ゴム部材の前記第2収容溝の中に前記第2棒状部材を収容し、前記第1棒状部材及び前記第2棒状部材の両端を取付手段によって前記棒状部材支持固定手段に支持かつ固定し、前記閉塞用ゴム部材の長手方向軸がレールの長手方向と平行になるとともに前記薄肉部の天井部の前記水平頂部が前記レールの頭部上面と略同一高さ位置となりかつ前記薄肉部の一方の前記傾斜頂部側の側部が前記レールの頭部側面付近となるように配置し、前記レールの上を車輪が走行する場合に前記車輪のフランジが通り得る空間が前記閉塞用ゴム部材の前記傾斜頂部上に形成されるようにし、かつ前記レールの上を車輪が走行しない場合には前記レールの頭部側方付近に間隙が生じないようにほぼ閉塞すること
を特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造、及びレール側方の間隙閉塞方法は、軌道舗装構造のいずれかの箇所に取り付けられる棒状部材支持固定手段と、棒状部材支持固定手段に取付手段により取り付けられる第1棒状部材及び第2棒状部材と、ゴム系材料からなり略梁状に形成され、水平頂部と当該水平頂部の一端からレールの側方に向かって下り勾配で傾斜する傾斜頂部とを有する天井部と2つの側部が薄肉部により囲まれ上側の内部に略台形状の空洞を有し、略台形状の空洞の下側には、長手方向に延びる溝状に形成された凹部で第1棒状部材を収容可能で一方の側方に開口した第1収容溝と、長手方向に延びる溝状に形成された凹部で第2棒状部材を収容可能で他方の側方に開口した第2収容溝を有する閉塞用ゴム部材を備えるようにしたので、閉塞用ゴム部材の第1収容溝の中に第1棒状部材を収容するとともに、第2収容溝の中に第2棒状部材を収容し、第1棒状部材及び第2棒状部材の両端を前記取付手段によって棒状部材支持固定手段に支持かつ固定し、閉塞用ゴム部材の長手方向軸がレールの長手方向と平行になるとともに薄肉部の天井部の水平頂部がレールの頭部上面と略同一高さ位置となりかつ薄肉部の一方の傾斜頂部側の側部がレールの頭部側面付近となるように配置し、レールの上を車輪が走行する場合に車輪のフランジが通り得る空間が閉塞用ゴム部材の傾斜頂部上に形成されるようにし、列車の通過が多くなっても閉塞用ゴム部材が変形を繰り返すことがほとんどないので、閉塞用ゴム部材の交換頻度が少なくなり、かつレールの上を車輪が走行しない場合にはレールの頭部側方付近に間隙が生じないようにほぼ閉塞することができる、という利点を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に説明する実施例は、軌道舗装構造のいずれかの箇所に取り付けられる棒状部材支持固定手段と、棒状部材支持固定手段に取付手段により取り付けられる第1棒状部材及び第2棒状部材と、ゴム系材料からなり略梁状に形成され、水平頂部と当該水平頂部の一端からレールの側方に向かって下り勾配で傾斜する傾斜頂部とを有する天井部と2つの側部が薄肉部により囲まれ上側の内部に略台形状の空洞を有し、略台形状の空洞の下側には、長手方向に延びる溝状に形成された凹部で第1棒状部材を収容可能で一方の側方に開口した第1収容溝と、長手方向に延びる溝状に形成された凹部で第2棒状部材を収容可能で他方の側方に開口した第2収容溝を有する閉塞用ゴム部材を備えるようにしたので、閉塞用ゴム部材の第1収容溝の中に第1棒状部材を収容するとともに、第2収容溝の中に第2棒状部材を収容し、第1棒状部材及び第2棒状部材の両端を前記取付手段によって棒状部材支持固定手段に支持かつ固定し、閉塞用ゴム部材の長手方向軸がレールの長手方向と平行になるとともに薄肉部の天井部の水平頂部がレールの頭部上面と略同一高さ位置となりかつ薄肉部の一方の傾斜頂部側の側部がレールの頭部側面付近となるように配置し、レールの上を車輪が走行する場合に前記車輪のフランジが通り得る空間が前記前記閉塞用ゴム部材の前記傾斜頂部上に形成されるようにし、かつレールの上を車輪が走行しない場合にはレールの頭部側方付近に間隙が生じないようにほぼ閉塞することができ、本発明を実現するための構成として最良の形態である。
【実施例1】
【0024】
以下、本発明の実施例を説明する。本発明の第1実施例の説明に先立ち、図10及び図11を参照して、本発明の第1実施例が適用される連接軌道(以下、「突出壁付き連接軌道」という。)の説明を行う。
【0025】
図10、11に示す突出壁付き連接軌道は、鉄筋コンクリート(RC)からなる板状のコンクリートブロックである連接軌道板138を複数個用い、全体をPC鋼棒を孔140に挿通して締め付けることにより全体を一体化し、この連接軌道板138の上面に設けられた2つのレール収容凹部139の内部に、それぞれレールR5を収容する。この場合、レール収容凹部139は、単純な溝状の凹部ではなく、レール収容凹部139の内壁139aのうちの両方に、コンクリートからなり内壁139aからレールR5に向かって突出する部分である突出壁141がレール長手方向に所定間隔で断続的に配置されている。この場合、突出壁141の最も突出した鉛直方向の平面が、最突出面141aとなっている。
【0026】
この場合、タイプレート143は、タイプレート締結用ボルト145、タイプレート締結用ナット146、タイプレート締結用バネ147、タイプレート締結用座金148等によって、レール収容凹部139の底面に、タイプレートパッド142を介して取り付けられる。また、レールR5は、ボルト、ナット、Vバネ、クリップ等の締結装置(図示せず)によって、タイプレート143の上に、レールパッド144を介して締結される。
【0027】
次に、本発明の第1実施例について説明する。図1は、本発明の第1実施例であるバリアフリー型踏切舗装構造のレール付近の構成を示す第1の横断面図である。また、図2は、本発明の第1実施例であるバリアフリー型踏切舗装構造のレール付近の構成を示す第2の横断面図である。また、図3は、本発明の第1実施例であるバリアフリー型踏切舗装構造に用いる閉塞用ゴム部材の構成を示す図である。また、図4は、本発明の第1実施例であるバリアフリー型踏切舗装構造に用いるPC鋼棒支持金具の一例の構成を示す図である。この第1実施例であるバリアフリー型踏切舗装構造は、図10及び図11で説明した連接軌道で構成される踏切舗装構造に、新規な構成の閉塞用ゴム部材を用いるように改良したものである。
【0028】
次に、第1実施例の閉塞用ゴム部材の連接軌道板への取り付け及び支持について、説明を行う。
【0029】
まず、図1及び図2に示すように、レール収容凹部139内にタイプレートパッド142を敷設する。次に、タイプレート143を設置する。次に、レールパッド144を敷設する。その上に、レールR5を設置する。この場合、図1及び図2におけるレールR5の頭部の左側面R5bの横及び上部の空間は、鉄道車両の車輪のフランジが通過するフランジウェイとなっている。
【0030】
次に、図2に示すように、クリップ部材28を、レールR5の底板上面を押さえるようにして設置する。その状態で、PC鋼棒支持金具45Aの底板部45A1を、クリップ部材28の上面の上に配置し、底板部45A1に設けられたボルト穴45A5の下方から取付ボルト31を挿通させる。取付ボルト31の図2における下端は、略「T」字状となっており、タイプレート143の一部に設けられた凹部(図示せず)によって係止される。その後、竹の子状バネ29を介してナット30を締結することにより、PC鋼棒支持金具45Aが、クリップ部材28に取り付けられるとともに、クリップ部材28が、レールR5をタイプレート143に締結する。
【0031】
また、タイプレート143は、図11に示すタイプレート締結用ボルト145と、タイプレート締結用ナット146と、タイプレート締結用バネ147と、タイプレート締結用座金148により連接軌道板138に固定される。この場合、タイプレート締結用ボルト145の図における下端は、図示はしていないが、略「T」字状となっており、連接軌道板138のレール収容凹部139の底部に設けられた凹部(図示せず)によって係止されるようになっている。
【0032】
次に、レール収容凹部139の中に、突出壁141が設けられ、図1に示すように、突出壁141は最突出面141aを有する。
【0033】
次に、上記のようにして取り付けられた2つのPC鋼棒支持金具45Aの底板部45A1から略垂直に立設された直立板部45A2に設けられている挿通孔45A6及び45A7と、PC鋼棒支持金具45Aの直立板部45A2(図4参照)に設けられている挿通孔45A6及び45A7(図4参照)に、それぞれ、第1PC鋼棒43A及び第2PC鋼棒44Aを挿通する。
【0034】
この際、第1PC鋼棒43Aが、閉塞用ゴム部材40の第1収容溝41の中に収容されるようにする。また、第2PC鋼棒44Aが、閉塞用ゴム部材40の第2収容溝42の中に収容されるようにする。
【0035】
その後、第1PC鋼棒43A及び第2PC鋼棒44Aの両端部に、座金48A及び49Aを介してナット46A及び47Aを締結することにより、第1PC鋼棒43Aと第2PC鋼棒44Aに引張り力が付与される。これにより、閉塞用ゴム部材40の長手方向軸がレールR5の長手方向と平行になり、天井薄肉部C1の水平頂部C1AがレールR5の頭部上面と略同一高さ位置となり、かつ、側面薄肉部の一方C3の側部がレールR5の頭部側面に沿う位置となるように配置される。この場合、第1PC鋼棒43Aと第2PC鋼棒44Aには、引張り力が付与されており、第1PC鋼棒43Aと第2PC鋼棒44Aは、撓み又は湾曲が生じないように支持されている。
【0036】
この場合、第1PC鋼棒43A及び第2PC鋼棒44A、ナット、座金等のの高さ位置は、鉄道車両の車輪のフランジ下端よりも低い位置となるように配置されている。
【0037】
このようにして、閉塞用ゴム部材40がPC鋼棒43A及び44Aにより、両端のPC鋼棒支持金具45Aに取り付けられる。これにより、図1及び図2に示す状態となり、図1に示す状態では、フランジウェイ(レールR5の図1、2における頭部左側方の部分)は、レールR5の頭部側方付近に間隙が生じないようにほぼ閉塞されている。レールR5の頭部側面(図1における左側面)と閉塞用ゴム部材40の側面(図1における右側の薄肉部C3の右側面)の間の距離は、1〜10ミリメートル程度である。
【0038】
図3は、閉塞用ゴム部材40の詳細な構成を示した図である。閉塞用ゴム部材40は、ゴム系材料からなり、略梁状に形成されている。また、閉塞用ゴム部材40は、天井部に薄肉部C1と、2つの側部に側面薄肉部C2及びC3を有し、これらにより囲まれた上側の内部に、略台形状の空洞Hを有している。薄肉の天井部C1は、水平頂部C1Aと、この水平頂部C1Aに一端が接続する傾斜頂部C1Bとを有している。また、略台形状の空洞Hの下側には、長手方向に延びる溝状に形成された凹部で、第1PC鋼棒43Aを収容可能で一方の側方(図1、2においては左方)に開口した第1収容溝41を有している。また、略台形状の空洞Hの下側には、長手方向に延びる溝状に形成された凹部で、第2PC鋼棒44Aを収容可能で一方の側方(図1、2においては右方)に開口した第2収容溝42を有している。また、第1収容溝41、第2収容溝41の下方は、略T字状の底部Bとなっている。
【0039】
また、レールR5の側面と連接軌道板138の端との間の距離は例えば約65ミリメートル程度であるが、このとき傾斜頂部C1Bの水平幅は約45ミリメートル程度である。さらに、これらの薄肉部C1〜C3の肉厚は、4.5〜8.5ミリメートル程度が可能であるが、好ましい値は、6〜7ミリメートルである。
【0040】
上記したゴム系材料は、天然ゴムと人造ゴムを含むほか、天然ゴム又は人造ゴムを母材(マトリクス)とし、その中に補強部材を混入させ分散配置させて成型した複合材料等をも含む概念の材料である。
【0041】
また、図4は、PC鋼棒支持金具45Aの詳細な構成を示した図である。図4に示すように、このPC鋼棒支持金具45Aは、鋼板を切断、折り曲げ、孔開け加工することにより作製され、平板状の底板部45A1と、底板部45A1の一端部から略垂直に曲げ加工等により立設された直立板部45A2を有している。底板部45A1には、円形断面のボルト穴45A5が開設されている。また、直立板部45A2には、円形断面の挿通孔45A6及び45A7が開設されている。
【0042】
また、PC鋼棒支持金具は、他の構成も可能である。図5は、他の構成のPC鋼棒支持金具45Bの詳細な構成を示した図である。図5に示すように、このPC鋼棒支持金具45Bは、鋳造による鋳鋼製であり、平板状の底板部45B1と、底板部45B1の一端部から略垂直に立設された直立板部45B2と、直立板部45B2を補強するための補強板部45B3を有している。補強板部45B3は、底板部45B1と直立板部45B2に接合されている。底板部45B1には、円形断面のボルト穴45B5が開設されている。また、直立板部45B2には、円形断面の挿通孔45B6及び45B7が開設されている。
【0043】
図6は、本発明の第1実施例であるバリアフリー型踏切舗装構造の作用を説明する図である。図6は、レールR5の上を車輪Wが走行する場合を示している。すなわち、走行する車輪WのフランジW1が閉塞用ゴム部材40の天井部C1上を通過しても、フランジW1は天井部C1の傾斜頂部C1Bの上方位置を通過するので、閉塞用ゴム部材40を押圧することなくスムーズに通過することができる。
【0044】
また、レールR5の上を車輪Wが走行しない場合は、図1及び図2に示す状態のようになり、レールR5の頭部の左側方付近は、ほぼ閉塞され、間隙がほとんど生じない。このため、踏切道を通行する車椅子や自転車等の車輪、あるいは歩行する人間の足などが落ち込むことは防止される。
【0045】
上記のような構成により、第1実施例の連接軌道においては、閉塞用ゴム部材40が第1PC鋼棒43A及び第2PC鋼棒44AによりPC鋼棒支持金具45A又は45Bに取り付けられるため、外れることがない。また、鉄道列車等の車輪のフランジが走行する場合でも、列車等が走行しない場合でも、フランジウェイに相当する箇所はほぼ閉塞され、車椅子車輪などの落ち込みが防止され「バリアフリー型」となっている。
【0046】
上記した第1実施例において、連接軌道板138は、特許請求の範囲における舗装部材に相当している。また、PC鋼棒支持金具45A、45Bは、特許請求の範囲における棒状部材支持固定手段に相当している。また、第1PC鋼棒43Aは、特許請求の範囲における第1棒状部材に相当している。また、第2PC鋼棒44Aは、特許請求の範囲における第2棒状部材に相当している。
【0047】
なお、上記した第1実施例において、レールR5の頭部の右側方の空間は、鉄道車輪フランジが走行しないため、どのような部材で閉塞してもよい。例えば、図8(B)に示すゴムシュート37を用いてもよい。
【0048】
次に、本発明の第2実施例について説明する。図7は、本発明の第2実施例であるバリアフリー型踏切舗装構造に用いるPC鋼棒継手部材の構成を示す図である。この第2実施例であるバリアフリー型踏切舗装構造は、例えば、突出壁が設けられていない連接軌道板(図8参照)にも適用可能な実施例である。すなわち、PC鋼棒43A等をレール長手方向に接続してつなぐことができるように改良したものである。
【0049】
図7のうち、図7(A)と図7(B)と図7(C)は、PC鋼棒継手部材51Aの構成を示した図である。PC鋼棒継手部材51Aは、鋼等からなり、2つの円柱部51A1及び51A2と、2つの円柱部51A1及び51A2を連結する正方形断面の角柱部51A3を有して構成されている。円柱部51A1及び51A2には、それぞれ雌ネジ孔51A4及び51A5が形成されている。また、角柱部51A3の外径は、円柱部51A1及び41A2の外径よりも小さく設定されている。
【0050】
上記のような構成により、第1実施例の第1PC鋼棒43A及び第2PC鋼棒44Aの端部に、PC鋼棒継手部材51Aの雌ネジ孔51A4及び51A5と螺合可能な雄ネジを形成しておけば、PC鋼棒継手部材51Aの角柱部51A3にスパナ等の工具を当てがって回動させることにより、PC鋼棒継手部材51Aの円柱部51A1及び51A2の雌ネジ孔51A4及び51A5をPC鋼棒43A又は44Aの先端の雄ネジと螺合させて接合させ、PC鋼棒の長さを延長することが可能である。この延長されたPC鋼棒の両端部は、上記したPC鋼棒支持金具45Aによって支持することができる。
【0051】
また、PC鋼棒継手部材51Aの角柱部51A3は、「コ」字状の切欠部を有するPC鋼棒支持金具(図示せず)によって支持することができる。また、このタイプの切欠付きのPC鋼棒支持金具は、図2に示すPC鋼棒支持金具45Aの場合とまったく同様にして、クリップ部材28に取り付けることができる。
【0052】
また、PC鋼棒継手部材51Aの角柱部51A3は、前後の円柱部51A1及び51A2より外径が小さく、嵌合開口45B7及び45B8の高さは、PC鋼棒継手部材51Aの角柱部51A3の側面の高さよりもやや大きな寸法に設定され、円柱部51A1及び41A2の外径よりも小さく設定されているため、PC鋼棒継手部材51Aは、「コ」字状の切欠部を有するPC鋼棒支持金具(図示せず)から外れにくくなっている。なお、PC鋼棒継手部材51Aは、その一部がスパナ等で締付可能なように角柱(四角柱のほか、六角柱等も含む)となっていればよい。
【0053】
上記した第2実施例において、PC鋼棒継手部材51Aは、特許請求の範囲における棒状部材接合手段に相当している。また、「コ」字状の切欠部を有するPC鋼棒支持金具(図示せず)は、特許請求の範囲における継手部支持手段に相当している。
【0054】
なお、本発明は、上記各実施例に限定されるものではない。上記各実施例は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0055】
例えば、上記実施例においては、軌道舗装構造として、鉄道線路と道路との平面交差部である踏切付近の路面を構成する例について説明したが、本発明はこれには限定されず、軌道は、鉄道線路以外の軌道、例えば路面電車の軌道等であってもよい。また、舗装を行う箇所についても、踏切以外の箇所、例えば路面電車の停留所付近、路面電車の道路交差点付近等であってもよい。
【0056】
また、上記実施例においては、踏切舗装板がRC又はPCからなる例について説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成、例えば舗装板の表面にゴム板を貼りつけてもよい。このようにすれば、寒冷地において降雪した場合でも、雪が路面に固着することを防止することができる。
【0057】
また、棒状部材支持固定手段(例えば、PC鋼棒支持金具45A等)の取付箇所は、上記した各実施例における取付箇所には限定されない。要は、軌道舗装構造のいずれかの箇所に設置されればよい。
【0058】
また、上記実施例においては、緩衝部材を設ける軌道舗装構造として、突出壁付き連接軌道と、突出壁の設けられていない連接軌道を例に挙げて説明したが、本発明はこれらには限定されず、他の構成の軌道舗装構造に緩衝部材を適用してもよい。例えば、図9で説明した総研形舗装板式踏切舗装構造に、上記した実施例の閉塞用ゴム部材40を適用することも可能である。この場合には、図9(B)に示す取付ボルト92を利用し、上記したPC鋼棒支持金具45A等に類似する金具を取付部材16に取り付け、このPC鋼棒支持金具によって第1PC鋼棒及び第2PC鋼棒を支持させ、これらのPC鋼棒に上記した閉塞用ゴム部材40に類似する部材を取り付ける。また、同様に、他の構成の軌道舗装部材、木材又は石材などの敷板で舗装された踏切にも、上記した実施例の閉塞用ゴム部材40を適用することも可能である。この場合にも、軌道舗装構造のいずれかの箇所に、上記したPC鋼棒支持金具45A等に類似する金具(棒状部材支持固定手段)をボルト等によって取り付け、このPC鋼棒支持金具によって第1PC鋼棒及び第2PC鋼棒を支持させ、これらのPC鋼棒に上記した閉塞用ゴム部材40に類似する部材を取り付ければよい。
【0059】
上記した各実施例は、適宜に組み合わせてもよい。すなわち、PC鋼棒支持金具(45A等)の形式とPC鋼棒継手部材(51A等)は、適宜に組み合わせ可能である。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、鉄道の営業を行う鉄道事業、踏切付近の構造物を構築する土木・建築業等で実施可能であり、これらの産業で利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1実施例であるバリアフリー型踏切舗装構造のレール付近の構成を示す第1の横断面図である。
【図2】本発明の第1実施例であるバリアフリー型踏切舗装構造のレール付近の構成を示す第2の横断面図である。
【図3】本発明の第1実施例であるバリアフリー型踏切舗装構造に用いる閉塞用ゴム部材の構成を示す図である。
【図4】本発明の第1実施例であるバリアフリー型踏切舗装構造に用いるPC鋼棒支持金具の一例の構成を示す図である。
【図5】本発明の第1実施例であるバリアフリー型踏切舗装構造に用いるPC鋼棒支持金具の他の例の構成を示す図である。
【図6】本発明の第1実施例であるバリアフリー型踏切舗装構造における車輪フランジ通過時の閉塞用ゴム部材の状態を説明する図である。
【図7】本発明の第2実施例であるバリアフリー型踏切舗装構造に用いるPC鋼棒継手部材の構成を示す図である。
【図8】従来の踏切舗装構造の一例である連接軌道の構成を示す図である。
【図9】従来の踏切舗装構造の他の例である踏切舗装板の構成を示す図である。
【図10】レール収容凹部に突出壁を有する突出壁付き連接軌道の構成を示す図である。
【図11】突出壁付き連接軌道におけるレール収容凹部の内部の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1 内軌側踏切舗装板
2、3 外軌側踏切舗装板
4、5、6 ゴム受台
7 連結金具
15a、15b 保護部材
16 取付部材
16a 平板部
16b 斜面部
16c ストッパー
21 連接軌道板
21a、21b レール収容凹部
22、23 舗装ブロック
24 PC鋼棒
25 タイプレート
26 レールパッド
27 タイプレートパッド
28 クリップ部材
29 竹の子状バネ
30 ナット
31 取付ボルト
32 ゴムシュート
33 座金
34 コイルバネ
35 ナット
36 取付ボルト
37 ゴムシュート
38 クサビ
40 閉塞用ゴム部材
41 第1収容溝
42 第2収容溝
43A 第1PC鋼棒
44A 第2PC鋼棒
45A PC鋼棒支持金具
45A1 底板部
45A2 直立板部
45A5 ボルト穴
45A6、45A7 挿通孔
45B PC鋼棒支持金具
45B1 底板部
45B2 直立板部
45B3 補強板部
45B5 ボルト穴
45B6、45B7 挿通孔
46A、47A ナット
48A、48B 座金
51A PC鋼棒継手部材
51A1、51A2 円柱部
51A3 角柱部
51A4、51A5 雌ネジ孔
71 外軌板受部
71a ボルト孔
72 レール受部
73 内軌板受部
73a ボルト孔
73b 斜面部
73c 平面部
81 パッド
82、83 絶縁材
84 ゴムシュート
91、92 取付ボルト
93 ナット
94 竹の子状バネ
95 座金
138 連接軌道板
139 レール収容凹部
139a 内壁
140 孔
141 突出壁
141a 最突出面
142 タイプレートパッド
143 タイプレート
144 レールパッド
145 タイプレート締結用ボルト
146 タイプレート締結用ナット
147 タイプレート締結用バネ
148 タイプレート締結用座金
B 閉塞用ゴム部材底面
C1 天井薄肉部
C1A 水平頂部
C1B 傾斜頂部
C2、C3 側面薄肉部
F1〜F4 フランジウェイ
H 略台形状の空洞
R1〜R5 レール
R5a 頭部側面
R5b 底部上面
T まくらぎ
W 車輪
W1 フランジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道の近傍に舗装部材が設置され道路の路面を構成する軌道舗装構造におけるレール側方の間隙を閉塞する構造であって、
前記軌道舗装構造のいずれかの箇所に取り付けられる棒状部材支持固定手段と、
前記棒状部材支持固定手段に取付手段により取り付けられる第1棒状部材及び第2棒状部材と、
ゴム系材料からなり略梁状に形成され、水平頂部と当該水平頂部の一端からレールの側方に向かって下り勾配で傾斜する傾斜頂部とを有する天井部と2つの側部が薄肉部により囲まれ上側の内部に略台形状の空洞を有し、前記略台形状の空洞の下側には、長手方向に延びる溝状に形成された凹部で前記第1棒状部材を収容可能で一方の側方に開口した第1収容溝と、長手方向に延びる溝状に形成された凹部で前記第2棒状部材を収容可能で他方の側方に開口した第2収容溝を有する閉塞用ゴム部材を備え、
前記閉塞用ゴム部材の前記第1収容溝の中に前記第1棒状部材を収容するとともに、前記第2収容溝の中に前記第2棒状部材を収容し、前記第1棒状部材及び前記第2棒状部材の両端を前記取付手段によって前記棒状部材支持固定手段に支持かつ固定し、前記閉塞用ゴム部材の長手方向軸がレールの長手方向と平行になるとともに前記薄肉部の天井部の前記水平頂部が前記レールの頭部上面と略同一高さ位置となりかつ前記薄肉部の一方の前記傾斜頂部側の側部が前記レールの頭部側面付近となるように配置し、前記レールの上を車輪が走行する場合に前記車輪のフランジが通り得る空間が前記閉塞用ゴム部材の前記傾斜頂部上に形成されるようにし、かつ前記レールの上を車輪が走行しない場合には前記レールの頭部側方付近に間隙が生じないようにほぼ閉塞すること
を特徴とするバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造。
【請求項2】
請求項1記載のバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造において、
前記第1棒状部材及び前記第2棒状部材は、撓み又は湾曲が生じないように支持されること
を特徴とするバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造。
【請求項3】
請求項1記載のバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造において、
前記舗装部材は、連接軌道板であること
を特徴とするバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造。
【請求項4】
請求項3記載のバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造において、
前記棒状部材支持固定手段は、前記連接軌道板のレール収容凹部の内部又はレール締結装置のいずれかの箇所に取り付けられること
を特徴とするバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造。
【請求項5】
請求項4記載のバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造において、
前記棒状部材支持固定手段は、前記連接軌道板に設けられたレール収容凹部内に設置されるタイプレートに取り付けられること
を特徴とするバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造。
【請求項6】
請求項3記載のバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造において、
前記連接軌道板のレール収容凹部の内側壁のうちの両方に、コンクリートからなり前記内側壁からレールに向かって突出する部分である突出壁がレール長手方向に所定間隔で断続的に配置されていること
を特徴とするバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造。
【請求項7】
請求項1記載のバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造において、
前記舗装部材は、舗装板であること
を特徴とするバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造。
【請求項8】
請求項7記載のバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造において、
前記棒状部材支持固定手段は、前記舗装板のいずれかの箇所に取り付けられること
を特徴とするバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造。
【請求項9】
請求項1記載のバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造において、
前記第1棒状部材又は前記第2棒状部材を前記レールの長手方向につなぐ棒状部材接合手段と、
前記棒状部材接合手段を支持する継手部支持手段を備えること
を特徴とするバリアフリー型レール側方間隙閉塞構造。
【請求項10】
軌道の近傍に舗装部材が設置され道路の路面を構成する軌道舗装構造におけるレール側方の間隙を閉塞する方法であって、
前記軌道舗装構造のいずれかの箇所に棒状部材支持固定手段を取り付け、
ゴム系材料からなり略梁状に形成され、水平頂部と当該水平頂部の一端からレールの側方に向かって下り勾配で傾斜する傾斜頂部とを有する天井部と2つの側部が薄肉部により囲まれ上側の内部に略台形状の空洞を有し、前記略台形状の空洞の下側には、長手方向に延びる溝状に形成された凹部で前記第1棒状部材を収容可能で一方の側方に開口した第1収容溝と、長手方向に延びる溝状に形成された凹部で前記第2棒状部材を収容可能で他方の側方に開口した第2収容溝を有する閉塞用ゴム部材を用い、
前記閉塞用ゴム部材の前記第1収容溝の中に前記第1棒状部材を収容するとともに、前記閉塞用ゴム部材の前記第2収容溝の中に前記第2棒状部材を収容し、前記第1棒状部材及び前記第2棒状部材の両端を取付手段によって前記棒状部材支持固定手段に支持かつ固定し、前記閉塞用ゴム部材の長手方向軸がレールの長手方向と平行になるとともに前記薄肉部の天井部の前記水平頂部が前記レールの頭部上面と略同一高さ位置となりかつ前記薄肉部の一方の前記傾斜頂部側の側部が前記レールの頭部側面付近となるように配置し、前記レールの上を車輪が走行する場合に前記車輪のフランジが通り得る空間が前記閉塞用ゴム部材の前記傾斜頂部上に形成されるようにし、かつ前記レールの上を車輪が走行しない場合には前記レールの頭部側方付近に間隙が生じないようにほぼ閉塞すること
を特徴とするレール側方の間隙閉塞方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−277848(P2007−277848A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−102939(P2006−102939)
【出願日】平成18年4月4日(2006.4.4)
【出願人】(000230825)日本軌道工業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】