説明

バリアブル印刷文書編集システム、および、その方法

【課題】本発明の課題は、割付領域内に確実に印刷情報を割り付けるバリアブル印刷文書編集システムを提供することである。
【解決手段】部品データ・サーバ装置と文書編集装置とがネットワーク接続されたバリアブル印刷用文書編集システムにおいて、フィールド項目を特定する情報とフィールド項目データを含む部品データを格納する部品データベースを検索して、前記検索された部品データを、文書編集装置に送信する部品データ・サーバ装置と、部品データ・サーバ装置から受信した部品データのフィールド項目毎の最大文字数を計測して、行長データを含みフィールド項目を対応付けた文字枠を割付して、前記計測されたフィールド項目の最大文字数分の文字列の長さが文字枠の行長以下か否かを判定して、文字変形率を算出する文書編集装置と、ことを特徴とするバリアブル印刷用文書編集システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バリアブル印刷において、バリアブル印刷する文書を編集するシステム、および、その方法に関するものである。
【0002】
従来から、DTPシステムを用いて、バリアブル印刷文書の編集作業が行われている。
このバリアブル印刷は、書面の一部を差替えた文書を連続して印刷するものである。
つまり、バリアブル印刷では、文書ごとに変化する印刷部分と、各文書に共通の固定印刷部分を合成した文書を作成して印刷する。たとえば、ダイレクトメールでは、印刷部である宛先名を変えながら、文面をバリアブル印刷する。

【背景技術】
【0003】
たとえば、特許文献1では、印刷体裁の設定情報の可否を判定するために、設定された印刷体裁と部品データを用いて、印刷される文書の状態を情報処理装置にプレビュー表示させる技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−63321号公報(6〜8、13ページ、図1、8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の技術では、編集者は、印刷体裁の設定が正しく行われたか否かを確認するためには、プレビュー表示されたページを全て目視しなければならず、多大な作業時間と手間を要するという欠点があった。
【0005】
本発明はこのような従来技術を考慮してなされたものであって、本発明の課題は、割付領域内に確実に割り付けるバリアブル印刷文書編集システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。すなわち、請求項1の発明は、部品データ・サーバ装置と文書編集装置とがネットワーク接続されたバリアブル印刷用文書編集システムにおいて、前記部品データ・サーバ装置は、フィールド項目を特定する情報とフィールド項目データを含む部品データを格納する部品データベースを記憶する記憶手段と、部品データ送信要求を受け付けて、部品データベースを検索して、前記検索された部品データを、文書編集装置に返信する部品データ送信手段と、を備えるサーバ装置であって、前記文書編集装置は、部品データ送信要求を部品データ・サーバ装置に発行する部品データ送信要求手段と、部品データを部品データ・サーバ装置から受信する部品データ受信手段と、前記受信した部品データのフィールド項目毎の最大文字数を計測する最大文字数計測手段と、行長データを含む文字枠を割付する文字枠割付手段と、前記割付けられた文字枠に、部品データのフィールド項目を対応付けるフィールド項目対応付手段と、前記計測されたフィールド項目の最大文字数分の文字列の長さが文字枠データの行長データ以下か否かを判定する行長判定手段と、文字列の長さと文字枠データの行長データとを用いて、文字変形率を算出する文字変形率算出手段と、フィールド項目を特定する情報を含む文字枠および文字変形率を用いて変形させた最大文字数分の文字を配置した文字枠を表示する表示手段と、文字枠データを含む文書データを作成する文書作成手段と、を備える編集装置である、ことを特徴とするバリアブル印刷用文書編集システムである。
【0007】
最大文字数分の文字が文字枠に収まる文字変形状態を、編集画面の上確認することが可能となる。
【0008】
請求項2の発明は、フィールド項目を特定する情報とフィールド項目データを含む部品データを格納する部品データベースを用いるバリアブル印刷用文書編集方法であって、部品データ送信要求を受け付けて、部品データベースを検索して、部品データを選択する部品データ検索ステップと、前記選択された部品データのフィールド項目毎の最大文字数を計測する最大文字数計測ステップと、行長データを含む文字枠を割付する文字枠割付ステップと、前記割付けられた文字枠に、部品データのフィールド項目を対応付けるフィールド項目対応付ステップと、前記計測されたフィールド項目の最大文字数分の文字列の長さが文字枠データの行長データ以下か否かを判定する行長判定ステップと、判定結果が最大文字数分の文字列の長さが文字枠データの行長データより長ければ、文字列の長さと文字枠データの行長データとを用いて、文字変形率を算出する文字変形率算出ステップと、フィールド項目を特定する情報を含む文字枠および文字変形率を用いて変形させた最大文字数分の文字を配置した文字枠を表示する最大文字数体裁表示ステップと、文字変形率を有する文字枠データを含む文書データを作成する文書作成ステップと、を含んだ手順でなされることを特徴とする印刷用文書編集方法である。
【0009】
請求項3の発明は、フィールド項目を特定する情報とフィールド項目データを含む部品データを格納する部品データベースを用いるバリアブル印刷用文書編集方法であって、行長データを含む文字枠を割付する文字枠割付ステップと、前記割付けられた文字枠に、部品データのフィールド項目を対応付けるフィールド項目対応付ステップと、部品データ送信要求を受け付けて、部品データベースを検索して、部品データを選択する部品データ検索ステップと、前記選択された部品データのフィールド項目毎の最大文字数を計測する最大文字数計測ステップと、前記計測されたフィールド項目の最大文字数分の文字分の文字列の長さが文字枠データの行長データ以下か否かを判定する行長判定ステップと、判定結果が最大文字数分の文字列の長さが文字枠データの行長データより長ければ、文字列の長さと文字枠データの行長データとを用いて、文字変形率を算出する文字変形率算出ステップと、フィールド項目を特定する情報を含む文字枠および文字変形率を用いて変形させた最大文字数分の文字を配置した文字枠を表示する最大文字数体裁表示ステップと、文字変形率を有する文字枠データを含む文書データを作成する文書作成ステップと、を含んだ手順でなされることを特徴とする印刷用文書編集方法である。
【発明の効果】
【0010】
本願発明によれば、バリアブル印刷において、最大寸法の部品データが適切な変形をされて、割付領域に納められるように割り付けることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。
【0012】
図1は、本発明によるバリアブル印刷システム1の全体構成を説明する図である。
【0013】
本発明によるバリアブル印刷システムは、文書編集装置100と、下絵作成装置500と、バリアブル印刷装置700と、編集データ変換装置900と、部品データ・サーバ装置300が、ネットワークで接続されて構成される。
【0014】
下絵作成装置500は、下絵データを作成して、文書編集装置100に送信する。
【0015】
部品データ・サーバ装置300は、指定された検索キーに基づいて、部品データベースから、部品データを検索して、文書編集装置100に送信する。また、部品データ・サーバ装置300は、指定された検索キーに基づいて、部品データベースから、文字データと画像データを含む部品データを検索して、バリアブル印刷装置700に送信する。
【0016】
文書編集装置100は、下絵作成装置500から受信した下絵データと、部品データ・サーバ装置300から受信した部品データを用いて、文書データを作成して、バリアブル印刷装置700に送信する。
【0017】
編集データ変換装置900は、文書編集装置100から受信した文書データを、使用するバリアブル印刷装置の制御データに変換して、そのバリアブル印刷装置700に送信する。
【0018】
バリアブル印刷装置700は、部品データ・サーバ装置300から受信した部品データと、編集データ変換装置900から受信した制御データを用いて、バリアブル印刷物799を、作成する。
【0019】
文書編集装置100は、コンピュータプログラムによって制御されるパーソナルコンピュータである。文書編集装置100のコンピュータプログラムは、市販のDTPソフトウエアである。文書編集装置100のコンピュータプログラムに、機能を追加するときには、このコンピュータプログラムが備えるプラグイン機能とC++プログラムを用いて、実現することができる。
【0020】
下絵作成装置500は、コンピュータプログラムによって制御されるパーソナルコンピュータである。下絵作成装置500のコンピュータプログラムは、市販の画像作成ソフトウエアである。バリアブル印刷装置700は、レーザプリンタやインクジェットプリンタに代表されるデジタルプリンタである。
【0021】
編集データ変換装置900は、コンピュータプログラムによって制御されるパーソナルコンピュータである。部品データ・サーバ装置300は、コンピュータプログラムによって制御されるサーバコンピュータである。部品データ・サーバ装置300のコンピュータプログラムは、市販のデータベース・ソフトウエアである。
【0022】
図2は、本発明による文書編集装置100の詳細な構成図である。
文書編集装置100は、割付手段110と、文字枠割付手段120と、フィールド項目対応付手段130と、部品データ送信要求手段171と、部品データ受信手段172と、下絵送信要求手段173と、下絵受信手段174と、最大文字数計測手段140と、行長判定手段162と、文字変形率算出手段164と、文書作成手段150と、文書送信手段155と、表示手段180と、記憶手段190を備える。
【0023】
下絵送信要求手段173は、下絵送信要求を下絵作成装置500に発行する。下絵受信手段174は、下絵データ591を下絵作成装置500から受信して、記憶手段にする。割付手段110は、前記記憶された下絵データ591を割付ける。
【0024】
部品データ送信要求手段171は、所望の部品データの検索キュエリを部品データ・サーバ装置300に発行する手段である。部品データ受信手段172は、フィールド項目データを含む文字データ393を受信して、記憶手段190に記憶する。
【0025】
最大文字数計測手段140は、前記記憶した文字データ393のフィールド項目データの最大文字数情報を計測して、記憶手段に記憶する。
【0026】
文字枠割付手段120は、文字枠を割付して、開始位置情報と文字寸法情報を含む文字枠データを作成する。フィールド項目対応付手段130は、作成された文字枠データに、文字データ393のフィールド項目をそれぞれ対応付ける。
【0027】
行長判定手段162は、前記割付けられた文字枠データに対応付けられたフィールド項目の最大文字数情報を、記憶手段に記憶されたフィールド項目の最大文字数情報から取得して、この最大文字数分の文字列の長さを算出して、文字枠データの行長データ以下か否かを判定する。
【0028】
文字変形率算出手段164は、判定結果が最大文字数分の文字列の長さが文字枠データの行長データより長ければ、文字列の長さと文字枠データの行長データを用いて、文字変形率を算出する。
【0029】
表示手段180は、文書編集装置100の編集作業を表示する手段であって、フィールド項目情報を含む文字枠や文字変形率を用いて変形させた文字を最大文字数分組版した文字枠を表示する。
【0030】
文書作成手段150は、文字変形率を有する文字枠データと編集タグを含む文書データ198を作成する。文書送信手段155は、前記作成された文書データ198を編集データ変換装置900に送信する。
【0031】
なお、文書データ198は、下絵データに文字枠を割りつけて文字を配置して作成した電子文書であり、文書編集装置100で作成する文書データ198は、印刷用のデータを作成するときの割付パターンに相当し、文書データ198と部品データ・サーバ装置300から送信された部品データ(=文字データや画像データ)を合わせて印刷用データを作成する。または、印刷時に文書データ198と文字データ、画像データを合わせて印字する。
【0032】
割付手段110と、文字枠割付手段120と、フィールド項目対応付手段130と、部品データ送信要求手段171と、部品データ受信手段172と、下絵送信要求手段173と、下絵受信手段174と、最大文字数計測手段140と、行長判定手段162と、文字変形率算出手段164と、文書作成手段150と、文書送信手段155は、コンピュータプログラムである。下絵データ591と、文字データ393は、コンピュータプログラムが可読なデータである。記憶手段190は、半導体メモリや、磁気メモリである。表示手段180は、LCD表示装置や、CRT表示装置である。
【0033】
図3は、文字データ393の形式と例を説明する図である。文字データ393は、少なくとも1つのフィールド項目データ393bから構成される。文字データ393の1行目は、各フィールド項目を特定する情報(=各フィールド項目の定義名称情報)を記述する。2行目以降は、バリアブル印刷に用いる文字データ(=文字列)である。
【0034】
図3の(b)には、文字データ393が例示されている。一行目の文字データ(つまり、第1レコード)は、各フィールド項目の定義名称情報「f#name,l-name,address」の例である。二行目の文字データ(つまり、第2レコード)は、「太郎,山川田家,東京都新宿区□□1丁目ABC32号室」、の例が示されている。これは、それぞれ、定義名称情報「f-nameの文字列」=「太郎」、定義名称情報「l-nameの文字列」=「山川田家」、定義名称情報「addressの文字列」=「東京都新宿区□□1丁目ABC32号室」であることを示している。
【0035】
図4は、文書データの例(XML形式)を説明する図である。文書データ198は、ヘッダデータ198aと、下絵割付データ198bと、文字枠割付データ198cなどから構成されている。ヘッダデータ198aと、下絵割付データ198bと、文字枠割付データ198cは、それぞれ以下で説明する編集タグを含んでいる。
【0036】
図4には、XML形式の文書データ198が例示されている。下絵割付データ198bは、編集タグ「<Baseimage></Baseimage>」、「<BasestartX></BasestartX>」、「<BasestartY></BasestartY>」、「<PageNo></PageNo>」を用いた「<Baseimage>graphic.eps</Baseimage><BasestartX>0</BasestartX><BasestartY>0</BasestartY> <PageNo>1</PageNo>」が示されている。
【0037】
文字枠割付データ198cの例として、編集タグ「「<Field></Field>」「<Fieldname> </Fieldname>」、「<Columnname></Columnname>」「<StartX></StartX>」「<StartY></StartY>」「<Font> </Font>」「<Fontsize></Fontsize>」「<Fonttransform></Fonttransform>」「<Fontcolor></Fontcolor>」「<Position></Position>」を用いた「<Field><Fieldname>住所</Fieldname><Columnname>address</Columnname><StartX>17</StartX><StartY>34</StartY><Font>Mincho-R</Font><Fontsize>12</Fontsize><Fonttransform>33</Fonttransform><Fontcolor>1 0.7 0 0</Fontcolor><Position>1</Position>」が示されている。ここで、「<Fieldname></Fieldname>」は、フィールド項目を定義する。「<StartX></StartX>」「<StartY></StartY>」は、文字枠の開始位置(たとえば、枠の左上)の座標値(X,Y)を定義する。同様に、「<Font></Font>」は、文字枠に配置する文字のフォント、「<Fontsize></Fontsize>」はフォントの大きさを、「<Fonttransform></Fonttransform>」は、フォントの変形率を、それぞれ定義する。
【0038】
図5は、下絵データ591の表示例を説明する図である。図5には、表示された下絵が例示されている。表示された下絵は、クレジットカードの利用明細であって、利用者の住所氏名欄を割り付ける領域591a、利用明細記載欄を割り付ける領域591bなどが設定されている。
【0039】
図6は、編集画面の例を説明する図である。図6の(a)は、表示装置に、下絵591aを表示した編集画面180aを示している。編集画面180aには、下絵591aに文字データのフィールド項目として、「address」、「f-name」、「l-name」を配置する文字枠が割付けられている様子が示されている。編集者が、割り付けられた下絵591aを基準にして、文字枠を割付けることによって、文字データの下絵591aに対する配置開始位置やフォントサイズが定まる。
【0040】
図6の(b)は、フィールド項目を配置する文字枠122aの例ある。図6の(b)には、下絵591aと、フィールド項目「address」の文字列データを配置する文字枠121aと、フィールド項目「f-name」、「l-name」の文字列データを配置する文字枠122aが示されている。このように、文字枠121aの中には、「address」が表示されることにより、この文字枠にフィールド項目「address」が対応づけられていることが確認できる。文字枠とフィールド項目の対応は、編集者にとって見て分かるようになっていればよいので、カラムの番号でもよい。また、フィールド項目は、必要に応じて表示、非表示を切り替えてもよい。
【0041】
図6の(c)は、最大文字数の変形した文字(長体文字)を文字列枠に配置した例である。図6の(c)には、最大文字数計測手段140で計測した最大文字数分のダミー文字をそれぞれ、フィールド項目「address」、フィールド項目「f-name」、「l-name」の文字列枠が例示されている。
【0042】
文字枠121bには、フィールド項目「address」の文字例から、最大文字計測手段140で計測した最大文字列数分のダミー文字が配置されるが、このときダミー文字のフォントサイズと、最大文字列数から求めた文字列の横幅が、文字枠の横幅より長いので、ダミー文字に文字変形率を乗算させて長体文字にして、文字枠に収まるようにしている。文字枠121cは、フィールド項目「f-name」、「l-name」の最大文字数分のダミー文字を配置した例である。
【0043】
このように、記憶手段190に記憶されている文字データ393からフィールド項目毎に、最大文字数計測手段140により最大文字数を計測し、最大文字数分のダミー文字を、文字枠に配置することによって、ダミー文字の変形状態を目視で確認することができる。ダミー文字に変形(長体)がかかり過ぎる場合は、再度、文字枠の横幅を大きくする等の修正を編集者が行えばよい。
【0044】
図7は、下絵作成装置500の詳細な構成図である。下絵作成装置500は、下絵作成手段510と、下絵送信手段520と記憶手段590を備える。記憶手段590は、下絵作成手段510で下絵を作成するための下絵部品データ599を記憶している。
【0045】
下絵作成手段510は、下絵部品データ599を編集加工して、下絵データ591を作成する。下絵送信手段520は、前記作成された下絵データ591を文書編集装置100に送信する。
【0046】
下絵作成手段510と下絵送信手段520は、コンピュータプログラムである。下絵部品データ591は、コンピュータプログラムが可読なデータである。記憶手段590は、半導体メモリや、磁気メモリである。
【0047】
図8は、部品データ・サーバ装置300の詳細な構成図である。部品データ・サーバ装置300は、部品データ送信要求受付手段320と検索結果送信手段330と記憶手段390とを備える。記憶手段390は、部品データベースを記憶する。
【0048】
部品データベースには、バリアブル印刷を行う素材データとなる部品データが記憶されており、部品データは、品目単位に個人情報、商品情報等の文字データとそれに使用する画像データから構成されている。
【0049】
部品データ送信要求受付手段320は、文書編集装置100からの部品データ送信要求を受け付ける。部品データ送信要求の例としては、文書編集装置100で編集を行う品目名を検索キーとして入力し、部品データ・サーバ装置300に送信する。検索手段310は、部品送信要求に含まれる品目名を検索キーにして、部品データベースを検索して、関連する文字データや画像データを抽出する。検索結果送信手段330は、前記抽出された部品データや画像データを文書編集装置100に送信する。
【0050】
検索手段310と部品データ送信要求受付手段320と検索結果送信手段330は、コンピュータプログラムである。文字データ393と画像データ395は、コンピュータプログラムが可読なデータである。記憶手段390は、半導体メモリや、磁気メモリである。
【0051】
図9は、本発明による文書編集処理の手順を説明する図である。
(1)下絵作成装置500の下絵作成手段510は、下絵を割付けた下絵データ591を作成する。(ステップS1a)
(2)下絵作成装置500の下絵送信手段520は、この下絵データ591を文書編集装置100に送信する。(ステップS1b)
(3)文書編集装置100の割付手段110は、受信した下絵データ591を割付ページデータに割付ける。(ステップS1c)
(4)文書編集装置100の部品データ送信要求手段171は、品目名称等を含む文字列の入力を受け付けて、これを部品データ・サーバ装置300に送信する。(ステップS2a)
(5)部品データ・サーバ装置300の部品データ送信要求受付手段320は、送信された部品データ送信要求を受信する。(ステップS2b)
(6)部品データ・サーバ装置300の検索手段310は、部品データ送信要求から検索キーを作成して、部品データベースを検索して、該当する文字データ393を選択する。(ステップS2c)
(7)部品データ・サーバ装置300の検索結果送信手段330は、選択された文字データ393を文書編集装置100に送信する。(ステップS2d)
(8)文書編集装置100の部品データ受信手段172は、この送信された文字データ393を受信する。(ステップS2e)
(9)文書編集装置100の最大文字数計測手段140は、受信した文字データ393の各フィールド項目データの最大文字数を計測する。(ステップS2f)
(10)文書編集装置100の文字枠割付手段120は、前記表示された下絵や既に割り付けた文字枠を基にして、文字枠を割付ける。(ステップS3a)
(11)文書編集装置100のフィールド項目対応付手段130は、この割付けられた文字枠に文字データ393のフィールド項目を対応付ける。(ステップS3b)
(12)文書編集装置100の最大文字数配置手段160は、文字枠に対応付けられたフィールド項目の最大文字数を、計測したフィールド項目の最大文字数を参照して調べて、最大文字数分のダミー文字を文字枠に配置して表示する。(ステップS3c)このとき、最大文字数分のダミー文字を配置した文字枠の割付が不都合であると編集者が判断すれば、ステップS3aに戻る。
(13)文書編集装置100の文書作成手段150は、編集タグを含む文書データ198を作成する。(ステップS4a)
【0052】
なお、文字枠が複数存在する場合には、ステップS3aからステップS3cまでを繰り返せばよい。
【0053】
文書編集装置100にて、下絵を割付けた下絵データ591を作成してもよい。
【0054】
図10は、本発明による文字変形率算出処理手順の例である。
図3の(b)に例示された文字データ393を用いて、図6の編集画面180cを表示する処理手順を説明する。
【0055】
文字データ393の各フィールド項目の最大文字数は、フィールド項目「f-name」の最大文字数(最大バイト数)は「はなえこ」の「4文字(8バイト)」で、フィールド項目「l-name」の最大文字数(最大バイト数)は「山川田家」の「4文字(8バイト)」で、フィールド項目「address」の最大文字数(最大バイト数)は「東京都世田谷区▽▽2丁目**マンション114号室」の「24文字 (48バイト)」である(図10(1))。
【0056】
そこで、文字枠121cは、文字枠121aに、24文字分の文字(たとえば、□)を配置した文字枠である。また、文字枠122bは、文字枠122aに、「f-name」として4文字分の文字と、「l-name」として4文字分の文字を配置した文字枠である(同(2))。
【0057】
行長判定手段162が、文字枠に配置する文字が文字枠に収まるか否かを判定する。文字枠121cには、16文字分の文字が収まるので(同(2))、フィールド項目addressの最大文字数が24文字(同(2))になると、行長判定手段162は、文字枠に収まらないと判定する。そこで、文字枠に最大文字数分の文字(=24文字分の文字)を収めるために、16(文字)を24(文字)で除して、文字変形率「0.66」と求める(同(3))。文字変形率(長体率)が「0.66」である24文字分のダミー文字を文字枠121bに配置する(同(4))。
【0058】
このように、文字データ393の最大文字数をフィールド項目ごとに計測し、文字枠に収まるように文字の変形率を求めて、配置することが可能である。更に、文字の変形にとどまらず、文字サイズ、字間を調整するようにしてもよい。
【0059】
図11は、編集データ変換装置900の詳細な構成図である。
編集データ変換装置900は、文書受信手段920と印刷装置指定手段910と制御コード変換手段930と制御データ送信手段940と記憶手段990を備える。
記憶手段990は、制御コード対応表997を記憶する。
【0060】
制御コード対応表997は、印刷装置指定情報を含み、文書データ198の所定のデータ(たとえば、編集タグ)と印刷装置のプリンタ制御コードを対応付けたデータである。
【0061】
文書受信手段920は、文書編集装置100から文書データ198を受信する。印刷装置指定手段910は、印刷装置指定情報の入力を受け付ける。
制御コード変換手段930は、前記受け付けられた印刷装置指定情報の制御コード対応表997を選択して、これを用いて、前記受信した文書データ198の所定のデータを、プリンタ制御コードに変換する。
制御データ送信手段940は、変換された文書データ198を用いて、制御データ998を作成して、これを送信する。
【0062】
文書受信手段920と印刷装置指定手段910と制御コード変換手段930と制御データ送信手段940は、コンピュータプログラムである。記憶手段990は、半導体メモリや、磁気メモリである。制御コード対応表997は、コンピュータプログラムが可読なデータである。
【0063】
図12は、バリアブル印刷処理の手順の例である。
(1)文書編集装置100の文書送信手段155は、文書データを編集データ変換装置900に送信する。(ステップS1)
(2)編集データ変換装置900の文書受信手段920は、文書編集装置100から文書データを受信する。(ステップS2)
(3)編集データ変換装置900の制御コード変換手段930は、指定された印刷装置の制御コード対応表997を用いて、文書データの編集タグを制御コードに変換する。(ステップS3)
(4)編集データ変換装置900の制御コード変換手段930は、文書データ198と変換された制御コードを用いて、制御データ998を作成する。(ステップS4)
(5)編集データ変換装置900の制御データ送信手段940は、制御データ998をバリアブル印刷装置700に送信する。(ステップS5)
(6)バリアブル印刷装置700は、送信された制御データ998を受信する。(ステップS6)
(7)部品データ・サーバ装置300は、文字データ591や画像データ593を含む部品データをバリアブル印刷装置700に送信する。(ステップS7)
(8)バリアブル印刷装置700は、送信された部品データを受信する。(ステップS8)
(9)バリアブル印刷装置700は、前記受信された制御データ998と部品データを用いて、印刷データを作成する。(ステップS9)
(10)バリアブル印刷装置700は、印刷データを用いて、バリアブル印刷して、バリアブル印刷物799を作成する。(ステップS10)
【0064】
図13は、バリアブル印刷物799の例である。
バリアブル印刷物799は、下絵と文字と画像とが印刷されている。
一部の文字(=住所)は、変形させられて、長体文字になっている。
【0065】
(変形例)
なお、文字を変形する代わりに、文字サイズを小さくして、文字枠に納まるようにしてもよい。
【0066】
以上詳しく説明したように、本願発明によれば、バリアブル印刷における印刷体裁の確認を、簡便に確実に行うことが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明によるバリアブル印刷システムの全体構成
【図2】本発明による文書編集装置100の詳細な構成図
【図3】文字データの形式と例
【図4】文書データの例(XML形式)
【図5】下絵データ591の表示例
【図6】編集画面の例
【図7】下絵作成装置500の詳細な構成図
【図8】部品データ・サーバ装置500の詳細な構成図
【図9】本発明による文書編集処理の手順
【図10】本発明による文字変形率算出処理手順の例
【図11】編集データ変換装置900の詳細な構成図
【図12】バリアブル印刷処理の手順
【図13】バリアブル印刷物の例
【符号の説明】
【0068】
1 本発明によるバリアブル印刷システム
100 文書編集装置
110 割付手段
120 文字枠割付手段
130 フィールド項目対応付手段
140 最大文字数計測手段
150 文書作成手段
155 文書送信手段
162 行長判定手段
164 文字変形率算出手段
171 部品データ送信要求手段
172 部品データ受信手段
173 下絵送信要求手段
174 下絵受信手段
180 表示手段
180a 編集画面
180b 部分拡大した編集画面
180c 最大文字数の文字が配置された編集画面
190 記憶手段
198 文書データ
198a ヘッダデータ
198b 下絵割付データ
198c 文字枠割付データ
300 部品データ・サーバ装置
310 検索手段
320 部品データ送信要求受付手段
330 検索結果送信手段
390 記憶手段
393 文字データ
393b フィールド項目データ
395 画像データ
500 下絵作成装置
510 下絵作成手段
520 下絵送信手段
590 記憶手段
591 下絵データ
591a 利用者の住所氏名欄を割り付ける領域
591b 利用明細記載欄を割り付ける領域
599 下絵部品データ
700 バリアブル印刷装置
900 編集データ変換装置
910 印刷装置指定手段
920 文書受信手段
930 制御コード変換手段
940 制御データ送信手段
990 記憶手段
997 制御コード対応表
998 制御データ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データ・サーバ装置と文書編集装置とがネットワーク接続されたバリアブル印刷用文書編集システムにおいて、
前記印刷データ・サーバ装置は、
フィールド項目を特定する情報とフィールド項目データを含む部品データを格納する部品データベースを記憶する記憶手段と、
部品データ送信要求を受け付けて、部品データベースを検索して、前記検索された部品データを、文書編集装置に返信する部品データ送信手段と、
を備えるサーバ装置であって、
前記文書編集装置は、
部品データ送信要求を印刷データ・サーバ装置に発行する部品データ送信要求手段と、
部品データを部品データ・サーバ装置から受信する部品データ受信手段と、
前記受信した部品データのフィールド項目毎の最大文字数を計測する最大文字数計測手段と、
行長データを含む文字枠を割付する文字枠割付手段と、
前記割付けられた文字枠に、部品データのフィールド項目を対応付けるフィールド項目対応付手段と、
前記計測されたフィールド項目の最大文字数分の文字列の長さが文字枠データの行長データ以下か否かを判定する行長判定手段と、
文字列の長さと文字枠データの行長データとを用いて、文字変形率を算出する文字変形率算出手段と、
フィールド項目を特定する情報を含む文字枠および文字変形率を用いて変形させた最大文字数分の文字を配置した文字枠を表示する表示手段と、
文字枠データを含む文書データを作成する文書作成手段と、
を備える編集装置である、
ことを特徴とするバリアブル印刷用文書編集システム。
【請求項2】
フィールド項目を特定する情報とフィールド項目データを含む部品データを格納する部品データベースを用いるバリアブル印刷用文書編集方法であって、
部品データ送信要求を受け付けて、部品データベースを検索して、部品データを選択する部品データ検索ステップと、
前記選択された部品データのフィールド項目毎の最大文字数を計測する最大文字数計測ステップと、
行長データを含む文字枠を割付する文字枠割付ステップと、
前記割付けられた文字枠に、部品データのフィールド項目を対応付けるフィールド項目対応付ステップと、
前記計測されたフィールド項目の最大文字数分の文字分の文字列の長さが文字枠データの行長データ以下か否かを判定する行長判定ステップと、
判定結果が最大文字数分の文字列の長さが文字枠データの行長データより長ければ、文字列の長さと文字枠データの行長データとを用いて、文字変形率を算出する文字変形率算出ステップと、
フィールド項目を特定する情報を含む文字枠および文字変形率を用いて変形させた最大文字数分の文字を配置した文字枠を表示する最大文字数体裁表示ステップと、
文字変形率を有する文字枠データを含む文書データを作成する文書作成ステップと、
を含んだ手順でなされることを特徴とする印刷用文書編集方法。
【請求項3】
フィールド項目を特定する情報とフィールド項目データを含む部品データを格納する部品データベースを用いるバリアブル印刷用文書編集方法であって、
行長データを含む文字枠を割付する文字枠割付ステップと、
前記割付けられた文字枠に、部品データのフィールド項目を対応付けるフィールド項目対応付ステップと、
部品データ送信要求を受け付けて、部品データベースを検索して、部品データを選択する部品データ検索ステップと、
前記選択された部品データのフィールド項目毎の最大文字数を計測する最大文字数計測ステップと、
前記計測されたフィールド項目の最大文字数分の文字列の長さが文字枠データの行長データ以下か否かを判定する行長判定ステップと、
判定結果が最大文字数分の文字列の長さが文字枠データの行長データより長ければ、文字列の長さと文字枠データの行長データとを用いて、文字変形率を算出する文字変形率算出ステップと、
フィールド項目を特定する情報を含む文字枠および文字変形率を用いて変形させた最大文字数分の文字を配置した文字枠を表示する最大文字数体裁表示ステップと、
文字変形率を有する文字枠データを含む文書データを作成する文書作成ステップと、
を含んだ手順でなされることを特徴とする印刷用文書編集方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−152310(P2008−152310A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−336472(P2006−336472)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】