説明

バルーンカテーテル

【課題】バルーンを体内管状組織に対して周方向に位置決めして、体内管状組織の湾曲方向に則した適切な方向で湾曲するように膨らませることが出来る、新規な構造のバルーンカテーテルを提供すること。
【解決手段】カテーテル本体12の遠位端側にバルーン30が外挿状態で取り付けられていると共に、カテーテル本体12の近位端側からバルーン30に対して圧力流体を供給及び吸引する給排路28が形成されているバルーンカテーテル10において、バルーン30には、給排路28を通じての圧力流体の供給によって長さ方向で湾曲して膨らむ湾曲部34が設けられており、カテーテル本体12におけるバルーン30が外挿された部分には、長さ方向の両端部分と湾曲部34が外挿された部分とにそれぞれ造影マーカー36が設けられていると共に、造影マーカー36の造影形状が周方向に変化している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管,消化器官,気管支管等の体内管状組織に挿入して用いられて挿入部位の観察や医療処置を行うカテーテルの一種であって、外部からの圧力流体の供給/排出によって膨張/収縮するバルーンを備えたバルーンカテーテルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、血管や管状器官等の体内管状組織に対して検査や治療等を行うための医療器具の一種としてカテーテルが用いられているが、その一種として、外部からの圧力流体の供給/排出によって膨張/収縮するバルーンを備えたバルーンカテーテルが知られている。バルーンカテーテルは、カテーテルの遠位端側に袋状のバルーンが設けられており、このバルーン内にカテーテルの近位端側から圧力流体を送入することにより、バルーンが膨らむようになっている。
【0003】
そして、このバルーンカテーテルは、例えば、狭窄血管に挿入して血管内でバルーンを膨らませることにより狭窄部位を押し広げる治療や、血管内でバルーンを膨らませてその表面に付着させた薬剤を血管の治療部位に塗布する治療に用いられる。また、表面に切除刃を設けたバルーンを血管の狭窄部位で膨らませて血栓等を切除することも検討されているし、血管内にステントを留置する際にステント内でバルーンを膨らませてステントを押し広げることにより血管に押し付けるのにも用いられている。
【0004】
ところで、血管等における治療部位は、直線状だけでなく湾曲している場合もある。湾曲した治療部位に対して上述の如きバルーンカテーテルを用いた治療を行うために、例えば特許文献1(特開2003−320031号公報)に示されているような、湾曲形状に膨らむバルーンも提案されている。このバルーンは、末梢の屈曲病変を主な対象として開発されているようだが、ステントを湾曲形状に変形させて、血管等の湾曲形状に応じた形に癖付けするための屈曲バルーンの開発も望まれている。
【0005】
しかしながら、カテーテルによる治療は、施術部位を直接に目視して行われるものではないことから、展開前のバルーンをカテーテル本体の周方向で特定の向きに定めることが難しい。それ故、従来では、バルーンの湾曲方向が血管の湾曲方向と違った場合にバルーンに及ぼされる血管への当接圧力が偏在することに基づいてバルーンが血管からの反力を受け、正規方向に自動的に回転することを期待して施術されていたに過ぎない。ところが、血管やバルーンの状態によっては血管内でのバルーンの回転がスムーズに生じないおそれがあり、また、バルーンと血管の湾曲方向が真逆になると当接圧力の偏在が殆ど無くなって血管内でのバルーンの回転が発生しないことも考えられる。このような理由から、湾曲形状のバルーンでは、血管の湾曲方向とは異なる方向に湾曲した状態で膨らんでしまうおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−320031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、バルーンを体内管状組織に対して適切な向きに合わせて、体内管状組織の湾曲方向に則した適切な方向で湾曲するように膨らませることができる、新規な構造のバルーンカテーテルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、ガイドワイヤが挿通されるガイドワイヤ用ルーメンが形成されたカテーテル本体に対して、その遠位端側にバルーンが外挿状態で取り付けられていると共に、該ガイドワイヤ用ルーメンの近位端側から該バルーンに対して圧力流体を供給及び吸引する給排路が形成されているバルーンカテーテルにおいて、前記バルーンには、前記給排路を通じての前記圧力流体の供給によって長さ方向で湾曲して膨らむ湾曲部が設けられており、前記カテーテル本体における該バルーンが外挿された部分には、長さ方向の両端部分と該湾曲部が外挿された部分とにそれぞれ造影マーカーが設けられていると共に、該造影マーカーの造影形状が周方向に変化していることを特徴とする。
【0009】
第1の態様によれば、造影マーカーがカテーテル本体においてバルーンが外挿された部分の長さ方向両端部分に装着されている。それ故、X線透視等によって両端部分の造影マーカーを確認することにより、バルーンの両端位置を把握することができて、バルーンが血管の狭窄部位等の治療すべき部位に挿通されているか否かを容易に判別することができる。
【0010】
また、カテーテル本体には、両端部分に加えて湾曲部に対応する部分にも造影マーカーが装着されている。それ故、バルーンが湾曲した形状に膨張する際に、造影マーカーの配列を確認することによって、バルーンの湾曲方向を容易に特定することができる。即ち、バルーンの湾曲方向が透視方向に対して手前側或いは奥側の場合には、両端部分の造影マーカーと湾曲部の造影マーカーが同一直線上に整列する。一方、バルーンの湾曲方向が上記の如き手前或いは奥側以外の場合には、両端部分の造影マーカーと湾曲部の造影マーカーが、バルーンの湾曲方向に沿った曲線上に配列される。それ故、それら造影マーカーの配列を透視することにより、バルーンの湾曲方向を速やかに特定することができて、バルーンを挿入される管体(血管等)の湾曲方向に合うように回転させることで、バルーンを管状器官に沿った湾曲形状に膨らませることができる。
【0011】
また、造影マーカーの造影形状自体が周方向で変化していることにより、造影マーカーの造影形状を確認することで、折り畳まれた状態でもバルーンの湾曲方向を判別することができる。これにより、バルーンを予め血管等の体内管状組織に沿った方向で湾曲するように位置決めした後で膨らませることができて、膨張したバルーンによって血管等が局所的に強く押圧されるのを防ぐことができる。
【0012】
以上のように、バルーンの湾曲方向が透視によって判別可能とされていることにより、バルーンの局所的な当接による血管等の損傷を回避することが可能となると共に、バルーンの表面の広い範囲を血管等に安定して押し当てて、目的とする治療(薬剤の塗布や血管における狭窄部位の拡張等)を有効に行うことができる。
【0013】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載のバルーンカテーテルにおいて、前記造影マーカーが前記カテーテル本体の外周面に外嵌されているものである。
【0014】
第2の態様によれば、造影マーカーをカテーテル本体に対して容易に取り付けることができる。なお、造影マーカーは、筒状とされていても良いし、C字断面等で形成されていても良く、カテーテル本体に対して外挿されて、或いは巻き付けられて、かしめ固定や接着、溶着等で固着されていても良い。
【0015】
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載のバルーンカテーテルにおいて、前記造影マーカーにおける長さ方向の寸法が前記バルーンの前記湾曲部における外周側と内周側で互いに異なっているものである。
【0016】
第3の態様によれば、造影マーカーの外周側と内周側の長さ方向寸法を異ならせるという簡単な構造によって、造影マーカーの造影形状を周方向で変化させて、バルーンの湾曲方向を判別可能とすることができる。
【0017】
本発明の第4の態様は、第3の態様に記載のバルーンカテーテルにおいて、前記造影マーカーの長さ方向端面が、前記カテーテル本体の中心軸に対して傾斜した傾斜面とされていることにより該造影マーカーにおける長さ方向の寸法が前記湾曲部の外周側と内周側で互いに異なっているものである。
【0018】
一方、本発明の第5の態様は、第3の態様に記載のバルーンカテーテルにおいて、前記造影マーカーの長さ方向端面の周上に段差が設けられていることにより該造影マーカーにおける長さ方向の寸法が外周側と内周側で互いに異なっているものである。
【0019】
これら第4,第5の態様によれば、長さ方向寸法がバルーンの湾曲部の外周側と内周側で互いに異なる造影マーカーを具体的且つ簡単な構造で形成することが可能となる。なお、第4,第5の態様における傾斜面や段差は、造影マーカーの長さ方向の一方の端部だけに形成されていても良いし、長さ方向の両端部に形成されていても良い。
【0020】
本発明の第6の態様は、第1〜第5の何れか一態様に記載のバルーンカテーテルにおいて、前記造影マーカーの造影形状が、前記湾曲部が透視方向に対して手前側に湾曲している場合と奥側に湾曲している場合とで異なっているものである。
【0021】
第6の態様によれば、造影マーカーの配列だけでは判別が難しい手前側への湾曲と奥側への湾曲とを、造影マーカーの造影形状によって判別することができる。これにより、バルーンが周方向のどちら向きに湾曲している場合でも、造影マーカーの配列と造影形状とを組み合わせることによって、湾曲方向を特定することができる。
【0022】
本態様において、好適には、カテーテル本体の長さ方向の複数箇所に装着された造影マーカーについて、その向きを判別可能な造影方向が互いに異なるように設定することができる。例えば、後述する第2の実施形態に示すように、カテーテル本体の長さ方向の両端部分と中央部分との3箇所に造影マーカーが装着される場合に、両端部分の造影マーカーによってバルーンを側方から造影した場合の内周側と外周側を判別可能とする一方、中央部分の造影マーカーによってバルーンを正面又は背面から造影した場合の正面(内周)側と背面(外周)側を判別可能としても良い。
【0023】
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れか一態様に記載のバルーンカテーテルであって、前記造影マーカーが、前記カテーテル本体における前記バルーンの外挿部分の長さ方向の両端部分と中央部分とにそれぞれ装着されていると共に、該造影マーカーとして、軸方向の少なくとも一方の端面が中心軸に対して斜めに切断された傾斜端面とされた筒状体が用いられており、且つ該中央部分に装着された造影マーカーの該傾斜端面が該両端部分に装着された造影マーカーの該傾斜端面に対して中心軸回りで90度異なる方向に向けられているものである。
【0024】
本態様によれば、造影マーカーの造影像に基づいてバルーンの位置や湾曲方向を一層容易に確認することが可能となる。特に、バルーンの長さ方向の中央部分と両端部分にそれぞれ設けられた造影マーカーの造影像の相対的な相違によって、バルーンの湾曲方向を一層正確に認識することが出来る。なお、本態様の造影マーカーとしては、例えば、後述する第2の実施形態に示すように軸方向両側が傾斜端面とされて側面視が略等脚台形状となる筒状体を採用することが出来る。より好適には、後述する第3の実施形態に示すように軸方向一方が傾斜端面とされると共に軸方向他方が軸直角方向の切断端面とされて側面視が略不等脚台形状となる筒状体が採用される。
【0025】
本発明の第8の態様は、第1〜第7の何れか一態様に記載のバルーンカテーテルであって、体内の管状器官に内挿されて留置されたステントを湾曲形状に変形するために用いられるステント変形用のものである。
【0026】
第8の態様によれば、血管等の管状器官内に留置された直線的な筒状のステントを、管状器官本来の湾曲形状に合わせて癖付けすることで、管状器官に対してステントの当接圧が局所的に作用するのを防ぐことができる。それ故、ステントの当接による血管等の損傷を回避することができて、安全性の確保が実現される。
【0027】
しかも、湾曲形状のバルーンを管状器官に対して周方向で位置決めして膨らませることにより、ステントを目的とする形状に変形することができると共に、バルーンの膨張時にステントの管状器官に対する当接圧が上昇するのを抑えることができて、管状器官ひいては患者への負担を軽減することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、湾曲形状のバルーンを備えたバルーンカテーテルにおいて、透視によるバルーンの湾曲方向の判別が可能とされていることにより、血管等の管状器官における湾曲部分に用いる際に、バルーンが血管等の湾曲方向とは異なる向きに湾曲して膨らむのを回避できる。その結果、血管等に過大な押圧力が作用するのを防いで、患者への負担を軽減できると共に、目的とする治療を有効に且つ確実に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施形態としてのバルーンカテーテルを示す全体概略図。
【図2】図1に示されたカテーテルの先端部縦断面図であって、図3におけるII−II断面図。
【図3】図2におけるIII−III断面図。
【図4】図1に示されたカテーテルの先端部側面図であって、(a)がバルーンの展開前を、(b)がバルーンの展開後を、それぞれ示す。
【図5】図1に示されたカテーテルに用いられる造影マーカーの斜視図。
【図6】本発明の第2の実施形態としてのバルーンカテーテルの要部を拡大して示す図。
【図7】本発明の第3の実施形態としてのバルーンカテーテルの要部構造をモデル的に示す説明図。
【図8】本発明の第4の実施形態としてのバルーンカテーテルに用いられる造影マーカーの斜視図。
【図9】本発明の第5の実施形態としてのバルーンカテーテルの先端部縦断面図であって、図10のIX−IX断面図。
【図10】図9におけるX−X断面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0031】
先ず、図1には、本発明の第1の実施形態としてのバルーンカテーテル10が示されている。バルーンカテーテル10は、長尺のカテーテル本体12を備えており、カテーテル本体12の基端(近位端)側には、把持部を兼ねたハブ14が設けられている。そして、カテーテル本体12の先端(遠位端)側を人体の手首や大腿部から血管に挿し入れて、冠動脈等の治療部位まで到達させた状態で人体から露出したハブ14側での操作により、後述するステント38の狭窄部位への配設等の処置を施すようになっている。
【0032】
より詳細には、カテーテル本体12は、挿入対象となる血管に挿入可能な太さと、目的とする治療部位まで達する長さを有している。また、血管に沿って湾曲可能な軟質材料によって形成されており、例えばポリアミドやポリ塩化ビニル,ポリウレタン,ポリイミド,ポリエチレン,ポリエチレンエラストマー,ポリプロピレン,ポリテトラフルオロエチレン,ポリエーテルエーテルケトン,ポリフッ化ビニリデン等の合成樹脂材料、ステンレス鋼,ニッケル−チタン合金等の金属材料及びこれらの組み合わせによって形成されたものが好適に採用される。
【0033】
また、カテーテル本体12は、それぞれ長尺チューブ状とされた内シャフト16と外シャフト17によって形成されており、外シャフト17が互いに直列的に形成されたディスタールシャフト18,ポートシャフト19,メインシャフト21によって構成されている。また、内シャフト16がディスタールシャフト18の中央孔に挿通されていると共に、内シャフト16の遠位端がディスタールシャフト18の遠位端から軸方向で突出している。更に、内シャフト16の遠位端側には、遠位端側に向かって縮径する略筒状とされた先端チップ20が直列的に取り付けられている。なお、外シャフト17は、近位端側から順にメインシャフト21,ポートシャフト19,ディスタールシャフト18で構成されている。また、メインシャフト21の近位端には、環状乃至は筒状のストレインリリーフ23が外挿されており、メインシャフト21の近位端での変形(折曲り)が防止されている。
【0034】
また、図2〜4に示されているように、内シャフト16の内部には、長さ方向に延びるガイドワイヤ用ルーメン22が形成されている。このガイドワイヤ用ルーメン22は、内シャフト16の近位端から遠位端に至るまで略一定の断面形状をもって連続して形成されている。また、ガイドワイヤ用ルーメン22は、内シャフト16の遠位端に開口している一方、内シャフト16の近位端側において、ポートシャフト19の遠位端に形成されたポート24を通じて外部に連通されている。
【0035】
そして、このガイドワイヤ用ルーメン22には、ガイドワイヤ26が抜差可能に挿通されている。要するに、ガイドワイヤ26が内シャフト16に挿通されており、その遠位端が内シャフト16の遠位端から突出していると共に、近位端がポートシャフト19のポート24から外部に取り出されている。
【0036】
かかるガイドワイヤ26は、内シャフト16の内径より径が小さく、内シャフト16を含むカテーテル本体12の挿入に先立って、予め血管に差し入れられる。その後、体外に突出したガイドワイヤ26の端部がカテーテル本体12の先端部に挿入されて、カテーテル本体12の遠位端を構成するディスタールシャフト18がガイドワイヤ26に沿って血管内に挿し入れられることで、カテーテル本体12の先端が目的とする処置部位の近くまでスムーズに挿入される。なお、メインシャフト21には、環状の深度マーカー27が外挿固定されており、ディスタールシャフト18およびポートシャフト19の体内への挿入量が目視によって容易に把握されるようになっている。
【0037】
また、内シャフト16とディスタールシャフト18の径方向間には、調圧用ルーメン28が形成されている。即ち、内シャフト16の外径寸法がディスタールシャフト18の内径寸法よりも小さくされており、それらの間に環状の隙間が形成されている。そして、該隙間を利用して、調圧用ルーメン28が形成されている。この調圧用ルーメン28は、近位端がポートシャフト19の中央孔とメインシャフト21の中央孔を通じて図示しない圧力流体の給排装置に接続されている。要するに、調圧用ルーメン28とポートシャフト19およびメインシャフト21の中央孔を利用して、本実施形態における給排路が形成されている。
【0038】
また、カテーテル本体12の遠位端側には、バルーン30が取り付けられている。バルーン30は、薄膜で形成された略筒形袋状であって、ディスタールシャフト18から突出した内シャフト16の遠位端部分を取り囲むように配置されており、ポリアミド,ポリエチレン,ポリエチレンエラストマー,ポリウレタン等の可撓性を有する軟質の合成樹脂や、ゴム膜等によって形成されている。
【0039】
また、バルーン30の近位端がディスタールシャフト18の遠位端に溶着等により固着されて、バルーン30の内部空間が調圧用ルーメン28に連通されている一方、バルーン30の遠位端が、内シャフト16の遠位端および先端チップ20の近位端の各外周面に溶着されている。そして、ハブ14に接続された図示しない圧力流体の給排装置によって、圧力流体が、カテーテル本体12の近位端側から調圧用ルーメン28を通じてバルーン30の内部空間に対して供給/排出されるようになっている。これにより、バルーン30内の圧力が調整されて、バルーン30の膨張と収縮が制御されるようになっている。なお、バルーン30に供給される圧力流体としては、硫酸バリウム又はヨウ素を主成分とする造影剤や生理食塩水等の液体だけでなく、空気,炭酸ガス,酸素等の気体も採用され得る。
【0040】
また、バルーン30は、図4(b)に示されているように、長さ方向の略全体に亘る湾曲部34を有しており、圧力流体の供給によって全体として弧状に湾曲した形状で膨らむ、所謂バナナバルーンとされている。なお、湾曲部34は、図4(a)に示されているように、圧力流体が送入される前の収縮状態において直線的な形状に折り畳まれており、圧力流体の送入による加圧に伴って湾曲変形するようになっているが、収縮状態において予め湾曲形状で形成されていても良い。
【0041】
このようにバルーン30が湾曲していることにより、血管にバルーンカテーテル10を挿入してバルーン30を血管内で膨らませる際に、バルーン30を血管の湾曲方向に沿って曲がるように配置することができて、バルーン30の膨張による当接圧が血管に対して局所的に作用するのを回避することができる。それ故、血管の損傷や変形を抑えて、安全且つ有効な治療が実現される。
【0042】
また、内シャフト16には、複数の造影マーカー36が外嵌されている。造影マーカー36は、図5に示されているように、内シャフト16の外径寸法に対応した内径寸法を有する略円筒形状の金具であって、白金とイリジウムの合金等、X線不透過性の金属で形成されている。
【0043】
かかる造影マーカー36は、内シャフト16におけるバルーン30の外挿部分に装着されている。より具体的には、内シャフト16のディスタールシャフト18から突出した部分においてバルーン30の近位端に近い位置に、造影マーカー36aが取り付けられていると共に、内シャフト16においてバルーン30の遠位端に近い位置に、造影マーカー36bが取り付けられている。更に、バルーン30における湾曲部34の長さ方向略中央には、造影マーカー36cが取り付けられている。そして、これら造影マーカー36a,36b,36cの位置をX線透視(X線透過像をモニタ等に表示して確認するX線テレビシステムを用いた透視)で確認することにより、収縮状態とされたバルーン30の血管内での位置を把握することができる。なお、造影マーカー36は、カテーテル本体12のバルーン30に挿入された部分、換言すれば、カテーテル本体12におけるバルーン30が外挿された部分である内シャフト16に装着されており、バルーン30の内周側に配されている。
【0044】
さらに、造影マーカー36は、軸方向両端面が径方向一方向に向かって軸方向の中央側に傾斜するテーパ状とされていることにより、軸方向寸法が周方向で変化している。これにより、径方向での造影形状が周方向で変化するようになっており、バルーン30の湾曲方向(図1中の上下方向)に対して略直交する方向(図1中の紙面直交方向)での造影形状が横転した等脚台形とされている。
【0045】
そして、造影マーカー36は、軸方向寸法の小さい側がバルーン30の湾曲方向内側となるように装着されており、バルーン30の湾曲方向に対して直交する方向における造影マーカー36の造影形状を確認することで、収縮状態においてバルーン30の湾曲方向を判別することが可能となっている。即ち、バルーン30の湾曲方向に対して直交する方向における造影マーカー36の造影形状において、軸方向寸法の小さい側がバルーン30の湾曲方向内側となっている。
【0046】
このような本実施形態に従う構造とされたバルーンカテーテル10では、カテーテル本体12に対して3つの造影マーカー36a,36b,36cが取り付けられている。これにより、それら3つの造影マーカー36a,36b,36cの配列を確認することによって、バルーン30の湾曲方向を特定することができる。即ち、長さ方向両端に取り付けられた造影マーカー36aと造影マーカー36bとを結んだ直線に対して、長さ方向中間に取り付けられた造影マーカー36cは、外周側にずれた位置に確認されることから、バルーン30の湾曲方向を特定することができる。それ故、造影マーカー36の造影形状が判別し難いような場合にも、バルーン30を膨らませる際に速やかに湾曲方向を特定することが可能である。
【0047】
また、バルーン30の周方向での位置決めは、軸方向両端面をテーパ状とされた筒状の造影マーカー36を採用して、X線透視によって造影マーカー36の造影形状を確認することによっても実現される。これによれば、バルーン30の展開前にバルーン30の周方向での向きが特定されることから、バルーン30を予め血管の湾曲方向に沿うように位置決めすることができる。
【0048】
また、造影マーカー36は、略筒状とされており、軸方向の長さ寸法が周方向に変化していることによって造影形状に基づいて周方向の向きが特定されるようになっている。このように、本実施形態では、極めて簡単な構造の造影マーカー36を用いて、バルーン30の周方向での位置決めを実現することができる。更に、造影マーカー36がカテーテル本体12に外挿されて嵌着固定されており、造影マーカー36をカテーテル本体12の任意の部位に容易に装着することができる。
【0049】
ところで、このような造影マーカー36を有するバルーンカテーテル10は、例えば、曲げ剛性が高く血管形状適合性の低いステント38を、血管に対応する湾曲形状に変形するために用いられる。ステント38は、ステンレス,タンタル,コバルト合金,ニッケル−チタン合金等の金属を材料とする網目筒状のものであって、線材を編み込んだり、筒体をレーザーカットして網目状とすることにより形成される。また、ステント38は、バルーン拡張型であって、直線形状のバルーンを備えたバルーンカテーテルに外挿されて血管の狭窄部分に挿入された後、バルーンの膨張によって拡径変形されて、血管の狭窄部分を押し広げた状態に保持するようになっている。更に、ステント38は、その態様として、例えば、薬剤溶出ステントやベアメタルステント(薬剤なし)等が挙げられる。ステント38が薬剤溶出ステントであれば、上記金属の表面に薬剤が塗布されており、血管の再狭窄を抑制する効果等が期待できる。なお、図4(b)中では、ステント38が2点鎖線で示されていると共に、管状器官としての血管(39)の断面が1点鎖線で示されている。
【0050】
かくの如き直線的なステント38が血管内に留置された状態で、バルーンカテーテル10がステント38の内周側に挿入される。そして、調圧用ルーメン28を通じて圧力流体がバルーン30に送入されてバルーン30が弧状に膨らむことにより、ステント38がバルーン30で押圧されてバルーン30に沿った湾曲形状に整形される。
【0051】
このバルーン30は、予め血管の狭窄部分に応じた湾曲形状に膨らむようになっていることから、ステント38の剛性に起因する血管の変形が解消されて、血管が初期の湾曲形状に保持された状態で血管における狭窄部分の拡径が実現される。
【0052】
このように、本実施形態に従う構造とされたバルーンカテーテル10をステント38の変形用として採用することで、金属で形成されたステント38によって血管の湾曲部分が本来とは異なる直線形状に伸ばされるのを防止できて、不要な外力が作用することによる血管の損傷を回避することができる。
【0053】
また、バルーンカテーテル10では、ステント38の内周側への挿入時に、造影マーカー36の造影形状によって周方向での向きを確認することができる。これにより、バルーン30が周方向で位置決めされて、血管の湾曲形状に対応するように湾曲した形状に膨張する。それ故、ステント38が血管の湾曲方向に沿った適当な湾曲形状に変形されると共に、バルーン30の膨張過程においてステント38が必要以上に強く血管に押し付けられるのを回避することができる。
【0054】
また、造影マーカー36は、前記第1の実施形態に示されているように、バルーン30の内周側と外周側で長さが相互に異なるように装着されていても良いが、図6に示された本発明の第2の実施形態のように、図6の紙面直交方向両側の長さが相互に異なるように装着されていても良い。これによれば、バルーン30の湾曲方向が、透視方向に対して手前側或いは奥側である場合に、手前側に湾曲している場合と奥側に湾曲している場合とで造影マーカー36の造影形状が異なることから、バルーン30の湾曲方向を特定することができる。それ故、バルーン30がどのような向きで血管に挿入されていても、3つの造影マーカー36a,36b,36cの配列と、それら造影マーカー36a,36b,36cの造影形状とによって、バルーン30の湾曲方向をX線透視で把握することができる。なお、図6には、第2の実施形態に従う構造とされたバルーンカテーテルの要部が拡大して示されている。また、前記第1の実施形態と実質的に同一の部位および部材については、図中に同一の符号を付すことで説明を省略する。また、図6において、バルーン30は、突出先端側(図6中、右側)に行くに従って図6中の下方に湾曲している。
【0055】
さらに、3つの造影マーカー36a,36b,36cのうちで、例えば、造影マーカー36aと造影マーカー36bを前記第1の実施形態の方向で装着すると共に、造影マーカー36cを第1の実施形態の装着方向から90°回転させた方向で装着すること等も可能である。これによれば、透視方向に対して手前側或いは奥側以外の方向に湾曲する場合には、造影マーカー36a,36bの造影形状によって予め湾曲方向を特定することが可能となる。一方、透視方向に対して手前側或いは奥側に湾曲する場合には、造影マーカー36cの造影形状によって予め湾曲方向を特定することが可能となる。
【0056】
また、このように3つの造影マーカーを採用するに際しては、例えば図7に要部概略構造が示されている第3の実施形態としてのバルーンカテーテルがより好適に構成され得る。なお、図7には、[初期位置]を基準として、そこから内シャフト16を中心軸回りで90度ずつ回転させた状態が示されており、各回転位置において外観を示す「目視」の図とX線で透視した「造影」の図とが併せ示されている。
【0057】
すなわち、かかるバルーンカテーテルには、内シャフト16におけるバルーン(図示省略)の装着位置に対して、長さ方向の両端近くと中央部分とに合計3つの造影マーカー36d,36e,36fが外挿状態で嵌着固定されている。各造影マーカー36d,36e,36fは、中空の円筒体の一端を軸直角方向に切断し且つ他端を斜め方向に切断した形状のものである。また、内シャフト16の長さ方向両側に装着した造影マーカー36d,36eに対して、内シャフト16の長さ方向中央に装着した造影マーカー36fが、周方向で90度相対回転させられている。要するに、造影マーカー36d,36eは、斜め方向の切断端面が長さ方向の同じ側で且つ同じ方向に傾斜する状態で装着されている一方、中央の造影マーカー36fは、斜め方向の切断端面が長さ方向の同じ側に位置しているが、他の造影マーカー36d,36eとは異なる方向に傾斜(中心軸回りで90度異なる方向に傾斜)して装着されているのである。
【0058】
このような3つの造影マーカー36d,36e,36fを装着することにより、内シャフト16の周方向位置ひいてはバルーンの湾曲方向を、X線での造影像によって確認することが可能となる。特に本実施形態では、一端だけを斜めに切断した軸方向非対称の造影マーカー36d,36e,36fを採用したことにより、図7の[初期位置]での左右両側の造影マーカー36d,36eのように側方からの造影像が不等脚台形となって、目視確認が一層容易になる。
【0059】
次に、図8には、本発明の第4の実施形態としてのバルーンカテーテルに用いられる造影マーカー40が示されている。造影マーカー40は、第1の実施形態の造影マーカー40と同様のX線非透過性材料で形成されていると共に、全体として略円筒形状を有している。
【0060】
また、造影マーカー40は、軸方向一方の側が略円形断面(略円筒形状)を有していると共に、軸方向他方の側が略半円形断面(略半円筒形状)を有している。即ち、本実施形態の造影マーカー40は、円筒形状から全体の略1/4が切り取られた切欠部41を有する形状とされている。換言すれば、造影マーカー40には、一方の端面から長さ方向の略中央まで至る部分において、周上で直径線上に位置する部分に段差42,42が設けられており、この段差42,42に対する一方の半周部分が切除されている。
【0061】
これにより、造影マーカー40は、長さ方向寸法が半周ずつ異なる2段階に設定されており、径方向一方向両側での造影形状が互いに略同一の長方形を呈すると共に、該径方向一方向に対して直交する径方向両側での造影形状が互いに線対称の異なる形状を呈するようになっている。
【0062】
このような構造の造影マーカー40は、前記第1の実施形態と同様に、内シャフト16に外嵌されている。その際、造影マーカー40は、バルーン30の湾曲部34における湾曲方向内周側に造影マーカー40の切欠部41が位置するように装着されている。要するに、造影マーカー40は、軸方向寸法の大きい部分がバルーン30の湾曲部34における外周側に位置すると共に、軸方向寸法の小さい部分がバルーン30の湾曲部34における内周側に位置するように取り付けられる。
【0063】
これにより、切欠部41が血管の湾曲方向内周側に位置するようにバルーン30を周方向に位置決めしてステント38の内腔に挿入することにより、バルーン30を血管に沿って湾曲するように膨らませることができて、ステント38が血管における配設部位と対応した湾曲形状に変形される。
【0064】
このように、バルーン30を血管に対して周方向に位置決めできる造影マーカーは、軸直角方向の投影形状から造影マーカーの方向を特定することができるようになっていれば良く、切欠きや切抜き,凹部,突起等によって位置決め可能とされた構造が、何れも採用され得る。
【0065】
図9,10には、本発明の第5の実施形態としてのバルーンカテーテル50の要部が示されている。バルーンカテーテル50は、シャフトとしてのカテーテル本体52を備えている。
【0066】
カテーテル本体52は、第1の実施形態の内カテーテル本体52と同様の可撓性を有する材料で形成されており、小径長手状のチューブ構造とされている。このカテーテル本体52の遠位端側には、複数の造影マーカー36が外嵌されていると共に、バルーン30が外周側を取り囲むように配設されている。なお、バルーン30は、長さ方向両端部が、何れもカテーテル本体52の外周面に固着されており、カテーテル本体52の外周面とバルーン30の内周面との間に圧力流体の導入領域が形成されている。
【0067】
また、カテーテル本体52の内部には、それぞれ長さ方向に延びるガイドワイヤ用ルーメン54と給排路としての調圧用ルーメン56が形成されている。ガイドワイヤ用ルーメン54は、略一定の楕円形断面でカテーテル本体52を長さ方向に貫通している。そして、ガイドワイヤ用ルーメン54には、ガイドワイヤ26が挿通されている。
【0068】
調圧用ルーメン56は、ガイドワイヤ用ルーメン54と並列的に設けられており、カテーテル本体52の遠位端側の端面までは至らない長さで形成されている。また、調圧用ルーメン56の遠位端側の端部には、径方向に延びる連通孔58が形成されており、調圧用ルーメン56がバルーン30内に連通されている。これにより、圧力流体がカテーテル本体52の近位端側から調圧用ルーメン56を通じてバルーン30内に供給/排出されて、バルーン30が膨張/収縮されるようになっている。
【0069】
このように、カテーテル本体は、必ずしも二重筒構造を有している必要はなく、ガイドワイヤ用ルーメン54と調圧用ルーメン56を並列的に有するカテーテル本体52によって構成されていても良い。なお、ガイドワイヤ用ルーメン54及び調圧用ルーメン56の何れからも独立してそれらと並列的に延びる投薬用ルーメンを追加形成したトリプルルーメン構造のカテーテル本体を採用することもできる。
【0070】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、造影マーカーは、カテーテル本体におけるバルーンの近位端,遠位端,湾曲部中央を含んだ4箇所以上に取り付けられていても良い。このように、より多くの造影マーカーを取り付けることによって、バルーンおよびカテーテル本体の湾曲形状をより詳細に把握することが可能となる。
【0071】
また、前記各実施形態に示された造影マーカーの形状は、特に限定されるものではなく、例えば、外周面上で突出する部分的な突起を設けても良いし、径方向に貫通する孔を設けても良い。また、造影マーカーは、筒状に限定されるものではなく、例えば、線状やチップ状とされてカテーテル本体に埋設されていても良い。その場合には、内周側と外周側に互いに異なる形状の造影マーカーを埋設する他に、同一形状の造影マーカーを異なるピッチで複数配置することによって内周側と外周側の造影形状を異ならせることもできる。
【0072】
さらに、造影マーカーは、必ずしも固体ではなくても良く、例えば、液体やゲル状の造影剤がカテーテル本体に塗布或いは封入されることによって、造影マーカーが形成されていても良い。
【0073】
また、バルーンは、必ずしも長さ方向の中間部分で部分的に湾曲しているものに限定されるものではなく、長さ方向の全長に亘って湾曲しているものや、弧上で曲率が変化しているもの等も含む。また、部分的に複数箇所で湾曲している場合には、それら複数箇所の湾曲部が互いに異なる方向に湾曲していたり、互いに異なる曲率で湾曲していても良い。
【0074】
また、前記実施形態では、本発明が適用されたラピッドエクスチェンジタイプ(RX型)のカテーテルについて説明したが、本発明はオーバーザワイヤタイプ(OTW型)のカテーテルにも適用され得る。
【符号の説明】
【0075】
10:バルーンカテーテル、12,52:カテーテル本体、16:内シャフト、22,54:ガイドワイヤ用ルーメン、28,56:調圧用ルーメン(給排路)、30:バルーン、34:湾曲部、36,40:造影マーカー、38:ステント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドワイヤが挿通されるガイドワイヤ用ルーメンが形成されたカテーテル本体に対して、その遠位端側にバルーンが外挿状態で取り付けられていると共に、該ガイドワイヤ用ルーメンの近位端側から該バルーンに対して圧力流体を供給及び吸引する給排路が形成されているバルーンカテーテルにおいて、
前記バルーンには、前記給排路を通じての前記圧力流体の供給によって長さ方向で湾曲して膨らむ湾曲部が設けられており、前記カテーテル本体における該バルーンが外挿された部分には、長さ方向の両端部分と該湾曲部が外挿された部分とにそれぞれ造影マーカーが設けられていると共に、該造影マーカーの造影形状が周方向に変化していることを特徴とするバルーンカテーテル。
【請求項2】
前記造影マーカーが前記カテーテル本体の外周面に外嵌されている請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項3】
前記造影マーカーにおける長さ方向の寸法が前記バルーンの前記湾曲部における外周側と内周側で互いに異なっている請求項1又は2に記載のバルーンカテーテル。
【請求項4】
前記造影マーカーの長さ方向端面が、前記カテーテル本体の中心軸に対して傾斜した傾斜面とされていることにより該造影マーカーにおける長さ方向の寸法が前記湾曲部の外周側と内周側で互いに異なっている請求項3に記載のバルーンカテーテル。
【請求項5】
前記造影マーカーの長さ方向端面の周上に段差が設けられていることにより該造影マーカーにおける長さ方向の寸法が外周側と内周側で互いに異なっている請求項3に記載のバルーンカテーテル。
【請求項6】
前記造影マーカーの造影形状が、前記湾曲部が透視方向に対して手前側に湾曲している場合と奥側に湾曲している場合とで異なっている請求項1〜5の何れか1項に記載のバルーンカテーテル。
【請求項7】
前記造影マーカーが、前記カテーテル本体における前記バルーンの外挿部分の長さ方向の両端部分と中央部分とにそれぞれ装着されていると共に、
該造影マーカーとして、軸方向の少なくとも一方の端面が中心軸に対して斜めに切断された傾斜端面とされた筒状体が用いられており、且つ該中央部分に装着された造影マーカーの該傾斜端面が該両端部分に装着された造影マーカーの該傾斜端面に対して中心軸回りで90度異なる方向に向けられている請求項1〜6の何れか1項に記載のバルーンカテーテル。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項に記載のバルーンカテーテルであって、体内の管状器官に内挿されて留置されたステントを湾曲形状に変形するために用いられるステント変形用のバルーンカテーテル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−24329(P2012−24329A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−165757(P2010−165757)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【出願人】(000135036)ニプロ株式会社 (583)
【Fターム(参考)】