説明

パイプの切断と面取り加工機

【課題】 パイプの切断と面取り加工の工具に関し小口径パイプから大口径パイプの加工が容易に出来るようにし、また、集塵機能を具備する事を課題とする。
【解決手段】 ローラーフレームの中心より外れた位置と両端にローラーを設け、その内側ローラー端部軸中心付近に近づくように摺動移動可能に設置されたディスクカッター固定ブラケットにディスクカッターを固定し、これを内側ローラー端部のローラー軸方向に摺動移動してディスクカッターの刃物とパイプとを接触させパイプの切断と面取り加工が出来るようにし、このとき面取り幅の調整が出来るよう面取り幅調整棒を具備し、これに一体となる集塵機能を設けた、パイプの切断と面取り加工機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、作業現場に於いてパイプの切断と面取り加工を行う作業用工具に関するものであり、パイプの小口径から大口径に至るまでの使用を可能にし、また、集塵機能を備えたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パイプ切断の現場作業に於いては、ディスクカッターや丸鋸等の電動工具や手鋸などでパイプを切断しているが、この場合切断する位置に線をけがかなければ真っ直ぐに切る事は出来ず、また、面取り加工も容易ではなかった。このためディスクカッターをローラー架台に取り付けたパイプ切断機などが使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−117532
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記の切断機に於いては、ローラー架台横部より支柱が突出しているためローラー架台の幅より大きな径のパイプを切断することは出来ない。また、パイプの接続作業を容易にするためにパイプの切断外面を面取りする必要があるが、この場合に於いても面取り幅の調整が難しい。
【0005】
また、切断や面取りをした場合に粉塵が発生するが、その粉塵の回収が容易ではなく、市販の掃除機の吸引口をつないで集塵する場合もあるが、配管作業工事現場で使用するには使いにくく持ち運びも困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような問題を解決するための請求項1の発明は、ローラーフレームの中心より外れた位置と両端部にローラーを常設し、その内側ローラー端部の軸中心付近に近づくように摺動移動出来るようにしたディスクカッター固定用ブラケットを設け、これにディスクカッターを固定し、回転ハンドルを回転操作して下方向に摺動移動しディスクカッター刃物をパイプに接触させてパイプの切断と面取り作業を行うが、このとき、ディスクカッター固定用ブラケットが任意の位置で停止出来るように面取り幅調整棒を設けることにより、安定した切断と面取り作業が簡単に出来るようになる。
【0007】
また、パイプの口径別の加工方法は図1に示すようにローラーA1とローラーB2の間に小口径パイプP1を接触させて小口径パイプP1の加工を行い、また、ローラーB2とローラーC3の間に中口径パイプP2を接触させて中口径パイプP2の加工を行い、また、ローラーA1とローラーC3の間に大口径パイプP3を接触させて大口径パイプP3の加工を行う。
【0008】
請求項2の発明はパイプの切断と面取り時に発生する粉塵の回収に関するものである。
【0009】
これは、ディスクカッターの切断ディスクと面取り刃物を覆う安全カバーを粉塵を誘導する集塵筒と一体構造とし、その集塵筒の後部に集塵袋を設けて集塵し、これを簡単に着脱出来るようにする。
【0010】
切断及び面取りの粉塵は、ディスクカッターの高速回転により遠心力が発生するため、刃物の外周部へ吹き飛び集塵筒に誘導されて集塵袋に入るが、これをより効果的に集塵袋方向に導く為に、面取り用刃物を風車状に加工し風圧を発生させて効率良く集塵する事もできる。
【発明の効果】
【0011】
本発明により小口径のパイプから大口径のパイプに至るまでの切断と面取りの加工がこの機械一台だけで容易に出来るようになり、また、集塵機能も具備しているので作業現場での使用が簡単になり、作業効率を上げることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1はパイプの口径別による本発明機械の設置方法の説明図であるが、まず小口径パイプP1の加工に於いてはローラーフレーム4に設置されたローラーA1とローラーB2に小口径パイプP1を接触させて加工を行い、中口径パイプP2の加工はローラーB2とローラーC3に中口径パイプP2を接触させて加工を行い、大口径パイプP3の加工はローラーA1とローラーC3に大口径パイプP3を接触させて行う。
【0013】
図3に示すように、ローラーフレーム4に取り付けられた左右のスライドレール5に摺動移動可能に設置したディスクカッターブラケット6を、回転ハンドル7を右回転して下方向に摺動させ、ディスクカッターの切断ディスクをパイプに接触させる。この摺動時に回転プレート8が面取り幅調整棒9を自動的に押し下げていくので、パイプと接触したディスクカッターの切断ディスク及び面取り刃物で、パイプの切り込み及び面取り幅を目視確認し、ロックハンドル10を締め付けて面取り幅調整棒9を固定する。後はパイプを回転させて切断及び面取り加工を行う。
【0014】
加工が終了したら機械をパイプから降ろし、回転ハンドル7を左回転して元の位置に戻すが、このとき面取り幅調整棒9はロックハンドル10で固定されていて先程の位置を保持しているので、次に同径のパイプの加工を行うときには先程の面取り幅と同じ幅で安定して加工する事が出来る。
また、サイズの違うパイプの加工を行う場合は、ロックハンドル10をゆるめると面取り幅調整棒9が上外部に設けたスプリングにより自動的に上方向に持ち上がり初期状態になるので、簡単に面取り幅の調整が出来る。
【0015】
切断面取り作業時に発生する粉塵の集塵方法であるが、図2に示す集塵筒11を矢印方向の集塵筒取り付けプレート12に差し込んで固定ねじ13で締め付けることにより簡単に着脱出来る。
【0016】
上記のようにディスクカッターが摺動移動する事で小径パイプから大径パイプまでの加工が容易に出来るようになり、また、集塵筒の着脱が簡単なため排出された粉塵の回収も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】 ディスクカッターを取り外した状態の左側面図
【図2】 集塵筒の着脱状態を示す左後方斜視図
【図3】 本発明の全体を示す斜視図
【符号の説明】
【0018】
P1 小口径パイプ
P2 中口径パイプ
P3 大口径パイプ
1 ローラーA
2 ローラーB
3 ローラーC
4 ローラーフレーム
5 スライドレール
6 ディスクカッターブラケット
7 回転ハンドル
8 回転プレート
9 面取り幅調製棒
10 ロックハンドル
11 集塵筒
12 集塵筒取り付けプレート
13 固定ねじ
14 集塵袋
15 ディスクカッター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラーフレームの中心より外れた位置と両端にローラーを設け、内側ローラー端部軸中心付近へ近づくように摺動移動可能に設置されたディスクカッター固定ブラケットにディスクカッターを固定し、これを内側ローラー端部のローラー軸方向に摺動移動してディスクカッターの刃物とパイプとを接触させパイプの切断と面取り加工が出来るようにし、このとき面取り幅の調整が出来るように面取り幅調整棒を具備した、パイプの切断と面取り加工機。
【請求項2】
ディスクカッターの切断ディスクと面取り刃物を覆う安全カバーを集塵筒と一体構造とし、これを簡単に着脱することが出来るようにしてディスクカッターの横部に設け、ディスクカッターの切断ディスクと面取刃物の遠心力を利用して切断と面取りによる粉塵を集塵筒に誘導し、集塵筒の後部に設置された集塵袋に集塵出来るようにした、請求項1記載のパイプの切断と面取り加工機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2007−301709(P2007−301709A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−155344(P2006−155344)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【出願人】(592071277)
【Fターム(参考)】