パイプの接続構造
【課題】 固定部材の通路に対して他の通路や他の部材を近接配置できるパイプの接続構造の提供を図る。
【解決手段】パイプ30と固定部材21とを備える。パイプ30は、パイプ本体30aと、パイプ本体30aの先端部30bから径外方向に突設された円鍔部31と、を有する。固定部材21は、パイプ30の先端部30bが挿入される通路22と、通路22の開口端23に形成され前記パイプ30の円鍔部31を収容する凹部24と、凹部24の周壁部の少なくとも一部であって内周側に変形加工されることで円鍔部31に圧着する圧着部26とを有する。圧着部26は、通路22の中心C1に対して非対称であり、圧着部26からの圧着力を総和した力Faの方向へ向けてパイプ先端部30bがずれることを防止するズレ防止手段31bを備える。
【解決手段】パイプ30と固定部材21とを備える。パイプ30は、パイプ本体30aと、パイプ本体30aの先端部30bから径外方向に突設された円鍔部31と、を有する。固定部材21は、パイプ30の先端部30bが挿入される通路22と、通路22の開口端23に形成され前記パイプ30の円鍔部31を収容する凹部24と、凹部24の周壁部の少なくとも一部であって内周側に変形加工されることで円鍔部31に圧着する圧着部26とを有する。圧着部26は、通路22の中心C1に対して非対称であり、圧着部26からの圧着力を総和した力Faの方向へ向けてパイプ先端部30bがずれることを防止するズレ防止手段31bを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロックなどの固定部材に対するパイプの接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両用空調装置の技術分野では、コンプレッサ、コンデンサ、リキッドタンク、膨張弁、エバポレータなどに配管が接続されている(例えば特許文献1〜3参照)。
【0003】
かかる従来のパイプの接続構造は、パイプ本体の先端部から径外方向に突設された円鍔部を有するパイプと、パイプが固定される固定部材と、を備える。固定部材は、前記パイプの先端部が挿入される通路と、前記通路の開口端に形成され前記パイプの円鍔部を収容する凹部と、凹部の周壁部であって内周側に変形加工されることで前記円鍔部に被せられる圧着部と、を備える。つまり、円鍔部が凹部底面と圧着部とに狭持され、パイプが固定部材に固定される。いずれの従来技術でも、圧着部が円鍔部の囲むように全周に設けられている。
【特許文献1】特許第2591388号公報
【特許文献2】特開平7−329549号公報
【特許文献3】特開平5−141580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら前記従来技術では、凹部の周壁部の全周を変形加工して圧着部としているため、圧着部を加工するための加工工具を配置する関係上、通路の凹部の近傍には他の通路の凹部や、その他の部材を配置できない不都合があった。
【0005】
本発明は、前記従来技術をもとに為されたものであって、固定部材の通路に対して他の通路や他の部材を近接配置できるパイプの接続構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
研究の結果、本願発明者は、パイプを固定する通路を複数隣接配置したり、パイプを固定する通路の周囲に他の部材を隣接配置するために、周壁部の全周を圧着部とはせずに、周壁部の一部を変形させずに残しておくことを想い至った。そしてこのとき、単に周壁部の一部を変形させずに残しておくと、通路中心に対して非対称に形成された圧着部の圧着力の総和は、通路中心から径方向外方に向けて作用するので、通路とパイプ先端部とクリアランスが不均一になり通路とパイプ先端部との間のシール性が低下する可能性があることを突き止めた。
そこで、本発明は、パイプ本体と、前記パイプ本体の先端部から径外方向に突設された円鍔部と、を有するパイプと、前記パイプの先端部が挿入される通路と、前記通路の開口端に形成され前記パイプの円鍔部を収容する凹部と、前記凹部の周壁部の少なくとも一部であって内周側に変形加工されることで前記円鍔部に圧着する圧着部と、を有する固定部材と、を備えたパイプの接続構造であって、
前記圧着部は、前記通路の中心に対して非対称であり、
前記圧着部の圧着力を総和した方向へ前記パイプ先端部がズレることを防止するズレ防止手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のパイプの接続構造によれば、凹部の周壁部のうち一部を加工しないことで、他の部材を近接配置することが可能となる。このとき圧着部の圧着力の総和は、パイプ先端部が通路中心からズレるような方向に作用する。しかしながら、本発明では、圧着力を総和した方向へパイプの先端部がずれることを防止するズレ防止手段を備えるため、通路とパイプ先端部とクリアランスが大きく不均一にならずに通路とパイプ先端部との間のシール性が維持される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
第1実施形態:以下、図1〜図9を基に第1実施形態を説明する。
【0010】
図1〜図4は第1実施形態のパイプの接続構造を示す。
【0011】
第1実施形態のパイプの接続構造は、図1に示すように、固定部材としての膨張弁20ブロック21に形成された2本の通路22に対して、冷媒を流すためのパイプ30をそれぞれ接続した構造である。
【0012】
図2〜4は、図1のパイプの接続構造の拡大図である。
【0013】
図2〜4に示すように、パイプ30は、パイプ本体30aと、パイプ30の先端部30bから径外方向に突設された円鍔部31と、を備える。パイプ30の先端部30bにはシール部材としてのOリング32が装着されている。
【0014】
一方、ブロック21は、パイプ30の先端部30bとほぼ同径に形成され且つ先端部30bが挿入された通路22と、通路22の開口端23で通路22より大径に形成され且つパイプ30の円鍔部31を収容する凹部24と、凹部24の周壁部25のうち工具(この例では刃具40)により内側に変形されて円鍔部31に被せられる圧着部26と、を備える。つまり、凹部底面24aと圧着部26との間に円鍔部31が狭持されて、これによりパイプ30がブロック21に固定される。
【0015】
通路22および凹部24は、同心円で形成されている。また、パイプ本体30aおよびパイプ先端部30bおよび円鍔部31は、同心円で形成されている。なお、符号C1は通路22の中心線、符号C2は凹部24の中心線、符号C3はパイプ本体30aの中心線、符号C4はパイプ先端部30bの中心線、符号C5は円鍔部31の中心線である。
【0016】
本実施形態では、図2および図4に示すように、凹部24の周壁部25のうち一部25nは加工されずにそのまま残されて、圧着部26が通路中心線C1に対して非対称形状となっている。これにより、図1に示すように、切り残した部分25nにおいては、他の部材(この例では他の通路22)を隣接させることができる。
【0017】
円鍔部31の下面31b(すなわち円鍔部31の凹部底面24a側の面)は、パイプ先端部30bの中心線C4および円鍔部31の中心線C5を中心としたテーパ状の傾斜面として構成されている。傾斜面31bは、パイプ30先端側に向けて先細り、つまり、通路22側に向けて先細りになっている。また、凹部底面24aも円鍔部31のテーパ状の傾斜面31bに対応した傾斜面27を備える(図5参照)。
【0018】
以下、上記パイプの接続構造を得るためのパイプの接続方法を説明する。
【0019】
まず、本パイプの接続方法に用いる刃具40を図8、9を参照しつつ説明する。
【0020】
刃具40は、円周方向の一部に切欠部43を有する環状の刃部41を有する。刃部41は、図9に示すように、円筒体の外周に中心軸線Lに平行な外周面41aを有し、円筒体の内周に中心軸線l1に対して傾斜する傾斜面41cを有する。外周面41aと傾斜面41cとの交点である刃部41の刃先41bは、僅かの肉厚tをもっている。傾斜面41cは、所定曲率R(曲率中心41eは刃先41bと同じ高さ位置に設定)の凹状に湾曲している。
【0021】
なお、本発明にあっては、傾斜面41cは直線状であっても良くまた凸状に湾曲していてもよいが、図8、9の刃具40のように傾斜面41cが凹円弧状に湾曲しているほうが、圧着部26を円鍔部31に沿って変形できて確実な圧着状態を得られるので好適である。
【0022】
次に、接続工程を図5〜7を参照しつつ説明する。
【0023】
まず、所定形状のパイプ30とブロック21とを所定形状に加工しておく。具体的には、図5に示すように、直線状のパイプ(母材)の先端部に円鍔部31を加工するとともに、ブロック(母材)に通路22および凹部24を加工しておく。
【0024】
次に、ブロック21に対して、パイプ30を接続する。具体的には図6に示すように、ブロック21の通路22の開口端23にパイプ30の先端を挿入して、パイプ30の先端外周に嵌合したOリング32を通路22の内周に圧接させると共に、凹部24にパイプ30の円鍔部31を収容する。このとき、凹部24の内周面24bとパイプ30の円鍔部31の外周面との間には、パイプ30を挿入できるように若干のクリアランスが存在する。そして、その状態で図6→図7に示すように、刃具40で接続加工を行う。即ち、凹部24の周壁部25の上端面25aに、刃具40の環状刃部41を押圧入し、これにより、凹部24の周壁部25を外側から内側に向けて薄肉状に切り離しながら同時内側に曲げ変形させて円鍔部31に被せる。曲げ変形されて円鍔部31に被せられた圧着部26により、パイプ30がブロック21に対して固定接続される。結果、図2〜4に示すパイプの接続構造が得られる。
【0025】
ここで、本実施形態では、刃部41が切欠部43を有するため、つまり周壁部のうち変形加工されない部分25nがあるため、図2および図4に示すように、圧着部26の圧着力を総和した力Faは、通路中心C1から径方向外側に向いている。すなわち、パイプ先端部30bには、パイプ先端部30bが通路中心C1からズレるような力が働いている。しかしながら本実施形態では「ズレ防止手段」としての円鍔部31下面の傾斜面31bにより、パイプ先端部30bが通路中心C1にセンタリングされる。これにより、パイプ先端部30bと通路22内周面との間のクリアランスは大きく不均一になることなく、パイプ先端部30bと通路22内周面との間のOリング32のシール性が維持される。
【0026】
効果
以下、本実施形態の効果をまとめる。
【0027】
第1に、本実施形態のパイプの接続構造は、凹部24の周壁部25のうち一部25nを加工せずに圧着部26を非対称とすることで通路22に対して他の部材(この例では他の通路22)を近接配置できる。
【0028】
第2に、本実施形態のパイプの接続構造は、圧着部26から円鍔部31への圧着力を総和した力Faの方向へ、パイプ先端部30bがズレることを防止するズレ防止手段(この例では傾斜面31b)を備える。そのため、通路22内周面とパイプ先端部30bとクリアランスが大きく不均一にならずに通路22内周面とパイプ先端部30bとの間のシール性が維持される。
【0029】
第3に、本実施形態のパイプの接続構造では、ズレ防止手段は、円鍔部31下面の傾斜面31bである。そのため、簡素な構造でズレ防止手段を構成できる。
【0030】
第4に、本実施形態のパイプの接続構造では、凹部底面24aは、円鍔部31下面の傾斜面31bと対向して該傾斜面31bを受ける傾斜面27を備える。そのため、パイプ先端部30bの芯ズレをより確実に防止できる。
【0031】
第5に、本実施形態は、刃具40によりブロック21の凹部24の周壁部25をその外周側から薄肉状に切り離しつつ内側に曲げ変形させて、周壁部25を円鍔部31に被せて圧着する。そのため、従来(例えば特許文献1〜3)のようにエンドミルなどの切削工具でブロック21の表面を予め切削して円柱状の周壁部を削り出しておく必要がない。従って、エンドミルによる大量切削加工が不要になることで、製造費が大幅に削減される。また、エンドミル加工が不要であるため、図1のように複数の通路22が隣接する場合に、エンドミル径によるレイアウトの制限を受けない利点がある。
【0032】
以下、その他の実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同一または類似の構成については同一符号を付してその構成および作用効果の説明を省略する。
【0033】
第2実施形態および第3実施形態の「ズレ防止手段」は、凹部内周面24bのうち圧着力を総和した力Faの方向側の一般面から、圧着力を総和した力faの方向とは逆側へ突出する突出部(54bおよび62)である。
【0034】
第2実施形態:図10〜12は第2実施形態のパイプの接続構造を示す。図10および図11中、符号25mは周壁部25のうち変形加工される部分に対応し、符号25nは周壁部25のうち変形加工されずに残される部分に対応する。
【0035】
第2実施形態では、周壁部25の変形加工されない部分25nに孔部51が設けられ、この孔部51に嵌込部材53が嵌合されている。嵌合部材53は円柱状の本体部と本体部から突出する突出片54とを備え、突出片54が、孔部51と凹部24とを連通するスリット部52を通じて前記凹部24の内周面24bから内側に突出している。突出片54のうち内周面24から突出する部分54a(突出部)は、凹部内周面24bのうち圧着力を総和した力faの方向側の一般面から圧着力を総和した力faの方向とは逆側へ突出している。これにより、突出部54aは、圧着力を総和した力Faの方向へ向けてパイプ先端部30bがズレることを防止する「ずれ防止手段」となる。
【0036】
以上のように、第2実施形態においても「ズレ防止手段」を備えるため、第1実施形態と同様に、通路22とパイプ先端部30bとクリアランスが大きく不均一にならずに通路22とパイプ先端部30bとの間のOリング32のシール性が維持される。
【0037】
また、第2実施形態では「ズレ防止手段」が嵌込部材53の突出片54により構成されるため、簡素な構造で「ズレ防止手段」を構成できる。
【0038】
第3実施形態:図13〜図15は第3実施形態のパイプの接続構造を示す。第3実施形態では、第2実施形態と同様に、凹部内周面24bから圧着力を総和した力faの方向とは逆側へ突出している突出部(この例では隆起部62)を備える点で同様であるが、突出部が、凹部24の周壁部25の上面をパンチングした際に凹部内周面24bから隆起する隆起部62である点で第2実施形態と異なる。なお、符号61は打撃跡を示す。
【0039】
第3実施形態によれば、第2実施形態と同様に凹部内周面24bから圧着力を総和した力faの方向とは逆側へ突出する突出部62を備えるため、第2実施形態と同様の効果が得られる。また、第3実施形態によれば、第2実施形態と異なり、孔部51を設けたり嵌込部材53を用意する必要がないため、製造コストの点で第2実施形態よりも有利である。また、孔部51に嵌込部材53を嵌め込む構造よりも、通路22に他の部材を近接させやすい利点がある。
【0040】
次に、第4〜第6実施形態を説明する。第4〜第6実施形態では、凹部内周面と鍔部外周面との間のクリアランスを、圧着部の圧着力を総和した力の方向側で小さくできるように、円鍔部が凹部に対して偏心しているかまたは凹部が円鍔部に対して偏心している。
【0041】
第4実施形態:図16〜図18は第3実施形態のパイプの接続構造を示す。第4実施形態では、「ズレ防止手段」が通路中心C1に対して圧着力を総和した力Faの方向とは逆側に偏心した凹部24Dである。第4実施形態によれば、凹部内周面24bと円鍔部31の外周面との間のクリアランスが、圧着力を総和した力Faの方向側で小さくなり、パイプ先端部30bのズレが防止される。
【0042】
第5実施形態:図19〜図21は第5実施形態のパイプの接続構造を示す。第5実施形態では「ズレ防止手段」がパイプ先端部20bの中心C4に対して圧着力を総和した力Faの方向側に偏心した円鍔部31Dである。第5実施形態によれば、凹部内周面24bと円鍔部31の外周面との間のクリアランスが、圧着力を総和した力Faの方向側で小さくなり、パイプ先端部30bのズレが防止される。
【0043】
第6実施形態:なお、円鍔部31Dがパイプ先端部20bの中心C4に対して圧着力を総和した力Faの方向側に偏心していれば、例えば図22〜24に示す第6実施形態のように、パイプ先端部20bの中心C4に対してパイプ本体20aの中心C3および円鍔部31の中心C5が偏心している構造であっても、第5実施形態と同様の効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】第1実施形態のパイプの接続構造を適用した膨張弁を示す側面図。
【図2】図1中のパイプの接続構造の側面図。
【図3】図2中A−A線に沿う断面図。
【図4】図2中B−B線に沿う断面図。
【図5】第1実施形態のパイプの接続構造を得るための接続工程を説明する図であって、パイプを固定部材に挿入する前の状態を示す図。
【図6】第1実施形態のパイプの接続構造を得るための接続工程を説明する図であって、パイプを固定部材に挿入した状態を示す図。
【図7】第1実施形態のパイプの接続構造を得るための接続工程を説明する図であって、圧着部の加締工程中を示す図。
【図8】図7の加締工程に用いる刃具の斜視図。
【図9】図8の刃具の刃部の部分拡大断面図。
【図10】第2実施形態のパイプの接続構造を説明する図であって、パイプの挿入前のブロックの側面図。
【図11】第2実施形態のパイプの接続構造を説明する図であって、パイプの挿入前のブロックの分解斜視図。
【図12】第2実施形態のパイプの接続構造を示す側面図。
【図13】第3実施形態のパイプの接続構造を説明する図であって、パイプの挿入前のブロックの側面図。
【図14】第3実施形態のパイプの接続構造を説明する図であって、パイプの挿入前のブロックの斜視図。
【図15】第3実施形態のパイプの接続構造を示す側面図。
【図16】第4実施形態のパイプの接続構造を説明する図であって、パイプの挿入前のブロックの側面図。
【図17】第4実施形態のパイプの接続構造を説明する図であって、パイプの挿入前のブロックの断面図。
【図18】第4実施形態のパイプの接続構造を説明する図であって、パイプを挿入した状態の断面図。
【図19】第4実施形態のパイプの接続構造の断面図。
【図20】第5実施形態のパイプの接続構造を説明する図であって、パイプの挿入前の断面図。
【図21】第5実施形態のパイプの接続構造を説明する図であって、パイプの挿入状態の断面図。
【図22】第5実施形態のパイプの接続構造を示す断面図。
【図23】第6実施形態のパイプの接続構造を説明する図であって、パイプの挿入前の断面図。
【図24】第6実施形態のパイプの接続構造を説明する図であって、パイプの挿入状態の断面図。
【図25】第6実施形態のパイプの接続構造を示す断面図。
【符号の説明】
【0045】
21…ブロック(固定部材)
22…通路
23…開口端
24…凹部
24a…凹部底面
24b…凹部内周面
25…周壁部
25n…変形加工しない部分
26…圧着部
27…傾斜面
30…パイプ
30a…パイプ本体
30b…先端部
31…円鍔部
31b…下面(傾斜面、ズレ防止手段)
31D…円鍔部(ズレ防止手段)
32…Oリング
54a…突出部(ズレ防止手段)
62…突出部(隆起部、ズレ防止手段)
C1…通路の中心
C2…凹部の中心
C3…パイプ本体の中心
C4…パイプ先端部の中心
C5…円鍔部の中心
Fa…圧着力の総和
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロックなどの固定部材に対するパイプの接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両用空調装置の技術分野では、コンプレッサ、コンデンサ、リキッドタンク、膨張弁、エバポレータなどに配管が接続されている(例えば特許文献1〜3参照)。
【0003】
かかる従来のパイプの接続構造は、パイプ本体の先端部から径外方向に突設された円鍔部を有するパイプと、パイプが固定される固定部材と、を備える。固定部材は、前記パイプの先端部が挿入される通路と、前記通路の開口端に形成され前記パイプの円鍔部を収容する凹部と、凹部の周壁部であって内周側に変形加工されることで前記円鍔部に被せられる圧着部と、を備える。つまり、円鍔部が凹部底面と圧着部とに狭持され、パイプが固定部材に固定される。いずれの従来技術でも、圧着部が円鍔部の囲むように全周に設けられている。
【特許文献1】特許第2591388号公報
【特許文献2】特開平7−329549号公報
【特許文献3】特開平5−141580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら前記従来技術では、凹部の周壁部の全周を変形加工して圧着部としているため、圧着部を加工するための加工工具を配置する関係上、通路の凹部の近傍には他の通路の凹部や、その他の部材を配置できない不都合があった。
【0005】
本発明は、前記従来技術をもとに為されたものであって、固定部材の通路に対して他の通路や他の部材を近接配置できるパイプの接続構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
研究の結果、本願発明者は、パイプを固定する通路を複数隣接配置したり、パイプを固定する通路の周囲に他の部材を隣接配置するために、周壁部の全周を圧着部とはせずに、周壁部の一部を変形させずに残しておくことを想い至った。そしてこのとき、単に周壁部の一部を変形させずに残しておくと、通路中心に対して非対称に形成された圧着部の圧着力の総和は、通路中心から径方向外方に向けて作用するので、通路とパイプ先端部とクリアランスが不均一になり通路とパイプ先端部との間のシール性が低下する可能性があることを突き止めた。
そこで、本発明は、パイプ本体と、前記パイプ本体の先端部から径外方向に突設された円鍔部と、を有するパイプと、前記パイプの先端部が挿入される通路と、前記通路の開口端に形成され前記パイプの円鍔部を収容する凹部と、前記凹部の周壁部の少なくとも一部であって内周側に変形加工されることで前記円鍔部に圧着する圧着部と、を有する固定部材と、を備えたパイプの接続構造であって、
前記圧着部は、前記通路の中心に対して非対称であり、
前記圧着部の圧着力を総和した方向へ前記パイプ先端部がズレることを防止するズレ防止手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のパイプの接続構造によれば、凹部の周壁部のうち一部を加工しないことで、他の部材を近接配置することが可能となる。このとき圧着部の圧着力の総和は、パイプ先端部が通路中心からズレるような方向に作用する。しかしながら、本発明では、圧着力を総和した方向へパイプの先端部がずれることを防止するズレ防止手段を備えるため、通路とパイプ先端部とクリアランスが大きく不均一にならずに通路とパイプ先端部との間のシール性が維持される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
第1実施形態:以下、図1〜図9を基に第1実施形態を説明する。
【0010】
図1〜図4は第1実施形態のパイプの接続構造を示す。
【0011】
第1実施形態のパイプの接続構造は、図1に示すように、固定部材としての膨張弁20ブロック21に形成された2本の通路22に対して、冷媒を流すためのパイプ30をそれぞれ接続した構造である。
【0012】
図2〜4は、図1のパイプの接続構造の拡大図である。
【0013】
図2〜4に示すように、パイプ30は、パイプ本体30aと、パイプ30の先端部30bから径外方向に突設された円鍔部31と、を備える。パイプ30の先端部30bにはシール部材としてのOリング32が装着されている。
【0014】
一方、ブロック21は、パイプ30の先端部30bとほぼ同径に形成され且つ先端部30bが挿入された通路22と、通路22の開口端23で通路22より大径に形成され且つパイプ30の円鍔部31を収容する凹部24と、凹部24の周壁部25のうち工具(この例では刃具40)により内側に変形されて円鍔部31に被せられる圧着部26と、を備える。つまり、凹部底面24aと圧着部26との間に円鍔部31が狭持されて、これによりパイプ30がブロック21に固定される。
【0015】
通路22および凹部24は、同心円で形成されている。また、パイプ本体30aおよびパイプ先端部30bおよび円鍔部31は、同心円で形成されている。なお、符号C1は通路22の中心線、符号C2は凹部24の中心線、符号C3はパイプ本体30aの中心線、符号C4はパイプ先端部30bの中心線、符号C5は円鍔部31の中心線である。
【0016】
本実施形態では、図2および図4に示すように、凹部24の周壁部25のうち一部25nは加工されずにそのまま残されて、圧着部26が通路中心線C1に対して非対称形状となっている。これにより、図1に示すように、切り残した部分25nにおいては、他の部材(この例では他の通路22)を隣接させることができる。
【0017】
円鍔部31の下面31b(すなわち円鍔部31の凹部底面24a側の面)は、パイプ先端部30bの中心線C4および円鍔部31の中心線C5を中心としたテーパ状の傾斜面として構成されている。傾斜面31bは、パイプ30先端側に向けて先細り、つまり、通路22側に向けて先細りになっている。また、凹部底面24aも円鍔部31のテーパ状の傾斜面31bに対応した傾斜面27を備える(図5参照)。
【0018】
以下、上記パイプの接続構造を得るためのパイプの接続方法を説明する。
【0019】
まず、本パイプの接続方法に用いる刃具40を図8、9を参照しつつ説明する。
【0020】
刃具40は、円周方向の一部に切欠部43を有する環状の刃部41を有する。刃部41は、図9に示すように、円筒体の外周に中心軸線Lに平行な外周面41aを有し、円筒体の内周に中心軸線l1に対して傾斜する傾斜面41cを有する。外周面41aと傾斜面41cとの交点である刃部41の刃先41bは、僅かの肉厚tをもっている。傾斜面41cは、所定曲率R(曲率中心41eは刃先41bと同じ高さ位置に設定)の凹状に湾曲している。
【0021】
なお、本発明にあっては、傾斜面41cは直線状であっても良くまた凸状に湾曲していてもよいが、図8、9の刃具40のように傾斜面41cが凹円弧状に湾曲しているほうが、圧着部26を円鍔部31に沿って変形できて確実な圧着状態を得られるので好適である。
【0022】
次に、接続工程を図5〜7を参照しつつ説明する。
【0023】
まず、所定形状のパイプ30とブロック21とを所定形状に加工しておく。具体的には、図5に示すように、直線状のパイプ(母材)の先端部に円鍔部31を加工するとともに、ブロック(母材)に通路22および凹部24を加工しておく。
【0024】
次に、ブロック21に対して、パイプ30を接続する。具体的には図6に示すように、ブロック21の通路22の開口端23にパイプ30の先端を挿入して、パイプ30の先端外周に嵌合したOリング32を通路22の内周に圧接させると共に、凹部24にパイプ30の円鍔部31を収容する。このとき、凹部24の内周面24bとパイプ30の円鍔部31の外周面との間には、パイプ30を挿入できるように若干のクリアランスが存在する。そして、その状態で図6→図7に示すように、刃具40で接続加工を行う。即ち、凹部24の周壁部25の上端面25aに、刃具40の環状刃部41を押圧入し、これにより、凹部24の周壁部25を外側から内側に向けて薄肉状に切り離しながら同時内側に曲げ変形させて円鍔部31に被せる。曲げ変形されて円鍔部31に被せられた圧着部26により、パイプ30がブロック21に対して固定接続される。結果、図2〜4に示すパイプの接続構造が得られる。
【0025】
ここで、本実施形態では、刃部41が切欠部43を有するため、つまり周壁部のうち変形加工されない部分25nがあるため、図2および図4に示すように、圧着部26の圧着力を総和した力Faは、通路中心C1から径方向外側に向いている。すなわち、パイプ先端部30bには、パイプ先端部30bが通路中心C1からズレるような力が働いている。しかしながら本実施形態では「ズレ防止手段」としての円鍔部31下面の傾斜面31bにより、パイプ先端部30bが通路中心C1にセンタリングされる。これにより、パイプ先端部30bと通路22内周面との間のクリアランスは大きく不均一になることなく、パイプ先端部30bと通路22内周面との間のOリング32のシール性が維持される。
【0026】
効果
以下、本実施形態の効果をまとめる。
【0027】
第1に、本実施形態のパイプの接続構造は、凹部24の周壁部25のうち一部25nを加工せずに圧着部26を非対称とすることで通路22に対して他の部材(この例では他の通路22)を近接配置できる。
【0028】
第2に、本実施形態のパイプの接続構造は、圧着部26から円鍔部31への圧着力を総和した力Faの方向へ、パイプ先端部30bがズレることを防止するズレ防止手段(この例では傾斜面31b)を備える。そのため、通路22内周面とパイプ先端部30bとクリアランスが大きく不均一にならずに通路22内周面とパイプ先端部30bとの間のシール性が維持される。
【0029】
第3に、本実施形態のパイプの接続構造では、ズレ防止手段は、円鍔部31下面の傾斜面31bである。そのため、簡素な構造でズレ防止手段を構成できる。
【0030】
第4に、本実施形態のパイプの接続構造では、凹部底面24aは、円鍔部31下面の傾斜面31bと対向して該傾斜面31bを受ける傾斜面27を備える。そのため、パイプ先端部30bの芯ズレをより確実に防止できる。
【0031】
第5に、本実施形態は、刃具40によりブロック21の凹部24の周壁部25をその外周側から薄肉状に切り離しつつ内側に曲げ変形させて、周壁部25を円鍔部31に被せて圧着する。そのため、従来(例えば特許文献1〜3)のようにエンドミルなどの切削工具でブロック21の表面を予め切削して円柱状の周壁部を削り出しておく必要がない。従って、エンドミルによる大量切削加工が不要になることで、製造費が大幅に削減される。また、エンドミル加工が不要であるため、図1のように複数の通路22が隣接する場合に、エンドミル径によるレイアウトの制限を受けない利点がある。
【0032】
以下、その他の実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同一または類似の構成については同一符号を付してその構成および作用効果の説明を省略する。
【0033】
第2実施形態および第3実施形態の「ズレ防止手段」は、凹部内周面24bのうち圧着力を総和した力Faの方向側の一般面から、圧着力を総和した力faの方向とは逆側へ突出する突出部(54bおよび62)である。
【0034】
第2実施形態:図10〜12は第2実施形態のパイプの接続構造を示す。図10および図11中、符号25mは周壁部25のうち変形加工される部分に対応し、符号25nは周壁部25のうち変形加工されずに残される部分に対応する。
【0035】
第2実施形態では、周壁部25の変形加工されない部分25nに孔部51が設けられ、この孔部51に嵌込部材53が嵌合されている。嵌合部材53は円柱状の本体部と本体部から突出する突出片54とを備え、突出片54が、孔部51と凹部24とを連通するスリット部52を通じて前記凹部24の内周面24bから内側に突出している。突出片54のうち内周面24から突出する部分54a(突出部)は、凹部内周面24bのうち圧着力を総和した力faの方向側の一般面から圧着力を総和した力faの方向とは逆側へ突出している。これにより、突出部54aは、圧着力を総和した力Faの方向へ向けてパイプ先端部30bがズレることを防止する「ずれ防止手段」となる。
【0036】
以上のように、第2実施形態においても「ズレ防止手段」を備えるため、第1実施形態と同様に、通路22とパイプ先端部30bとクリアランスが大きく不均一にならずに通路22とパイプ先端部30bとの間のOリング32のシール性が維持される。
【0037】
また、第2実施形態では「ズレ防止手段」が嵌込部材53の突出片54により構成されるため、簡素な構造で「ズレ防止手段」を構成できる。
【0038】
第3実施形態:図13〜図15は第3実施形態のパイプの接続構造を示す。第3実施形態では、第2実施形態と同様に、凹部内周面24bから圧着力を総和した力faの方向とは逆側へ突出している突出部(この例では隆起部62)を備える点で同様であるが、突出部が、凹部24の周壁部25の上面をパンチングした際に凹部内周面24bから隆起する隆起部62である点で第2実施形態と異なる。なお、符号61は打撃跡を示す。
【0039】
第3実施形態によれば、第2実施形態と同様に凹部内周面24bから圧着力を総和した力faの方向とは逆側へ突出する突出部62を備えるため、第2実施形態と同様の効果が得られる。また、第3実施形態によれば、第2実施形態と異なり、孔部51を設けたり嵌込部材53を用意する必要がないため、製造コストの点で第2実施形態よりも有利である。また、孔部51に嵌込部材53を嵌め込む構造よりも、通路22に他の部材を近接させやすい利点がある。
【0040】
次に、第4〜第6実施形態を説明する。第4〜第6実施形態では、凹部内周面と鍔部外周面との間のクリアランスを、圧着部の圧着力を総和した力の方向側で小さくできるように、円鍔部が凹部に対して偏心しているかまたは凹部が円鍔部に対して偏心している。
【0041】
第4実施形態:図16〜図18は第3実施形態のパイプの接続構造を示す。第4実施形態では、「ズレ防止手段」が通路中心C1に対して圧着力を総和した力Faの方向とは逆側に偏心した凹部24Dである。第4実施形態によれば、凹部内周面24bと円鍔部31の外周面との間のクリアランスが、圧着力を総和した力Faの方向側で小さくなり、パイプ先端部30bのズレが防止される。
【0042】
第5実施形態:図19〜図21は第5実施形態のパイプの接続構造を示す。第5実施形態では「ズレ防止手段」がパイプ先端部20bの中心C4に対して圧着力を総和した力Faの方向側に偏心した円鍔部31Dである。第5実施形態によれば、凹部内周面24bと円鍔部31の外周面との間のクリアランスが、圧着力を総和した力Faの方向側で小さくなり、パイプ先端部30bのズレが防止される。
【0043】
第6実施形態:なお、円鍔部31Dがパイプ先端部20bの中心C4に対して圧着力を総和した力Faの方向側に偏心していれば、例えば図22〜24に示す第6実施形態のように、パイプ先端部20bの中心C4に対してパイプ本体20aの中心C3および円鍔部31の中心C5が偏心している構造であっても、第5実施形態と同様の効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】第1実施形態のパイプの接続構造を適用した膨張弁を示す側面図。
【図2】図1中のパイプの接続構造の側面図。
【図3】図2中A−A線に沿う断面図。
【図4】図2中B−B線に沿う断面図。
【図5】第1実施形態のパイプの接続構造を得るための接続工程を説明する図であって、パイプを固定部材に挿入する前の状態を示す図。
【図6】第1実施形態のパイプの接続構造を得るための接続工程を説明する図であって、パイプを固定部材に挿入した状態を示す図。
【図7】第1実施形態のパイプの接続構造を得るための接続工程を説明する図であって、圧着部の加締工程中を示す図。
【図8】図7の加締工程に用いる刃具の斜視図。
【図9】図8の刃具の刃部の部分拡大断面図。
【図10】第2実施形態のパイプの接続構造を説明する図であって、パイプの挿入前のブロックの側面図。
【図11】第2実施形態のパイプの接続構造を説明する図であって、パイプの挿入前のブロックの分解斜視図。
【図12】第2実施形態のパイプの接続構造を示す側面図。
【図13】第3実施形態のパイプの接続構造を説明する図であって、パイプの挿入前のブロックの側面図。
【図14】第3実施形態のパイプの接続構造を説明する図であって、パイプの挿入前のブロックの斜視図。
【図15】第3実施形態のパイプの接続構造を示す側面図。
【図16】第4実施形態のパイプの接続構造を説明する図であって、パイプの挿入前のブロックの側面図。
【図17】第4実施形態のパイプの接続構造を説明する図であって、パイプの挿入前のブロックの断面図。
【図18】第4実施形態のパイプの接続構造を説明する図であって、パイプを挿入した状態の断面図。
【図19】第4実施形態のパイプの接続構造の断面図。
【図20】第5実施形態のパイプの接続構造を説明する図であって、パイプの挿入前の断面図。
【図21】第5実施形態のパイプの接続構造を説明する図であって、パイプの挿入状態の断面図。
【図22】第5実施形態のパイプの接続構造を示す断面図。
【図23】第6実施形態のパイプの接続構造を説明する図であって、パイプの挿入前の断面図。
【図24】第6実施形態のパイプの接続構造を説明する図であって、パイプの挿入状態の断面図。
【図25】第6実施形態のパイプの接続構造を示す断面図。
【符号の説明】
【0045】
21…ブロック(固定部材)
22…通路
23…開口端
24…凹部
24a…凹部底面
24b…凹部内周面
25…周壁部
25n…変形加工しない部分
26…圧着部
27…傾斜面
30…パイプ
30a…パイプ本体
30b…先端部
31…円鍔部
31b…下面(傾斜面、ズレ防止手段)
31D…円鍔部(ズレ防止手段)
32…Oリング
54a…突出部(ズレ防止手段)
62…突出部(隆起部、ズレ防止手段)
C1…通路の中心
C2…凹部の中心
C3…パイプ本体の中心
C4…パイプ先端部の中心
C5…円鍔部の中心
Fa…圧着力の総和
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ本体(30a)と、パイプ本体(30a)の先端部(30b)から径外方向に突設された円鍔部(31、31B)と、を有するパイプ(30)と、
前記パイプ(30)の先端部(30b)が挿入される通路(22)と、前記通路(22)の開口端(23)に形成され前記パイプ(30)の円鍔部(31、31B)を収容する凹部(24)と、前記凹部(24)の周壁部の少なくとも一部であって内周側に変形加工されることで前記円鍔部(31)に圧着する圧着部(26)と、を有する固定部材(21)と、
を備えたパイプの接続構造であって、
前記圧着部(26)は、前記通路(22)の中心(C1)に対して非対称であり、
前記圧着部(26)の圧着力を総和した方向(Fa)へ前記パイプ先端部(30b)がズレることを防止するズレ防止手段(24D、31D、31b、54a、62)を備えることを特徴とするパイプの接続構造。
【請求項2】
請求項1に記載のパイプの接続構造であって、
前記ズレ防止手段(31b)は、前記円鍔部(31)の下面に設けられ且つ前記パイプ(30)の先端側に向けて傾斜するテーパ状の傾斜面(31b)あることを特徴とするパイプの接続構造。
【請求項3】
請求項2に記載のパイプの接続構造であって、
前記凹部(24)の底面(24a)が、前記通路(22)に向けて傾斜するテーパ状の傾斜面(27)を有することを特徴とするパイプの接続構造。
【請求項4】
請求項1に記載のパイプの接続構造であって、
前記ズレ防止手段(54a、62)は、前記凹部(24)の内周面(24b)から、前記圧着力を総和した方向(Fa)とは逆側へ突出する突出部(54a、62)であることを特徴とするパイプの接続構造。
【請求項5】
請求項1に記載のパイプの接続構造であって、
前記ズレ防止手段(24D)は、前記通路(22)の中心(C1)に対して前記圧着力を総和した方向(Fa)とは逆側に偏心した前記凹部(24D)であること特徴とするパイプの接続構造。
【請求項6】
請求項1に記載のパイプの接続構造であって、
前記ズレ防止手段(31D)は、前記パイプ先端部(30b)の中心(C4)に対して前記圧着力を総和した方向(Fa)側に偏心した前記円鍔部(31D)であることを特徴とするパイプの接続構造。
【請求項1】
パイプ本体(30a)と、パイプ本体(30a)の先端部(30b)から径外方向に突設された円鍔部(31、31B)と、を有するパイプ(30)と、
前記パイプ(30)の先端部(30b)が挿入される通路(22)と、前記通路(22)の開口端(23)に形成され前記パイプ(30)の円鍔部(31、31B)を収容する凹部(24)と、前記凹部(24)の周壁部の少なくとも一部であって内周側に変形加工されることで前記円鍔部(31)に圧着する圧着部(26)と、を有する固定部材(21)と、
を備えたパイプの接続構造であって、
前記圧着部(26)は、前記通路(22)の中心(C1)に対して非対称であり、
前記圧着部(26)の圧着力を総和した方向(Fa)へ前記パイプ先端部(30b)がズレることを防止するズレ防止手段(24D、31D、31b、54a、62)を備えることを特徴とするパイプの接続構造。
【請求項2】
請求項1に記載のパイプの接続構造であって、
前記ズレ防止手段(31b)は、前記円鍔部(31)の下面に設けられ且つ前記パイプ(30)の先端側に向けて傾斜するテーパ状の傾斜面(31b)あることを特徴とするパイプの接続構造。
【請求項3】
請求項2に記載のパイプの接続構造であって、
前記凹部(24)の底面(24a)が、前記通路(22)に向けて傾斜するテーパ状の傾斜面(27)を有することを特徴とするパイプの接続構造。
【請求項4】
請求項1に記載のパイプの接続構造であって、
前記ズレ防止手段(54a、62)は、前記凹部(24)の内周面(24b)から、前記圧着力を総和した方向(Fa)とは逆側へ突出する突出部(54a、62)であることを特徴とするパイプの接続構造。
【請求項5】
請求項1に記載のパイプの接続構造であって、
前記ズレ防止手段(24D)は、前記通路(22)の中心(C1)に対して前記圧着力を総和した方向(Fa)とは逆側に偏心した前記凹部(24D)であること特徴とするパイプの接続構造。
【請求項6】
請求項1に記載のパイプの接続構造であって、
前記ズレ防止手段(31D)は、前記パイプ先端部(30b)の中心(C4)に対して前記圧着力を総和した方向(Fa)側に偏心した前記円鍔部(31D)であることを特徴とするパイプの接続構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
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【図16】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2006−300292(P2006−300292A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−126790(P2005−126790)
【出願日】平成17年4月25日(2005.4.25)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月25日(2005.4.25)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】
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