説明

パケット・データ収束プロトコルにおける制御プロトコル・データ・ユニットの動作

【課題】PDCP状態および再設定メッセージの信頼性を保証する。
【解決手段】本発明の方法および装置は、無線通信におけるPDCP(Packet Data Control Protocol:パケット・データ制御プロトコル)状態およびPDCP再設定を、制御PDUの暗号化により適用されるセキュリティ保護を有することができる制御PDUを使用して、報告する。肯定応答されたモードに、または否定応答されたモードによる確認応答によって、PDCP状態および再設定メッセージの信頼性を保証することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project:第3世代パートナーシップ・プロジェクト)LTE(Long Term Evolution:長期進化型)プログラムに対する現時点の取り組みは、スペクトル効率の改善、待ち時間の削減、より速いユーザー体験をもたらすための無線リソースのより上手い利用、およびより少ないコストによるより豊かなアプリケーションおよびサービスを提供するために、新しいLTE設定および構成設定において、新技術、新しいアーキテクチャ、および新しい方法をもたらそうとしている。
【0003】
LTE PDCP(Packet Data Convergence Protocol:パケット・データ収束プロトコル)は現在、暗号化、整合性保護(Integrity Protection)、およびPDCP SDU(Service Data Unit:サービス・データ・ユニット) SN(Sequence Number:シーケンス番号)保守に関係する。PDCP Data(データ) PDU(Protocol Data Unit:プロトコル・データ・ユニット)が暗号化される一方、LTE仕様は、PDCP Control(制御) PDUの暗号化および整合性保護を考慮してはいない。
【0004】
ピア(peer)PDCPエンティティは、例えばハンドオーバーの間にPDCP−STATUS(状態)メッセージを交換可能である。PDCP−STATUSメッセージは、受信PDCPエンティティによって1つまたは複数のPDCP SDUが受信されているか否かを表す(すなわち、PDCP SDU SN(群)に対して肯定または否定応答を供給する)。PDCP−STATUSメッセージは、PDCP Control PDUを使用して送ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
PDCP動作は、既に以前のUMTS(Universal Mobile Telecommunication System:統合無線通信システム)の範疇を超えて展開されている。その結果、PDCP制御PDUは、通常動作管理タスクを調整することと同様に、特殊な動作を援助するために利用可能である。この目的を達成するために、PDCP Control PDU動作は、ピアPDCPエンティティの間のアクションを調整するために定義されかつ標準化される必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の方法および装置は、無線通信におけるPDCP(Packet Data Control Protocol:パケット・データ制御プロトコル)状態およびPDCP再設定を、制御PDUの暗号化により適用されるセキュリティ保護を有することができる制御PDUを使用して、報告する。肯定応答されたモードに、または否定応答されたモードによる確認応答に従って、PDCP状態および再設定メッセージの信頼性を保証することができる。
【0007】
添付された図面に関連して例として与えられる以下の記述から、より詳細な理解を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】暗号化および整合性保護の機能的エンティティを持つPDCPレイヤーを示すブロック図である。
【図2A】上りリンクおよび下りリンク・プロトコル状態メッセージおよび対応する状態応答メッセージに対するシグナリングを示す図である。
【図2B】上りリンクおよび下りリンク・プロトコル状態メッセージおよび対応する状態応答メッセージに対するシグナリングを示す図である。
【図3A】PDCP−STATUSメッセージの信頼性検査に対して使用されるPDCP/RLCレイヤー間ポーリング機構を示す図である。
【図3B】PDCP−STATUSメッセージの信頼性検査に対して使用されるPDCP/RLCレイヤー間ポーリング機構を示す図である。
【図4】PDCP−STATUSメッセージをトリガーするためのRRCプリミティブを示す図である。
【図5】PDCP−STATUSメッセージをトリガーするためのPDCP Polling(ポーリング)機構を示す図である。
【図6A】上りリンクおよび下りリンク・プロトコル再設定メッセージおよび対応する再設定応答メッセージに対するシグナリングを示す図である。
【図6B】上りリンクおよび下りリンク・プロトコル再設定メッセージおよび対応する再設定応答メッセージに対するシグナリングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
これ以後参照されると、用語「WTRU(Wireless Transmit Receive Unit:無線送受信ユニット)」は、限定的ではなく、UE(User Equipment:ユーザー設備)、移動端末、固定型または移動体の加入者ユニット、ページャー、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末)、コンピューター、または無線環境において動作する能力のある他の如何なる種別のユーザー・デバイスをも含む。これ以後参照されると、用語「基地局(base station)」は、限定的ではなく、ノードB(Node-B)、サイト制御装置、AP(Access Point:アクセス・ポイント)、または無線環境において動作する能力のある他の如何なる種別のインターフェイス・デバイスをも含む。
【0010】
本発明の実施形態においてPDCP Control PDUは、Uプレーン(User plane:ユーザー次元)かまたはCプレーン(Control plane:制御次元)かに拘わらずPDCPレイヤーにて暗号化される。暗号化のためのPDCP Control PDUの種別には、限定的ではなく、PDCP STATUS(状態)メッセージおよびPDCP RESET(再設定)メッセージが含まれる。RoHC(Robust Header Compression:頑強なヘッダー圧縮)フィードバック・パケットを、暗号化から除外することができる。
【0011】
図1は、C−plane PDCP Control PDU 102、C−plane PDCP Data PDU 103、U−plane PDCP Control PDU 104、およびU−plane PDCP Data PDU 105を処理するPDCPレイヤー101のブロック図を示す。暗号化/復号化エンティティ110は、PDCP PDU送信を暗号化し、そしてPDCP PDU受信を復号化するために使用される。暗号化/復号化エンティティ110は、C−plane PDCP Control PDU 102に対して、C−plane PDCP Data PDU 103に対して使用されるものと同一の暗号キー、暗号化アルゴリズム、および入力パラメータを使用することができる。同様に、U−plane PDCP Control PDU 104は、U−plane PDCP Data PDU 105に対するものと同一の、暗号化/復号化エンティティ110によって適用される暗号キー、暗号化アルゴリズム、および入力パラメータを有することができる。
【0012】
このようには共有されない可能性があるものの1つとして、暗号化シーケンスのCOUNTが含まれる。COUNT値は、HFN(Hyper-Frame Number:ハイパー・フレーム番号)を有する第1のフィールドおよびPDCP SN(Sequence Number:シーケンス番号)を有する第2のフィールドを含み、ここでU−plane PDCP Control PDU 104に対するSNは、U−plane PDCP Data PDU 105に対するものに対比して固有なシーケンスであることができる。その結果、固有なSNに関して、PDCP Control PDU 104のCOUNTシーケンスは、PDCP Data PDU 105のCOUNTシーケンスと異なるであろう。
【0013】
PDCP SNの維持に関しては、U−plane PDCP Control PDU 104は、無線ベアラ毎に個別のPDCP SNドメインを持つことができる。U−plane PDCP Control PDU 104はまた、個別のHFN、またはCOUNT値構造に対するMSB(Most Significant Bit:最上位ビット)を有することができる。PDCP Control PDUの、HFN、またはCOUNT値のMSBは、WTRUおよびE−UTRAN(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network:発展型UTRAN)において互いに初期化することができる。予め定義された初期化規則が、WTRUにおけるUSIM(UMTS Subscriber Identity Module)中の格納されたHFNシード値(seed value)に適用されることができる。HFNシード値はWTRUの電源断の際に、動作中のHFNから採られ、そしてUSIM中に保存される。WTRUに電源が再投入されると、この格納されたHFNシード値が取り出され、HFNを再初期化する。PDCP Control PDUに対するこの格納されたHFNシード値は、PDCP Data PDUに対して使用される格納された値と同一であるか、または異なっているかもしれない。例えば、同一の格納された値は、異なった初期化規則で使用されることができ、その後、PDCP Control PDUに対して格納された値に適用されることができるあろう:すなわち、
HFN=START+OFFSETPDCP Control PDU 式(1)
ここでSTARTは、PDCP Control PDUおよびPDCP Data PDUの両方に共通の格納されたHFNシード値である。
【0014】
あるいはU−plane PDCP Control PDU 104の、HFN、またはCOUNT値のMSBをゼロに設定するか、または、PDCP構成設定もしくはSecurity Command Mode設定の部分として、E−UTRANにより構成設定することができる。HFN、またはCOUNT値のMSBの歩進数(incrementation)は、固定的であるか、またはPDUのシーケンス番号値循環(wrap-around)にて適用することができる。循環歩進数(wrap-around incrementation)の例として、共にゼロに初期化された、5ビットのSNフィールドで連結された5ビットのHFNフィールドより成る10ビットのCOUNT値を考慮しよう。SNは、送信/受信PDU毎に0から1、2、...、31までの値にてインクリメント(歩進)する。別のPDUについては、「循環(wrap-around)」のときにSNは0に戻り、そしてHFNは2進の桁上げとして1だけインクリメントされる。
【0015】
図1に戻って、PDCPレイヤー101は整合性保護/検証エンティティ111を含み、整合性保護/検証エンティティ111はC−plane PDCP Data PDU 103に対して使用されるのと同一の方法によりC−plane PDCP Control PDU 102を処理する。C−plane Control PDU 102の送信の間、整合性保護エンティティ111は、セキュリティ・キー、そのPDUのCOUNT値などの他の入力と一緒に入力されるPDUデータ・ビット・ストリームを取リ込み、そしてMAC−I(Message Authentication Code:メッセージ認証符号)と称され、PDU本体と共に送られる、符号化されたワード(word)を発生させる。C−plane Control PDU 102を受け取ると、整合性保護/検証エンティティ111はMAC−IについてPDUの検証を実行する。
【0016】
第2の実施形態によると、PDCP−STATUS PDUが、WTRUおよびE−UTRANの間のメッセージにおいて交換される。PDCP−STATUSメッセージは、WTRUおよびE−UTRANエンティティ(例えばeNB(enhanced Node-B:拡張ノードB))の間で共通的無線ベアラ上にて交換される。PDCP−STATUSメッセージに対する様々なシグナリング・パラメータをLTE IE(Information Element:情報要素)に編成し、そしてRRCメッセージにより搬送することができる。そのようなパラメータには以下が含まれる。
【0017】
初期のPDCP−SNおよびPDCP順序付けのウィンドウの範囲によりPDCP順序付け目的のためのパラメータを定義することができる。結果としてのPDCP SNを、eNB(enhanced Node-B:拡張ノードB)の間のWTRUのハンドオーバー(すなわちeNB間ハンドオーバー)にて使用することができる。
【0018】
それらのPDCP−SNによるPDCP SDUのACK(ACKnowledgement:肯定応答)またはNACK(Negative ACKnowledgement:否定応答)によって、一般的PDCP送信および再送信の規則に対するパラメータを定義することができる。ACK/NACKは、始めのSN番号、および1つのSDU(すなわちPDCP−SN)の状態に対するそれぞれのビットを有する引き続くビットマップにより、連続した数Nのパケットに対して選択的にPDCP−SDUを表すことができる。ビットマップにおいては、ビットの値およびその意味(semantics)がIEにおけるACK/NACK属性と一致している場合があり、あるいは代わりに、マップにおけるビットの値はそれ自体の独立した表現を有する場合がある。後者の場合においては、属性ACK/NACKは必要とされない。例えば。[NACK、323、101001110]を含むIEは、SNの323、324、326、329、330、331を持つSDUパケットが否定応答であることを明確にする。ここに、ビット値「1」はNACKを表す。ビットマップは、始めのSDU323を含まない、なぜならば、それがIE中に既に明示的に表現されているからである。代わりに、ビットマップは、次のSDU324で始まりSDU332までである。したがってNACKを応答されたSDUは、始めのものを含むと、323、324(第1ビットであり、設定されている)、326(第3ビットであり、設定されている)、329 330、331(第6、第7、および第8ビットであり、設定されている)である。他のSDUはNACKを応答されていない。別の例として[323、101001110]を含むIEは、ビット値「0」がSDUが正しく受信されず、そして再送信を要求することに対する表示であるので、SN323、325、327、328、および332を持つSDUが欠けていることを表す。あるいはACK/NACKは、始めのSN番号および連続したSDU SNに対する範囲により、PDCP SDUが累積的に1つの同種の状態(すなわちすべてがACKまたはすべてがNACK)にあることを表すことができる。例えば[ACK、256、6]を含むIEは、SDU SNの256、257、258、259、260、261に対してパケットが受信されたという肯定応答を表す。
【0019】
一般的なPDCP送信/再送信ウィンドウ動作または受信ウィンドウ動作およびそれらの同期化を制御するために情報パラメータを定義することができる。これはウィンドウをスライドさせるか、またはウィンドウの範囲を変化させることを含み、これはハンドオーバーにてPDCPパケットを順序付けるときに生じさせることができる。このパラメータは、始端または終端(low end or trailing end)のいずれかの始めのSN番号、および残存SDU SNに対する範囲によるウィンドウ範囲として定義することができる。例えば[256、16]を含むIEは、SDU SNのウィンドウ[256、257、258…、271]を表すために使用することが可能である。
【0020】
PDCP−STATUS PDUはまた、一般的PDCPセキュリティ規則のためのパラメータを含むことができ、PDCPレイヤーにて生じるLTEセキュリティ・パラメータ変更に関してピアPDCPエンティティに通知するためにこのパラメータを定義することができる。ここでPDCP−STATUS PDUは、その時点のHFN、またはそれぞれの関連RB(Radio Bearer:無線ベアラ)に使用される暗号化シーケンスCOUNT値のMSBを表すために使用される。例えばRB−IDおよびその時点の下りリンクのHFNまたはそのCOUNT値のMSB、および/または上りリンクのHFNまたはそのCOUNT値のMSBを含むようにIEを定義することができる。詳細には、RB−ID5に対する下りリンクHFN452および上りリンクHFN423が、STATUS PDUを受信したときに再設定される必要があることを表すために、[5および452/423]を含むIEを使用することが可能である。
【0021】
PDCP−STATUS PDUはまた、PDCP SDU送信/再送信を調整し、そしてSDUバッファー空間を管理するために使用可能である。
【0022】
PDCP−STATUS PDUはまた、送信されたPDCP−STATUS PDU中に関連IEが含まれるなら、PDCPレベルにて実行されるLTEセキュリティ動作を、通知し、検査し、そして場合によって変更するためのパラメータを搬送することができる。メッセージ中のそのようなIEの存在は、特定のRBに対してはHFNの再設定を表す。
【0023】
図2Aおよび図2Bは、PDCP−STATUSメッセージPDUに対するシグナリング図を示す。図2Aにおいては、WTRUがPDCP−STATUSメッセージ201をeNBに送る。WTRUは、信頼性制御のためにPDCP−STATUS ACK信号202をeNBから受信し、PDCP−STATUSメッセージがeNBにて安全に受信されたことを確認する。図2Bにおいては、eNBはPDCP−STATUSメッセージ203をWTRUに送る。eNBは、信頼性制御のためにPDCP−STATUS ACK信号204をWTRUから受信し、PDCP−STATUSメッセージがWTRUにて安全に受信されたことを確認する。PDCP−STATUS−ACKメッセージ202、204は、個別の確認応答メッセージであるかまたは他のすべての可能なPDCP−STATUSパラメータを含むメッセージであるかの何れかであることができる。あるいは、PDCP−STATUSメッセージにおけるインジケーション(PDCP−SNにおける確認応答か、または短いトランザクションID)として確認応答を受信するかもしれない。
【0024】
あるいは、PDCP−STATUS ACK信号を要求することなく、PDCP−STATUSシグナリングを実行することができる。PDCP−STATUSメッセージ201、203の信頼性は、以下の通りにしてもなお確実にすることが可能である。RLC−AM(Radio Link Control―Acknowledged Mode:無線リンク制御肯定応答モード)がリンク・モードである場合、WTRUまたはeNBが内部的にそのRLC(Radio Link Control:無線リンク制御)状態を検査可能である。あるいはすべてのRLCリンク・モードに対して、WTRUは、内部のPDCP/RLCレイヤー間ポーリング機構を使用して、RLCレイヤーを通してHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request:ハイブリッド自動再送要求)状態を検査可能である。図3AはRLC−AMリンク・モードに対する例を示し、そこではPDCPレイヤー310がAM RLCレイヤー320とインターフェイスする。PDCP/RLCレイヤー間ポーリング機構301は、RB−ID、データ・フィールド、および確認応答要求を含む場合があり、PDCPレイヤー310からRLCレイヤー320に送られる、ポーリング信号RLC−DATA−REQ 302を設定することによって、RLCレイヤー320の内部の信頼性状態検査を実行する。RLC320は、PDCP−STATUSメッセージを搬送するRLCデータPDU(群)について1または複数ビットのポーリング・フラグ304を設定し、そしてRLC状態報告305(すなわちRLC ACK/NACK報告)を受信する。PDCPレイヤー310は、RLC320からの、RB−IDおよびACK/NACKを表す、確認応答信号RLC−DATA−CNF 307を受信する。
【0025】
図3Bは、UM(Unacknowledged Mode:否定応答モード)のRLCエンティティに対するPDCP状態シグナリングの一例を示す。PDCP/RLCレイヤー間ポーリング機構301は、HARQ340処理装置状態に関して、RLC320におよび次にMAC330に、内部の信頼性状態検査を実行する。ポーリング信号RLC−DATA−REQ302は、ポーリング機構301によって設定され、そしてPDCP310によりRLC320に送られ、そこでポーリングを信号MAC−DATA−REQ 303として転送する。これらのポーリング信号302、303は、RB−ID、データ・フィールド、および確認応答要求を含む。MAC330は、HARQ処理装置340へのデータとして信号HARQ−DATA−REQ 304を送る。HARQ処理装置340の状態は、HARQ ACK/NACK信号305、ACK/NACKとしてのMAC−DATA−CNF信号306、ならびにACK/NACKおよびRB−IDを伴うRLC−DATA−CNF信号307を介してPDCP310に返される。上に例としての実施方法がWTRUに関して説明されているが、図3Aおよび図3BによるシグナリングをeNB実施方法における同様の個々のエンティティに対して適用することができるであろう。
【0026】
図2A、図2Bにおいて示されたPDCP−STATUSメッセージ201、203は、以下のトリガーの何れによってもトリガーすることができる。
【0027】
WTRUのハンドオーバーにて、RRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)ハンドオーバー・コマンドまたはハンドオーバー確認信号またはRLC Resetインジケーションが、PDCP−STATUSメッセージ201、203をトリガーすることができる。これはまた、既存のハンドオーバーPDCP手順が進行中である間に生起する新しいハンドオーバーを含む。図4において示されるように、WTRUまたはeNBのRRCエンティティ410からPDCPエンティティ411へのプリミティブもしくは信号またはインジケーション401が、PDCP−STATUSメッセージの発生を伝えるか、またはトリガーとなることが可能である。
【0028】
通常の動作制御のためのハンドオーバー管理を超えてPDCP−STATUSメッセージをもまた使用可能である場合には、PDCP−STATUSメッセージ送信のトリガー源は以下の内の1つまたはその組み合わせを含むことができる。RRCが構成設定されタイマーに基づくメッセージなどの、PDCPエンティティ受信機機能からの周期的PDCP−STATUSメッセージを使用することができる。トリガーは、イベントに基づくPDCP−STATUSメッセージであり、そしてまた、PDCPエンティティの送信または受信機能の何れかからRRCが構成設定されたもの(例えば、ウィンドウがn=200 SDUまで進んでいる場合)であることができる。トリガーは、PDCP上りリンク再送信障害などのように、あるタイムアウト時間の後に生起する場合がある。他のトリガーには、RLC再設定または再確立、RRCハンドオーバーまたは他のRRCイベント、およびPDCPイベントが含まれる。
【0029】
図5は、別の可能なトリガーの一例を示し、それはピアPDCPエンティティからのポーリング信号の受信である。PDCP−STATUSポーリング機構501はPDCPレイヤー510に含まれ、その結果、送信PDCPエンティティが、ポーリング信号502をRLCレイヤー511に送ることによって受信PDCPエンティティにそのPDCP状態についてボーリングし、そして次に下位レイヤーに対してポーリング信号503として送信についてポーリングすることが可能である。PDCPポーリング機構501は、PDCP PDUのPDCPヘッダーにおいてポーリング・ビットを利用することができ、またはPDCP Control PDUをポーリングのために使用するべく利用することができる(例えばポーリングのために定義されたControl PDU種別として)。受信PDCPエンティティが、「ポーリング・ビット」が設定されたパケット、またはポーリング種別を有するPDCP Control PDUを受信した時に、PDCP−STATUS PDUの発生がトリガーされる。
【0030】
第3の実施形態によると、WTRUおよびeNBのPDCPエンティティの間のピア・ツー・ピア・メッセージとして共通の無線ベアラ上でPDCP−RESETメッセージが送られる。PDCP−RESETメッセージは、全体のまたは部分的なPDCP再設定が生起したか、または生じる必要があることを、ピア・エンティティ(WTRU/eNB)に通知、または命令するために使用される。用語「PDCP再設定(reset)」は、ここではPDCP再確立(re-establishment)と置き替え可能である。PDCP−RESETがコマンドと情報信号の何れであるかを区別するために、そのような目的のためにインジケータ・ビットを定義し、そして送信することが可能である。例えばそのようなインジケータは、PDCPが「再設定された」インジケーションとしては0に設定し、そしてPDCPを「再設定すべき」コマンドを表すためには「1」に設定することが可能である。さらに再設定コマンドに関しては、PDCP−RESETメッセージによって、RESETのピア行動を同期化するためのタイムスタンプまたはフレーム番号を含むことができる。あるいは、情報の再設定および再設定コマンドの間の区別は、コンテキストから暗示されることができるであろう(すなわち、WTRUが送る場合には、WTRUのPDCPが再設定されたことをWTRUがeNBに通知していることになり;eNBが送る場合には、WTRUがPDCP再設定を実行するようにeNBが命令していることになる)。しかしながら、ピア・エンティティがPDCP再設定または再確立の何れを実行するにせよ、その相手方ピア・エンティティもまた同様に、そのPDCPエンティティを再設定または再確立することになるということに注意するべきである。
【0031】
PDCP再設定または再確立は、以下の内の1つまたはその組み合わせによりトリガーされる。すなわち、回復不能PDCP動作エラー(例えばバッファー・エラー);予期しないPDCP−STATUSメッセージ確認応答のタイムアウト;どちらかのピア・エンティティによって検出された回復不能PDCPセキュリティ・エラー;LTE非無損失無線ベアラに対するハンドオーバー・イベント、この場合、COUNTはゼロに再設定される;古いハンドオーバー手順が未だ完了していない間の新しいハンドオーバーのエラー;ヘッダー圧縮機能および動作における回復不能エラー;Cプレーン上のRRCレイヤーから、またはUプレーン上のNAS(Non-Access Stratum:非アクセス・ストレータム)からなどの、対応するPDCPエンティティの再設定を要求する、上位レイヤーの介入またはコマンド;および対応するPDCPエンティティ再設定を要求する、RLCレイヤーからの下位レイヤー・インジケーションである。回復不能セキュリティ・エラーの場合には、Cプレーン上の整合性保護およびUプレーン上のヘッダー伸張がこれを検出することが可能であり、この場合には、非同期化されたセキュリティ・パラメータを再設定するためにWTRUおよびeNBの間でPDCP−RESETメッセージを使用することができる。他のトリガーには、整合性保護エラーにより検出されたPDCPセキュリティ・エラー;ハンドオーバー・エラー;PDCPエンティティの再設定または再確立を要求するRRCレイヤーからのインジケーション;および/またはPDCPエンティティの再設定または再確立を要求するRLCレイヤーからの表示が含まれる。
【0032】
全体のPDCPの再設定に対しては、WTRUまたはeNBのPDCPエンティティの以下の機能動作のすべてを、予め定義された状態または動作値に変える(すなわち再設定/再確立する)ことができ、これは、あるPDCP−SNにて、あるいは、SFN(System Frame Number:システム・フレーム番号)または全体の若しくは修正された標準時間表現(例えば、国際的GMT)などの絶対的時間マークにて、または、メッセージの受信の時間により、生起する場合がある。
【0033】
・ヘッダー圧縮エンティティおよび動作状態は初期状態に再設定され、そして全体のヘッダー(IP/TCPまたはIP/UDP/RTPまたはIP/xxxx)が送信されることになり、そしてヘッダー圧縮アルゴリズムによる再設定の後に受信されることが期待されることになる;
・セキュリティ動作またはセキュリティ・パラメータが以下の何れかに再設定される。すなわち、最後に構成設定された値;初期化されたセキュリティ・パラメータ値;またはRESETメッセージ中のパラメータによりインデックス付けされた過去のある設定/構成設定値;再設定されるセキュリティ・パラメータの例には、セキュリティ・キー、HFNまたはCOUNTパラメータのMSB値、または整合性保護におけるFRESH値が含まれる;
・PDCP−SNの再設定はE−UTRANからLTE WTRUへのみが受け取られ、かつそのPDCP−SNは、規定値(例えば、オフセット)、またはゼロの何れかに再設定されることになる。それぞれの無線ベアラ上のPDCP−SNは再設定される場合、またはされない場合がある;および
・順序通りの配信または重複検出動作のためのPDCP順序付けパラメータは再設定される。
【0034】
部分的なPDCP再設定に対しては、WTRUまたはeNBのPDCPエンティティにて、上に説明された機能または動作のすべてまたはその部分が再設定/再確立される。
【0035】
図6Aは、WTRUがeNBにPDCP−RESETメッセージ601を送り、eNB中のそのピアPDCPエンティティを再設定するように命令する、または、WTRU PDCPが全体でまたは部分的に再設定を実行したということをeNBに通知する、シグナリング図を示す。PDCP−RESETコマンド・メッセージ601に対しては、eNBでのPDCP再設定が完了した後に明示的PDCP−RESET−ACKメッセージ602をWTRUに返す。PDCP−RESETメッセージ601が再設定コマンドでなかったなら、この確認応答メッセージ602は強制的ではない。図6Bは、逆のシナリオを示し、そこではeNBがPDCP−RESETメッセージ603をWTRUに送る。PDCP−RESETメッセージ603がコマンドであるなら、eNBからのコマンドにPDCPが再設定された後に、WTRUは明示的なPDCP−RESET−ACKメッセージ604を送る。しかしながらPDCP−RESETメッセージ603が、eNBがPDCP再設定を実行したということをWTRUに通知するものである場合には、PDCP−RESET−ACKメッセージ604は強制的ではない。
【0036】
新しい種別のPDCP Control PDU(例えば「PDU種別」フィールドまたは「SUFI(SUper-FIeld)種別」フィールド)を使用してPDCP−RESET−ACKメッセージを定義することができる。PDCP−RESET確認応答シグナリングは、PDCP−STATUSメッセージに関する場合と同様に、図3Aおよび図3Bを参照して論証することが可能である。図3Aに示されるように、PDCP/RLCレイヤー間ポーリング機構301は、PDCPレイヤー310からRLCレイヤー320へ送られる、RB−ID、データ・フィールド、および確認応答要求を含むことができる、ポーリング信号RLC−DATA−REQ 302を設定することによってRLCレイヤー320の内部の信頼性状態検査を実行する。RLC320は、PDCP−RESETメッセージを搬送するRLCデータPDU上に1または複数ビットのポーリング・フラグ304を設定し、そしてRLC状態報告305(すなわちRLC ACK/NACK報告)を受信する。PDCPレイヤー310は、RLC320からRB−IDおよびACK/NACKを表す、確認応答信号RLC−DATA−CNF307を受信する。
【0037】
あるいはUM RLCエンティティに対して、PDCP−RESETを送っているPDCPエンティティがポーリング機構を利用し、RLCの下のHARQエンティティから確認応答インジケーション(例えば配信通知)を獲得すること(すなわち、RLCおよびMACを介してHARQ送信状態をポーリングすること)ができる。または、送られたPDCP−RESETメッセージがその宛先に到着しているか否かを知るために、送っているPDCPの下のRLCが、RLCピア・エンティティの確認応答を使用することが可能である。図3Bに示されるようにPDCP/RLCレイヤー間ポーリング機構301は、HARQ340処理装置状態に関して、内部の信頼性状態検査をRLC320に対して実行し、そして次にMAC330に対して実行する。ポーリング信号RLC−DATA−REQ 302は、ポーリング機構301によって設定され、そしてPDCP310によってRLC320に送られ、そこで信号MAC−DATA−REQ 303としてポーリングを転送する。これらのポーリング信号302、303は、RB−ID、データ・フィールド、および確認応答要求を含む。MAC330は、HARQ処理装置340に対するデータとして信号HARQ−DATA−REQ 304を送る。HARQ処理装置340の状態は、HARQ ACK/NACK信号305、ACK/NACKとしてのMAC−DATA−CNF信号306、ならびにACK/NACKおよびRB−IDを伴うRLC−DATA−CNF信号307を介してPDCP310に返される。上にPDCP−RESETメッセージ確認応答の例の実施方法がWTRUに関して説明されているが、図3Aおよび図3Bによるシグナリングは、eNB実施方法における同様の個々のエンティティに適用することができる。
【0038】
PDCP再設定/再確立が上に明示的なPDCP−RESETメッセージを参照して説明されてきたが、全体のまたは部分的なPDCP再設定が生起しているか、または生じる必要があるということを、ピア・エンティティ(eNB/WTRU)に通知するか、または命令するために関連する情報は、代替的に、LTE IE(Information Element:情報要素)中にて搬送されまたは編成され、そしてRRCメッセージにより搬送することができる。
【0039】
別の実施形態においては、PDCP−BUFFER−STATUSメッセージにおいてPDCP Control PDUの追加的種別が利用され、それが、PDCPエンティティにてPDCPバッファーの状態を説明する。例えば受信PDCPエンティティはPDCP−BUFFER−STATUSメッセージを使用し、受信バッファーにおいて利用されたパケット(SDU)の数またはバイト数などの、受信PDCPバッファー中に格納されているデータ量(すなわちPDCPバッファー占有率)に関して報告することが可能である。この情報は、PDCP−BUFFER−STATUSメッセージにおいて受信PDCPエンティティ(WTRU/eNB)から送信PDCPエンティティ(WTRU/eNB)に送られ、そして送信PDCPエンティティによって使用し、その様々な機能に影響を及ぼすことが可能である。同様にPDCP−BUFFER−STATUSメッセージは、送信PDCPエンティティから受信PDCPエンティティまで送信され、PDCP送信バッファー占有率に関して報告することができる。
【0040】
<実施形態>
1.無線通信において、PDCP(Packet Data Convergence Protocol:パケット・データ収束プロトコル)制御パケットのセキュリティを確実にするための方法であって、
制御PDU(Packet Data Unit:パケット・データ・ユニット)を使用することによりPDCP−STATUSメッセージを定義するステップと、
対応データPDUに対して使用される暗号キーおよび入力パラメータにより制御PDUを暗号化するステップと、
前記無線通信のピア・エンティティに前記PDCP−STATUSメッセージを送るステップと
を具備することを特徴とする方法。
2.ハンドオーバーにて、定期的に、もしくは予め定義されたイベントにて、またはそれらの組み合わせにて、前記PDCP−STATUSメッセージがトリガーされることを特徴とする実施形態1に記載の方法。
3.レイヤー間のPDCP/RLCポーリング機構を使用してRLC(Radio Link Control:無線リンク制御)レイヤー状態を検査することによってPDCP−STATUSメッセージの信頼性を確実にするステップをさらに具備することを特徴とする実施形態1または2に記載の方法。
4.前記ピア・エンティティから明示的確認応答メッセージを受信することによってPDCP−STATUSメッセージの信頼性を確実にするステップをさらに具備することを特徴とする実施形態1〜3の何れかに記載の方法。
5.暗号化シーケンスCOUNT値のHFN(Hyper Frame Number:ハイパー・フレーム番号)を初期化するステップをさらに具備することであって、初期化規則が、前記データPDUに対するHFN値および前記制御PDUに対するHFN値の間のオフセットを使用して適用されることを特徴とする実施形態1〜4の何れかに記載の方法。
6.無線通信において、PDCP(Packet Data Convergence Protocol:パケット・データ収束プロトコル)再設定または再確立のための方法であって、
ヘッダー圧縮エンティティおよび動作状態を初期状態に再設定または再確立するステップと、
セキュリティ動作またはセキュリティ・パラメータを、最後に構成設定された値、初期化されたセキュリティ・パラメータ値、および再設定パラメータによってインデックス付けされた過去の設定/構成設定値、の内の少なくとも1つに再設定または再確立するステップと、
PDCP−SNをオフセット値またはゼロに再設定または再確立するステップと、
順序通りの配信または重複検出動作のためのPDCP順序付けパラメータを再設定または再確立するステップと
の内の少なくとも1つに従ってPDCPパラメータを再設定または再確立させるステップと、
無線通信のピア・エンティティにPDCP再設定メッセージを送るステップと
を具備することを特徴とする方法。
7.前記PDCP−SNが、前記PDCP再設定または再確立の間、変化しないように維持されることを特徴とする実施形態6に記載の方法。
8.前記PDCP再設定メッセージが、前記ピア・エンティティへコマンドとして送られ、前記PDCP再設定が完了すると、前記ピア・エンティティから明示的PDCP再設定確認応答メッセージを受信するステップをさらに具備することを特徴とする実施形態6〜7の何れかに記載の方法。
9.前記PDCP再設定または再確立が、
回復不能PDCP動作エラー、
予期しないPDCP−STATUSメッセージ確認応答のタイムアウト、
回復不能PDCPセキュリティ・エラー、
ヘッダー伸張エラーによって検出された回復不能PDCPセキュリティ・エラー、
LTE非無損失無線ベアラに対するハンドオーバー・イベント、
不完全なハンドオーバー手順の間の新しいハンドオーバーについてのエラー、
ヘッダー圧縮機能および動作における回復不能エラー、
PDCPエンティティの再設定または再確立を要求する上位レイヤー表示、
PDCPエンティティの再設定または再確立を要求する上位レイヤー表示、および
PDCPエンティティの再設定または再確立を要求するRLCレイヤーからの下位レイヤー・表示、
のイベントの内の少なくとも1つによってトリガーされること
を特徴とする実施形態6〜8の何れかに記載の方法。
10.前記PDCP再設定または再確立が、整合性保護エラーにより検出されたPDCPセキュリティ・エラーによりトリガーされることを特徴とする実施形態6〜9の何れかに記載の方法。
11.前記PDCP再設定または再確立手順または前記PDCP−RESETメッセージの何れかが、ハンドオーバー・エラーによりトリガーされることを特徴とする実施形態6〜10の何れかに記載の方法。
12.前記PDCP再設定または再確立が、PDCPエンティティの再設定または再確立を要求するRRCレイヤーからのインジケーションによりトリガーされることを特徴とする実施形態6〜11の何れかに記載の方法。
13.前記PDCP再設定または再確立が、PDCPエンティティの再設定または再確立を要求するRLCレイヤーからのインジケーションによりトリガーされることを特徴とする実施形態6〜12の何れかに記載の方法。
14.前記PDCP再設定メッセージが、RRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)メッセージによって搬送されたLTE(Long Term Evolution:長期進化型)IE(Information Element:情報要素)に編成されたパラメータを具備することを特徴とする実施形態6〜13の何れかに記載の方法。
15.無線通信において、PDCP(Packet Data Convergence Protocol:パケット・データ収束プロトコル)レイヤーのバッファー状態を報告するための方法であって、
WTRU(Wireless Transmit Receive Unit:無線送受信ユニット)の前記PDCPレイヤーにおいてPDCPバッファーの状態情報を含む制御PDU(Packet Data Unit:パケット・データ・ユニット)を使用してPDCP−BUFFER−STATUSメッセージを定義するステップであって、前記状態情報がPDCP受信バッファー中に格納されたデータ・パケットの量を含むこと
を具備することを特徴とする方法。
16.前記状態情報が、PDCP送信バッファー中に格納されたデータ・パケットの量をさらに含むことを特徴とする実施形態15に記載の方法。
17.制御PDU(Packet Data Unit:パケット・データ・ユニット)を使用してPDCP−STATUSメッセージを定義するように、かつ無線通信のピア・エンティティに前記PDCP−STATUSメッセージを送るように構成されるPDCP(Packet Data Convergence Protocol:パケット・データ収束プロトコル)エンティティ、および
対応データPDUに対して使用される暗号キーおよび入力パラメータにより前記制御PDUを暗号化するように構成される暗号化エンティティ
を具備することを特徴とするWTRU(Wireless Transmit Receive Unit:無線送受信ユニット)。
18.RLC(Radio Link Control:無線リンク制御)レイヤー状態を検査することによって前記PDCP−STATUSメッセージの信頼性を確実にするように構成されるレイヤー間PDCP/RLCポーリング・エンティティをさらに具備することを特徴とする実施形態17に記載のWTRU。
19.前記PDCPエンティティが、暗号化シーケンスCOUNT値のHFN(Hyper Frame Number:ハイパー・フレーム番号)を初期化するように構成されることであって、初期化規則が、前記データPDUに対するHFN値および前記制御PDUに対するHFN値の間のオフセットを使用して適用されることを特徴とする実施形態17〜18の何れかに記載のWTRU。
20.ヘッダー圧縮エンティティおよび動作状態を初期状態に再設定または再確立させ ること、
セキュリティ動作またはセキュリティ・パラメータを、最後に構成設定された値、初期化されたセキュリティ・パラメータ値、および再設定パラメータによってインデックス付けされた過去の設定/構成設定値、の内の少なくとも1つに再設定または再確立させること、
PDCPシーケンス番号をオフセット値またはゼロに再設定または再確立させること、および
順序通りの配信または重複検出動作のためのPDCP順序付けパラメータを再設定または再確立させること
の内の少なくとも1つに従ってPDCPパラメータを再設定または再確立させるように構成されるPDCP(Packet Data Convergence Protocol:パケット・データ収束プロトコル)エンティティ
を具備し、
無線通信のピア・エンティティにPDCP再設定メッセージを送る、
WTRU(Wireless Transmit Receive Unit:無線送受信ユニット)。
21.前記PDCP−SNが、前記PDCP再設定または再確立の間、変化しないように維持されることを特徴とする実施形態20に記載のWTRU。
22.前記PDCP再設定メッセージが、前記ピア・エンティティへコマンドとして送られることであって、前記PDCP再設定が完了すると、前記ピア・エンティティから明示的PDCP再設定確認応答メッセージを受信することをさらに具備することを特徴とする実施形態20〜21の何れかに記載のWTRU。
23.回復不能PDCP動作エラー、
予期しないPDCP−STATUSメッセージ確認応答のタイムアウト、
回復不能PDCPセキュリティ・エラー、
ヘッダー伸張エラーによって検出された回復不能PDCPセキュリティ・エラー、
LTE非無損失無線ベアラに対するハンドオーバー・イベント、
不完全なハンドオーバー手順の間の新しいハンドオーバーについてのエラー、
ヘッダー圧縮機能および動作における回復不能エラー、
PDCPエンティティの再設定または再確立を要求する上位レイヤー・インジケーション、
PDCPエンティティの再設定または再確立を要求する上位レイヤー・インジケーション、および
PDCPエンティティの再設定または再確立を要求するRLCレイヤーからの下位レイヤー・インジケーション、
のイベントの内の少なくとも1つによってトリガーされたときに再設定または再確立されるように、前記PDCPエンティティが構成されることを特徴とする実施形態20〜22の何れかに記載のWTRU。
24.前記PDCPエンティティが、整合性保護エラーにより検出されたPDCPセキュリティ・エラーによりトリガーされたときに再設定または再確立されるように構成されることを特徴とする実施形態20〜23の何れかに記載のWTRU。
25.前記PDCPエンティティが、ハンドオーバー・エラーによりトリガーされたときに、パラメータを再設定または再設定させるように構成されることを特徴とする実施形態20〜24の何れかに記載のWTRU。
26.前記PDCPエンティティが、PDCPエンティティの再設定または再確立を要求するRRCレイヤーからのインジケーションによりトリガーされたときに再設定または再確立されるように構成されることを特徴とする実施形態20〜25の何れかに記載のWTRU。
27.前記PDCPエンティティが、PDCPエンティティの再設定または再確立を要求するRLCレイヤーからの表示によりトリガーされたときに再設定または再確立されるように構成されることを特徴とする実施形態20〜26の何れかに記載のWTRU。
【0041】
特徴および要素が上で特定の組み合わせにて記述されているが、それぞれの特徴または要素は、他の特徴および要素なしで単独にて、または他の特徴および要素のあるなしに拘わらず様々な組み合わせにて使用可能である。ここに提供される方法またはフロー図は、汎用目的のコンピューターまたは処理装置による実行のための、コンピューターにて読み取り可能な記憶装置媒体に組み込まれたコンピューター・プログラム、ソフトウェア、またはファームウェアにて実施することができる。コンピューターにて読み取り可能な記憶装置媒体の例としては、ROM(Read Only Memory:リード・オンリー・メモリ)、RAM(Random Access Memory:ランダム・アクセス・メモリ)、レジスター、キャッシュ・メモリ、半導体メモリ・デバイス、内蔵ハード・ディスクおよび着脱可能ディスクなどの磁気媒体、磁気−光学媒体、ならびにCD−ROMディスクおよびDVD(Digital Versatile Disk:デジタル多用途ディスク)などの光学媒体が含まれる。
【0042】
適切な処理装置の例としては、汎用目的処理装置、専用目的処理装置、従来の処理装置、DSP(Digital Signal Processor:デジタル信号処理装置)、複数のマイクロ処理装置、DSPコアに関連付けられた1つまたは複数のマイクロ処理装置、制御装置、マイクロ制御装置、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向けIC)、FPGA(Field Programmable Gate Array)回路、他の何れかの種別のIC(Integrated Circuit:集積回路)、および/または状態マシンが含まれる。
【0043】
WTRU(Wireless Transmit Receive Unit:無線送受信ユニット)、UE(User Equipment:ユーザー機器)、端末、基地局(base station)、RNC(Radio Network Controller:無線ネットワーク制御装置)、または任意のホスト・コンピューターにおいて使用するための無線周波数送受信機を実施するために、ソフトウェアに関連付けられた処理装置を使用することができる。WTRUは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアにて実施され、カメラ、ビデオ・カメラ・モジュール、テレビ電話、スピーカーフォン、振動デバイス、スピーカー、マイクロホン、テレビ送受信機、ハンズフリー受話器、キーボード、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))モジュール、FM(Frequency Modulated:周波数変調された)無線ユニット、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示)表示ユニット、OLED(Organic Light-Emitting Diode:有機発光ダイオード)表示ユニット、デジタル音楽プレーヤー、メディア・プレーヤー、テレビゲーム・プレーヤー・モジュール、インターネット・ブラウザー、ならびに/または任意のWLAN(Wireless Local Access Network:無線LAN)モジュールまたはUWB(Ultra Wide Band:超広帯域)モジュールなどのモジュールと連動して使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいて、PDCP(Packet Data control Protocol:パケット・データ制御プロトコル)パケットの送信を調整するための方法であって、
ピア・エンティティからPDCP−STATUSメッセージを受信するステップであって、前記PDCP−STATUSメッセージは始めのシーケンス番号およびビットマップを有し、前記始めのシーケンス番号は、前記ピア・エンティティによって成功して受信されていないPDCP SDU(Service Data Unit:サービス・データ・ユニット)のシーケンス番号であり、前記ビットマップは、複数のビットを有し、該複数のビットの各々は、PDCP SDUのステータスを表し、前記ビットマップは、前記始めのシーケンス番号に関連付けられた前記PDCP SDUのステータスを表すビットを含まない、ステップと、
少なくとも1つのPDCP SDUを、前記PCDP-STATUSメッセージにおいて否定的に応答された該少なくとも1つのPDCP SDUに基づいて再送信するステップと
を具備することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記PDCP−STATUSメッセージは、PDCP制御PDUに含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
RRC(無線リソース制御)ハンドオーバー・コマンドを受信するステップと、
前記RRCハンドオーバー・コマンドの受信に基づいて第2のPDCP−STATUSメッセージを送信するステップとをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記PDCP−STATUSメッセージは、前記ピア・エンティティに送信されるPDCP SDUの配信状態を示すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記PDCP−STATUSメッセージを受信することに基づいてPDCP SDUバッファを管理するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記PDCP SDUバッファを管理することは、前記PDCP SDUバッファから1又は2以上のPDCP SDUを削除することを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ビットマップの第1のビットは、前記始めのシーケンス番号に続く次の連続したシーケンス番号であるシーケンス番号を有するPDCP SDUの状態を表すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
無線送受信ユニット(WTRU)であって、
プロセッサであって、
ピア・エンティティからPDCP(Packet Data control Protocol:パケット・データ制御プロトコル)−STATUSメッセージを受信し、前記PDCP−STATUSメッセージは始めのシーケンス番号およびビットマップを有し、前記始めのシーケンス番号は、前記ピア・エンティティによって成功して受信されていないPDCP SDU(Service Data Unit:サービス・データ・ユニット)のシーケンス番号であり、前記ビットマップは、複数のビットを有し、該複数のビットの各々は、PDCP SDUのステータスを表し、前記ビットマップは、前記始めのシーケンス番号に関連付けられた前記PDCP SDUのステータスを表すビットを含まず、
少なくとも1つのPDCP SDUを、前記PCDP-STATUSメッセージにおいて否定的に応答された該少なくとも1つのPDCP SDUに基づいて再送信する、
ように構成されたプロセッサを具備することを特徴とするWTRU。
【請求項9】
前記PDCP−STATUSメッセージは、PDCP制御PDUに含まれることを特徴とする請求項8に記載のWTRU。
【請求項10】
前記プロセッサは、RRC(無線リソース制御)ハンドオーバー・コマンドを受信し、かつ、前記RRCハンドオーバー・コマンドの受信に基づいて第2のPDCP−STATUSメッセージを送信する、ようにさらに構成されることを特徴とする請求項8に記載のWTRU。
【請求項11】
前記PDCP−STATUSメッセージは、前記ピア・エンティティに送信されるPDCP SDUの配信状態を示すことを特徴とする請求項8に記載のWTRU。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記PDCP−STATUSメッセージを受信することに基づいてPDCP SDUバッファを管理するようにさらに構成されることを特徴とする請求項8に記載のWTRU。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記PDCP SDUバッファを、前記PDCP SDUバッファから1又は2以上のPDCP SDUを削除することによって管理するようにさらに構成されることを特徴とする請求項12に記載のWTRU。
【請求項14】
前記ビットマップの第1のビットは、前記始めのシーケンス番号に続く次の連続したシーケンス番号であるシーケンス番号を有するPDCP SDUの状態を表すことを特徴とする請求項8に記載のWTRU。
【請求項15】
eNB(evolved Node B:発展ノードB)であって、
プロセッサであって、
PDCP(Packet Data control Protocol:パケット・データ制御プロトコル)−STATUSメッセージをピア・エンティティに送信するように構成され、前記PDCP−STATUSメッセージは始めのシーケンス番号およびビットマップを有し、前記始めのシーケンス番号は、成功して受信されていないPDCP SDU(Service Data Unit:サービス・データ・ユニット)のシーケンス番号であり、前記ビットマップは、複数のビットを有し、該複数のビットの各々は、PDCP SDUのステータスを表し、前記ビットマップは、前記始めのシーケンス番号に関連付けられた前記PDCP SDUのステータスを表すビットを含まず、
少なくとも1つのPDCP SDUの再送信を受信するように構成され、前記少なくとも1つのPDCP SDUは、前記PCDP-STATUSメッセージにおいて否定的に応答されたものである、
プロセッサを具備することを特徴とするeNB。
【請求項16】
前記PDCP−STATUSメッセージは、PDCP制御PDUに含まれることを特徴とする請求項15に記載のeNB。
【請求項17】
前記PDCP−STATUSメッセージは、前記eNBに送信されるPDCP SDUの配信状態を示すことを特徴とする請求項15に記載のeBN。
【請求項18】
前記ビットマップの第1のビットは、前記始めのシーケンス番号に続く次の連続したシーケンス番号であるシーケンス番号を有するPDCP SDUの状態を表すことを特徴とする請求項15に記載のeNB。
【請求項19】
前記プロセッサは、第2のPDCP−STATUSメッセージを受信し、かつ、前記受信した第2のPDCP−STATUSメッセージに基づいてPDCP SDUバッファを管理するようにさらに構成されることを特徴とする請求項15に記載のeNB。
【請求項20】
前記プロセッサは、前記PDCP SDUバッファを、前記PDCP SDUバッファから1又は2以上のPDCP SDUを削除することによって管理するようにさらに構成されることを特徴とする請求項19に記載のeNB。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【公開番号】特開2013−42536(P2013−42536A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−232928(P2012−232928)
【出願日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【分割の表示】特願2010−527158(P2010−527158)の分割
【原出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(510030995)インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド (229)
【Fターム(参考)】