説明

パケット化ビデオコンテンツ録画装置及び方法

受信装置が、ビデコンテンツ込みのパケット群例えばインターネットプロトコル(IP)パケット群を受信する。受信装置が、そのパケット群からヘッダ情報を除去する処理及びそのビデオコンテンツをユーザによる後刻視聴に備え記録媒体に録画する処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はビデオコンテンツを受信するシステム、方法及び装置、より詳細にはインターネットプロトコル(IP)パケット群をなす形態等で伝送されたものをはじめとするパケット化ビデオコンテンツを受信する技術に関する。例えば、先進型テレビジョン方式委員会(ATSC)モバイル/ハンドヘルド(M/H)規格に従い伝送されたビデオコンテンツを受信し、ユーザによる後刻視聴に備えパケット群を保存する受信装置等である。
【背景技術】
【0002】
本願で実施形態説明の脈絡を構成しているのはATSC−M/H規格である。ATSC−M/H規格はモバイルデバイス、例えば携帯電話向けにモバイルディジタルテレビジョン(DTV)放送サービスを提供する際の指針となる。本願で提案している技術はモバイルデバイスでのビデオコンテンツの受信及び録画、特にATSC−M/H規格によるそれに役立つものであるが、非モバイルデバイスでのビデオコンテンツの受信及び録画、例えばATSCーA/53規格によるそれにも適用可能である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】The Candidate Standard: ATSC Mobile DTV Standard (A/153) available from the Advanced Television Systems Committee of Washington D.C.,dated May 29, 2009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ATSC−M/H規格では、ビデオコンテンツがパケット群例えばIPパケット群の形態で受信装置に送られる。本発明は、記録媒体への録画に先立ち制御用論理回路がIPパケット群からIPヘッダを除去することで、モバイルデバイス例えば携帯電話での録画に適したサイズにビデオコンテンツのサイズを抑えること等を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ATSC−M/H方式ビデオコンテンツを受信可能な受信装置として実施することができる。本装置は、ビデオコンテンツを録画可能な記録媒体と、ビデオコンテンツ込みのATSC−M/H信号を受信可能な無線受信機と、対応する無線受信機で受信されたビデオコンテンツを記録媒体に録画させつつ本受信装置内のビデオデコーダに転送する制御用論理回路と、そのビデオコンテンツをデコードしユーザによる視聴に備え出力装置に供給するビデオデコーダと、を備える。
【0006】
本発明は、パケット化コンテンツを受信可能な受信装置として実施することができる。本装置は、記録媒体と、ビデオコンテンツ込みのパケット群を受信する受信機と、対応する受信機で受信されたパケット群からヘッダ情報を除去して記録媒体に保存させる制御用論理回路と、を備える。
【0007】
本発明は、ビデオコンテンツ録画方法として実施することができる。本方法は、ビデオコンテンツ込みで伝送されたパケット群を受信機で受信するステップと、受信機で受信されたパケット群からヘッダ情報を除去するステップと、ヘッド情報除去後のパケット群をその受信機に係る記録媒体に保存するステップと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】通信網の一例を示す図である。
【図2】図1中の受信装置に関しその一例を示す図である。
【図3】ビデオコンテンツを受信及び録画するプロセスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図中、同一又は同様の部材には同一の参照符号を付してある。
【0010】
図1に通信網の一例100を示す。図示の通り、この通信網100はコンテンツ源102、テレビジョン(TV)配信システム104、受信装置106及び出力装置108で構成されている。以下、個々の構成部材についてより詳細に説明する一方、通信網100に加わりうる他の部材、要素乃至装置については簡明化のため説明を省略することとする。
【0011】
コンテンツ源102は、1個又は複数個の受信装置106への送信に備えてコンテンツを取得又は生成する。取得、処理、出力、送信等の対象になりうるコンテンツの種類は、オーディオ、ビデオ、データ、情報等と多様である。本実施形態では、随所から来る多種多様なコンテンツが、TV配信システム104経由で受信装置106へと送られるのに先立ち、そのコンテンツ源102に蓄積される。自明な通り、このコンテンツ源102には、ストリーミング配信されるTV番組、収録済のオーディオ乃至ビデオ、電子番組ガイド(EPG)データ等を含め、概ねどのような形態・種類の情報でも蓄積させることができる。
【0012】
TV配信システム104は、コンテンツ源102上のコンテンツを受信装置106宛に送信する。TV配信システム104の構成媒体としては、様々な有線通信媒体(ケーブル、ファイバ等)、様々な無線通信媒体(携帯電話、衛星、マイクロ波、その他無線周波数(RF)回線等)、或いはその組合せが使用され、ネットワークトポロジとしては任意のトポロジ(複数媒体併用時には複数通りのトポロジ)が使用される。TV配信システム104として使用できるシステムの例としては、地上波TV放送、ケーブルテレビジョン(CATV)、衛星TV放送、IPテレビジョン(IPTV)等のシステムがある。本実施系では、TV配信システム104から複数個の受信装置106例えばTV受像機への放送(ブロードキャスト)乃至同報(マルチキャスト)でコンテンツが配信される。TV配信システム104が特定の受信装置106例えばTV受像機宛に配信するビデオオンデマンド類似の形態でコンテンツを配信してもよい。本実施形態では、TV配信システム104の送信設備をコンテンツ源102として使用することができる。その例はオーバジエア(OTA)地上波送信局、CATV配信ヘッドエンド、衛星TVアップリンクセンタ、ブロードバンドサーバ、インターネットサーバ等である。
【0013】
本実施形態では、TV配信システム104によるコンテンツ送信が前掲のATSC−M/H規格(非特許文献1参照)に従い行われる。この規格では、個々のATSC方式TVチャネルで使用可能な帯域の一部がモバイルデバイス向けビデオコンテンツ送信に利用される。即ち、一般に6MHzのRF帯域幅があり最高で19.4Mbpsの伝送速度を呈する個別のTVチャネルが、都合複数通りの番組を配信できるよう複数個のサブチャネルに分割される。更に、そのTVチャネルが、ATSCメイン規格準拠MPEG2エンコードサービス(通常のTV番組等)並びにATSC−M/H規格準拠モバイルサービス(低解像度版のTV番組等)の同時提供に利用される。このモバイルサービスを通じ配信される低解像度版番組は、携帯電話等のモバイルデバイスに備わるコンテンツ視聴用ハードウェアでも好適に再生可能である。
【0014】
ネットワーク層でMPEG2トランスポートストリームパケットが形成されるATSCメイン規格と異なり、ATSC−M/H規格では、プレゼンテーション層でMPEG4プロトコルに従い符号化されたモバイルデバイス向けビデオコンテンツが、セッション層でリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)パケット、トランスポート層でユーザデータグラムプロトコル(UDP)パケット、ネットワーク層でIPパケットにそれぞれ封入(カプセル化)される。その他、ATSC−M/H規格に従いユーザデバイス例えば受信装置106にコンテンツを送信する動作については、非特許文献1による詳示を参照されたい。
【0015】
受信装置106は、TV配信システム104経由でコンテンツを随時受信し、受信したコンテンツをユーザ110による後刻視聴に備え保存し、また受信したコンテンツや保存済のコンテンツを出力装置108に随時送って視聴に供する。従って、受信装置106で受信されたコンテンツを、後刻再生に備えその受信装置106内の記録媒体に保存させつつ、出力装置108上で視聴することができる。本実施形態では、その出力装置108として、コンテンツをユーザ110向けに出力することが可能な表示装置、例えばTV受像機が使用される。受信装置106にてアナログ、ディジタルその他のフォーマットで受信されたオーディオ/ビデオストリームは、その保存と並行し、出力装置108上で視聴することができる。
【0016】
本実施形態では、コンテンツを受信、復調して表示装置乃至TV受像機に出力する機能を備えたTV受像機、例えば衛星用、CATV用、OTA用、ブロードバンド用等のTV受像機に、その受信装置106を一体化させることができる。更に、その受信装置106からのオーディオ/ビデオコンテンツ出力の管理、EPGの視認、録画タイマの設定等をユーザ110が行えるよう、出力メニュー等の情報を出力する機能をその受信装置106に設けることもできる。
【0017】
出力装置108と一体な受信装置106の例としては、表示装置の機能を併有するTV受像機、ディジタルビデオレコーダ(DVR)等がある。携帯電話、ネットブック、携帯情報端末(PDA)等のモバイル通信装置も、受信装置106及び出力装置108の機能を併有する装置である。
【0018】
本実施形態では、特定コンテンツのリプレイやポーズを伴うトリックプレイモードを提供する機能を受信装置106に設けることもできる。この受信装置106では、ユーザ110による視聴の最中にコンテンツが保存されるので、そのコンテンツを事後的にユーザ110向けに再生することもできる。相応の録画タイマに従いその受信装置106を作動させること、例えば目的とするTV番組をTVチューナ等のTV信号受信手段で受信しハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等の記録媒体に録画することも可能である。受信装置106に設けるTV信号受信手段の個数は任意に定めることができる。TV信号受信手段が1個以上あれば、その受信装置106でTV番組を受信し録画することができる。TV信号受信手段が複数個あれば、その受信装置106でTV番組複数個のコンテンツを同時に受信することができる。例えば、使用する受信装置106にチューナが複数個備わっていれば、その受信装置106で複数個のTV番組を同時に受信し録画、視聴等に供することができる。本実施形態では、複数種類のコンテンツ源からTV番組を受信し録画等することができるよう受信装置106に複数種類のTV信号受信手段を設けること、例えばOTAチューナ・衛星チューナ、OTAチューナ・CATVチューナ等の組合せでチューナを併設することもできる。
【0019】
本実施形態では、コンテンツの保存やデコードに先立ち受信信号のヘッダ情報が受信装置106にて除去される。例えば、チューナで受信されたIPパケット群からIPヘッダが除去され、そのIPパケット内のビデオコンテンツ等が録画される。本実施形態では、受信装置106内で他層のヘッダ情報、例えばUDPヘッダやRTPヘッダも除去されるので、記録媒体容量を効率的に利用することができる。
【0020】
図2に、図1に示した受信装置の一例106Aを示す。この受信装置106Aは図1に示した通信網100で使用可能な装置であり、無線受信機202、記録媒体204、制御用論理回路206、入力インタフェース208及びビデオデコーダ210を備えている。以下、個々の構成部材についてより詳細に説明する一方、同受信装置106Aに設けうる他の部材、要素乃至装置については簡明化のため説明を省略することとする。
【0021】
無線受信機202は、図1中のコンテンツ源102に由来するオーディオ/ビデオ入力212を受信する。具体的には、TV番組のコンテンツを運ぶ信号を受信する。この無線受信機202では、受信可能な様々な信号からオーディオ/ビデオ入力212を復調し、指定されたTV番組に係る信号を抽出することができる。例えば、ATSC−M/H信号を受信し、図1中のユーザ110が視聴したがっているビデオコンテンツの信号を抽出することができる。本実施形態では、無線受信機202に備わるチューナの個数を複数にし、その受信装置106Aで複数個のTV番組を同時に出力乃至録画させることも可能である。
【0022】
記録媒体204は、受信装置106Aに到来した受信信号乃至コンテンツを一時的又は恒久的に保存するのに使用される。この記録媒体204としては、多々ある不揮発性メモリのうち、その受信装置106Aに到来した受信信号乃至コンテンツを保存するのに相応しいものを使用する。その例としては、ハードディスクドライブ等の磁気メモリ、フラッシュメモリ、バッテリバックアップメモリその他がある。本実施形態では、受信装置106Aに内蔵されるタイプの記録媒体204が使用される。受信装置106Aに外付けされるタイプの記録媒体204も使用することができる。受信装置106Aにおける信号乃至コンテンツの保存に、内蔵型,外付け型の両記録媒体204を併用することもできる。
【0023】
入力インタフェース208は、ユーザ110からの入力を受け付け、更なる処理を担う制御用論理回路206に伝える。本実施形態では、この入力インタフェース208として、キーパッド、タッチスクリーン、スクロールボール/ホイール等、ユーザ110からの入力を受け付けうるマンマシンインタフェースが使用される。有線又は無線通信リンクを介しキーボード、マウス、リモートコントローラ等の外部入力装置と通信するタイプの入力インタフェース208も使用することができる。入力インタフェース208を介した入力は、制御用論理回路206にて、ビデオデコーダ210からのコンテンツ出力の制御等に使用される。EPGデータ、メニュー等の表示を制御用論理回路206に要求するデータとして使用される場合もある。
【0024】
制御用論理回路206は受信装置106Aの動作を制御する。この制御用論理回路206は、単一の処理デバイスで実現することも、複数個の処理デバイスが連携して受信装置106Aの動作を制御する形態で実現することもできる。制御用論理回路206に、オーディオ/ビデオコンテンツの処理・出力を担う諸部材乃至モジュールを内蔵又は連携させることも可能である。例えば、無線受信機202で受信されたコンテンツを解読(暗号解除)する回路を、この制御用論理回路206に内蔵させることができる。
【0025】
本実施形態では、無線受信機202で受信されたパケットのヘッダ情報が制御用論理回路206にて除去される。具体的には、IPヘッダ情報、UDPヘッダ情報、RTPヘッダ情報等がそのパケットの想定仕様に従い除去される。ヘッダ情報が除去されたパケットは、記録媒体204への保存、ビデオデコーダ210での更なる処理等に供される。
【0026】
ビデオデコーダ210は、ヘッダ情報除去済パケットが送られてきたとき、そのパケット内の圧縮版オーディオ/ビデオコンテンツをデコードして出力ストリームを発生させ、その出力ストリームを出力装置108に供給する。本実施形態で使用される出力装置108は受信装置106Aに内蔵されているものである。そうした受信装置106Aの例は、表示画面や内蔵スピーカで出力ストリームを再生することが可能な携帯電話である。本実施形態では、受信装置106A外の出力装置108も使用することができる。その場合、ビデオデコーダ210から出力された非圧縮版のオーディオ/ビデオコンテンツを制御用論理回路206内の変調回路で変調し、出力装置108向けの信号へと変換すればよい。
【0027】
制御用論理回路206は、オーディオ/ビデオ入力212を前述の通り記録媒体204に随時保存させる。本実施形態では、受信装置106A上に設けられた録画タイマに応答して制御用論理回路206から指令を発することで、指定されたチャネルを無線受信機202に受信させ、そのコンテンツを記録媒体204に保存させるようにしている。
【0028】
本実施形態では、制御用論理回路206が随時、オーディオ/ビデオ入力212を表示用の出力装置108に出力する等の手段で、オーディオ/ビデオ出力ストリーム216を当該オーディオ/ビデオ入力212に基づき発生させる。また、制御用論理回路206は、随時、記録媒体204から保存済ビデオコンテンツを読み出すことでオーディオ/ビデオ出力ストリームを発生させる。発生したオーディオ/ビデオ出力ストリームは、出力装置108でユーザ110向けに出力される。制御用論理回路206内に設けるオーディオ/ビデオストリーム出力回路は、出力装置108で認識可能なフォーマット、例えばコンポジットビデオ、コンポーネントビデオ、ディジタルビジュアルインタフェース(DVI)、高品位マルチメディアインタフェース(HDMI:登録商標)、IEEE1394、WiFi(登録商標)等のフォーマットでオーディオ/ビデオ出力ストリームを生成する回路とすればよい。制御用論理回路206内に設けるオーディオ/ビデオストリーム出力回路を、上掲のものやそれ以外のものを含め、複数通りのフォーマットをサポートする回路としてもよい。前述の如く出力装置108と一体な受信装置106Aを使用する場合には、その出力装置108によるオーディオ/ビデオ出力ストリームの表示等を制御用論理回路206の動作で制御することができる。
【0029】
制御用論理回路206は、TV番組の録画を求めるユーザ入力に応じ、その又はそれらの番組に係るオーディオ/ビデオ入力212を保存させる。制御用論理回路206は、そのTV番組それぞれに係る録画タイマを設定することでこれを実行する。その設定をユーザ110が目視確認、修正して矛盾を解消するのに役立つメニュー等の情報を、制御用論理回路206の許でユーザインタフェース上に出力させるようにしてもよい。
【0030】
本実施形態では、コンテンツを保存するのと同時に、出力装置108にてそのコンテンツを表示等させることができる。例えば、ATSC−M/H信号が無線受信機202で受信されると、制御用論理回路206にてその信号中のIPパケット群が処理される。即ち、制御用論理回路206にてパケットからIPヘッダ情報が除去される。ヘッダ情報が除去されたパケットは、制御用論理回路206の許で記録媒体204に保存されるのと同時に、その制御用論理回路206からビデオデコーダ210へと送られ、ビデオデコーダ201でのデコード、ひいては出力装置108への出力に供される。従って、受信装置106Aのユーザ110は、ATSC−M/H規格に従い配信された番組のうち所望のものを視聴と同時に録画させることができる。
【0031】
図3に、ビデオコンテンツを受信及び録画するプロセスの一例を示す。以下、この図のプロセスについて、ATSC−M/H信号を受信しコンテンツを保存する場合を例に説明することとする。但し、ご理解頂けるように、本プロセスはパケット化コンテンツの受信全般に適用可能である。この図は網羅的なものではないので、簡明化のため図示されていない諸ステップを本プロセスに加えることも可能である。
【0032】
本プロセスは、放送者からATSC−M/H信号を受信するステップ302を有している。このステップでは、例えば携帯電話内のATSC−M/Hチューナがモバイルデバイス向けの信号を受信し、指定されているチャネル乃至番組に係るビデオコンテンツを抽出する。具体的には、ATSC−M/HチューナがATSC−M/H信号を受信してビデオコンテンツ入りIPパケット群を抽出し受信装置内制御用論理回路に供給する。
【0033】
本プロセスは、ATSC−M/H信号を処理しそのビデオコンテンツからヘッダ情報を除去するステップ304も有している。このステップでは、制御用論理回路が例えばIPパケット群を受け取りそこからIPヘッダ情報を除去する。IPパケットにはUDPデータが封入されているので、このIPヘッダ情報除去に伴いビデオコンテンツ込みのUDPパケットが現れる。そのUDPパケットからUDPヘッダ情報を除去し、RTPパケットとして扱うことも可能である。こうして得られるUDPパケット乃至RTPパケットは、出力に備えビデオデコーダに転送するのと同時に、保存に備え記録媒体に転送することができる。
【0034】
本プロセスは、ヘッダ情報除去済パケット群を受信装置の記録媒体上に保存するステップ306を有している。このステップでは、受信装置内制御用論理回路が例えばUDPパケット群を記録媒体(例えばフラッシュメモリ)に転送し、ユーザ向けの事後再生に備えそこに一時又は恒久保存させる。
【0035】
本プロセスは、録画済番組の視聴を求めるユーザ入力を受領するステップ308を有している。このステップでは、例えば、出力装置での視聴に供しうる録画済番組のメニューを受信装置がユーザ向けに提示し、視聴したい録画済番組をユーザに指定させる。ユーザが番組をライブ視聴することや、コンテンツの部分リプレイやコンテンツの一時停止を伴うトリックプレイモード機能を使用することも可能である。
【0036】
本プロセスは、記録媒体上の録画済ビデオコンテンツにアクセスするステップ310、並びにそのビデオコンテンツを出力し出力装置上で表示させるステップ312も有している。これらのステップでは、例えば、受信装置内制御用論理回路が録画済ビデオコンテンツに対するアクセスを求め、ビデオデコーダがそのビデオコンテンツを受け取ってデコードし、その受信装置に係る画面上に表示させる。
【0037】
ステップ304で得られたヘッダ情報除去後のパケット群を、前述の通り、その保存と同時にユーザ向け表示に使用することもできる。そのため、本プロセスは、ビデオコンテンツを出力して出力装置による表示に供するステップ314を有している。このステップでは、ビデオデコーダが(例えばUDP又はRTPフォーマットの)ヘッダ情報除去済パケット群を受け取り、そのパケット中のビデオコンテンツをデコードし、その受信装置に係る画面上に表示させる。
【0038】
以上、特定の実施形態を参照して説明したが、本発明の技術的範囲はそれらに限定されるものではない。本発明の技術的範囲には、別紙特許請求の範囲に記載されている構成及びそれに対し均等な諸構成が包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体と、
ビデオコンテンツ込みの先進型テレビジョン方式委員会モバイル/ハンドヘルド(ATSC−M/H)信号を受信する無線受信機と、
ビデオデコーダと、
対応する無線受信機で受信されたビデオコンテンツを前記記録媒体に録画させつつ前記ビデオデコーダに転送する制御用論理回路と、
を備え、
前記ビデオデコーダが前記ビデオコンテンツをデコードして出力装置に供給するモバイル通信装置。
【請求項2】
請求項1記載のモバイル通信装置であって、
前記出力装置が、前記モバイル通信装置と一体の表示画面を有するモバイル通信装置。
【請求項3】
請求項1記載のモバイル通信装置であって、
前記制御用論理回路が、ビデオコンテンツ込みのインターネットプロトコル(IP)パケットを1個又は複数個受領し、前記IPパケットからIPヘッダを除去することで、前記記録媒体に録画すべきビデオコンテンツを得るモバイル通信装置。
【請求項4】
請求項3記載のモバイル通信装置であって、
前記制御用論理回路が、前記IPパケットから更にユーザデータグラムプロトコル(UDP)ヘッダを除去することで、前記記録媒体に録画すべきビデオコンテンツを得るモバイル通信装置。
【請求項5】
記録媒体と、
ビデオコンテンツ込みのパケット群を受信する受信機と、
対応する受信機で受信された前記パケット群からヘッダ情報を除去して前記記録媒体に保存させる制御用論理回路と、
を備える装置。
【請求項6】
請求項5記載の装置であって、
ビデオデコーダと、
ビデオコンテンツの視聴を求めるユーザ入力を受領する入力インタフェースと、
を備え、
前記ビデオコンテンツを、前記制御用論理回路が前記記録媒体から読み出し、前記ビデオデコーダがデコードして出力装置に供給する装置。
【請求項7】
請求項5記載の装置であって、
ビデオデコーダを備え、
前記制御用論理回路が、ヘッダ情報除去後のパケット群を、前記記録媒体に保存させつつ前記ビデオデコーダに転送し、
前記ビデオデコーダが、前記ビデオコンテンツをデコードして出力装置に供給する装置。
【請求項8】
請求項5記載の装置であって、出力装置が、請求項5記載の装置と一体化された装置。
【請求項9】
請求項5記載の装置であって、前記パケット群がインターネットプロトコル(IP)パケット群である装置。
【請求項10】
請求項5記載の装置であって、前記パケット群が、先進型テレビジョン方式委員会モバイル/ハンドヘルド(ATSC−M/H)規格に従い伝送されたパケット群である装置。
【請求項11】
請求項5記載の装置であって、前記受信機が無線ATSC−M/H受信機である装置。
【請求項12】
請求項5記載の装置であって、前記受信機がモバイル通信装置である装置。
【請求項13】
ビデオコンテンツ込みで伝送されたパケット群を受信機で受信するステップと、
前記受信機で受信された前記パケット群からヘッダ情報を除去するステップと、
ヘッド情報除去後の前記パケット群を前記受信機に係る記録媒体に保存するステップと、
を有するビデオコンテンツ記録方法。
【請求項14】
請求項13記載のビデオコンテンツ記録方法であって、
ヘッダ情報除去後の前記パケット群をその保存と並行してビデオデコーダに転送するステップと、
ヘッダ情報除去後の前記パケット群をデコードしてビデオストリームを得るステップと、
前記ビデオストリームを出力装置に供給するステップと、
を有するビデオコンテンツ記録方法。
【請求項15】
請求項14記載のビデオコンテンツ記録方法であって、
前記受信機と一体の出力装置を使用するビデオコンテンツ記録方法。
【請求項16】
請求項13記載のビデオコンテンツ記録方法であって、
受信される前記パケット群が、ビデオコンテンツ込みのインターネットプロトコル(IP)パケット群であるビデオコンテンツ記録方法。
【請求項17】
請求項13記載のビデオコンテンツ記録方法であって、
前記パケット群が、先進型テレビジョン方式委員会モバイル/ハンドヘルド(ATSC−M/H)規格に従い伝送されたパケット群であるビデオコンテンツ記録方法。
【請求項18】
請求項13記載のビデオコンテンツ記録方法であって、
前記受信機がモバイル通信装置であるビデオコンテンツ記録方法。
【請求項19】
請求項18記載のビデオコンテンツ記録方法であって、
前記モバイル通信装置が携帯電話であるビデオコンテンツ記録方法。
【請求項20】
請求項13記載のビデオコンテンツ記録方法であって、
前記パケット群からヘッダ情報を除去するステップが、
前記パケット群からインターネットプロトコル(IP)ヘッダ情報を除去するサブステップと、
前記パケット群からユーザデータグラムプロトコル(UDP)ヘッダ情報を除去するサブステップと、
を含むビデオコンテンツ記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−511910(P2013−511910A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540044(P2012−540044)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際出願番号】PCT/US2010/057175
【国際公開番号】WO2011/063088
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(510242266)ディッシュ ネットワーク エルエルシー (3)
【氏名又は名称原語表記】DISH NETWORK LLC
【住所又は居所原語表記】9601 South Meridian Blvd.,Englewood,Colorado 80112,United States of America
【Fターム(参考)】