説明

パス管理装置およびパス管理方法

【課題】複数のドメインから構成されるネットワークにおいて、各ドメインが品質要求指定に対応している状況で、ユーザの要求条件を満たしながらネットワークの任意の2地点を接続するパスの経路を素早く発見することを課題とする。
【解決手段】本発明のパス管理サーバ5は、パスの経路の設定に関する制約条件のうち、パスの経路が通過するドメイン2ごとの個々の値の和によって表される分割可能制約条件を、当該パスの経路が通過するドメイン2ごとに割り当てるために、当該パスの経路が通過するドメイン2ごとの大きさ、ドメイン2の数、それらのドメイン2におけるパスの経路の設定に関する過去のデータの少なくともいずれかに基づいて、分割可能制約条件を分割する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のドメインから構成されるネットワークにおいて、各ドメインが品質要求指定に対応している状況で、ユーザの要求条件を満たしながらネットワークの任意の2地点を接続するパスの経路を素早く発見するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、伝送技術の発展とアプリケーションの多様化により、動画・音声配信や実験データ転送といった、大容量のファイル(データ)をやりとりする機会が増えている。さらに、そういった機会は、定期的・長期的だけではなく、不定期かつ数時間から数日レベルの短期間、即時的に発生するようになった。そのため、このような不定期かつ短期的、即時的な大容量データ転送のために専用線を準備するのでは、ネットワークキャリア側としては限られた網資源の非効率的な利用につながり、ユーザ側としては使用していない期間の料金も発生する、といった問題が発生する。
【0003】
この問題を解決するために、ユーザが好きなタイミングで好きな期間だけデータ転送のためのネットワーク帯域、つまり、「パス」を使うことができる「オンデマンドサービス」が普及している(非特許文献1、2参照)。特に、DCN(Dynamic Circuit Network)アーキテクチャ(非特許文献2参照)では、管理組織が異なる複数のドメインをまたがるパスをオンデマンドで張れる仕組みが用意されており、今後通信サービスがグローバル化していく中で注目すべきサービスである。
【0004】
オンデマンドサービスでは、ユーザが好きな時に好きな期間パスを設定できるだけではなく、遅延や遅延ゆらぎ、パケットロス率、MTU(Maximum Transmission Unit)といった、アプリケーションごとに重要となってくる制約条件(要求条件)を満たしたパスを設定できることが重要である。現状のオンデマンドサービスでは、専用の集中サーバがこのようなネットワークのパフォーマンス情報を保持し、ユーザ要求を満たすパスを発見する際や、実際に稼働中のパスの性能を確認するのに参照されている。
【0005】
また、性能計測技術としては、Internet2が普及促進をしているperfSONAR(非特許文献3参照)が代表的である。perfSONARは、ネットワーク性能測定のフレームワークで、各ドメインと連携したネットワーク測定および測定データの提供を行う。この測定は、各ドメイン内の主要ノードに設置されるMP(Measurement Point)と呼ばれる測定ポイントが行い、測定結果は、MA(Measurement Archive)と呼ばれるアーカイブサーバに貯蓄される。perfSONARでは様々なサービスが用意されており、測定可能なパラメータとしては遅延やジッタ、スループット等がある。
【0006】
数多くあるユーザ要求制約条件は、大きく2種類に分けられる。1つは、パスの経路が通過する複数のドメイン全てが、ユーザが要求した値そのままを満足する必要があり、分割することができない制約条件(以下、「分割不可制約条件」とも称する。)である。分割不可制約条件には、例えば、帯域や予約開始・終了時間、MTU、信頼性(冗長化、MTBF(Mean Time Between Failure))などがある。もう1つは、パスの経路が通過する複数のドメインの性能値の総和や確率統計が、ユーザの要求した値を満たしていればよく、ドメインごとに分割可能な制約条件(以下、「分割可能制約条件」とも称する。)である。分割可能制約条件には、例えば、遅延や遅延ゆらぎ、パケットロス率、などがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】"Dynamic Circuit Network"、[online]、[平成23年6月6日検索]、インターネット<URL: http://www.internet2.edu/network/dc/>
【非特許文献2】"L1オンデマンド"、[online]、学術情報ネットワーク、[平成23年6月6日検索]、インターネット<URL: http://www.sinet.ad.jp/service/network/l1/ondemand >
【非特許文献3】"perfSONAR"、[online]、[平成23年6月6日検索]、インターネット<URL: http://www.perfsonar.net/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
今後、アプリケーションの種類が増えるにつれて、パス設定で満たすべき制約条件の種類も増加し、制約条件を考慮したパスの設定が重要となってくる。しかし、このように制約条件の種類が増えてくると、各ドメインは、自身の性能指標となる制約条件に関わる値を自分自身の管理外にある専用サーバに保持させて参照されたくない場合が出てくる。この場合、パスを設定する際、特に複数のドメインをまたいでパスが設定される場合には、パスの経路が通過する個々のドメインに制約条件を満たすかどうかを直接問い合わせる必要がある。
【0009】
このとき、2種類に分けた制約条件のうち、分割可能制約条件は、各ドメインへ制約条件を満たすパスの経路の問い合わせを行う際に、満たすべき制約条件の値を工夫して伝えないと、関連するドメイン間で合わせてユーザの要求条件を満たすパスを発見することが難しい。例えば、ユーザが要求してきた遅延制約条件が30ms以下であった場合、3つのドメインA,B,Cを経由するパスがその遅延制約条件を満たすためには、各ドメインで遅延10ms以下を満足すればよい。このとき、各ドメインに「遅延10ms以下を満たす経路があるか」と問い合わせると遅延条件が厳しくなるためNGとなるドメインが出てくる可能性がある。一方、「遅延30ms以下を満たす経路があるか」と問い合わせると、各ドメインは遅延制約条件を満たしたとしても、ドメインA,B,Cと通過するパスの遅延は30msを超えている可能性がある。
【0010】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、複数のドメインから構成されるネットワークにおいて、各ドメインが品質要求指定に対応している状況で、ユーザの要求条件を満たしながらネットワークの任意の2地点を接続するパスの経路を素早く発見することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本発明は、複数の通信装置およびそれらを制御するドメイン制御サーバを有するドメインを複数備えるネットワークについて、前記ドメインの異なる任意の2つの前記通信装置間を接続するパスの経路を発見するパス管理装置であって、前記パスの経路の設定に必要な前記ネットワークに関する情報であるネットワーク情報を記憶する記憶部と、ユーザから、前記パスの始点と終点、および、前記パスの経路の設定に必要な制約条件を含むパス設定要求があったとき、前記パス設定要求における制約条件を満たすような経路を計算する計算部と、複数の前記ドメイン制御サーバに対して制約条件とともにパス予約要求を行い、当該パス予約要求を行ったドメイン制御サーバからパス予約の可否結果情報を収集する外部装置通信部と、を備え、前記計算部は、前記制約条件のうち、前記パスの経路が通過するドメインごとの個々の値の和によって表される分割可能制約条件を、当該パスの経路が通過するドメインごとに割り当てるために、当該パスの経路が通過するドメインごとの大きさ、ドメインの数、それらのドメインにおけるパスの経路の設定に関する過去のデータの少なくともいずれかに基づいて、前記分割可能制約条件を分割することを特徴とする。
【0012】
これにより、複数のドメインから構成されるネットワークにおいて、各ドメインが品質要求指定に対応している状況で、ユーザの要求条件を満たしながらネットワークの任意の2地点を接続するパスの経路を素早く発見することができる。つまり、分割可能制約条件を、ドメインごとの大きさ、ドメインの数、過去のデータなどに基づいて分割することで、パスの適切な経路を素早く発見することができる。
【0013】
また、本発明は、前記外部装置通信部が、いずれかの前記ドメイン制御サーバから当該ドメインについてパス予約が否である旨の情報を取得した場合に、当該パス予約が否であることの原因となった制約条件が、前記パスの経路が通過するドメインごとに分割することができない分割不可制約条件であったとき、前記計算部は、当該パス予約が否であるドメインを除外して前記パスの経路を再計算することを特徴とする。
【0014】
これにより、分割不可制約条件を満足できないドメインを除外してパスの経路を再計算することで、制約条件を満たす別の経路を素早く発見することができる。
【0015】
また、本発明は、前記外部装置通信部が、いずれかの前記ドメイン制御サーバから当該ドメインについてパス予約が否である旨の情報を取得した場合に、当該パス予約が否であることの原因となった制約条件が、前記分割可能制約条件であったとき、前記計算部は、前記分割可能制約条件の分割比率を再計算することを特徴とする。
【0016】
これにより、一度発見したパスの経路はそのままで、ユーザが要求した制約条件を満足するかどうかを再確認することができ、パスの経路を素早く発見することができる。
【0017】
また、本発明は、前記外部装置通信部が、1つ以上の前記ドメイン制御サーバから当該ドメインについてパス予約が否である旨の情報を取得し、当該パス予約が否であることの原因となった制約条件として、前記パスの経路が通過するドメインごとに分割することができない分割不可制約条件と、前記分割可能制約条件との両方があった場合に、前記計算部は、当該パス予約が否であるドメインの数が所定数以上であるとき、当該パスの経路を再計算することを特徴とする。
【0018】
これにより、パス予約が否であるドメインの数が所定数以上のときはパスの経路を再計算することで、より複雑な分割可能制約条件の分割比率の再計算の回数を減らすことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、複数のドメインから構成されるネットワークにおいて、各ドメインが品質要求指定に対応している状況で、ユーザの要求条件を満たしながらネットワークの任意の2地点を接続するパスの経路を素早く発見することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態のネットワークの構成図である。
【図2】パス管理サーバの構成図である。
【図3】ネットワークにおける各装置の処理例を示すフローチャートである。
【図4】ネットワークにおける各装置等の他の処理例を示すフローチャートである。
【図5】ネットワークにおける各装置等のさらに他の処理例を示すフローチャートである。
【図6】パス情報データベースが保持する情報の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する。)について、図面を参照(言及図以外の図も適宜参照)して説明する。なお、以下において、「パスの経路の設定」を、「パスの設定」や「パス設定」とも称する。
【0022】
まず、本実施形態のネットワークの構成について図1を用いて説明する。ネットワーク1は、複数のドメイン2(2a、2b、2c、2d)を備えている。なお、複数のドメイン2について、特に区別しないときは「ドメイン2」と称し、区別するときは「ドメイン2a」などと称する。
【0023】
ドメイン2については、例えば、OSPF(Open Shortest Path Fast)プロトコルが管理する範囲を1つのドメインとする。そして、各ドメイン2は、複数の通信装置3を有している。各ドメイン2では、ドメイン制御サーバ4(4a、4b、4c、4d)それぞれが管理を行っている。なお、複数のドメイン制御サーバ4について、特に区別しないときは「ドメイン制御サーバ4」と称し、区別するときは「ドメイン制御サーバ4a」などと称する。
【0024】
ドメイン2間をまたいだ通信装置3同士が通信可能に接続されることで、各ドメイン2同士が通信可能となっている。また、パス管理サーバ5(パス管理装置)は、各ドメイン2のドメイン制御サーバ4と通信可能に接続され、必要に応じて通信を行う。
【0025】
次に,パス管理サーバ5の構成について図2を用いて説明する。パス管理サーバ5は、コンピュータ装置であり、ユーザ要求受付/応答部51、対ユーザ入出力インターフェース511、情報収集部52、計算部53、外部装置通信部54、対外部装置入出力インターフェース541、および、記憶部55を備えて構成され、それらがCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、各種インターフェース等によって実現される。記憶部55には、ネットワーク情報データベース551とパス情報データベース552が格納されている。
【0026】
ユーザ要求受付/応答部51は、対ユーザ入出力インターフェース511を介してユーザからパス設定要求を受け付けたり、パス設定の可否結果を出力したりする役割を果たす。ユーザ要求受付/応答部51は、例えば、ユーザからパス設定要求のための入力が行われると、ネットワーク情報データベース551や計算部53などと連携し、ユーザの入力内容をパス設定のための内部処理に反映させたり、パス設定要求のOK/NGが判明した際にはその情報をユーザに知らせるために画面(図2に不図示)に表示したりする。
【0027】
情報収集部52は、ユーザがパス設定要求を行う際に、指定されたパスの始点と終点を結ぶ最適な経路を算出するために必要な、ネットワーク1に存在するドメイン2同士の接続情報などをネットワーク1内のドメイン制御サーバ4等から収集する。
【0028】
計算部53は、ユーザがパス設定要求を行った際に、ネットワーク情報データベース551などと連携し、ユーザが入力したパス設定に関する制約条件(「要求条件」とも称する。)を考慮してパスの経路を計算したり、パスの経路が通過するドメイン2間で分割する必要がある分割可能制約条件の分割比率を計算したりする。
【0029】
外部装置通信部54は、ユーザが入力した制約条件を満たすパスを設定するために、対外部装置入出力インターフェース541を介して適切な外部装置にその情報を伝える。適切な外部装置としては、パスの経路が通過するドメイン2のドメイン制御サーバ4や、ユーザが入力したパスの始点が存在するドメイン2を管理するドメイン制御サーバ4、ネットワーク1内に存在する専用サーバ(図1に不図示)などがある。
【0030】
ネットワーク情報データベース551は、情報収集部52が収集したネットワーク情報を保持する。保持する情報としては、ネットワーク1内に存在するドメイン2やドメイン2間の接続関係、各ドメイン2を構成する、または各ドメイン2の境界に位置するノード(通信装置3)、各ノードに付属するインターフェースなどがある。
【0031】
パス情報データベース552は、ユーザが要求したパスに関する情報を保持する。保持する情報としては、各パスを要求したユーザ名、パスの始点・終点、帯域、VLAN(Virtual Local Area Network) ID(identifier)、予約開始・終了時間、品質に関する制約条件(遅延、遅延ゆらぎ、MTUなど)、状態(稼働中、終了、予約済み、キャンセル、失敗、など)などがある。
【0032】
次に、ユーザがパス管理サーバ5を用いてパス設定要求を行った場合の各装置の処理例について図3を用いて説明する。なお、この図3の処理例の前提として、パス管理サーバ5から提示された制約条件を満たす経路があるかどうかの問い合わせを受けたドメイン2は、経路の有無を回答し、経路が無い場合にはその原因となった制約条件(例:遅延NGなど)も回答するが、制約条件に関する値までは回答しないこととする。また、パス管理サーバ5は、ドメイン2の接続関係(ドメイン単位のトポロジ)やドメイン2ごとのファイバケーブル等の最大帯域は、OSPFなどのプロトコルを利用して、またはネットワーク1内に存在する専用サーバへ問い合わせるなどして、把握していることとする。また、パス管理サーバ5は、ドメイン2ごとのリアルタイムなリソース状況や品質(遅延、パケットロス率など)の情報は把握していないこととする。また、図3において、例えば、「ドメイン2a」と記載している部分について、実際に処理を行うのは「ドメイン制御サーバ4a」や「専用サーバ(図1に不図示)」であるが、説明の都合上、「ドメイン2a」と記載する。ドメイン2b、2c、2dについても同様である。
【0033】
まず、ユーザ6(以下、単に「ユーザ」と称する。)がパス管理サーバ5を用いてパス設定要求を行う(ステップ(1))。なお、ユーザは、パス管理サーバ5を直接操作してもよいし、あるいは、他のコンピュータ装置からパス管理サーバ5へアクセスすることによりパス設定要求を行ってもよい。このとき、ユーザがパス設定に関して指定する制約条件には、パスの始点・終点、帯域、予約開始・終了時間、VLAN ID、品質制約条件(最大許容可能遅延、最大許容可能遅延ゆらぎ、最大許容可能パケットロス率、必要MTU、信頼性(冗長化、MTBF))などがある。また、パスを設定するための必須項目は、パスの始点・終点、帯域、予約開始・終了時間、である。ここでは、遅延が100ms未満で、かつ、帯域が1Gbps(bits per second)、という制約条件を満たすパス設定を要求している。
【0034】
次に、ユーザからのパス設定要求を受けたパス管理サーバ5は、ドメイン選択を行う、つまり、ユーザが指定したパスの始点・終点を満足する経路をドメインレベル以下で算出する(ステップ(2)の前半)。「ドメインレベル以下で算出する」とは、具体的には、通過するドメイン2を決定する、通過するドメイン2とそのドメイン2の境界ノード(境界の通信装置3)を決定する、あるいは、通過するドメイン2とそのドメイン2内のノードを決定する、などが該当する。また、経路算出方法としては、最短経路計算やCSPF(constrained shortest path fast)などがある。
【0035】
これらの計算を行うために、事前に定期的に、またはユーザのパス設定要求をトリガーとして、情報収集部52がネットワーク1内に存在する、各ドメイン2の情報を保持する専用サーバ、または、各ドメイン2のドメイン制御サーバ4から情報を収集し、記憶部55のネットワーク情報データベース551に情報を保持させる。そして、計算部53が、このネットワーク情報データベース551を参照して計算を行う。また、このとき、収集したネットワーク情報からドメイン2間の遅延値(遅延時間)を算出し、この遅延値も考慮してもよい。
【0036】
同時に、ユーザから指定された要求条件の中に、分割可能制約条件が含まれていた場合には、ドメイン2間での制約条件の分割比率を算出する(ステップ(2)の後半)。分割可能制約条件には、遅延や遅延ゆらぎ、パケットロス率などがある。分割の計算は、パスの経路が通過するドメイン2の大きさを考慮して分割してもよい。ドメイン2の大きさの基準としては、各ドメイン2においてパスの経路が通るドメイン境界ノード間の距離、各ドメイン2の面積、直径、ノード数などがある。これにより、遅延や遅延ゆらぎ、パケットロス率など伝送距離が長くなるほど性能が悪化するような制約条件を適切に分割することが可能である。
【0037】
同様に、制約条件の分割の計算は、パスの経路が通過するドメイン2の数を考慮して行ってもよい。これにより、各ドメイン2に与える制約条件値を容易に算出することが可能である。同様に、制約条件の分割の計算は、パスの経路が通過するドメイン2の制約条件値に関する過去のデータを考慮して行ってもよい。これにより、実測値に近いデータを考慮してより正確かつ適切に各ドメイン2に制約条件を分割でき、ユーザの要求条件を満たすパスを素早く発見することが可能となる。
【0038】
同様に、制約条件の分割の計算は、パスの経路が通過するドメイン2の大きさや数、過去のデータなどとは無関係に分割してもよい。例えば、ユーザが遅延100ms未満を制約条件として要求し、パスの経路が通過するドメイン2の数が3つの場合、各ドメイン2に遅延33ms以下と制約条件を与える。これにより、各ドメイン2に与える制約条件値を容易に算出することが可能である。図3の例では、ユーザはドメイン2bに属するノードを始点、ドメイン2cに属するノードを終点、帯域1Gbps、遅延100ms未満、と要求した場合に、パス管理サーバ5は、経路として「ドメイン2b→ドメイン2a→ドメイン2c」を算出し、これらのドメイン2間に各々帯域1Gbps、遅延33ms以下の制約条件を与え、これらの制約条件を満たす経路の問い合わせを行うことを決定したものとする。
【0039】
次に、パス管理サーバ5は、算出した経路を通過するドメイン2に対して、品質要求指定のパス予約要求を行う、すなわち、制約条件を満たすような経路が存在するかどうか問い合わせを行う(ステップ(3))。ここで、分割不可制約条件(例:帯域、VLAN IDなど)については、ユーザから要求されたそのままの値で各ドメイン2に問い合わせを行う。なお、本実施形態では、パス管理サーバ5が、関連する全てのドメイン2に直接問い合わせを行っているが、パス管理サーバ5がパスの始点が属するドメイン2に問い合わせを行い、その後は関連するドメイン2同士でシグナリングメッセージによって問い合わせを行ってもよい。また、パス管理サーバ5がドメイン2について問い合わせを行う先は、ドメイン制御サーバ4だけでなく、専用のサーバであってもよい。
【0040】
次に、問い合わせを受けた各ドメイン2は、制約条件を満たす経路が存在するかどうかの返答をパス管理サーバ5に対して行う(ステップ(4))。なお、各ドメイン2は、制約条件を満たす経路が存在しなかった場合には、経路が見つからなかった原因となった制約条件も伝えるものとする。図3の例では、ドメイン2aは帯域の制約条件を満たせない、ドメイン2bは制約条件を満たす経路が存在する、ドメイン2cは遅延の制約条件を満たせない、と回答したものとする。
【0041】
各ドメイン2からの応答を受け取ったパス管理サーバ5は、NG応答の原因となった制約条件に基づき、次に行うべき処理を決定する。ここで、パス管理サーバ5は、帯域などの分割不可制約条件が、経路を決定できない原因になっていた場合、経路計算(ドメイン選択)を再び行う(ステップ(2a))。このときの経路計算の方法としては、経路を決定できない原因となっていたドメイン2を抜かしたトポロジで最短経路計算やCSPF計算を行う方法がある。図3の例では、経路を「ドメイン2b→ドメイン2a→ドメイン2c」から「ドメイン2b→ドメイン2d→ドメイン2c」に変更している。
【0042】
また、ステップ(2a)では、パス管理サーバ5は、通過するドメイン2が変更となったことにより、遅延などの分割可能制約条件を再度新たに選択されたドメイン2間で分割する必要がある場合には、制約条件を分割するための計算も行う。これらの処理により、分割不可制約条件を満足できないドメイン2を除外して、制約条件を満たす別の経路を発見することが可能である。
【0043】
次に、パス管理サーバ5は、再計算した経路を通過するドメイン2に対して、品質要求指定のパス予約要求を行う、すなわち、算出した経路や制約条件を満たすような経路が存在するかどうか問い合わせを行う(ステップ(3a))。問い合わせを受けた各ドメイン2は、制約条件を満たす経路が存在するかどうかの返答をパス管理サーバ5に対して行う(ステップ(4a))。
【0044】
そして、パス管理サーバ5は、各ドメイン2からの回答を受け、遅延などの分割可能制約条件が経路を決定できない原因になっていた場合、その値の分割比率の再計算(制約条件分割)を行う(ステップ(2b))。ここで、分割可能制約条件が複数存在した場合には、再計算を行う制約条件を1つずつにしてもよいし、複数を同時に再計算してもよい。再計算の方法としては、予め決めた分だけ、NG回答のドメインに対しては値を増やすなどして制約条件を緩和し、OK回答のドメインに対してはその分制約条件をきつくする、などの方法がある。これにより、一度発見した通過ドメインはそのままで、ユーザが要求した制約条件を満足するかどうかを再確認することが可能である。図3の例では、NG回答のドメイン2dの遅延制約条件を33msから50msに緩和し、同時にOK回答のドメイン2b,3cの遅延制約条件を33msから25msときつくしている。
【0045】
次に、パス管理サーバ5は、パスの経路を通過するドメイン2に対して、品質要求指定のパス予約要求を行う、すなわち、ステップ(2b)で算出した経路や再計算した制約条件、ユーザが指定したその他の制約条件を満たすような経路が存在するかどうか問い合わせを行う(ステップ(3b))。問い合わせを受けた各ドメイン2は、制約条件を満たす経路が存在するかどうかの返答をパス管理サーバ5に対して行う(ステップ(4b))。ここで、再び制約条件を満たさない経路が存在するドメイン2が1つでもあれば、パス管理サーバ5が経路または制約条件分割の再計算を行い、全てのドメイン2で経路が存在するパスの経路が見つかるまで同様の処理を繰り返し行う。
【0046】
一方、問い合わせをしたドメイン2全てで制約条件を満たす経路が存在するという回答が得られた場合(ステップ(4b))、パス管理サーバ5は、見つけた経路でパスを設定するために、関連するドメイン2にパス予約/設定指示を行い(ステップ(5))、また、ユーザに、設定するパスの情報や予約完了を回答する(ステップ(6))。また、パス管理サーバ5からの指示を受けたドメイン制御サーバ4は、関連する各装置(通信装置3等)に対してパス予約/設定の指示を行う(ステップ(7))。
【0047】
なお、ユーザが、過去に設定要求したパスの情報を知りたい場合には、パス管理サーバ5の専用のボタン(図2に不図示)を押すことで、図6のように、パス情報データベース552が保持する情報を表示するようにしてもよい。図6では、パス情報データベース552が保持する情報として、行ごとに、No.、ユーザ、パスの始点・終点、帯域、予約時間(予約開始・終了時間)、VLAN ID、品質制約条件、状態の各情報が表示されている。
【0048】
このように、本実施形態によれば、複数のドメイン2から構成されるネットワーク1において、各ドメイン2が品質要求指定に対応している状況で、ユーザの要求条件を満たしながらネットワーク1の任意の2地点を接続するパスの経路を、ドメイン単位で探索することで、素早く発見することができる。
【0049】
また、分割不可制約条件がNGのドメイン2を先になくし、その後、分割可能制約条件だけを調整すればよいようにすることで、パスの経路を素早く求めることができる。
【0050】
次に、ユーザがパス管理サーバ5を用いてパス設定要求を行った場合の他の処理例について図4を用いて説明する。なお、図3の場合の処理と同様の事項については重複する説明を適宜省略し、主に相違事項について説明する。また、この図4の場合の処理の前提として、パス管理サーバ5から提示された制約条件を満たす経路があるかどうかの問い合わせを受けたドメイン2は、経路の有無のみを回答し、経路が無い場合でもその原因となる制約条件に関する情報は回答しないこととする。
【0051】
まず、ユーザがパス管理サーバ5を用いてパス設定要求を行う(ステップ(11):図3のステップ(1)に対応)。ここでは、遅延が100ms未満という制約条件を満たすパス設定を要求している。
次に、ユーザからパス設定要求を受けたパス管理サーバ5は、ドメイン選択を行い、ユーザから指定された要求条件の中に分割可能制約条件が含まれていた場合には制約条件分割を行う(ステップ(12):図3のステップ(2)に対応)。図4の例では、ユーザはドメイン2bに属するノードを始点、ドメイン2cに属するノードを終点、遅延100ms未満、と要求した場合に、経路として「ドメイン2b→ドメイン2a→ドメイン2c」を算出し、これらのドメイン2間に各々遅延33ms以下の制約条件を与え、これらの制約条件を満たす経路の問い合わせを行うことを決定する。
【0052】
次に、パス管理サーバ5は、算出した経路を通過するドメイン2に対して、品質要求指定のパス予約要求を行う、すなわち、算出した経路や制約条件を満たすような経路が存在するかどうか問い合わせを行う(ステップ(13):図3のステップ(3)に対応)。
【0053】
次に、問い合わせを受けた各ドメイン2は、制約条件を満たす経路が存在するかどうかの返答をパス管理サーバ5に対して行う(ステップ(14))。なお、各ドメイン2は、制約条件を満たす経路が存在しなかった場合には、経路が見つからなかった原因となった制約条件に関する情報は出さず、単に経路がなかったことだけを伝えるものとする。
【0054】
各ドメイン2からの応答を受け取ったパス管理サーバ5は、経路がなかったドメイン2の数と事前に決めていた閾値(所定数)(記憶部55に記憶しておく。)を比べる。閾値の決め方としては、例えば、パスの経路が通過するドメイン数のx%とする、「2」などの固定値とする、などの方法がある。ここで、閾値よりもNG回答のドメイン数が多かった場合、パス管理サーバ5は、パスの経路が通過する経路を変更するためにドメイン選択(経路計算)を再び行う(ステップ(12a))(なお、閾値よりもNG回答のドメイン数が多くなかった場合については図5で後記)。経路計算の方法としては、NG回答のドメインのうち幾つかのドメインを抜かしたトポロジで最短経路計算やCSPF計算を行う、等の方法がある。このように経路を再計算することで、より複雑な制約条件分割再計算を避け、NGとなるドメインの数を減らす経路を発見することが可能である。図4の例では、経路を「ドメイン2b→ドメイン2a→ドメイン2c」から「ドメイン2b→ドメイン2d→ドメイン2c」に変更している。
【0055】
次に、パス管理サーバ5は、再計算した経路を通過するドメイン2に対して、品質要求指定のパス予約要求を行う、すなわち、ステップ(12a)で算出した経路や制約条件を満たすような経路が存在するかどうか問い合わせを行う(ステップ(13a))。問い合わせを受けた各ドメイン2は、制約条件を満たす経路が存在するかどうかの返答をパス管理サーバ5に対して行う(ステップ(14a))。
【0056】
ステップ(4a)で問い合わせをしたドメイン2全てで制約条件を満たす経路が存在するという回答が得られた場合、パス管理サーバ5は、見つけた経路でパスを設定するために、関連するドメイン2にパス予約/設定指示を行い(ステップ(15):図3のステップ(5)に対応)、ユーザに、設定するパスの情報や予約完了を回答する(ステップ(16):図3のステップ(6)に対応)。また、パス管理サーバ5からの指示を受けたドメイン制御サーバ4は、関連する各装置(通信装置3等)に対してパス予約/設定の指示を行う(ステップ(17):図3のステップ(7)に対応)。
【0057】
次に、ユーザがパス管理サーバ5を用いてパス設定要求を行った場合のさらに他の処理例について図5を用いて説明する。なお、図3、図4の場合の処理と同様の事項については重複する説明を適宜省略し、主に相違事項について説明する。図4の場合の処理と比較し、前提、および、ステップ(21)〜(23)(図4のステップ(11)〜(13)に対応)は同様である。
【0058】
ステップ(23)の後、問い合わせを受けた各ドメイン2は、制約条件を満たす経路が存在するかどうかの返答をパス管理サーバ5に対して行う(ステップ(24))。
各ドメイン2からの応答を受け取ったパス管理サーバ5は、経路がなかったドメイン2の数と事前に決めていた閾値を比べる。ここで、閾値よりもNG回答のドメイン数が多くなかった場合、パス管理サーバ5は、制約条件を分割する、すなわち、分割可能制約条件の分割比率を変更するために再計算を行う(ステップ(22b):図3のステップ(2b)に対応)。
【0059】
次に、パス管理サーバ5は、各ドメイン2に対して、品質要求指定のパス予約要求を行う、すなわち、再計算した分割可能制約条件を満たす経路が存在するかどうか問い合わせを行う(ステップ(23b))。問い合わせを受けた各ドメイン2は、その分割可能制約条件を満たす経路が存在するかどうかの返答をパス管理サーバ5に対して行う(ステップ(24b))。
【0060】
ステップ(23b)で問い合わせをしたドメイン2全てで制約条件を満たす経路が存在するという回答が得られた場合、パス管理サーバ5は、見つけた経路でパスを設定するために、関連するドメイン2にパス予約/設定指示を行い(ステップ(25):図3のステップ(5)に対応)、ユーザに、設定するパスの情報や予約完了を回答する(ステップ(26):図3のステップ(6)に対応)。また、パス管理サーバ5からの指示を受けたドメイン制御サーバ4は、関連する各装置(通信装置3等)に対してパス予約/設定の指示を行う(ステップ(27):図3のステップ(7)に対応)。
【0061】
このように、図4、図5の処理によれば、NG回答のドメイン数が多い場合には分割可能制約条件の分割比率ではなく経路(選択ドメイン)から再計算することで、NGドメイン数を減らし、これにより、NGドメイン数が増えるほど複雑になる分割可能制約条件の割り当てをNGドメイン数が多い場合に避けることができるので、パスの経路の発見を素早く行うことが可能となる。
【0062】
なお、パス管理サーバ5による前記処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを作成し、コンピュータにインストールすることで、そのコンピュータは、その処理を実行することができる。
【0063】
このように、本実施形態のパス管理サーバ5によれば、複数のドメイン2から構成されるネットワーク1において、各ドメイン2が品質要求指定に対応している状況で、ユーザの要求条件を満たしながらネットワーク1の任意の2地点を接続するパスの経路を素早く発見することができる。つまり、分割可能制約条件を、ドメインごとの大きさ、ドメインの数、過去のデータなどに基づいて分割することで、パスの適切な経路を素早く発見することができる。
【0064】
また、分割不可制約条件を満足できないドメイン2を除外してパスの経路を再計算することで、制約条件を満たす別の経路を素早く発見することができる。
【0065】
また、分割可能制約条件の分割比率を再計算することで、一度発見したパスの経路はそのままで、ユーザが要求した制約条件を満足するかどうかを再確認することができ、パスの経路を素早く発見することができる。
【0066】
また、パス予約が否であるドメイン2の数が所定数以上のときはパスの経路を再計算することで、より複雑な分割可能制約条件の分割比率の再計算の回数を減らすことができる。
【0067】
以上で本実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。
例えば、ドメイン2の数は、4つでなくても、2つ、3つ、あるいは5つ以上であってもよい。
その他、各装置の構成や処理の具体的な内容について、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更ができる。
【符号の説明】
【0068】
1 ネットワーク
2、2a、2b、2c、2d ドメイン
3 通信装置
4、4a、4b、4c、4d ドメイン制御サーバ
5 パス管理サーバ
6 ユーザ
51 ユーザ要求受付/応答部
52 情報収集部
53 計算部
54 外部装置通信部
55 記憶部
511 対ユーザ入出力インターフェース
541 対外部装置入出力インターフェース
551 ネットワーク情報データベース
552 パス情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信装置およびそれらを制御するドメイン制御サーバを有するドメインを複数備えるネットワークについて、前記ドメインの異なる任意の2つの前記通信装置間を接続するパスの経路を発見するパス管理装置であって、
前記パスの経路の設定に必要な前記ネットワークに関する情報であるネットワーク情報を記憶する記憶部と、
ユーザから、前記パスの始点と終点、および、前記パスの経路の設定に必要な制約条件を含むパス設定要求があったとき、前記パス設定要求における制約条件を満たすような経路を計算する計算部と、
複数の前記ドメイン制御サーバに対して制約条件とともにパス予約要求を行い、当該パス予約要求を行ったドメイン制御サーバからパス予約の可否結果情報を収集する外部装置通信部と、を備え、
前記計算部は、前記制約条件のうち、前記パスの経路が通過するドメインごとの個々の値の和によって表される分割可能制約条件を、当該パスの経路が通過するドメインごとに割り当てるために、当該パスの経路が通過するドメインごとの大きさ、ドメインの数、それらのドメインにおけるパスの経路の設定に関する過去のデータの少なくともいずれかに基づいて、前記分割可能制約条件を分割する
ことを特徴とするパス管理装置。
【請求項2】
前記外部装置通信部が、いずれかの前記ドメイン制御サーバから当該ドメインについてパス予約が否である旨の情報を取得した場合に、
当該パス予約が否であることの原因となった制約条件が、前記パスの経路が通過するドメインごとに分割することができない分割不可制約条件であったとき、
前記計算部は、当該パス予約が否であるドメインを除外して前記パスの経路を再計算する
ことを特徴とする請求項1に記載のパス管理装置。
【請求項3】
前記外部装置通信部が、いずれかの前記ドメイン制御サーバから当該ドメインについてパス予約が否である旨の情報を取得した場合に、
当該パス予約が否であることの原因となった制約条件が、前記分割可能制約条件であったとき、
前記計算部は、前記分割可能制約条件の分割比率を再計算する
ことを特徴とする請求項1に記載のパス管理装置。
【請求項4】
前記外部装置通信部が、1つ以上の前記ドメイン制御サーバから当該ドメインについてパス予約が否である旨の情報を取得し、当該パス予約が否であることの原因となった制約条件として、前記パスの経路が通過するドメインごとに分割することができない分割不可制約条件と、前記分割可能制約条件との両方があった場合に、
前記計算部は、
当該パス予約が否であるドメインの数が所定数以上であるとき、当該パスの経路を再計算する
ことを特徴とする請求項1に記載のパス管理装置。
【請求項5】
複数の通信装置およびそれらを制御するドメイン制御サーバを有するドメインを複数備えるネットワークについて、前記ドメインの異なる任意の2つの前記通信装置間を接続するパスの経路を発見するパス管理装置によるパス管理方法であって、
前記パス管理装置は、
前記パスの経路の設定に必要な前記ネットワークに関する情報であるネットワーク情報を記憶する記憶部と、計算部と、外部装置通信部と、を備えており、
前記計算部は、ユーザから、前記パスの始点と終点、および、前記パスの経路の設定に必要な制約条件を含むパス設定要求があったとき、前記パス設定要求における制約条件を満たすような経路を計算し、
前記外部装置通信部は、複数の前記ドメイン制御サーバに対して制約条件とともにパス予約要求を行い、当該パス予約要求を行ったドメイン制御サーバからパス予約の可否結果情報を収集し、
前記計算部は、前記パスの経路を計算する際に、前記制約条件のうち、前記パスの経路が通過するドメインごとの個々の値の和によって表される分割可能制約条件を、当該パスの経路が通過するドメインごとに割り当てるために、当該パスの経路が通過するドメインごとの大きさ、ドメインの数、それらのドメインにおけるパスの経路の設定に関する過去のデータの少なくともいずれかに基づいて、前記分割可能制約条件を分割する
ことを特徴とするパス管理方法。
【請求項6】
前記外部装置通信部が、いずれかの前記ドメイン制御サーバから当該ドメインについてパス予約が否である旨の情報を取得した場合に、
当該パス予約が否であることの原因となった制約条件が、前記パスの経路が通過するドメインごとに分割することができない分割不可制約条件であったとき、
前記計算部は、当該パス予約が否であるドメインを除外して前記パスの経路を再計算する
ことを特徴とする請求項5に記載のパス管理方法。
【請求項7】
前記外部装置通信部が、いずれかの前記ドメイン制御サーバから当該ドメインについてパス予約が否である旨の情報を取得した場合に、
当該パス予約が否であることの原因となった制約条件が、前記分割可能制約条件であったとき、
前記計算部は、前記分割可能制約条件の分割比率を再計算する
ことを特徴とする請求項5に記載のパス管理方法。
【請求項8】
前記外部装置通信部が、1つ以上の前記ドメイン制御サーバから当該ドメインについてパス予約が否である旨の情報を取得し、当該パス予約が否であることの原因となった制約条件として、前記パスの経路が通過するドメインごとに分割することができない分割不可制約条件と、前記分割可能制約条件との両方があった場合に、
前記計算部は、
当該パス予約が否であるドメインの数が所定数以上であるとき、当該パスの経路を再計算する
ことを特徴とする請求項5に記載のパス管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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