説明

パターン印刷方法

【課題】フレキシブルカラーフィルター等の樹脂フィルムにパターンを形成する技術において、パターンのトータルピッチ、および座標位置精度は非常に重要である。しかし同時に、ガラス材に比べて精度が出しにくいという欠点を持つ。
【解決手段】本発明は、樹脂フィルムが熱や応力に敏感であることを逆に利用し、樹脂フィルムに歪みを発生させることによって、トータルピッチ、座標位置精度を向上させるものである。
具体的には、多孔質からなる吸着ステージに分割ブロックを複数個配置し、これらのブロックに独立の応力、または熱を印加することによって、多孔質吸着ステージに歪みを発生させ、これによって、吸着される樹脂フィルムに所望の歪みを発生させるものである。この吸着ステージを利用し、歪んだパターンの座標位置を設計値に近づけることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターンが形成されているプラスチック基材上に、パターンを重ね合わせて形成する際に、プラスチックフィルムの歪み・収縮を制御し、高精度な位置合わせを可能とする印刷方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
モバイル分野における次世代ディスプレイでは、表示画素の高解像度化、軽量化、多機能化、等の技術革新が進んできた。今後のユビキタスネットワークの広がりにより、これらの次世代ディスプレイに関しては薄く、軽く、壊れにくいという特徴を持つべきであることが予想される。また、その特徴を活かして、折り曲げることが可能なディスプレイなども研究開発が進んでいる。このような背景をうけ、プラスチックなどに代表されるフレキシブルな基材を用いたディスプレイは上述した次世代ディスプレイを実現するための手段として有用な技術である。
【0003】
最近では、フレキシブルな液晶ディスプレイ開発のために、製造プロセスに対応し得る耐熱性、寸法安定性を有するフィルムの開発や、ガラス自体の厚さを薄くし柔軟性を得る技術開発も様々おこなわれている。このような基材を使用すれば、現状に利用されているプロセスを用いて、フレキシブルな基材を用いた次世代ディスプレイの部材の開発が可能であると思われた。
【0004】
しかしながら、上述したようなフィルムやガラスは、その耐熱性や寸法安定性、柔軟性と引き換えに、表面平滑性、透明性、ハンドリング性、などの特性が犠牲になることが多く、その基材の製造コスト自体も汎用のフィルムと比較すると非常に高い。
【0005】
一方で、PETフィルムなどに代表される汎用フィルムは、安価なうえに、表面平滑性、透明性、ハンドリング性に優れるが、耐熱性や寸法安定性に欠ける問題があった。
【0006】
そこで、汎用フィルムの耐熱性や寸法安定性が悪い欠点を補うため、熱を加えることなく、カラーフィルタに代表される薄膜パターン形成を行なう製造プロセスとして、インク剥離性のフィルムを用いた反転印刷法で受像膜を形成した基材を用いた方法が考えられている。非加熱プロセスゆえ、熱収縮を抑えられ非常に有効だが、それでもなお汎用ファイルの寸法安定性を得ることは難しい。例えば、湿度による影響で、フィルムが収縮挙動する点や、汎用フィルムを取り扱う機械精度の不足による歪みなどが挙げられ、その結果、各工程間の位置合わせ工程で重ねあわせズレを生じてしまうことが多い。
【0007】
具体的な例では、上記のインク剥離性のフィルムを用いた反転印刷法を用いてカラーフィルタを作成する中で、印刷されたBM上にRGBパターンを重ねて印刷する工程において、安定して40ppm以下の重ね合わせ精度を得ることは難しい。
【0008】
もちろん、汎用フィルム基材の湿度環境の調整や機械精度を向上させることで、上記のズレは小さくなるが、汎用フィルムは取り扱いが難しく、完全に解決することはできなかった。
【0009】
この重ね合わせの位置精度不足の問題を解決するために、複数の位置合わせマークの座標情報をフィードバックして、その複数の位置合わせマークの中から、設計座標からのずれが最も少ない二点を選択してアライメント工程を行なう方法やスクリーン印刷にてスクリーンを引っ張ることで、基材と相対的に位置合わせを行なう印刷方法(引用文献1)も考えられているが、これらの方法は、位置合わせマークの情報をフィードバックするという点は、非常に有効な方法であるが、フィルム基材を用いた場合にこの問題を解決する手段ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−240129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以上のように、汎用フィルムを扱うにあたり、湿度による伸縮挙動や機械によって発生する歪みの影響などを完全にゼロ化することは難しく、そのようなズレが生じた基材を精度よく印刷する有効な手段は無かった。
【0012】
そこで、上記問題点を解決するために、汎用フィルムの伸縮性を利用して、強制的に外力を与えることで、汎用フィルムが適正なサイズになるよう制御する印刷方法を見出し、上述の問題点解決を図った。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明において上記課題を達成するための、構成を以下に示す。
(請求項1)
少なくとも、(a)インク剥離性のフィルム基材上にインクを塗工する工程と、
(b)前記インクを予備乾燥し予備乾燥インク膜とする工程と、
(c)画像パターンのネガパターンを凸部とした凸版を前記予備乾燥インク膜に押し当ててから引き離すことで、ネガパターンを前記凸版の凸部に転移させる工程と、
(d)前記インク剥離性のフィルム基材上に残された予備乾燥インク膜からなる画像パターンを、既にパターンが形成された被印刷基材上へ転写する工程とを備えたパターン印刷方法であって、
前記画像パターンのネガパターンには、2箇所以上に形成された第1の位置合わせ用マークを含むものであり、
前記被印刷基材上に既に形成されている画像パターンは、2箇所以上に形成され、第1の位置合わせ用マークと対応するパターンとなる第2の位置合わせパターンを含むものであり、
(d)前記インク剥離性のフィルム基材上に残された予備乾燥インク膜からなる画像パターンを、既にパターンが形成された被印刷基材上へ転写する工程を行なう際には、
前記第1の位置合わせマークと第2の位置合わせマークを用いて、被印刷基材とインク剥離性のフィルム基材のアライメントを行い、
さらに、(e)少なくとも前記被印刷基材又は前記インク剥離性フィルム基材の一方を、伸縮又は延伸させて、前記被印刷基材又は前記インク剥離性フィルム基材の歪みを補正する工程を含むことを特徴とするパターン印刷方法。
【0014】
(請求項2)
前記(e)少なくとも前記被印刷基材又は前記インク剥離性フィルム基材の一方を、伸縮又は延伸させて、前記被印刷基材又は前記インク剥離性フィルム基材の歪みを補正する工程は、前記被印刷基材又は前記インク剥離性フィルム基材の熱収縮を利用して行うことを特徴とした請求項1に記載のパターン印刷方法。
【0015】
(請求項3)
前記(e)少なくとも前記被印刷基材又は前記インク剥離性フィルム基材の一方を、伸縮又は延伸させて、前記被印刷基材又は前記インク剥離性フィルム基材の歪みを補正する工程は、前記被印刷基材又は前記インク剥離性フィルム基材の吸湿による変形を利用することを特徴とした請求項1に記載のパターン印刷方法。
【0016】
(請求項4)
前記(e)少なくとも前記被印刷基材又は前記インク剥離性フィルム基材の一方を、伸縮又は延伸させて、前記被印刷基材又は前記インク剥離性フィルム基材の歪みを補正する工程は、前記被印刷基材又は前記インク剥離性フィルム基材の少なくとも一方に外部から張力を付加して行うことを特徴とした請求項1に記載のパターン印刷方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明は以上の特徴を持つことから、下記に示す効果がある。
即ち、この発明によれば、印刷機材と被印刷基材の両者ともに、伸縮挙動をしやすい汎用フィルム、プラスチック基材という特長を利用して、それぞれの位置合わせマークの座標情報を取得し、その結果をフィードバックして、正確な位置に近づくようインク剥離性フィルムや汎用フィルム基材を強制的に伸縮させ制御することで、精度の良い印刷を可能とする。
【0018】
また、この発明によれば、外部から熱を加えることで、短時間で被印刷基材やインク剥離性のフィルムに大きな収縮挙動を促すことができる。
【0019】
また、この係る発明によれば、外部から吸湿、脱湿させることで、被印刷基材やインク剥離性のフィルムを全体的に膨張・収縮させることできる。
【0020】
また、この発明によれば、外部からの強制的な張力を利用することで、被印刷基材やインク剥離性のフィルムの歪みなどの部分的な微調整をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のパターン印刷をするための装置図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
反転印刷法に用いるインク剥離性のフィルムに扱われるフィルム基材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ナイロン、アラミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースなどのフィルムを用いることができる。線膨張係数が小さい基材であれば、熱による収縮挙動への追従性が高く、熱制御しやすい。水蒸気透過率が高い基材であれば、湿度による追従性が高く、湿度による制御しやすい。さらに光透過性の基材を用いることにより、パターンの重ね合わせ時にアライメントを容易とすることができる。これらフィルム基材は長尺の巻き取りロールで供給される。
【0023】
インク剥離性のフィルム基材は、上記基材へシリコーンオイル、シリコーンワニスで代表される離型剤を塗布する必要がある。離型剤としてシリコーンゴムの薄膜層を形成してもよい。また同じ目的でフッ素系樹脂、フッ素系ゴムも利用できるし、フッ素樹脂微粉末をシリコーンゴムあるいは、普通のゴムに混ぜて剥離性を出すなどの使い方をしてもよい。これらシリコーン系の塗膜は通常フィルム基材との密着力が低いが、最表面に設けるシリコーン層の下部より基材との接着性の高い熱硬化または紫外線硬化性のアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の樹脂層を、アンカー層としてあらかじめフィルム基材上に設けることで改善できる。いずれも適度のインク受容性を有すると同時に、一度受容したインクの完全なインク剥離性を有することが望ましい。
【0024】
具体的には、シリコーンとして、ジメチルポリシロキサンの各種分子量のもの、その他メチルハイドロジエンポリシロキサン、メチルフェニルシリコーンオイル、メチル塩素化フェニルシリコーンオイル、あるいはこれらポリシロキサンと有機化合物との共重合体など、変成したものを用いることができる。
【0025】
シリコーンゴムとしては、二液型のジオルガノポリシロキサンと架橋剤としての三官能性以上のシラン、またはシロキサン及び硬化触媒を組み合わせたもの、あるいは一液型ではジオルガノポリシロキサンとアセトンオキシム、各種メトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン等の組み合わせなどが用いられ、その他ゴム硬度を調節するためのポリシロキサンが適宜用いられる。
【0026】
また、本発明に用いるインク剥離性のフィルム基材として、前記基材に無機膜を設けた後、シランカップリング剤による表面処理を施したものを用いることもできる。
【0027】
シランカップリング剤としては、トリメトキシシラン類、トリエトキシシラン類などを用いることができる。このシランカップリング剤の一部位は、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基などの有機化合物との反応性基を持つものから選ぶことができ、あるいはアルキル基やその一部にフッ素原子が置換されたものやシロキサンが結合して、表面自由エネルギーの小さな表面を形成できる置換基が結合したものを用いることができる。前者の反応性基を有するシランカップリング剤を用いる場合には、シランカップリング剤で基材表面を処理した後、所定の表面自由エネルギーになるような他のモノマー成分を塗工して、結合させることができる。反応性基を有するシランカップリング剤としては、ビニルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを用いることができ、モノマーとして、スチレン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチルプロパントリグリシジルエーテル、ラウリルアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどを用いることができる。また、反応性基を有さないシランカップリング剤としてはメチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシランなどを用いることができる。但し、アルキル基に限定されるものではない。
【0028】
上記シランカップリング剤を上記基材に固定化する方法としては、定法の表面処理方法を用いることができる。例えば、シランカップリング剤を水、酢酸水溶液、水−アルコール混合液、あるいはアルコール溶液に希釈させた溶液を調製する。前記溶液を公知の塗工方法であるグラビアコーター、ロールコーター、ダイコーター等を用いて基材表面に塗工し、次いで乾燥させることでシランカップリング剤を固定化できる。また、反応性基を有するシランカップリング剤を用いた場合には、次いで他のモノマー成分を同様に塗工して結合させることができる。
【0029】
上記シランカップリング剤を基材上に固定化するためには、あらかじめ基材上にSiO2やTiO2、ZrO2もしくはこれらの複合膜が設けられていることが好ましい。これら無機酸化膜は既知の蒸着法やスパッタ法を用いて設けたものを用いることができる。
【0030】
また、上記無機酸化膜を設ける方法として、一般式M(OR)nで表される金属アルコキシド(MはSi、Ti、Al、Zrなどの金属、RはCH3、C2H5などのアルキル基)を水、アルコールの共存下で加水分解反応および縮重合反応させて得られたゲル溶液を表面にコーティング後、加熱することで無機酸化物膜を設ける、いわゆるゾル−ゲル法を用いることができる。
【0031】
さらに、上記ゾル−ゲル法で用いる金属アルコキシド溶液中にあらかじめ上記シランカップリング剤を添加しておくこともできる。この場合、表面性改質に特に効果が得られる。
【0032】
このようにして得られるインク剥離性のフィルム基材に対する剥離性の評価は、接触角を尺度とすると、処理面へインクを滴下した際の接触角が、10°以上90°以下となるのが好ましく、より好ましくは20°以上70°以下である。この接触角が小さいと後工程でのインク剥離性が低下してパターンの欠陥(出っ張り、ブリッジ、あるいは再現性不良等)が発生しやすくなり、接触角が大きいとインク液膜を形成する際にハジキが生じてしまう。
【0033】
上記に示したインク剥離性のフィルム基材上へインク液膜を形成する方法としては、インクの粘度や溶媒の乾燥性によって公知の塗工方法を用いることができる。すなわち、例えばディッピング法、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、エアナイフコート、コンマコート、ダイコート、スクリーン印刷法、スプレーコート、グラビアオフセット法等が挙げられる。中でも、ダイコート、キャップコート、ロールコート、アプリケータは、広い範囲の粘度のインクについて均一なインク液膜を形成することができる。
【0034】
インク剥離性のフィルム基材上へ前記方法によりインク液膜を形成した後に、前記インク液膜を予備乾燥する。この予備乾燥には自然乾燥、冷風・温風乾燥、マイクロ波照射、減圧乾燥などを用いることができ、また、紫外線、電子線などの放射線を用いることもできる。
【0035】
この予備乾燥では、前記インク液膜の粘度またはチキソトロピー性、脆性を上げることを目的とする。予備乾燥による乾燥が不十分な場合は、後工程の凸版の凸部を押し当て剥離する際に、インク液膜が断裂し不良が発生してしまう。逆に乾燥が行き過ぎた場合は、インク膜表面のタック性が無くなり、前記凸版にインクが転写されない。そのため、使用するインクの組成によって乾燥状態を乾燥時間や雰囲気温度により調節するが、乾燥したインク膜に対して0.5重量%から4重量%の溶剤の残留が認められる状態が好ましい。
【0036】
いわゆるドライフィルムといわれるppmオーダーの溶剤残留量では乾燥が行き過ぎであり、インクが転写されない不具合や、版の押し付けによりインク膜が部分的に剥離してゴミの原因になったりする不具合があるため、予備乾燥インク膜の条件として適さない。
【0037】
凸版としては、無アルカリガラス等の低膨張ガラス表面に感光性樹脂を塗布し、マスク露光、現像によりパターンを形成した後、既存のドライエッチング処理やウエットエッチング処理、もしくはサンドブラスト処理を用いて、2μmから30μmの版深を設けたものを用いることができる。
【0038】
また、凸版にはナイロン、アクリル、シリコーン樹脂、スチレン−ジエン共重合体などからなるものを用いることもできる。またエチレン−プロピレン系、ブチル系、ウレタン系ゴムなどのゴム製の版を用いることもできる。このような樹脂製の凸版は、すでに凸版印刷やフレキソ印刷用に用いられており、予め作製した型に所定の樹脂を流し込んで版とする、あるいは彫刻によっても作製することができるが、感光性樹脂を用いる方法がより高精度のものを作製できる。
【0039】
本発明の印刷方法は、プラスチック機材などの印刷に適用できるが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ナイロン、アラミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースなどのフィルム、シートを用いることもできる。
【0040】
インキ液膜の材料としては、画像パターン形成材料に溶媒を溶解又は分散させたものを用いることができる。例えば、カラーフィルタにおいて赤色、緑色、青色からなるカラーパターン(着色層)やブラックマトリックス等を本発明の製造方法により形成する場合、顔料成分と樹脂成分を溶媒中に溶解、分散させることによりインキとなる。
【0041】
顔料には、例えば、赤、緑、青の各色で使用できる顔料として次のものが挙げられる。顔料の種類は、カラーインデックス(C.I.)No.で示す。まず、赤色顔料として、97、122、123、149、168、177、180、192、208、209、215などが、緑色顔料として7、36などが、青色顔料として、15、15:1、15:3、15:6、22、60、64などが挙げられる。墨顔料として、カーボンブラック、チタンブラックなどが挙げられる。また、これら赤、緑及び青顔料の色調整及びインキの流動性を改善するために、次に挙げる顔料を必要量添加することができる。
【0042】
赤色、緑色、青色以外にも、例えば、黄顔料として、17、83、109、110、128などが、紫顔料として、19、23などが、白顔料として、18、21、27、28などが、橙顔料として、38、43などが挙げられる。顔料は、単体以外に、顔料を予め分散剤、有機溶剤に分散させた顔料分散体であっても良い。
【0043】
また、ブラックマトリックスに用いられる黒色顔料としては、カーボンブラックやチタンブラックが単独又は混合して用いられる。
【0044】
樹脂成分には、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂からなる群から選ばれる1つ以上のものが使用される。溶剤には、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤及び炭化水素系溶剤などが使用される。エステル系溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、アルコール系溶剤として、1−ブタノール、3メトキシ−3メチル−1ブタノール、1−ヘキサノール、1,3ブタンジオール、1−ペンタノール、2−メチル1−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、エーテル系溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、炭化水素系溶剤として、ソルベッソ100、ソルベッソ150(製品名エクソン化学社製)などが挙げられる。
【0045】
また、有機EL素子において有機発光層を形成する場合、例えば、ポリフェニレンビニレン(PPV)といった高分子発光材料を溶媒としてトルエンやキシレンといった芳香族系有機溶媒に溶解、分散させることによりインキとなる。また、回路基材において、配線を形成する場合、金、銀、銅、ニッケル、白金、パラジウム、ロジウム等の金属微粒子分散液を水やアルコール、グリコール系溶媒に溶解、分散させることによりインキとなる。また、これらのインキには必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、レベリング剤等が添加されてもよい。なお、本発明のインキはこれらに限定されるものではない。
【0046】
被印刷基材には、下地として受像層が設けられている。受像層の形成材料としては、高分子ポリマー、溶剤を主成分とし、任意に微粒子などを添加した塗布組成物を使用することができる。本発明の受像層を構成する材料としては、透明であること、インク中の溶剤成分の吸収性、および色材の定着性に優れること、また変色や褪色がないこと、などの性能が要求される。
【0047】
高分子ポリマーとしては、ポリアクリル酸エステル、ポリメタアクリル酸エステル、ポリエチルアクリル酸エステル、スチレンーブタジエン共重合体、ブタジエン共重合体、アクリロニトリルーブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン樹脂、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン、ベンゾグアナミン樹脂、フエノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、セルロース、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、スチレン−アクリルアミド共重合体、n−イソブチルアクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリルアミド、シリコーン樹脂、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ロジン系樹脂、ポリエチレン、ポリカーボネート、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース系樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン、等が挙げられるがこれに限定されるものではない。これらポリマーにアクリル基、カルボキシル基、イソシアネート基などの反応性部位を付与したもの、更にはこれらに必要に応じて架橋剤、光開始剤などを添加して、硬化型ポリマーとしても使用できる。
【0048】
溶剤としては、受像層組成物の塗布性、分散安定性などの点から、適宜選択して使用されるものであり、水、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、トルエン、キシレン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ジクライム、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
【0049】
また、インクの吸収性を高めるために、透明性を損なわない範囲内で、インク受像層に微粒子(フィラー)を含有させることも有効である。フィラーとしては、無機微粒子では微粉末珪酸、有機微粒子ではアクリル樹脂、スチレン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、及びフッソ樹脂などが挙げられる。透明性の点からは、アクリル樹脂が好ましい。また、フィラーの添加量は、インク受像層100重量%に対し1〜10重量%が好ましい。
【0050】
受像層の厚さは、例えば0.05μmないし5μmにすることができる。0.05μm未満では、溶剤の吸収性の低下に伴う印刷性の低下が生ずる傾向があり、5μmを超えると、溶剤の吸収性の増加に伴う印刷性の低下、ブロッキングの発生が多くなる傾向がある。
【0051】
以下に、これら材料を用いて精密パターンの転写を実施するための一例を説明する。
【0052】
本実施形態に係る印刷方法は、インク剥離性のフィルム基材へインク液を塗工し、該インク液を予備乾燥した予備乾燥インク膜に、凸部パターンが非画像パターンである凸版を押し当て引き離すことで、予備乾燥インク膜の不要なパターンを版の凸部に転写除去し、該インク剥離性のフィルム基材上に残った画像パターンを、被印刷基材に転写することで、多様で高精細な薄膜パターンを得ることを特徴としている。
【0053】
反転印刷を行う装置は、図1示す通り、インク剥離性フィルム基材106と、受像膜処理された被印刷基材109,当該インク剥離性フィルム基材の搬送の制御を行う、インク剥離性フィルム基材巻き出し部107、インク剥離性フィルム基材巻き取り部108、の搬送系とインク塗工部101、インク乾燥部102、パターン除去部103、アライメント部104、基材貼りあわせ部105、によって構成される。
【0054】
インク剥離性フィルム基材巻き出し部107、インク剥離性フィルム基材巻き取り部108の搬送部は、回転やテンションを制御してフィルム基材を搬送するためのモーターを備える。装着されるフィルム原反幅は100mm〜1000mmが選択できるが、パターンの実用性と転写位置精度を考慮し選択される。
【0055】
また、フィルム基材のテンションの制御は、これら装置以外に搬送系にニップ部を設置して基材を保持することでも調節を行うことができる。ニップ部は、主に搬送ロールに備わったエアー吸着孔による吸着ニップが用いられる。
【0056】
搬送は、各工程で必要な時間差を緩和し、フィルムの連続搬送を行うためのバッファを備えた場合には、連続搬送を行うことができるが、インク剥離性フィルム基材を、工程ごとに必要な長さの搬送を行なうことが好ましい。
【0057】
インク塗工部101は、可動ステージと、可動ステージ上に設けられたインク剥離性フィルム基材に対しインクを塗布する塗工装置が設置されている。可動ステージは、ボールねじやリニアモーター等で駆動するものを用いることができ、金属製、石製などのものを用いることができるが少なくとも水平方向に水平を保ったまま往復運動することができ、インク剥離性フィルム基材を吸着することができることが望ましい。吸着による表面の凹凸を防ぐためにフィルムのエッジ付近のみ吸着孔を設ける方法や、多孔質性材料を用いた吸着表面を用いる方法を選択することができる。
【0058】
塗工装置は、連続加工や膜厚の均一性が優れるダイ方式のものについて説明するが、これに限定するものではない。ダイヘッドには、別に用意されたインク供給用のポンプから所定量のインクを供給することができる。このダイヘッドとインク剥離性フィルム基材とのギャップは印刷開始前に設定してもよく、また可動式ステージの搬送に合わせてダイヘッドを上下動させて調整してもよい。
【0059】
インク乾燥部102は、上記塗工部101でインク剥離性フィルム基材へ塗工したインクを乾燥させるために設置されるもので、ホットプレート、オーブン、温風、減圧乾燥、紫外線照射などの乾燥装置を設けてもよい。
【0060】
パターン除去部103は、可動ステージに樹脂製またはガラス製の凸版が吸着により装着されており、インク剥離性フィルム基材上のインク塗工面を該凸版に近づけた後、ステージに設けられているローラをインク剥離性フィルム基材の上から押し当て、回転させながら印圧をかけ、インク剥離性フィルム基材を該凸版から剥がすことにより、凸版の凸部と接した塗工膜を凸版に転移させる。
【0061】
このとき、ローラ外周の材料としては、ゴムや金属、プラスチックなどの材料が使用できる。とりわけ、ゴムは可塑的な性質を持ち個体ではあるがその性質は液体に近く、均等に力を加えることが出来る。具体的なゴムの種類は、力学的性質に特化しているウレタンゴムや広い温度範囲でゴム弾性が優れているシリコーンゴムなどが挙げられる。またローラの曲率としては、使用する凸版の底に接触しないよう曲率の小さいものを使用することが望ましい。
【0062】
アライメント部104は、可動性ステージと複数の顕微鏡カメラから構成されており、可動性ステージ上に吸着した被印刷基材上に、インク剥離性フィルム基材上の予備乾燥インク膜面を100〜1000μmに近づけた後、インク剥離性フィルム基材が透明なことを利用して、インク剥離性フィルム基材上に得られたパターンの一部や位置合わせ用のマークパターン(第1の位置合わせパターン)と、被印刷基材上に予め設けられた位置合わせ用パターン(第2の位置合わせパターン)を透過画像で認識し、それぞれのパターンを認識した画像から座標データを取得し、可動性ステージを動作させ転写位置の補正を行うことができる。
【0063】
上記の顕微鏡カメラは光学顕微鏡、CCD(Charge Coupled Device)顕微鏡のどちらであっても良いが、オートフォーカス又は電気的に制御可能な手動焦点制御機構のいずれか、もしくはその両方の機能を必要とし、取得した画像を観察するために外部に設置したモニターや位置補正のための画像処理装置へ出力するインターフェースを持つものとする。
【0064】
稼動ステージ内部に熱制御可能なヒータの装填や温水を循環させることで、稼動ステージ上で被印刷基材に熱を加えることができる。さらに、外部からの温風の吹き付け機能を持たせても良い。基材を吸湿、脱湿させるためにアライメント部104、張り合わせ部105を簡易的に囲い、湿度調整できる機能を持たすのも良い。これらの基材の伸縮操作は、それぞれ位置合わせパターンの座標データをフィードバックして行なう。しかし、これらは、位置合わせ必ずしも位置合わせ直前で行なう必要はなく、装置の簡便さなどを考慮にいれ、印刷前に座標データの取得、基材の伸縮制御を行っても良い。その際、インライン・オフラインは問わなくて良い。
【0065】
さらに、局所的なフィルム伸縮制御として、インク剥離性のフィルムや基材などを複数のチャックなど固定し、引っ張る機構があると良い。また、ロール状で供給される場合、近辺にダンサーなどを設けテンションの微調整などを行なうことも出来る。
【0066】
貼りあわせ部105には、前記アライメント部104に設置された可動性ステージ上にローラが設けられる。パターン除去部と同様にローラ外周の材料としては、ゴムや金属、プラスチックなどの材料が使用できる。このとき、ローラの曲率としては、微小なインク膜の凹凸に追従するよう曲率の大きいものを使用することが望ましい。
【0067】
前記貼り合わせ部105に設置された可動性ステージに固定された被印刷基材と、わずかな隙間をあけて設置されたインク剥離性フィルム基材の上から、同じく前記貼り合わせ部105に設置されたローラを押し当て、可動性ステージの移動と共にローラを回転させながら印圧をかけ、つぎにインク剥離性フィルム基材を被印刷基材から剥がすことにより転写することができる。
【実施例1】
【0068】
本発明の印刷方法にて、複数の位置合わせマークが印刷されたPENフィルム上に、カラーフィルタのタイル状パターンの作成をおこなった。
【0069】
まず始めに、被印刷基材として、帝人ディポン社のPENフィルム(Q65FA)を□300mm幅、で用意し、カラーフィルタ用黒色インクを用いて、位置合わせマーク印刷をおこなった。
【0070】
カラーフィルタ用黒色インクを次の要領で調製した。下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのガラスビーズを用い、サンドミルで5時間分散し黒色インクを得た。
・ポリイミド前駆体(東レ(株)製:セミコファインSP−510) 10.0質量部
・黒色顔料(カーボンブラック) 7.5質量部
・溶媒(N―メチル−2−ピロリドン:NMP) 130.0質量部
・分散剤(銅フタロシアニン誘導体) 5.0質量部
・レベリング剤(ビックケミージャパン(株)製:BYK333) 0.5質量部
【0071】
画像部パターンを凹部とした凸版は、300mm幅(パターン有効幅は230mm)の硝子製基板にエッチング加工を行なって作成し使用した。4つの角に位置する位置合わせマークを設けた。
【0072】
インク剥離性フィルム基材として、基材厚100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに剥離性シリコーンゴムを厚さ10μm塗布して乾燥させたものを使用した。
【0073】
最初に、塗工部101ステージ上でインク剥離性フィルム基材に、300mm幅のヘッドを用いたダイコーターにより、塗工長さ400mm、膜厚5.0μmでインクをコーティングした。
【0074】
塗工が終わったインク剥離性フィルム基材は、搬送速度を調整しながら乾燥部102の40℃のIR(赤外線加熱)炉内を通過させて予備乾燥を行い、塗工部がパターン除去部103ステージ上に設置されるまで搬送を行なった。
【0075】
あらかじめパターン除去部に設置しておいた凸版に、インク塗工部をゴムローラで押し当て非画像部を除去した後、アライメント部104ステージへ画像部パターンが来るように搬送した。その後、ゴムローラでインク剥離性フィルム基材106と被印刷基材109を貼り合わせた後、インク剥離性フィルム基材を被印刷基材から剥がすことによって、被印刷基材への画像パターンの転写を行った。
【0076】
転写印刷された基材は、位置合わせマークの座標が狙っていた設計値より膨張していたため、位置合わせマークを設計値周辺に配置されるように、基材に熱を加え伸縮させたのち、湿度を調整した加湿槽にいれ、基材の位置合わせの微調整を行なった。
【0077】
続いて、カラーフィルタ用赤色インクを次の要領で調製した。下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのガラスビーズを用い、サンドミルで5時間分散し、さらに5μmのフィルタでろ過して赤色顔料の分散体を得た。
・赤色顔料:
C.I.Pigment Red 254(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製
「イルガーフォーレッドB−CF」) 18質量部
C.I.Pigment Red 177(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製
「クロモフタールレッドA2B」) 2質量部
・アクリルワニス(固形分20%) 108質量部
【0078】
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して赤色着色インクを得た。
・上記分散体 100質量部
・メチル化メチロールメラミン:MW−30(三洋化成社製) 20質量部
・レベリング剤:メガファックF−483SF(大日本インク化学工業社製)1質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 85質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 45質量部
【0079】
凸版としては、300mm幅(パターン有効幅は230mm)の硝子製基板にエッチング加工を行なって作成し使用した。パターンは縦横の均等に配列されたタイル状のパターン群と、4つの角に位置する位置合わせマークを設けた。
【0080】
上記部材を用い、上記調整を行なった位置合わせマーク形成済みの被印刷基材に再び印刷加工を行う。
【0081】
位置合わせマークを作成と同様の手順で、インク剥離性フィルム上に赤色インクの画像パターンを作成し、その画像パターンがアライメント部ステージへ来るように搬送した。
【0082】
2つのアライメント用カメラで対角上の位置合わせマークを確認した後、画像処理を用いて、インク剥離性フィルム上の赤色インク画像パターンと被印刷基材の位置合わせを行なった。その際に、インク剥離性のフィルム上に形成した赤色インク画像パターンの位置合わせマークが被印刷基材の位置合わせマークより、インク剥離性のフィルムのテンション方向にズレを生じていたため、ダンサーによるテンション調整を行なって、基材伸縮を行ない、寸法の微調整をおこなった。
【0083】
その後ゴムローラでインク剥離性フィルム基材と被印刷基材を貼り合わせた後、インク剥離性フィルム基材を被印刷基材から剥がすことによって、被印刷基材への赤色インク画像パターンの転写を行った。
【0084】
転写されたREDのタイル状パターンは、設計値どおりに印刷された。
【符号の説明】
【0085】
101 ・・・インク塗工部
102 ・・・インク乾燥部
103 ・・・凸版貼りあわせ/パターン除去部
104 ・・・アライメント部
105 ・・・吸着ステージ/貼りあわせ部
106 ・・・インク剥離性フィルム
107 ・・・インク剥離性フィルム基材巻き出し部
108 ・・・インク剥離性フィルム基材巻き取り部
109 ・・・受像膜処理された被印刷基材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、(a)インク剥離性のフィルム基材上にインクを塗工する工程と、
(b)前記インクを予備乾燥し予備乾燥インク膜とする工程と、
(c)画像パターンのネガパターンを凸部とした凸版を前記予備乾燥インク膜に押し当ててから引き離すことで、ネガパターンを前記凸版の凸部に転移させる工程と、
(d)前記インク剥離性のフィルム基材上に残された予備乾燥インク膜からなる画像パターンを、既にパターンが形成された被印刷基材上へ転写する工程とを備えたパターン印刷方法であって、
前記画像パターンのネガパターンには、2箇所以上に形成された第1の位置合わせ用マークを含むものであり、
前記被印刷基材上に既に形成されている画像パターンは、2箇所以上に形成され、第1の位置合わせ用マークと対応するパターンとなる第2の位置合わせパターンを含むものであり、
(d)前記インク剥離性のフィルム基材上に残された予備乾燥インク膜からなる画像パターンを、既にパターンが形成された被印刷基材上へ転写する工程を行なう際には、
前記第1の位置合わせマークと第2の位置合わせマークを用いて、被印刷基材とインク剥離性のフィルム基材のアライメントを行い、
さらに、(e)少なくとも前記被印刷基材又は前記インク剥離性フィルム基材の一方を、伸縮又は延伸させて、前記被印刷基材又は前記インク剥離性フィルム基材の歪みを補正する工程を含むことを特徴とするパターン印刷方法。
【請求項2】
前記(e)少なくとも前記被印刷基材又は前記インク剥離性フィルム基材の一方を、伸縮又は延伸させて、前記被印刷基材又は前記インク剥離性フィルム基材の歪みを補正する工程は、前記被印刷基材又は前記インク剥離性フィルム基材の熱収縮を利用して行うことを特徴とした請求項1に記載のパターン印刷方法。
【請求項3】
前記(e)少なくとも前記被印刷基材又は前記インク剥離性フィルム基材の一方を、伸縮又は延伸させて、前記被印刷基材又は前記インク剥離性フィルム基材の歪みを補正する工程は、前記被印刷基材又は前記インク剥離性フィルム基材の吸湿による変形を利用することを特徴とした請求項1に記載のパターン印刷方法。
【請求項4】
前記(e)少なくとも前記被印刷基材又は前記インク剥離性フィルム基材の一方を、伸縮又は延伸させて、前記被印刷基材又は前記インク剥離性フィルム基材の歪みを補正する工程は、前記被印刷基材又は前記インク剥離性フィルム基材の少なくとも一方に外部から張力を付加して行うことを特徴とした請求項1に記載のパターン印刷方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2012−76307(P2012−76307A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222085(P2010−222085)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】