説明

パターン形成体およびその製造方法

【課題】 本発明は、高精細なパターンを形成することが可能であり、また効率よく製造可能なパターン形成体、およびその製造方法を提供することを主目的としている。
【解決手段】 上記目的を達成するために、本発明は、樹脂製の基材に、フッ素化合物を導入ガスとしてプラズマを照射し、フッ素を導入するプラズマ照射工程と、
前記プラズマ照射工程によりフッ素が導入された前記基材にパターン状にエネルギーを照射し、前記基材に液体との接触角が低下した濡れ性変化パターンを形成する濡れ性変化パターン形成工程と
を有することを特徴とするパターン形成体の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーフィルタ、マイクロレンズ、有機EL発光層、電極パターン、バイオチップ等の微細パターニング用途に使用可能な、表面に濡れ性の異なるパターンを有するパターン形成体、およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、高精細なパターンを形成する方法として、基材上に塗布したフォトレジスト層にパターン露光を行い、露光後、フォトレジストを現像し、さらにエッチングを行ったり、フォトレジストに機能性を有する物質を用いて、フォトレジストの露光によって目的とするパターンを直接形成する等のフォトリソグラフィーによるパターン形成体の製造方法が知られている。
【0003】
フォトリソグラフィーによる高精細パターンの形成は、液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタの着色パターンの形成、マイクロレンズの形成、精細な電気回路基板の製造、パターンの露光に使用するクロムマスクの製造等に用いられているが、これらの方法によっては、フォトレジストを用いると共に、露光後に液体現像液によって現像を行ったり、エッチングを行う必要があるので、廃液を処理する必要が生じる等の問題点があり、またフォトレジストとして機能性の物質を用いた場合には、現像の際に使用されるアルカリ液等によって劣化する等の問題点もあった。
【0004】
また、カラーフィルタ等の高精細なパターンを印刷等によって形成することも行われているが、印刷で形成されるパターンには、位置精度等の問題があり、高精度なパターンの形成は困難であった。なお、本発明に関する先行技術は発見されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、高精細なパターンを形成することが可能であり、また効率よく製造可能なパターン形成体、およびその製造方法の提供が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、樹脂製の基材に、フッ素化合物を導入ガスとしてプラズマを照射し、フッ素を導入するプラズマ照射工程と、上記プラズマ照射工程によりフッ素が導入された上記基材にパターン状にエネルギーを照射し、上記基材に液体との接触角が低下した濡れ性変化パターンを形成する濡れ性変化パターン形成工程とを有することを特徴とするパターン形成体の製造方法を提供する。
【0007】
本発明によれば、上記プラズマ照射工程におけるプラズマ照射によって、樹脂製の基材の表面にフッ素を容易に導入することができ、基材が撥液性を有するものとすることができる。またさらに、上記プラズマ照射工程後、上記濡れ性変化パターン形成工程を行うことから、上記プラズマ照射工程により導入されたフッ素を高精細なパターン状に除去することができ、フッ素が除去された親液性領域と、フッ素が残存している撥液性領域とを有するパターン形成体とすることができるのである。また本発明においては、上記基材へのフッ素の導入が上記プラズマ照射によって行われることから、フッ素が上記基材の表面にのみ導入されるものとすることができる。したがって、上記濡れ性変化パターン形成工程におけるエネルギー照射により、フッ素を容易に除去することが可能であり、効率よくパターン形成体を製造することができる、という利点も有する。
【0008】
上記発明においては、上記濡れ性変化パターン形成工程が、半導体光触媒を含有する半導体光触媒含有層および基体を有する半導体光触媒含有層側基板の上記半導体光触媒含有層と、上記プラズマ照射工程によりフッ素が導入された上記基材とを対向させて配置し、エネルギーを照射する工程であることが好ましい。これにより、上記濡れ性変化パターン形成工程において、エネルギー照射に伴う半導体光触媒の作用も利用して、フッ素を除去することが可能となり、より効率よくパターン形成体を製造することができるからである。
【0009】
また、本発明は、表面にパターン状にフッ素を含有する基材を有することを特徴とするパターン形成体を提供する。
【0010】
本発明によれば、基材がフッ素を含有する領域を撥液性領域、基材がフッ素を含有しない領域を親液性領域とすることができ、これらの濡れ性を利用して、種々の機能性部を高精細に形成可能なパターン形成体とすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、撥液性領域と親液性領域とが高精細なパターン状に形成されたパターン形成体を効率よく製造することができるという効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、カラーフィルタをはじめとして各種の用途に使用可能な、表面に濡れ性の異なるパターンを有するパターン形成体、およびその製造方法に関するものである。以下、それぞれについて詳しく説明する。
【0013】
A.パターン形成体の製造方法
まず、本発明のパターン形成体の製造方法について説明する。本発明のパターン形成体の製造方法は、樹脂製の基材に、フッ素化合物を導入ガスとしてプラズマを照射し、フッ素を導入するプラズマ照射工程と、上記プラズマ照射工程によりフッ素が導入された上記基材にパターン状にエネルギーを照射し、上記基材に液体との接触角が低下した濡れ性変化パターンを形成する濡れ性変化パターン形成工程とを有することを特徴とするものである。
【0014】
本発明のパターン形成体の製造方法は、例えば図1に示すように、樹脂製の基材1に、フッ素化合物を導入ガスとしてプラズマ2を照射するプラズマ照射工程(図1(a))と、フッ素が導入された基材1に、例えばフォトマスク3等を用いて、パターン状にエネルギー4を照射することにより(図1(b))、基材1に導入されたフッ素をパターン状に除去し、液体との接触角が低下した濡れ性変化パターン5を形成する(図1(c))濡れ性変化パターン形成工程とを有することを特徴とするものである。
【0015】
本発明によれば、上記プラズマ照射工程において、樹脂製の基材に上記プラズマ照射することから、基材の表面にフッ素を導入することができ、基材が撥液性を有するものとすることができるのである。また上記プラズマ照射工程後、パターン状にエネルギーを照射する濡れ性変化パターン形成工程を行うことから、上記プラズマ照射工程で導入されたフッ素をパターン状に除去することができ、エネルギー照射によってフッ素が除去された領域を親液性領域、エネルギーが照射されず、フッ素が残存する領域を撥液性領域としたパターン形成体とすることができるのである。
【0016】
またこの際、本発明においては、上記フッ素の導入をプラズマ照射により行うことから、上記基材に導入されたフッ素は、上記基材の表面のみに存在することとなる。したがって、上記濡れ性変化パターン形成工程におけるエネルギー照射によって、フッ素と結合している分子鎖が切断されやすく、フッ素が容易に除去されやすいものとすることができる。したがって、本発明によれば、上記パターン形成体を効率よく製造することができるのである。以下、本発明のパターン形成体の製造方法における各工程ごとに詳しく説明する。
【0017】
1.プラズマ照射工程
まず、本発明のプラズマ照射工程について説明する。本発明のプラズマ照射工程は、樹脂製の基材に、フッ素化合物を導入ガスとしてプラズマを照射し、フッ素を導入する工程である。
【0018】
本工程におけるプラズマの照射方法は、フッ素化合物を導入ガスとして用い、上記基材の表面にフッ素を導入することが可能な方法であれば特に限定されるものではなく、減圧下でプラズマ照射してもよく、また大気圧下でプラズマ照射してもよい。
【0019】
また、上記プラズマの照射面積等は特に限定されるものではなく、例えば上記基材の全面にプラズマを照射するものであってもよく、また例えば上記基材の一部のみにプラズマを照射するものであってもよい。
【0020】
ここで、上記プラズマを照射する際に用いられる導入ガスのフッ素化合物としては、例えばフッ化炭素(CF)、窒化フッ素(NF)、フッ化硫黄(SF)、CCl、C、C等が挙げられる。また、照射されるプラズマの照射条件としては、照射装置等により適宜選択されるものである。
【0021】
ここで、本発明においては、上記プラズマ照射が大気圧中でのプラズマ照射であることが好ましい。これにより、減圧用の装置等が必要なく、コストや製造効率等の面から好ましいものとすることができるからである。このような大気圧プラズマの照射条件としては、以下のようなものとすることができる。例えば、電源出力としては、一般的な大気圧プラズマの照射装置に用いられるものと同様とすることができる。また、この際、照射されるプラズマの電極と、上記基材との距離は、0.2mm〜20mm程度、中でも1mm〜5mm程度とされることが好ましい。またさらに、上記導入ガスとして用いられるフッ素化合物の流量は1L/min〜100L/min程度、中でも5L/min〜50L/min程度であることが好ましく、この際の基材搬送速度が0.1m/min〜10m/min程度、中でも0.5m/min〜5m/min程度が好ましい。
【0022】
本工程において、基材に導入されたフッ素の存在は、X線光電子分光分析装置(XPS:ESCALAB 220i-XL)による分析において、基材の表面より検出される全元素中のフッ素元素の割合を測定することにより確認することができる。また、この際上記フッ素の割合としては、10%以上とされることが好ましい。
【0023】
またさらに、本発明においては、上記基材の液体との接触角が40mN/mの液体との接触角が10°以上、中でも表面張力30mN/mの液体との接触角が10°以上、特に表面張力20mN/mの液体との接触角が10°以上となるようにフッ素が導入されることが好ましい。これは、上記液体との接触角が小さい場合は、撥液性が十分でなく、後述する濡れ性変化パターン形成工程において、フッ素等が除去されて親液性領域とされた領域との濡れ性の差が小さく、これらの濡れ性の差を利用して、種々の機能性部を形成することが困難となる場合があるからである。
【0024】
なお、ここでいう液体との接触角は、種々の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得たものである。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を用いた。
【0025】
ここで、本工程によりフッ素が導入される樹脂製の基材としては、フッ素が導入される側の面が樹脂からなるものであり、上記プラズマ照射によりフッ素が導入可能なものであればその構成は特に限定されるものではなく、例えば樹脂製のフィルムや樹脂製の平板等であってもよく、また例えば無機物からなる基板上に樹脂層がコーティングされたもの等であってもよい。また、上記基材の形状や透明性、可撓性等はパターン形成体の用途等に応じて適宜選択される。
【0026】
上記基材に用いられる樹脂として具体的には、オルガノポリシロキサン、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等が挙げられる。
【0027】
また、本発明においては、必要に応じて上記基材上に遮光部が形成されていてもよい。この場合、後述する濡れ性変化パターン形成工程において、フッ素が導入される面とは反対側から全面にエネルギー照射を行ったとしても、遮光部が形成されている部分には、エネルギーが照射されないものとすることができ、上記遮光部が形成されている領域上に導入されたフッ素は除去されないものとすることができる、という利点を有する。このような遮光部は、後述する濡れ性変化パターンで照射されるエネルギーを遮蔽することが可能なものであれば特に限定されるものではなく、フッ素が導入される側の基材の面に形成されていてもよく、またフッ素が導入される側と反対側の基材の面に形成されていてもよい。なお、上記遮光部が、フッ素が導入される面に形成され、本工程により遮光部上にもフッ素が導入される場合には、上記遮光部として樹脂製のものが用いられることとなる。
【0028】
2.濡れ性変化パターン形成工程
次に、本発明における濡れ性変化パターン形成工程について説明する。本発明における濡れ性変化パターン形成工程は、上記プラズマ照射工程によりフッ素が導入された上記基材にパターン状にエネルギーを照射し、上記基材に液体との接触角が低下した濡れ性変化パターンを形成する工程である。
【0029】
本工程においては、上記基材にパターン状にエネルギーを照射することにより、上記プラズマ照射工程において基材上に導入されたフッ素をパターン状に除去することが可能な方法であれば、そのエネルギーの照射方法や、エネルギーの種類等については特に限定されるものではない。
【0030】
上記基材にパターン状にエネルギーを照射する方法としては、例えばフォトマスク等のマスクを用いてエネルギーを照射する方法や、上述したように、遮光部を有する基材を用いて、フッ素が導入された面と反対側の面からエネルギーを照射する方法等が挙げられる。またこの際用いられるエネルギーとしては、フッ素を除去可能なエネルギーであれば特に限定されるものではなく、具体的には500nm以下の光、中でも150nm〜500nmの範囲内、特に170nm〜480nmの範囲内の光が好ましく用いられる。このようなエネルギーの照射に用いられるランプとしては、例えばアルゴン、クリプトン、キセノン等の紫外エキシマランプ、または低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等を挙げることができる。また、本発明においては、エキシマ、YAG等のレーザを用いてパターン状に描画照射する方法を用いることも可能である。なお、エネルギーの照射量は、上記エネルギーの作用により、上記基材に導入されたフッ素が除去されるのに必要な量とする。
【0031】
本工程においては、エネルギー照射された領域、すなわち濡れ性変化パターンの液体との接触角が、40mN/mの液体との接触角が9°未満、好ましくは表面張力50mN/mの液体との接触角が10°以下、特に表面張力60mN/mの液体との接触角が10°以下となるようにエネルギーが照射されることが好ましい。これは、上記液体との接触角が大きい場合は、親液性が十分でなく、本工程により形成された濡れ性変化パターン上に、機能性部を形成する機能性部形成用塗工液塗布した際、上記機能性部形成用塗工液をはじいてしまう可能性があり、高精細に機能性部を形成することが困難となるからである。上記液体との接触角は、上述した方法により測定される値である。
【0032】
ここで、本発明においては、特に上記エネルギー照射の際、例えば図2に示すように、半導体光触媒を含有する半導体光触媒含有層11および基体12を有する半導体光触媒含有層側基板13の上記半導体光触媒含有層11と、上記基材1のフッ素が導入された側の面とを対向させて配置し、例えばフォトマスク3等を用いてパターン状にエネルギー4を照射することが好ましい。
【0033】
これにより、照射されたエネルギーによる作用だけでなく、エネルギー照射に伴う半導体光触媒の作用によっても、上記フッ素を除去することができる。したがって、効率よくフッ素を除去することができ、効率よくパターン形成体を製造することができるからである。以下、本工程に用いられる半導体光触媒含有層側基板、およびその配置について詳しく説明する。
【0034】
(半導体光触媒含有層側基板)
本工程に用いられる半導体光触媒含有層側基板は、基体と、その基体上に形成された半導体光触媒含有層とを有するものであれば特に限定されるものではない。
【0035】
a.半導体光触媒含有層
まず、半導体光触媒含有層側基板に用いられる半導体光触媒含有層について説明する。本工程に用いられる半導体光触媒含有層は、半導体光触媒含有層中の半導体光触媒が、上記基材に導入されたフッ素を除去することが可能なものであれば特に限定されるものではなく、半導体光触媒とバインダとから構成されているものであってもよく、半導体光触媒単体で製膜されたものであってもよい。また、その表面の特性は特に親液性であっても撥液性であってもよい。
【0036】
半導体光触媒含有層における、後述するような二酸化チタンに代表される半導体光触媒の作用機構は、必ずしも明確なものではないが、光の照射によって生成したキャリアが、近傍の化合物との直接反応、あるいは、酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、有機物の化学構造に変化を及ぼすものと考えられている。本発明においては、このキャリアが半導体光触媒含有層近傍に配置される上記基材に導入されたフッ素とその周囲に存在する有機物との結合等に作用を及ぼすものであると思われる。
【0037】
本発明で使用する半導体光触媒としては、光半導体として知られる例えば二酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)を挙げることができ、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0038】
本発明においては、特に二酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。二酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発明ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型の二酸化チタンが好ましい。アナターゼ型二酸化チタンは励起波長が380nm以下にある。
【0039】
このようなアナターゼ型二酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
【0040】
また、上記酸化チタンとして可視光応答型のものを用いてもよい。可視光応答型の酸化チタンとは、可視光のエネルギーによっても励起されるものであり、このような可視光応答化の方法としては、酸化チタンを窒化処理する方法等が挙げられる。
【0041】
酸化チタン(TiO)は、窒化処理をすることにより、酸化チタン(TiO)のバンドギャップの内側に新しいエネルギー準位が形成され、バンドギャップが狭くなる。その結果、通常酸化チタン(TiO)の励起波長は380nmであるが、その励起波長より長波長の可視光によっても、励起されることが可能となるのである。これにより、種々の光源によるエネルギー照射の可視光領域の波長も酸化チタン(TiO)の励起に寄与させることが可能となることから、さらに酸化チタンを高感度化させることが可能となるのである。
【0042】
ここで、本発明でいう酸化チタンの窒化処理とは、酸化チタン(TiO)の結晶の酸素サイトの一部を窒素原子での置換する処理や、酸化チタン(TiO)結晶の格子間に窒素原子をドーピングする処理、または酸化チタン(TiO)結晶の多結晶集合体の粒界に窒素原子を配する処理等をいう。
【0043】
酸化チタン(TiO)の窒化処理方法は、特に限定されるものではなく、例えば、結晶性酸化チタンの微粒子をアンモニア雰囲気下で700℃の熱処理により、窒素をドーピングし、この窒素のドーピングされた微粒子と、無機バインダや溶媒等を用いて、分散液とする方法等が挙げられる。
【0044】
半導体光触媒の粒径は小さいほど半導体光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、平均粒径が50nm以下であることが好ましく、20nm以下の半導体光触媒を使用するのが特に好ましい。
【0045】
本発明における半導体光触媒含有層は、上述したように半導体光触媒単独で形成されたものであってもよく、またバインダと混合して形成されたものであってもよい。
【0046】
半導体光触媒のみからなる半導体光触媒含有層の場合は、基材に導入されたフッ素を除去する効率が向上し、処理時間の短縮化等のコスト面で有利である。一方、半導体光触媒とバインダとからなる半導体光触媒含有層の場合は、半導体光触媒含有層の形成が容易であるという利点を有する。
【0047】
半導体光触媒のみからなる半導体光触媒含有層の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法等の真空製膜法を用いる方法を挙げることができる。真空製膜法により半導体光触媒含有層を形成することにより、均一な膜でかつ半導体光触媒のみを含有する半導体光触媒含有層とすることが可能であり、バインダを用いる場合と比較して効率的にフッ素を除去することが可能となる。
【0048】
また、半導体光触媒のみからなる半導体光触媒含有層の形成方法の他の例としては、例えば半導体光触媒が二酸化チタンの場合は、基材上に無定形チタニアを形成し、次いで焼成により結晶性チタニアに相変化させる方法等が挙げられる。ここで用いられる無定形チタニアとしては、例えば四塩化チタン、硫酸チタン等のチタンの無機塩の加水分解、脱水縮合、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタン等の有機チタン化合物を酸存在下において加水分解、脱水縮合によって得ることができる。次いで、400℃〜500℃における焼成によってアナターゼ型チタニアに変性し、600℃〜700℃の焼成によってルチル型チタニアに変性することができる。
【0049】
また、バインダを用いる場合は、バインダの主骨格が上記の半導体光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例えばオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
【0050】
このようにオルガノポリシロキサンをバインダとして用いた場合は、上記半導体光触媒含有層は、半導体光触媒とバインダであるオルガノポリシロキサンとを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を基材上に塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより半導体光触媒含有層を形成することができる。
【0051】
また、バインダとして無定形シリカ前駆体を用いることができる。この無定形シリカ前駆体は、一般式SiXで表され、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物、それらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量3000以下のポリシロキサンが好ましい。
【0052】
具体的には、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン等が挙げられる。また、この場合には、無定形シリカの前駆体と半導体光触媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、基材上に空気中の水分により加水分解させてシラノールを形成させた後、常温で脱水縮重合することにより半導体光触媒含有層を形成できる。シラノールの脱水縮重合を100℃以上で行えば、シラノールの重合度が増し、膜表面の強度を向上できる。また、これらの結着剤は、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0053】
バインダを用いた場合の半導体光触媒含有層中の半導体光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。また、半導体光触媒含有層の厚みは、0.05〜10μmの範囲内が好ましい。
【0054】
また、半導体光触媒含有層には上記の半導体光触媒、バインダの他に、界面活性剤や添加剤等を用いることができ、例えば特開2001−074928に記載されているようなものを用いることができる。
【0055】
ここで本発明においては、例えば図2に示すように、基体12の全面に半導体光触媒含有層11が形成されたものであってもよく、また例えば図3に示すように、基体12上に半導体光触媒含有層11がパターン状に形成されたものであってもよい。このような半導体光触媒含有層のパターニング方法は、特に限定されるものではないが、例えばフォトリソグラフィー法等により行うことが可能である。
【0056】
また本発明においては、例えば図4に示すように、上記半導体光触媒含有層11上に半導体光触媒含有層側遮光部14が形成されていてもよく、また例えば図5に示すように、後述する基体12上に半導体光触媒含有層側遮光部14が形成されており、その半導体光触媒含有層側遮光部14を覆うように半導体光触媒含有層11が形成されたもの等であってもよい。このような半導体光触媒含有層側遮光部が形成されているものとすることにより、上記エネルギー照射の際、フォトマスク等を用いる必要のないものとすることができる。ここで、上記半導体光触媒含有層側遮光部としては、濡れ性変化パターン形成工程において照射されるエネルギーを遮蔽するものであれば特に限定されるものではなく、一般的に遮光部として用いられるものと同様とすることができる。
【0057】
b.基体
次に、半導体光触媒含有層側基板に用いられる基体について説明する。本発明において半導体光触媒含有層側基板は、例えば図2に示すように、少なくとも基体12とこの基体12上に形成された半導体光触媒含有層11とを有するものである。
【0058】
本発明に用いられる基体は、上記半導体光触媒含有層を形成可能なものであれば、特に限定されるものではなく、例えば可撓性を有する樹脂製フィルム等であってもよく、可撓性を有さないもの、例えばガラス基板等であってもよい。
【0059】
なお、基体表面と上記半導体光触媒含有層との密着性を向上させるため、また半導体光触媒の作用による基体の劣化を防ぐために基体上にアンカー層を形成するようにしてもよい。このようなアンカー層としては、シラン系、チタン系のカップリング剤や、反応性スパッタ法やCVD法等により作製したシリカ膜等が挙げられる。
【0060】
(半導体光触媒含有層側基板の配置)
次に、上記半導体光触媒含有層側基板の配置について説明する。本工程において、上記半導体光触媒含有層側基板は、上記プラズマ照射工程においてフッ素が導入された基材と、上記半導体光触媒含有層とが対向するように配置され、エネルギーが照射されることとなる。この際、上記基材のうち、フッ素が導入された面が上記半導体光触媒含有層と面するように配置される。
【0061】
ここで、上記の配置とは、実質的に半導体光触媒の作用が上記基材に及ぶような状態で配置された状態をいうこととし、上記半導体光触媒含有層と上記基材とが密着している状態の他、所定の間隔を隔てて上記半導体光触媒含有層と上記基材とが配置された状態とする。この間隙は、200μm以下であることが好ましい。
【0062】
本発明において上記間隙は、特に0.2μm〜10μmの範囲内、好ましくは1μm〜5μmの範囲内とすることが好ましい。このような間隙の範囲は、特に間隙を高い精度で制御することが可能である小面積の基材に対して特に有効である。
【0063】
一方、例えば300mm×300mm以上といった大面積の基材に対して処理を行う場合は、上述したような微細な間隙を半導体光触媒含有層側基板と上記基材との間に形成することは極めて困難である。したがって、基材が比較的大面積である場合は、上記間隙は、10〜100μmの範囲内、特に50〜75μmの範囲内とすることが好ましい。間隙をこのような範囲内とすることにより、パターンの精度の低下の問題や、半導体光触媒の感度が悪化してフッ素を除去する効率が悪化する等の問題が生じることなく、さらにフッ素の除去にムラが発生しないといった効果を有するからである。
【0064】
このように比較的大面積の基材にエネルギー照射する際には、エネルギー照射装置内の半導体光触媒含有層側基板と基材との位置決め装置における間隙の設定を、10μm〜200μmの範囲内、特に25μm〜75μmの範囲内に設定することが好ましい。設定値をこのような範囲内とすることにより、半導体光触媒の感度の大幅な悪化を招くことなく配置することが可能となるからである。
【0065】
このように半導体光触媒含有層と基材表面とを所定の間隔で離して配置することにより、酸素と水および半導体光触媒作用により生じた活性酸素種が脱着しやすくなる。すなわち、上記範囲より半導体光触媒含有層と基材の間隔を狭くした場合は、上記活性酸素種の脱着がしにくくなり、結果的にフッ素を除去する速度を遅くしてしまう可能性があることから好ましくない。また、上記範囲より間隔を離して配置した場合は、生じた活性酸素種が基材に届き難くなり、この場合もフッ素を除去する速度を遅くしてしまう可能性があることから好ましくない。
【0066】
このような極めて狭い間隙を均一に形成して半導体光触媒含有層と基材とを配置する方法としては、例えばスペーサを用いる方法を挙げることができる。そして、このようにスペーサを用いることにより、均一な間隙を形成することができるからである。また、このようなスペーサを用いることにより、半導体光触媒の作用により生じた活性酸素種が拡散することなく、高濃度で基材表面に到達することから、効率よくフッ素の除去を行うことができる。
【0067】
なお、上記半導体光触媒含有層が可撓性を有する樹脂フィルム等の可撓性を有する基体上に形成された半導体光触媒含有層側基板を用いる場合においては、上述したような間隙を設けることが難しく、製造効率等の面から、上記半導体光触媒含有層と基材とが接触するように配置されていることが好ましい。
【0068】
本発明においては、このような半導体光触媒含有層側基板の配置状態は、少なくともエネルギー照射の間だけ維持されればよい。なお、本工程において、上記半導体光触媒含有層側基板を用いた場合に用いられるエネルギーの種類やその照射方法等は、上述したものと同様とすることができる。
【0069】
また特に、半導体光触媒含有層を加熱しながらエネルギー照射することにより、感度を上昇させることが可能となり、効率的なフッ素の除去を行うことができる点で好ましい。具体的には30℃〜80℃の範囲内で加熱することが好ましい。
【0070】
3.その他
本発明のパターン形成体の製造方法においては、上記プラズマ照射工程、および濡れ性変化パターン形成工程以外に、例えば基材上に遮光部を形成する遮光部形成工程等、必要に応じて適宜他の工程を有していてもよい。
【0071】
なお、本発明により製造されたパターン形成体の用途は特に限定されるものではなく、例えば上記濡れ性の差を利用して金属配線を形成した導電性パターンや、上記濡れ性の差を利用してレンズを形成したマイクロレンズ等、種々の機能性部を有する機能性素子の製造に用いられるものとすることができるが、本発明においては、特に上記濡れ性の差を利用して着色層を形成するカラーフィルタの製造に用いられることが好ましい。これにより、工程上効率よくカラーフィルタを得ることができるからである。この場合、基材としては可視光域で透明な透明基材が用いられることとなる。
【0072】
B.パターン形成体
次に、本発明のパターン形成体について説明する。本発明のパターン形成体は、表面にパターン状にフッ素を含有する基材を有することを特徴とするものであり、例えば図6に示すように、基材1の表面にフッ素がパターン状に導入された領域5を有することを特徴とするものである。
【0073】
本発明によれば、上記フッ素を含有する領域がパターン状に形成されていることから、表面にフッ素を有している領域を撥液性領域、表面にフッ素を有していない領域を親液性領域として用いることができる。したがって、上記パターン形成体上に上記濡れ性の差を利用して容易に機能性部を形成することが可能なパターン形成体とすることができるのである。
【0074】
ここで、本発明において上記フッ素は、基材の表面から50nm以内の領域にフッ素が含有されていることが好ましい。上記フッ素の有無の測定は、X線光電子分光分析装置(XPS:ESCALAB 220i-XL)による分析において、上記半導体光触媒含有層表面より検出される全元素中のフッ素元素の割合を測定することにより確認することができる。また、この際上記フッ素の割合としては、10%以上とされることが好ましい。
【0075】
またこの際、上記フッ素を有するパターンとしては、特に限定されるものではなく、パターン形成体の用途等に合わせて適宜選択される。本発明においては、上記フッ素を有する領域の液体との接触角が、40mN/mの液体との接触角が、10°以上、中でも表面張力30mN/mの液体との接触角が10°以上、特に表面張力20mN/mの液体との接触角が10°以上とされていることが好ましい。これは、上記領域の液体との接触角が小さい場合は、撥液性が十分でなく、フッ素の有無による濡れ性の差を利用して、パターン形成体上に種々の機能性部を形成することが困難となる場合があるからである。
【0076】
また、基材表面がフッ素を有しない領域においては、液体との接触角が、40mN/mの液体との接触角が9°未満、好ましくは表面張力50mN/mの液体との接触角が10°以下、特に表面張力60mN/mの液体との接触角が10°以下とされていることが好ましい。上記領域の液体との接触角が高い場合には、フッ素の有無による濡れ性の差を利用してパターン形成体上に種々の機能性部を形成する際、機能性部を形成するための機能性部形成用塗工液をはじいてしまう可能性があり、機能性部形成用塗工液が十分に濡れ広がらない等、機能性部を形成することが難しくなる可能性があるからである。なお、上記液体との接触角は、上述した方法により測定された値である。
【0077】
ここで、本発明のパターン形成体に用いられる基材や、パターン形成体の製造方法は、上述した「A.パターン形成体の製造方法」の項で説明した方法と同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
【0078】
なお、本発明におけるパターン形成体は、上記フッ素をパターン状に有する基材を有するものであれば、特に限定されるものではなく、必要に応じて、例えば遮光部等、他の部材を有していてもよい。
【0079】
また、本発明のパターン形成体は、例えば上記濡れ性の差を利用して金属配線を形成した導電性パターンや、上記濡れ性の差を利用してレンズを形成したマイクロレンズ等、種々の機能性部を有する機能性素子の製造に用いられるものとすることができるが、本発明においては、特に上記濡れ性の差を利用して着色層を形成するカラーフィルタの製造に用いられることが好ましい。これにより、工程上効率よくカラーフィルタを得ることができるからである。この場合、基材は可視光域で透明な透明基材が用いられることとなる。
【0080】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【実施例】
【0081】
以下、本発明について、実施例を通じてさらに詳述する。
【0082】
<樹脂製基板の準備>
ポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製ゴーセノールAH−26)をイオン交換水に溶解させ、固形分1%の樹脂組成物を調整した。これを、硝子基材上に塗布し、100℃で30分間乾燥することにより、厚さ1μmの樹脂層を形成し、樹脂製基板とした。この樹脂層表面の水との接触角は、10°であった。
【0083】
<プラズマ照射工程>
この樹脂製基板の樹脂層表面に、以下の条件で、大気圧プラズマを照射した。その結果、樹脂層表面の水の接触角は93°になった。また、上記樹脂層表面をXPS(ESCALAB 220i-XL)にて表面解析した結果、多量の有機フッ素系成分(CF3‐CF2‐CF2‐、CF2‐CF2‐、CF2‐CH2‐)が検出された。
(プラズマ照射条件)
・導入ガス : CF …15(l/min.)
・電極と基板の間隔 : 2mm
・ 電源出力 : 200V−5A
【0084】
<半導体光触媒含有層側基板の準備>
半導体光触媒無機コーティング剤(ST−K01 石原産業(株)製)を、イソプロピルアルコールにより希釈し、1%の半導体光触媒含有層用組成物を調整した。
上記組成物をフォトマスク基板(100μmのライン&スペース)上にスピンコーターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、透明な半導体光触媒含有層(厚み0.2μm)を有する半導体光触媒含有層側基板を形成した。
【0085】
<濡れ性変化パターン形成工程>
上記樹脂製基板の樹脂層と半導体光触媒含有層側基板の半導体光触媒含有層とのギャップが50μmとなるように対向させて保持し、超高圧水銀ランプ(365nm 40mW/cm)を用いて、半導体光触媒含有層側基板側から紫外線を300秒間照射した。その結果、露光された部分の樹脂層の液体との接触角が低下し、樹脂層表面に100μmのライン&スペースで親水部と疎水部が形成された。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明のパターン形成体の製造方法の一例を示す工程図である。
【図2】本発明のパターン形成体の濡れ性変化パターン形成工程の一例を示す概略断面図である。
【図3】本発明のパターン形成体の製造方法に用いられる半導体光触媒含有層側基板の一例を示す概略断面図である。
【図4】本発明のパターン形成体の製造方法に用いられる半導体光触媒含有層側基板の他の例を示す概略断面図である。
【図5】本発明のパターン形成体の製造方法に用いられる半導体光触媒含有層側基板の他の例を示す概略断面図である。
【図6】本発明のパターン形成体の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0087】
1 …基材
2 …プラズマ
4 …エネルギー
5 …濡れ性変化パターン
11…半導体光触媒含有層
12…基体
13…半導体光触媒含有層側基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製の基材に、フッ素化合物を導入ガスとしてプラズマを照射し、フッ素を導入するプラズマ照射工程と、
前記プラズマ照射工程によりフッ素が導入された前記基材にパターン状にエネルギーを照射し、前記基材に液体との接触角が低下した濡れ性変化パターンを形成する濡れ性変化パターン形成工程と
を有することを特徴とするパターン形成体の製造方法。
【請求項2】
前記濡れ性変化パターン形成工程が、半導体光触媒を含有する半導体光触媒含有層および基体を有する半導体光触媒含有層側基板の前記半導体光触媒含有層と、前記プラズマ照射工程によりフッ素が導入された前記基材とを対向させて配置し、エネルギーを照射する工程であることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成体の製造方法。
【請求項3】
表面にパターン状にフッ素を含有する基材を有することを特徴とするパターン形成体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−206836(P2006−206836A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−24218(P2005−24218)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】