説明

パチンコ機の施錠装置

【課題】施錠状態で中枠施錠杆とガラス枠施錠杆の両方をロックして、針金などの不正器具による不正解錠を防止することができるパチンコ機の施錠装置を提供する。
【解決手段】 基枠体1に、中枠施錠杆2を施錠状態でロックする中枠ロック部材5が揺動可能に枢支され、中枠施錠杆2には、中枠ロック部材5に係合して中枠施錠杆2を施錠状態でロックする中枠ロック受け部材6が揺動可能に枢支される。基枠体1に、ガラス枠施錠杆3を施錠状態でロックするガラス枠ロック部材7が揺動可能に枢支され、ガラス枠施錠杆3には、ガラス枠ロック部材7に係合してガラス枠施錠杆3を施錠状態でロックするガラス枠ロック受け部材8が揺動可能に枢支される。中枠施錠杆2とガラス枠施錠杆3に沿ってロック解除部材4が摺動可能に配設される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機の中枠(前面枠)に取り付けられ、中枠を本体枠に対し施錠し、且つ中枠に対し開閉可能に取り付けられたガラス枠を施錠するパチンコ機の施錠装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機の中枠(前面枠)は、本体枠の前面に、ヒンジを介して開閉可能に装着され、さらに中枠の前面にガラス枠が開閉可能に装着される。このような中枠(前面枠)に取り付けられ、中枠を本体枠に対し施錠し、且つ中枠に対し開閉可能に取り付けられたガラス枠を施錠するパチンコ機の施錠装置として、上部と下部にフック状の係止爪を背面側に突設してなる中枠用施錠杆と、上部と下部にフック状の係止爪を正面側(シリンダ錠側)に突設してなるガラス枠用施錠杆とを、縦長の基枠体内に上下の摺動可能に配設した施錠装置が、下記特許文献1などにより知られている。
【0003】
この施錠装置は、パチンコ機の本体枠に対し中枠を閉じると、中枠用施錠杆の係止爪が本体枠側に設けた受け金具に摺動しながら係止され、解錠する際は、基枠体の正面側に取り付けたシリンダ錠の錠軸のカム部材により、中枠用施錠杆を摺動させて係止爪と受け金具との係合を外して解錠する。一方、パチンコ機の中枠に対しガラス枠を閉じると、ガラス枠用施錠杆の係止爪がガラス枠側に設けた受け金具に摺動しながら係止され、それを解錠する場合は、シリンダ錠の錠軸のカム部材により、ガラス枠用施錠杆を摺動させて係止爪と受け金具との係合を外して解錠する。
【0004】
このような構造の施錠装置では、ガラス枠または中枠を閉じたとき、ガラス枠用施錠杆または中枠用施錠杆が自動的に(係止爪が受け金具に接触して受ける反力により)摺動して施錠される構造のため、施錠が完了状態においても、ガラス枠用施錠杆または中枠用施錠杆が摺動可能な状態となる。このため、施錠状態において、パチンコ機の中枠の隙間から針金等の不正器具を挿入して、その先端を係止爪に引っ掛けてガラス枠用施錠杆または中枠用施錠杆を解錠方向に摺動させた場合、不正解錠が可能となる虞があった。
【特許文献1】特開2005−296403号公報
【特許文献2】特開2007−313049号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このために、従来、施錠状態で、中枠用施錠杆またはガラス枠施錠杆が不正に解錠方向に移動力を受けたとき、カム部材用の係合部をカム部材の係合凸部に当接させて、中枠用施錠杆またはガラス枠施錠杆の移動を阻止するようにロックして不正解錠を防止する施錠装置が、上記特許文献2などで提案されている。この施錠装置のカムロック機構は、シリンダ錠の錠軸に固定されるカム部材の係合凸部を長めに形成し、中枠用施錠杆及びガラス枠施錠杆に設けられたカム部材用の係合孔にその係合凸部を、施錠時には嵌入した状態とし、カム部材により中枠用施錠杆及びガラス枠施錠杆の移動をロックするように構成される。
【0006】
しかし、この種のカムロック方式の施錠装置は、中枠またはガラス枠が開放された状態においても、常時、カム部材の係合凸部が中枠用施錠杆及びガラス枠施錠杆の係合孔に嵌合しているため、中枠またはガラス枠を閉じることにより、自動的に中枠用施錠杆またはガラス枠施錠杆を摺動させて施錠しようとしても、キーをシリンダ錠から抜いた状態では、カム部材の回動がロックされた状態にあるため、中枠またはガラス枠を閉じて施錠することができず、使用状況によっては使用しにくいという問題があった。つまり、開放された状態の中枠またはガラス枠を閉じて自動的に施錠する際には必ずキーをシリンダ錠に差し込んだ状態とする必要があり、キーを抜いた状態で中枠またはガラス枠を閉じると、施錠装置の施錠動作が不完全となり、故障の原因となるなどの問題があった。
【0007】
さらに、従来、施錠状態の中枠用施錠杆の移動をロックするパチンコ機の施錠装置として、基枠体にロック部材を揺動可能に枢支し、このロック部材により、施錠状態における中枠用施錠杆をロックして不正解錠を防止する施錠装置が知られている。この施錠装置は、施錠状態における中枠用施錠杆にロック部材を係止させてそれをロックし、シリンダ錠による解錠の際には、カム部材の回動によりロック部材のロックを解除すると共に、中枠用施錠杆を摺動させて解錠する。
【0008】
しかし、このパチンコ機の施錠装置は、施錠状態における中枠用施錠杆をロックすることはできるものの、ガラス枠用施錠杆についてはロックすることができず、施錠状態における中枠用施錠杆とガラス枠用施錠杆の両方をロックする機構を備えたパチンコ機の施錠装置の開発が望まれていた。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するために、施錠状態で中枠施錠杆とガラス枠施錠杆の両方をロックして、針金などの不正器具による不正解錠を防止することができるパチンコ機の施錠装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1のパチンコ機の施錠装置は、縦長の基枠体の支持板に沿って中枠施錠杆とガラス枠施錠杆が上下に摺動可能に配設され、該基枠体の正面に該支持板に対し略直角に設けた取付板に、シリンダ錠が取り付けられ、該シリンダ錠の錠軸にカム部材が固定され、該中枠施錠杆及びガラス枠施錠杆が該カム部材に係合可能とされ、該中枠施錠杆の鉤部が本体枠側の受け部に係止され、該ガラス枠施錠杆の鉤部がガラス枠側の係止部に係止されて施錠するパチンコ機の施錠装置において、
該基枠体には、該中枠施錠杆を施錠状態でロックする中枠ロック部材が揺動可能に枢支され、該中枠施錠杆には、該中枠ロック部材に係合して該中枠施錠杆を施錠状態でロックする中枠ロック受け部材が揺動可能に枢支され、
該基枠体には、該ガラス枠施錠杆を施錠状態でロックするガラス枠ロック部材が揺動可能に枢支され、該ガラス枠施錠杆には、該ガラス枠ロック部材に係合して該ガラス枠施錠杆を施錠状態でロックするガラス枠ロック受け部材が揺動可能に枢支され、
該中枠施錠杆とガラス枠施錠杆に沿ってロック解除部材が摺動可能に配設され、該ロック解除部材には、該中枠ロック受け部材に係合して該中枠ロック受け部材と該中枠ロック部材との係合を解除させるための係合部が設けられると共に、該ガラス枠ロック受け部材に係合して該ガラス枠ロック受け部材と該ガラス枠ロック部材との係合を解除させるための係合部が設けられ、
該中枠を閉じたとき、該中枠ロック部材の突出部が該中枠側の当接部に当接して該中枠ロック部材が揺動し、該中枠ロック部材と該中枠ロック受け部材が係合して、該中枠施錠杆の移動がロックされ、該ガラス枠を閉じたとき、該ガラス枠ロック部材の突出部が該ガラス枠側の当接部に当接して該ガラス枠ロック部材が揺動し、該ガラス枠ロック部材と該ガラス枠ロック受け部材が係合して、該ガラス枠施錠杆の移動がロックされることを特徴とする。
【0011】
この発明の施錠装置によれば、中枠を閉じた状態で、中枠ロック部材が中枠ロック受け部材に係止されて、中枠の移動がロックされ、一方、ガラス枠を閉じた状態で、ガラス枠ロック部材がガラス枠ロック受け部材に係止されて、ガラス枠の移動がロックされため、中枠とガラス枠の両方の不正器具による不正解錠を防止することができる。
【0012】
また、キーによるシリンダ錠とカム部材の回動時には、ロック解除部材の摺動により、中枠ロック部材と中枠ロック受け部材の係合が解除されて中枠施錠杆が移動可能となり、ガラス枠ロック部材とガラス枠ロック受け部材の係合が解除されてガラス枠施錠杆が移動可能となるので、キー操作により中枠とガラス枠の解錠が行えると共に、ロックの解除は、1本のロック解除部材により行うことができるため、部材の数を最小限に抑え、装置の小型化及び構造の簡単化を図ることができる。
【0013】
本発明の請求項2の施錠装置は、上記請求項1のパチンコ機の施錠装置において、上記基枠体は、正面側の断面コ字状部と背面側の断面L字状部を一体に形成され、該断面コ字状部の正面板が取付板として形成され、該取付板に対し支持板が取付板の左端から直角に背面側に向けて配設され、該取付板の幅広部にシリンダ錠がその錠軸を支持板側に挿入するように取り付けられ、該支持板の左側に、上記中枠施錠杆、ガラス枠施錠杆、中枠ロック部材、中枠ロック受け部材、ガラス枠ロック部材、ガラス枠ロック受け部材、及びロック解除部材が配置され、該中枠施錠杆の鉤部は、該断面L字状部の背面側の背面板に設けた開口部から背面側に突出することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、基枠体の強度を増大させ、中枠施錠杆の取付強度も増大させることができる。さらに、施錠装置がパチンコ機中枠の左端自由端側に縦に取り付けられた場合、中枠の自由端側に隙間が生じたとしても、施錠装置の基枠体の支持板の左側に中枠施錠杆、ガラス枠施錠杆、中枠ロック部材、中枠ロック受け部材、ガラス枠ロック部材、ガラス枠ロック受け部材、及びロック解除部材を含む施錠機構が配置されるため、自由端側の隙間から針金などの不正器具が挿入された場合でも、支持板が壁となって施錠機構に到達せず、不正解錠をさらに効果的に防止することができる。
【0015】
本発明の請求項3の施錠装置は、上記請求項2のパチンコ機の施錠装置において、上記シリンダ錠を取り付けた取付板の幅広部近傍の前記支持板と背面板に開口部が形成され、該開口部の周辺にカム室が形成され、該シリンダ錠の錠軸のカム部材が該カム室内で、前記中枠施錠杆、ガラス枠施錠杆及びロック解除部材に係合可能とされ、該カム室の側面から背面を覆うようにカバーが取り付けられたことを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、シリンダ錠の操作による解錠時、円滑に中枠施錠杆、ガラス枠施錠杆及びロック解除部材を摺動させて解錠操作が可能となると共に、カム室の側面から背面をカバーにより覆って、不正器具による不正解錠をさらに効果的に防止することができる。
【0017】
本発明の請求項4の施錠装置は、上記請求項1のパチンコ機の施錠装置において、上記ロック解除部材には、前記カム部材に突設された第1係合凸部が係合可能な第1係合部と前記カム部材に突設された第2係合凸部が係合可能な第2係合部が設けられ、前記シリンダ錠の操作により該カム部材が一方向に回動したとき、該第1係合凸部が先ず第1係合部に係合して該ロック解除部材を摺動させた後、次に前記中枠施錠杆の係合部に係合して該中枠施錠杆を摺動させて中枠を解錠し、該カム部材が他方向に回動したとき、該第2係合凸部が先ず第2係合部に係合して該ロック解除部材を摺動させた後、次に前記ガラス枠施錠杆の係合部に係合して該ガラス枠施錠杆を摺動させてガラス枠を解錠することを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、解錠操作時に、カム部材が回動したとき、先ずロック解除部材を摺動させてロックを解除した状態で、中枠施錠杆またはガラス枠施錠杆を摺動させるので、ロック部材とロック受け部材によりロックされた状態であっても、シリンダ錠による解錠操作時には、確実に且つ円滑に中枠またはガラス枠を解錠操作することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のパチンコ機の施錠装置によれば、施錠状態において中枠施錠杆とガラス枠施錠杆の両方が、中枠ロック部材、中枠ロック受け部材、ガラス枠ロック部材、及びガラス枠ロック受け部材によってロックされ、針金などの不正器具により中枠施錠杆またはガラス枠施錠杆を不正に移動させて行われる不正解錠を防止することができ、キーによる解錠操作時には、1本のロック解除部材を摺動させて、少ない部材により中枠施錠杆またはガラス枠施錠杆を解錠方向に動かして、円滑に解錠することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機用の施錠装置の正面図を、図2はその左側面図を、図3はその右側面図を、図4はその背面図を各々示している。また、図5、図6はその平面図、底面図を示し、図7はその正面斜め右下方から見た斜視図を、図8はその背面斜め右下方から見た斜視図を示している。さらに、図9、図10はその分解斜視図を示している。
【0021】
図7,8などに示すように、施錠装置の本体フレームを構成する基枠体1は、正面側の断面コ字状部1aと背面側の断面L字状部1bを一体にして縦長のチャンネル材状に形成されている。また、断面コ字状部1aの正面側の板が取付板11として形成され、取付板11に対し支持板12が取付板11の左端から直角に背面側に向けて形成され、支持板12は断面コ字状部1aと背面側の断面L字状部1bとを繋ぐ部分に取付板11と直角に形成されている。また、断面L字状部1bの背面側には背面板13が、支持板12と直角に、且つ取付板11と平行で取付板11とは反対側(支持板12の左側)に設けられている。
【0022】
図7,8などに示すように、取付板11の下部寄りに設けた幅広部11aには、シリンダ錠9がその錠軸9aを支持板12側に挿入するように取り付けられ、支持板12の左側(正面視左側)に、後述の中枠施錠杆2、ガラス枠施錠杆3、中枠ロック部材5、中枠ロック受け部材6、ガラス枠ロック部材7、ガラス枠ロック受け部材8、及びロック解除部材4が上下摺動可能または前後に揺動可能に配置されている。
【0023】
基枠体1の断面L字状部1bの背面側に設けた背面板13には、図8に示すように、その上部と下部に開口部13a、13bが設けられ、その開口部13a,13bから背面側に中枠施錠杆2の鉤部21,22が突出する。施錠装置をパチンコ機の中枠91に取り付ける際、取付板11と背面板13が取付部となり、そこに穿設された取付孔とビスにより、施錠装置の基枠体1が中枠91の右側自由端側の内側に縦に取り付けられる。
【0024】
このように、基枠体1は、横断面をコ字状とした断面コ字状部1aと横断面をL字状とした断面L字状部1bを一体に形成され、基枠体1の幅方向にそれら3個の角部が形成されるため、長手方向に対し充分な曲げ強度を持たせることができる。このような基枠体1は、金属板をプレス加工により折曲・裁断・打抜き加工するのみで製作することが可能である。
【0025】
図7、8に示すように、基枠体1の下部には、合成樹脂製の滑動支持部材19が背面側に突出するように固定されている。滑動支持部材19はその突出部が先細り形状に形成され、且つ突出部下面を傾斜面として形成され、中枠91を本体枠90に対し閉じる際、本体枠90内の下部に乗り上げるように作用して、中枠91の重量による下方へのずれを修正するものである。また、この滑動支持部材19は、基枠体1の断面L字状部1bつまり支持板12と背面板13の下部に嵌着され、支持板12と背面板13を直角状態に保持して、断面L字状部1bの断面形状の変形を防止し、堅固にその形状を保持するようにしている。
【0026】
取付板11の幅広部11aは、断面コ字状部1aの正面左側つまり取付板11の左側に膨出して形成され、そこには、シリンダ錠9を挿入するための開口孔が設けられる。図11のように、シリンダ錠9は、幅広部11aの背面側からその外筒部を前方に突き出すように挿入され、そのフランジ9bを幅広部11aの背面側に当てて固定される。図9などの如く、取付板11の幅広部11a近傍における支持板12と背面板13の部位に、開口部12aが形成され、開口部12aの周辺空間にはカム室14が形成されている。
【0027】
図9、10,11に示すように、シリンダ錠9の錠軸9aにカム部材10が固定され、カム部材10はカム室14内で回動可能となっている。カム部材10には第1係合凸部10aと第2係合凸部10bが設けられ、カム部材10の第1係合凸部10a、第2係合凸部10bは、後述のように、ロック解除部材4及び中枠施錠杆2またはガラス枠施錠杆3に対し係合可能となっている。また、カム室14の側面から背面を覆うようにカバー18が取り付けられ、カム室14はカバー18により覆われ、不正に挿入された不正器具がカム部材10に到達しないようにしている。
【0028】
シリンダ錠9とその錠軸9aに固定されたカム部材10は、キーをシリンダ錠9に差し込み、右に回したとき、図9,11、15に示すように、カム部材10が同方向に回動し、その第1係合凸部10aがロック解除部材4と共に中枠施錠杆2の係合部23に係合し、それを上方に摺動させるようになっている。一方、キーをシリンダ錠9に差し込み、左に回したときには、図9,11,16に示すように、カム部材10が同方向に回動し、その第2係合部8bがロック解除部材4と共にガラス枠施錠杆3の係合部35に係合し、それを下方に摺動させるようになっている。
【0029】
図1,9,10などに示すように、支持板12の左側に、中枠施錠杆2、ガラス枠施錠杆3、中枠ロック部材5、中枠ロック受け部材6、ガラス枠ロック部材7、ガラス枠ロック受け部材8、及びロック解除部材4が配置される。中枠施錠杆2の鉤部21,22は、上記のように、断面L字状部1bの背面側の背面板13に設けた開口部13a,13bから背面側に突出するように取り付けられる。
中枠施錠杆2、ガラス枠施錠杆3及びロック解除部材4は複数のガイドピンとガイド孔を介して上下摺動可能に支持板12の左側に装着されている。
【0030】
中枠施錠杆2は、図9、10、11に示すように、帯板の上部と下部にフック状の鉤部21,22を背面側に突出して形成される。中枠施錠杆2の下寄り(シリンダ錠9のカム部材10に対向した位置)に、係合部23が長孔の縁部として設けられ、上記のように、カム部材10の第1係合凸部10aが係合可能である。また、中枠施錠杆2と支持板12間にガラス枠施錠杆3が上下摺動可能に配設される。
【0031】
ガラス枠施錠杆3には3本の鉤部31,32,33が正面側に向けて突設される。ガラス枠施錠杆3の下寄り(シリンダ錠9のカム部材10に対向した位置)に、係合部35が長孔の縁部として設けられ、上記のように、カム部材10の第2係合部10bがその係合部35に係合可能である。
【0032】
さらに、中枠施錠杆2とガラス枠施錠杆3の間に、ロック解除部材4が中枠施錠杆2と共にまたはガラス枠施錠杆3と共に摺動可能に配設される。このロック解除部材4は、キーによるシリンダ錠9の解錠操作時に、カム部材10の回動により、上または下に摺動して、中枠ロック受け部材6またはガラス枠ロック受け部材8を揺動させ、中枠ロック部材5と中枠ロック受け部材6の係合を外し、またはガラス枠ロック部材7とガラス枠ロック受け部材8との係合を外すように作用する。
【0033】
そのために、ロック解除部材4には、カム部材10の第1係合凸部10aがその右回動時に係合可能な第1係合部41がロック解除部材4の下部に設けられ、さらに、カム部材10の第2係合凸部10bがその左回動時に係合可能な第2係合部42が第1係合部41の直ぐ上に設けられている。さらに、ロック解除部材4の上部には、上記中枠施錠杆2に対し軸支されて揺動し中枠91のロック動作を行なう中枠ロック受け部材6用の中枠係合部43が設けられ、上記ガラス枠施錠杆2に対し軸支されて揺動しガラス枠92のロック動作を行なうガラス枠ロック受け部材8用のガラス枠係合部44が設けられている。
【0034】
このロック解除部材4は、シリンダ錠9が解錠操作させてカム部材10が回動したとき、カム部材10の第1係合凸部10a及び第2係合凸部10bが先ずそこに係合してロック解除部材4を上にまたは下に動かすように、その第1係合部41と第2係合部42を所定の位置に設けている。さらに、ロック解除部材4の上部に設けた中枠係合部43は、カム部材10の回動によりロック解除部材4が上に摺動したとき、中枠ロック受け部材6の係合凸部62に係合して、中枠ロック受け部材6を揺動させ、その係合部61と中枠ロック部材5の係合凸部52との係合を外すように動作する。また、中枠係合部43の上方に設けられたガラス枠係合部44は、カム部材10の回動によりロック解除部材4が下に摺動したとき、ガラス枠ロック受け部材8の係合凸部82に係合して、ガラス枠ロック受け部材8を揺動させ、その係合部81とガラス枠ロック部材7の係合凸部72との係合を外すように動作する。
【0035】
中枠ロック部材5は中枠施錠杆2を施錠状態でロックする部材であり、図10などに示すように、基枠体1の支持板12の左面に、枢軸53を介して揺動(回動)可能に枢支される。この中枠ロック部材5には基枠体1から背面側に突出するように、突出部51が設けられ、中枠91を本体枠90に対し閉じたとき、本体枠側の当接部にその突出部51が当接し、これにより中枠ロック部材5が正面側に僅かに揺動し、その係合凸部52を中枠施錠杆2の中枠ロック受け部材6の係合部61に係合させて、中枠施錠杆2をロックするようになっている。中枠ロック受け部材6は、図9,11に示すように、中枠施錠杆2の中間部の右側面に、枢軸63により揺動(回動)可能に枢支され、中枠ロック受け部材6には上記のようにロック解除部材4の中枠係合部43と係合可能な係合凸部62が設けられている。
【0036】
一方、ガラス枠ロック部材7はガラス枠施錠杆3を施錠状態でロックする部材であり、図10などに示すように、基枠体1の支持板12における中枠ロック部材5の上方に、枢軸73を介して揺動(回動)可能に枢支される。このガラス枠ロック部材7には基枠体1から正面側に突出するように、突出部71が設けられ、ガラス枠を中枠に対し閉じたとき、中枠側の当接部にその突出部71が当接し、これによりガラス枠ロック部材7が背面側に僅かに揺動し、その係合凸部72をガラス枠施錠杆3のガラス枠ロック受け部材8の係合部81に係合させて、ガラス枠施錠杆3をロックするように構成される。ガラス枠ロック受け部材8は、図9,11に示すように、ガラス枠施錠杆3の中間部の右側面に、枢軸83により揺動(回動)可能に枢支され、ガラス枠ロック受け部材8には上記のようにロック解除部材4のガラス枠係合部44と係合可能な係合凸部82が設けられている。
【0037】
上記中枠ロック部材5と中枠ロック受け部材6間には、コイルばね54が掛け渡され、コイルばね54のばね力により中枠ロック部材5はその突出部51を背面側に突き出すように付勢され、中枠91の開放時には、中枠ロック部材5がその突出部51を背面側に突き出す状態となり、中枠ロック受け部材6の係合部61と中枠ロック部材5の係合凸部52との係合を外し、中枠施錠杆2が自在に上下動可能とする。
【0038】
一方、中枠91を閉じたときには、中枠ロック部材5の突出部51が内側に押し込まれ、中枠ロック受け部材6の係合部61と中枠ロック部材5の係合凸部52とが係合し、中枠施錠杆2の上下動がロックされる。その状態で、キーによりシリンダ錠9が解錠操作されてカム部材10が回動し、ロック解除部材4が上方に摺動したとき、ロック解除部材4の中枠係合部43が中枠ロック受け部材6の係合凸部62に係合して中枠ロック受け部材6を僅かに揺動させ、その係合部61と中枠ロック部材5の係合凸部52の係合を解除して中枠施錠杆2のロックを解除するようになっている。
【0039】
また、ガラス枠ロック部材7とガラス枠ロック受け部材8間には、コイルばね74が掛け渡され、コイルばね74のばね力によりガラス枠ロック部材7はその突出部71を正面側に突き出すように付勢され、ガラス枠の開放時には、ガラス枠ロック部材7がその突出部71を正面側に突き出す状態となり、ガラス枠ロック受け部材8の係合部81とガラス枠ロック部材7の係合凸部72との係合を外し、ガラス枠施錠杆3が自在に上下動可能とされる。
【0040】
一方、ガラス枠92を閉じたときには、ガラス枠ロック部材7の突出部71が内側に押し込まれ、ガラス枠ロック受け部材8の係合部81とガラス枠ロック部材7の係合凸部72とが係合し、ガラス枠施錠杆3の上下動がロックされる。その状態で、キーによりシリンダ錠9が解錠操作されてカム部材10が回動し、ロック解除部材4が下方に摺動したとき、ロック解除部材4のガラス枠係合部44がガラス枠ロック受け部材8の係合凸部82に係合してガラス枠ロック受け部材8を僅かに揺動させ、その係合部8凸2とガラス枠ロック部材7の係合凸部72の係合を解除してガラス枠施錠杆3のロックを解除するようになっている。
【0041】
図9、11に示すように、中枠施錠杆2には、その上部、中間部、下部にガイド孔24、25,26が形成され、それらのガイド孔24、25,26にはガイドピン24a、25a,26aが挿通され、中枠施錠杆2が上下に所定の範囲内で上下摺動するようにガイドされる。また、中枠施錠杆2の中間部には、上記のように、中枠ロック受け部材6が枢軸63により揺動可能に軸支されている。一方、ガラス枠施錠杆3には、その上部、中間部、下部にガイド孔36,37,38が形成され、それらのガイド孔36,37,38にはガイドピン36a、25a,38aが挿通され、ガラス枠施錠杆3が上下に所定の範囲内で上下摺動するようにガイドされる。また、ガラス枠施錠杆3の中間部には、上記のように、ガラス枠ロック受け部材8が枢軸83により揺動可能に軸支されている。
【0042】
中枠施錠杆2とガラス枠施錠杆3間には、ばね部材(コイルばね)17が掛けられ、このばね部材17により中枠施錠杆2は下方(施錠側)に付勢され、ガラス枠施錠杆3は上方(施錠側)に付勢される。このため、解錠時には、カム部材10の回動により、ばね部材17によるばね力に抗して中枠施錠杆2が上方に摺動し、同様にガラス枠施錠杆3が下方に摺動する。
【0043】
このように、基枠体1に枢支された中枠ロック部材5は、中枠施錠杆2に枢支された中枠ロック受け部材6と協働して、中枠施錠杆2を施錠時にロックして針金などの不正器具による不正解錠を防止するようになっている。また、枢軸53によって揺動可能に枢支される中枠ロック部材5には、その上部に突出部51が設けられ、中枠が閉じられて施錠状態となったとき、内側に揺動し、中枠ロック部材5の上部に設けた係合凸部52を中枠ロック受け部材6の係合部61に係合させ、中枠施錠杆2の摺動をロックするようになっている。そして、そのような施錠状態において、キーによりシリンダ錠9を操作してその錠軸9aと共にカム部材10を右に回動したとき、先ずロック解除部材4が上方に摺動し、このとき、中枠ロック受け部材6を僅かに前方に揺動させ、中枠ロック部材5の係合凸部52と中枠ロック受け部材6の係合部61の係合を外し、中枠施錠杆2のロックを解除する。そして、これに続くカム部材10の回動により、中枠施錠杆2が解錠側(上方)に摺動し、解錠動作が行なわれる。
【0044】
一方、基枠体1に枢支されたガラス枠ロック部材7は、ガラス枠施錠杆3に枢支されたガラス枠ロック受け部材8と協働して、ガラス枠施錠杆3を施錠時にロックして針金などの不正器具による不正解錠を防止するようになっている。枢軸73によって揺動可能に枢支されるガラス枠ロック部材7には、その上部に突出部71が設けられ、ガラス枠が閉じられて施錠状態となったとき、内側に揺動し、ガラス枠ロック部材7の上部に設けた係合凸部72をガラス枠ロック受け部材8の係合部81に係合させ、ガラス枠施錠杆3の摺動をロックするようになっている。
【0045】
そのような施錠状態において、キー操作によりシリンダ錠9の錠軸9aと共にカム部材10が回動し、先ずロック解除部材4が下方に摺動したとき、ガラス枠ロック受け部材8を僅かに後方に揺動させて、ガラス枠ロック部材7の係合凸部72とガラス枠ロック受け部材8の係合部81の係合を外し、ガラス枠施錠杆3のロックを解除する。そして、これに続くカム部材10の回動により、ガラス枠施錠杆3は解錠側(下方)に摺動し、解錠動作が行なわれるようになっている。
【0046】
このように構成された施錠装置は、図12に示すように、基枠体1が、パチンコ機における中枠91の自由端側の右端に縦に、且つ鉤部21,22を本体枠90側に向けた状態で装着される。一方、本体枠90の右側壁部の内側における上記鉤部21,22に対応した上下位置に、受け部93が固定され、この受け部93に鉤部21,22が係止される。また、本体枠90側には、中枠ロック部材5の突出部51が当接する当接部94が設けられる。
【0047】
一方、中枠91の前面にガラス枠(遊技盤を覆う透明板を装着した前扉)92が開閉可能に取り付けられる。そのガラス枠92の右端自由端側の内側に、ガラス枠施錠杆3の鉤部31、32、33が係止される受け部95,95,95が、各々対応した箇所に設けられる。なお、中間位置の受け部95は、ガラス枠ロック部材7の突出部71の当接部として兼用される。
【0048】
上記構成の施錠装置は、上記の如く、パチンコ機の中枠91の右端自由端側に縦に固定されて使用されるが、施錠機構の主要部となる中枠施錠杆2、ガラス枠施錠杆3は基枠体1の支持板12の左側面に装着され、中枠91の自由端側に対して支持板12が壁となる。また、支持板12及び背面板13に設けた開口部12a及びカム室14は支持板12の右側面からカバー18で覆われている。このため、施錠した状態で、本体枠90と中枠91の右端自由端側の隙間、或いは中枠91とガラス枠92の右端自由端側の隙間などから、不正解錠を狙って針金などの不正器具を差し込まれたとしても、基枠体1の支持板12、カバー18などが壁となって、不正器具が中枠施錠杆2、ガラス枠施錠杆3、ロック解除部材4などに到達せず、不正解錠を防止することができる。
【0049】
パチンコ機の中枠91が開放された状態において、中枠91を本体枠90に対し閉じると、本体枠90側の受け部93が鉤部21,22に接触し、これにより中枠施錠杆2が上側の荷重を受けて上昇した後、ばね部材17の付勢力により下降し、鉤部21,22が受け部93に係止され施錠状態となる。
【0050】
このとき、中枠ロック部材5の突出部51が本体枠90側の当接部94に当接して内側に揺動し、これにより図15(b)のように、その係合凸部52が中枠ロック受け部材6の係合部61に係合した状態となり、中枠施錠杆2は中枠ロック部材5と中枠ロック受け部材6を介して上下動がロックされる。したがって、中枠施錠杆2は、シリンダ錠9による解錠操作を除き、解錠方向に摺動することができず、針金などの不正器具による不正解錠は阻止されることとなる。
【0051】
一方、パチンコ機のガラス枠92が開放された状態において、ガラス枠92を中枠91に対し閉じると、中枠91側の受け部95が鉤部31,32,33に接触し、これによりガラス枠施錠杆3が下側の荷重を受けて下降した後、ばね部材17の付勢力により上昇し、鉤部31,32,33が受け部95に係止され施錠状態となる。
【0052】
このとき、ガラス枠ロック部材7の突出部71が中枠91側の受け部95に当接して内側に揺動し、これにより図16(b)のように、その係合凸部72がガラス枠ロック受け部材8の係合部81に係合した状態となり、ガラス枠施錠杆3はガラス枠ロック部材7とガラス枠ロック受け部材8を介して上下動がロックされる。したがって、ガラス枠施錠杆3は、シリンダ錠9による解錠操作を除き、解錠方向に摺動することができず、針金などの不正器具による不正解錠は阻止されることとなる。
【0053】
中枠91を解錠する場合、シリンダ錠9に挿入したキーを右に回す。これにより、カム部材10が図15(a)の矢印方向(反時計方向)に回動し、カム部材10の第1係合凸部10aが、まずロック解除部材4の第1係合部41に係合して、図15(a)のように、ロック解除部材4を押し上げる。これにより、図15(b)に示すように、ロック解除部材4の中枠係合部43が中枠ロック受け部材6の係合凸部62に係合して中枠ロック受け部材6を僅かに上方に押し上げるように、図15(b)の反時計方向に中枠ロック受け部材6を僅かに回動させる。これにより、中枠ロック部材5の係合凸部52と中枠ロック受け部材6の係合部61の係合が外れ、ロックが解除され、中枠施錠杆2は上昇可能となる。
【0054】
この後、カム部材10の第1係合凸部10aが上記と同方向にさらに回動すると、第1係合凸部10aが中枠施錠杆2の係合部23に係合して、中枠施錠杆2が第1係合凸部10aにより押し上げられる。このとき、図13に示すように、中枠施錠杆2はばね部材17の付勢力に抗して上方に摺動し、その鉤部21,22が上昇して、本体枠90側の受け部93から離れ、解錠される。
【0055】
一方、ガラス枠92を解錠する場合は、キーをシリンダ錠9に差し込み、左に回すと、カム部材10が図16(a)の矢印方向(時計方向)に回動し、カム部材10の第2係合凸部10bは、先ず、ロック解除部材4の第2係合部42に係合して、図16(a)のように、ロック解除部材4を押し下げる。これにより、図16(b)に示すように、ロック解除部材4のガラス枠係合部44がガラス枠ロック受け部材8の係合凸部82に係合してガラス枠ロック受け部材8を僅かに下方に押し下げるように、図16(b)の反時計方向にガラス枠ロック受け部材8を僅かに回動させる。これにより、ガラス枠ロック部材7の係合凸部72とガラス枠ロック受け部材8の係合部81の係合が外れ、ロックが解除され、ガラス枠施錠杆3は下降可能となる。
【0056】
この後、カム部材10の第2係合凸部10bが上記と同方向にさらに回動すると、第2係合凸部10bがガラス枠施錠杆3の係合部35に係合して、ガラス枠施錠杆3が第2係合凸部10bにより押し下げられる。このとき、図14に示すように、ガラス枠施錠杆3はばね部材17の付勢力に抗して下方に摺動し、その鉤部31,32,33が下降して、中枠91側の受け部95から離れ、解錠される。
【0057】
このように、ガラス枠92を中枠91に対し良好に施錠・解錠を行うことができると共に、中枠91を本体枠90に対し良好に施錠・解錠することができ、ガラス枠92及び中枠91の施錠状態においては、ガラス枠ロック部材7、ガラスロック受け部材8の作用によって、ガラス枠施錠杆3の解錠側への摺動がロックされ、且つ中枠ロック部材5、中枠ロック受け部材6の作用によって、中枠施錠杆2の解錠側への摺動がロックされるので、針金などの不正器具によりガラス枠施錠杆3または中枠施錠杆2を解錠側へ摺動させて行なわれる不正解錠を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態を示す施錠装置の正面図である。
【図2】その左側面図である。
【図3】その右側面図である。
【図4】その背面図である。
【図5】その平面図である。
【図6】その底面図である。
【図7】その正面斜め右下方から見た斜視図である。
【図8】その背面斜め右下方から見た斜視図である。
【図9】施錠装置の背面側の右側下方から見た分解斜視図である。
【図10】施錠装置の左側斜め下方から見た分解斜視図である。
【図11】施錠装置の分解左側面図である。
【図12】パチンコ機に施錠装置を取り付けた状態の左側面図である。
【図13】中枠を解錠した状態を示す施錠装置の左側面図である。
【図14】ガラス枠を解錠した状態の施錠装置の左側面図である。
【図15】中枠解錠時のカム部材周辺の動きを示す説明図(a)、中枠解錠時の中枠ロック部材と中枠ロック受け部材の動きを示す説明図(b)である。
【図16】ガラス枠解錠時のカム部材周辺の動きを示す説明図(a)、ガラス枠解錠時のガラス枠ロック部材とガラス中枠ロック受け部材の動きを示す説明図(b)である。
【符号の説明】
【0059】

1 基枠体
1a 断面コ字状部
1b 断面L字状部
2 中枠施錠杆
3 ガラス枠施錠杆
4 ロック解除部材
5 中枠ロック部材
6 中枠ロック受け部材
7 ガラス枠ロック部材
8 ガラス枠ロック受け部材
9 シリンダ錠
9a 錠軸
9b フランジ
10 カム部材
10a 第1係合凸部
10b 第2係合凸部
11 取付板
12 支持板
13 背面板
14 カム室
18 カバー
19 滑動支持部材
21 鉤部
22 鉤部
23 係合部
31 鉤部
32 鉤部
33 鉤部
35 係合部
41 第1係合部
42 第2係合部
43 中枠係合部
44 ガラス枠係合部
51 突出部
52 係合凸部
61 係合部
62 係合凸部
71 突出部
72 係合凸部
81 係合部
82 係合凸部
90 本体枠
91 中枠
92 ガラス枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦長の基枠体の支持板に沿って中枠施錠杆とガラス枠施錠杆が上下に摺動可能に配設され、該基枠体の正面に該支持板に対し略直角に設けた取付板に、シリンダ錠が取り付けられ、該シリンダ錠の錠軸にカム部材が固定され、該中枠施錠杆及びガラス枠施錠杆が該カム部材に係合可能とされ、該中枠施錠杆の鉤部が本体枠側の受け部に係止され、該ガラス枠施錠杆の鉤部がガラス枠側の係止部に係止されて施錠するパチンコ機の施錠装置において、
該基枠体には、該中枠施錠杆を施錠状態でロックする中枠ロック部材が揺動可能に枢支され、該中枠施錠杆には、該中枠ロック部材に係合して該中枠施錠杆を施錠状態でロックする中枠ロック受け部材が揺動可能に枢支され、
該基枠体には、該ガラス枠施錠杆を施錠状態でロックするガラス枠ロック部材が揺動可能に枢支され、該ガラス枠施錠杆には、該ガラス枠ロック部材に係合して該ガラス枠施錠杆を施錠状態でロックするガラス枠ロック受け部材が揺動可能に枢支され、
該中枠施錠杆とガラス枠施錠杆に沿ってロック解除部材が摺動可能に配設され、該ロック解除部材には、該中枠ロック受け部材に係合して該中枠ロック受け部材と該中枠ロック部材との係合を解除させるための係合部が設けられると共に、該ガラス枠ロック受け部材に係合して該ガラス枠ロック受け部材と該ガラス枠ロック部材との係合を解除させるための係合部が設けられ、
該中枠を閉じたとき、該中枠ロック部材の突出部が該中枠側の当接部に当接して該中枠ロック部材が揺動し、該中枠ロック部材と該中枠ロック受け部材が係合して、該中枠施錠杆の移動がロックされ、該ガラス枠を閉じたとき、該ガラス枠ロック部材の突出部が該ガラス枠側の当接部に当接して該ガラス枠ロック部材が揺動し、該ガラス枠ロック部材と該ガラス枠ロック受け部材が係合して、該ガラス枠施錠杆の移動がロックされることを特徴とするパチンコ機の施錠装置。
【請求項2】
前記基枠体は、正面側の断面コ字状部と背面側の断面L字状部を一体に形成され、該断面コ字状部の正面板が取付板として形成され、該取付板に対し支持板が取付板の左端から直角に背面側に向けて配設され、該取付板の幅広部にシリンダ錠がその錠軸を支持板側に挿入するように取り付けられ、該支持板の左側に、上記中枠施錠杆、ガラス枠施錠杆、中枠ロック部材、中枠ロック受け部材、ガラス枠ロック部材、ガラス枠ロック受け部材、及びロック解除部材が配置され、該中枠施錠杆の鉤部は、該断面L字状部の背面側の背面板に設けた開口部から背面側に突出することを特徴とする請求項1記載のパチンコ機の施錠装置。
【請求項3】
前記シリンダ錠を取り付けた取付板の幅広部近傍の前記支持板と背面板に開口部が形成され、該開口部の周辺にカム室が形成され、該シリンダ錠の錠軸のカム部材が該カム室内で、前記中枠施錠杆、ガラス枠施錠杆及びロック解除部材に係合可能とされ、該カム室の側面から背面を覆うようにカバーが取り付けられたことを特徴とする請求項2記載のパチンコ機の施錠装置。
【請求項4】
前記ロック解除部材には、前記カム部材に突設された第1係合凸部が係合可能な第1係合部と前記カム部材に突設された第2係合凸部が係合可能な第2係合部が設けられ、前記シリンダ錠の操作により該カム部材が一方向に回動したとき、該第1係合凸部が先ず第1係合部に係合して該ロック解除部材を摺動させた後、次に前記中枠施錠杆の係合部に係合して該中枠施錠杆を摺動させて中枠を解錠し、該カム部材が他方向に回動したとき、該第2係合凸部が先ず第2係合部に係合して該ロック解除部材を摺動させた後、次に前記ガラス枠施錠杆の係合部に係合して該ガラス枠施錠杆を摺動させてガラス枠を解錠することを特徴とする請求項1記載のパチンコ機の施錠装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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