説明

パチンコ機

【課題】球送装置が内枠に配設されるパチンコ機にあって、前扉を閉止する際に、球送装置の球抜口を閉塞する内枠側の開閉片と、該開閉片を変位させる前扉側の球抜作動片とが衝突しないようにする。
【解決手段】前扉6に配設されて、該前扉6の開放状態では前扉6の球流出路39を閉塞する球止位置γに付勢保持され、前扉6の閉止状態では内枠5に配設される押圧保持部材67に押圧されて付勢力に抗して球流出路39を開放する開放位置δに保持される可動球止部材44を配設し、該可動球止部材44が該球止位置γで球抜作動片43と係合して、球抜作動片43の位置変換を阻止するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発射球貯留皿から流出する遊技球を発射装置へ順次送出する球送装置を内枠に配設したパチンコ機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なパチンコ機は、遊技島設備に固定される木製の外枠と、この外枠にヒンジ部材を介して開閉可能に取り付けられる前枠とを備えている。この前枠は、遊技盤を固定するための開口部や発射装置等を備える内枠を主体とする。また、内枠の前面側には、発射用の遊技球を貯留する発射球貯留皿を備え内枠前面側に開閉可能に取り付けられる前扉が設けられている。
【0003】
また、前記内枠には、遊技盤の下方であって発射球貯留皿の背面側に遊技球を発射する発射装置が設けられる。発射装置の前面側は前扉によって覆われており、前扉の発射装置を覆う部分には前面側に発射球貯留皿が配設される。また、発射球貯留皿と発射装置の間には、発射球貯留皿から流出する遊技球を発射装置の作動に合わせて一個ずつ発射装置へ送出する球送装置が設けられる。球送装置には、発射球貯留皿から流入する遊技球を機体前面側に排出するための球抜口が設けられている。球抜口は移動可能な開閉片によって通常は閉塞されており、球送装置に流入した遊技球は発射装置へ送出されるが、開閉片は前扉の前面側に配設された球抜操作部材と連繋しており、球抜操作部材の操作によって開閉片を移動させると球抜口が開放し、遊技球が球送装置から機体前面側(余剰球貯留皿など)に排出されるようになっている。
【0004】
ところで、多くのパチンコ機では、前扉の背面側に球送装置が設けられているが、近年、球送装置を内枠に配設する構成が提案されている(特許文献1及び特許文献2)。かかる構成では、前扉の開放状態で球送装置は内枠側に位置するため、球送装置のメンテナンスを迅速かつ簡便に行えるという利点がある。ここで、かかる構成では、前扉の開放時に前扉背面側の球流出路を閉塞して発射球貯留皿から遊技球が流出するのを防止する可動球止部材が設けられている。また、かかる構成では、球抜操作部材と連繋する球抜作動片が前扉の背面側に配設されている。この球抜作動片は、前扉の開放状態では球送装置の開閉片と離間しているが、前扉の閉止状態で開閉片を押圧可能となり、球抜操作部材が操作された時に球抜作動片が開閉片を押圧移動させることによって球抜口が開放されるようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−112942号公報
【特許文献2】特開2001−145760号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、球送装置を内枠に配設した構成にあっては、前扉の開放状態では球抜作動片と開閉片が離間しているため夫々が独立して移動可能となるため、開閉片と球抜作動片の位置によっては前扉を閉止する際に双方が衝突して破損する恐れがある。この問題に対し、上記特許文献1,2の構成では、開閉片が球抜口を閉塞する閉鎖位置に付勢されるとともに、球抜作動片が開閉片を押圧しない定常位置に付勢されており、前扉の開放状態で開閉片と球抜作動片を各位置に付勢保持しておくことによって、前扉を閉じる際に球抜作動片が、開閉片と衝突せずに開閉片を押圧可能な位置に移動するようにしている。
【0007】
しかしながら、上記構成にあっても、球抜作動片は球抜操作部材と機械的に連繋しているため、前扉を閉じる際に、作業者の手が不用意に球抜操作部材に触れていると球抜作動片が定常位置から移動してしまい開閉片と球抜作動片が衝突する恐れがある。また、前扉の開放状態で球抜操作部材が誤って操作された時に、球抜作動片が周辺部材に引っ掛かって定常位置に復帰しないことがあり、このような場合にも、そのまま前扉を閉じようとすると開閉片と球抜作動片が衝突してしまう。
【0008】
本発明は、かかる問題を解決し得るパチンコ機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、下部に発射装置を備える内枠と、発射球貯留皿を前面に備え、内枠の前面側に片開き可能に枢支される前扉と、内枠に配設されて、発射球貯留皿から流入する遊技球を発射装置へ順次送出するとともに、発射球貯留皿から流入する遊技球を機体前面側へ排出するための球抜口を備える球送装置と、球送装置の球抜口を閉塞する閉鎖位置と開放する球抜位置とに移動可能となるように内枠側に配設され、第一の付勢手段によって閉鎖位置に付勢される開閉片と、前扉の前面側に配設されて、遊技者の操作により開閉片を球抜位置に変換する球抜操作部材とを備えるパチンコ機であって、前扉に配設されて、球抜操作部材と連繋し、前扉の閉止状態で開閉片を押圧可能となり、第二の付勢手段によって開閉片を閉鎖位置とする定常位置に付勢され、球抜操作部材の操作によって、開閉片を押圧して該開閉片を球抜位置とする作動位置に変換される球抜作動片と、前扉の厚み方向に貫設されて、発射球貯留皿の遊技球を前扉の背面側に流出させる球流出路と、前扉に配設され、該前扉の開放状態では第三の付勢手段によって球流出路を閉塞する球止位置に付勢保持され、前扉の閉止状態では内枠に配設される押圧保持部材に押圧されて付勢力に抗して球流出路を開放する開放位置に保持されるものであり、さらに該球止位置で定常位置にある球抜作動片と係合して、該球抜作動片の作動位置への移動を阻止する可動球止部材とを備えることを特徴とするパチンコ機である。
【0010】
ここで、本発明に係る「内枠」とは、遊技盤を固定する枠体であって、少なくとも発射装置を備えるものを指す。また、本発明に係る「前扉」とは、内枠の前面側に枢支されるものであって、その前面側に少なくとも発射球貯留皿が配設されたものを指す。また、本発明に係る付勢手段とはバネ等の弾性材や重錘等を利用したものを指す。実施例では、コイルバネ69が第一の付勢手段に、コイルバネ82が第二の付勢手段に、コイルバネ85が第三の付勢手段に該当する。
【0011】
かかる構成では、前扉の閉止状態では、可動球止部材は開放位置に保持されており、球流出路が開放されるとともに、球抜作動片が球抜操作部材の操作に応じて定常位置から作動位置に移動可能となっており、かかる状態から前扉を開放すると、可動球止部材が球止位置に保持されて、該球止位置において球流出路を閉塞するとともに、球抜作動片と係合して球抜作動片の作動位置への移動を阻止することとなる。したがって、本発明のパチンコ機では、前扉の開放状態では、球抜操作部材が操作されても球抜作動片は定常位置に保持されたままであり、前扉を閉じる際に球抜作動片が開閉片に衝突することがない。
【0012】
本発明にあっては、可動球止部材によって球抜作動片の移動を阻止する態様は特に限定されない。例えば、球抜作動片に係合部を設け、可動球止片を該係合部に係合させるようにしてもよいし、球抜作動片の移動経路を塞ぐ位置に可動球止部材を変位させるようにしてもよい。なお、可動球止部材は、その移動方向が球抜作動片の移動方向と略直交するように設定し、球抜作動片との係合状態で球抜作動片に押されて従動しないようにすることが望ましい。
【0013】
具体的には、球抜操作部材が前扉の前面側に押下げ操作可能に配設されるものであり、球抜作動片が前扉の幅方向に移動可能に配設されるものであり、さらに、前扉に傾動可能に配設されて球抜操作部材と球抜作動片とに当接し、球抜操作部材の押下げ操作に伴って球抜作動片を前扉の幅方向に移動させて定常位置から作動位置に変位させる連繋部材を備える構成が提案される。かかる構成にあっては、球抜操作部材の押下げ操作が連繋部材によって前扉の幅方向に沿った球抜作動片の移動に変換されることとなる。
【0014】
また、開閉片は、内枠の前方に突出する受圧用突部を備え、内枠の幅方向に移動可能に配設されるものであり、球抜作動片は、前扉の幅方向に移動可能に配設され、前扉の閉止状態で開閉片の受圧用突部を押圧可能となり、定常位置から作動位置への移動に伴って受圧用突部を押圧して開閉片を閉鎖位置から球抜位置へ変換するものである構成も提案される。かかる構成にあっては、前扉の閉止状態では、受圧用突部を球抜作動片に押圧されることによって開閉片が球抜位置に変位することとなり、また、前扉の開放状態では、作業者が受圧用突部を直接押圧操作することによって開閉片を球抜位置に変位可能となる。
【0015】
ところで、上記構成にあっては、開閉片は閉鎖位置に付勢されるため、開閉片を球抜位置へ押圧している球抜作動片が定常位置へ復帰すれば、開閉片は付勢力によって球抜位置から閉鎖位置に復帰することとなる。しかし、かかる構成では、開閉片が周辺部材に引っ掛かったり付勢手段に異常が生じたりして定常位置に復帰せず、球抜位置に留まることがある。このような場合、開閉片の異常は遊技者からは確認できないため、球抜口が開放したままの球送装置に遊技球が供給される恐れがある。このため、上記構成にあっては、球抜作動片が、前扉の厚み方向に形成されて、前扉の閉止状態で開閉片の受圧用突部と嵌合する押圧用穴部を備える構成が提案される。かかる構成にあっては、前扉の閉止状態で受圧用突部に押圧用穴部が外嵌しているため、球抜作動片は、開閉片が定常位置に復帰する際にも開閉片と連動することとなる。このため、本構成では、開閉片が球抜位置に留まると、球抜作動片も作動位置に留まり、さらには、球抜作動片と連繋する球抜操作部材も操作された状態に留まることとなる。したがって、遊技者は、球抜操作部材の操作を停止した時に、球抜操作部材が元の状態に復帰するか否かによって開閉片が閉鎖位置に復帰したか否かを確認できる。なお、かかる構成では、球抜作動片の押圧用穴部と開閉片の受圧用突部とを前扉の開放状態で離間させるため、前扉を閉止する際に押圧用穴部を受圧用突部に正確に外嵌させる必要があるが、本発明のように前扉の開放状態で球抜作動片を定常位置に保持すればかかる問題は解決できる。
【0016】
また、可動球止部材又は球抜作動片に配設されて、球止位置の可動球止部材と定常位置の球抜作動片の係合状態で球抜作動片が作動位置方向へ移動して球抜作動片が可動球止部材を押圧した場合に、当該押圧を検出して球抜異常信号を出力する球抜操作検出手段と、球抜操作検出手段と接続されて、球抜異常信号を受信すると所定の報知手段を作動させる球抜異常報知制御手段とを備える構成も提案される。ここで、球抜操作検出手段は衝突検知用のセンサによって構成されるものであり、実施例では感圧センサがこれに該当する。また、球抜異常報知制御手段はCPUを備える基板等によって構成されるものであり、実施例では主制御基板がこれに該当する。また、報知手段は、例えばランプや各種表示装置、スピーカ等によって構成されるものである。
【0017】
かかる構成にあっては、前扉の開放状態で球抜操作部材が操作されて、球抜作動片が球止位置の可動球止部材によって阻止されると、球抜操作検出手段がこれを検知して球抜異常信号を送信し、これに応じて球抜異常報知制御手段が報知手段を作動させる。このため、作業者は報知手段の作動によって球抜操作部材を不適切に操作していると気付くことができる。なお、かかる構成にあっては、前扉の閉止状態では、可動球止部材が球抜作動片を係止しないため球抜操作検出手段は球抜異常信号を送信しないが、誤作動によって前扉の閉止状態で球抜異常信号が送信される場合に備えて、前扉の閉止状態では球抜異常報知制御手段が報知手段を作動させないようにしてもよい。通常のパチンコ機では、前扉の開放状態を検知するセンサが設けられており、かかる構成は、このようなセンサの検知信号を利用すれば容易に実現できる。
【発明の効果】
【0018】
以上に述べたように、本発明は、可動球止部材が、球流出路を閉塞する球止位置で定常位置にある球抜作動片と係合して、該球抜作動片の作動位置への移動を阻止するようにしたものであるから、前扉の開放状態では球抜操作部材が操作されても球抜作動片が定常位置に保持されることとなり、前扉を閉じる際に球抜作動片と開閉片とが衝突することがない。したがって、本発明のパチンコ機は、前扉の閉止時に球抜作動片や開閉片が破損し難く、作業者は、前扉の開放状態で球抜操作部材を操作しないように気を配る必要がない。また、本発明は、既存の可動球止部材を利用して球抜作動片の移動を阻止するものであるため、部品点数を増加させずに単純な構成によって実現できるという利点がある。
【0019】
また、開閉片に内枠の前方へ突出する受圧用突部を設け、前扉の閉止状態で球抜作動片が受圧用突部を押圧可能となり、定常位置から作動位置への移動に伴って開閉片を球抜位置へ変換するようにした場合には、前扉の開放状態で、受圧用突部を直接操作することによって開閉片を容易に球抜位置へ変換することができる。
【0020】
さらに、上記構成にあって、球抜作動片が、前扉の厚み方向に形成されて、前扉の閉止状態で開閉片の受圧用突部と嵌合する押圧用穴部を備える場合には、球抜操作部材の操作を停止した時に、開閉片が閉鎖位置に復帰したか否かを球抜操作部材の戻り具合によって確認できる。
【0021】
また、上記球抜操作検出手段と球抜異常報知制御手段とを備えた場合には、前扉開放状態において球抜操作部材が不適切に操作されていることを遊技者に報知できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
【0023】
図1〜3は、本発明に係るパチンコ機1の斜視図及び正面図である。このパチンコ機1は、遊技島設備に固定される木製の外枠2と、該外枠2にヒンジ部材3を介して開閉可能に取り付けられる前枠4とからなる。
【0024】
前枠4は、ヒンジ部材3を介して外枠2に直接枢着する矩形の内枠5と、発射用の遊技球を貯留する発射球貯留皿10を前面に備え、該内枠5の前面に開閉可能に取り付けられる前扉6と、内枠5の背面側に開閉可能に取り付けられる裏機構板7等により構成される。
【0025】
前記内枠5は、アルミダイキャスト製の枠体からなる。この内枠5には上部から中央部にかけて矩形の開口部が形成されており、該開口部に合板製の遊技盤9が取り付けられる。図1〜3に示すように、遊技盤9の前面側は前扉6によって覆われており、前方からは中央部のみが視認可能となっている。遊技盤9の前面には金属製のガイドレール13が取り付けられており、該ガイドレール13によって楕円形の遊技領域12と、発射された遊技球を遊技領域12に案内する案内通路20が区画されている。遊技領域12内には遊技釘や入賞装置、液晶装置等の遊技部品が配設される。
【0026】
図2,3に示すように、内枠5の、遊技盤9下方位置には発射装置14が設けられている。この発射装置14は、金属製の発射機構板16に、遊技球を打圧する発射鎚17や、打圧された遊技球を案内する発射レール18、発射鎚17を駆動する発射用ソレノイド19等を配設してなるものである(図8参照)。また、発射装置14の前面側には、発射球貯留皿10から流入する遊技球を発射装置14に順次送出する球送装置15が配設される(図8参照)。発射装置14や球送装置15は、図1〜3に示すように、通常は前扉6によって前面側を覆われており、前扉6を開放することによってメンテナンス可能となる。発射装置14と球送装置15の詳細な構成は後述する。
【0027】
図1に示すように、内枠5の前面下部には、内枠5の幅方向に亘る樹脂製の取付板部23が設けられ、この取付板部23の前面中央に余剰の遊技球を貯留する余剰球貯留皿11が配設される。取付板部23の、余剰球貯留皿11を臨む位置には球放出口24が開口しており、該球放出口24から余剰球貯留皿11に遊技球が流入する。また、余剰球貯留皿11の底部には遊技球排出用の球抜孔25が形成されており、余剰球貯留皿11の底部に設けられた球抜スライダ26を移動操作すると球抜孔25が開放し、余剰球貯留皿11の遊技球を下方へ排出可能となる。
【0028】
また、余剰球貯留皿11の右方には発射ハンドル28が突設される。発射ハンドル28の外周部には回動操作可能な発射レバー29が設けられており、発射ハンドル28の内部には、発射レバー29の回動角度を検知する回動角度検知センサが配設される。回動角度検知センサは発射装置14や球送装置15の作動を制御する発射制御基板(図示省略)に接続される。
【0029】
また、裏機構板7は、内枠5の背面側に取り付けられた樹脂製枠体であり、図1に示すように、その上部には、遊技島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク30が設けられており、球タンク30の下方位置には、球タンク30の遊技球を払い出すための払出装置や球通路が配設される(図示省略)。また、裏機構板7の背面側には、遊技全般を制御する主制御基板や、前記発射制御基板等の各種の基板が設けられている(図示省略)。
【0030】
前扉6は、図2,4に示すように、矩形状の樹脂製枠体からなるものであり、その左側縁に固定されたヒンジ部材32によって内枠5の前面側に片開き可能に枢着される。前扉6の中央部には、樹脂製の透明板33を保持する楕円形の視認用開口部34が形成されており、該視認用開口部34を介して遊技盤9の遊技領域12を前方から視認可能となっている。
【0031】
また、図4,5に示すように、前扉6の下部前面側には樹脂製の発射球貯留皿10が一体的に配設される。前扉6の、発射球貯留皿10内部を臨む左側位置には、発射球貯留皿10へ遊技球を供給するための球供給口36が開口している。発射球貯留皿10の内部は、前後幅の広い左側の貯留部37と前後幅の狭い右側の整列部38とからなり、発射球貯留皿10の内底面は貯留部37から整列部38へ遊技球を流下させるように傾斜している。また、整列部38の右端には、前扉6の厚み方向に貫通し、整列部38から前扉6の背面側に遊技球を流出させる短尺な球流出路39が形成される(図2,6参照)。また、発射球貯留皿10の右上縁部には、前記球送装置15から余剰球貯留皿11へ遊技球を排出するための球抜操作部材42が配設される。球抜操作部材42については後述する。
【0032】
図2,6に示すように、前扉6の背面側には、視認用開口部34の下方部位に補強用の金属製パネル板41が固定される。前記球流出路39はこのパネル板41にも貫設される。球流出路39は、図7に示すように、前扉6の閉止状態で前記球送装置15の正面に位置しており、球流出路39を通って発射球貯留皿10から流出した遊技球は球送装置15へ流入することとなる。また、パネル板41の前面側の、球流出路39の近傍位置には、前記球抜操作部材42と連繋する球抜作動片43や、球流出路39を開閉する可動球止部材44が配設される。球抜作動片43と可動球止部材44については後述する。
【0033】
次に、発射装置14について説明する。
上述のように発射装置14は、金属製板片からなる発射機構板16に遊技球発射用の各種部材を組み付けてユニット化したものである。この発射機構板16は、図2,7,8に示すように、内枠5前面の、遊技盤9の下方で且つ余剰球貯留皿11の上方位置にビス止めされる。図8に示すように、発射機構板16の右側背面には、ロータリーソレノイドからなる発射用ソレノイド19が固定される。この発射用ソレノイド19の回転軸杆は、発射機構板16を貫通して前面側に突出しており、該回転軸杆の先端に発射鎚17が固定される。また、発射用ソレノイド19は前記発射制御基板と電気的に接続されており、発射制御基板は発射用ソレノイド19の通電状態を切り替えることにより発射鎚17を往復駆動する。一方、発射機構板16の左側前面には金属製の発射レール18が所定角度で左上がりに固定される。発射レール18は左上方に前記案内通路20の入口を臨むようになっており、発射レール18の右端部には発射鎚17の打撃部の先端が臨むようになっている。また、発射機構板16前面の右上部分には、発射鎚17の回動を規制するストッパ47が設けられる。また、発射機構板16の、発射レールの右端上方には、発射鎚17が臨む位置に遊技球を保持するゴム製の球保持部材48が設けられる。また、発射機構板16前面上部には、球送装置15を軸支するための軸受部材49が螺着される。
【0034】
以下に、本発明の要部に係る構成を詳細に説明する。
【0035】
球送装置15は、遊技球を一個ずつ送り出す電動式の球送り機構を透明樹脂からなる箱型のケース体51に収容してなるものである。図8,9に示すように、ケース体51の上部中央には左右方向の支軸部52が配設されており、該支軸部52を発射機構板16の前記軸受部材49に保持されることによって、ケース体51の下部は発射装置14の前上方に回動可能となっている。一方、ケース体51の底部には、後方に突出する係合端部71と前方に突出する操作端部72とからなる可撓性の係合部材66が一体的に形成されており、係合部材66の係合端部71が発射機構板16の下縁と係合することによって球送装置15は発射装置14の前面側に固定される。係合端部71と発射機構板16との係合は操作端部72の押し上げ操作によって解除可能となっており、図9に示すように、係合部材66と発射機構板16の係合解除状態では球送装置15が前方回動可能となり、球送装置15を発射装置14の前上方に退避させることによって発射装置14の前面側を露出可能となっている。
【0036】
ケース体51の前面中央部には、図10に示すように、発射球貯留皿10からの遊技球を流入させる矩形の球入口54が形成される。この球入口54の直前方位置には前後方向の短尺な連絡樋64が固着される。この連絡樋64は、図7に示すように、前扉6の閉止状態で前記球流出路39と接続し、発射球貯留皿10から流出する遊技球xを球入口54へ案内する。また、図10に示すように、ケース体51前面側には、球入口54の下方位置に横長溝状の軸部通過開口65が形成されており、ケース体51に内蔵された開閉片70の受圧用突部74が軸部通過開口65を貫通して前方に突出しており、受圧用突部74を軸部通過開口65に沿って摺動させることにより開閉片70がケース体51の内部で移動するようになっている。また、球入口54の右方には可動球止部材44を上方に押し上げる三角板状の押圧保持部材67が配設されており、連絡樋64の左方には、連絡樋64と前記球流出路39との位置決めに用いる円錐状の位置決め突起68が配設される。さらに、位置決め突起68の直下位置には、開閉片70に形成される案内用突部76を内嵌させて開閉片70を左右に移動可能とする横長溝状の案内溝53が形成される。
【0037】
ケース体51の背面側には、図11に示すように、発射装置14へ遊技球xを送出するための球出口55が中央下部に形成されており、ケース体51の内部には、前記球入口54と球出口55とを連通させる球供給通路56が形成される。また、球供給通路56の下流部位には機体前面側に遊技球xを排出するための球抜口61が底面に開口しており、ケース体51の内部には、この球抜口61から遊技球を左方に流下させる球抜通路62が形成される。球抜通路62は、ケース体51の背面左隅に形成された球抜用連通口63を介して余剰球貯留皿11と連通する内枠5の排出球誘導路45と連通している(図18参照)。図11(a)に示すように、球抜口61は、ケース体51内に配設された開閉片70によって通常は閉塞されている。開閉片70については後述する。
【0038】
ケース体51に収容される電動式の球送り機構は、図11に示すように、遊技球一個を収容可能な収容凹部60を有する回動可能なテコ部材58と、該テコ部材58を駆動させる球送用ソレノイド59と、球送用ソレノイド59の可動部75とテコ部材58とを連繋するリンク部材57とで構成される。テコ部材58は、球供給通路56の球出口55直前部分に軸支されて、収容凹部60を球供給通路56の上流側に向けて遊技球xを収容凹部60に受入れ可能となる位置と、収容凹部60を球出口55側に向けて収容凹部60の遊技球xを排出可能となる位置とに変位可能となっており、球送用ソレノイド59の通電状態に応じていずれかの位置に保持されるようになっている。球送用ソレノイド59は前記発射制御基板と電気的に接続されており、発射制御基板は球送用ソレノイド59の通電状態を切り替えることによりテコ部材58を回動させ、遊技球を球出口55に送出する。具体的には、図12に示すように、球送用ソレノイド59の非通電状態で、テコ部材58は収容凹部60を球出口55側に向ける位置に保持されており(図12(a)参照)、球送用ソレノイド59が通電状態となると収容凹部60を球供給通路56側に向ける位置に切り替り、球供給通路56の遊技球x一個を収容凹部60に収容する(図12(b)参照)。そして、再び球送用ソレノイド59が非通電状態に切り換わると、テコ部材58は収容凹部60を球出口55に向ける位置に変位して、収容凹部60の遊技球xが球出口55から発射レール18上に送出される(図12(c)参照)。
【0039】
開閉片70は、図10,11,13に示すように、球抜口61を遮蔽する板状の遮蔽部73を備える樹脂片であり、前方に突出する受圧用突部74と案内用突部76を、ケース体51前面の軸部通過開口65と案内溝53に夫々嵌合させることによって、ケース体51の内部で球抜口61を閉塞する閉鎖位置αと、開放する球抜位置βとに移動可能に保持される。また、図11,13に示すように、開閉片70は、左方に突設されたコイルバネ装着部88に取り付けられたコイルバネ69によって通常は右側の閉鎖位置αに付勢保持されており、コイルバネ69の付勢力に抗して受圧用突部74を左方に押圧されることによって球抜位置βに変位する。
【0040】
次に、球抜作動片43について説明する。
図13,14に示すように、球抜作動片43は樹脂製板片からなるものであり、前扉6内で左右に摺動可能に保持される摺動板部77と、前記受圧用突部74を押圧する押圧用凹部83を左端に備え、該摺動板部77の左方に突出する押圧腕部78とからなる。この球抜作動片43は、図6に示すように、摺動板部77をパネル板41の前面側で摺動可能に保持されるとともに、パネル板41の開口部90から押圧腕部78を露出させている。これにより、球抜作動片43は、摺動板部77の摺動に伴って、押圧用凹部83が開閉片70を押圧して球抜位置βとする作動位置ζと、押圧用凹部83が開閉片70を押圧しない定常位置εとに移動可能となっている(図15参照)。また、図13に示すように、摺動板部77の前面側には、後述の連繋部材80と連結するための連結軸79が形成される。
【0041】
図15,16は、前扉6に配設された球抜作動片43や球抜操作部材42の配置および連繋態様を背面側から示したものである。球抜操作部材42は、図15に示すように、ボタン型の樹脂片であり、図中右下部を軸支されて、前扉6の前面側に露出する上端部を押し下げられると下方傾動するようになっている。また、図15に示すように、前扉6のパネル板41の前面側には、金属板からなる取付機構板46が配設される。この該取付機構板46の板面には、前記球抜操作部材42と球抜作動片43とを連繋する連繋部材80や、前記可動球止部材44等が取り付けられている。連繋部材80は、図15に示すように、長三角形状の樹脂製板片からなるものであり、球抜操作部42の直下位置において、短尺辺を上方に向けた姿勢で図中右上角部を軸支されて、その下端部を取付機構板46に沿って左右に傾動するように保持される。図15に示すように、連繋部材80の図中左側部にはコイルバネ82の一端が連結される。連繋部材80は、かかるコイルバネ82によって図中左方に付勢されて、その短尺片を球抜操作部42の下底面に当接させている。かかる構成によれば、球抜操作部材42が押し下げられると、図15(b)に示すように、連繋部材80の下端部が図中右方向に傾動し、球抜操作部材42の押下げが止むと、連繋部材80の下端部が図中左方に復帰して、押し下げられた球抜操作部材42は連繋部材42によって上方に押し上げられることとなる。
【0042】
連繋部材80の下端部には前後方向の連結孔部81が形成されており、連繋部材80は、該連結孔部81を球抜作動片43の連結軸79に外嵌させることによって、球抜作動片43と連繋している。球抜作動片43は、図15(a)に示すように、球抜操作部材42の非操作状態において定常位置εに位置しており、図15(b)に示すように、球抜操作部材42が押し下げられると、連繋部材80の傾動に従動して作動位置ζへと変位することとなる。
【0043】
可動球止部材44は、横長樹脂片からなるものであり、図16に示すように、球流出路39の上方で取付機構板46に図中右端部を軸支されて、左端を水平方向に向けて中央下部に形成される球止舌部84によって球流出路39を後方から閉塞する球止位置γと、図中左端を上方寄りに向けて球止舌部84を球流出路39の上方に退避させる開放位置δとに変位可能となっている。図16に示すように、可動球止部材44の左側部にはコイルバネ85が取り付けられており、可動球止部材44は該コイルバネ85によって球止位置γ側に付勢されている。可動球止部材44の図中左端部には、球送装置15の押圧保持部材67と当接する受圧突部86が図中左方に突成される。図16(a)に示すように、前扉6の閉止状態では可動球止部材44は受圧突部86を押圧保持部材67によって押し上げられることにより開放位置δに保持される。また、可動球止部材44の左端下部には球抜作動片43を規制するストッパ部87が下方に突成される。可動球止部材44は、図16(b)に示すように、球止位置γにおいて、定常位置εにある球抜作動片43の摺動板部77の右上角部の直右脇にストッパ部87を位置させており、これによって球抜作動片43と係合する。かかる状態では、球抜作動片43の移動方向と、可動球止部材44の移動方向が直交しているため、球抜作動片43を作動位置ζ方向(図中右方)に移動させようとするとストッパ部87に衝突し、可動球止部材44が左右に突っ張るようにしてかかる移動を阻止することとなる。
【0044】
次に、球送装置15からの遊技球の排出態様について具体的に説明する。
前扉6の閉止状態では、図17(a)に示すように、球抜作動片43の押圧用凹部83が開閉片70の受圧用突部74の右脇に位置している。上述のように、球抜操作部材42の非操作時は球抜作動片43が定常位置εに保持されており、図11(a)に示すように、開閉片70はコイルバネ69によって閉鎖位置αに付勢保持される。このため、かかる状態で発射レバー29が回動操作されると、球送装置15の球送り機構によって遊技球が一個ずつ発射レール18上に送出され、遊技領域12へ発射される。
【0045】
また、前扉6の閉止状態で球抜操作部材42が押し下げ操作されると、図11(b),17(b)に示すように、球抜作動片43が左方の作動位置ζへと変位し、開閉片70が球抜位置βへと押圧されて球抜口61が開放される。これにより、球送装置15内の遊技球xは球抜口61から球抜通路62へ流出し、図18に示すように、球放出口24から余剰球貯留皿11に排出されることとなる。また、かかる状態では球流出路39が開放されているため、発射球貯留皿10の遊技球xも球送装置15に流入して余剰球貯留皿11へ排出されることとなる。球抜操作部材42の操作が停止すると連繋部材80に結合したコイルバネ82の付勢力によって球抜作動片43が定常位置εに復帰するとともに、開閉片70が閉鎖位置αに復帰して球抜口61が閉塞状態となる。なお、本実施例の球送装置15では、図11(a)に示すように、遊技球xを阻止するテコ部材58の上端部が平坦であるため、球抜口61を開放してもテコ部材58上の遊技球xは排出されずにテコ部材58上に留まることとなるが、テコ部材58の上端部を球抜口61側に傾斜させれば球抜口61の開放時にテコ部材58上の遊技球xも排出できる。
【0046】
また、閉止状態の前扉6を開放すると、図17(c)に示すように、球抜作動片43が前方に回動して、押圧用凹部83と受圧用突部74が離間する。かかる状態では、開閉片70は、受圧用突部74を直接操作されない限り閉鎖位置αに付勢保持される。一方で、前扉6が開放すると、可動球止部材44は、図16に示すように、開放位置δに押し上げていた可動球止部材44は、球送装置15の押圧保持部材67の離間に伴いコイルバネの付勢力によって球止位置γに傾動し、球流出路39が閉塞される。これにより、前扉6の開放状態において発射球貯留皿10からの遊技球の流出が阻止される。また、図16(b)に示すように、可動球止部材44が球止位置γにある状態では、球抜作動片43が可動球止部材44によって作動位置ζへの変位を阻止される。このため、前扉6の開放状態では、球抜操作部材42を押下げ操作しても球抜作動片43は可動球止部材44に衝突して、定常位置εに押し留められる。
【0047】
開放状態の前扉6を閉止すると、図17(a)に示すように、分離していた開閉片70と球抜作動片43とが接近して押圧用凹部83によって受圧用突部74を押圧可能となる。上述のように、前扉6の開放状態において球抜作動片43は定常位置εに保持されるため、前扉6が閉止する際に受圧用突部74と押圧用凹部83が衝突することはない。また、球止位置γは、球送装置15の押圧保持部材67に押し上げられて球止位置γから開放位置δに復帰することとなり、これにより発射球貯留皿10から球送装置15に遊技球が流入可能となる。
【0048】
以上のように、本実施例のパチンコ機では、前扉6を開放すると、可動球止部材44が球止位置γに変位し、該球止位置γにおいて可動球止部材44が球抜作動片43の作動位置ζへの変位を阻止するようになっている。したがって、本実施例では、前扉6の開放状態では、球抜操作部材42が操作されても球抜作動片43は定常位置εに保持されることとなり、球抜作動片43と開閉片70を衝突させずに前扉6を確実に閉止することができる。したがって、本実施例のパチンコ機1は、球抜作動片43や開閉片70が破損し難く、また、作業者は、前扉6を閉止する際に球抜作動片43と開閉片70を衝突させないように気を配る必要がない。また、本実施例では、既存の可動球止部材44によって球抜作動片43を係止しているため、部品点数を増加させずに球抜作動片43の位置変換を阻止できる。
【0049】
次に、上記実施例から球抜作動片の構成を変更した変形例について説明する。
図19は、変形例の球抜作動片43aの斜視図である。この球抜作動片43aを上記実施例の球抜作動片43と比べると、上記実施例の球抜作動片43は、図13に示すように、押圧腕部78の左端に中央の窪んだ押圧用凹部83が設けられているのに対し、変形例の球抜作動片43aは、図19に示すように、押圧腕部78の左端に前後に貫通するO状の押圧用穴部93が設けられており、前扉6の閉止状態では押圧用穴部93が開閉片70の受圧用突部74に外嵌する。
【0050】
かかる構成によれば、前扉6の閉止状態で開閉片70と球抜作動片43aが左右に連動することとなる。このため、前扉6閉止状態で、開閉片70が球抜位置βに引っ掛かると、球抜作動片43が作動位置ζに係止され、球抜操作部材42も押下げられた状態に留まることとなる。したがって、本変形例においては、遊技者が、開閉片70が閉鎖位置αに正常に復帰したか否かを球抜操作部材42が上方に復帰したか否かによって確認できるという利点がある。なお、図19に示す押圧用穴部93は前後に亘って同じ穴形状をしているが、押圧用穴部93の後部にテーパーを形成し、受圧用突部74と押圧用穴部93が嵌合し易いようにするとよい。
【0051】
次に、上記実施例をさらに変更した別の変形例について説明する。
本変形例は、上記実施例のパチンコ機1の構成に加えて、球止位置γの可動球止部材44と定常位置εの球抜作動片43の係合状態で球抜作動片43が作動位置ζ方向へ移動して球抜作動片43が可動球止部材44を押圧した場合に、当該押圧を検出して球抜異常信号を出力する球抜操作検出手段と、球抜操作検出手段と接続されて、球抜異常信号を受信すると所定の報知手段を作動させる球抜異常報知制御手段とを備えるものである。
【0052】
上記実施例の図16を参照して本変形例を具体的に説明すると、本変形例の可動球止部材44には、ストッパ部87の、球抜作動片43と当接する面に感圧センサが配設されており、図16(b)に示すように、可動球止部材44が球止位置γにある状態で、球抜操作部材42が操作され、球抜作動片43が作動位置ζ方向に移動してストッパ部87に衝突すると感圧センサがこれを検知して所定の球抜異常信号を出力する。感圧センサは主制御基板と接続されており、主制御基板は球抜異常信号を受信するとスピーカ(図示省略)を作動させて、所定態様の報知音を発生させる。
【0053】
したがって、かかる変形例では、前扉6の開放状態において球抜操作部材42を不適切に操作していることを遊技者に報知できる。
【0054】
尚、本発明のパチンコ機は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施例では、球送装置は発射機構板に軸支されていたが、球送装置は内枠に直接固定してもよい。また、上記実施例では視認用開口部34が前扉6に設けられているが、視認用開口部34は発射球貯留皿10とは別に枢支してもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】前扉6の閉止状態におけるパチンコ機1の斜視図である。
【図2】前扉6の開放状態におけるパチンコ機1の斜視図である。
【図3】パチンコ機1の正面図である。
【図4】前扉6の正面図である。
【図5】図4中のA−A断面図である。
【図6】前扉6の下部の背面図である。
【図7】パチンコ機1の下部を縦断して内部構造を示す説明図である。
【図8】発射装置14及び球送装置15を分離して示す斜視図である。
【図9】発射装置14及び球送装置15の側面図である。
【図10】球送装置15及び球抜作動片43の斜視図である。
【図11】ケース体51を縦断して球送装置15の内部構造を示す正面図である。
【図12】球送装置15の作動を示す説明図である。
【図13】球抜作動片43及び開閉片70の斜視図である。
【図14】球抜作動片43を背面側から見た斜視図である。
【図15】球抜操作部材42と球抜作動片43の連繋態様を示す説明図である。
【図16】可動球止部材44の作動を示す説明図である。
【図17】外枠2や前扉6等を透視して、球抜作動片43と開閉片70の配置関係を上方から示す説明図である。
【図18】球送装置15からの遊技球xの排出態様を示す説明図である。
【図19】変形例に係る球抜作動片43aの拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0056】
1 パチンコ機
5 内枠
6 前扉
10 発射球貯留皿
14 発射装置
15 球送装置
36 球供給口
37 貯留部
38 整列部
39 球流出路
42 球抜操作部材
43,43a 球抜作動片
44 可動球止部材
45 排出球誘導路
48 球保持部材
49 軸受部材
61 球抜口
67 押圧保持部材
69 コイルバネ(第一の付勢手段)
70 開閉片
74 受圧用突部
80 連繋部材
82 コイルバネ(第二の付勢手段)
85 コイルバネ(第三の付勢手段)
93 押圧用穴部
x 遊技球
α 閉鎖位置
β 球抜位置
γ 球止位置
δ 開放位置
ε 定常位置
ζ 作動位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部に発射装置を備える内枠と、
発射球貯留皿を前面に備え、内枠の前面側に片開き可能に枢支される前扉と、
内枠に配設されて、発射球貯留皿から流入する遊技球を発射装置へ順次送出するとともに、発射球貯留皿から流入する遊技球を機体前面側へ排出するための球抜口を備える球送装置と、
球送装置の球抜口を閉塞する閉鎖位置と開放する球抜位置とに移動可能となるように内枠側に配設され、第一の付勢手段によって閉鎖位置に付勢される開閉片と、
前扉の前面側に配設されて、遊技者の操作により開閉片を球抜位置に変換する球抜操作部材と
を備えるパチンコ機であって、
前扉に配設されて、球抜操作部材と連繋し、前扉の閉止状態で開閉片を押圧可能となり、第二の付勢手段によって開閉片を閉鎖位置とする定常位置に付勢され、球抜操作部材の操作によって、開閉片を押圧して該開閉片を球抜位置とする作動位置に変換される球抜作動片と、
前扉の厚み方向に貫設されて、発射球貯留皿の遊技球を前扉の背面側に流出させる球流出路と、
前扉に配設され、該前扉の開放状態では第三の付勢手段によって球流出路を閉塞する球止位置に付勢保持され、前扉の閉止状態では内枠に配設される押圧保持部材に押圧されて付勢力に抗して球流出路を開放する開放位置に保持されるものであり、さらに該球止位置で定常位置にある球抜作動片と係合して、該球抜作動片の作動位置への移動を阻止する可動球止部材と
を備えることを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】
球抜操作部材は、前扉の前面側に押下げ操作可能に配設されるものであり、
球抜作動片は、前扉の幅方向に移動可能に配設されるものであり、
さらに、前扉に傾動可能に配設されて球抜操作部材と球抜作動片とに当接し、球抜操作部材の押下げ操作に伴って球抜作動片を前扉の幅方向に移動させて定常位置から作動位置に変位させる連繋部材を備えることを特徴とする請求項1記載のパチンコ機。
【請求項3】
開閉片は、内枠の前方に突出する受圧用突部を備え、内枠の幅方向に移動可能に配設されるものであり、
球抜作動片は、前扉の幅方向に移動可能に配設され、前扉の閉止状態で開閉片の受圧用突部を押圧可能となり、定常位置から作動位置への移動に伴って受圧用突部を押圧して開閉片を閉鎖位置から球抜位置へ変換するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパチンコ機。
【請求項4】
球抜作動片が、前扉の厚み方向に形成されて、前扉の閉止状態で開閉片の受圧用突部と嵌合する押圧用穴部を備えることを特徴とする請求項3記載のパチンコ機。
【請求項5】
可動球止部材又は球抜作動片に配設されて、球止位置の可動球止部材と定常位置の球抜作動片の係合状態で球抜作動片が作動位置方向へ移動して球抜作動片が可動球止部材を押圧した場合に、当該押圧を検出して球抜異常信号を出力する球抜操作検出手段と、
球抜操作検出手段と接続されて、球抜異常信号を受信すると所定の報知手段を作動させる球抜異常報知制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のパチンコ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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