説明

パチンコ遊技機のガラスユニット取付装置

【課題】不正防止の向上及び商品の品質の向上を図る。
【解決手段】ユニット側支持部23が扉側支持部15に吊り下げられ、ガラスユニット8が外側リブ13の内側に配置され、ユニット側ロック部24がロック片19の横に配置され、ユニット側位置決め部25が扉側位置決め部17に嵌めこまれ、扉側ロック部16がユニット側ロック部24に係合して、ガラスユニット8が前扉5に取り付けられて窓7を塞ぐことによって、内側リブ14がガラスユニット8のガラス板13に途切れることなく接触し、外側リブ13がガラスユニット8を途切れることなく囲んで、不正操作部材が前扉5の前側から遊技機枠1の内部に挿入されるような不都合を防止できるうえ、内側リブ14がガラスユニット8のフレーム22を遊技機枠1の前方から見えないように目隠しをして、遊技機枠1の前方からフレーム22が見えなくなり、商品の品質が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不正防止及び商品の品質の両方が向上するパチンコ遊技機のガラスユニット取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図4は、特許文献1で開示されたパチンコ遊技機のガラスユニット取付装置を示す。図4において、ガラスユニット8が遊技機枠1の前扉5に取り付けられる場合、先ず、ガラスユニット8の上部に設けられたユニット側支持部23が前扉5の上部に設けられた扉側支持部15に吊り下げられる。次に、前扉5の下部に設けられた扉側ロック部16がガラスユニット8の下部に設けられたユニット側ロック部31に固定されることによって、ガラスユニット8が前扉5の窓7を塞ぐように前扉5に取り付けられる。
【0003】
また、図4におけるガラスユニット取付装置は、ガラスユニット8で窓7を塞いだ状態において、不正操作部材が前扉5の前側から窓7とガラスユニット8との隙間を経由して遊技機枠1の内部に挿入されないように、前扉5に設けられた周壁32でガラスユニット8の周りを囲むようになっている。しかしながら、周壁32には、扉側支持部15や扉側ロック部16に対応して除去部33が設けられているので、除去部33から不正操作部材が挿入されるという欠点がある。
【0004】
また、不正防止の観点から、特許文献2に記載された窓の縁から後方に突出したリブをガラスユニットに接触させる構造を特許文献1に取り入れることも考えられる。しかしながら、特許文献2の窓の縁のリブがガラスユニットの周縁部を遊技機枠の前方から見えないように目隠しをするようになっていないので、商品の品質が低下するという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−29476号公報
【特許文献2】特開平10−201919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明が解決しようとする課題は、不正防止と商品の品質とが悪いという点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るパチンコ遊技機のガラスユニット取付装置は、ガラスユニットが前扉の窓を塞ぐように取り付けられた場合、前扉の外側リブがガラスユニットを途切れることなく囲む環状に構成され、前扉の内側リブがガラスユニットのガラス板に途切れることなく接触する環状に構成されたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るパチンコ遊技機のガラスユニット取付装置は、ガラスユニットが窓を塞ぐように前扉に取り付けられた場合、内側リブがガラスユニットのガラス板に途切れることなく接触し、外側リブがガラスユニットを途切れることなく囲むので、不正操作部材が前扉の前側から遊技機枠の内部に挿入されるような不都合を防止できるうえ、内側リブがガラスユニットのフレームを遊技機枠の前方から見えないように目隠しをするので、遊技機枠の前方からガラスユニットのフレームが見えなくなり、商品の品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態に係るパチンコ遊技機の分解斜視図。
【図2】実施の形態に係るパチンコ遊技機の斜視図。
【図3】実施の形態に係る前扉の縦断面図。
【図4】従来のガラスユニット取付装置の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書における「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」の方向は、図1の状態に遊技機枠1及びガラスユニット8を置いて矢印Sで示す前側から見た場合に特定される方向である。
【0011】
図1を参照し、パチンコ遊技機について説明する。パチンコ遊技機は、遊技機枠1に遊技盤11を着脱可能に取り付けたことによって構成される。遊技機枠1は、外枠2に本体枠3をヒンジ4で開閉可能に連結し、本体枠3に前扉5を図外のヒンジで開閉可能に連結した構成である。本体枠3には、球発射機構6、図外のタンク、図外の球払出機構が設けられる。前扉5には、窓7、ガラスユニット8、球受皿9、発射操作機構10が設けられる。
【0012】
次に、前扉5にガラスユニット8を取り付ける部分の構成について説明する。前扉6の後面には、外側リブ13、内側リブ14、扉側支持部15、扉側ロック部16、扉側位置決め部17が設けられる。外側リブ13は、前扉6の後面から後方に突出し、窓7及び扉側支持部15を途切れることなく囲む環状を構成する。内側リブ14は、窓7の縁から後方に突出し、ガラスユニット8のガラス板21に途切れることなく接触する環状を構成する。
【0013】
扉側支持部15は、窓7の上部と外側リブ13の上部との間に設置される。扉側ロック部16は、外側リブ13よりも外側において、少なくとも、上部左右2箇所と下部左右2箇所との合計4箇所に設けられ、前扉6に設けられた支柱18にロック片19を回動可能に取り付けた構成である。扉側位置決め部17は、外側リブ13よりも外側において、少なくとも、下部左右の2箇所に設けられる。
【0014】
ガラスユニット8は、2枚の透明なガラス板21を前後に離して対峙させ、当該2枚のガラス板21をフレーム22で支持した構成である。フレーム22には、ユニット側支持部23、ユニット側ロック部24、ユニット側位置決め部25が設けられる。ユニット側支持部23は、フレーム22の上部に設けられる。ユニット側ロック部24は、少なくとも、フレーム22の上部左右2箇所と下部左右2箇所との合計4箇所に設けられる。ユニット側ロック部24は、フレーム22の後縁部からフレーム22の直径方向外側に突出する。ユニット側位置決め部25は、少なくとも、フレーム22の下部左右の2箇所に設けられる。
【0015】
図1において、ガラスユニット8は前扉5に次のように取り付けられる。ユニット側支持部23が前扉5の後側から扉側支持部15に吊り下げられて、ユニット側支持部23の左右方向への移動が規制される。次に、少なくとも、ロック片19が邪魔にならないように外側リブ13よりも外側に離れる方向に回転操作される。
【0016】
その後、ガラスユニット8がユニット側支持部23と扉側支持部15との吊り下げ部分を回転中心として前側に移動されるのに伴い、ガラスユニット8が外側リブ13の内側に配置され、ユニット側ロック部24が外側リブ13を越えてロック片19の横に配置され、ユニット側位置決め部25が外側リブ13を越えて扉側位置決め部17に嵌めこまれる。そして、扉側ロック部16のロック片19がユニット側ロック部24の後側に配置されるように回転操作されてユニット側ロック部24に係合する。ロック片19がユニット側ロック部24に係合する場合、支柱18の周囲における前扉5に設けられた図外の突起とロック片19とによってユニット側ロック部24を前後方向から支持するように構成しもよい。以上によって、図2に示すように、ガラスユニット8が前扉5に取り付けられて窓7を塞ぐ。
【0017】
図2において、ガラスユニット8が前扉5に取り付けられた場合、外側リブ13がガラスユニット8のフレーム22を途切れることなく囲むので、不正操作部材が前扉5の前側から遊技機枠1の内部に挿入されるような不都合を防止できる。扉側支持部15とユニット側支持部23との相互の吊り下げと扉側位置決め部17とユニット側位置決め部25との相互の嵌め込まれとによって、前扉5に対するガラスユニット8の位置が適切となるので、扉側ロック部16のロック片19とユニット側ロック部24との係合が確保できる。また、扉側支持部15とユニット側支持部23とによる支持機構が上部に配置され、扉側位置決め部17とユニット側支持部23とによる位置決め機構が下部に配置されるというように、上記支持機構の配置と上記位置決め機構の配置とが対に構成されているので、上記支持機構と上記位置決め機構とが互い近くに配置された場合に比べ、上記位置決め機構による位置決め効果が良好に発揮できる。
【0018】
図3に示すように、ガラスユニット8が前扉5に取り付けられた場合、内側リブ14がガラスユニット8の前側のガラス板21に接触し、外側リブ13がガラスユニット8のフレーム22の外側に位置するので、内側リブ14のガラス板21への接触と外側リブ13のフレーム22への囲いとによって、不正操作部材が前扉5の前側から遊技機枠1の内部に挿入されるような不都合を防止できる。
【0019】
内側リブ14がガラスユニット8のフレーム22を遊技機枠1の前方から見えないように目隠しをする構成になっているので、遊技機枠1の前方からガラスユニット8のフレーム22が見えなくなり、商品の品質が向上する。つまり、ガラスユニット8が前扉5に取り付けられた場合、不正防止が向上し、商品の品質が向上するという利点がある。
【0020】
図1において、ガラスユニット8におけるフレーム22の上部に設けられたユニット側支持部23が前扉5の上部に設けられた扉側支持部15に吊り下げられる構成を例示したが、図示をしないが、扉側支持部15を前扉5の窓7と外側リブ13との間の下部に設けられ、ユニット側支持部23がフレーム22の下部に設けられ、このフレーム22の下部に設けられたユニット側支持部23が上記前扉5の下部に設けられた扉側支持部15に係合し、その扉側支持部15とユニット側支持部23との係合部分を回転中心としてガラスユニット8の上部が前扉5の側に持ち上げられるように構成してもよい。この構成におおいて、扉側位置決め部17とユニット側位置決め部25とによる位置決め機構を採用する場合、扉側位置決め部17とユニット側位置決め部25とが共に上部に設けられることによって、上記支持機構の配置と上記位置決め機構の配置とが対に構成されているので、上記支持機構と上記位置決め機構とが互い近くに配置された場合に比べ、上記位置決め機構による位置決め効果が良好に発揮できる。
【0021】
図1において、扉側ロック部16としては支柱18にロック片19を回動可能に取り付けた構成を例示したが、図示をしないが、支柱18にロック片19を前扉5の後面に沿って外側リブ13に近づいたり外側リブ13から離れたりするようにスライド可能に取り付けた構成でもよい。
【0022】
図1において、扉側ロック部16やユニット側ロック部24は合計4箇所に限定されるものではなく、合計で1箇所乃至3箇所又は5箇所以上でもよい。扉側位置決め部17やユニット側位置決め部25は2箇所に限定されるものではなく、1箇所又は3箇所以上でもよい。
【0023】
図3において、外側リブ13と内側リブ14との間に存在する空間26には仮想線で示す被覆部材27が設けられてもよい。被覆部材27は、例えば、板状の部材であって、空間26における後開口部を塞ぐように前扉5に取り付けられる。このように被覆部材27が取り付けられることによって、被覆部材27よりも前方の空間26が回路基板又は電線又は光源又は光源の実装された回路基板のような部品の配置部分として利用されるようにしてもよい。光源又は光源の実装された回路基板が空間26に配置される場合、それらの光源によって窓7の周囲の前部に設けられた表示部を発光させてもよい。また、被覆部材27そのものが回路基板で構成されるか、又は、被覆部材27が複数の被覆部材27により構成され、そのうちの少なくとも1つの被覆部材27を回路基板で構成してもよい。また、図1に示す扉側支持部15の周囲における空間26には被覆部材27が設けられなくてもよく、被覆部材27が複数の被覆部材27により構成され、そのうちの少なくとも2つの被覆部材27を互いに窓7を囲む円周方向に離して設けてもよい。
【符号の説明】
【0024】
1は遊技機枠、2は外枠、3は本体枠、4はヒンジ、5は前扉、6は球発射機構、7は窓、8はガラスユニット、9は球受皿、10は発射操作機構、11は遊技盤、12は欠番、13は外側リブ、14は内側リブ、15は扉側支持部、16は扉側ロック部、17は扉側位置決め部、18は支柱、19はロック片、20は欠番、21はガラス板、22はフレーム、23はユニット側支持部、24はユニット側ロック部、25はユニット側位置決め部、26は空間、27は被覆部材、28乃至30は欠番、31はユニット側ロック部、32は周壁、33は除去部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスユニットが前扉の窓を塞ぐように取り付けられるパチンコ遊技機のガラスユニット取付装置において、前扉には外側リブと内側リブとが設けられ、外側リブはガラスユニットを途切れることなく囲む環状に構成され、内側リブはガラスユニットのガラス板に途切れることなく接触する環状に構成されたことを特徴とするパチンコ遊技機のガラスユニット取付装置。
【請求項2】
前扉の窓の上部と外側リブの上部との間には扉側支持部が設置され、前扉の外側リブよりも外側には扉側ロック部が設けられたことを特徴とする請求項1記載のパチンコ遊技機のガラスユニット取付装置。
【請求項3】
前扉の外側リブよりも外側には扉側位置決め部が設けられ、ガラスユニットのガラス板を支持するフレームにはユニット側位置決め部が設けられたことを特徴とする請求項1記載のパチンコ遊技機のガラスユニット取付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−56114(P2011−56114A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−210427(P2009−210427)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(595112915)株式会社ヤマダ (10)
【Fターム(参考)】