説明

パック電池

【課題】両側縁にリード板を接続する回路基板の幅を広げることなく電子部品を実装して外形をコンパクトにする。
【解決手段】パック電池は、複数の電池1を多段多列に配置している電池ホルダ2と、電池1に接続してなるリード板5と、リード板5に接続してなる回路基板6とを備える。回路基板6は、保護回路を実現する電子部品を固定している。電池ホルダ2は、両側面から露出する電池1の端部電極にリード板5を連結している。回路基板6は、その両側縁を電池ホルダ2の両側面に配置して、各々のリード板5を所定の位置に連結している。リード板5は、出力端子に接続してなる出力リード板5Xと、電池1を直列と並列に接続している中間リード板5Yとを備えており、回路基板6に接近する端部に、回路基板6に接続される接続タブ5Aを備える。中間リード板5Yは、複数の接続タブ5Aを備え、いずれかの接続タブ5Aを回路基板6に接続している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電池を電池ホルダで定位置に保持し、さらに、回路基板を基板ホルダで定位置に保持して電池のコアパックとし、この電池のコアパックを外装ケースに収納しているパック電池に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の電池を内蔵するパック電池は、電池を電池ホルダで定位置に配置して外装ケースに収納する。また、電池に接続する回路基板を内蔵するパック電池は、この回路基板を基板ホルダで定位置に配置して、外装ケースに内蔵する。このパック電池は、電池の保護回路を実装する回路基板を電池ホルダに固定して電池のコアパックとして、外装ケースに収納している。この構造のパック電池は、回路基板で各々の電池の電圧を検出しながら充放電をコントロールすることで、電池の過充電や過放電を防止して、安全に使用できる。また、電池の寿命も長くできる。以上のように、多数の電池を電池ホルダで定位置に配置して、各々の電池の電圧を検出しながら充放電をコントロールするパック電池は、大きな出力が要求される用途、たとえばアシスト自転車、電動バイク、電動工具等の電源に最適である。
【0003】
この構造のパック電池は、特許文献1に記載される。このパック電池は、図1の斜視図と図2の平面図に示すように、多数の電池を保持する電池ホルダ102に、回路基板106を固定して電池のコアパック110とし、電池のコアパック110を外装ケース(図示せず)に収納している。この構造のパック電池は、電池と回路基板106を電池ホルダ102の定位置に配置して、電池ホルダ102の両面に配置しているリード板105を回路基板106に接続している。回路基板106は、各々の電池の電圧を検出して充放電をコントロールする保護回路を実装している。保護回路は、各々の電池の電圧を検出しながら充放電をコントロールすることで、電池の過充電や過放電を防止する。回路基板106は、電池の状態を検出し、電池が過充電や過放電にならないように、充電電流と放電電流をコントロールする保護回路を実装している。この保護回路は、たとえば、放電する状態において、いずれかの電池電圧が最低電圧よりも低くなって過放電される状態になると放電電流を遮断する。また、充電される状態にあっては、充電しているいずれかの電池の電圧が最高電圧よりも高くなって過充電される状態になると、充電電流を遮断する回路を実装する。この保護回路は、電池の電圧が設定範囲にあって電池が過充電され、あるいは過放電されない状態にあっては、電池の充放電を許容する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−317579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電池の電圧を検出して充放電をコントロールする保護回路は、各々の電池の電圧を検出するための電圧検出回路と、この電圧検出回路で検出される電池電圧から、充放電の電流をコントロールする回路を実装する。電池の充放電をコントロールするためのスイッチング素子としてパワーMOSFET等の半導体スイッチング素子が使用される。さらに、パック電池の充放電の電流が大きくなると、大きな半導体スイッチング素子が使用され、さらに、大きな半導体スイッチング素子が並列に接続して使用される。多段多列に収納する電池の個数が多くなって、パック電池の出力が大きくなると、回路基板の保護回路には大きな電子部品が使用され、また、個数も多くなる。回路基板に実装する電子部品が大きくなると、回路基板を大きくする必要がある。ただ、図1と図2に示すように、電池ホルダ102の両側面にリード板105を配設し、このリード板105を回路基板106の両側縁から回路基板106に接続するパック電池は、回路基板106の幅に制約を受ける。回路基板106の幅を電池の全長よりも長くできないからである。パック電池は、容量を大きくして外形を小さくすることが大切であるから、回路基板の幅を電池の全長よりも長くできない。その回路基板に、保護回路を実現する全ての電子部品を実装するのは極めて難しい。とくに、その両側縁にリード板を配置して、全てのリード板を回路基板に接続する構造にあっては、電池の長さで幅が制約される回路基板に、保護回路を実現する全ての電子部品を実装するのが極めて難しくなる。各々のリード板を回路基板に接続する構造は、図2に示すように、回路基板106の両側にリード板105を回路基板106に接続する接続リード121を配置する必要があり、この接続リード121の間に保護回路を実現する電子部品を配置する必要がある。すなわち、回路基板106の両側に配線される接続リード121の間に、保護回路を実現する電子部品を実装するので、接続リード121によって電子部品を実装できる領域が制限されることになる。したがって、保護回路を実現する全ての電子部品を配置するには、回路基板の幅を広くする必要があり、幅の広い回路基板がパック電池の外形を大きくする弊害が発生する。
【0006】
本発明は、以上の欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、両側縁にリード板を接続する回路基板の幅を広げることなく、各々の電池電圧を検出する保護回路の電子部品を実装して、充電容量に対する外形をコンパクトにできるパック電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
本発明のパック電池は、両端に正負の端部電極を有する複数の電池1を互いに平行な姿勢とし、かつ両端の端部電極を同一面に配置して多段多列に配置している電池ホルダ2と、この電池ホルダ2に収納している電池1の端部電極に接続されて、隣接する電池1を直列と並列に接続してなるリード板5と、このリード板5に接続してなる回路基板6とを備えている。パック電池は、電池ホルダ2が複数の電池1を定位置に保持し、この電池ホルダ2に回路基板6を連結して電池のコアパック10としており、このコアパック10を外装ケース4に収納している。さらに、パック電池は、以下の全ての構成を有する。
(a)回路基板6は、各々の電池1の電圧を検出して電池1の充放電をコントロールする保護回路を実現する電子部品を表面に固定している。
(b)電池ホルダ2は、その両側面に端部電極を露出するように電池1を収納して、電池ホルダ2から露出する端部電極にリード板5を連結して、リード板5を対向する両側面に配置している。
(c)回路基板6は、その両側縁を電池ホルダ2の両側面に配置する姿勢で電池ホルダ2に連結されて、電池ホルダ2の両側面に配置している各々のリード板5を、回路基板6の両側縁から内側に伸ばして所定の位置に連結している。
(d)リード板5は、出力端子に接続してなる出力リード板5Xと、多段多列に配置している電池1を直列と並列に接続している中間リード板5Yとを備える。
(e)出力リード板5Xと中間リード板5Yは、回路基板6に接近する端部に、回路基板6に接続される接続タブ5Aを備える。
(f)中間リード板5Yは、その端部に所定の間隔で複数の接続タブ5Aを備え、いずれかの接続タブ5Aを回路基板6に接続している。
【0008】
以上のパック電池は、両側縁からリード板を接続している回路基板の幅を広げることなく、各々の電池電圧を検出する保護回路の電子部品を実装して、充電容量に対する外形をコンパクトにできる特徴がある。それは、以上のパック電池が、リード板の端部に複数の接続タブを設けて、回路基板に接続する接続タブを選択して、大きな電子部品を実装する領域を広くできるからである。たとえば、パック電池は、大電流を制御するために、パワーMOSFETなどの大きな半導体スイッチング素子を並列に接続して回路基板に実装している。半導体スイッチング素子は温度によって特性が変化し、また並列に接続するための大電流の経路を短くすることから、互いに接近して配設される。このように大きな電子部品を隣接して配置する回路基板は、これ等の部品を配置するために広い面積を必要とするが、両側縁から接続リードを接続している回路基板は、両側の接続リードが電子部品を配置する領域を制限する。本発明のパック電池は、回路基板の両側縁に接続されるリード板に複数の接続タブを設けているので、最適な接続タブに接続リードを接続することで、接続リードの位置を変更して、大部品を配置する広い領域を確保できる。このため、大きな部品を配置するために回路基板を幅広くする必要がなく、狭い回路基板に有効に大部品を実装できる。このため、回路基板を大きくしてパック電池の外形を大きくする必要がなく、外形をコンパクトにできる。
【0009】
本発明のパック電池は、中間リード板5Yが、2列の接続タブ5Aを端部に突出して設けて、一方の接続タブ5Aであって、回路基板6の両側の対向位置に接近して配置される接続タブ5Aを回路基板6に接続することができる。
以上のパック電池は、2列の接続タブのいずれかを選択して回路基板に接続することで、大きな電子部品を配置する領域を広くできる。
【0010】
本発明のパック電池は、電池ホルダ2の両側面に配置している中間リード板5Yを同一形状とすることができる。
このパック電池は、同じ形状のリード板を使用しながら、回路基板には大部品を実装するために広い領域を確保できる。このため、製造コストを低減しながら、回路基板の幅を狭く、すなわち外形をコンパクトにできる。
【0011】
本発明のパック電池は、電池ホルダ2が、両側面の外周に突出すると共に、開口縁に所定の幅の一対の支持側壁12を有して、一対の支持側壁12の間に回路基板6を配置することができる。さらに、一対の支持側壁12は、その外周に、外装ケース4の内面に面接触する接触プレート部12Aを設けて、この接触プレート部12Aを外装ケース4の内面に接触させて電池のコアパック10を外装ケース4に収納すると共に、この支持側壁12には、回路基板6を通過できるスリット19を設けることができる。
【0012】
このパック電池は、接触プレート部の内幅よりも広い回路基板を一対の支持側壁の間に挿入して配置できる。したがって、接触プレート部の幅を広くすることで、電池ホルダを広い面積で外装ケースの内面に接触しながら回路基板の幅を広くできる。接触プレート部の幅を広くする構造は、外装ケースの強い衝撃による側壁の損傷を防止でき、また、電池のコアパックを袋に入れて外装ケースに収納する構造にあっては、袋の損傷も防止できる。
【0013】
本発明のパック電池は、電池ホルダ2が1列の電池1をジグザグ状に配置することができる。
このパック電池は、多段多列に配置する電池の間隔を狭くして、外形をよりコンパクトにできる。
【0014】
本発明のパック電池は、回路基板6に実装される保護回路が、オンオフに制御されて電池の電流をコントロールする半導体スイッチング素子を実装することができる。
【0015】
本発明のパック電池は、回路基板6を、基板ホルダ7を介して電池ホルダ2に連結することができる。基板ホルダ7は、底板51の周囲に周壁52を設けて上方開口の箱形として、この周壁52の内側に回路基板6を収納すると共に、周壁52の内側に絶縁樹脂14を充填して、回路基板6を絶縁樹脂14に埋設することができる。さらに、基板ホルダ7は、底板51から内側に突出する支持リブ54を設けて、この支持リブ54の上面に回路基板6を固定することができる。支持リブ54は、その平面形状を回路基板6の外形に沿うループ状とすると共に、回路基板6の外形よりも小さくして、支持リブ54の上方開口部を回路基板6で閉塞して、内部に閉塞スペース50を設けることができる。
【0016】
以上のパック電池は、基板ホルダに充填する絶縁樹脂の量を少なくして製造コストを低減できる特徴がある。それは、基板ホルダの底板から突出するループ形状の支持リブと回路基板とで閉塞された閉塞スペースを絶縁樹脂を充填しない領域として、この閉塞スペースに絶縁樹脂を充填することなく、回路基板をポッティングできるからである。とくに、このパック電池は、従来のように基板ホルダの底板と回路基板との間にできる狭いスペースに絶縁樹脂を充填する必要がないので、基板ホルダと回路基板との間隔や配置に制約を受けず、また、絶縁樹脂を充填する時間を短縮できると共に、充填された絶縁樹脂が硬化するのにかかる時間も短縮して、効率よく多量生産できる特長も実現される。
【0017】
本発明のパック電池は、回路基板6を、基板ホルダ7を介して電池ホルダ2に連結することができる。基板ホルダ7は、底板51の周囲に周壁52を設けて上方開口の箱形として、この周壁52の内側に回路基板6を収納することができる。さらに、パック電池は、回路基板6が、リード板5の接続タブ5Aに接続する接続リード21を、基板ホルダ7の両側から外側に突出させて固定すると共に、基板ホルダ7が、両側から外側に突出する接続リード21に隣接して、周壁52の外周方向に突出する保護リブ59を備えることができる。
以上のパック電池は、基板ホルダの両側から外側に突出する接続リードに隣接して、周壁の外周方向に突出する保護リブを設けているので、製造工程等において、外側に突出する接続リードが、直接に外部と接触するのを保護リブで阻止して、接続リードが破損したり変形するのを有効に防止できる特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本出願人が先に出願したパック電池の電池のコアパックの斜視図である。
【図2】図1に示す電池のコアパックの平面図である。
【図3】本発明の一実施例にかかるパック電池の斜視図である。
【図4】図3に示すパック電池の分解斜視図である。
【図5】図3に示すパック電池の水平断面図である。
【図6】図3に示すパック電池の垂直縦断面図であって、図5のVI−VI線断面に相当する図である。
【図7】図3に示すパック電池の垂直縦断面図であって、図5のVII−VII線断面に相当する図である。
【図8】図4に示すパック電池の電池のコアパックを反対側から見た斜視図である。
【図9】図8に示す電池のコアパックの分解斜視図である。
【図10】図8に示す電池のコアパックの右側面図である。
【図11】図8に示す電池のコアパックの左側面図である。
【図12】図10に示す電池のコアパックのXII−XII線断面図である。
【図13】図10に示す電池のコアパックのXIII−XIII線断面図である。
【図14】中間リード板の正面図である。
【図15】電池ホルダに基板ホルダを挿入する状態を示す斜視図である。
【図16】基板ホルダと回路基板の分解斜視図である。
【図17】図16に示す基板ホルダと回路基板の背面斜視図である。
【図18】図8に示す電池のコアパックを防水袋に挿入する状態を示す斜視図である。
【図19】図8に示す電池のコアパックを防水袋に挿入した状態を示す斜視図である。
【図20】図19に示す電池のコアパックのリード線を防水袋から引き出す状態を示す斜視図である。
【図21】防水袋から引き出したリード線を引出スペースに配置した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのパック電池を例示するものであって、本発明はパック電池を以下のものに特定しない。
【0020】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0021】
図3ないし図7に示すパック電池は、複数の電池1を連結している電池のコアパック10と、このコアパック10を収納している外装ケース4とを備える。このパック電池は、電池のコアパック10を防水袋3に入れて外装ケース4に収納している。このパック電池は、防水袋3で電池のコアパック10を防水構造とするので、外装ケース4から内部に侵入する水から電池1を保護できる。また、このパック電池は、防水袋3をクッション材30に使用することで、外装ケース4の衝撃を吸収して、耐衝撃強度を向上できる。ただし、本発明のパック電池は、電池のコアパックを必ずしも防水袋に入れて外装ケースに収納する必要はない。
【0022】
これらの図のパック電池は、図8ないし図13に示すように、電池のコアパック10が、多段多列に配置する複数の電池1を定位置に配置する電池ホルダ2と、各々の電池1の端部電極に接続しているリード板5を介して接続している回路基板6とを備える。さらに、図の電池のコアパック10は、回路基板6を定位置に配置する基板ホルダ7を備えている。電池ホルダ2に基板ホルダ7を連結して、これを電池ホルダ2に連結して、回路基板6を電池ホルダ2の定位置に配置している。
【0023】
電池1は、充電できるリチウムイオン二次電池である。ただし、電池は、ニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池等の充電できる全ての電池とすることもできる。さらに、図のパック電池は、電池1を円筒型電池とするが、角型電池とすることもできる。電池のコアパック10は、電池1を平行な姿勢として、多段多列に並べて電池ホルダ2に収納している。図6と図9のパック電池は、1段に10個の電池1を並べて、これを4段に配置して、40個の電池1を電池ホルダ2に収納している。電池ホルダ2は、電池1の端部電極を両側の同一面に配置して露出させて、露出部でリード板5を接続している。図のパック電池は、同じ段に配設される電池、すなわち10個の電池1を直列に接続して、同じ列に配置している電池、すなわち上下に4列に配置する電池1を並列に接続している。したがって、図のパック電池は、10個の電池1を直列に接続し、4個の電池1を並列に接続している。本発明のパック電池は、多段多列に配置する電池の個数を特定するものでないが、電池を4段以上に配置することで並列に接続する電池の個数を多くして出力電流を大きくでき、また、1段に配置される電池の個数を多くして直列に接続する電池の個数を多くして出力電圧を高くできる。したがって、多段多列に配置する電池の個数を多くして、出力電力を大きくできる。
【0024】
複数の電池1は、電池ホルダ2の両側に露出する端部電極にリード板5を溶接して、互いに直列と並列とに接続している。図8ないし図13のコアパック10は、各々のリード板5を、図において、電池ホルダ2の上部に配置している回路基板6に接続している。回路基板6は、その両側縁を電池ホルダ2の両側面に配置する姿勢として電池ホルダ2に連結されて、電池ホルダ2の両側面に配置している各々のリード板5を、回路基板6の両側縁から内側に伸びる接続リード21を介して所定の位置に連結している。
【0025】
リード板5は、出力端子に接続される出力リード板5Xと、多段多列に配置している電池1を直列と並列に接続している中間リード板5Yとからなる。出力リード板5Xは、上下に配置している1列の電池1に接続されて、上下4段に配置している電池1を並列に接続して出力端子に接続する。図のコアパックは、4段に配置する電池1を並列に接続しているので、1枚の出力リード板5Xには1列に配置している4個の電池1を接続している。
【0026】
中間リード板5Yは、隣接して配置している2列の電池1に接続されて、同じ段で隣接する電池1を直列に、上下の段に配置している電池1を並列に接続する。図のコアパックは、4段に配置している2列の電池1を直列に接続するので、1枚の中間リード板5Yに8個の電池1を接続している。図のパック電池は、電池ホルダ2の両側面に配置している中間リード板5Yを同一形状としている。同じ形状の中間リード板5Yを使用することで、製造コストを低減できる。
【0027】
出力リード板5Xと中間リード板5Yからなるリード板5は、回路基板6に接近する端部に、図8ないし図11にあってはその上端に、回路基板6に接続される接続タブ5Aを突出して設けている。出力リード板5Xは、1列の電池1に接続されるので、ひとつの接続タブ5Aを設けている。中間リード板5Yは、2列の電池1に接続されることから、その横幅を出力リード板5Xの2倍とするので、図14に示すように、上端に2列の接続タブ5Aを設けている。図のリード板5は、2列の接続タブ5Aを設けているが、3列以上の接続タブを設けることもできる。また、出力リード板にも、複数の接続タブを設けることができる。
【0028】
接続タブ5Aは、回路基板6に一端を接続している接続リード21をハンダ付けして連結している。接続タブ5Aは、接続リード21を案内するスリット5aを設けている。この接続タブ5Aは、スリット5aに接続リード21を挿入してハンダ付けして連結できるので、接続リード21を強固に外れないように連結できる。一端を接続タブ5Aに接続している接続リード21は、他端を回路基板6の貫通孔(図示せず)に挿入し、ハンダ付けによって連結している。接続リード21は、1本の金属線を使用して簡単に接続タブ5Aを回路基板6に接続できる。ただ、多数の細線からなる寄線やリッツ線を使用することもできる。図のパック電池は、接続リード21を介してリード板5を回路基板6に接続しているが、リード板の接続タブを回路基板の内側に折曲して、接続タブを直接に回路基板に接続することもできる。
【0029】
回路基板6は、出力リード板5Xと中間リード板5Yからなるリード板5を介して各々の電池1に接続される。回路基板6は、各々の電池電圧を検出して、充放電の電流を制御する保護回路を実装している。保護回路は、電池1の充放電の電流をコントロールする半導体スイッチング素子を備えている。この保護回路は、いずれかの電池電圧が最低電圧よりも低くなると、放電電流を遮断する半導体スイッチング素子をオフに切り換えて、放電電流を遮断する。また、いずれかの電池電圧が最高電圧よりも高くなると、充電を停止する半導体スイッチング素子をオフに切り換えて、充電を停止する。このように、各々の電池電圧を検出して、充放電をコントロールする保護回路を実装するパック電池は、電池1を保護しながら安全に使用できる。とくに、電池1をリチウムイオン電池とするパック電池は、各々の電池電圧を検出して、充放電の電流をコントロールすることで安全性を向上できる。さらに、回路基板6に実装される保護回路は、電池1の残容量を検出し、残容量で充放電をコントロールすることで、より安全性を向上できる。また、残容量を検出する保護回路は、検出する残容量を発光ダイオードなどで表示することもできる。
【0030】
全ての電池1の端部電極を回路基板6に接続して、各々の電池電圧を検出するために、回路基板6には、全てのリード板5の接続タブ5Aを接続している。図のパック電池は、基板ホルダ7の両側縁にリード板5を配置しているので、回路基板6の両側にリード板5を配置して、各々のリード板5を接続リード21を介して回路基板6に接続している。接続リード21は、回路基板6の両側から内側に伸びるように配線されて、その先端を回路基板6の所定の位置に連結している。回路基板6の両側に配設される接続リード21は、回路基板6の表面に実装される電子部品の配置領域60を制限する。図1に示す従来のリード板105は、その中央にひとつの接続タブ105Aを設けていたので、図2に示すように、右側の接続リード121と左側の接続リード121とを回路基板106の両側の対向する位置に配置できず、右側の接続リード121を左側の接続リード121の中間に、また、左側の接続リード121を右側の接続リード121の中間に配置していた。このため、図2の鎖線で示すように、接続リード121の間にできる配置領域160の幅が狭くなっていた。これに対して、本発明のパック電池は、接続リード21を接続する接続タブ5Aを選択して、回路基板6の両側に接続リード21を配置できる構造としている。たとえば、図12に示すように、右側の接続リード21と左側の接続リード21とを回路基板6の両側の対向する位置に配置することで、図の鎖線で示すように、両側に接続リード21が配置されない広い配置領域60を設けることができ、従来のように、左右の接続リード121の間にできる狭い配置領域160に電子部品を配置する必要がない。このように、回路基板6の両側の対向する位置に接続リード21を配置する構造は、隣接する接続リード21の間に設けられる配置領域60の横幅を広くできる。このため、回路基板6の幅を広げることなく、大きな半導体スイッチング素子などの電子部品を配置できる。
【0031】
電池ホルダ2は、図9と図13に示すように、電池1を挿通して保持する保持筒11の両端に、支持側壁12を一体的に成形して連結している。この電池ホルダ2は、一対の支持側壁12の対向する内側に保持筒11を設けて電池収納部40としている。保持筒11に電池1を入れて、電池1は定位置に保持される。この電池ホルダ2は、絶縁材を成形して製作される。電池ホルダ2を成形する絶縁材はプラスチックである。保持筒11は、電池1を挿通する複数の挿通穴13を貫通して設けている。電池ホルダ2は、保持筒11の挿通穴13に電池1を挿通して、複数の電池1を所定の位置に保持している。図の電池ホルダ2は、40本の円筒型電池1を連結して保持するので、保持筒11に40個の挿通穴13を設けている。40個の挿通穴13は、4段に並べて、各段に各々10個設けている。さらに、図に示す保持筒11は、隣接して配設している電池1の谷間に他の電池1を配設しており、複数段に配置する電池1を俵積みの状態で配設している。
【0032】
図9と図13に示す電池ホルダ2は、保持筒11を軸方向の中間で2分割して、一対の支持側壁12に一体的に成形して連結している。分割された保持筒11の端部を支持側壁12の内側に連結する形状に成形している。この電池ホルダ2は、保持筒11の分割端である開口部を挿通穴13として電池1を挿入し、一対の支持側壁12を連結して、複数の電池1を電池ホルダ2に収納している。
【0033】
保持筒11は、図9に示すように、電池1の表面のほぼ全周に沿う筒状に挿通穴13を開口している。ただ、保持筒は、必ずしも電池の全周に沿う筒状に挿通穴を開口する必要はない。さらに、図9に示す電池ホルダ2は、保持筒11の一部に開口部11Aを設けている。図の電池ホルダ2は、分割された一方の保持筒11の開口端部を切欠して開口部11Aを設けている。図9に示す電池ホルダ2は、最上段に位置する保持筒11の上部と、最下段に位置する保持筒11の下部と、前端と後端に位置する保持筒11の側面に開口部を設けている。この電池ホルダ2は、保持筒11に設けた開口部11Aに温度センサー(図示せず)を配設して、電池1の温度を検出することができる。このパック電池は、温度センサーで電池温度を検出しながら、電池1の充放電を制御できる特徴がある。ただ、保持筒は、必ずしも開口部を設ける必要はない。
【0034】
中間で分割される保持筒11は、図示しないが、分割端側から支持側壁12側に向かって次第に内径が小さくなるテーパー状に内面を成形している。この保持筒11は、支持側壁12側の端部の内面に突出する部分を電池1の表面に面接触させて電池1を定位置に保持できる。このように、保持筒11を分割する構造は、プラスチックを成形する金型の設計を簡単にして、プラスチック成形を容易にできる特長がある。
【0035】
一対の支持側壁12は、電池収納部40である保持筒11の両端に位置して、互いに平行な姿勢で設けられている。 支持側壁12は、保持筒11に対して直交する板状に成形されている。この支持側壁12は、図7に示すように、外装ケース4の内形に沿う形状としている。すなわち、一対の支持側壁12は、図7に示すように、外装ケース4の横断面における内面に沿う形状としている。また、各支持側壁12は、図6に示すように、その外周形状を、外装ケース4の縦断面における内形に沿う形状としている。一対の支持側壁12は、図7と図13に示すように、中央部に保持筒11を設けて電池収納部40とし、外周部に基板の収納スペース41を設けている。図7と図13に示す電池ホルダ2は、一対の支持側壁12を、保持筒11の両端から、図において上方に突出させており、一対の支持側壁12の間に、基板ホルダ7を収納する基板の収納スペース41を設けている。基板の収納スペース41は、保持筒11の長さ、すなわち電池1の長さで幅が特定され、支持側壁12が保持筒11から上方に突出する突出高さで深さが特定される。収納スペース41の深さ、すなわち、支持側壁12の突出高さは、収納スペース41に基板ホルダ7を収納して、基板ホルダ7が外装ケース4の内面に接触しない高さとする。
【0036】
さらに、支持側壁12は、外周に沿って、外装ケース4の内面に面接触する接触プレート部12Aを設けている。電池ホルダ2は、接触プレート部12Aを外装ケース4の内面に接触させて電池のコアパック10を外装ケース4の内部に収納する。図の電池ホルダ2は、接触プレート部12Aを支持側壁12の内側、すなわち保持筒11を連結している側に突出して設けている。電池ホルダ2は、この接触プレート部12Aを介して、支持側壁12の外周を外装ケース4の内面に面接触状態で配置する。接触プレート部12Aは、その幅を広くして、外装ケース4の内面に面接触する接触面積を大きくできる。この接触面積を大きくすることは、落下などの衝撃を受けるときに、電池ホルダ2と外装ケース4の局部に強い衝撃力が作用するのを防止できる。衝撃力が広い面積に分散されるからである。接触プレート部12Aの幅は、たとえば5mm以上で2cm以下とする。接触プレート部12Aは、幅を広くすることで、衝撃を広い面積に分散できる。したがって、接触プレート部12Aの幅は、電池ホルダ2に収納する電池1の個数、大きさ、重量を考慮して最適値に特定される。
【0037】
さらに、図15に示す電池ホルダ2は、基板の収納スペース41に基板ホルダ7を入れやすくするために、支持側壁12の接触プレート部12Aに、基板ホルダ7を通過できるスリット19を設けている。図の電池ホルダ2は、一対の支持側壁12の上部であって、一方のコーナー部において、対向する接触プレート部12Aを切欠してスリット19を設けている。このスリット19は、図7と図15に示すように、基板ホルダ7を通過させて、基板の収納スペース41に基板ホルダ7を挿入できる位置に開口している。この電池ホルダ2は、図15の矢印で示すように、回路基板6を収納してなる基板ホルダ7を、接触プレート部12Aのスリット19に通過させて、図において水平方向に挿入して、収納スペース41の定位置に配置する。このように、一対の支持側壁12のコーナー部にスリット19を設けて、ここから基板ホルダ7を収納スペース41に挿入する構造は、接触プレート部12A全体の幅を広くして衝撃を広い面積に分散できる構造としながら、基板ホルダ7を収納スペース41に入れ易くできる。
【0038】
さらに、電池ホルダ2は、衝撃でコーナー部の破損を防止するために、支持側壁12の接触プレート部12Aを、外装ケース4の内面に沿う湾曲面としている。さらに、外装ケース4は、その内面にリブ等を突出して設けることなく、平滑面として接触プレート部12Aに面接触できる形状に成形している。
【0039】
さらに、パック電池は、接触プレート部12Aと外装ケース4との間にクッション材30を配置している。このパック電池は、接触プレート部12Aがクッション材30を介して外装ケース4の内面に面接触する。この構造は、クッション材30が衝撃を吸収して、耐衝撃強度を向上する。図のパック電池は、電池のコアパック10を防水袋3に入れて外装ケース4に収納して、防水袋3をクッション材30に併用する。
【0040】
さらに、電池ホルダ2は、電池収納部40の両側に位置する支持側壁12に、リード板5を連結している。支持側壁12は、保持筒11の外側において、挿通穴13の開口部から表出する電池端面にリード板5を溶着して連結している。図8ないし図13の支持側壁12は、リード板5を嵌入する位置決凹部24を外側面に設けており、この位置決凹部24にリード板5を入れて定位置に配置している。位置決凹部24は、リード板5の外形よりもわずかに大きい外形として、ここにリード板5を入れて定位置に配置している。
【0041】
さらに、支持側壁12は、リード板5の接続タブ5Aを回路基板6に接続するための接続窓12Bを開口している。接続窓12Bは、位置決凹部24に配設されるリード板5の接続タブ5Aの位置に開口されており、接続タブ5Aを収納スペース41に表出させている。リード板5の接続タブ5Aは、接続窓12Bに配置されて、収納スペース41に配置される基板ホルダ7の回路基板6に接続している。この構造のパック電池は、支持側壁12の接続窓12Bにリード板5の接続タブ5Aを配置するので、電池のコアパック10を防水袋3に収納した状態で、リード板5の接続タブ5Aが防水袋3を損傷するのを有効に防止できる特長がある。それは、接続窓12Bに配置されるリード板5の接続タブ5Aを、支持側壁12と接触プレート部12Aで保護して、接続タブ5Aが防水袋3に直接接触するのを阻止するからである。したがって、この構造は、リード板5の接続タブ5Aが局部的に防水袋3を内面から突いて破損するのを有効に防止できる。
【0042】
以上の電池ホルダ2は、図9に示すように、一対の支持側壁12に保持筒11を一体的に成形してホルダーユニット2Aとし、このホルダーユニット2Aを連結している。一対のホルダーユニット2Aは、一体的に成形されたボス22に止ネジ23をねじ込んで互いに連結される。図9ないし図11、及び図13のホルダユニット2Aは、両端部と中央下部に、ボス22を一体的に成形して設けている。ボス22は筒状で、内部に止ネジ23を挿通している。ただ、図示しないが、分割されたホルダーユニットは、係止構造で連結し、あるいは接着して連結し、あるいはまた、これらを組み合わせて連結することもできる。
【0043】
以上の電池ホルダ2は、保持筒11の半分と支持側壁12とを一体的に成形してホルダーユニット2Aとしているが、本発明のパック電池は、電池ホルダを以上の構造に特定しない。電池ホルダは、複数の電池を所定の位置に保持できる他の全ての構造とすることができる。電池ホルダは、たとえば、保持筒と支持側壁を分割することなく一体構造とすることも、保持筒と両端の支持側壁とを分割してなる構造とすることもできる。
【0044】
以上のように、複数の電池1を電池ホルダ2で定位置に保持してコアパック10とする構造は、コアパック10の組み立てを簡単かつ容易にできる特長がある。さらに、複数の電池1を定位置に保持しているコアパック10を、防水袋3にスムーズに収納できる特徴もある。
【0045】
図のコアパック10は、電池ホルダ2に設けている基板の収納スペース41に基板ホルダ7を配設し、この基板ホルダ7に回路基板6を連結している。回路基板6は、複数の電池1の充放電をコントロールする回路を実装する。基板ホルダ7は、この回路基板6を所定の位置に配置する。
【0046】
基板ホルダ7は、回路基板6を収納して所定の位置に配置する。図6、図7、図9、図16、及び図17に示す基板ホルダ7は、底板51の周囲に周壁52を設けて上方開口の箱形としており、この周壁52の内側に回路基板6を収納して、所定の位置に配置している。基板ホルダ7は、図13に示すように、底板51から下方に突出する連結部53を一体成形して設けており、この連結部53に電池ホルダ2を貫通する止ネジ39をねじ込んで電池ホルダ2に固定している。電池ホルダ2は、連結部53に止ネジ39をねじ込むために、支持側壁12の内側に突出する連結ボス29を一体成形して設けている。連結部53は、図6に示すように、円筒形電池1を収納する保持筒11の谷間の部分に位置して配設することができる。基板ホルダ7は、連結ボス29を貫通する止ネジ39が連結部53にねじ込まれて、電池ホルダ2の定位置に固定される。ただ、基板ホルダは、図示しないが、係止構造で電池ホルダに固定することもできる。
【0047】
さらに、図6、図13、図16、及び図17に示す基板ホルダ7は、底板51から内側に突出する支持リブ54を設けており、この支持リブ54の上面に回路基板6を固定して、回路基板6を基板ホルダ7の底板51から離れた位置に配置している。図に示す支持リブ54は、その平面形状を、回路基板6の外形に沿うループ状として、回路基板6の外形よりも小さく成形している。ループ状の支持リブ54は、下端を底板51に連結して全体を上方開口の容器形状としている。さらに、支持リブ54は、回路基板6を固定するための連結ボス55を一体的に設けており、この連結ボス55に止ネジ31を介して回路基板6を固定している。さらに、図に示す支持リブ54は、回路基板6を定位置に固定するための位置決凸部56を一体的に設けており、回路基板6は、この位置決凸部56を挿通する位置決孔6Aを開口して設けている。この回路基板6は、位置決孔6Aに位置決凸部56を案内する状態で、連結ボス55に止ネジ31がねじ込まれて、基板ホルダ7の定位置に固定される。回路基板6は、基板ホルダ7の底板51との対向面(図6及び図13において下面)に保護回路等を実現する電子部品(図示せず)を配置している。基板ホルダ7は、支持リブ54の上面に固定される回路基板6で支持リブ54の上方開口部を閉塞して、内部に閉塞スペース50を設けている。このように、基板ホルダ7の底板51と回路基板6との間に閉塞スペース50を設ける構造は、図6と図13に示すように、基板ホルダ7の周壁52の内側に絶縁樹脂14を充填して、回路基板6をポッティングして埋設する場合において、基板ホルダ7内に充填する絶縁樹脂14の量を少なくして低コストにできる特徴がある。それは、支持リブ54と回路基板6とで閉塞された閉塞スペース50を、絶縁樹脂14を充填しない領域として、この閉塞スペース50に絶縁樹脂14を充填することなく、回路基板6をポッティングできるからである。
【0048】
さらに、基板ホルダ7の底板51と回路基板6との間に閉塞スペース50を設ける構造は、この閉塞スペース50を、回路基板6の下面に装備される電子部品の収納スペースに併用できる。このように、基板ホルダ7の底板51との対向面に電子部品を配置する構造は、これらの電子部品の凹凸が、後述する防水袋3の可撓性シートに接触して破損するのを有効に阻止できる特徴がある。
【0049】
さらに、図13に示す基板ホルダ7は、電池ホルダ2の最上段に位置する保持筒11の上部の設けた開口部11Aに位置する中央凸部57を底板51の底面に設けている。図13の基板ホルダ7は、底板51を中央凹となるように成形して、すなわち、図において下面が中央凸となるように成形して中央凸部57を設けており、これにより、基板ホルダ7の内部に形成される閉塞スペース50の容積を大きくしている。この構造は、支持リブ54を高くすることなく基板ホルダ7の閉塞スペース50を深くできるので、基板の収納スペース41に基板ホルダ7を省スペースに配置しながら、回路基板6の下面に装備される電子部品を収納するスペースを大きくできる。さらに、図に示す基板ホルダ7は、底板51の中央凸部57の下面に温度センサー18を配置して、この温度センサー18を、保持筒11の上部に設けた開口部11Aに配置している。
【0050】
さらに、図の基板ホルダ7は、回路基板6の両側縁と対向する周壁52に、回路基板6に固定された接続リード21を基板ホルダ7の外側に引き出す切欠部58を設けている。切欠部58は、回路基板6に固定された接続リード21と対向する位置に設けている。この基板ホルダ7は、回路基板6の両側から基板ホルダ7の外側に引き出される接続リード21を切欠部58に案内することにより、接続リード21やリード板5の上端を周壁52の上端より上方に突出させることなく配置している。
【0051】
さらに、図6と図13に示すパック電池は、回路基板6を絶縁樹脂14にポッティングして埋設している。この構造は、ポッティング樹脂で回路基板6を保護できると共に、回路基板6に実装している電子部品をポッティング樹脂に埋設して、電子部品が突出しない回路基板6を防水袋3に収納できる特徴がある。このため、可撓性シートからなる防水袋3が、回路基板6の凹凸に接触して破損するのを有効に阻止できる特徴も実現される。さらに、回路基板6を絶縁樹脂14にポッティングして、コアパック10を防水袋3に収納する構造は、防水袋3とポッティング樹脂の両方で回路基板6を防水構造に保護できるので、回路基板6の故障を極減し、長期間にわたって回路基板6で電池1を保護しながら充放電できる特徴がある。
【0052】
以上の基板ホルダ7は、回路基板6を定位置に固定した状態で、周壁52の内側に絶縁樹脂14を充填してポッティングしている。したがって、回路基板6は、基板ホルダ7に固定する前工程として、中間リード板5Yの接続タブ5Aに接続される接続リード21や出力リード板5Xの接続タブ5Aが接続される出力側リード板20、さらには、保護回路を実現する電子部品(図示せず)等を予め固定している。回路基板6が固定されて、絶縁樹脂14がポッティングされた基板ホルダ7は、回路基板6の両側縁に固定された接続リード21が、基板ホルダ7の両側の切欠部58から外側に突出する。図の基板ホルダ7は、両側から外側に突出する接続リード21に隣接して、周壁52の外周方向に突出する保護リブ59を設けている。図の基板ホルダ7は、接続リード21を引き出す切欠部58の開口縁部に保護リブ59を一体成形して設けており、この保護リブ59を接続リード21よりも大きく突出させている。この保護リブ59により、切欠部58から突出する接続リード21の先端が直接に外部に接触して変形したり損傷するのを有効に防止している。この構造は、基板ホルダ7から突出する接続リード21が、パック電池の製造工程等において、外部との衝突や接触によって変形するのを有効に防止できる。とくに、接続リードを細長い線材とする場合においても、確実に保護できる。
【0053】
さらに、回路基板6からは、リード線8が引き出されている。このリード線8は、外部機器に接続されるコネクタ15を先端に接続している。図示しないが、回路基板は、通信用のリード線を引き出してコネクタに接続することもできる。コネクタ15は、内蔵する電池1の出力用の出力端子や、外部機器との接続端子を装備している。コネクタ15は、出力端子や接続端子を外部に表出する状態で外装ケース4に設けた開口窓4aに配設される。
【0054】
以上のように、複数の電池1を電池ホルダ2で所定の位置に保持すると共に、回路基板6が固定された基板ホルダ7を電池ホルダ2に固定し、さらに、各々の電池1の端面に接続したリード板5を回路基板6に接続して電池のコアパック10となる。
【0055】
電池のコアパック10は、防水袋3に収納されて、その開口部を水密に閉塞して、外装ケース4に収納される。このパック電池は、電池1に回路基板6を接続しているコアパック10を防水袋3に収納するので、電池1に加えて回路基板6も一緒に防水構造として外装ケース4に収納できる。とくに、この構造は、電池1と回路基板6に加えて、電池1と回路基板6の接続部を含むコアパック全体を防水袋3に収納できる。このため、理想的な状態で、電池1と回路基板6の両方を防水構造として外装ケース4に収納できる。この構造によると、電池1と回路基板6との接続部も防水袋3に収納できるので、この部分を防水構造とするためにシール材を塗布する等の手間を必要としない。また、シール材が劣化して防水構造に保持できない弊害も発生しない。この構造のパック電池は、防水袋3からリード線8のみを引き出す極めて簡単な構造となる。このため、リード線8のみを防水袋3の開口部から防水構造で引き出して、電池1と回路基板6の全体を防水構造として外装ケース4に収納できる。
【0056】
防水袋3は、図18に示すように、可撓性シートを袋状に成形したものである。防水袋3の可撓性シートには、プラスチックシートが使用できる。プラスチックシートには、ポリイミド(PI)、ポリエチレンイミド(PEI)、ペット(PET)等が使用できる。これらのプラスチックシートは、可撓性と耐熱性に優れている特長がある。また、電池の安全弁が開弁されたときに排出される電解液によって、溶融されたり化学反応を起こすこともない。ただ、可撓性シートには、他のプラスチックシートも使用できる。
【0057】
図18に示す防水袋3は、電池のコアパック10を収納する収納部3Bを備えており、リード線8を引き出すために一部を開口している。防水袋3は、収納部3Bに電池のコアパック10を収納すると共に、コアパック10から引き出されたリード線8を開口部から外部に引き出している。防水袋3の収納部3Bは、電池のコアパック10を収納できる形状と大きさに成形している。防水袋3は、収納される電池のコアパック10の外形に沿う袋状、たとえば、コアパック10を無理なく収納できるように、コアパック10の外形よりも多少大きな直方体形状や角筒状とすることができる。ただ、防水袋は、円筒状や楕円筒状とすることもできる。
【0058】
防水袋3は、図18ないし図20に示すように、収納部3Bを、電池のコアパック10を収納できる袋状として、この部分に電池のコアパック10を収納すると共に、リード線8を引き出す部分である開口部を細く絞ってリード線引出部3Yとしている。図に示す防水袋3は、開口部と収納部3Bを同じ太さの筒状としている。この防水袋3は、プラスチックを筒状にインフレーション成形したものを、所定の長さに切断して、能率よく安価に多量生産できる。図に示す防水袋3は、筒状に成形された可撓性シートの一端を溶着または接着して、他端を開口部とする袋状に成形している。さらに、袋状に成形された防水袋3の収納部3Bに電池のコアパック10を挿入し、開口部からリード線8を引き出すと共に、この部分を細く絞ってリード線引出部3Yとしている。
【0059】
防水袋3は、細く絞られたリード線引出部3Yを、図20に示すように、閉塞具9で閉塞して、電池のコアパック10を防水構造で収納できる。図に示す閉塞具9は、リード線引出部3Yを外部から結束する結束具9Aである。図20の結束具9Aは結束バンドである。結束バンドである結束具9Aは、リード線8を挿通しているリード線引出部3Yにバンド部9aを巻き付けて、バンド部9aを係止部9bに挿通した後、係止部9bをバンド部9aの根元に向かって締め付けして外れないように結束する。ただ、結束具には線材を使用することもできる。線材である結束具には、図示しないが、針金や結束紐が使用できる。線材である結束具は、リード線を挿通しているリード線引出部に外部から巻き付けて結束する。さらに、閉塞具には、粘着テープを使用することもできる。粘着テープである閉塞具は、リード線引出部に巻き付けて閉塞する。以上の閉塞具は、簡単な構造で、しかも低コストにリード線引出部3Yを外部から閉塞できる。また、結束具9Aや粘着テープである閉塞具9は、たとえば、防水袋3から引き出されるリード線8と開口部との隙間に接着剤やシール剤を充填する状態として、その外側から結束する等の構造で防水袋3の開口部を確実に閉塞できる。
【0060】
さらに、防水袋は、図示しないが、リード線引出部をコードブッシュで閉塞することもできる。コードブッシュは、たとえば、ゴムや軟質プラスチック等のゴム状弾性体で成形して、リード線を水密に挿通させると共に、外周面に沿って防水袋の可撓性シートを水密に結束して水密に閉塞できる。このように、ゴム状弾性体でのコードブッシュは、リード線や防水袋の可撓性シートを弾性的に挟着して、防水構造に密閉しながらリード線を引き出すことができる。ゴム状弾性体であるコードブッシュは、リード線をインサート成形して、リード線を水密に挿通することも、リード線を貫通孔に圧入する状態で挿通して水密に挿通することもできる。以上のコードブッシュは、リード線と防水袋とを別々に密閉するので、リード線と防水袋の両方を確実に防水構造で閉塞できる特徴がある。ただ、閉塞具は、リード線と可撓性シートとの両方を水密に挟着して、リード線を防水構造で防水袋から引き出すこともできる。
【0061】
以上のように、リード線引出部3Yが防水構造で閉塞される防水袋3は、外部から水分が浸入するのを有効に防止して、内部に収納されるコアパック10を確実に防水する。さらに、防水構造で閉塞される防水袋3は、収納される電池1の安全弁が開弁されたときに排出される電解液が防水袋3の外側に漏れるのを有効に防止できる特長もある。
【0062】
防水袋3からリード線8を引き出したリード線引出部3Yは、図21に示すように、コアパック10の端部において折り返されて、電池ホルダ2の下方に設けた引出スペース42に配置される。電池ホルダ2は、図7に示すように、一対の支持側壁12の間に、防水袋3のリード線引出部3Yを配置する引出スペース42を設けている。引出スペース42は、基板収納スペース41の反対側に設けられる。図7の電池ホルダ2は、電池収納部40の上方に基板の収納スペース41を設けているので、電池収納部40の下方に引出スペース42を設けている。図に示す電池ホルダ2は、一対の支持側壁12を、保持筒11の両端から、図において下方に突出させており、一対の支持側壁12の間に、リード線引出部3Yを収納する引出スペース42を設けている。引出スペース42は、リード線8を収納している防水袋3の開口部であるリード線引出部3Yを配設できる深さに設計される。
【0063】
ただ、防水袋は、以上の構造に特定しない。防水袋は、電池のコアパックを防水構造で収納しながら、電池のコアパックに接続されたリード線を外部に引き出しできる他の全ての構造が採用できる。
【0064】
以上のようにして、コアパック10が防水袋3に収納され、回路基板6から引き出されたリード線8は、リード線引出部3Yにおいて、防水構造で防水袋3から引き出される。リード線引出部3Yを閉塞具9やシール剤で閉塞する防水袋3は、好ましくは、閉塞部分において気密に閉塞して、外装ケース4に収納することができる。防水袋3を気密に閉塞して外装ケース4に収納するパック電池は、防水袋内の空気温度が変化して膨張し、あるいは収縮するとき、可撓性シートの防水袋が変形し、防水袋から空気が排気されたり、防水袋に空気が吸入されることがない。したがって、温度変化で防水袋の内部に外気が侵入するのを理想的な状態で阻止して、結露水に起因する電池やリード板の腐食を確実に阻止できる。さらに、気密に閉塞される防水袋は、内部に残存する気体を、乾燥された空気や不活性ガスとして、結露等を有効に防止することもできる。
【0065】
ただし、本明細書において、防水袋を気密に閉塞するとは、空気の出入りを完全に遮断して防水袋の開口筒部を閉塞する状態のみを意味するのではなく、防水袋内の空気を外部に排気できる状態、たとえば、防水袋を外部から押圧して、圧力をかけた状態で防水袋の内部の空気を排気できるように閉塞する状態を含む広い意味で使用する。この状態は、外部から圧力が作用しない通常の状態では、防水袋への空気の出入りは生じない。したがって、温度変化で防水袋の内部に外気が侵入することもない。ただ、本発明のパック電池は、必ずしも防水袋を気密に閉塞する必要はない。
【0066】
さらに、リード線引出部3Yを閉塞具9やシール剤で閉塞する防水袋3は、好ましくは、内部の空気を排気した状態で閉塞し、あるいは、開口部を閉塞した後、内部の空気を排気する。それは、防水袋の内部に空気が満たされた状態では、風船のように膨れた状態となって容積が大きくなり、外装ケースに収納し難くなると共に、外装ケースへの収納時や衝撃等を受けたときに、可撓性シートが破損しやすくなるからである。内部の空気を排気した状態、いいかえると、袋全体をしぼませた状態の防水袋は、容積を小さくして外装ケースに収納しやすくできると共に、収納時や衝撃を受けたときの破損を極減できる。
【0067】
防水袋3は、リード線引出部3Yを閉塞具9で閉塞した後、防水袋3を外側から押圧して袋内の圧力を高くして、閉塞部分から空気を外部に排気することができる。また、防水袋3は、内部の空気を吸引しながら、すなわち、内部を減圧する状態でリード線引出部3Yを閉塞して、内部の空気を排気することもできる。このように、内部を減圧する防水袋3は、可撓性シートの内面を支持側壁12の外周面に密着させて、全体をコンパクトな形状として無理なく収納ケース4に収納できる特徴がある。防水袋3は、たとえば、防水袋内の空気をリード線引出部3Yから排気して、防水袋3の内部を減圧してコアパック10の表面に密着させることができる。この防水袋は、リード線引出部に吸引ノズルを差し込んで内部の空気を吸引して内部を減圧することができる。この防水袋は、内部の空気を排気した後、リード線引出部をシリコン樹脂等のシール剤で閉塞して気密に閉塞することができる。
【0068】
以上のように、内部の空気を排気する防水袋3は、内部の空気を排気した状態で外装ケース4に収納し、あるいは、後述する第1ケース4Aと第2ケース4Bからなる外装ケース4のうち、一方のケースに収納した状態で内部の空気を排気して、その後、他方のケースで閉塞することもできる。このパック電池は、内部の空気を排気して、防水袋の外形をコアパックの外形に沿うコンパクトな形状として無理なく収納ケース4に収納できるので、収納時や衝撃を受けたときに防水袋が破損されるのを有効に防止できる。
【0069】
以上のパック電池は、防水袋3の開口部を結束具やコードブッシュ等の閉塞具9で閉塞して、あるいはシール剤で閉塞して、リード線8を防水袋3から引き出している。ただ、パック電池は、必ずしも防水袋の開口部を閉塞具やシール剤で閉塞して、リード線を引き出す必要はなく、防水袋から引き出されるリード線を、直接に開口部から外部に引き出すこともできる。
【0070】
さらに、パック電池は、図示しないが、電池のコアパックを収納する防水袋の外側を、収縮チューブで被覆し、あるいは、防水袋の外側に粘着テープを付着して、防水袋をコアパックの表面に沿わせることもできる。収縮チューブは、熱収縮チューブまたはゴム状弾性体ある。熱収縮チューブには、塩化ビニル系またはポリオレフィン系のシート材を筒状に成形したものが使用できる。ゴム状弾性体には、難燃性シリコンが使用できる。これらの収縮チューブは、収縮する状態で、コアパックを収納している防水袋の表面に密着して、これを被覆する大きさと形状とすることができる。粘着テープには、たとえば、ポリプロピレンテープが使用できる。粘着テープは、外装ケースの内面との接触面である、支持側壁の外周部の表面と湾曲プレート部とに付着することができる。この部分に粘着テープを付着する構造は、外装ケースの内面との接触面を効果的に被覆できる。
【0071】
以上のように、防水袋の外周を収縮チューブや粘着テープで被覆する構造は、可撓性のシートである防水袋をコアパックの外周面に密着できるので、防水袋が嵩張るのを有効に防止して、簡単に外装ケースに収納して能率よく組み立てできる特長がある。さらに、防水袋の外周を被覆する収縮チューブや粘着テープで、外装ケース内面との接触面を被覆できるので、防水袋の可撓性シートがコアパックと外装ケースで挟まれて破損するのを有効に防止できる特長がある。
【0072】
外装ケース4は、プラスチックを成形して製作される。図3ないし図7の外装ケース4は、プラスチック製の第1ケース4Aと第2ケース4Bを連結して、コアパック10を収納してなる防水袋3を内部に収納している。第1ケース4Aと第2ケース4Bは周壁34を一体的に成形して設けている。さらに、図の外装ケース4は、内側に、ボス35を突出して設けている。ボス35は、第1ケース4Aと第2ケース4Bの隅部に設けている。ボス35に止ネジ(図示せず)を挿通し、この止ネジで第1ケース4Aと第2ケース4Bを連結する。連結された第1ケース4Aと第2ケース4Bは、互いに周壁34の開口縁を隙間なく接触させて閉塞される。
【0073】
さらに、外装ケース4は、電気機器に連結するコネクタ15を外部に表出させる開口窓4aを設けている。このパック電池は、第1ケース4Aと第2ケース4Bの連結部に開口窓4aを設けており、第1ケース4Aと第2ケース4Bの開口窓4aでコネクタ15を挟着して、コネクタ15を外装ケース4の開口窓4aから表出させる状態で連結している。このパック電池は、コネクタ15が電気機器(図示せず)の電源供給部に接続されて、パック電池が定位置に連結される。コネクタ15は、パック電池の出力端子(図示せず)を表出して設けている。出力端子はリード線8を介して電池1に連結している。さらに、このパック電池は、コネクタ15が充電器(図示せず)の充電接続部にも接続される。充電器は、充電接続部にコネクタ15を接続して、パック電池を定位置に連結して充電する。
【0074】
外装ケースは、その表面に、パック電池の容量表示スイッチや発光ダイオードを外部に表出させる操作窓と表示窓を設けることができる。操作窓は、回路基板に設けた容量表示スイッチを外部に表出する位置に設けることができる。表示窓は、回路基板に設けた発光ダイオードから照射される光を外部に表示できる位置に設けることができる。
【0075】
以上のパック電池は、以下のようにして組み立てられる。
(1)全ての電池1を電池ホルダ2の保持筒11に挿入した後、一対のホルダユニット2Aを連結する。
(2)基板ホルダ7に回路基板6を固定する。この回路基板6は、保護回路を実現する電子部品(図示せず)、及びリード板5に接続される接続リード21や出力側リード板20を予めハンダ付け等により固定している。基板ホルダ7に回路基板6を固定した後、基板ホルダ7に絶縁樹脂14を充填して、回路基板6をポッティングして埋設する。
(3)電池ホルダ2の収納スペース41に基板ホルダ7を固定する。基板ホルダ7は、図13に示すように、連結部53を止ネジ39を介して電池ホルダ2に固定する。
(4)各々の電池1の端面電極に、リード板5を溶着して固定する。リード板5の接続タブ5Aを回路基板6に接続する。リード板5の接続タブ5Aは、支持側壁12の接続窓12Bに配置されて、回路基板6に接続される。リード板5の接続タブ5Aは、回路基板6に固定された接続リード21を介して回路基板6に接続される。
【0076】
以上の工程で、電池のコアパック10が組み立てられる。
(5)電池のコアパック10を防水袋3に入れて、リード線8を防水袋3の開口部から外部に引き出す。リード線8を引き出す開口部は、結束具やコードブッシュ等の閉塞具9で閉塞することができる。リード線8を引き出す部分をリード線引出部3Yとして、このリード線引出部3Yを折り返して、電池ホルダ2の引出スペース42に配置する。さらに、コアパックが収納された防水袋は、外側を収縮チューブや粘着テープで被覆することもできる。
(6)コアパック10が収納された防止袋3を外装ケース4に収納する。
(7)外装ケース4の第1ケース4Aと第2ケース4Bとを連結する。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明のパック電池は、屋外で使用される電気機器、たとえば電動自転車や電動車両、作業用ロボット用の電源として使用される。
【符号の説明】
【0078】
1…電池
2…電池ホルダ 2A…ホルダーユニット
3…防水袋 3B…収納部
3Y…リード線引出部
4…外装ケース 4A…第1ケース
4B…第2ケース
4a…開口窓
5…リード板 5A…接続タブ
5a…スリット
5X…出力リード板
5Y…中間リード板
6…回路基板 6A…位置決孔
7…基板ホルダ
8…リード線
9…閉塞具 9A…結束具
9a…バンド部
9b…係止部
10…コアパック
11…保持筒 11A…開口部
12…支持側壁 12A…接触プレート部
12B…接続窓
13…挿通穴
14…絶縁樹脂
15…コネクタ
18…温度センサー
19…スリット
20…出力側リード板
21…接続リード
22…ボス
23…止ネジ
24…位置決凹部
29…連結ボス
30…クッション材
31…止ネジ
34…周壁
35…ボス
39…止ネジ
40…電池収納部
41…収納スペース
42…引出スペース
50…閉塞スペース
51…底板
52…周壁
53…連結部
54…支持リブ
55…連結ボス
56…位置決凸部
57…中央凸部
58…切欠部
59…保護リブ
60…配置領域
102…電池ホルダ
105…リード板
106…回路基板
110…コアパック
121…接続リード
160…配置領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端に正負の端部電極を有する複数の電池(1)を互いに平行な姿勢とし、かつ両端の端部電極を同一面に配置して多段多列に配置している電池ホルダ(2)と、この電池ホルダ(2)に収納している電池(1)の端部電極に接続されて隣接する電池(1)を直列と並列に接続してなるリード板(5)と、このリード板(5)に接続してなる回路基板(6)とを備え、
前記電池ホルダ(2)が複数の電池(1)を定位置に保持し、この電池ホルダ(2)に回路基板(6)が連結されて電池のコアパック(10)となり、このコアパック(10)が外装ケース(4)に収納されてなるパック電池であって、以下の全ての構成を有するパック電池。
(a)前記回路基板(6)は、各々の電池(1)の電圧を検出して電池(1)の充放電をコントロールする保護回路を実現する電子部品を表面に固定している。
(b)前記電池ホルダ(2)は、その両側面に端部電極を露出するように電池(1)を収納して、電池ホルダ(2)から露出する端部電極にリード板(5)を連結して、リード板(5)を対向する両側面に配置している。
(c)前記回路基板(6)は、その両側縁を電池ホルダ(2)の両側面に配置する姿勢で電池ホルダ(2)に連結されて、電池ホルダ(2)の両側面に配置している各々のリード板(5)を、回路基板(6)の両側縁から内側に伸びて所定の位置に連結している。
(d)前記リード板(5)は、出力端子に接続してなる出力リード板(5X)と、多段多列に配置している電池(1)を直列と並列に接続している中間リード板(5Y)とを備える。
(e)出力リード板(5X)と中間リード板(5Y)は、回路基板(6)に接近する端部に回路基板(6)に接続される接続タブ(5A)を備える。
(f)前記中間リード板(5Y)は、その端部に所定の間隔で複数の接続タブ(5A)を備え、いずれかの接続タブ(5A)を回路基板(6)に接続している。
【請求項2】
前記中間リード板(5Y)が、2列の接続タブ(5A)を端部に突出して設けており、一方の接続タブ(5A)であって、回路基板(6)の両側の対向位置に接近して配置される接続タブ(5A)を回路基板(6)に接続している請求項1に記載されるパック電池。
【請求項3】
前記電池ホルダ(2)の両側面に配置している中間リード板(5Y)が同一形状である請求項1に記載されるパック電池。
【請求項4】
前記電池ホルダ(2)が、両側面に外周に突出すると共に、開口縁に所定の幅の一対の支持側壁(12)を有し、一対の支持側壁(12)の間に回路基板(6)が配置され、
さらに一対の支持側壁(12)は、その外周に、外装ケース(4)の内面に面接触する接触プレート部(12A)を設けており、この接触プレート部(12A)を外装ケース(4)の内面に接触して電池のコアパック(10)を外装ケース(4)に収納しており、
さらに前記支持側壁(12)には、回路基板(6)を通過できるスリット(19)を設けている請求項1に記載されるパック電池。
【請求項5】
前記電池ホルダ(2)が1列の電池(1)をジグザグ状に配置している請求項1に記載されるパック電池。
【請求項6】
前記回路基板(6)に実装される保護回路が、オンオフに制御されて電池(1)の電流をコントロールする半導体スイッチング素子を実装している請求項1に記載されるパック電池。
【請求項7】
前記回路基板(6)が、基板ホルダ(7)を介して前記電池ホルダ(2)に連結されており、前記基板ホルダ(7)は、底板(51)の周囲に周壁(52)を設けて上方開口の箱形として、この周壁(52)の内側に前記回路基板(6)を収納すると共に、周壁(52)の内側に絶縁樹脂(14)を充填して、前記回路基板(6)を絶縁樹脂(14)に埋設しており、さらに、前記基板ホルダ(7)は、底板(51)から内側に突出する支持リブ(54)を設けて、この支持リブ(54)の上面に前記回路基板(6)を固定しており、前記支持リブ(54)は、その平面形状が前記回路基板(6)の外形に沿うループ状であって、前記回路基板(6)の外形よりも小さくしており、前記支持リブ(54)の上方開口部を前記回路基板(6)で閉塞して、内部に閉塞スペース(50)を設けている請求項1に記載されるパック電池。
【請求項8】
前記回路基板(6)が、基板ホルダ(7)を介して前記電池ホルダ(2)に連結されており、前記基板ホルダ(7)は、底板(51)の周囲に周壁(52)を設けて上方開口の箱形として、この周壁(52)の内側に回路基板(6)を収納しており、さらに、前記回路基板(6)は、前記リード板(5)の接続タブ(5A)に接続する接続リード(21)を、前記基板ホルダ(7)の両側から外側に突出させて固定しており、さらに、前記基板ホルダ(7)が、両側から外側に突出する接続リード(21)に隣接して、周壁(52)の外周方向に突出する保護リブ(59)を設けている請求項1に記載されるパック電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−277795(P2010−277795A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−128312(P2009−128312)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】