説明

パッチアンテナ装置及び電波受信機器

【課題】簡単な構成で、円偏波特性が得られるように調整された、高利得なパッチアンテナ装置及び電波受信機器を提供すること。
【解決手段】本発明のパッチアンテナ装置100は、長方形の誘電体板114、平面放射電極113、接地電極115、給電部材116を備え、平面放射電極113は、誘電体板の2つの短辺に対応する部分に、他の短辺に対応する部分に向けて延びるスリット117を有し、給電部材116の給電位置は、円偏波特性が得られるように、当該平面放射電極の中心からオフセットされている。これによって、簡単な構成で、円偏波特性が得られるように調整された、高利得なパッチアンテナ装置及び電波受信機器が実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッチアンテナ装置、及び当該パッチアンテナ装置を備えた電波受信機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、誘電体板の上面に矩形の平面放射電極が配設されて円偏波信号を送受信するパッチアンテナを備えるパッチアンテナ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このようなパッチアンテナ装置は、パッチアンテナの軸比が円偏波信号の周波数と一致するように、平面放射電極の辺の長さを調整して構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−198725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、カメラや腕時計などの携帯型の電波受信機器に搭載される小型のGPS(Global Positioning System)装置などでは、幅の狭い直方体の筐体内にパッチアンテナ装置を実装しなければならない場合がある。この場合、筐体が狹幅のため誘電体板自体の寸法を筐体の狹幅に合わせて小さくする必要がある。
この場合、スケール則に従って、誘電体板及び平面放射導体を同じ比率で小さくすると、パッチアンテナの体積が減少するので、アンテナ特性が劣化することになる。
一方、パッチアンテナの体積が減少しないように、誘電体板及び平面放射導体の幅方向の長さを筐体の幅方向の長さに合わせて小さくする一方で、誘電体板及び平面放射導体の幅方向に直交する長さを大きくすると、直線偏波のアンテナになるため,円偏波のアンテナと比較して受信電力が半分になってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、簡単な構成で、円偏波特性が得られるように調整された、高利得なパッチアンテナ装置及び電波受信機器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るパッチアンテナ装置は、
矩形の誘電体板、この矩形の誘電体板の一方の面に配置された平面放射電極、前記矩形の誘電体板の他方の面に配置された接地電極、給電部材を備えているパッチアンテナ装置において、
前記平面放射電極は、前記矩形の誘電体板の相対向する2辺に対応する部分に、相対向する他の2辺に対応する部分に向けて延びる少なくとも1本のスリットを備え、
前記平面放射電極への前記給電部材の給電位置は、円偏波特性が得られるように、当該平面放射電極の中心からオフセットされていることを特徴とする。
また、本発明に係る電波受信機器は、
請求項1から5いずれか一項に記載のパッチアンテナ装置を機器本体に備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば次のような効果を得ることができる。
すなわち、平面放射電極において、矩形の誘電体板の相対向する2辺に対応する部分のそれぞれに、相対向する他の辺に対応する部分に向けて延びる少なくとも1本のスリットを形成しているので、矩形の誘電体板であっても、当該矩形の誘電体板の相対向する2辺とこれに直交する他の2辺との2つの共振周波数のずれを小さくすることができる一方で、給電部材の給電位置は、平面放射電極の中心からのオフセットでインピーダンス調整されるので、簡単な構成で、良好な円偏波特性が得られるように調整された、高利得なパッチアンテナ装置及び電波受信機器が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の第1の実施形態に係るパッチアンテナ装置の斜視図である。
【図2】図1のパッチアンテナ装置の平面図である。
【図3】図1のパッチアンテナ装置を回路基板に実装した状態を示す要部断面図である。
【図4】図1のパッチアンテナ装置の給電位置を説明するための一部切り欠き平面図である。
【図5】図1のパッチアンテナ装置の放射特性を示すグラフである。
【図6】この発明の第2の実施形態に係るパッチアンテナ装置の斜視図である。
【図7】図6のパッチアンテナ装置の平面図である。
【図8】図5のパッチアンテナ装置を回路基板に実装した状態を示す要部断面図である。
【図9】図6のパッチアンテナ装置を適用したディジタルカメラの斜視図である。
【図10】図9のディジタルカメラの一部を拡大して示す斜視図である。
【図11】パッチアンテナ装置の第1の変形例を示す平面図である。
【図12】パッチアンテナ装置の第2の変形例を示す平面図である。
【図13】パッチアンテナ装置の第3の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0010】
実施形態に係るパッチアンテナ装置100は、図1〜図3に示すような構造を有しており、パッチアンテナ110及び導電接地部材120を備えている。
【0011】
このうちパッチアンテナ110は、矩形の平面放射電極113、矩形の誘電体板114、矩形の接地電極115(図3参照)及び給電部材116を備えている。
ここで、誘電体板114は平面視で縦長の長方形であり、例えば、セラミックを材料に構成されている。
【0012】
この誘電体板114の上面には平面放射電極113が形成されている。この平面放射電極113は平面視で縦長の長方形であり、例えば、所定の厚さの銀箔、金属板又は金属膜等で構成されている。この平面放射電極113は、平面視で誘電体板114の中に収まる大きさに形成されている。そして、平面放射電極113の長辺は誘電体板114の長辺と平行となっており、また、平面放射電極113の短辺は誘電体板114の短辺と平行となっている。
この平面放射電極113の相対向する2つの短辺のそれぞれには、相手方の短辺に向けて延びるスリット117が1本ずつ形成されている。この2本のスリット117,117は平面放射電極113の中心を挟んで互いに向かい合う位置に形成されている。
【0013】
また、図3に示すように、誘電体板114の下面には接地電極115が形成されている。この接地電極115は、給電部材116が位置している箇所及びその周辺を除いて、誘電体板114の裏面全体に形成されている。つまり、接地電極115の外形は、誘電体板114と同様に長方形となっている。この接地電極115は、例えば、所定の厚さの銀箔、金属板又は金属膜等で構成されている。
【0014】
一方、導電接地部材120は、図2に示すように、平面視で誘電体板114よりも通常は大きな形状で、パッチアンテナ110の接地電極115と両面テープで固定されている。導電接地部材120の形状は,特に正方形である必要はなく,できるだけ面積を大きくすることが望ましい。
そして、この導電接地部材120と上記誘電体板114とを貫通するように給電部材116が設けられている。この給電部材116の上端は平面放射電極113に半田を介して電気的に接続されている。
【0015】
また、図3に示すように、回路のGNDに相当する導電接地部材120の下方には回路基板130が位置している。そして、上記給電部材116の下端部は、この回路基板130を貫通し、当該回路基板130の下面に形成された導電パターン130aを介して図示しない送信回路及び/又は受信回路に電気的に接続されている。
なお、この実施の形態では、矩形の平面放射電極113の縦方向の長さ(L1)は、9.5mm、横方向の長さ(L2)は、9.3mmとし、矩形の誘電体板114の縦方向の長さ(L3)は、12mm、横方向の長さ(L4)は、11mm、厚さ(L5)は、4mmとし、各スリット117の長さ(L6)は、2.45mmとしているが、これらの寸法に限定されず、他の寸法でもよい。
【0016】
次に、パッチアンテナ装置100の給電位置、スリット117の長さ及び平面放射電極113の長さについて説明する。
給電部材116の上端が平面放射電極113に電気的に接続された位置が給電位置である。図4に示すように、ここでは、給電位置は、平面放射電極113の中心Oを通り且つ平面放射電極113の短辺に平行な軸(Y軸)に対して、45°傾けた直線上の位置で且つ適切なインピーダンス(50Ω)となる位置に設定されている。
また、スリット117の長さ(L6)及び平面放射電極113の長さ(L1、L2)は、給電位置が上記設定された位置に維持されることを前提に、パッチアンテナ110の2つの共振周波数に対して位相差が90°となるように調整されている。
これによって、良好な円偏波特性を有するパッチアンテナ装置100が実現できる。
【0017】
図5は、このパッチアンテナ装置100の放射特性についてシミュレーションした結果を示すグラフである。
同図においては実線が右旋円偏波に対するアンテナ利得を、破線が左旋円偏波に対するアンテナ利得をそれぞれ示している(単位はdBic)。
同図によれば、アンテナの天頂方向(図4の0°の位置)において、右旋偏波利得が大きく、逆に、その天頂方向では左旋偏波利得が小さくなっていることが分かる。そして、円偏波における左回りと右回りとを識別する能力である交差偏波識別度として約16dBが得られていることが分かる。これは円偏波アンテナとして、十分な性能が得られていることを意味している。
【0018】
以上のように構成されたパッチアンテナ装置100によれば次のような効果を得ることができる。
すなわち、平面放射電極113において、矩形の誘電体板114の相対向する短辺と対応する部分のそれぞれに、相対向する他の短辺と対応する部分に向けて延びるスリット117を形成しているので、パッチアンテナ110の2つの共振周波数のうちの高い周波数を低く変化させることができる。また、平面放射電極113への給電部材116の給電位置を、平面放射電極113の中心Oを通り且つ平面放射電極113の短辺に平行な軸(Y軸)に対して、45°傾けた直線上の位置で且つ適切なインピーダンス(50Ω)となる位置に設定しているので、平面放射電極113の辺の長さ及びスリット117の長さを変えることで,2つの共振周波数に対して位相差が90°となるように調整することができる。よって、簡単な構成で、円偏波特性が得られるように調整された、高利得なパッチアンテナ装置100が実現できる。
また、平面放射電極113の相対向する短辺側の位置に、平面放射電極113の中心に向けて延びる2本のスリット117、117を形成しているので、図2に示すように、平面放射電極213を流れる電流は、この2本のスリット117、117の周囲を破線で示すように迂回しながら流れることになるので、電流経路の長さをより長くすることができる。このために、平面放射電極113の短辺の長さ方向の電流経路を実質的に長くし、高い方の共振周波数と、低い方の共振周波数とのずれを効果的に小さくすることができる。また、2本のスリット117,117を形成することによって、誘電体板114の短辺方向の長さを実質的に長くしたのと同じ結果が得られるので、筐体が狹幅の電波受信機器にも容易に搭載することができる。
【0019】
[第2の実施形態]
図6は、第2の実施形態のパッチアンテナ装置の斜視図、図7は、このパッチアンテナ装置の平面図、図8は、このパッチアンテナ装置を回路基板に実装した状態を示す要部断面図である。
この第2の実施形態に係るパッチアンテナ装置200は、図6〜図8に示すような構造を有しており、パッチアンテナ210及び導電接地部材220を備えている。
【0020】
このうち、パッチアンテナ210は、平面放射電極213、誘電体板214、接地電極215及び給電部材216を備えている。このパッチアンテナ210における平面放射電極213、誘電体板214、接地電極215及び給電部材216は、第1の実施形態のパッチアンテナ110における平面放射電極113、誘電体板114、接地電極115及び給電部材116に対応している。
また、給電位置の設定、スリット217の長さ及び平面放射電極213の寸法の調整は、第1の実施形態と同様な方法によってなされている。
なお、導電接地部材220及び回路基板230は、第1の実施形態の導電接地部材120及び回路基板130に対応している。
そこで、共通部分の詳しい説明は省略し、主に、相違する部分について説明する。
【0021】
このパッチアンテナ装置200においては、平面放射電極213及び誘電体板214の双方が第1の実施形態の場合に比べて、より細長くなっている。
すなわち、平面放射電極213の縦の辺(長辺)の長さ(L1)は、第1の実施形態の平面放射電極113の縦の辺(長辺)の長さ(L1)とほぼ同じであり、平面放射電極213の横の辺(短辺)の長さ(L2)は第1の実施形態の平面放射電極113の横の辺(短辺)の長さ(L2)よりも短く形成されている。
すなわち、この実施の形態では、矩形の平面放射電極213の縦方向の長さ(L1)は、9.2mm、横方向の長さ(L2)は、8.4mmとし、矩形の誘電体板114の縦方向の長さ(L3)は、13mm、横方向の長さ(L4)は、10mm、厚さ(L5)は、3mmとし、各スリット217a〜217cの長さ(L62、L61、L62)は、3.1mm、1.2mm、3.1mmとしている。しかし、これらの寸法に限定されず、他の寸法でもよい。
このような場合において、第1の実施形態のパッチアンテナ110と同じように平面放射電極213の2つの短辺それぞれにスリットを1本ずつ形成するとすれば、縦方向の長さ(L1)は第1の実施形態の場合とあまり変わらないのに対して、横方向の長さ(L3)が第1の実施形態の場合よりも大幅に小さくなっているので、パッチアンテナ210の2つの共振周波数のうち高い方の共振周波数が第1の実施形態の場合よりも高くなってしまい、高い方の共振周波数と低い方の共振周波数とのずれが大きくなり、送受信する円偏波信号の周波数をアンテナの軸比の最良点と一致させることが困難となる。
そこで、第1の実施形態と同様のアンテナ特性を得るために、平面放射電極213の2つの短辺側の位置に、当該短辺に開口し相手方(相対向する)の短辺に向けて延びる各3本のスリット217a,217b,217cを形成することによって、当該短辺の長さ方向の電流経路を実質的に長くし、高い方の共振周波数と、低い方の共振周波数とのずれを小さくしている。
しかも、この実施の形態の場合、3本のスリット217a,217b,217cのうち、中央の1本のスリット217bの長さ(L61)を左右の他の2本のスリット217a,217cの長さ(L62)よりも短く形成している。このようにすれば、平面放射電極213を流れる電流は、長さの異なる3本のスリット217a,217b,217cの周囲を破線で示すように迂回しながら流れることになるので、3本のスリット217a,217b,217cを同じ長さにした場合に比べて、電流経路の全体の長さをより長くすることができる。このために、平面放射電極213の短辺の長さ方向の電流経路を実質的に長くし、高い方の共振周波数と、低い方の共振周波数とのずれを効果的に小さくすることができる。
【0022】
この第2の実施形態のパッチアンテナによれば次のような効果を得ることができる。
すなわち、第2の実施形態のパッチアンテナ装置200のパッチアンテナ210によれば、第1の実施形態のパッチアンテナ110よりもさらに細長となっているので、第1の実施形態のパッチアンテナ110を搭載する場合に比べて、さらに細長い筐体に搭載することができる。
【0023】
図9及び図10は、この第2の実施形態のパッチアンテナ装置200を機器本体201に搭載した電波受信機器の一例を示す。
この電波受信機器はディジタルカメラ202である。このディジタルカメラにおいては、薄型化の要請から筐体203の奥行き寸法が小さくなっている。
このディジタルカメラ202の筐体203内に搭載されているパッチアンテナ装置200は、上記誘電体板214の短辺の長さ方向がディジタルカメラ202の奥行き方向と合致するように、ディジタルカメラ202の上面に取り付けられる。この場合、パッチアンテナ装置200は機器本体201の開口201aから露出する回路基板230上に取り付けられる。
【0024】
図11はパッチアンテナの第1の変形例を示す。
このパッチアンテナ410では、矩形の誘電体板414の上面に平面放射電極413が形成され、誘電体板414の下面に接地電極(図示せず)が形成され、給電部材416によって平面放射電極413への給電がなされている。
このパッチアンテナ410では、スリット417が狹幅の直線状部分417aと、この直線状部分417aの先端に連設された方形部分417bとから構成されている。
このパッチアンテナ410によれば、直線状部分417aのみからなるスリットの場合に比べて、方形部分417bの周囲を電流が迂回して流れることになるので、電流経路をより長くすることができる。
【0025】
図12はパッチアンテナの第2の変形例を示す。
このパッチアンテナ510では、矩形の誘電体板514の上面に平面放射電極513が形成され、誘電体板514の下面に接地電極(図示せず)が形成され、給電部材516によって平面放射電極513への給電がなされている。
このパッチアンテナ510では、スリット517が狹幅の直線状部分517aと、この直線状部分517bの先端に連設された円状部分517bとから構成されている。
このパッチアンテナ510によれば、直線状部分517aのみからなるスリットの場合に比べて、円状部分517bの周囲を電流が迂回して流れることになるので、電流経路をより長くすることができる。
【0026】
図13はパッチアンテナの第3の変形例を示す。
このパッチアンテナ610では、矩形の誘電体板614の上面に平面放射電極613が形成され、誘電体板614の下面に接地電極(図示せず)が形成され、給電部材616によって平面放射電極613への給電がなされている。
このパッチアンテナ610では、スリット617が狹幅の直線状部分617aと、この直線状部分617aの先端に連設され当該直線状部分617bの途中を横切る直線状部分617bとから構成されている。
このパッチアンテナ610によれば、直線状部分617aのみからなるスリットの場合に比べて、他の直線状部分617bの周囲を電流が迂回して流れることになるので、電流経路をより長くすることができる。
【0027】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
例えば、上記実施形態及び変形例では、平面放射電極の平面的形状を長方形としたが、正方形や円形又は楕円形状などとしてもよい。
また、この実施の形態では、矩形の平面放射電極の縦方向の長さ、横方向の長さ、矩形の誘電体板の縦方向の長さ、横方向の長さ、厚さ、スリットの長さは、特定の寸法としているが、上述したように、これらの寸法に限定されず、他の寸法でもよい。
【0028】
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
矩形の誘電体板、この矩形の誘電体板の一方の面に配置された平面放射電極、前記矩形の誘電体板の他方の面に配置された接地電極、給電部材を備えているパッチアンテナ装置において、
前記平面放射電極は、前記矩形の誘電体板の相対向する2辺に対応する部分に、相対向する他の2辺に対応する部分に向けて延びる少なくとも1本のスリットを備え、
前記平面放射電極への前記給電部材の給電位置は、円偏波特性が得られるように、当該平面放射電極の中心からオフセットされていることを特徴とするパッチアンテナ装置。
<請求項2>
前記平面放射電極は、円形形状、楕円形状、前記矩形の誘電体板の各辺と平行な各辺を有する矩形形状のいずれかの形状であることを特徴とする請求項1に記載のパッチアンテナ装置。
<請求項3>
前記少なくとも1本のスリットは、2本または3本のスリットであり、これらのスリットは、前記矩形の誘電体板の相対向する2辺の中央位置に対応する部分から、前記相対向する2辺と直交する相対向する他の2辺に対応する部分に向けてそれぞれ延びていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパッチアンテナ装置。
<請求項4>
前記3本のスリットのうち、中央の1本のスリットの長さは、他の2本のスリットの長さよりも短いことを特徴とする請求項3に記載のパッチアンテナ装置。
<請求項5>
前記矩形の誘電体板は、長辺と短辺とを備え、前記スリットは、短辺に設けられていることを特徴とする請求項1から4いずれか一項に記載のパッチアンテナ装置。
<請求項6>
請求項1から5いずれか一項に記載のパッチアンテナ装置を機器本体に備えていることを特徴とする電波受信機器。
<請求項7>
前記平面放射電極への前記給電部材の給電位置は、平面放射電極の中心を通り且つ平面放射電極の短辺に平行な軸に対して、45°傾けた直線上の位置で且つ適切なインピーダンスとなる位置に設定されていることを特徴とするパッチアンテナ装置。
【符号の説明】
【0029】
100、200 アンテナ装置
110、410、510、610 パッチアンテナ
113、213 平面放射電極
114、214 誘電体板
115、215 接地電極
117、217 スリット
201 機器本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形の誘電体板、この矩形の誘電体板の一方の面に配置された平面放射電極、前記矩形の誘電体板の他方の面に配置された接地電極、給電部材を備えているパッチアンテナ装置において、
前記平面放射電極は、前記矩形の誘電体板の相対向する2辺に対応する部分に、相対向する他の2辺に対応する部分に向けて延びる少なくとも1本のスリットを備え、
前記平面放射電極への前記給電部材の給電位置は、円偏波特性が得られるように、当該平面放射電極の中心からオフセットされていることを特徴とするパッチアンテナ装置。
【請求項2】
前記平面放射電極は、円形形状、楕円形状、前記矩形の誘電体板の各辺と平行な各辺を有する矩形形状のいずれかの形状であることを特徴とする請求項1に記載のパッチアンテナ装置。
【請求項3】
前記少なくとも1本のスリットは、2本または3本のスリットであり、これらのスリットは、前記矩形の誘電体板の相対向する2辺の中央位置に対応する部分から、前記相対向する2辺と直交する相対向する他の2辺に対応する部分に向けてそれぞれ延びていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパッチアンテナ装置。
【請求項4】
前記3本のスリットのうち、中央の1本のスリットの長さは、他の2本のスリットの長さよりも短いことを特徴とする請求項3に記載のパッチアンテナ装置。
【請求項5】
前記矩形の誘電体板は、長辺と短辺とを備え、前記スリットは、短辺に設けられていることを特徴とする請求項1から4いずれか一項に記載のパッチアンテナ装置。
【請求項6】
請求項1から5いずれか一項に記載のパッチアンテナ装置を機器本体に備えていることを特徴とする電波受信機器。
【請求項7】
前記平面放射電極への前記給電部材の給電位置は、平面放射電極の中心を通り且つ平面放射電極の短辺に平行な軸に対して、45°傾けた直線上の位置で且つ適切なインピーダンスとなる位置に設定されていることを特徴とするパッチアンテナ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−42252(P2013−42252A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176529(P2011−176529)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】