パフォーマンスボードの落下防止機構を備えたテストヘッド
【課題】既存のパフォーマンスボードに対しても効果が得られる落下防止機構を備えたテストヘッドを提供する。
【解決手段】補強枠を備えたパフォーマンスボードを装着するテストヘッドであって、パフォーマンスボード装着面側の、パフォーマンスボードの補強枠の対向する辺の対角位置付近に対応して配置され、補強枠を保持するロック状態/補強枠を保持しないアンロック状態を手動で切り替える2つのパフォーマンスボード落下防止機構を備えたテストヘッド。パフォーマンスボードの補強枠の対向する辺は、パフォーマンスボードの長手方向に対応する辺とすることができる。
【解決手段】補強枠を備えたパフォーマンスボードを装着するテストヘッドであって、パフォーマンスボード装着面側の、パフォーマンスボードの補強枠の対向する辺の対角位置付近に対応して配置され、補強枠を保持するロック状態/補強枠を保持しないアンロック状態を手動で切り替える2つのパフォーマンスボード落下防止機構を備えたテストヘッド。パフォーマンスボードの補強枠の対向する辺は、パフォーマンスボードの長手方向に対応する辺とすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体試験装置のテストヘッドに装着するパフォーマンスボードの落下防止機構に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体試験装置に備えられたテストヘッドは、パフォーマンスボードを介して被試験対象(DUT:Device under test)にデジタル信号やアナログ信号を入力し、DUTが応答するデジタル信号やアナログ信号により、DUTの良否の判定を行なう
【0003】
図9は、半導体試験装置におけるテストヘッドとプローバを模式的に示す図である。本図において、テストヘッド31は、プローバ32に対して、(A)、(B)、(C)の状態となるように旋回するようになっている。パフォーマンスボード10は、テストヘッド31が(A)の状態においてテストヘッド31に装着され、テストヘッド31が(C)の状態でDUTの試験が行なわれる。テストヘッド31に装着されるパフォーマンスボード10は、図10に示すように、パフォーマンスボード本体11に、補強枠12が複数のネジにより取り付けられ、一体として構成されている。
【0004】
図11(a)は、(A)の状態において、パフォーマンスボード10をテストヘッド31に装着する前の状態を示し、図11(b)は、パフォーマンスボード10をテストヘッド31に装着した状態を示している。
【0005】
90度旋回した(B)、180度旋回した(C)の状態でもパフォーマンスボード10が落下しないように、テストヘッド31には、電気制御によりエアシリンダを駆動することで、パフォーマンスボード10を固定するロック機構が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−276471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
パフォーマンスボード10は、電気制御によるロック機構でテストヘッド31に固定されるが、180度の状態まで旋回されるため、万一の場合でもパフォーマンスボード10がテストヘッド31から落下しないような安全対策を施しておくことが望ましい。この場合、既存のパフォーマンスボード10に対しても効果が得られるように、パフォーマンスボード10自体の形状は変更させないことが望ましい。
【0008】
そこで、本発明は、既存のパフォーマンスボードに対しても効果が得られる落下防止機構を備えたテストヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明のテストヘッドは、補強枠を備えたパフォーマンスボードを装着するテストヘッドであって、前記パフォーマンスボード装着面側の、前記パフォーマンスボードの補強枠の対向する辺の対角位置付近に対応して配置され、前記補強枠を保持するロック状態/前記補強枠を保持しないアンロック状態を手動で切り替える2つのパフォーマンスボード落下防止機構を備えたことを特徴とする。
【0010】
ここで、前記パフォーマンスボードの補強枠の対向する辺は、前記パフォーマンスボードの長手方向に対応する辺とすることができる。
【0011】
また、前記パフォーマンスボード落下防止機構は、前記テストヘッドに固定されるベース部と、ロック状態において前記補強枠と一部分が重なるフック部と、ロック状態を維持させるストッパー部とを備えることができる。このとき、前記フック部は、回転移動あるいは直線移動することにより、前記補強枠と一部分が重なるようにすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、既存のパフォーマンスボードに対しても効果が得られるテストヘッドからの落下防止機構が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係る落下防止機構で保持されたパフォーマンスボードの様子を示す図である。
【図2】落下防止機構の形状を示す図である。
【図3】落下防止機構の分解図である。
【図4】落下防止機構の三面図および断面図である。
【図5】落下防止機構のロック動作を説明する図である。
【図6】落下防止機構のアンロック動作を説明する図である。
【図7】他の落下防止機構の形状を示す図である。
【図8】他の落下防止機構のロック動作を説明する図である。
【図9】半導体試験装置におけるテストヘッドとプローバを模式的に示す図である。
【図10】パフォーマンスボードの構造を説明する図である。
【図11】パフォーマンスボードをテストヘッドに装着する前の状態と、パフォーマンスボードをテストヘッドに装着した状態とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、テストヘッドに装着され、本実施形態に係る落下防止機構で保持されたパフォーマンスボードの様子を示す図である。本図に示すように、落下防止機構40は、テストヘッド31のパフォーマンスボード10装着面側に2つ設けられており、パフォーマンスボード10の補強枠12の対向する辺の対角位置付近の2箇所を保持できる場所に配置されている。
【0015】
落下防止機構40が保持する補強枠12の対向する辺は、本図に示すように長手方向の2辺が望ましい。これは、一般に、パフォーマンスボード10の種類により長手方向の長さは可変であるのに対し、短手方向の長さは一定であり、落下防止機構40を長手方向の2辺に沿って設けることにより、確実にパフォーマンスボード10を保持することができるからである。
【0016】
また、落下防止機構40は、パフォーマンスボード本体11ではなく、補強枠12を保持するようにしているため、従来のパフォーマンスボード10の設計変更を行なうことなく、パフォーマンスボード10を保持することができる。さらに、補強枠12によってパフォーマンスボード10は剛性が大きく、撓まない。このため、対角位置付近の2箇所の保持で十分落下防止を実現することができる。もちろん、落下防止機構40を2箇所以上に配置するようにしてもよい。
【0017】
落下防止機構40は、例えば、図2に示すような形状とすることができる。なお、図3には落下防止機構40の分解図を示し、図4には、落下防止機構40の三面図および断面図を示している。
【0018】
本例では、落下防止機構40は、テストヘッド31に固定するベース部41と、パフォーマンスボード10の補強枠12を押さえるフック部42と、フック部42をロックするストッパー部43とを備えている。ベース部41は、例えば、アルミニウム等の金属を用いて構成され、フック部42、ストッパー部43は、例えば、ステンレス等の金属を用いて構成される。ベース部41は、ネジ48、ネジ49(図4参照)によってテストヘッド31に取り付けられる。
【0019】
フック部42は、ネジ44によってベース部41に取り付けられており、この取り付け部分を軸に回転できるようになっている。回転範囲は、フック部42に形成された円弧状の貫通穴と、貫通穴を通してベース部41に取り付けられたネジ45によって規制される。また、フック部42のストッパー部43側には、ストッパー部43とかみ合うための爪部が形成されている。
【0020】
ストッパー部43は、ネジ46によりベース部41に取り付けられており、ネジ46を軸としてわずかに回転するようになっている。ストッパー部43の一端はアンロック時にユーザが押す操作部分43aとなっており、他端はフック部42の爪部とかみ合うロック部分43bとなっている。操作部分43aとベース部41との間には、操作部分43aを押し返すスプリング47が備えられている。
【0021】
図5を参照して、落下防止機構40のロック動作を説明する。図5(a)に示すアンロック状態から、図5(b)の矢印に示すように、ネジ44を軸として手動でフック部42を回転させると、図5(c)に示すようにストッパー部43のロック部分43bとフック部42の爪部とがかみ合ってフック部42が固定される。ストッパー部43は、スプリング47により、図5(c)の状態に保たれる。したがって、フック部42が自然に図5(a)の状態に戻ることはない。このときにフック部42のベース部41からはみ出た部分が、パフォーマンスボード10の補強枠12と重なることで補強枠12を保持し、ロック状態となる。
【0022】
次に、図6を参照して、落下防止機構40のアンロック動作を説明する。図6(a)に示すロック状態から、図6(b)に示すように、操作部分43aを矢印1方向に押しつけながら、フック部42を矢印2方向に押し戻すことにより、ロック部分43bとフック部42の爪部とのかみ合わせ状態が解除され、図6(c)に示すアンロック状態に戻る。
【0023】
このように、落下防止機構40は、ロック動作、アンロック動作とも手動で行なうようにしており、電気制御で行なわれるエアシリンダによるロック動作とあえて連動させないようにしている。これにより、万一、エアシリンダの動作に不具合が生じた場合等であっても、パフォーマンスボード10の落下を防ぐことができる。
【0024】
また、落下防止機構は、図7(a)に示すような形状としてもよい。本例において落下防止機構50は、テストヘッド31に固定するベース部51と、パフォーマンスボード10の補強枠12を押さえるフック部52と、フック部52をロックするストッパー部53とを備えている。ベース部51は、例えば、アルミニウム等の金属を用いて構成され、フック部52、ストッパー部53は、例えば、ステンレス等の金属を用いて構成される。なお、図7(b)は、落下防止機構50の分解図を示している。
【0025】
上述の落下防止機構40との相違は、落下防止機構40はフック部42が回転移動するのに対して、落下防止機構50はフック部52が直線移動する点である。すなわち、フック部52には、直線上の貫通穴が形成されており、この貫通穴を通してベース部51に取り付けられた2つのネジ54によって規制されて直線移動するようになっている。落下防止機構50は、フック部52が直線移動を行なうため、部品全体のサイズを小さくすることができ、部品配置に制限がある場所にも使用することができる。
【0026】
図8は、落下防止機構50のロック動作を説明する図である。図8(a)に示すアンロック状態から、図8(a)の矢印に示すように手動でフック部52を直線移動させると、図8(c)に示すようにストッパー部53のロック部分53bとフック部52の爪部とがかみ合ってフック部52が固定される。ストッパー部53は、スプリング57により、図8(c)の状態に保たれる。したがって、フック部52が自然に図8(a)の状態に戻ることはない。このときにフック部52のベース部51からはみ出た部分が、パフォーマンスボード10の補強枠12と重なることで補強枠12を保持し、ロック状態となる。
【0027】
アンロック動作は、落下防止機構40と同様に、ロック状態からストッパー部53を押しつけながらフック部52を押し戻すことにより、ロック部分53bとフック部52の爪部とのかみ合わせ状態が解除され、図8(a)に示すアンロック状態に戻る。
【0028】
以上説明したように、本実施形態の落下防止機構40あるいは落下防止機構50によれば、手動によるロック状態でパフォーマンスボードの補強枠12を保持するようにしているため、万一電気的な不具合等が生じた場合であっても、既存のパフォーマンスボードに対しても落下防止の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0029】
10…パフォーマンスボード、11…パフォーマンスボード本体、12…補強枠、31…テストヘッド、32…プローバ、40…落下防止機構、41…ベース部、42…フック部、43…ストッパー部、43a…操作部分、43b…ロック部分、44…ネジ、45…ネジ、46…ネジ、47…スプリング、48…ネジ、49…ネジ、50…落下防止機構、51…ベース部、52…フック部、53…ストッパー部、53b…ロック部分、54…ネジ、57…スプリング
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体試験装置のテストヘッドに装着するパフォーマンスボードの落下防止機構に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体試験装置に備えられたテストヘッドは、パフォーマンスボードを介して被試験対象(DUT:Device under test)にデジタル信号やアナログ信号を入力し、DUTが応答するデジタル信号やアナログ信号により、DUTの良否の判定を行なう
【0003】
図9は、半導体試験装置におけるテストヘッドとプローバを模式的に示す図である。本図において、テストヘッド31は、プローバ32に対して、(A)、(B)、(C)の状態となるように旋回するようになっている。パフォーマンスボード10は、テストヘッド31が(A)の状態においてテストヘッド31に装着され、テストヘッド31が(C)の状態でDUTの試験が行なわれる。テストヘッド31に装着されるパフォーマンスボード10は、図10に示すように、パフォーマンスボード本体11に、補強枠12が複数のネジにより取り付けられ、一体として構成されている。
【0004】
図11(a)は、(A)の状態において、パフォーマンスボード10をテストヘッド31に装着する前の状態を示し、図11(b)は、パフォーマンスボード10をテストヘッド31に装着した状態を示している。
【0005】
90度旋回した(B)、180度旋回した(C)の状態でもパフォーマンスボード10が落下しないように、テストヘッド31には、電気制御によりエアシリンダを駆動することで、パフォーマンスボード10を固定するロック機構が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−276471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
パフォーマンスボード10は、電気制御によるロック機構でテストヘッド31に固定されるが、180度の状態まで旋回されるため、万一の場合でもパフォーマンスボード10がテストヘッド31から落下しないような安全対策を施しておくことが望ましい。この場合、既存のパフォーマンスボード10に対しても効果が得られるように、パフォーマンスボード10自体の形状は変更させないことが望ましい。
【0008】
そこで、本発明は、既存のパフォーマンスボードに対しても効果が得られる落下防止機構を備えたテストヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明のテストヘッドは、補強枠を備えたパフォーマンスボードを装着するテストヘッドであって、前記パフォーマンスボード装着面側の、前記パフォーマンスボードの補強枠の対向する辺の対角位置付近に対応して配置され、前記補強枠を保持するロック状態/前記補強枠を保持しないアンロック状態を手動で切り替える2つのパフォーマンスボード落下防止機構を備えたことを特徴とする。
【0010】
ここで、前記パフォーマンスボードの補強枠の対向する辺は、前記パフォーマンスボードの長手方向に対応する辺とすることができる。
【0011】
また、前記パフォーマンスボード落下防止機構は、前記テストヘッドに固定されるベース部と、ロック状態において前記補強枠と一部分が重なるフック部と、ロック状態を維持させるストッパー部とを備えることができる。このとき、前記フック部は、回転移動あるいは直線移動することにより、前記補強枠と一部分が重なるようにすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、既存のパフォーマンスボードに対しても効果が得られるテストヘッドからの落下防止機構が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係る落下防止機構で保持されたパフォーマンスボードの様子を示す図である。
【図2】落下防止機構の形状を示す図である。
【図3】落下防止機構の分解図である。
【図4】落下防止機構の三面図および断面図である。
【図5】落下防止機構のロック動作を説明する図である。
【図6】落下防止機構のアンロック動作を説明する図である。
【図7】他の落下防止機構の形状を示す図である。
【図8】他の落下防止機構のロック動作を説明する図である。
【図9】半導体試験装置におけるテストヘッドとプローバを模式的に示す図である。
【図10】パフォーマンスボードの構造を説明する図である。
【図11】パフォーマンスボードをテストヘッドに装着する前の状態と、パフォーマンスボードをテストヘッドに装着した状態とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、テストヘッドに装着され、本実施形態に係る落下防止機構で保持されたパフォーマンスボードの様子を示す図である。本図に示すように、落下防止機構40は、テストヘッド31のパフォーマンスボード10装着面側に2つ設けられており、パフォーマンスボード10の補強枠12の対向する辺の対角位置付近の2箇所を保持できる場所に配置されている。
【0015】
落下防止機構40が保持する補強枠12の対向する辺は、本図に示すように長手方向の2辺が望ましい。これは、一般に、パフォーマンスボード10の種類により長手方向の長さは可変であるのに対し、短手方向の長さは一定であり、落下防止機構40を長手方向の2辺に沿って設けることにより、確実にパフォーマンスボード10を保持することができるからである。
【0016】
また、落下防止機構40は、パフォーマンスボード本体11ではなく、補強枠12を保持するようにしているため、従来のパフォーマンスボード10の設計変更を行なうことなく、パフォーマンスボード10を保持することができる。さらに、補強枠12によってパフォーマンスボード10は剛性が大きく、撓まない。このため、対角位置付近の2箇所の保持で十分落下防止を実現することができる。もちろん、落下防止機構40を2箇所以上に配置するようにしてもよい。
【0017】
落下防止機構40は、例えば、図2に示すような形状とすることができる。なお、図3には落下防止機構40の分解図を示し、図4には、落下防止機構40の三面図および断面図を示している。
【0018】
本例では、落下防止機構40は、テストヘッド31に固定するベース部41と、パフォーマンスボード10の補強枠12を押さえるフック部42と、フック部42をロックするストッパー部43とを備えている。ベース部41は、例えば、アルミニウム等の金属を用いて構成され、フック部42、ストッパー部43は、例えば、ステンレス等の金属を用いて構成される。ベース部41は、ネジ48、ネジ49(図4参照)によってテストヘッド31に取り付けられる。
【0019】
フック部42は、ネジ44によってベース部41に取り付けられており、この取り付け部分を軸に回転できるようになっている。回転範囲は、フック部42に形成された円弧状の貫通穴と、貫通穴を通してベース部41に取り付けられたネジ45によって規制される。また、フック部42のストッパー部43側には、ストッパー部43とかみ合うための爪部が形成されている。
【0020】
ストッパー部43は、ネジ46によりベース部41に取り付けられており、ネジ46を軸としてわずかに回転するようになっている。ストッパー部43の一端はアンロック時にユーザが押す操作部分43aとなっており、他端はフック部42の爪部とかみ合うロック部分43bとなっている。操作部分43aとベース部41との間には、操作部分43aを押し返すスプリング47が備えられている。
【0021】
図5を参照して、落下防止機構40のロック動作を説明する。図5(a)に示すアンロック状態から、図5(b)の矢印に示すように、ネジ44を軸として手動でフック部42を回転させると、図5(c)に示すようにストッパー部43のロック部分43bとフック部42の爪部とがかみ合ってフック部42が固定される。ストッパー部43は、スプリング47により、図5(c)の状態に保たれる。したがって、フック部42が自然に図5(a)の状態に戻ることはない。このときにフック部42のベース部41からはみ出た部分が、パフォーマンスボード10の補強枠12と重なることで補強枠12を保持し、ロック状態となる。
【0022】
次に、図6を参照して、落下防止機構40のアンロック動作を説明する。図6(a)に示すロック状態から、図6(b)に示すように、操作部分43aを矢印1方向に押しつけながら、フック部42を矢印2方向に押し戻すことにより、ロック部分43bとフック部42の爪部とのかみ合わせ状態が解除され、図6(c)に示すアンロック状態に戻る。
【0023】
このように、落下防止機構40は、ロック動作、アンロック動作とも手動で行なうようにしており、電気制御で行なわれるエアシリンダによるロック動作とあえて連動させないようにしている。これにより、万一、エアシリンダの動作に不具合が生じた場合等であっても、パフォーマンスボード10の落下を防ぐことができる。
【0024】
また、落下防止機構は、図7(a)に示すような形状としてもよい。本例において落下防止機構50は、テストヘッド31に固定するベース部51と、パフォーマンスボード10の補強枠12を押さえるフック部52と、フック部52をロックするストッパー部53とを備えている。ベース部51は、例えば、アルミニウム等の金属を用いて構成され、フック部52、ストッパー部53は、例えば、ステンレス等の金属を用いて構成される。なお、図7(b)は、落下防止機構50の分解図を示している。
【0025】
上述の落下防止機構40との相違は、落下防止機構40はフック部42が回転移動するのに対して、落下防止機構50はフック部52が直線移動する点である。すなわち、フック部52には、直線上の貫通穴が形成されており、この貫通穴を通してベース部51に取り付けられた2つのネジ54によって規制されて直線移動するようになっている。落下防止機構50は、フック部52が直線移動を行なうため、部品全体のサイズを小さくすることができ、部品配置に制限がある場所にも使用することができる。
【0026】
図8は、落下防止機構50のロック動作を説明する図である。図8(a)に示すアンロック状態から、図8(a)の矢印に示すように手動でフック部52を直線移動させると、図8(c)に示すようにストッパー部53のロック部分53bとフック部52の爪部とがかみ合ってフック部52が固定される。ストッパー部53は、スプリング57により、図8(c)の状態に保たれる。したがって、フック部52が自然に図8(a)の状態に戻ることはない。このときにフック部52のベース部51からはみ出た部分が、パフォーマンスボード10の補強枠12と重なることで補強枠12を保持し、ロック状態となる。
【0027】
アンロック動作は、落下防止機構40と同様に、ロック状態からストッパー部53を押しつけながらフック部52を押し戻すことにより、ロック部分53bとフック部52の爪部とのかみ合わせ状態が解除され、図8(a)に示すアンロック状態に戻る。
【0028】
以上説明したように、本実施形態の落下防止機構40あるいは落下防止機構50によれば、手動によるロック状態でパフォーマンスボードの補強枠12を保持するようにしているため、万一電気的な不具合等が生じた場合であっても、既存のパフォーマンスボードに対しても落下防止の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0029】
10…パフォーマンスボード、11…パフォーマンスボード本体、12…補強枠、31…テストヘッド、32…プローバ、40…落下防止機構、41…ベース部、42…フック部、43…ストッパー部、43a…操作部分、43b…ロック部分、44…ネジ、45…ネジ、46…ネジ、47…スプリング、48…ネジ、49…ネジ、50…落下防止機構、51…ベース部、52…フック部、53…ストッパー部、53b…ロック部分、54…ネジ、57…スプリング
【特許請求の範囲】
【請求項1】
補強枠を備えたパフォーマンスボードを装着するテストヘッドであって、
前記パフォーマンスボード装着面側の、前記パフォーマンスボードの補強枠の対向する辺の対角位置付近に対応して配置され、前記補強枠を保持するロック状態/前記補強枠を保持しないアンロック状態を手動で切り替える2つのパフォーマンスボード落下防止機構を備えたことを特徴とするテストヘッド。
【請求項2】
前記パフォーマンスボードの補強枠の対向する辺は、前記パフォーマンスボードの長手方向に対応する辺であることを特徴とする請求項1に記載のテストヘッド。
【請求項3】
前記パフォーマンスボード落下防止機構は、前記テストヘッドに固定されるベース部と、ロック状態において前記補強枠と一部分が重なるフック部と、ロック状態を維持させるストッパー部とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のテストヘッド。
【請求項4】
前記フック部は、回転移動あるいは直線移動することにより、前記補強枠と一部分が重なることを特徴とする請求項3に記載のテストヘッド。
【請求項1】
補強枠を備えたパフォーマンスボードを装着するテストヘッドであって、
前記パフォーマンスボード装着面側の、前記パフォーマンスボードの補強枠の対向する辺の対角位置付近に対応して配置され、前記補強枠を保持するロック状態/前記補強枠を保持しないアンロック状態を手動で切り替える2つのパフォーマンスボード落下防止機構を備えたことを特徴とするテストヘッド。
【請求項2】
前記パフォーマンスボードの補強枠の対向する辺は、前記パフォーマンスボードの長手方向に対応する辺であることを特徴とする請求項1に記載のテストヘッド。
【請求項3】
前記パフォーマンスボード落下防止機構は、前記テストヘッドに固定されるベース部と、ロック状態において前記補強枠と一部分が重なるフック部と、ロック状態を維持させるストッパー部とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のテストヘッド。
【請求項4】
前記フック部は、回転移動あるいは直線移動することにより、前記補強枠と一部分が重なることを特徴とする請求項3に記載のテストヘッド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−150030(P2012−150030A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9532(P2011−9532)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]