説明

パラフィン迅速融解法

【課題】
パラフィン融解工程において、短時間で均一にパラフィンを融解する方法を提供する。
【解決手段】
形状を問わないパラフィン1を容器2内で固体状態及び半融解状態より融解させる工程で、融解させ得る熱量に加え、1個及び複数個の超音波振動子3を用いて超音波を照射することにより、パラフィンの攪拌効果を上げ、熱量だけを加えてパラフィンを融解する通常の工程よりも迅速且つ均一にパラフィンを融解させることができる方法を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生体組織作製等に使用するパラフィンを融解する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、パラフィンを融解させるには熱源からパラフィンに熱量を加えることでパラフィンを融解させている。
【0003】
しかしその方法では、パラフィンは容器内で熱源から均一の熱量を受けることができず、融解状態に差が生じてしまい融解状態の均一性が欠ける。
【特許文献1】特願2004−163339
【特許文献2】特願2004−163356
【特許文献3】特願2004−163359
【非特許文献1】医歯薬出版株式会社発行 臨床検査学講座 病理学/病理検査学
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パラフィン融解工程において、熱源より離れた箇所のパラフィンは、完全に融解せず、均一に融解するまでに時間を要してしまうことの解決を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、形状を問わないパラフィンを容器内で固体状態及び半融解状態から融解させる工程で、熱源から熱量を与えるに加え、1個及び複数個の超音波振動子を用いて超音波を照射することにより、パラフィンの攪拌効果が上がり、熱源から熱量だけを加えてパラフィンを融解する通常の工程よりも迅速且つ均一にパラフィンを融解させることができる方法を用いる。
【発明の効果】
【0006】
パラフィンに超音波を照射することにより、パラフィンの融解工程における攪拌効果が上がり、融解時間を短縮させることができ、均一に融解させることができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
この発明の一実施形態を、図1に示す。
形状を問わないパラフィン1を入れる容器2と、1個及び複数個の超音波振動子3が固定されている槽4との間に、熱量と超音波振動を容器内のパラフィンに伝えることのできる媒質、もしくは媒体5があり、槽4の外部に熱源6がある。
「実施形態の効果」
この実施形態によれば、固体状態又は半融解状態の形状を問わないパラフィン1が融解するまで熱量を熱源6から媒質、媒体5を通し与えることができ、さらに迅速且つ均一に融解させるために1個及び複数個の超音波振動子3より超音波を照射することができる。
さらに形状を問わないパラフィン1が固体状態であっても超音波振動の空だきを防止することができ、1個及び複数個の超音波振動子3の破損を防止することができる。
【0008】
「他の実施形態」
図1の実施形態では、形状を問わないパラフィン1を入れる容器2に1個及び複数個の超音波振動子3が直接固定されていなかったが、他の実施形態として、形状を問わないパラフィン1を入れる容器2に、1個及び複数個の超音波振動子3が直接固定されているような状態で、パラフィンに直接超音波を照射する形態でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の構成の例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0010】
1 形状を問わないパラフィン
2 容器
3 超音波振動子
4 槽
5 熱量と超音波振動をパラフィンに伝えることのできる媒質、もしくは媒体
6 熱源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パラフィンを容器内で固体状態及び半融解状態から融解させる工程で、熱量を与えるに加え、超音波を照射することを特徴とするパラフィン迅速融解法。


【図1】
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【公開番号】特開2006−284291(P2006−284291A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−102614(P2005−102614)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000146445)株式会社常光 (35)
【出願人】(503052911)
【出願人】(504212057)
【Fターム(参考)】