説明

パレンタルロック装置

【課題】 本発明は簡単な操作で教育上好ましくない番組の視聴を着実にロックすること
ができるパレンタルロック装置を提供しようとするものである。
【解決手段】 視聴を制限したい番組に関連するキーワードを登録するリモートコントロ
ール装置50と、番組が選択された際に当該番組に付随する関連情報と上記キーワードと
を比較する制御CPU2と、この比較手段による比較結果に基づき選択された番組の視聴
を制限する混合器4とを具備したことを特徴とするパレンタルロック装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は本発明は、テレビジョン受信機等において、教育上好ましくない番組の視聴を
制限するパレンタルロック装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近のテレビジョン放送においては、一部の放送番組の内容が極めて暴力的もしくは猥褻
的な内容を含んでおり、子供の教育上好ましくないとして、これら放送番組の視聴を制限
するような気運が高まってきている。また一部の放送チャンネルでは、成人向けの番組が
成人向専門チャンネルとして放送されており、同様にパスワ−ドを入力しない限りは視聴
できないように、視聴の制限がかけられている。この視聴を制限する傾向は特に米国にお
いて顕著であり、1996年通信改革法(もしくは電気通信法とも呼ばれている)(th
e Telecommunications Act of 1996)が制定され、放
送局側にはテレビジョン信号中に番組内容の過激度を表すレイティング情報を重畳して送
信することが義務付られ、またこれらテレビジョン放送を受像する受像機には、このレイ
ティング情報を利用した視聴の制限を実施できるように、視聴制限機能を内蔵することが
義務付けられる。
【0003】
しかしながら、日本国内では上述したような米国の通信法が制定されておらず、テレビ
ジョン信号中に番組内容の過激度を表すレイティング情報を重畳して送信されていないた
め米国と同様なパレンタル機能が実現されていない。
【0004】
そこで、特開2003−143500号公報(特許文献1)に示されるように電子番組
ガイド(EPG)の情報を利用して、予めブロッキングする番組のタイトルを指定してブ
ロッキングリストを記憶しておくとともに、ユーザーが番組を指定した際にはこのブロッ
キングリストと比較して指定されたタイトルの番組をブロッキングする発明が成されてい
る。
【0005】
電子番組ガイド(EPG)は日本国内でも近年利用されているため、EPGの情報を利用
することにより教育上好ましくない番組の視聴を制限することか可能となるが、特許文献
1開示された方法では、子供に対して視聴を制限すべき番組を親が予め確認し、そのうえ
で特定の番組のタイトルを指定する必要がある。
【0006】
特に、番組タイトルは数ヶ月単位で変更されることが多いため、これらを常に確認して
ブロッキングを指定することは、親にとっては煩わしい作業を伴うものであった。
【0007】
また、ブロッキングを指定されていない番組であっても、番組の一部のコーナーには暴
力的もしくは猥褻的な内容を含んでいて、子供の教育上好ましくない場合もあるため、特
許文献1に示されるような方法では、パレンタルロックが十分な効果を果たすことができ
ないという問題があった。
【特許文献1】特開2003−143500号公報(段落番号0007、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に基づき成されたものであり、簡単な操作で、子供の教育上好ましくな
い番組の視聴を着実にロックすることのできるパレンタルロック装置を提供しようとする
ものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記課題を解決するために、視聴を制限したい番組に関連するキーワードを登
録する手段と、番組が選択された際に当該番組に付随する関連情報と上記キーワードとを
比較する手段と、上記比較手段による比較結果に基づき選択された番組の視聴を制限する
手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、キーワードを登録することにより子供の教育上好ましくない番組の視聴を着
実にロックすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のパレンタルロック装置に係る実施形態を備えたテレビジョン受信機10
の概略ブロック図である。図1において、テレビジョン受信機10には、いわゆる地上波
放送の受信チューナ(以下、地上波チューナと略称する)1が内蔵され、この地上波チュ
ーナ1には、アンテナ端子11に接続される地上波放送の受信アンテナ(以下、地上波ア
ンテナと略称する)20からの受信信号が供給される。
また、いわゆる衛星(BS/CS)放送の受信アンテナ(以下、衛星アンテナと略称す
る)30からの受信信号が、衛星放送の受信チューナ(以下、BS/CSチューナと略称
する)31に供給され、受信復調されたデジタルデータ信号と、さらにデコードされたア
ナログテレビジョン信号が取り出される。
BS/CSチューナ31から取り出されたデジタルデータ信号が、制御CPU(Cent
ral Processing Unit)2に供給され、例えばデジタルデータ信号中
に含まれる電子番組表(Electric Program Guide:以下、EPG
と略称する)のデータ(番組データ)が取得されて、電子番組表が形成される。
【0012】
また、テレビジョン受信機10に内蔵の地上波チューナ1で受信復調されたアナログテレ
ビジョン信号からも、重畳されたEPGのデータが取り出されて、制御CPU2に供給さ
れる。この地上波のEPGのデータ(番組データ)についても電子番組表が形成される。
そそして、これらの電子番組表は不揮発性メモリ14に記憶される。
【0013】
さらに、テレビジョン受信機10を構成する通信部16からのネットワーク接続端子17
はインターネット等から成るネットワーク70を介してサーバ80に接続され、制御CP
U2からのアクセスによりEPGデータ(番組データ)が取得され、電子番組表が形成さ
れる。
【0014】
そして、上記電子番組表を用いて、ユーザがリモートコントロール装置50を操作し、リ
モートコントロール装置50の出力をテレビジョン受信機10に設けられたリモートコン
トロール受信器15が受信し、制御CPU2に供給されることにより、視聴もしくは録画
したい番組の放送時間帯や放送チャンネル等が設定されると、設定された内容に応じて地
上波チューナ1及びBS/CSチューナ31に選局等の制御信号が供給され、地上波チュ
ーナ1及び外付けのBS/CSチューナ31で、受信復調及びデコードされたテレビジョ
ン信号の映像信号及び音声信号等が混合器4を通じてディスプレイ40に供給されて、映
像信号の表示及び音声信号の出力等が行われる。
【0015】
録画が選択されている場合には、録画装置3(例えば、HDD及びDVD−RAMドライ
ブ。なお、これらはどちらか一方のみでもよい)が駆動され、地上波チューナ1及び外付
けのBS/CSチューナ31で、受信復調及びデコードされたテレビジョン信号の映像信
号及び音声信号等が録画装置3に記録される。なお、録画装置3での記録再生にあたって
は、周知のA/D、D/A変換等が行われるが、図示は省略する。
【0016】
さらに、録画装置3に記録されたテレビジョン信号の映像信号及び音声信号等が、制御C
PU2の制御に従って再生され、混合器4を通じてディスプレイ40に供給されて、映像
信号の表示及び音声信号の出力等が行われる。
【0017】
また、制御CPU2で形成された電子番組表の画像や、その他の操作ガイドの画像が、混
合器4に供給され、録画装置3から再生される映像信号に重畳される。これにより、これ
らの電子番組表や操作ガイド等の画像は、ディスプレイ40で受像される映像信号の画面
に重畳して表示される。
【0018】
テレビジョン受信機10は予め設定されたNGキーワードで、自動的にパレンタルロック
をかけるものであり、以下、その機能を図2乃至図6に基づき説明する。
図2はNGキーワードの登録、変更の処理を説明するフローチャートであり、 視聴を制
限したい保護者はリモートコントロール装置50を操作し、図示しないメニュー画面から
パレンタルロックのモードを選択する。制御CPU2はNGキーワードの登録が選択され
たかを判断し(ST1)、NGキーワードの登録が選択された場合はディスプレイ40に
NGキーワードの登録画面を表示し、NGキーワードの登録が行われる(ST1)。登録
されたNGキーワードは不揮発性メモリ14に記憶される。
【0019】
又、制御CPU2はNGキーワードの変更が選択されたかを判断し(ST3)、NGキ
ーワードの変更が選択された場合は不揮発性メモリ14に記憶からNGキーワードを読み
出してディスプレイ40に表示し、NGキーワードの変更が行われる(ST4)。登録さ
れたNGキーワードは不揮発性メモリ14に記憶される。
【0020】
NGキーワードの登録、変更の処理の際にはディスプレイ40には図3に示すような画
面が表示される。即ち、視聴を制限したいNGキーワードの表示、視聴を制限したい視聴
時間帯の表示、視聴を制限したいジャンルの表示がディスプレイ40上になされる。視聴
を制限したい保護者はリモートコントロール装置50を操作して、視聴を制限したい番組
に関連するNGキーワードを登録/変更するとともに、これに併せて、視聴を制限したい
視聴時間帯の指定、視聴を制限したい番組のジャンルの指定を行う。
【0021】
図4はNGキーワードの送信/受信処理を示すフローチャートであり、テレビジョン受
信機10へNGキーワードの登録、変更が成されると、制御CPU2は予め定められた時
間に、登録されたNGキーワードを通信部16からネットワーク70を介してサーバ80
に送信する(ST5)。
【0022】
サーバ80は他の家庭からも同様にNGキーワードを受信しており、収集したNGキー
ワードを集計し、上位のNGキーワードをお薦めのNGキーワードとして配信する。制御
CPU2は登録されたNGキーワードをサーバ80に送信した後、サーバ80よりお薦め
のNGキーワードをダウンロードし、自己のNGキーワードに加え、不揮発性メモリ14
に記憶する(ST6)。
【0023】
以上の処理により、視聴を制限したいNGキーワード、視聴を制限したい視聴時間帯、
視聴を制限したいジャンルがテレビジョン受信機10へ登録されており、登録されたNG
キーワード、聴時間帯、ジャンルに対する番組が選択された場合には、図5に示すように
「選択された番組はロックされています」との表示が成され、番組の表示は行われない。
尚、保護者が在宅していてパレンタル機能がオフにされている場合にはこのようなロック
は行われない。
【0024】
尚このようなパレンタルロックの表示情報は制御CPU2で形成されて混合器4に供給さ
れ、映像信号に重畳されて、ディスプレイ40により表示される。
このパレンタルロックの処理について図6に基づき説明する。
パレンタル機能がオン状態で、視聴者が視聴する番組を選択すると(ST7)、選択され
た番組に関する情報が取得される(ST8)。即ち、各番組のEPGデータは電子番組表
として不揮発性メモリ14に記憶されているので、選択された番組のEPGデータが制御
CPU2により取得される。
【0025】
次に視聴を制限したい視聴時間帯、視聴を制限したいジャンルとして登録されているデ
ータと当該番組のデータとが比較され、視聴制限対象の時間帯若しくはジャンルの番組で
あるかが制御CPU2により判断される(ST9)。
【0026】
視聴制限対象の時間帯若しくはジャンルの番組でなかった場合には、次に、登録されて
いるNGキーワードと当該番組のEPGデータとが比較され、EPGデータにNGキーワ
ードが含まれているどうかかが制御CPU2により判断される(ST10)。
【0027】
そして、選択された番組のEPGデータにNGキーワードが含まれている場合、並びに
、選択された番組が視聴制限対象の時間帯若しくはジャンルの番組でなかった場合にはパ
レンタルロックが動作して、制御CPU2はディスプレイ40に図5に示す表示を行い、
視聴を制限する(ST11)。
【0028】
尚、上記形態では、NGキーワードを登録するものであるが、NGキーワードは番組の
タイトルを含んでいても差し支えない。種々の機関では子供に見せたくない番組を集計し
ており、図7に示すような子供に見せたくない番組トップ10が公開されている。従って
、NGキーワードの収集先としてこのような機関のホームページアドレスを登録しておけ
ば、子供に見せたくない番組上位のものについてパレンタルロックを動作させることがで
きる。
【0029】
以上の実施形態によれば、選局時に取得した番組情報に、設定されたNGキーワードが
含まれる場合に、パレンタルロックを動作させるので、番組タイトルをいちいち確認せず
とも良い。又、NGキーワードに、ジャンルや放送時間帯を組み合わせて、自動的にパレ
ンタルロックを動作させるので、きめの細かいパレンタルロックが可能である。
【0030】
又、選局した番組についてのみ判定処理を行えばよいため、上記のような判定を行っても
、制御CPU2の処理は重くならない。
ユーザが手動で設定したNGキーワードはサーバで集計され、上位のNGキーワードをお
薦めのNGキーワードに加えられる。自動録画したい番組は、ユーザの好みによって大き
く偏るが、子供にみせたくないような番組は、概ね同じ傾向にあるので、単純な集計でも
十分な効果が得られる。
【0031】
上記実施形態では、インターネット経由で、お薦めのNGキーワードを定期的にダウンロ
ードして、自己のNGキーワードとして設定するため、ユーザは、子供にみせたくない番
組について、最新の情報をいちいち把握する必要がなくなり、簡単な操作で、子供の教育
上好ましくない番組の視聴を着実にロックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】テレビジョン受信機10の概略ブロック図。
【図2】NGキーワードの登録、変更の処理を説明するフローチャート。
【図3】NGキーワードの登録、変更時の画面表示例。
【図4】NGキーワードの送信/受信処理を説明するフローチャート。
【図5】パレンタルロックの画面表示例。
【図6】パレンタルロックの処理を説明するフローチャート。
【図7】子供に見せたくない番組タイトル例。
【符号の説明】
【0033】
2・・・制御CPU
4・・・混合器
10・・・テレビジョン受信機
14・・・不揮発性メモリ
40・・・ディスプレイ
50・・・リモートコントロール装置
80・・・サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
視聴を制限したい番組に関連するキーワードを登録する手段と、
番組が選択された際に当該番組に付随する関連情報と上記キーワードとを比較する手段
と、
上記比較手段による比較結果に基づき選択された番組の視聴を制限する手段とを具備し
たことを特徴とするパレンタルロック装置。
【請求項2】
視聴を制限したい番組のお薦めキーワードを通信網を介して外部より取得する手段を有
し、当該手段により取得したお薦めキーワードを登録することを特徴とする請求項1に記
載のパレンタルロック装置。
【請求項3】
登録されたキーワードを通信網を介して送信する手段と、この送信手段により送信され
たキーワードに基づいて集計されたお薦めNGキーワードを通信網を介して外部より取得
することを特徴とする請求項2に記載のパレンタルロック装置。
【請求項4】
視聴を制限したい番組のジャンル又は放送時間を予め指定しておき、これら番組のジャ
ンル又は放送時間に応じて番組の視聴を制限する手段とを具備したことを特徴とする請求
項1に記載のパレンタルロック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−266952(P2007−266952A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−88710(P2006−88710)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】