説明

パワーステアリング装置

【課題】 急転舵によってチェック弁における単位時間当たり流量が増大した場合、チェック弁における作動油の流れが乱れて異音が発生する、という課題を解決する。
【解決手段】 第1一方向弁に流れる作動油の単位時間当たり流量が最大のとき、この第1一方向弁におけるレイノルズ数は2300以下であり、第2一方向弁に流れる作動油の単位時間当たり流量が最大のとき、この第2一方向弁におけるレイノルズ数は2300以下であることとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧式のパワーステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されるパワーステアリング装置にあっては、電動モータで駆動される可逆式ポンプからの液圧をパワーシリンダの左右のパワーシリンダにそれぞれ選択的に供給することにより操舵アシスト力を得ている。また、油圧回路内の油量が不足した場合にリザーバタンクから油圧回路へ作動油を供給するための油路およびチェック弁が設けられている。
【特許文献1】特開2005−47296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記従来技術にあっては、急転舵時のようにパワーシリンダ内の単位時間当たりピストン移動量が大きい場合、上記油路を介して油圧回路へ供給されるリザーバタンクからの油量が一時的に増大する。すなわち、チェック弁における単位時間当たりの流量が増大する。なぜなら、配管抵抗により可逆式ポンプからの吐出量に対して非加圧側パワーシリンダから作動油の送給が追従できず、その不足分をリザーバタンクから補給するためである。
【0004】
このとき、急転舵によってチェック弁における単位時間当たり流量が増大した場合、チェック弁における作動油の流れが乱れて異音が発生する、という今まで着目されていなかった問題があることがわかった。本発明は、上記の問題に初めて着目し、解決を図るものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため本発明では、転舵輪に連結された操舵機構の操舵力を補助するパワーシリンダと、前記パワーシリンダの両圧力室に対し選択的に油圧を供給し、一対の吐出口を有する可逆式ポンプと、前記パワーシリンダの両圧力室と前記可逆式ポンプの一対の吐出口とをそれぞれ接続する第1油路および第2油路と、前記可逆式ポンプを駆動する電動機と、前記転舵輪に与える操舵アシスト力に応じて、前記電動機に駆動信号を出力する電動機制御手段と、作動油を貯留するリザーバタンクと、前記リザーバタンクに接続され、前記可逆式ポンプを介して前記第2油路へ作動油を供給する第1補給油路と、前記第1補給油路に設けられ、前記リザーバタンク側から前記第2油路側への作動油の流れのみを許容する第1一方向弁と、前記リザーバタンクに接続され、前記可逆式ポンプを介して前記第1油路へ作動油を供給する第2補給油路と、前記第2補給油路に設けられ、前記リザーバタンク側から前記第1油路側への作動油の流れのみを許容する第2一方向弁とを備えたパワーステアリング装置において、前記第1一方向弁に流れる作動油の単位時間当たり流量が最大のとき、この第1一方向弁におけるレイノルズ数は2300以下であり、前記第2一方向弁に流れる作動油の単位時間当たり流量が最大のとき、この第2一方向弁におけるレイノルズ数は2300以下であることとした。
【0006】
よって、急転舵時における異音を回避したパワーステアリング装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明のパワーステアリング装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
[パワーステアリング装置のシステム構成]
実施例1につき説明する。図1は本願パワーステアリング装置のシステム構成図である。なお、ラック軸5の軸方向をx軸とし、パワーシリンダ8における第2シリンダ室8b側を正方向とする。
【0009】
運転者がステアリングホイールSW(操舵輪)を操舵するとシャフト2を介してピニオン4が駆動され、所謂ラック&ピニオン機構(操舵機構)によりラック軸5が軸方向に移動し、前輪6a,6bを操舵する。シャフト2には運転者の操舵トルクを検出するトルクセンサTSが設けられ、コントロールユニット7(電動機制御手段)に対しトルク信号を出力する。
【0010】
ラック軸5には、運転者の操舵トルクに応じてラック軸5の移動をアシストするパワーステアリング機構が設けられている。このパワーステアリング機構は、モータM(電動機)により駆動する可逆式のポンプ3と、ラック軸5を左右に移動させるパワーシリンダ8が設けられている。ポンプ3、各油路、および油圧回路における各バルブは液圧ユニットHU内に設けられている。
【0011】
このポンプ3には第1ポート31および第2ポート32(一対の吐出口)が設けられ、パワーシリンダ8の内部には軸方向移動可能なピストン8cが設けられ、このピストン8cにより第1シリンダ室8aおよび第2シリンダ室8b(一対の圧力室)が画成される。
【0012】
第1シリンダ室8aは第1油路21と接続し、第1油路21とポンプ3とは第3油路23を介して接続されている。また、第2シリンダ室8bは第2油路22と接続し、第2油路22とポンプ3は第4油路24を介して接続されている。第3、第4油路23、24にはそれぞれ第1、第2補給油路61,62が設けられ、それぞれリザーバタンク9と接続する。
【0013】
第1、第2補給油路61,62にはそれぞれ第1、第2吸入チェック弁100,200(第1、第2一方向弁)が設けられてリザーバタンク9への作動油の逆流を防止するとともに、第1、第2油路21,22における作動油が不足した場合にはリザーバタンク9から作動油を補給可能な構成となっている。
【0014】
また、第1、第2油路21,22はそれぞれ第1、第2連通路25,26と接続し、第1、第2連通路25,26は接続部27において互いに接続する。また、第1、第2連通路25,26にはそれぞれ接続部27側への流れのみを許容するチェック弁41,42が設けられている。さらに、接続部27は電磁切換弁40が設けられたドレン油路28を介してリザーバタンク9と接続し、電磁切換弁40によりリザーバタンク9と連通/遮断される。
【0015】
第1、第2油路21,22であってポンプ3とパワーシリンダ8との間にはバイパスバルブ1が設けられている。このバイパスバルブ1は第1油路21と接続する第1バルブ1a、第2油路22と接続する第2バルブ1b、およびこの第1、第2バルブ1a,1bの間に設けられた第3バルブ1cから形成される。
【0016】
この第1バルブ1aは第1油路21のポンプ側油路21aとパワーシリンダ側油路21bと接続し、第1油路21とリザーバタンク9の連通/遮断を行う。同様に、第2バルブ1bは第2油路22のポンプ側、パワーシリンダ側油路22a,22bと接続して第2油路22とリザーバタンク9の連通/遮断を行う。
【0017】
第1、第2バルブ1a,1bはそれぞれ第1、第2油路21,22内の油圧によってx軸方向にストロークする。ノーマル時において第1バルブ1aはスプリングによってx軸正方向に付勢され、第1油路21とリザーバタンク9とを遮断する。なお、ノーマル時とはアシストトルク=ゼロの状態である。
【0018】
第1バルブ1aがスプリングの付勢力に抗してx軸負方向にストロークすると、第1油路21とリザーバタンク9が連通状態となる。第2バルブ1bは第1バルブ1aと対称形状であってスプリングによりx軸負方向に付勢され、x軸正方向にストロークすると第2油路22とリザーバタンク9とが連通される。
【0019】
第1、第2バルブ1a,1bの間には、第3バルブ1cがx軸方向にストローク可能に設けられている。この第3バルブ1cは第1、第2油路21,22の差圧によってストロークし、第1、第2バルブ1a,1bの一方を移動させるものである。
【0020】
第1油路21が高圧であれば第1バルブ1aがx軸正方向に移動して第2バルブ1bがx軸正方向に押圧されて移動し、第2油路22とリザーバタンク9とが連通される。同様に、第2油路22が高圧であれば第2バルブ1bがx軸負方向に移動して第1バルブ1aがx軸負方向に押圧されて移動し、第1油路21とリザーバタンク9とが連通される。
【0021】
(第1油路が第2油路よりも高圧の場合)
第1油路21が第2油路22よりも高圧の場合、第3バルブ1cが第2バルブ1bをx軸正方向に押圧し、第2バルブ1bがx軸正方向にストロークする。これにより第2バルブ1bが開弁されて第2油路22とリザーバタンク9が連通状態となる。第1バルブ1aはノーマル状態となって第1油路21とリザーバタンク9とは遮断される。
【0022】
(第2油路が第1油路よりも高圧の場合)
第2油路22が第1油路21よりも高圧の場合、第3バルブ1cが第1バルブ1aをx軸負方向に移動させる。第2バルブ1bはノーマル状態となって第2油路22とリザーバタンク9とが遮断され、第1バルブ1aが開弁されて第1油路21とリザーバタンク9とが連通される。
【0023】
第1、第2バルブ1a,1bはそれぞれ背圧弁43を介してリザーバタンク9と接続する。この背圧弁43は第1、第2バルブ1a,1bからリザーバタンク9への流れのみを許容し、リザーバタンク9からの逆流を防止している。この背圧弁43を設けることにより液量収支を合わせるとともに、バイパスバルブ1側に築圧されることを防止して耐久性を向上させる。
【0024】
コントロールユニット7には、トルクセンサTSからのトルク信号、および変速機信号に加え、イグニッションスイッチからのスイッチ信号、エンジン回転数センサからのエンジン回転数信号、車速センサからの車速信号等が入力され、これら各種信号に基づいて操舵アシスト力を決定し、モータMおよび電磁切換弁40に対し指令信号を出力する。
【0025】
常開の電磁切換弁40は通常時においては遮断され、フェイル時に開弁されてマニュアルステアを確保する構成となっている。なお、マニュアルステアとはシステム失陥時に運転者の操舵力によって転舵を行う状態であり、電磁切換弁40を解して第1、第2シリンダ室8a,8b間を作動油が移動することで達成される。
【0026】
また、第1、第2油路21,22のパワーシリンダ側油路21b、22bであって連通路25,26よりもパワーシリンダ8側の配管の一部は合成樹脂で形成された樹脂配管71,72により形成されている。配管の一部を合成樹脂で形成することで、配管レイアウト性の向上と油圧脈動の低減による制御性の安定化を図っている。
【0027】
[ポンプの詳細]
図2は第2ハウジング12を取り去ったポンプ3の上面図、図3は第1ハウジング11の上面図である。なお、図2、3においては図面の法線方向をz軸とする。また、図2、3では第1ハウジング11のみ図示するが、第1ハウジング11を取り去ったポンプ3の下面図にあっても図2と同様であり、カムリング35等を収装する部分の形態は第1、第2ハウジング11,12で同一であるため、第2ハウジング12についての説明は省略する。
【0028】
ポンプ3はいわゆる双方向ポンプであり、第1、第2ハウジング11,12、アウタロータ33、インナロータ34、カムリング35、および駆動軸36を有する。内周側から順にインナロータ34、アウタロータ33、カムリング35の順に配置され、軸方向から第1、第2ハウジング11,12により挟持されて収装される。
【0029】
アウタロータ33は内周に内歯歯車331を有し、外周面332においてカムリング35に回転自在に収装される。また、アウタロータ33の内周には外歯歯車341を備えたインナロータ34が収装される。この内歯歯車331と外歯歯車341は同ピッチで設けられ、また内歯歯車331の歯数は外歯歯車341の歯数よりも1つ多く設けられている。
【0030】
図3に示すように、第1ハウジング11のz軸正方向面11aであってI−I直線よりもx軸負方向の領域には第1吸入ポート31aが設けられ、x軸正方向の領域には第1吐出ポート31bが設けられている。この第1吸入ポート31aおよび第1吐出ポート31bは、アウタロータ33に設けられた内歯歯車331と、インナロータ34に設けられた外歯歯車341に対応する位置にそれぞれ三日月状に開口して設けられ、I−I直線近傍において開口を閉塞し、かつI−I直線に対し対称に設けられている(図3、図4参照)。
【0031】
なお、第2ハウジング12にも内歯歯車331と外歯歯車341に対応する位置に三日月状の第2吸入ポート32aおよび第2吐出ポート32bが設けられ、I−I直線近傍において開口を閉塞する。
【0032】
収装時には内歯歯車331と外歯歯車341が噛合うよう収装されるが、内歯歯車331の歯数は外歯歯車341の歯数よりも1つ多いため、内歯歯車331と外歯歯車341が噛合う際互いに偏心して噛合うこととなる。偏心により内歯歯車331と外歯歯車341により隔成されたポンプ室360が形成される。
【0033】
アウタロータ33とインナロータ34の偏心により、内歯歯車331と外歯歯車341はそれぞれy軸正方向へ向かうほど密に噛合い、y軸正方向端部である噛合い部Aにおいて完全に噛合ってポンプ室360は最小容積となる。また、y軸負方向へ向かうほど噛合を解かれ、y軸負方向端部である閉込み部Bにおいて完全に噛合を解かれて最大ポンプ容積となる。なお、閉込み部Bにおける内歯歯車331と外歯歯車341のクリアランスは、接触を回避しつつ略ゼロとなるよう設けられている。
【0034】
すなわち、インナロータ34およびアウタロータ33が反時計回りに回転されると、ポンプ室360におけるI−I直線(噛合い部Aと閉込み部Bを結ぶ仮想線)に対しx軸負方向側領域(第1、第2吸入ポート31a,31bに対応)では回転に伴って容積が増加する吸入領域361となり、x軸正方向側領域(第1、第2吐出ポート31b,32bに対応)では回転に伴って容積が減少する吐出領域362となる。
【0035】
z軸と平行に設けられた駆動軸36は、図1に示すモータMに接続されてインナロータ34を駆動する。インナロータ34とアウタロータ33の噛み合いにより、駆動軸36の回転に伴ってインナロータ34およびアウタロータ33は回転駆動される。この駆動軸36が正逆回転を行うことでポンプ3は双方向ポンプとして機能する。
【0036】
なお、ポンプ3に流れる作動油の単位時間当たりの流量qは、このポンプ3の固有吐出量VthとモータMの単位時間当たりの回転数Nthとの積であることとする。
【0037】
図4はA−A直線(図5参照)におけるポンプ装置の軸方向断面図、図5はリザーバタンク9を取り去った第2ハウジング12のz軸正方向正面図、図6は図2のII−II断面図である。第1ハウジング11はz軸負方向から、第2ハウジング12はz軸正方向からアウタロータ33、インナロータ34及びカムリング35を挟持する。
【0038】
また、上述のように第1ハウジング11のz軸正方向面11a及び第2ハウジング12のz軸負方向面12aであって、I−I直線に対しx軸負方向にはそれぞれ第1、第2吸入ポート31a,31bが設けられ、x軸正方向にはそれぞれ第1、第2吐出ポート312,32bが設けられている。
【0039】
第1ハウジング11内部には油路21a,22aが設けられ、パワーステアリング装置の油圧回路と第1吸入、吐出ポート31a,32aとを接続し、油圧回路に作動油を供給する。また、第1ハウジング11のz軸負方向側にはモータMが設けられ、駆動軸36と接続する。
【0040】
第2ハウジング12のz軸正方向側にはリザーバタンク9が設けられている。また、第2ハウジング12内には第1、第2補給油路61,62が設けられ、リザーバタンク9と第2供給、吐出ポート32a,32bを接続する。
【0041】
第1、第2吸入チェック弁100,200は第2ハウジング12のz軸正方向側面に開口し、リザーバタンク9からポンプ3への流れのみを許容するよう設けられている。また、この第1、第2吸入チェック弁100,200はそれぞれ第1、第2ポート31、32に直接連通するよう設けられている。
【0042】
ラック軸5をx軸正方向側に移動させる場合、第1シリンダ室8aを加圧して第2シリンダ室8bを減圧するが、その際ポンプ3は第2ポート32から吸込みを行って第1ポート31から吐出を行う。
【0043】
ここで、第2ポート32−第2シリンダ室8b間は距離が長く、第2ポート32−第2シリンダ室8b間の管路抵抗は、第2ポート32から第2吸入チェック弁200を介してリザーバタンク9に至るまでの管路抵抗よりも大きい。
【0044】
このため駆動直後は吸込み口である第2ポート32に近い第2吸込みチェック弁200を介してポンプ3はリザーバタンク9から作動油を吸込み、第2シリンダ室8bから作動油の吸込みをほとんど行わない。このとき、バイパスバルブ1の作用により第2油路22とリザーバタンク9が連通されていることから、第2シリンダ室8bの作動油は第2連通路26を介してリザーバタンク9に排出される。
【0045】
ラック軸5をx軸負方向側に移動させるため第1ポート31から吸込みを行う場合も、同様に第1吸入チェック弁100を介して吸込みが行われ、第1シリンダ室8aの作動油は第1連通路25を介してリザーバタンク9へ排出される。
【0046】
したがってポンプ3の第1、第2ポート31,32と第1、第2吸入チェック弁100,200を連通させることで、吸入時の吸込み抵抗が低減されてポンプ負荷が抑制される。なお、実施例1では吸入チェック弁は100,200の計2個とするが、第1、第2油路21,22に独立して設けられていれば2個でなくともよい。
【0047】
図5は、図2及び図3に示すI−I断面図である。第1ハウジング11内のバルブ挿入孔11bにはバイパスバルブ1が設けられ、y軸負方向側には電磁切換弁40が設けられている。また、第2ハウジング12内において互いに連通する第1、第2バイパス油路51,52によりバイパス油路50が形成され、このバイパス油路50はリザーバタンク9に開口する。
【0048】
[吸入チェック弁の詳細]
図7は第1、第2吸入チェック弁100,200の軸方向断面図である。本願では、単位時間当たりの流量最大時において
レイノルズ数Re≦2300・・・(ア)
となるよう作動油の粘性や流速、および吸入チェック弁100,200の各諸元が設定されている。
【0049】
レイノルズ数を2300以下とすることにより、吸入チェック弁100,200における乱流の発生を抑制し、異音を防止する。なお、第1、第2吸入チェック弁100,200は同一形状であるため、以下吸入チェック弁100と称する。
【0050】
吸入チェック弁100は弁体110、弁座120、上流側流路130、下流側流路140、およびばね150を有する。弁体110はばね150によってz軸正方向側に付勢され、テーパ状に設けられた弁座120に当接することにより閉弁状態となり、上流側流路130と下流側流路140が遮断される。上流側流路130の圧力がばね150の付勢力よりも大きくなると、弁体110はz軸負方向側に移動して開弁状態となり、上流側、下流側流路130,140が連通される。
【0051】
この吸入チェック弁100における最小流路は開弁時における弁体110−弁座120間のクリアランスLにおける流路であり、その面積をSminとする。ここで、上流側流路130における流路面積をSupとした場合、本願では
最小流路面積Smin≧上流側流路面積Sup・・・(イ)
とする。この関係を規定することにより、最小流路通過時と上流側流路通過時における圧力降下量をほぼ同じ値とし、吸入チェック弁100におけるレイノルズ数Reを低減して乱流の発生を抑制する。
【0052】
なお、この吸入チェック弁100における最大流量Qは
Qmax=9.5L/min
であり、吸入チェック弁100の諸元は
弁体直径=8mm
上流側流路径=6.5mm
下流側流路径=11mm
弁体110と弁座120との当接位置径D=6.875mm
弁座120のテーパ角α(z軸に対する傾き)=30°
ばね150のばね定数=0.05N/mm
とするが、最大流量Qmax=9.5L/minの際に上記(ア)、(イ)式を満たせば他の値でもよい。
【0053】
[吸入チェック弁における流量−レイノルズ数の関係]
図8は吸入チェック弁100における流量Q−レイノルズ数Reの関係を示す図である。本願のように(ア)、(イ)式を規定しない比較例の場合、作動油粘度の高い50℃では流量5L/min以下であってもレイノルズ数Re≧1500となり、吸入チェック弁において乱流が発生し、異音を効果的に抑制できない。
【0054】
本願では上記(ア)、(イ)式を満たすように吸入チェック弁100の諸元を設定しているため、流量Q=9.5L/min(最大流量)では作動油温が50℃、80℃のいずれにおいてもレイノルズ数Re≦1500となり、乱流発生が抑制される。
【0055】
[実施例1の効果]
(1)転舵輪6a,6bに連結された操舵機構の操舵力を補助するパワーシリンダ8と、パワーシリンダ8の両シリンダ室8a,8bに対し選択的に油圧を供給し、一対の吐出口を有するポンプ3と、パワーシリンダ8の両シリンダ室8a,8bとポンプ3の一対の吐出口とをそれぞれ接続する第1油路21および第2油路22と、ポンプ3を駆動するモータMと、転舵輪6a,6bに与える操舵アシスト力に応じて、モータMに駆動信号を出力するコントロールユニット7と、作動油を貯留するリザーバタンク9と、リザーバタンク9に接続され、ポンプ3を介して第2油路22へ作動油を供給する第1補給油路61と、第1補給油路61に設けられ、リザーバタンク9側から第2油路22側への作動油の流れのみを許容する第1吸入チェック弁100と、リザーバタンク9に接続され、ポンプ3を介して第1油路21へ作動油を供給する第2補給油路62と、第2補給油路62に設けられ、リザーバタンク9側から第1油路21側への作動油の流れのみを許容する第2吸入チェック弁200とを備えたパワーステアリング装置において、
第1吸入チェック弁100に流れる作動油の単位時間当たり流量が最大のとき、この第1吸入チェック弁100におけるレイノルズ数Reは2300以下であり、第2吸入チェック弁200に流れる作動油の単位時間当たり流量Qが最大(Q=9.5L/min)のとき、この第2吸入チェック弁200におけるレイノルズ数Reは2300以下であることとした。
【0056】
これにより、吸入チェック弁100,200における乱流の発生を抑制し、異音を防止することができる。
【0057】
(2)(10)第1油路21は少なくとも一部が合成樹脂製の配管71で構成され、第2油路22は少なくとも一部が合成樹脂製の配管72で構成されることとした。これにより、配管レイアウト性の向上と油圧脈動の低減による制御性の安定化を図ることができる。
【0058】
(3)(11)第1吸入チェック弁100および第2吸入チェック弁200における流路の最小面積Sminは、この第1吸入チェック弁100および第2吸入チェック弁200の上流側流路断面積Supとほぼ同じまたはそれ以上であることとした。
【0059】
これにより、最小流路通過時と上流側流路通過時における圧力降下量をほぼ同じ値とし、吸入チェック弁100におけるレイノルズ数Reを低減して乱流の発生を抑制することができる。
【0060】
(4)(12)ポンプ3は、外歯を有するインナロータ34と、このインナロータ34に噛合い、内歯を有するアウタロータ33と、これらインナロータ34とアウタロータ33との間に形成される複数のポンプ室360のうち、最小容積を有する噛合い部Aと最大容積を有する閉込み部Bとを結ぶI−I線(仮想線)の一方側(x軸負方向側)に開口し、第1油路21と連通する第1ポート31と、I−I線の他方側(x軸正方向側)に開口し、第2油路22と連通する第2ポート32とから構成され、
第1吸入チェック弁100は第1ポート31に直接連通し、第2吸入チェック弁200は第2ポート32に直接連通することとした。
【0061】
第1、第2吸入チェック弁100,200を直接ポンプ3と連通させることで、吸入時の吸込み抵抗が低減されてポンプ負荷を抑制することができる。
【0062】
(5)(13)第1油路21または第2油路22からリザーバタンク9へ余剰作動油を排出する排出手段をさらに有することとした。これにより、液量収支を合わせるとともにバイパスバルブ1側に築圧されることを防止して耐久性を向上させる。
【0063】
(6)(14)排出手段は、第1油路21または第2油路22内の圧力が所定値以上のとき、余剰作動油をリザーバタンク9へ排出する背圧弁43であることとした。これにより、簡単に排出手段を構成することができる。
【0064】
(8)ポンプ3に流れる作動油の単位時間当たりの流量Qが最大のとき(Q=9.5L/min)、第1吸入チェック弁100および第2吸入チェック弁200における作動油の流れが層流であることとした。これにより、上記(1)と同様の作用効果を得ることができる。
【0065】
(9)ポンプ3に流れる作動油の単位時間当たりの流量qは、このポンプ3の固有吐出量VthとモータMの単位時間当たりの回転数Nthとの積であることとした。
【実施例2】
【0066】
実施例2につき図9に基づき説明する。基本構成は実施例1と同様である。実施例1では第1、第2油路21,22の一部を合成樹脂製の配管71,72で形成したが、実施例2では配管71,72を設けず全て鋼管とする点で異なる。全て鋼管とすることにより、配管膨張を低減して液圧制御性を向上させることができる。
【実施例3】
【0067】
実施例3につき図10に基づき説明する。図10は実施例3における第2ハウジング12のz軸正方向正面図である(実施例1:図5に対応)。実施例1では吸入チェック弁は第1、第2吸入チェック弁100,200の計2つのみであってが、実施例3では第3、第4吸入チェック弁300,400を加えて計4つとする点で異なる。
【0068】
[実施例3の効果]
(7)(15)リザーバタンク9からポンプ3を介して第2油路22へ作動油を供給する第3一方向弁と、リザーバタンク9からポンプ3を介して第1油路21へ作動油を供給する第4一方向弁をさらに有することとした。これにより、吸入経路を増加させてポンプ3の吸入効率を向上させることができる。
【実施例4】
【0069】
実施例4につき図11に基づき説明する。基本構成は実施例1と同様である。実施例1では第1、第2吸入チェック弁100,200をz軸正方向側から第2ハウジング12に設けたが、実施例4ではx軸両側から第1ハウジング11に設ける点で異なる。実施例4においても、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【実施例5】
【0070】
実施例5につき図12に基づき説明する。基本構成は実施例1と同様である。実施例1では第2ハウジング12のz軸正方向側にリザーバタンク9を直接接続したが、実施例5ではリザーバタンク9を第1、第2ハウジング11,12およびモータMに対し離間して設ける点で異なる。
【0071】
[実施例5の効果]
(16)リザーバタンク9は、このリザーバタンク9内の油温が低減するように設けられていることとした。これにより油温上昇による粘性増大を低減して第1、第2吸入チェック弁100,200における異音を低減することができる。
(17)リザーバタンク9は、モータMとは別の位置に設けられることとした。これにより、効果的に油温を低減することができる。
(18)上記(2)と同様の作用効果を得ることができる。
(19)上記(5)と同様の作用効果を得ることができる。
(20)上記(7)と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本願パワーステアリング装置のシステム構成図である。
【図2】第2ハウジングを取り去ったポンプ装置の上面図である。
【図3】第1ハウジングの上面図である。
【図4】A−A直線(図5参照)におけるポンプ装置の軸方向断面図である。
【図5】リザーバタンク9を取り去った第2ハウジング12のz軸正方向正面図である。
【図6】図2のII−II断面図である。
【図7】第1、第2吸入チェック弁100,200の軸方向断面図である。
【図8】吸入チェック弁100における流量Q−レイノルズ数Reの関係を示す図である。
【図9】実施例2におけるシステム構成図である。
【図10】実施例3における第2ハウジング12のz軸正方向正面図である(実施例1:図5に対応)。
【図11】実施例4における第1、第2ハウジング11,12のz軸方向断面図である。
【図12】実施例5における第1、第2ハウジング11,12とリザーバタンク9の位置関係を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
1 バイパスバルブ
1a,1b 第1、第2バルブ
1c 第3バルブ
2 シャフト
3 ポンプ
4 ピニオン
5 ラック軸
6a,6b 転舵輪
7 コントロールユニット
8 パワーシリンダ
8a,8b 第1、第2シリンダ室
8c ピストン
9 リザーバタンク
11,12 第1、第2ハウジング
21,22 第1、第2油路
23,24 第3、第4油路
25,26 第1、第2連通路
27 接続部
28 ドレン油路
31,32 第1、第2ポート
31a,31b 吸入ポート
31b,32b 吐出ポート
33 アウタロータ
34 インナロータ
35 カムリング
36 駆動軸
40 電磁切換弁
41,42 チェック弁
43 背圧弁
50 バイパス油路
51,52 バイパス油路
61,62 補給油路
71,72 樹脂配管
100,200 第1、第2吸入チェック弁
110 弁体
120 弁座
130 上流側流路
140 下流側流路
331 内歯歯車
332 外周面
341 外歯歯車
360 ポンプ室
361 吸入領域
362 吐出領域
A 噛合い部
B 閉込み部
M モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転舵輪に連結された操舵機構の操舵力を補助するパワーシリンダと、
前記パワーシリンダの両圧力室に対し選択的に油圧を供給し、一対の吐出口を有する可逆式ポンプと、
前記パワーシリンダの両圧力室と前記可逆式ポンプの一対の吐出口とをそれぞれ接続する第1油路および第2油路と、
前記可逆式ポンプを駆動する電動機と、
前記転舵輪に与える操舵アシスト力に応じて、前記電動機に駆動信号を出力する電動機制御手段と、
作動油を貯留するリザーバタンクと、
前記リザーバタンクに接続され、前記可逆式ポンプを介して前記第2油路へ作動油を供給する第1補給油路と、
前記第1補給油路に設けられ、前記リザーバタンク側から前記第2油路側への作動油の流れのみを許容する第1一方向弁と、
前記リザーバタンクに接続され、前記可逆式ポンプを介して前記第1油路へ作動油を供給する第2補給油路と、
前記第2補給油路に設けられ、前記リザーバタンク側から前記第1油路側への作動油の流れのみを許容する第2一方向弁と
を備えたパワーステアリング装置において、
前記第1一方向弁に流れる作動油の単位時間当たり流量が最大のとき、この第1一方向弁におけるレイノルズ数は2300以下であり、
前記第2一方向弁に流れる作動油の単位時間当たり流量が最大のとき、この第2一方向弁におけるレイノルズ数は2300以下であること
を特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項2】
請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記第1油路は少なくとも一部が合成樹脂製の配管で構成され、
前記第2油路は少なくとも一部が合成樹脂製の配管で構成されること
を特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項3】
請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記第1一方向弁および前記第2一方向弁における流路の最小面積は、この第1一方向弁および第2一方向弁の上流側流路断面積とほぼ同じまたはそれ以上であること
を特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項4】
請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記可逆式ポンプは、
外歯を有するインナロータと、
このインナロータに噛合い、内歯を有するアウタロータと、
これらインナロータとアウタロータとの間に形成される複数のポンプ室のうち、最小容積を有する噛合い部と最大容積を有する閉込み部とを結ぶ仮想線の一方側に開口し、前記第1油路と連通する第1ポートと、
前記仮想線の他方側に開口し、前記第2油路と連通する第2ポートと
から構成され、
前記第1一方向弁は前記第1ポートに直接連通し、
前記第2一方向弁は前記第2ポートに直接連通すること
を特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項5】
請求項1に記載のパワーステアリング装置は、
前記第1油路または前記第2油路から前記リザーバタンクへ余剰作動油を排出する排出手段をさらに有すること
を特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項6】
請求項5に記載のパワーステアリング装置において、
前記排出手段は、前記第1油路または前記第2油路内の圧力が所定値以上のとき、前記余剰作動油を前記リザーバタンクへ排出する背圧弁であること
を特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項7】
請求項1に記載のパワーステアリング装置は、
前記リザーバタンクから前記可逆式ポンプを介して前記第2油路へ作動油を供給する第3一方向弁と、
前記リザーバタンクから前記可逆式ポンプを介して前記第1油路へ作動油を供給する第4一方向弁をさらに有すること
を特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項8】
転舵輪に連結された操舵機構の操舵力を補助するパワーシリンダと、
前記パワーシリンダの両圧力室に対し選択的に油圧を供給し、一対の吐出口を有する可逆式ポンプと、
前記パワーシリンダの両圧力室と前記可逆式ポンプの一対の吐出口とをそれぞれ接続する第1油路および第2油路と、
前記可逆式ポンプを駆動する電動機と、
前記転舵輪に与える操舵アシスト力に応じて、前記電動機に駆動信号を出力する電動機制御手段と、
作動油を貯留するリザーバタンクと、
前記リザーバタンクに接続され、前記可逆式ポンプを介して前記第2油路へ作動油を供給する第1補給油路と、
前記第1補給油路に設けられ、前記リザーバタンク側から前記第2油路側への作動油の流れのみを許容する第1一方向弁と、
前記リザーバタンクに接続され、前記可逆式ポンプを介して前記第1油路へ作動油を供給する第2補給油路と、
前記第2補給油路に設けられ、前記リザーバタンク側から前記第1油路側への作動油の流れのみを許容する第2一方向弁と
を備えたパワーステアリング装置において、
前記可逆式ポンプに流れる作動油の単位時間当たりの流量が最大のとき、前記第1一方向弁および前記第2一方向弁における作動油の流れが層流であること
を特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項9】
請求項8に記載のパワーステアリング装置において、
前記可逆式ポンプに流れる作動油の単位時間当たりの流量は、この可逆式ポンプの固有吐出量と前記電動機の単位時間当たりの回転数との積であること
を特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項10】
請求項8に記載のパワーステアリング装置において、
前記第1油路は少なくとも一部が合成樹脂製の配管で構成され、
前記第2油路は少なくとも一部が合成樹脂製の配管で構成されること
を特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項11】
請求項8に記載のパワーステアリング装置において、
前記第1一方向弁および前記第2一方向弁における流路の最小面積は、この第1一方向弁および第2一方向弁の上流側流路断面積とほぼ同じまたはそれ以上であること
を特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項12】
請求項8に記載のパワーステアリング装置において、
前記可逆式ポンプは、
外歯を有するインナロータと、
このインナロータに噛合い、内歯を有するアウタロータと、
これらインナロータとアウタロータとの間に形成される複数のポンプ室のうち、最小容積を有する噛合い部と最大容積を有する閉込み部とを結ぶ仮想線の一方側に開口し、前記第1油路と連通する第1ポートと、
前記仮想線の他方側に開口し、前記第2油路と連通する第2ポートと
から構成され、
前記第1一方向弁は前記第1ポートに直接連通し、
前記第2一方向弁は前記第2ポートに直接連通すること
を特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項13】
請求項8に記載のパワーステアリング装置は、
前記第1油路または前記第2油路から前記リザーバタンクへ余剰作動油を排出する排出手段をさらに有すること
を特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項14】
請求項13に記載のパワーステアリング装置において、
前記排出手段は、前記第1油路または前記第2油路内の圧力が所定値以上のとき、前記余剰作動油を前記リザーバタンクへ排出する背圧弁であること
を特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項15】
請求項8に記載のパワーステアリング装置は、
前記リザーバタンクから前記可逆式ポンプを介して前記第2油路へ作動油を供給する第3一方向弁と、
前記リザーバタンクから前記可逆式ポンプを介して前記第1油路へ作動油を供給する第4一方向弁をさらに有すること
を特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項16】
転舵輪に連結された操舵機構の操舵力を補助するパワーシリンダと、
前記パワーシリンダの両圧力室に対し選択的に油圧を供給し、一対の吐出口を有する可逆式ポンプと、
前記パワーシリンダの両圧力室と前記可逆式ポンプの一対の吐出口とをそれぞれ接続する第1油路および第2油路と、
前記可逆式ポンプを駆動する電動機と、
前記転舵輪に与える操舵アシスト力に応じて、前記電動機に駆動信号を出力する電動機制御手段と、
作動油を貯留するリザーバタンクと、
前記リザーバタンクに接続され、前記可逆式ポンプを介して前記第2油路へ作動油を供給する第1補給油路と、
前記第1補給油路に設けられ、前記リザーバタンク側から前記第2油路側への作動油の流れのみを許容する第1一方向弁と、
前記リザーバタンクに接続され、前記可逆式ポンプを介して前記第1油路へ作動油を供給する第2補給油路と、
前記第2補給油路に設けられ、前記リザーバタンク側から前記第1油路側への作動油の流れのみを許容する第2一方向弁と
を備えたパワーステアリング装置において、
前記リザーバタンクは、このリザーバタンク内の油温が低減するように設けられていること
を特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項17】
請求項16に記載のパワーステアリング装置において、
前記リザーバタンクは、前記電動機とは別の位置に設けられること
を特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項18】
請求項16に記載のパワーステアリング装置において、
前記第1油路は少なくとも一部が合成樹脂製の配管で構成され、
前記第2油路は少なくとも一部が合成樹脂製の配管で構成されること
を特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項19】
請求項16に記載のパワーステアリング装置は、
前記第1油路または前記第2油路から前記リザーバタンクへ余剰作動油を排出する排出手段をさらに有すること
を特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項20】
請求項16に記載のパワーステアリング装置は、
前記リザーバタンクから前記可逆式ポンプを介して前記第2油路へ作動油を供給する第3一方向弁と、
前記リザーバタンクから前記可逆式ポンプを介して前記第1油路へ作動油を供給する第4一方向弁をさらに有すること
を特徴とするパワーステアリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−119901(P2009−119901A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−292863(P2007−292863)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】